
毎朝のブラッシングで抜け毛が増えた、シャワーの排水口に髪が溜まりやすくなった、頭頂部の地肌が目立ってきた…そんな変化に気づいたとき、「これは単なる季節の変わり目のせい?」「病院に行くほどのことなのだろうか?」と悩む女性は少なくありません。女性の抜け毛は男性のそれと比べて社会的な注目度が低いこともあり、ひとりで抱え込んでしまいがちです。しかし、原因によっては放置するほど改善が難しくなるケースもあります。この記事では、女性の抜け毛の原因から皮膚科での診療内容、受診のタイミングまでを詳しく解説します。抜け毛に悩む女性が正しい知識をもとに適切な行動をとれるよう、医療的な観点からわかりやすくお伝えします。
目次
- 女性の抜け毛、どのくらいから「異常」なのか
- 女性の抜け毛の主な原因
- 女性に多い抜け毛の種類・疾患
- 皮膚科ではどんな診察・検査をするのか
- 皮膚科での治療法
- 皮膚科と婦人科、どちらに行くべきか
- 受診のタイミングと目安
- 日常生活で気をつけたいこと
- まとめ
この記事のポイント
女性の抜け毛はホルモン変動・栄養不足・ストレス等が原因で、1日100本超が1ヶ月以上続く場合は皮膚科への早期受診が推奨される。皮膚科では血液検査・ダーモスコピーで原因を精査し、ミノキシジル外用薬やステロイド治療など適切な治療法を選択できる。
🎯 1. 女性の抜け毛、どのくらいから「異常」なのか
人間の頭髪は、成長期・退行期・休止期というサイクル(ヘアサイクル)を繰り返しながら生え変わっています。健康な状態であれば、1日に抜ける髪の本数はおおよそ50〜100本程度とされており、これは正常な範囲内です。ただし、これはあくまで目安であり、洗髪の頻度や季節によっても変動します。
一般的に、1日に100本以上の抜け毛が続く状態や、明らかに髪の量が減ってきた・地肌が透けて見えるようになった場合は、何らかの異常が起きている可能性があります。また、抜け毛の本数だけでなく、抜け方にも注目する必要があります。根元に白い膨らみ(毛根鞘)がついている場合は成長期の毛が抜けている可能性があり、より注意が必要です。
季節性の変化として、秋(9〜11月ごろ)は抜け毛が増えやすい時期とも言われています。これは夏の紫外線ダメージや環境変化の影響を受けたものとされており、一時的なものであれば自然に落ち着くことが多いです。しかし、季節を越えても抜け毛が続く場合や、急激に抜け毛が増えた場合は医療機関への相談をおすすめします。
Q. 女性の抜け毛は1日何本から異常とされますか?
女性の抜け毛は1日50〜100本程度が正常範囲とされています。100本以上の抜け毛が1ヶ月以上続く場合や、地肌が透けて見えるようになった場合は異常のサインです。根元に白い膨らみ(毛根鞘)がついた状態で抜ける場合は、成長期の毛が脱落している可能性があり特に注意が必要です。
📋 2. 女性の抜け毛の主な原因
女性の抜け毛の原因は多岐にわたります。男性の抜け毛(AGA:男性型脱毛症)に比べて、女性の場合はホルモン変動・栄養状態・生活習慣・ストレスなど、複合的な要因が絡み合っていることが多いのが特徴です。主な原因を以下にまとめます。
🦠 ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモン(エストロゲン)は髪の成長を促す働きがあります。そのため、出産後や更年期、生理不順などによってエストロゲンが急激に減少すると、ヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増えることがあります。特に産後の抜け毛(産後脱毛症)は多くの女性が経験するもので、産後3〜6ヶ月ごろにピークを迎えることが多いです。
👴 栄養不足・ダイエット
髪を作るためにはタンパク質・鉄分・亜鉛・ビタミン類などの栄養素が欠かせません。過度なダイエットや偏食によってこれらの栄養素が不足すると、身体はより重要な臓器の機能維持を優先するため、髪への栄養供給が後回しになります。特に鉄欠乏性貧血は女性に多く、抜け毛の原因として見落とされやすいため注意が必要です。
🔸 精神的・身体的ストレス
強いストレスが続くと、自律神経やホルモン分泌に影響が及び、ヘアサイクルが乱れることがあります。仕事の激務、精神的なショック、長期的なプレッシャーなどが引き金となる「びまん性脱毛症」や「円形脱毛症」は、ストレスとの関連が指摘されています。
💧 甲状腺疾患
甲状腺ホルモンの異常(甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症)も、抜け毛の原因のひとつです。甲状腺疾患は女性に多く、倦怠感・体重変化・むくみなどの全身症状と同時に抜け毛が起こることがあります。甲状腺の異常は血液検査で確認できるため、疑われる場合は医療機関での検査が必要です。
✨ 頭皮環境の悪化
皮脂の過剰分泌、フケ、頭皮の乾燥、毛穴の詰まりなど、頭皮環境の悪化も抜け毛につながることがあります。シャンプーの洗い残しや、逆に過度な洗浄による頭皮の乾燥・バリア機能の低下も原因となります。
📌 薬の副作用
一部の薬剤(抗がん剤・抗うつ薬・血圧降下薬・経口避妊薬など)は、副作用として抜け毛を引き起こすことがあります。服薬を始めてから抜け毛が増えたと感じる場合は、処方した医師や薬剤師に相談することが重要です。自己判断で薬を中止するのは危険ですので、必ず医師に確認してください。
▶️ 遺伝的要因
女性にも遺伝的な脱毛症(FAGA:女性型脱毛症)が存在します。男性のAGAほど急激ではありませんが、頭頂部を中心に徐々に髪が薄くなっていくのが特徴です。家族に薄毛の方がいる場合は、遺伝的要因も考慮する必要があります。
💊 3. 女性に多い抜け毛の種類・疾患
女性の抜け毛は、その原因や症状のパターンによっていくつかの疾患・状態に分類されます。自分の抜け毛がどのタイプに近いかを知ることで、適切な診療科や治療法を選ぶ参考になります。
🔹 FAGA(女性型脱毛症)
FAGAはFemale Androgenetic Alopeciaの略で、女性における遺伝性・ホルモン関連の脱毛症です。頭頂部や分け目が薄くなるのが特徴で、前髪の生え際は比較的保たれることが多いです。30〜50代の女性に多く見られますが、若い世代にも起こります。進行はゆっくりであることが多いため、「気づいたら薄くなっていた」と感じる方が多いです。
📍 びまん性脱毛症
頭全体にわたって髪の量が減る脱毛症で、女性に多い形態のひとつです。栄養不足・ホルモン変動・ストレス・薬の副作用などさまざまな要因が絡み合って起こることが多く、原因の特定には詳しい検査が必要です。髪全体がボリュームダウンする感覚を覚えることが多く、薄毛として自覚しやすいです。
💫 円形脱毛症
円形または楕円形の脱毛斑が突然現れる疾患で、自己免疫が毛根を攻撃することで起こると考えられています。子どもから大人まで幅広い年齢層に発症します。一か所だけの軽症から、頭全体・まゆ毛やまつ毛にまで及ぶ重症まで程度はさまざまです。ストレスが誘因となることがありますが、ストレスがないケースでも発症します。
🦠 産後脱毛症
妊娠中はエストロゲンの増加によりヘアサイクルが延長し、髪が抜けにくくなります。出産後にエストロゲンが急激に低下すると、それまで休止していた毛が一斉に脱落するため、大量の抜け毛が起こります。これが産後脱毛症で、多くの場合は一時的なものであり、産後6ヶ月〜1年ほどで自然に回復することが多いです。ただし、回復が遅い場合や栄養不足・甲状腺疾患が重なっている場合は医療機関への受診が推奨されます。
👴 牽引性脱毛症
長期にわたって髪を強く引っ張ることで起こる脱毛症です。ポニーテールや編み込みなど、特定のヘアスタイルを続けることで生え際や特定の部位が薄くなります。初期は毛根が傷ついても回復できますが、長期化すると毛根が永続的にダメージを受けることがあります。
🔸 脂漏性皮膚炎・頭皮の炎症
頭皮に炎症が起きると、毛根への栄養供給が妨げられ、抜け毛が増えることがあります。脂漏性皮膚炎はフケや頭皮のかゆみ・赤みを伴うことが多く、皮膚科での治療が有効です。
Q. 女性の抜け毛の原因にはどのようなものがありますか?
女性の抜け毛の主な原因は、エストロゲン低下によるホルモンバランスの乱れ、鉄分・亜鉛・タンパク質などの栄養不足、精神的・身体的ストレス、甲状腺機能異常、頭皮環境の悪化、薬の副作用、遺伝的要因などです。男性と異なり複数の要因が複合的に絡み合うケースが多いのが特徴です。
🏥 4. 皮膚科ではどんな診察・検査をするのか
抜け毛で皮膚科を受診すると、どのような流れになるのか不安に感じる方もいるでしょう。ここでは、皮膚科での一般的な診察・検査の流れを説明します。
💧 問診
最初に、抜け毛の状況について詳しく聞かれます。いつから始まったか、抜け毛の量・状態、脱毛の部位、家族の薄毛の有無、最近の体調変化・ストレス、服用中の薬、生理周期・出産・閉経の有無などを確認します。これらの情報は原因の絞り込みに非常に重要です。受診前に自分の状況を整理しておくとスムーズです。
✨ 頭皮・毛髪の視診
医師が頭皮と髪の状態を目視で確認します。脱毛のパターン(どの部位が薄くなっているか)、頭皮の炎症・フケ・赤み、毛髪の太さ・密度などを観察します。
📌 ダーモスコピー検査
ダーモスコープという拡大鏡を使って、頭皮や毛根の状態を詳細に観察する検査です。毛根の数・太さ・形状を確認し、脱毛症の種類の判別に役立てます。痛みのない検査です。
▶️ 毛髪の引っ張りテスト(プルテスト)
数十本の髪を指でつまんで軽く引っ張り、抜ける本数を確認するテストです。通常は2〜3本以上が抜けると異常とされます。活動性の脱毛症かどうかを判断する目安になります。
🔹 血液検査
抜け毛の背景にある全身的な異常を調べるために血液検査が行われることがあります。主なチェック項目としては、貧血(ヘモグロビン・フェリチン)、甲状腺ホルモン、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)、男性ホルモン(テストステロンなど)、亜鉛・ビオチンなどの栄養素、炎症反応などがあります。血液検査の結果によって治療方針が変わることも多いため、重要な検査です。
📍 毛根の顕微鏡検査・培養検査
感染症(頭部白癬など)が疑われる場合は、毛根や皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察したり、培養検査を行うことがあります。
⚠️ 5. 皮膚科での治療法
皮膚科での抜け毛治療は、原因や脱毛症の種類によって異なります。ここでは代表的な治療法を紹介します。
💫 外用薬(ミノキシジル)
ミノキシジルは、毛根への血流を改善し、発毛を促進する効果が認められている外用薬です。もともとは降圧剤として開発されましたが、発毛効果が確認されたことで脱毛症治療に広く使われるようになりました。日本では女性用として1%濃度の製品が市販されており、皮膚科では5%の製剤が処方されることもあります。毎日継続して使用することが重要で、効果が出るまでに3〜6ヶ月程度かかることが多いです。
🦠 内服薬
女性の脱毛症に対して内服薬が使われることがあります。フィナステリドやデュタステリドは男性向けの薬として知られていますが、女性(特に閉経後)に使用されるケースもあります。また、鉄欠乏が確認された場合は鉄剤の補充、甲状腺機能低下症には甲状腺ホルモン補充療法が行われます。漢方薬が処方されることもあります。
👴 ステロイド治療
円形脱毛症に対しては、炎症を抑えるためにステロイドの外用薬や、重症の場合は注射・内服が用いられます。ステロイドは免疫系の過剰反応を抑制する効果があるため、自己免疫が関与する円形脱毛症の治療に有効です。
🔸 JAK阻害薬
近年、重症の円形脱毛症に対してJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬が使用されるようになっています。免疫反応を調整する新しいタイプの薬で、従来の治療が効かなかったケースでも効果が期待されています。ただし、適応条件や保険適用の状況については医師への確認が必要です。
💧 頭皮治療・ケア
頭皮の炎症や脂漏性皮膚炎が抜け毛の原因となっている場合は、抗真菌薬入りシャンプー・ステロイド外用薬などで頭皮環境を整える治療が行われます。頭皮の状態が改善されることで抜け毛が落ち着くケースも多くあります。
✨ メソセラピー(注入療法)
頭皮に直接、発毛促進成分(成長因子・ビタミン類・ミノキシジルなど)を注入する治療法です。保険適用外となることが多く、主にクリニックで自由診療として行われます。薬剤を頭皮に直接届けられるため、外用薬より高い効果が期待できる場合があります。
📌 低出力レーザー治療

低出力レーザーを頭皮に照射することで、毛根の活性化・血流改善を図る治療法です。副作用が少なく、他の治療と組み合わせて行われることが多いです。
Q. 皮膚科では抜け毛に対してどんな検査や治療が受けられますか?
皮膚科では問診・頭皮の視診・ダーモスコピー(拡大鏡検査)・プルテスト・血液検査(ホルモン・貧血・栄養素など)で原因を精査します。治療法は原因に応じてミノキシジル外用薬、鉄剤や甲状腺薬などの内服薬、円形脱毛症へのステロイド治療や近年ではJAK阻害薬なども選択されます。
🔍 6. 皮膚科と婦人科、どちらに行くべきか
女性の抜け毛の相談先として、皮膚科と婦人科のどちらに行けばよいか迷う方は多いです。基本的には、まず皮膚科を受診することをおすすめします。その理由を以下に説明します。
皮膚科は、皮膚・頭皮・毛髪に関する専門診療科であり、頭皮の状態を直接観察・評価できます。脱毛症の診断・分類、頭皮疾患の治療、血液検査(ホルモン・栄養状態を含む)など、抜け毛に関する幅広い診療が可能です。
一方、婦人科は主に女性生殖器・月経・妊娠・更年期などを専門としています。ホルモンバランスの乱れが抜け毛の原因と考えられる場合(多嚢胞性卵巣症候群、更年期症状の一部など)には、婦人科的な視点からの評価・治療が有効なこともあります。
実際には、皮膚科を受診した際に血液検査の結果からホルモン異常が疑われれば、婦人科や内分泌科への紹介がなされることもあります。最初のステップとして皮膚科を受診し、そこから必要に応じて他科と連携してもらうのが最もスムーズな流れです。
また、近年では「毛髪外来」「AGAクリニック(女性対応)」など、脱毛症を専門的に診る医療機関も増えています。このような専門クリニックでは、より充実した検査・治療メニューが用意されていることが多く、症状が長引いている方や本格的な治療を希望する方に向いています。
📝 7. 受診のタイミングと目安
「どのくらい抜け毛が続いたら病院に行けばいいの?」という疑問を持つ方は多いです。以下のような状況に当てはまる場合は、早めに皮膚科への受診を検討してください。
▶️ 受診を検討すべきサイン
1日に100本以上の抜け毛が1ヶ月以上続いている場合は、正常な範囲を超えている可能性があります。また、円形・楕円形の脱毛斑が突然現れた場合は、円形脱毛症の可能性があり、早期治療が重要です。
頭頂部・分け目の地肌が目立ってきた場合はFAGAの可能性があり、進行する前に対処することが大切です。頭皮にかゆみ・赤み・フケ・痛みを伴う抜け毛は、頭皮疾患(脂漏性皮膚炎・頭部白癬など)が背景にある可能性があります。
抜け毛以外にも、強い倦怠感・体重変動・むくみ・気分の落ち込みなど全身症状を伴う場合は、甲状腺疾患や貧血などの可能性があるため、内科的な検査も必要です。産後6ヶ月を過ぎても抜け毛が改善しない場合も、栄養状態やホルモンバランスの確認が必要です。
市販の育毛剤・シャンプーを3〜6ヶ月使用しても改善が見られない場合は、原因に応じた医療的なアプローチが必要なサインかもしれません。
🔹 受診前に準備しておくと役立つこと
受診をよりスムーズにするために、いくつかの情報を事前に整理しておくと役立ちます。抜け毛が始まった時期と経緯、1日の抜け毛の本数の目安(排水口に溜まる量など)、抜け毛の部位・パターン(全体的か部分的か)、現在服用中の薬・サプリメント、最近の体調変化やストレスの有無、家族の薄毛の状況(特に母方)、生理・妊娠・出産・閉経の状況などを書き留めておくと、問診がスムーズに進みます。
Q. 抜け毛は皮膚科と婦人科どちらに相談すべきですか?
抜け毛の相談は、まず皮膚科を受診することが推奨されます。皮膚科では頭皮の直接観察に加え、ホルモン・栄養状態を調べる血液検査も実施でき、結果に応じて婦人科や内分泌科への紹介も可能です。アイシークリニックでも丁寧な問診による診察を行っており、最初の相談窓口として対応しています。
💡 8. 日常生活で気をつけたいこと
医療機関での治療と並行して、日常生活の中での取り組みも抜け毛の改善に重要です。ここでは、科学的に根拠のある生活習慣のポイントをご紹介します。
📍 栄養バランスのとれた食事
髪の主成分はケラチンというタンパク質です。そのため、肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質を十分に摂取することが基本です。加えて、鉄分(赤身の肉・レバー・ほうれん草)、亜鉛(牡蠣・豆類・ナッツ)、ビタミンB群(特にビオチン・B12)、ビタミンC(鉄の吸収を助ける)なども積極的に摂りたい栄養素です。極端な食事制限やカロリー不足は避けましょう。
💫 正しいシャンプー方法
頭皮を清潔に保つことは大切ですが、洗いすぎや強い洗浄成分は頭皮のバリア機能を損なうことがあります。シャンプーは毎日または1日おきを目安に、頭皮をやさしくマッサージするように洗いましょう。すすぎは丁寧に行い、シャンプーの残留がないようにします。洗髪後はドライヤーで早めに乾かし、半乾きのまま放置しないようにしましょう。濡れた状態の髪はキューティクルが開いており、摩擦に弱いため、タオルでゴシゴシこするのは避けてください。
🦠 ヘアスタイル・ヘアケアの見直し
きつく結ぶヘアスタイルは牽引性脱毛症のリスクを高めます。なるべくゆるいヘアスタイルを心がけ、同じ場所での結び目を避けるようにしましょう。ヘアアイロンやカラーリング・パーマなどの化学的・熱的な処理も頭皮・毛髪にダメージを与えるため、頻度を控えめにすることをおすすめします。
👴 睡眠の確保
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、毛根の修復・細胞再生が行われます。睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少し、ヘアサイクルに悪影響を与えます。成人であれば7〜8時間の良質な睡眠を目標にしましょう。就寝前のスマートフォンの使用を控え、規則正しい睡眠リズムを維持することが重要です。
🔸 ストレスマネジメント
ストレスと抜け毛の関係はさまざまな研究で示されています。完全にストレスをなくすことは難しいですが、適度な運動・趣味・リラクゼーション・深呼吸などを取り入れてストレスを上手に発散させることが大切です。深刻なストレスや精神的な問題を抱えている場合は、心療内科・精神科への相談も選択肢のひとつです。
💧 喫煙・過度の飲酒を避ける
喫煙は血管を収縮させ、頭皮への血流を低下させます。また、タバコに含まれる有害物質は毛母細胞にダメージを与えることが示されています。過度の飲酒はビタミン・ミネラルの吸収を妨げ、栄養不足による抜け毛のリスクを高めます。禁煙・節酒は毛髪の健康にも有益です。
✨ 紫外線対策
強い紫外線は頭皮の酸化ストレスを高め、毛根にダメージを与えることがあります。夏場や日差しの強い日は帽子・日傘を活用し、頭皮への紫外線ダメージを軽減しましょう。ただし、帽子の被りすぎによる蒸れも頭皮環境に悪影響を与えることがあるため、通気性の良いものを選ぶことが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、抜け毛を主訴に来院される女性の多くが、ホルモンバランスの乱れや鉄欠乏性貧血など、頭皮以外の全身的な要因を背景に持っているケースを多く拝見しており、血液検査を含めた丁寧な原因の精査が非常に重要だと感じています。最近の傾向として、「市販の育毛剤を試し続けて半年以上経ってから受診される」という方も少なくありませんが、原因に応じた適切な治療を早期に開始するほど回復の可能性は高まりますので、気になる変化があれば一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。」
✨ よくある質問
1日50〜100本程度の抜け毛は正常な範囲内とされています。100本以上の抜け毛が1ヶ月以上続く場合や、地肌が透けて見えるようになった場合は異常のサインです。また、根元に白い膨らみ(毛根鞘)がついた状態で抜ける場合は、特に注意が必要です。
まずは皮膚科への受診をおすすめします。皮膚科では頭皮の直接観察に加え、ホルモンや栄養状態を調べる血液検査も実施できます。検査結果によってホルモン異常が疑われる場合は、皮膚科から婦人科や内分泌科へ紹介してもらえるため、最初の相談窓口として皮膚科が最もスムーズです。
産後脱毛症は産後3〜6ヶ月ごろにピークを迎え、多くの場合は産後6ヶ月〜1年ほどで自然に回復します。ただし、産後6ヶ月を過ぎても改善が見られない場合や、栄養不足・甲状腺疾患が疑われる場合は、皮膚科への受診を検討してください。アイシークリニック池袋院でも産後の抜け毛についてご相談いただけます。
皮膚科では、問診・頭皮の視診・ダーモスコピー(拡大鏡検査)・プルテスト・血液検査などを通じて原因を調べます。治療法としては、発毛効果が認められたミノキシジルの外用薬、鉄剤や甲状腺薬などの内服薬、円形脱毛症へのステロイド治療など、原因に応じた方法が選択されます。
市販の育毛剤を3〜6ヶ月使用しても改善が見られない場合は、原因に応じた医療的なアプローチが必要なサインです。抜け毛の背景には、ホルモン異常・鉄欠乏性貧血・甲状腺疾患など、育毛剤では対処できない原因が隠れていることがあります。アイシークリニックでは丁寧な問診による診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
📌 まとめ
女性の抜け毛は、ホルモン変動・栄養不足・ストレス・遺伝・頭皮疾患など、さまざまな原因が複合的に絡み合って起こることが多く、その種類もFAGA・びまん性脱毛症・円形脱毛症・産後脱毛症など多岐にわたります。自己判断で「季節のせい」「年齢のせい」と片付けてしまうと、適切な治療開始が遅れ、改善が難しくなることもあります。
抜け毛が気になり始めたら、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。皮膚科では問診・視診・ダーモスコピー・血液検査などを通じて原因を丁寧に調べ、外用薬・内服薬・頭皮治療など個人に合った治療法を提案してもらえます。
また、日常生活での栄養管理・正しいヘアケア・十分な睡眠・ストレス管理は、治療効果を高める上でも重要な要素です。医療機関でのケアと日常生活の改善を組み合わせることで、より効果的に抜け毛に対処することができます。
アイシークリニックでは、女性の抜け毛・薄毛に関する専門的な診察・治療を行っています。「自分の抜け毛の原因を知りたい」「どんな治療が自分に合っているか相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。一人で悩まず、まず専門家に状況を話すことが改善への第一歩です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が公表する脱毛症(円形脱毛症・女性型脱毛症・びまん性脱毛症など)の診療ガイドラインおよび治療指針。記事内のFAGA・円形脱毛症・ステロイド治療・JAK阻害薬・ミノキシジルなどの治療法の根拠として参照。
- 厚生労働省 – 厚生労働省が提供する睡眠・ストレス・生活習慣に関する健康情報。記事内の「睡眠の確保」「ストレスマネジメント」「喫煙・過度の飲酒を避ける」など日常生活上の注意点に関する根拠として参照。
- PubMed – 女性型脱毛症(FAGA)・産後脱毛症・びまん性脱毛症・ホルモンと抜け毛の関連・栄養素(鉄・亜鉛・ビオチン)と脱毛の関係などに関する国際的な医学論文群。記事内の各疾患の説明・原因・治療法の医学的根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務