
💡 背中にいつの間にか黒いできものができていた、という経験をお持ちの方は少なくありません。自分では見えにくい部位だからこそ、気づいたときには「これは何だろう?」「放置しても大丈夫?」と不安になるものです。
背中の黒いできものにはほくろや脂漏性角化症のような良性のものから、メラノーマ(悪性黒色腫)のように早期発見・早期治療が重要なものまで、さまざまな種類があります。この記事では、背中に現れる黒いできものの主な原因とその特徴、自己チェックの方法、そして受診の目安についてわかりやすく解説します。
🚨 この記事を読まないと…
- 🔸 良性と悪性の見分け方がわからず、放置してしまう
- 🔸 メラノーマを見逃して手遅れになるリスクがある
- 🔸 受診のタイミングを誤り、治療が長引く
✅ この記事でわかること
- 📌 黒いできものの種類と見分け方
- 📌 ABCDEルールで今すぐできる自己チェック
- 📌 受診すべき危険なサイン
- 📌 クリニック選びのポイント・治療の流れ
目次
- 背中の黒いできものとは?まず知っておきたい基本知識
- 背中に黒いできものができる主な原因・種類
- 良性の黒いできもの:ほくろ・脂漏性角化症・色素性母斑
- 注意が必要な黒いできもの:メラノーマ(悪性黒色腫)
- その他の背中にできる黒っぽいもの:粉瘤・血豆・毛嚢炎
- ABCDEルールで自己チェックする方法
- 背中の黒いできものを放置するリスク
- 受診すべき目安とクリニック選びのポイント
- 背中の黒いできものの診断・治療の流れ
- まとめ
この記事のポイント
背中の黒いできものはほくろや脂漏性角化症などの良性が多いが、メラノーマ(悪性黒色腫)の可能性もあり、ABCDEルールで自己チェックしつつ、変化や気になる症状があれば皮膚科専門医へ早期受診することが重要。
💡 背中の黒いできものとは?まず知っておきたい基本知識
背中は自分で直接見ることが難しい部位です。そのため、できものの変化に気づきにくく、家族や友人に指摘されて初めて存在を知るケースも多くあります。「黒いできもの」と一口に言っても、その正体はさまざまです。色の濃さや大きさ、形、硬さ、触ったときの感触など、多くの要素によって原因や種類が異なります。
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の三層構造になっており、黒いできものはそのどの層に問題があるかによっても性質が変わります。色素(メラニン)を産生するメラノサイトという細胞が関与するものが多く、紫外線の影響を受けやすい部分でもあります。背中は衣服で隠れているため紫外線を浴びにくいと思われがちですが、海水浴やアウトドア活動、ノースリーブの着用などで意外と紫外線を受けているものです。
背中のできものの多くは良性ですが、中には悪性のものも混在しているため、正しい知識を持って観察することが大切です。特に変化のあるできものや、急に大きくなったと感じるものは注意が必要です。
Q. 背中の黒いできものの主な種類は何ですか?
背中の黒いできものには、ほくろ(色素性母斑)や脂漏性角化症・青色母斑などの良性のものが多くあります。一方、メラノーマ(悪性黒色腫)のような悪性腫瘍も存在します。また、粉瘤・血豆・炎症後色素沈着が黒っぽく見えるケースもあります。
📌 背中に黒いできものができる主な原因・種類
背中に現れる黒いできものには、大きく分けて良性と悪性があります。さらに良性の中でも、皮膚の老化現象によるもの、先天的な色素沈着によるもの、炎症後に生じるものなど原因はさまざまです。
まず大前提として、背中にできる黒いできものの大多数は良性です。ほくろ(色素性母斑)や加齢によるシミが盛り上がった脂漏性角化症などが代表的です。これらは日常生活に支障をきたすことは少なく、見た目の問題として気になる場合を除けば、医学的に緊急性が高いものではありません。
一方で、メラノーマ(悪性黒色腫)のように皮膚がんの一種であるケースもゼロではありません。メラノーマは早期発見によって治癒率が大きく異なる疾患であり、見た目の特徴から素人が判断するのは困難です。そのため、「怪しいと思ったら早めに専門家に診てもらう」という姿勢がとても重要です。
また、黒っぽく見えるができもの全てが色素によるものとは限りません。粉瘤(アテローム)が炎症を起こして黒ずんで見えたり、内出血(血豆)が皮膚の下に溜まって黒く見えたりすることもあります。背中という解剖学的な特性から、こうしたできものが何年も放置されやすい環境にあるということも理解しておく必要があります。
✨ 良性の黒いできもの:ほくろ・脂漏性角化症・色素性母斑
✅ ほくろ(色素性母斑)
ほくろは医学的には「色素性母斑」と呼ばれ、メラノサイトが皮膚の中に集まってできた良性の腫瘍です。生まれつきあるものもあれば、成長とともに現れるものもあります。色は薄い茶色から黒色まで幅広く、大きさも数ミリから数センチのものまで様々です。
ほくろ自体は基本的に良性であり、ほとんどの場合は健康上の問題になりません。ただし、後述するように大きなほくろや非典型的なほくろはメラノーマとの鑑別が必要なことがあります。背中にある大きなほくろは自分でチェックしにくいため、定期的に家族などに確認してもらうことをおすすめします。
先天性の大型色素性母斑(直径20cm以上のものを「巨大先天性色素性母斑」と呼びます)は、将来的にメラノーマに変化するリスクが通常のほくろより高いとされており、専門医による定期的なフォローアップが推奨されます。
📝 脂漏性角化症(老人性疣贅)
脂漏性角化症は、加齢とともに現れる良性の皮膚腫瘍です。「老人性のイボ」とも呼ばれ、40代以降に多く見られます。表面がざらざらとして盛り上がっており、色は淡褐色から黒色まで様々です。背中や顔、首に多く現れる傾向があります。
脂漏性角化症は良性であり、放置しても健康上の問題はありません。ただし、黒色で表面に光沢があるものはメラノーマと見た目が似ていることもあり、自己判断は禁物です。皮膚科専門医がダーモスコピー(皮膚鏡)という拡大鏡を使って観察することで、多くの場合は鑑別が可能です。
見た目が気になる場合や、衣服との摩擦で出血するような場合は、液体窒素による冷凍療法や炭酸ガスレーザーなどで除去することができます。
🔸 青色母斑
青色母斑は、皮膚の深い部分(真皮)にメラノサイトが異常増殖してできた良性腫瘍です。名前の通り青みがかった色をしていることが多いですが、黒っぽく見えることもあります。直径1cm以下の小さな硬い結節として現れることが多く、表面は滑らかです。
青色母斑は基本的に良性ですが、悪性青色母斑と呼ばれるまれな悪性病変もあるため、確定診断には病理組織検査が必要なケースもあります。
Q. ABCDEルールとはどのような自己チェック方法ですか?
ABCDEルールは皮膚がんの早期発見を目的とした自己チェック法です。A(非対称)・B(境界の不規則さ)・C(色の不均一)・D(直径6mm以上)・E(変化の有無)の5項目を確認します。ただし、該当しなくても安心とは言い切れず、気になる場合は皮膚科専門医への受診が必要です。
🔍 注意が必要な黒いできもの:メラノーマ(悪性黒色腫)
メラノーマ(悪性黒色腫)は、皮膚の色素細胞(メラノサイト)ががん化した悪性腫瘍です。日本では欧米ほど多くはないものの、発生した場合は進行が速く、リンパ節や他臓器への転移リスクがあるため、早期発見と治療が極めて重要です。
メラノーマの発生部位として足の裏や手のひら(日本人に多い)が知られていますが、背中や体幹部にも発生します。既存のほくろが変化してメラノーマになるケースもあれば、突然新しいできものとして出現するケースもあります。
メラノーマの特徴として注目されるのが色の不均一さです。同じできものの中に黒・茶・赤・白など複数の色が混在していることがあります。また、境界が不明瞭で不規則な形をしていたり、左右非対称だったりすることも特徴の一つです。さらに、短期間(数週間〜数ヶ月)で急速に大きくなる、あるいは出血やびらん(ただれ)が生じることも警戒すべきサインです。
メラノーマは病期(ステージ)によって治療法と予後が大きく異なります。ステージ1の早期であれば手術による切除で治癒が期待できますが、リンパ節や他臓器への転移が進むと治療が複雑になります。近年は免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬などの新しい治療法が開発され、進行例でも選択肢が広がっていますが、やはり早期発見に越したことはありません。
「なんとなく気になるほくろがある」と感じたら、自己判断せずに皮膚科専門医を受診することを強くおすすめします。ダーモスコピー検査や、必要に応じた生検(組織を採取して顕微鏡で調べる検査)によって正確な診断が可能です。
💪 その他の背中にできる黒っぽいもの:粉瘤・血豆・毛嚢炎
⚡ 粉瘤(アテローム)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の組織ができ、その中に角質や皮脂などが溜まる良性の嚢腫(のうしゅ)です。背中は粉瘤が発生しやすい代表的な部位の一つです。
粉瘤そのものは白や肌色をしていることが多いですが、表面に黒い点(毛穴の詰まり)が見えることがあり、これが「黒い点のある盛り上がり」として気になることがあります。また、炎症を起こした粉瘤は赤黒く変色し、周囲が腫れて痛みを伴うことがあります。
炎症を繰り返す粉瘤は、細菌感染のリスクもあります。治療は外科的な摘出術が基本です。炎症を起こしていない状態のうちに切除するほうが手術が容易であり、傷跡も小さくて済む傾向があります。炎症が強い場合はまず切開して膿を排出し、炎症が落ち着いてから改めて摘出する方法が取られることもあります。
🌟 血豆・内出血による黒みがかった盛り上がり
圧迫や摩擦、衣服の擦れなどによって皮下に出血が生じると、黒紫色の盛り上がり(血豆)として見えることがあります。背中は就寝中に体重がかかる部位でもあるため、気づかぬうちに血豆ができていることがあります。
通常の血豆は時間とともに自然に吸収されますが、原因不明の黒い血豆がいつまでも消えない場合や、サイズが大きい場合は、メラノーマとの鑑別が必要なこともあります。特に爪の下(爪下血腫)は足の裏のメラノーマと非常に似た外観になることがあるため注意が必要です。
💬 毛嚢炎・ニキビ跡の色素沈着
背中は皮脂腺が多く、ニキビや毛嚢炎(毛穴の炎症)が生じやすい部位でもあります。ニキビや毛嚢炎が治った後に、炎症後色素沈着として黒っぽいシミが残ることがあります。これは医学的には「炎症後色素沈着」と呼ばれ、メラニン色素が過剰に産生されることで生じます。
炎症後色素沈着は時間とともに薄くなることが多いですが、消えるまでに数ヶ月〜1年以上かかることもあります。治療が必要な場合は、美白成分を含む外用薬やレーザー治療などが選択されます。
✅ 色素性病変(ベッカー母斑など)
ベッカー母斑は、思春期頃に背中や肩に現れる大きな褐色〜黒色の色素性病変で、しばしば硬い毛が生えてくることが特徴です。良性ですが、範囲が広い場合は目立つため、気になる方はレーザー治療などを検討することがあります。
Q. 背中の黒いできものを放置するとどうなりますか?
放置する最大のリスクは、メラノーマなど悪性腫瘍の発見が遅れることです。早期であれば手術で治癒が期待できるメラノーマも、進行すると治療が困難になります。粉瘤の場合は炎症・感染を繰り返し治療が複雑化する恐れがあります。また、不安を抱え続けることによる精神的な負担も見逃せません。

🎯 ABCDEルールで自己チェックする方法
メラノーマなどの皮膚がんを早期発見するために、皮膚科の専門家が提唱している「ABCDEルール」があります。背中の黒いできものを観察する際の参考にしてください。ただし、あくまで目安であり、ABCDEのすべての項目に当てはまらなくても安心とは言い切れません。気になる場合は必ず専門医を受診してください。
Aは「Asymmetry(非対称性)」です。できものを中心から二等分したとき、左右(または上下)の形が非対称であれば注意が必要です。良性のほくろは比較的左右対称な形をしていることが多いです。
Bは「Border(境界)」です。できものの縁が不規則で、ギザギザしていたり、滲み出るような不明瞭な輪郭をしている場合は要注意です。良性のほくろは境界がはっきりしていることが多いです。
Cは「Color(色調)」です。一つのできものの中に複数の色(黒・茶・赤・白・青など)が混在している場合は、メラノーマを疑う必要があります。均一な色であれば比較的安心ですが、絶対ではありません。
Dは「Diameter(大きさ)」です。直径6mm以上のできものは注意が必要とされています。ただし、初期のメラノーマは6mm以下のこともあるため、大きさだけで判断するのは危険です。
Eは「Evolution(変化)」です。短期間で大きくなった、色が変わった、形が変わった、出血するようになったなど、何らかの変化がある場合は特に注意が必要です。このEが最も重要なサインと言われることもあります。
背中は自分で直接観察することが難しいため、定期的に家族や友人に確認してもらうか、二面鏡を使って撮影して変化がないか確認するとよいでしょう。スマートフォンで定期的に写真を撮って比較するという方法も、変化を早期にとらえるために有効です。
💡 背中の黒いできものを放置するリスク
背中のできものは「見えないから」「特に痛みがないから」という理由で放置されがちです。しかし、放置することにはいくつかのリスクがあります。
最も深刻なリスクは、悪性腫瘍の発見が遅れることです。メラノーマに代表される皮膚がんは、早期であれば手術で治癒が望める疾患ですが、進行すると治療が難しくなります。皮膚がんは他の臓器のがんと比べて目で見て発見できる可能性が高い疾患であるにもかかわらず、背中という見えにくい部位にあると発見が遅れるケースが少なくありません。
粉瘤の場合は、放置することで炎症や感染を繰り返すリスクがあります。炎症を起こした粉瘤は手術が複雑になりやすく、術後の傷跡が大きくなることもあります。また、細菌感染が深部に広がると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる重篤な皮膚感染症に発展することもあります。
脂漏性角化症のような良性のできものであっても、放置することで増大し、衣服との摩擦で出血したり、見た目の悩みが深刻になったりすることがあります。早い段階で診断・治療を受けることで、処置がシンプルで済むことも多いです。
また、背中のできものを放置することで精神的なストレスが蓄積するという問題もあります。「もしかしてがんではないか」という不安を抱えながら生活することは、精神的健康にとっても好ましくありません。専門医に診てもらうことで不安が解消され、必要な場合は適切な治療を早期に受けることができます。
Q. 背中のできものの診断はどのような流れで行われますか?
受診後はまず問診・視診が行われ、続いてダーモスコピー(皮膚鏡)で病変を詳細に観察します。ダーモスコピーは皮膚の深層構造を10〜100倍に拡大でき、良悪性の鑑別精度を大幅に高めます。悪性が疑われる場合は生検(組織採取による病理検査)で確定診断を行います。アイシークリニック池袋院でも相談を承っています。
📌 受診すべき目安とクリニック選びのポイント
📝 受診すべき目安
以下のような状況に当てはまる場合は、早めに皮膚科専門医を受診することをおすすめします。
まず、できものが短期間(数週間〜数ヶ月)で大きくなったと感じる場合です。良性のほくろは基本的に急速には変化しません。急激な変化は何らかの異常のサインである可能性があります。
次に、できものが出血したり、じゅくじゅくしたりする場合です。通常のほくろや脂漏性角化症は自然には出血しません。出血やびらん(ただれ)が生じている場合は要注意です。
色が均一でなく、複数の色が混在している場合も受診のサインです。また、形が不整形(非対称、境界不明瞭)である場合も同様です。
直径が6mmを超えるできものや、触ると硬い感触がするできものも専門家に確認してもらう価値があります。さらに、既存のほくろが最近変化したと感じる場合(色が変わった、形が変わった、大きくなったなど)は特に優先して受診してください。
痛みや腫れを伴うできもの(炎症性粉瘤を疑うケース)も、受診が必要な状況です。
🔸 どの科を受診すればいい?
背中の黒いできものは、基本的には皮膚科を受診することをおすすめします。皮膚科専門医はダーモスコピー(皮膚鏡)という特殊な拡大鏡を用いて、皮膚病変を詳細に観察する技術を持っています。ダーモスコピーにより、肉眼では判断できない微細な構造の違いを確認することができ、良性・悪性の鑑別精度が大幅に向上します。
美容皮膚科やクリニックでは、ほくろや脂漏性角化症などの良性病変のレーザー除去や外科的切除を行っていることが多く、見た目の改善を目的とした治療も受けられます。ただし、悪性が疑われる病変は必ず病理検査ができる施設での診察が必要です。
⚡ クリニック選びのポイント

クリニックを選ぶ際には、いくつかのポイントを確認することが大切です。まず、ダーモスコピー検査が可能かどうかを確認しましょう。この検査があることで、皮膚病変の鑑別精度が格段に上がります。
また、病理検査(生検)の対応が可能かどうかも重要です。悪性が疑われる場合には組織を採取して病理検査を行う必要があり、この対応ができるかどうかはクリニック選びの重要な基準になります。
さらに、皮膚腫瘍の診療経験が豊富な医師が在籍しているかどうかも確認するとよいでしょう。皮膚腫瘍の診療は専門性が高い分野であり、経験のある医師による診察が重要です。
アイシークリニック池袋院では、皮膚の各種できものについての診察・治療を行っており、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
✨ 背中の黒いできものの診断・治療の流れ
🌟 診察・診断の流れ
医療機関を受診すると、まず問診と視診が行われます。問診では、できものに気づいた時期、変化の有無、症状(かゆみ・痛み・出血など)、既往歴(過去の皮膚疾患やがんの経歴)、家族歴などを確認します。
診断が確定できない場合には生検(バイオプシー)が行われます。生検とは、病変部の一部または全部を採取して病理検査(顕微鏡による細胞・組織の観察)に提出する検査です。この検査によって最終的な確定診断が得られます。
💬 良性と判断された場合の治療
ほくろや脂漏性角化症などの良性病変が確認された場合、治療するかどうかは主に患者さんの希望によります。見た目が気になる場合や、摩擦で出血するなど生活に支障がある場合には除去を検討することになります。
除去方法としては、外科的切除(メスで切除して縫合する方法)や、炭酸ガス(CO2)レーザーによる蒸散(焼き取る方法)、液体窒素による冷凍療法などがあります。方法の選択はできものの種類・大きさ・深さ・部位などによって異なります。
外科的切除はより確実な除去が可能で、切除した組織を病理検査に提出できるという利点があります。一方、レーザー治療は切除組織が残らないため病理検査ができませんが、傷跡が小さく回復が早い傾向があります。これらのメリット・デメリットを医師と相談した上で方針を決めることが大切です。
✅ 悪性(メラノーマなど)と判断された場合の治療
メラノーマと確定診断された場合は、原則として手術による切除が行われます。病変の深さ(腫瘍の厚さ=ブレスロー厚)に応じて、切除する範囲(マージン)が決まります。腫瘍が厚い場合は、センチネルリンパ節生検(最初にリンパ節転移が起こりやすいリンパ節を調べる検査)を同時に行うことがあります。
進行例や転移がある場合は、手術に加えて、免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ、ペムブロリズマブなど)や分子標的薬(BRAF阻害薬など)による薬物療法が行われます。放射線治療が組み合わされることもあります。
メラノーマの治療は専門性が高いため、皮膚腫瘍を専門とする医療機関や、がん診療連携拠点病院での治療が推奨されます。
📝 粉瘤の治療
粉瘤の根本的な治療は外科的切除です。袋ごと完全に切除しなければ再発するため、袋の取り残しがないよう丁寧に摘出することが重要です。近年は「くり抜き法(トレパン法)」と呼ばれる小さな切開で内容物を絞り出した後に袋を取り出す方法も普及しており、傷跡が比較的小さくて済むケースもあります。
炎症を起こしている粉瘤に対しては、まず切開排膿(切開して膿を出す)を行い、炎症が落ち着いた後に摘出術を行う二段階の治療が一般的です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、背中の黒いできものを「見えないから」という理由で長期間放置された後に受診される患者様が少なくなく、早期に診察を受けていただくことの大切さを日々実感しています。背中という部位は自己観察が難しいからこそ、ABCDEルールを参考にしながら定期的にご家族に確認してもらうなど、周囲のサポートを活用していただくことをお勧めしています。気になるできものがあれば「たぶん大丈夫」と自己判断せず、皮膚科専門医にお早めにご相談ください。」
🔍 よくある質問
背中の黒いできものの大多数は、ほくろ(色素性母斑)や脂漏性角化症などの良性のものです。ただし、メラノーマ(悪性黒色腫)のような悪性のケースもゼロではありません。見た目だけでの自己判断は難しいため、気になるできものがあれば皮膚科専門医への受診をおすすめします。
「ABCDEルール」を参考にしてください。A(非対称)、B(境界の不規則さ)、C(色の不均一)、D(直径6mm以上)、E(変化の有無)の5項目が目安です。ただし、これはあくまで参考であり、当てはまらなくても安心とは言えません。気になる場合は必ず専門医を受診してください。
最も深刻なリスクは、メラノーマなどの悪性腫瘍の発見が遅れることです。また、粉瘤の場合は炎症・感染を繰り返し、治療が複雑になる可能性があります。良性であっても増大して生活に支障をきたすケースもあるため、早めの診察が大切です。
皮膚科の受診をおすすめします。皮膚科専門医はダーモスコピー(皮膚鏡)という特殊な拡大鏡を用いて、良性・悪性の鑑別を精密に行えます。アイシークリニック池袋院でも背中のできものに関するご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
良性の場合、治療するかどうかは主に患者さんの希望によります。見た目が気になる場合や、摩擦で出血するなど生活に支障がある場合は、外科的切除や炭酸ガスレーザー、液体窒素による冷凍療法などの除去方法を選択できます。方法は病変の種類や大きさに応じて医師と相談して決めましょう。
💪 まとめ
背中の黒いできものは、ほくろ・脂漏性角化症・青色母斑などの良性のものから、メラノーマ(悪性黒色腫)のような悪性のものまで幅広い可能性があります。また、粉瘤や炎症後の色素沈着、血豆など、色素細胞とは無関係のできものが黒っぽく見えることもあります。
背中という見えにくい部位だからこそ、放置されやすいという問題があります。しかし、皮膚がんの早期発見・早期治療のためには、定期的なセルフチェックと専門医による診察が不可欠です。ABCDEルールを参考にしながら、変化が気になるできものがあれば早めに皮膚科を受診することが大切です。
「たぶん大丈夫だろう」という自己判断は避け、少しでも気になることがあれば専門家に相談することをおすすめします。背中の黒いできものを自分で定期的にチェックすることが難しい方は、家族や友人に協力してもらうか、スマートフォンで写真を撮って記録しておくとよいでしょう。皮膚の変化を早期にとらえることが、健康を守ることにつながります。
アイシークリニック池袋院では、背中のできものに関するご相談を承っております。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
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- 背中ニキビとマラセチア菌の関係|原因・症状・治療法を解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – メラノーマ(悪性黒色腫)の診断基準・ABCDEルール・治療ガイドラインに関する情報。皮膚腫瘍の良悪性鑑別やダーモスコピー検査の活用方法についての根拠として参照。
- 厚生労働省 – 皮膚がん(メラノーマ含む)の早期発見・早期治療の重要性、がん診療連携拠点病院の活用に関する情報。記事内の「放置するリスク」「受診の目安」セクションの根拠として参照。
- 日本形成外科学会 – 粉瘤(アテローム)・色素性母斑・脂漏性角化症などの皮膚良性腫瘍の診断と外科的治療(切除術・くり抜き法など)に関する情報。記事内の「診断・治療の流れ」セクションの根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務