
首の後ろや横にニキビのような小さなブツブツが出て、なかなか治らない…😔そんな経験ありませんか?
市販の洗顔料やニキビ向けスキンケアをしても全然改善しないのには、理由があります。それは、通常のニキビではなく「マラセチア毛包炎」かもしれないから。
💬 「ニキビ用の薬を使っても治らない…」
それ、ニキビじゃない可能性大!
原因が「カビ(真菌)」なら、ニキビ治療は逆効果になることも。
📌 この記事を読むとわかること
- ✅ なぜ首にブツブツが繰り返し出るのか
- ✅ ニキビとマラセチア毛包炎の正しい見分け方
- ✅ 間違ったケアを続けるリスク
- ✅ クリニックで受けられる正しい治療法
🚨 こんな人はとくに要注意!
- 🔸 首のブツブツが2週間以上治らない
- 🔸 ニキビ薬を使っているのに悪化している
- 🔸 汗をかいた後や夏に繰り返し再発する
- 🔸 かゆみを伴うブツブツがある
目次
- マラセチア毛包炎とは何か
- 首にマラセチア毛包炎が起きやすい理由
- マラセチア毛包炎の主な症状と見分け方
- マラセチア毛包炎の原因と悪化要因
- マラセチア毛包炎の診断方法
- マラセチア毛包炎の治療法
- 首のマラセチア毛包炎を予防するためのスキンケア
- 生活習慣の見直しで改善できること
- クリニックを受診すべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
マラセチア毛包炎は真菌が原因のニキビ様皮疹で、首に発症しやすい。治療には抗真菌薬が必要で、抗菌薬は無効。アイシークリニックでは適切な診断と抗真菌治療で改善実績がある。
💡 マラセチア毛包炎とは何か
マラセチア毛包炎(Malassezia folliculitis)は、皮膚の毛包(毛穴)にマラセチア属の真菌が増殖し、炎症を引き起こす疾患です。かつてはPityrosporum folliculitis(ピチロスポルム毛包炎)とも呼ばれていました。
マラセチアは、健康な人の皮膚にも通常は存在している常在菌です。皮膚全体の約80〜90%の部位に確認されるとされており、特に皮脂の分泌が多い頭皮・顔・首・胸・背中などに多く分布しています。マラセチアは脂質(皮脂)をエネルギー源とする性質を持っているため、皮脂腺が発達した部位に集まりやすいのです。
通常の状態では皮膚の免疫機能がバランスを保ち、マラセチアの数は適切にコントロールされています。しかしなんらかの原因でそのバランスが崩れ、マラセチアが毛包内で異常増殖すると、周囲の組織に炎症が起きてマラセチア毛包炎が発症します。
この疾患は10〜30代の若い世代に多く見られる傾向がありますが、年齢を問わず発症します。特に汗をかきやすい夏や、長時間にわたって衣服が首に接触する季節に悪化することが多いとされています。
Q. マラセチア毛包炎とニキビの症状はどう違う?
マラセチア毛包炎は直径1〜3mm程度の均一な赤いぶつぶつが群発し、かゆみを伴うことが特徴です。ニキビは白・黒ニキビなど大きさがさまざまで、かゆみより痛みが出やすいです。抗菌薬を使っても改善しない場合はマラセチア毛包炎の可能性があります。
📌 首にマラセチア毛包炎が起きやすい理由
マラセチア毛包炎は体のさまざまな部位に生じますが、首は特に発症しやすい場所の一つです。その理由には、首という部位が持つ解剖学的・生理学的な特徴が深く関わっています。
まず、首は皮脂腺の密度が比較的高い部位であることが挙げられます。マラセチアは皮脂を栄養源として増殖するため、皮脂分泌量が多い場所では増えやすい環境が整っています。また、顔から分泌された皮脂が流れ落ちてくることもあり、首には皮脂が集まりやすい傾向があります。
次に、首は汗をかきやすい部位でもあります。運動時や気温の高い季節には特に汗が多く分泌され、皮膚表面が長時間湿った状態になります。高温多湿の環境はマラセチアが好む条件であり、増殖を促進します。
さらに、首は衣服の衿や下着、スカーフ、マスクなどと常に摩擦が生じる部位です。摩擦によって皮膚のバリア機能が低下すると、マラセチアが毛包内へ侵入しやすくなります。また、衣服による密閉状態が蒸れを生じさせ、高湿度の環境が持続することもマラセチアの増殖を助長します。
特に近年では、マスク着用の習慣が一般化したことで、顎から首にかけてのマラセチア毛包炎やニキビが増加したという報告も見られます。マスクによる摩擦と蒸れが重なることで、首の皮膚環境が悪化しやすくなっているといえます。
また、長い髪の毛が首に触れることも影響します。頭皮にはマラセチアが特に多く生息しており、長い髪が首の皮膚に繰り返し接触することで、首の皮膚表面にマラセチアが移行しやすくなるのです。これが首の後ろや横に毛包炎が生じやすい一因とも考えられています。
✨ マラセチア毛包炎の主な症状と見分け方
マラセチア毛包炎の症状は、ニキビ(尋常性ざ瘡)と非常に似ているため、自己判断が難しい疾患です。主な症状と、ニキビとの違いについて整理してみましょう。
マラセチア毛包炎の典型的な症状は、直径1〜3mm程度の小さな赤い丘疹(ぶつぶつ)や膿疱(白い膿を持った小さな突起)が毛包に沿って出現することです。これらは均一な大きさで群発することが多く、かゆみを伴うことが特徴的です。一方で、ニキビには毛穴の詰まりによる「白ニキビ」「黒ニキビ」といった段階があり、大きさもさまざまで、かゆみよりも痛みを伴うことが多い点で異なります。
マラセチア毛包炎では、膿疱を押しつぶしても膿が多く出ることはなく、内部に白いチーズ状の塊(ケラチン栓)が確認されることがあります。一方のニキビは、白い膿がはっきりと確認されることが多いです。
また、マラセチア毛包炎は抗菌薬(抗生物質)による治療を行っても改善しないか、一時的に改善しても再発を繰り返すことが診断の手がかりになります。ニキビは抗生物質の外用薬や内服薬が有効なことが多いですが、マラセチア毛包炎の原因はあくまで真菌(カビ)であるため、抗菌薬では根本的な治療にならないのです。
さらに、マラセチア毛包炎は皮脂の多い部位に対称的・広範囲に出現しやすいという特徴があります。首の場合、後ろ首や側面に均一な発疹が広がることがよく見られます。これに対してニキビは、特定の場所にまとまって出ることが多く、分布パターンが異なります。
かゆみについてはニキビでは通常ほとんど生じませんが、マラセチア毛包炎では特に汗をかいた後や入浴後にかゆみが増すことがあります。首に小さなぶつぶつが多数でき、かゆみがあり、ニキビ治療で改善しない場合は、マラセチア毛包炎を疑ってみる必要があります。
Q. 首にマラセチア毛包炎が発生しやすい理由は?
首は皮脂腺の密度が高く汗もかきやすいため、マラセチアが好む高温多湿の環境が整いやすい部位です。衣服やマスクとの摩擦による皮膚バリアの低下、長い髪からのマラセチア移行など、複数の要因が重なることで発症リスクが高まります。
🔍 マラセチア毛包炎の原因と悪化要因
マラセチア毛包炎の根本的な原因は、皮膚に常在するマラセチア菌の過剰増殖です。しかし、なぜ増殖が促進されるのかについては、さまざまな要因が複合的に関与しています。
高温多湿の環境はマラセチアが最も増殖しやすい条件を提供します。日本の夏のような気候では特に発症や悪化が起きやすく、梅雨から夏にかけての時期に受診者が増える傾向があります。また、汗をかいた後に適切に皮膚を清潔にしない場合も、マラセチアにとって好ましい環境が持続します。
長期間にわたる抗菌薬(抗生物質)の使用も、発症の誘因となることがあります。抗生物質は皮膚の細菌叢(常在菌のバランス)を乱すことがあり、細菌の数が減少した結果、競合相手がいなくなったマラセチアが過剰に増殖するケースがあります。
ステロイド薬の長期使用も関連する要因の一つです。ステロイドは免疫を抑制する作用があるため、長期間使用することで皮膚の免疫機能が低下し、真菌の増殖を許しやすくなります。また、免疫抑制剤を使用している患者や、HIV感染症・糖尿病などにより免疫機能が低下している人では、マラセチア毛包炎が重症化したり、難治性になることがあります。
油分の多いスキンケア製品もリスクを高める可能性があります。マラセチアは皮脂(脂質)を栄養源とするため、保湿クリームや日焼け止めなど、油分が多い製品を首に使用することでマラセチアの増殖が促進されることがあります。
ストレスや睡眠不足、偏った食生活による免疫力の低下も間接的な要因となります。皮脂の過剰分泌を招く生活習慣の乱れは、マラセチアの増殖環境を整えることにつながります。
また、過度な洗浄行為も逆効果になる場合があります。皮膚を洗いすぎると、本来の皮膚バリア(皮脂膜・セラミド)が傷つき、外部からの刺激に対して脆弱になります。それによって皮脂腺がかえって過剰に皮脂を分泌するようになり、マラセチアの栄養が豊富になるという悪循環が生じることがあります。
💪 マラセチア毛包炎の診断方法
マラセチア毛包炎は、皮膚科専門医によって診断されます。自己判断では通常のニキビや他の毛包炎(細菌性毛包炎など)との区別が難しいため、皮膚科への受診が重要です。
診断の基本は問診と視診です。いつからどこにどのような発疹ができたか、かゆみの有無、過去のニキビ治療歴や内服薬歴(特に抗生物質・ステロイド薬)、スキンケアの内容などを詳しく聞き取ります。視診では、発疹の分布パターン・大きさ・色調・形状などを確認します。
確定診断のためには、患部の皮膚を採取して顕微鏡で観察する検査が行われることがあります。皮膚表面をテープや専用のスパーテルで剥離し、KOH(水酸化カリウム)溶液で処理した後に顕微鏡で観察すると、マラセチアの菌体を直接確認することができます。マラセチアは丸みを帯びた酵母型の真菌であり、特徴的な形態を持っているため、顕微鏡での識別が比較的容易です。
また、抗真菌薬を試験的に使用して症状が改善するかどうかを確認する「治療的診断」が行われることもあります。抗真菌薬の使用後に発疹が明確に改善すれば、マラセチア毛包炎であることの確認につながります。
ダーモスコピー(皮膚科用の拡大鏡)を用いた観察も診断の補助として活用されることがあります。ダーモスコピーでは、毛包の開口部周囲に白い角質物質が詰まっている像が確認される場合があり、これもマラセチア毛包炎の特徴の一つです。
自己判断でニキビ治療薬を使い続けることは、症状の悪化や治療の遅れにつながる可能性があります。抗生物質を長期使用してもニキビが治らない、あるいは繰り返す場合には、早めに皮膚科を受診することが大切です。
Q. マラセチア毛包炎にはどんな治療薬が使われる?
治療の中心は抗真菌薬です。軽症にはケトコナゾールなどアゾール系抗真菌薬のクリームや液剤を患部に塗布します。中等症から重症・広範囲の場合はイトラコナゾールなどの内服薬が用いられます。内服薬は肝機能への影響があるため、必ず医師の管理のもとで使用が必要です。

🎯 マラセチア毛包炎の治療法
マラセチア毛包炎の治療の中心は抗真菌薬の使用です。原因がマラセチアという真菌である以上、抗菌薬(抗生物質)ではなく、抗真菌薬が有効です。治療法にはいくつかの種類があり、症状の程度や範囲に応じて選択されます。
外用抗真菌薬は、比較的軽症の場合に用いられます。ケトコナゾール、ビホナゾール、ルリコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬のクリームや液剤が患部に直接塗布されます。これらはマラセチアの細胞膜の合成を阻害することで増殖を抑制します。首の場合は洗い流すシャンプー剤(ケトコナゾールシャンプーなど)が補助的に使われることもあります。
中等症〜重症の場合や、広範囲にわたる場合には内服抗真菌薬が使用されます。イトラコナゾールやフルコナゾールといった薬剤が代表的です。内服薬は外用薬よりも効果が出やすく、広い範囲の症状をコントロールするのに適しています。ただし、内服薬には肝機能への影響や他の薬剤との相互作用があるため、医師の管理のもとで使用することが重要です。
治療期間の目安は外用薬で2〜4週間、内服薬で1〜2週間程度ですが、症状の改善後も一定期間使用を継続することが再発予防につながります。自己判断で治療を中断すると、症状が再燃することがあるため、医師の指示に従って治療を完遂することが大切です。
かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)が補助的に処方されることがあります。これはあくまでかゆみを和らげるための対症療法であり、原因を除去するものではありません。
また、炎症を伴う紅斑が強い場合には、短期間の弱いステロイド外用薬が使用されることもありますが、ステロイドがマラセチアの増殖を助長する可能性があるため、慎重に使用されます。
治療と並行して、誘因となっている生活習慣やスキンケアの見直しが必要です。例えば、油分の多い化粧品を使用している場合はオイルフリーのものへ変更する、日中の汗をこまめに拭き取るなど、マラセチアの増殖環境を整えないための工夫が治療効果を高めます。
マラセチア毛包炎は適切な治療を行えば改善しますが、再発しやすい疾患でもあります。特に夏場や汗をかきやすい時期に症状が戻ることが多いため、再発が予想される時期の前に予防的な治療を行うことが推奨される場合もあります。具体的な再発予防の方法については医師と相談しながら進めることが大切です。
💡 首のマラセチア毛包炎を予防するためのスキンケア
マラセチア毛包炎は再発しやすい疾患であるため、治療後もスキンケアによる予防を継続することが重要です。首という部位に特有のケアの注意点を踏まえながら、日常的にできることを解説します。
まず洗浄についてです。首は体を洗う際に洗い残しが生じやすい部位です。特に後ろ首や耳の後ろは意識しないと洗えていないことが多いため、入浴時には首全体を丁寧に洗うようにしましょう。ただし、ゴシゴシと力を入れて洗いすぎると皮膚バリアが傷つくため、泡立てたボディソープを手のひらで優しく洗い流すことが理想的です。
洗浄剤の選択も重要です。マラセチアが皮脂を栄養源とする性質を考えると、皮脂をある程度除去できる洗浄力のある石けん系の洗浄剤がよいとされています。一方で、保湿成分が多く含まれる乳化系のボディクリームや油分が多いボディローションは、首への使用を控えるか量を最小限にするとよいでしょう。スキンケア製品を選ぶ際は、「ノンコメドジェニック処方」や「オイルフリー」と表記されているものを選ぶことが一つの目安になります。
シャンプーの洗い流しにも注意が必要です。シャンプーやコンディショナーの成分が首の皮膚に残ることで、毛包炎が悪化することがあります。入浴の順番を工夫し、シャンプーの後に体を洗い、最後にシャワーで首や背中を流すようにすると、シャンプー剤の残留を防ぐことができます。
首を清潔に保ち、かつ乾燥させることも予防のポイントです。汗をかいた後は早めにタオルで拭き取り、なるべく湿った状態を長時間放置しないようにしましょう。入浴後も首全体をしっかりと乾かしてから、必要最小限の保湿を行うことが推奨されます。
日焼け止めを首に使用する場合は、ウォータリーなテクスチャーのものやジェルタイプなど、できるだけオイルフリーのものを選ぶことが望ましいです。油分の多い日焼け止めはマラセチアの増殖を助長する可能性があります。
市販品の中には、ピロクトンオラミンやジンクピリチオン、硫黄などの抗真菌・抗菌成分を含む洗浄剤もあります。これらの成分が含まれたシャンプーやボディウォッシュを使用することで、マラセチアの増殖を抑制する効果が期待できる場合があります。ただし、皮膚科での診断と治療を優先した上で、スキンケアとして補助的に活用するという位置づけが適切です。
Q. マラセチア毛包炎の再発を防ぐ日常ケアは?
再発予防にはオイルフリーのスキンケア製品を選ぶこと、入浴時に首を丁寧に洗うこと、汗をかいた後は早めに拭き取り着替えることが重要です。糖質・脂質の摂り過ぎを控え、十分な睡眠でストレスを管理することも皮膚環境の改善に有効です。
📌 生活習慣の見直しで改善できること
マラセチア毛包炎の予防と再発防止には、日々の生活習慣の改善も欠かせません。スキンケアだけでなく、食事・睡眠・衣類・運動など、幅広い観点から見直すことで皮膚環境の改善につながります。
食事については、糖質や脂質の過剰摂取が皮脂の分泌を増やすことが知られています。甘いものや脂っこい食べ物を摂り過ぎることはマラセチアの増殖環境を整えることになりかねません。野菜・果物・発酵食品などを積極的に取り入れ、腸内環境を整えることで免疫機能のサポートにもなります。ビタミンB2・B6は皮脂の代謝に関わる栄養素であり、これらを含む食品(卵・レバー・乳製品・大豆製品など)を意識的に摂ることも効果的です。
睡眠不足やストレスは、免疫機能の低下を招きます。睡眠中には皮膚の修復・再生が進むため、十分な睡眠時間を確保することが皮膚バリア機能の維持につながります。慢性的なストレスがある場合は、適度な運動・趣味・休息などでストレス管理を行うことが大切です。
衣類の選択と管理も重要な要素です。首に接触する衣服は、通気性のよい素材(綿・麻など)を選ぶことで蒸れを防ぎやすくなります。化学繊維は吸湿性が低く、蒸れやすいため、マラセチア毛包炎がある時期は特に避けた方がよいでしょう。また、衣服は毎日清潔なものに交換し、特に汗をかいた後は早めに着替えることが予防につながります。
スポーツや運動後は、速やかにシャワーを浴びることが推奨されます。汗で蒸れた状態が長時間続くことはマラセチアにとって好ましい環境であるため、運動後はできる限り早く汗を洗い流しましょう。タオルで汗を拭き取る場合も、皮膚を擦るのではなく押さえるように優しく対応することが皮膚バリアを守る上で重要です。
夏場や高温多湿の環境では、エアコンなどを活用して室温・湿度を適切にコントロールすることも有効です。寝るときも汗をかきやすい環境を避けるため、吸湿性のよい寝具を選んだり、室温を適切に保ったりする工夫が役立ちます。
抗生物質(抗菌薬)の自己判断による長期使用は避けるべきです。インターネットや友人のアドバイスなどで抗生物質の内服や外用を続けている場合、皮膚の常在菌バランスが乱れてマラセチアの増殖を招くリスクがあります。薬の使用は必ず医師の指示のもとで行うことが大原則です。
✨ クリニックを受診すべきタイミング

マラセチア毛包炎は、放置しても自然に改善することがあまりなく、むしろ慢性化・広範囲化しやすい疾患です。以下のような状況に当てはまる場合は、早めに皮膚科クリニックを受診することを強くお勧めします。
首にニキビのような小さなぶつぶつが繰り返し出て、市販のニキビ薬を使っても改善しない場合は受診のサインです。特に、抗菌薬を含む外用薬を使用しても効果がない場合は、ニキビではなくマラセチア毛包炎である可能性が高いです。
発疹の数が多く広範囲に広がっている場合や、かゆみが強く日常生活に支障をきたしている場合も、専門医による診断と治療が必要です。広範囲にわたるマラセチア毛包炎は外用薬だけでは対処が難しく、内服薬による治療が必要になることがあります。
また、かきむしってしまい、炎症や色素沈着が起きている場合も受診が必要です。マラセチア毛包炎の部位をかき続けると、二次的な細菌感染(とびひなど)が生じることがあります。こうした合併症には抗生物質が必要になる場合があるため、自己対処の限界を感じたら迷わず受診しましょう。
免疫力が低下しやすい基礎疾患(糖尿病・膠原病・悪性腫瘍など)をお持ちの方や、ステロイドや免疫抑制剤を使用中の方は、マラセチア毛包炎が重症化しやすいため、症状が軽い段階でも早めに専門医に相談することが大切です。
アイシークリニック池袋院では、皮膚のトラブルに関する相談を受け付けております。首のぶつぶつが気になっている方、繰り返すニキビに悩んでいる方は、ぜひ専門医への相談をご検討ください。正確な診断と適切な治療が、症状の改善への近道です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「ニキビが治らない」とご相談にいらっしゃる患者様の中に、マラセチア毛包炎が原因であったケースが少なくありません。最近の傾向として、マスク着用習慣の定着や夏場の発汗増加を背景に、首や顎まわりのマラセチア毛包炎が増えていると感じており、市販のニキビ薬で長期間対処されていた方が、適切な抗真菌薬による治療で速やかに改善されることも多いです。自己判断での対処が長引くほど慢性化しやすい疾患ですので、首のぶつぶつにお悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
マラセチア毛包炎は均一な大きさの小さな赤いぶつぶつが群発し、かゆみを伴う点がニキビと異なります。ニキビは白・黒ニキビなど大きさがさまざまで、かゆみより痛みを伴うことが多いです。また、抗菌薬を使っても改善しない場合は、マラセチア毛包炎の可能性が高いと考えられます。
治りません。マラセチア毛包炎の原因は真菌(カビ)であるため、細菌に作用する抗菌薬(抗生物質)配合のニキビ薬では改善しません。むしろ抗生物質の長期使用は皮膚の常在菌バランスを乱し、マラセチアの増殖をさらに助長する可能性があります。適切な治療のため、皮膚科への受診をお勧めします。
治療の中心は抗真菌薬です。軽症の場合はケトコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬のクリームや液剤を患部に塗布します。中等症〜重症や広範囲の場合は、イトラコナゾールなどの内服薬が用いられます。内服薬は肝機能への影響もあるため、必ず医師の管理のもとで使用することが重要です。
首は皮脂腺の密度が高く汗もかきやすい部位であるため、マラセチアが好む高温多湿の環境が整いやすいです。また、衣服やマスクとの摩擦による皮膚バリアの低下、長い髪の毛が触れることによるマラセチアの移行など、複数の要因が重なりやすい部位でもあります。
再発予防には日常的なケアが重要です。オイルフリーのスキンケア製品を選ぶ、入浴時に首を丁寧に洗う、汗をかいた後は早めに拭き取る・着替えるなどが効果的です。また、糖質・脂質の摂り過ぎを控え、十分な睡眠でストレスを管理することも皮膚環境の改善につながります。再発が心配な方はアイシークリニックにご相談ください。
💪 まとめ
マラセチア毛包炎は、皮膚常在菌であるマラセチアが毛包内で過剰に増殖することで生じる炎症性の皮膚疾患です。首は皮脂が豊富で汗をかきやすく、衣服との摩擦が起きやすい部位であるため、マラセチア毛包炎が生じやすい場所の一つです。
ニキビと症状が非常に似ているため、自己判断でニキビ向けの抗菌薬を使い続けている方も多くいますが、それでは改善しないどころか状態を悪化させることもあります。マラセチア毛包炎の治療には抗真菌薬が必要であり、内服薬が必要な場合もあります。
また、マラセチア毛包炎は再発しやすい疾患であるため、治療と並行してスキンケアや生活習慣を見直すことが重要です。油分の少ないスキンケア製品の使用、入浴時の丁寧な洗浄、汗をかいた後の迅速なケア、通気性のよい衣服の選択、食事・睡眠・ストレス管理の改善など、日常生活でできることはたくさんあります。
首のぶつぶつに長期間悩んでいる方、市販薬で改善しない方は、ぜひ皮膚科への受診を検討してみてください。正確な診断のもとで適切な治療を受けることで、症状の改善と再発予防の両方を実現することが可能です。一人で抱え込まず、専門家に相談することが、健康な皮膚を取り戻すための第一歩です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – マラセチア毛包炎(癜風・脂漏性皮膚炎を含む真菌性皮膚疾患)の診断基準・治療指針に関する情報。抗真菌薬の選択や治療期間など、本記事の治療法セクションの根拠として参照。
- PubMed – マラセチア毛包炎の病態・疫学・治療に関する国際的な査読済み臨床研究論文群。症状の特徴、ニキビとの鑑別、抗真菌薬(イトラコナゾール・ケトコナゾール等)の有効性に関する記述の学術的根拠として参照。
- 厚生労働省 – 真菌(カビ)に関する基礎知識および皮膚常在菌のバランスと免疫機能に関する情報。マラセチアが常在菌として皮膚に存在し、免疫低下・生活習慣の乱れにより過剰増殖する仕組みの説明根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務