寒いのに汗をかく原因と対策|考えられる病気や改善方法を解説

ワキ汗を気にする女性

「寒いのに汗をかいている」「冬でも気づいたら背中や手のひらが汗ばんでいる」という経験はありませんか?暑い夏に汗をかくのは自然なことですが、寒い季節や涼しい環境にいるのに汗が出るという状態は、体の中で何らかの変化が起きているサインである可能性があります。この症状は一時的なものから、生活習慣の乱れ、あるいは医療機関での診察が必要な疾患まで、さまざまな原因が考えられます。この記事では、寒いのに汗をかくという症状について、原因・関連する病気・日常生活でできる改善策まで、医療の観点からわかりやすく解説していきます。


目次

  1. 汗をかくメカニズムをおさらい
  2. 寒いのに汗をかく主な原因
  3. 自律神経の乱れと発汗の関係
  4. 更年期障害・ホルモンバランスの変化
  5. 低血糖による冷や汗
  6. 甲状腺疾患と異常発汗
  7. 感染症・発熱時の発汗
  8. その他に考えられる疾患
  9. 多汗症とはどう違う?
  10. 日常生活でできる改善策
  11. 受診のタイミングと診療科の選び方
  12. まとめ

この記事のポイント

寒いのに汗をかく原因は、自律神経の乱れ・更年期障害・低血糖・甲状腺機能亢進症・感染症など多岐にわたる。動悸・体重減少・胸痛を伴う場合は早期受診が必要で、生活習慣改善で緩和できるケースもある。

🎯 汗をかくメカニズムをおさらい

まず、人間の体がどのようにして汗を出すのかを理解しておきましょう。発汗は主に体温調節のために行われる生理現象です。体温が上昇すると、脳の視床下部にある体温調節中枢がその情報をキャッチし、自律神経を通じて汗腺に「汗を出すように」という指令を送ります。汗が皮膚の表面で蒸発する際に気化熱を奪うことで、体温を下げることができるのです。

汗腺には2種類あります。全身に広く分布している「エクリン汗腺」と、ワキや耳の周囲などに集中している「アポクリン汗腺」です。体温調節に主に関わるのはエクリン汗腺であり、精神的な緊張やストレスに反応して汗を出す機能もあわせ持っています。

汗をかくことは体に備わった正常な防御機能ですが、気温が低いにもかかわらず発汗が続く場合は、この体温調節システムや自律神経に何らかの異常が生じている可能性があります。また、体温調節以外の目的(精神的ストレスや病的な原因)によって汗が出ることもあります。

Q. 寒いのに汗をかくのはなぜ起こるのか?

寒い環境での発汗は、自律神経の乱れ・ホルモンバランスの変化・低血糖・甲状腺機能亢進症・感染症・精神的ストレスなど複数の原因が考えられます。体温調節システムや自律神経に異常が生じると、外気温に関係なく汗腺が刺激され発汗が起こります。

📋 寒いのに汗をかく主な原因

寒い環境にいるのに汗をかく原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。大きく分けると、以下のような種類に分類されます。

一つ目は「自律神経の乱れ」です。自律神経は発汗をコントロールしている神経系であり、これが乱れると外気温に関係なく汗をかいてしまうことがあります。

二つ目は「ホルモンバランスの変化」です。特に女性の更年期障害や月経周期によるホルモン変動は、発汗に大きな影響を与えます。

三つ目は「血糖値の変動」です。食事を抜いたり、インスリンの効きすぎなどで低血糖状態になると、冷や汗が出ることがあります。

四つ目は「甲状腺機能の異常」です。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、代謝が過剰になり、外気温が低くても発汗が起こります。

五つ目は「感染症や発熱」です。体が病原体と戦うために体温を上げようとする過程で、悪寒(寒気)と発汗が同時に起こることがあります。

六つ目は「精神的・心理的なストレス」です。不安・緊張・パニック状態では、体温に関係なく交感神経が活性化して発汗します。

これらの原因はそれぞれ対処法が異なるため、自分の症状がどのパターンに当てはまるかを把握することが重要です。以降のセクションで各原因について詳しく解説します。

💊 自律神経の乱れと発汗の関係

自律神経とは、心拍数・消化・体温調節・発汗など、意識せずとも体が自動的に調節している機能を担う神経系です。交感神経と副交感神経の2系統があり、この2つがバランスを保ちながら体の状態をコントロールしています。

発汗は主に交感神経によってコントロールされています。通常は体温の上昇など必要なタイミングで交感神経が活性化して汗をかきますが、自律神経のバランスが崩れると、実際には体温が上がっていないのに汗腺が刺激されてしまうことがあります。これが「寒いのに汗をかく」という状態につながるのです。

自律神経が乱れる主な原因としては、不規則な生活リズム(睡眠不足・食事の乱れ)、慢性的なストレス、スマートフォンやパソコンの過度な使用、運動不足、過労などが挙げられます。現代社会においてこれらの要因を完全に排除することは難しいですが、生活習慣の見直しによってある程度改善できる可能性があります。

また、自律神経失調症という状態も寒いのに汗をかく原因の一つです。自律神経失調症は病名というよりも症状の総称であり、頭痛・動悸・めまい・倦怠感・発汗異常などさまざまな不定愁訴が現れます。特定の疾患が見つからないにもかかわらず、複数の不快な症状が継続する場合は、自律神経失調症の可能性を考える必要があります。

自律神経の乱れによる発汗は、手のひら・足の裏・ワキ・額などに多く見られ、精神的な緊張や不安感が高まるときに特に強く現れる傾向があります。また、朝起き上がったときや食後など、体の状態が変化するタイミングで汗が出やすいという特徴もあります。

Q. 更年期のホットフラッシュとはどのような症状か?

ホットフラッシュとは、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下により視床下部の体温調節機能が乱れ、寒い環境でも突然の熱感と大量発汗が起こる症状です。主に40〜50代女性に多く見られますが、早期閉経や乳がんのホルモン療法中の女性にも発症します。婦人科への相談が有効です。

🏥 更年期障害・ホルモンバランスの変化

寒いのに汗をかく症状として、女性に多く見られるものの一つが更年期障害による「ホットフラッシュ(hot flash)」です。これは、突然上半身がカーッと熱くなり、大量の汗をかくという症状で、寒い季節や冷えた室内でも発症することがあります。

更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が閉経に向けて急激に低下することで引き起こされます。エストロゲンは視床下部の体温調節中枢に影響を与えているため、その分泌が不安定になると体温の調節が正しく機能しなくなります。その結果として、寒い環境にいるにもかかわらず突然の熱感と発汗が起こるのです。

ホットフラッシュは主に40〜50代の女性に多く見られますが、早期閉経や卵巣機能の低下がある場合は、30代でも発症することがあります。また、乳がんの治療でホルモン療法を受けている女性にも同様の症状が起こることがあります。

男性も更年期(男性更年期障害、別名LOH症候群)を経験することがあり、男性ホルモン(テストステロン)の低下によって発汗異常・倦怠感・気力の低下・性欲減退などの症状が現れます。男性の更年期は女性に比べて社会的に認知されていない部分もあり、気づかれにくいのが現状です。

月経前症候群(PMS)や月経周期に伴うホルモン変動でも、排卵後から月経前にかけて体温が上昇する高温期に汗をかきやすくなることがあります。生理不順や月経前に特に汗の症状が気になる場合は、婦人科への相談が有効です。

⚠️ 低血糖による冷や汗

「冷や汗が出る」という表現を日常的に使うことがありますが、医学的な意味での冷や汗の代表的な原因の一つが低血糖です。血糖値が正常範囲を下回ると、体は緊急事態として交感神経を活性化し、副腎からアドレナリンを分泌します。このアドレナリンによって汗腺が刺激され、気温が低くても発汗が起こるのです。

低血糖が起こりやすい状況としては、食事を長時間抜いた場合、激しい運動後、糖尿病の治療薬(インスリンや経口血糖降下薬)を使用している場合などが挙げられます。糖尿病治療中の方が冷や汗を感じたときは、低血糖による可能性が高く、すぐにブドウ糖や砂糖を補給する必要があります。

低血糖の症状は汗だけではなく、手の震え・動悸・脱力感・めまい・意識の混濁なども伴います。特に意識が低下するほどの重症低血糖は、命に関わる緊急事態です。糖尿病の治療を受けている方は、低血糖のサインを事前に把握しておくことが非常に重要です。

また、糖尿病の診断を受けていない方でも「機能性低血糖症」といって、食後に血糖値が急上昇した後に急降下するパターンを持つ人がいます。このような場合も、食後2〜3時間後に冷や汗・倦怠感・集中力の低下などが起こることがあります。甘いものや炭水化物を多く摂取した後に症状が出やすい場合は、食習慣の見直しが助けになることがあります。

🔍 甲状腺疾患と異常発汗

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調節する重要なホルモンです。甲状腺機能亢進症(こうしんしょう)では、このホルモンが過剰に分泌されるため、体の代謝が過剰に高まります。その結果として、気温が低い環境でも体内の熱産生が多くなり、汗をかきやすい状態になります。

甲状腺機能亢進症の代表的な疾患がバセドウ病です。バセドウ病は自己免疫疾患の一種であり、自分自身の免疫が甲状腺を過剰に刺激してしまうことでホルモンが過剰に作られます。バセドウ病の症状としては、発汗・動悸・体重減少・疲労感・手の震え・眼球突出(眼が飛び出る)などが特徴的です。

発汗のほかにもこれらの症状がある場合は、甲状腺機能の検査(血液検査でTSH・Free T3・Free T4を測定)を受けることをお勧めします。バセドウ病は適切な治療(薬物療法・放射線治療・手術)によってコントロールできる疾患です。

一方で、甲状腺機能低下症(橋本病など)では、代謝が低下して体温が下がりやすく、汗をかきにくくなるのが一般的です。ただし、甲状腺の異常はさまざまな形で自律神経に影響を与えるため、必ずしも教科書通りの症状だけが現れるわけではありません。

女性に多い疾患ですが、男性も発症します。甲状腺の異常は血液検査で比較的簡単に診断できるため、疑わしい症状がある場合は内科または内分泌科での検査を受けることが大切です。

Q. 低血糖による冷や汗にはどんな特徴があるか?

低血糖時は体が緊急事態として交感神経を活性化しアドレナリンを分泌するため、気温が低くても冷や汗が出ます。手の震え・動悸・脱力感・めまいを伴うことが多く、糖尿病治療中の方は特に注意が必要です。症状が現れたらすぐにブドウ糖や砂糖を補給してください。

📝 感染症・発熱時の発汗

風邪・インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症などの感染症に罹患すると、体が病原体に対抗するために体温を意図的に上昇させます(発熱)。この発熱の過程で、「寒気がするのに汗をかく」という状態が現れることがあります。

発熱の初期段階では、体温をまだ上げようとしている最中であるため、悪寒(ゾクゾクする寒気)が現れます。このとき体の末梢血管は収縮し、熱を体の中心部に集めようとします。しかし同時に、交感神経の活性化によって発汗も起こることがあるため、「寒いのに汗をかく」という一見矛盾した状態が生じるのです。

体温がピークに達した後に今度は体温を下げようとする段階では、大量の発汗が起こります。これが「熱が下がるときに汗をかく」という経験として多くの人が知っているものです。

感染症以外にも、悪性腫瘍(がん)、自己免疫疾患、結核などでも発熱を伴うことがあり、夜間に寝汗(night sweat)として現れることがあります。特に夜間の大量の寝汗が続く場合、リンパ腫などの血液疾患のサインとなることがあるため、注意が必要です。

発熱を伴う感染症によるものであれば、基本的には感染が治まるとともに発汗異常も改善します。ただし、発熱の原因が特定されていない状態で発汗が続く場合や、体重減少・リンパ節の腫れなどを伴う場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

💡 その他に考えられる疾患

寒いのに汗をかく症状に関連するその他の疾患についても確認しておきましょう。

まず、褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)という副腎の腫瘍があります。この腫瘍はカテコラミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を過剰に分泌するため、発汗・頭痛・高血圧・動悸などの症状が発作的に現れます。比較的まれな疾患ですが、見逃すと危険な疾患であるため、発作性の高血圧と発汗が繰り返す場合は専門医への受診が必要です。

次に、心疾患(心臓の病気)も冷や汗の原因になることがあります。急性心筋梗塞や不安定狭心症の発作時には、強い胸痛とともに冷や汗が出ることがあります。胸痛や息苦しさを伴う冷や汗は非常に危険なサインであるため、救急対応が必要です。

パーキンソン病などの神経変性疾患でも、自律神経機能が障害されることで発汗異常が現れることがあります。また、糖尿病性自律神経障害では、糖尿病が進行することで自律神経が傷つき、発汗パターンの異常(上半身に異常に汗をかき、下半身は汗をかかないなど)が起こることがあります。

精神疾患との関連も見逃せません。パニック障害では、突然の強い不安感とともに動悸・過呼吸・発汗・手足の震えなどが現れます。うつ病や全般性不安障害でも、自律神経の乱れを通じて発汗異常が生じることがあります。精神疾患に伴う発汗は、心療内科や精神科での適切な治療によって改善が期待できます。

✨ 多汗症とはどう違う?

「多汗症(たかんしょう)」という疾患名を聞いたことがある方も多いでしょう。多汗症とは、体温調節に必要な量をはるかに超えた汗が出る状態のことを指します。これは「寒いのに汗をかく」症状と重なる部分もありますが、やや異なる概念です。

多汗症には「原発性多汗症」と「続発性多汗症」の2種類があります。原発性多汗症は、特定の基礎疾患がなく、手のひら・足の裏・ワキ・顔・頭部などに過剰な発汗が起こるものです。これらの部位に集中して汗が出る点が特徴であり、精神的な緊張時に悪化しますが、睡眠中には症状が軽くなる傾向があります。

続発性多汗症は、甲状腺疾患・糖尿病・感染症・薬の副作用など、基礎疾患や外的要因によって引き起こされる多汗症です。こちらは全身性に汗が出ることが多く、夜間にも発汗が起こります。

寒い環境でも汗が止まらない場合、それが特定の部位(手のひら・ワキなど)に集中しているなら原発性多汗症の可能性があります。一方、全身的に汗が出ていたり、他の症状を伴っている場合は、続発性多汗症として基礎疾患の精査が必要です。

多汗症の治療法としては、塩化アルミニウムを含む外用薬(制汗剤)・ボツリヌス毒素注射・イオントフォレーシス(電流を使って汗腺を一時的に抑制する治療)・内服薬・手術(胸腔鏡下交感神経遮断術)などがあります。特に手のひらや足の裏の多汗症については、ボツリヌス毒素注射が有効であり、美容クリニックや皮膚科で受けることができます。

Q. 寒い環境での発汗はどんな場合に受診すべきか?

発汗に加えて動悸・胸痛・意識の混濁がある場合は緊急受診が必要です。体重の急激な減少・夜間の大量の寝汗・倦怠感が続く場合も早めに受診しましょう。受診科は更年期症状なら婦人科、手のひらやワキの多汗症なら皮膚科、精神的不調を伴う場合は心療内科が適しています。

📌 日常生活でできる改善策

寒いのに汗をかく症状のすべてが医療機関での治療を必要とするわけではありません。自律神経の乱れや生活習慣に起因するものであれば、日常生活の改善によって症状を和らげることができる可能性があります。以下では、具体的な改善策を紹介します。

まず、規則正しい生活リズムを心がけることが基本です。毎日同じ時間に起床・就寝し、食事も規則正しくとることで、体内時計が整い自律神経のバランスが安定しやすくなります。特に睡眠は自律神経の回復に欠かせないため、7〜8時間の質の良い睡眠を確保することが大切です。

次に、ストレス管理を行うことも重要です。慢性的なストレスは交感神経を過剰に緊張させ、発汗異常につながります。深呼吸・瞑想・ヨガ・軽い運動など、自分に合ったストレス解消法を日常に取り入れることが助けになります。特に腹式呼吸は副交感神経を活性化させる効果があり、発汗を抑えるためにも有用です。

適度な運動習慣も自律神経を整えるうえで効果的です。ウォーキングや水泳などの有酸素運動を定期的に行うことで、交感神経と副交感神経のバランスが改善されます。ただし、激しすぎる運動は逆に交感神経を過剰に刺激することがあるため、無理のない範囲で継続することが大切です。

食事面では、カフェインやアルコール・辛い食べ物の過剰摂取を控えることが助けになることがあります。これらは血管を拡張させたり交感神経を刺激したりする作用があり、発汗を増やす可能性があります。また、低血糖が原因の場合は、食事を抜かずにこまめに食べることや、血糖値の急上昇を防ぐために精製糖質の摂りすぎを避けることが有効です。

体を冷やしすぎないことも意識してみましょう。特に冬場は手足の末梢が冷えることで、体幹の体温を上げようとする反応が起き、逆に上半身の発汗を招くことがあります。防寒対策をしっかり行い、体全体の体温を均一に保つことが大切です。一方で、過度に厚着をして体温が上がりすぎるのも問題なので、脱ぎ着しやすい重ね着で体温調節することを意識しましょう。

入浴方法の見直しも効果的です。シャワーのみで済ませるのではなく、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られます。就寝の1〜2時間前の入浴が、睡眠の質を高めるうえでも効果的です。

更年期症状によるホットフラッシュに悩む方には、大豆イソフラボンを含む食品(豆腐・納豆・豆乳など)の摂取が症状を和らげるという研究報告があります。ただし、医薬品と同等の効果があるわけではなく、重症の場合はホルモン補充療法(HRT)などの医療的介入が必要になることがあります。

🎯 受診のタイミングと診療科の選び方

日常生活の改善を試みても症状が続く場合や、以下のような状況に当てはまる場合は医療機関への受診を検討してください。

受診の目安となる状況をいくつか挙げます。まず、寒い環境でも汗が止まらず日常生活に支障をきたしている場合です。次に、発汗と同時に動悸・胸痛・息苦しさ・意識の混濁などの症状がある場合は、緊急性が高い可能性があるため、すぐに救急受診または119番への連絡が必要です。

また、発汗に加えて体重の急激な減少・疲労感・倦怠感が続く場合も、甲状腺疾患や悪性腫瘍などの全身疾患が疑われるため、早めの受診が重要です。夜間の大量の寝汗が続く場合、特に発熱や体重減少を伴う場合は、血液疾患や感染症(結核など)の可能性があります。

40〜50代の女性で、突然の熱感と発汗(ホットフラッシュ)が頻繁に起こる場合は、更年期障害として婦人科・産婦人科への受診が適しています。精神的なストレスや不安が強く、発汗に加えてうつ症状・不眠などがある場合は、心療内科や精神科を受診することが助けになります。

どこを受診したらよいかわからない場合は、まずかかりつけ医(内科・総合診療科)に相談し、症状に応じて専門科に紹介してもらうのが安心です。受診の際には、いつから・どのような状況で・どの部位に・どの程度の汗が出るかを具体的に伝えると、診断の手助けになります。また、他に気になる症状(体重変化・動悸・手の震えなど)も合わせて伝えるようにしましょう。

手のひらや足の裏・ワキの多汗症として困っている場合は、皮膚科や美容皮膚科・形成外科への相談が適しています。多汗症の治療は保険適用となるものもあり、近年は治療の選択肢が増えています。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「寒いのに汗が出る」というお悩みでご来院される方の多くが、まず自分の症状が病気なのかどうか判断できずに不安を抱えていらっしゃいます。原因は自律神経の乱れから甲状腺疾患・更年期障害まで幅広く、一人ひとりの生活背景や体の状態を丁寧に確認したうえで適切な対応をご提案することが大切だと考えています。気になる症状を「たかが汗」と見過ごさず、まずはお気軽にご相談いただければと思います。」

📋 よくある質問

寒いのに汗をかくのは病気のサインですか?

必ずしも病気とは限りませんが、体からの何らかのサインである可能性があります。自律神経の乱れや生活習慣の乱れが原因の場合は生活改善で改善できることもありますが、甲状腺疾患・更年期障害・低血糖などが原因の場合は医療的な対応が必要です。動悸・体重減少・胸痛などを伴う場合は早めに医療機関を受診しましょう。

寒いのに汗をかく症状に関連する病気にはどんなものがありますか?

主な関連疾患として、自律神経失調症・更年期障害・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)・低血糖・感染症・褐色細胞腫・パニック障害などが挙げられます。それぞれ原因や対処法が異なるため、他の症状(動悸・手の震え・体重変化など)も合わせて医師に伝えることが正確な診断につながります。

日常生活でできる改善策はありますか?

自律神経の乱れや生活習慣が原因の場合、以下の方法が助けになることがあります。規則正しい睡眠・食事リズムの維持、腹式呼吸や瞑想によるストレス管理、ウォーキングなどの適度な有酸素運動、カフェイン・アルコール・辛い食べ物の過剰摂取を控えること、38〜40℃のぬるめの入浴でリラックスすることなどが効果的です。

多汗症と「寒いのに汗をかく」症状はどう違いますか?

多汗症は体温調節に必要な量を大幅に超えた汗が出る状態を指します。手のひら・足の裏・ワキなど特定部位に集中し、睡眠中は軽減する「原発性多汗症」と、甲状腺疾患や糖尿病などの基礎疾患が原因の「続発性多汗症」があります。特定部位への集中発汗なら原発性多汗症、全身性で他の症状を伴う場合は基礎疾患の精査が必要です。

どのような場合に医療機関を受診すべきですか?また何科に行けばよいですか?

発汗と同時に動悸・胸痛・意識の混濁がある場合は緊急受診が必要です。体重減少・倦怠感・夜間の大量の寝汗が続く場合も早めに受診しましょう。受診先は、更年期症状なら婦人科、手のひら・ワキの多汗症なら皮膚科、精神的不調を伴う場合は心療内科が適しています。迷う場合はまず内科・かかりつけ医に相談するのが安心です。アイシークリニックでも多汗症をはじめ幅広いご相談に対応しています。

💊 まとめ

「寒いのに汗をかく」という症状は、体温調節システムや自律神経・ホルモン分泌・血糖値・甲状腺機能など、体のさまざまな仕組みに関係しています。一概に「異常ではない」とも「必ず病気だ」とも言えない、複雑な症状です。

日常的なストレスや睡眠不足・不規則な生活習慣によるものであれば、生活改善によって改善できる可能性があります。一方、甲状腺疾患・低血糖・更年期障害・感染症・精神疾患など、医療的な介入が必要な原因によって引き起こされている場合もあります。

特に、発汗に加えて動悸・体重減少・胸痛・意識の変化などの症状を伴う場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診することが大切です。症状を放置せず、自分の体のサインに耳を傾けることが、健康を維持するうえで最も重要です。

アイシークリニック池袋院では、多汗症の相談をはじめ、体の不調に関するさまざまなご相談に対応しております。寒いのに汗が気になる・ワキや手のひらの汗で日常生活に不便を感じているという方は、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 自律神経失調症や更年期障害に関する症状・発汗メカニズム・日常生活での改善策についての公式情報として参照
  • 日本皮膚科学会 – 多汗症(原発性・続発性)の定義・診断基準・治療法(塩化アルミニウム外用薬・ボツリヌス毒素注射・イオントフォレーシス・手術など)に関する学会公式情報として参照
  • PubMed – 発汗異常・多汗症・自律神経機能・甲状腺機能亢進症・更年期ホットフラッシュ・低血糖性発汗に関する国際的な医学的エビデンスおよび研究論文の根拠として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
PAGE TOP
電話予約
0120-226-002
1分で入力完了
簡単Web予約
LINE
運営:医療法人社団鉄結会