異臭症のセルフチェック|症状・原因・治療法をわかりやすく解説

「ごみ箱のようなにおいがする」「何を食べても焦げたようなにおいがする」「周囲の人が気になるにおいを感じていないのに自分だけ気になる」――そんな経験はありませんか?においの感じ方がほかの人と違う、あるいは存在しないはずのにおいを感じてしまうという状態は、「異臭症(いしゅうしょう)」と呼ばれる嗅覚の障害である可能性があります。異臭症は比較的知られていない疾患ですが、生活の質を大きく低下させるつらい症状を伴うことがあります。本記事では、異臭症とはどのような状態なのか、セルフチェックの方法、考えられる原因、そして治療の選択肢までをわかりやすく解説していきます。


目次

  1. 異臭症とは何か?
  2. 異臭症の主な症状
  3. 異臭症のセルフチェック
  4. 異臭症の原因と発症のメカニズム
  5. 異臭症と混同しやすい嗅覚障害の種類
  6. 異臭症の診断方法
  7. 異臭症の治療法
  8. 日常生活での対策とケア
  9. いつ病院を受診すべきか
  10. まとめ

この記事のポイント

異臭症(パロスミア)はにおいの質が変化する嗅覚障害で、COVID-19後遺症としても増加中。嗅覚トレーニングを中心とした治療で改善が期待でき、症状が2週間以上続く場合は耳鼻咽喉科への受診が推奨される。

🎯 異臭症とは何か?

異臭症とは、嗅覚に関する障害の一種で、実際に存在するにおいを正しく認識できなかったり、存在しないはずのにおいを感じてしまったりする状態を指します。医学的には「嗅覚異常」の中の一つに分類されており、英語では「parosmia(パロスミア)」とも呼ばれています。

においを感じる仕組みは非常に複雑で、鼻の奥にある嗅上皮(きゅうじょうひ)という部分に存在する嗅神経細胞が空気中の化学物質を検知し、その情報が脳の嗅球(きゅうきゅう)を経て大脳へと伝わることで、においとして認識されます。異臭症はこの経路のどこかに問題が生じることで発症します。

異臭症は、においを感じにくくなる「嗅覚減退」や全くにおいがわからなくなる「嗅覚脱失」とは異なり、においは感じるのに、その内容が変わってしまうという点が大きな特徴です。たとえば、バラの花の香りを嗅いだときに、本来の甘い香りではなく、生ゴミや化学物質のようなにおいとして感じてしまうことがあります。

異臭症は、コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症として広く知られるようになりましたが、それ以前から風邪や副鼻腔炎、頭部外傷などさまざまな原因によって引き起こされる嗅覚障害として存在していました。近年の研究では、異臭症の患者数は決して少なくなく、適切な治療を受けることで改善が見込まれるケースも多いことがわかっています。

Q. 異臭症(パロスミア)とはどのような状態ですか?

異臭症(パロスミア)とは、においを感じる能力は残っているものの、本来とは異なるにおいとして認識してしまう嗅覚障害です。例えばコーヒーが下水臭、料理が腐敗臭に感じられるなど、においの「質が変化する」点が特徴で、COVID-19後遺症としても広く知られています。

📋 異臭症の主な症状

異臭症の症状は人によって異なりますが、代表的な症状をいくつかご紹介します。症状の種類や強さは、原因や経過によっても変わってきます。

🦠 においが変化して感じられる(変臭症)

本来のにおいとは全く異なるにおいとして認識してしまうパターンです。コーヒーの香りが下水のにおいに感じたり、料理の香りが腐ったもののにおいに変わったりすることがあります。これは狭義の「異臭症(パロスミア)」に相当します。

👴 存在しないにおいを感じる(幻臭症)

実際にはにおいの原因となるものが何もないにもかかわらず、焦げ臭さや煙、生臭さ、甘いにおいなどを感じてしまう状態です。医学的には「幻嗅(ファントスミア)」と呼ばれ、嗅神経や脳における異常な電気的活動が原因として考えられています。

🔸 不快なにおいとして感じる

異臭症の方が感じるにおいは、多くの場合、不快で耐えがたいものとして認識されます。腐敗臭、下水臭、焦げ臭、化学物質臭などとして感じることが多く、食欲の低下や体重減少につながることもあります。

💧 特定の食べ物や飲み物でにおいの変化が起きやすい

コーヒー、肉類、玉ねぎ、ニンニク、卵などの特定の食品や飲み物に対して症状が強く出やすいとされています。調理中のにおいや加熱された食品のにおいで強く感じることもあります。

✨ 日常生活への支障

においの変化が持続すると、食事を楽しめなくなったり、食べ物が食べられなくなったりすることがあります。また、自分のにおいが気になる、人と食事の場を共にすることが辛くなるなど、精神的なストレスにもなりやすく、うつ症状や不安感につながることもあります。

💊 異臭症のセルフチェック

以下の項目を確認することで、異臭症の可能性があるかどうかを簡単にチェックすることができます。ただし、これはあくまでも目安であり、正確な診断は医療機関での受診が必要です。

📌 チェック項目

・食べ物のにおいが、以前とは全く違うにおいに感じるようになった

・コーヒーや肉類など、特定の食品のにおいが腐敗臭や化学物質臭のように感じる

・周りの人は何も感じていないのに、自分だけがにおいを感じることがある

・存在するはずのないところから焦げ臭さや煙のにおいを感じることがある

・においが原因で食欲がなくなり、食事の量が減った

・においの変化が1週間以上続いている

・風邪やコロナウイルス感染症にかかった後から、においの感じ方が変わった

・においへの嫌悪感から、食事の場を避けるようになった

・以前は好きだったにおいや食べ物が、今は不快に感じる

・においの変化によってストレスや気分の落ち込みを感じている

▶️ チェック結果の目安

上記の項目のうち、3項目以上に当てはまる場合は、異臭症の可能性があります。特に「においの感じ方が変わった」「存在しないにおいを感じる」という症状が続いている場合は、耳鼻咽喉科や嗅覚専門の医療機関への受診を検討することをおすすめします。

また、においの変化とともに、頭痛、鼻づまり、顔の痛みや圧迫感、記憶力の低下、てんかん発作に似た症状なども伴っている場合は、より早急に医療機関を受診する必要があります。

🔹 においのセルフテスト方法

自宅でにおいの感じ方をある程度確認するためのシンプルな方法を紹介します。ただし、これはあくまで目安であり、正式な診断には医療機関での検査が必要です。

まず、においに特徴のある身近なものを数種類用意します。コーヒー、シャンプー、石けん、レモン、ペパーミントなどが適しています。次に、それぞれのにおいを嗅いで、そのにおいが何かを当てられるかどうか、また以前と同じように感じるかどうかを確認します。

においがわからない場合や、明らかに違うにおいとして感じる場合は、嗅覚に何らかの問題が生じている可能性があります。また、何もない状態でにおいを感じる場合は幻嗅の可能性があります。

Q. 異臭症のセルフチェックはどうすればできますか?

異臭症のセルフチェックは、「食べ物のにおいが以前と全く違う」「周囲の人が感じていないにおいを自分だけ感じる」「風邪やCOVID-19後からにおいの感じ方が変わった」などの10項目で確認できます。3項目以上に当てはまる場合は異臭症の可能性があり、耳鼻咽喉科への受診が推奨されます。

🏥 異臭症の原因と発症のメカニズム

異臭症が発症する原因はさまざまで、複数の要因が絡み合っている場合もあります。主な原因について詳しく解説します。

📍 ウイルス感染(風邪・COVID-19)

異臭症の最も多い原因の一つが、ウイルスによる上気道感染です。特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関連が広く知られるようになりました。COVIDによって嗅覚障害を経験した患者の中で、回復期に異臭症を発症するケースが多く報告されています。

ウイルスが嗅神経細胞やその周辺の支持細胞にダメージを与えることで、嗅覚の情報処理に異常が生じ、においの認識が変化するとされています。嗅神経が損傷から回復する過程で、神経の再生が不完全な場合に異臭症が生じやすいと考えられています。

💫 副鼻腔炎(蓄膿症)

慢性的な副鼻腔炎(蓄膿症)も異臭症の原因になります。副鼻腔に炎症が生じると、においを感じ取るための嗅上皮の機能が低下したり、炎症によって産生される物質が嗅覚に影響を与えたりすることで、においの感じ方が変わることがあります。

🦠 頭部への外傷

頭部に強い衝撃が加わった際に、嗅神経や嗅球が損傷を受けることがあります。交通事故や転倒などで頭を強く打った後に、においの感じ方が変わったという場合は、この原因が考えられます。

👴 神経変性疾患

パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患では、嗅覚障害が初期症状として現れることがあります。嗅覚の変化が長引く場合や、他の神経症状も伴う場合は、これらの疾患との関連を調べることも重要です。

🔸 薬剤の影響

一部の薬剤は嗅覚に影響を与えることがあります。降圧薬、抗生物質、抗真菌薬、鼻炎スプレーの過剰使用などが嗅覚に影響を及ぼす可能性があります。現在服用中の薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してみることが大切です。

💧 老化

加齢に伴い嗅覚機能は低下することが知られており、においの感じ方が変化することもあります。高齢者では嗅覚障害が起きやすく、その中に異臭症が含まれることもあります。

✨ てんかん・脳腫瘍

側頭葉や前頭葉に関連するてんかん発作の前兆として、幻嗅が現れることがあります。また、脳腫瘍が嗅覚に関係する部位に存在する場合にも、においの感じ方が変わることがあります。これらは比較的まれなケースですが、早期発見・治療が重要です。

📌 精神的なストレス・うつ病

強いストレスや精神的な疾患が嗅覚の認識に影響を与えることもあります。心因性の嗅覚障害は明確な神経学的異常がなくても発症することがあり、精神的なアプローチが必要になるケースもあります。

⚠️ 異臭症と混同しやすい嗅覚障害の種類

嗅覚に関する障害にはさまざまな種類があり、それぞれ症状が異なります。異臭症と混同されやすいものを整理しておきましょう。

▶️ 嗅覚脱失(きゅうかくだっしつ)

においを全く感じることができない状態です。完全に嗅覚がなくなるため、異臭症とは異なります。COVID-19の急性期に多く見られる嗅覚障害のタイプです。

🔹 嗅覚減退(きゅうかくげんたい)

においを感じる力が低下している状態です。においはわかるけれどかなり弱く感じるという場合がこれに相当します。

📍 嗅覚過敏(きゅうかくかびん)

少量のにおいに対しても過剰に反応してしまう状態です。においの質は変わらないものの、非常に強く感じてしまうため、日常生活に支障をきたすことがあります。

💫 幻嗅(ファントスミア)

においの原因となるものが何もない状態で、においを感じてしまう症状です。異臭症(パロスミア)と並んで嗅覚の質的異常の一つとされています。焦げ臭さや化学物質臭などの不快なにおいを感じることが多いです。

🦠 異臭症(パロスミア)

においの刺激があるにもかかわらず、それが本来とは異なるにおいとして認識されてしまう状態です。上記のいずれとも異なり、においの「変化」が特徴です。

これらは複数同時に起こることもあり、「においが弱くなった(嗅覚減退)うえに、感じるにおいが変化してしまった(異臭症)」というように重なり合って現れるケースも珍しくありません。

Q. 異臭症の原因にはどのようなものがありますか?

異臭症の主な原因は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)や風邪などのウイルス感染で、嗅神経の損傷・不完全な回復が関係します。そのほか、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、頭部外傷、パーキンソン病などの神経変性疾患、特定薬剤の影響、加齢なども原因として挙げられ、複数が重なる場合もあります。

🔍 異臭症の診断方法

異臭症の診断は、主に耳鼻咽喉科や嗅覚専門外来で行われます。以下のような検査や問診が行われることが一般的です。

👴 問診

症状がいつから始まったか、どのような状況でにおいを感じるか、過去に感染症や頭部外傷があったかどうか、服用中の薬剤、生活習慣などについて詳しく聞き取ります。問診は診断のための重要な手がかりとなります。

🔸 嗅覚検査

日本では「基準嗅力検査(T&Tオルファクトメトリー)」や「静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)」などの検査が広く行われています。においを感じる能力(嗅覚閾値)や、においの種類を識別する能力を調べます。異臭症の場合、においを感じる能力自体は残っていても、その識別が困難であったり誤りやすかったりすることがあります。

💧 画像検査

副鼻腔炎や鼻茸(ポリープ)の有無を確認するために、副鼻腔のCT検査が行われることがあります。また、脳腫瘍やてんかんなどの神経学的な原因が疑われる場合は、MRI検査が必要になることもあります。

✨ 血液検査

甲状腺機能低下症や亜鉛欠乏症など、嗅覚に影響を与える可能性のある全身疾患の有無を調べるために、血液検査が行われることがあります。

📌 鼻・副鼻腔の内視鏡検査

鼻の内部を内視鏡で観察し、鼻茸の存在、粘膜の状態、分泌物の性状などを確認します。副鼻腔炎や鼻中隔湾曲症などの構造的な問題を発見するのに役立ちます。

📝 異臭症の治療法

異臭症の治療は、原因に応じたアプローチが基本となります。一般的に異臭症の治療は時間がかかることも多く、長期的な視点で根気強く取り組むことが大切です。

▶️ 嗅覚トレーニング(嗅覚リハビリテーション)

異臭症の治療として現在最も広く推奨されているのが、嗅覚トレーニングです。これは、バラ、ユーカリ、レモン、クローブ(丁子)など、特徴的なにおいを持つ4種類のにおいを1日2回、20秒ずつ意識的に嗅ぐというものです。

このトレーニングを継続することで、嗅神経の再生や脳の嗅覚処理回路の回復を促すとされています。少なくとも3〜6ヶ月継続することが推奨されており、長期間続けることでより高い効果が期待できます。嗅覚トレーニングは副作用も少なく、自宅で簡単に行えるため、異臭症の基本的なリハビリ法として位置づけられています。

🔹 薬物療法

原因や症状に応じて、さまざまな薬剤が使用されることがあります。副鼻腔炎が原因の場合は抗生物質や副鼻腔炎治療薬が処方されます。炎症による嗅覚障害に対してはステロイド薬の内服や点鼻薬が使われることもあります。

また、亜鉛の欠乏が確認された場合は亜鉛製剤の補充が行われることがあります。亜鉛は嗅神経の機能維持に関与しており、不足すると嗅覚障害の一因になることが知られています。ただし、自己判断での亜鉛サプリメントの過剰摂取は逆効果になることもあるため、必ず医師の指導のもとで使用してください。

📍 手術療法

慢性副鼻腔炎による鼻茸や鼻中隔湾曲症などの構造的な問題が原因の場合、内視鏡を使った副鼻腔手術(ESS)や鼻中隔矯正術などが検討されることがあります。手術によって鼻腔・副鼻腔の通気を改善することで、嗅覚の回復が見込めることがあります。

💫 ビタミンAによる治療

ビタミンAは嗅上皮の維持・修復に関与しているため、嗅覚障害の治療の補助として用いられることがあります。点鼻薬として使用されることもあります。ただし、ビタミンAの過剰摂取は健康被害を引き起こす可能性があるため、必ず医師の管理のもとで使用することが重要です。

🦠 精神的なサポート

異臭症は食事の質や生活の質に大きく影響するため、精神的な負担も少なくありません。必要に応じて、心療内科や精神科との連携も検討されます。認知行動療法(CBT)などの心理的アプローチが有効なケースもあります。

👴 自然経過による回復

ウイルス感染後の異臭症は、適切なリハビリと時間経過によって自然に回復することもあります。ただし、回復までの期間は個人差が大きく、数ヶ月から数年にわたることもあります。根気強く治療を続けることが大切です。

Q. 異臭症の治療法と自宅でできるケアを教えてください

異臭症の治療として最も広く推奨されるのが「嗅覚トレーニング」です。バラ・ユーカリ・レモン・クローブの4種類のにおいを1日2回、20秒ずつ意識的に嗅ぐことを少なくとも3〜6か月継続します。副作用が少なく自宅で実践でき、嗅神経の再生と脳の嗅覚処理回路の回復促進が期待されます。原因によっては薬物療法や手術療法も選択されます。

💡 日常生活での対策とケア

異臭症の症状がある間は、日常生活においていくつかの工夫をすることで、生活の質を少しでも向上させることができます。

🔸 においの刺激を一時的に避ける

症状が強いときは、不快に感じるにおいを発するものからなるべく距離を置くことが重要です。コーヒーや焼き肉など、においが強い食品の調理を一時的に他の人に頼んだり、換気を十分に行ったりすることで、症状による苦痛を軽減できます。

💧 食事の工夫

においが変化しにくい食品(ヨーグルト、冷ました食品、すっぱいもの)を中心に食事を組み立てることが有効な場合もあります。においが強い食品を避け、栄養バランスを保てるよう工夫しましょう。

食事が十分に取れない場合は、栄養補助食品やドリンクタイプの補助食品を活用することも選択肢の一つです。体重の急激な減少を防ぐことが重要です。

✨ 嗅覚トレーニングを継続する

前述の嗅覚トレーニングは、毎日継続することが重要です。においを嗅ぐときには、そのにおいがどのようなものだったかを記憶から呼び起こしながら行うと、脳の嗅覚処理回路を活性化させる効果が高まるとされています。

📌 記録をつける

どのような状況でどのようなにおいを感じたか、症状の変化などを日記やメモに記録しておくと、医師への報告や症状の経過観察に役立ちます。回復を実感しにくい場合でも、記録を振り返ることで少しずつ改善していることに気づける場合があります。

▶️ ストレス管理と休息

過度なストレスや睡眠不足は、嗅覚の回復を妨げる要因になる可能性があります。十分な睡眠を確保し、趣味やリラクゼーションなど、自分がリフレッシュできる活動を意識的に取り入れることが大切です。

🔹 禁煙・節酒

喫煙は嗅覚に悪影響を与えることがわかっています。禁煙することで嗅覚の回復を促進できる可能性があります。また、過度なアルコール摂取も嗅覚神経に影響を与えることがあるため、節度ある摂取を心がけましょう。

✨ いつ病院を受診すべきか

においの変化に気づいたとき、多くの方は「しばらくすれば治るだろう」と様子を見ることがあります。しかし、以下のような状況では早めに医療機関を受診することが重要です。

においの感じ方がおかしいと気づいてから2週間以上経過しても改善しない場合は、耳鼻咽喉科への受診を検討してください。嗅覚障害は早期に対処することで、回復の可能性が高まることがあります。

また、以下のような症状を伴う場合は、より緊急性が高い疾患が隠れている可能性があるため、早急に医療機関を受診してください。

・意識の変化やけいれんを伴うにおいの感覚(てんかん発作の可能性)

・頭痛や視力の変化、手足のしびれなど神経症状を伴う場合(脳腫瘍や神経疾患の可能性)

・においの変化とともに体重が著しく減少している場合

・精神的に非常に追い詰められていると感じる場合

風邪やコロナウイルス感染症の後から1ヶ月以上にわたり症状が続いている場合

受診する診療科としては、まずは耳鼻咽喉科が適しています。副鼻腔や鼻の状態を確認でき、嗅覚の専門的な検査も受けることができます。神経学的な原因が疑われる場合は、神経内科や脳神経外科への紹介状を書いてもらえることもあります。

アイシークリニック池袋院では、においの感じ方に関する相談も承っております。「においがおかしい」「においが変わった気がする」と感じる方は、気軽にご相談ください。症状の内容や経過を丁寧にお聞きし、必要に応じて専門医への紹介なども行っております。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「コロナウイルス感染症の流行以降、においの感じ方が変わったとご相談にいらっしゃる患者さんが増えており、異臭症への関心が高まっていることを日々実感しています。異臭症は「気のせいかもしれない」と受診をためらわれる方も多いのですが、早期に適切な診断とリハビリを開始することで回復が見込まれるケースも多いです。においの変化が食事の楽しみやQOLに大きく影響するつらい症状だからこそ、丁寧に向き合い、患者さん一人ひとりに合ったサポートをご提供できるよう心がけています。」

📌 よくある質問

異臭症とは何ですか?嗅覚脱失とどう違いますか?

異臭症は、においを感じる能力自体はあるものの、本来とは異なるにおいとして認識してしまう嗅覚障害です。においが全くわからなくなる「嗅覚脱失」とは異なり、コーヒーが下水臭に感じるなど、においの「質が変化する」点が大きな特徴です。

異臭症はセルフチェックで確認できますか?

記事内のチェックリスト10項目のうち3項目以上に当てはまる場合、異臭症の可能性があります。また自宅では、コーヒーやレモンなど身近なにおいを嗅いで、以前と同じように感じるか確認する方法も目安になります。ただし正確な診断には医療機関での受診が必要です。

異臭症の主な原因は何ですか?

最も多い原因はウイルス感染で、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関連が広く知られています。そのほか、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、頭部外傷、神経変性疾患、薬剤の影響、加齢なども原因として挙げられます。複数の要因が重なる場合もあります。

異臭症はどのように治療しますか?自宅でできることはありますか?

治療の基本は「嗅覚トレーニング」で、バラ・ユーカリ・レモン・クローブなど4種類のにおいを1日2回、20秒ずつ嗅ぐ方法が自宅で手軽に取り組めます。少なくとも3〜6ヶ月の継続が推奨されています。原因によっては薬物療法や手術療法が選択される場合もあります。

においがおかしいと感じたら、何科を受診すればよいですか?

まずは耳鼻咽喉科への受診が適しています。副鼻腔や鼻の状態確認に加え、嗅覚の専門的な検査も受けられます。においの変化が2週間以上続く場合や、頭痛・けいれん・体重減少などの症状を伴う場合は早めの受診が重要です。当院でもにおいに関するご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。

🎯 まとめ

異臭症は、においの質的な変化を特徴とする嗅覚障害で、日常生活の質に大きな影響を与えることがあります。ウイルス感染(特にCOVID-19)や副鼻腔炎、頭部外傷などさまざまな原因によって引き起こされます。

今回のセルフチェックリストで気になる項目があった方や、においの感じ方が変わってきたと感じる方は、早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。異臭症は適切な治療とリハビリによって改善が見込まれることが多く、特に嗅覚トレーニングは自宅で手軽に取り組めるアプローチとして注目されています。

においの感覚は、食事の楽しみや安全を守るためのガス漏れ・腐敗物の検知など、日常生活において非常に重要な役割を果たしています。「においのことで困っている」「においの感じ方がおかしい」と感じたら、ぜひ一人で抱え込まず、専門の医療機関に相談してみてください。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – COVID-19後遺症としての嗅覚障害(異臭症・嗅覚脱失など)に関する公式情報。コロナウイルス感染症との関連や診療の手引きとして参照。
  • 国立感染症研究所 – 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による嗅覚障害の疫学的知見・後遺症に関する情報として参照。感染後の異臭症(パロスミア)発症メカニズムの根拠として活用。
  • PubMed – 嗅覚トレーニング(嗅覚リハビリテーション)の有効性、異臭症の原因・診断・治療法に関する査読済み国際医学論文の参照先として活用。治療法の科学的根拠(エビデンス)の裏付けとして使用。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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