
蚊に刺されると誰でも多少の赤みやかゆみが生じますが、中には腫れが非常に大きくなったり、熱を持ったり、数日経っても引かないといった経験をされる方がいます。「こんなに腫れるのはおかしいのでは?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。蚊に刺された際の強い反応はアレルギーが関与していることが多く、特に子どもに見られる「ストロフルス」と呼ばれる状態など、通常の虫刺されとは区別して考える必要があるケースもあります。この記事では、蚊に刺されて腫れが大きくなる原因や、症状の重さに応じた対処法、そして医療機関を受診すべきタイミングについて、医療的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- 蚊に刺されて腫れが大きくなるのはなぜ?
- 通常の反応と異常な腫れの違い
- 腫れが大きい場合に考えられる原因・状態
- 子どもに多い「ストロフルス」とは
- EBウイルスと蚊アレルギーの関係
- 蚊に刺されて腫れた際の応急処置と対処法
- 市販薬・塗り薬の選び方と注意点
- 病院へ行くべき症状・受診タイミング
- 受診する際の診療科はどこ?
- 蚊に刺されないための予防策
- まとめ
この記事のポイント
蚊に刺されて腫れが大きくなる主因は免疫・アレルギー反応で、子どものストロフルスや二次感染(蜂窩織炎)、まれな蚊アレルギーが関与する。応急処置は冷却と掻き防止が基本で、発熱・急速な腫れ拡大・呼吸困難時は速やかな医療機関受診が必要。
🎯 蚊に刺されて腫れが大きくなるのはなぜ?
蚊が皮膚を刺す際、唾液を注入します。この唾液には血液が固まるのを防ぐ成分や、麻酔のような成分が含まれており、蚊が血を吸っている間は気づきにくくなっています。この唾液成分が体内に入ると、私たちの免疫システムが「異物」として認識し、排除しようとする反応が起こります。この免疫反応こそが、かゆみや赤み、腫れといった症状の正体です。
具体的には、蚊の唾液に含まれるタンパク質に対してIgE抗体が産生され、マスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンなどの化学物質が放出されます。ヒスタミンは血管を拡張させ、血管の透過性を高めることで周囲の組織に体液がにじみ出してくるため、赤みと腫れが生じます。また、ヒスタミンは神経を刺激するためかゆみも引き起こします。
腫れが大きくなるかどうかは、個人の免疫反応の強さや、その人が蚊に刺された経験の蓄積(感作の程度)によって大きく異なります。初めて蚊に刺される乳幼児や、反対に非常に過敏な状態になっている人では、腫れが強く出やすい傾向があります。
Q. 蚊に刺されると腫れやかゆみが起きる仕組みは?
蚊が皮膚を刺す際に注入する唾液成分を、体の免疫システムが異物として認識することで起こるアレルギー反応が原因です。唾液中のタンパク質に反応してヒスタミンが放出され、血管が拡張して透過性が高まることで赤み・腫れ・かゆみが生じます。
📋 通常の反応と異常な腫れの違い
蚊に刺された際の反応は、医学的には「即時型反応」と「遅延型反応」の2種類があります。即時型反応は刺されてから数分以内に現れる膨疹(蕁麻疹のような盛り上がり)とかゆみで、数時間以内に収まるのが一般的です。遅延型反応は刺されてから数時間後に現れる赤みや腫れで、こちらは1〜2日程度続くことがあります。
通常の範囲内であれば、腫れの直径は1〜3センチ程度で、数日以内に自然に消退します。かゆみはあっても痛みは軽度で、発熱やリンパ節の腫れといった全身症状は伴いません。
一方、以下のような状態が見られる場合は「異常な腫れ」として注意が必要です。腫れが直径5センチ以上になる、患部が熱を持って痛む、水ぶくれや潰瘍が形成される、刺されてから数日経っても腫れが引かないどころか悪化していく、発熱や全身のだるさを伴う、リンパ節が腫れる、などの症状が該当します。このような場合は、単なる虫刺されの反応を超えている可能性があるため、医療機関への相談が必要です。
💊 腫れが大きい場合に考えられる原因・状態
蚊に刺されて腫れが大きくなる背景には、いくつかの異なる原因や状態が考えられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
🦠 局所アレルギー反応(大型局所反応)
「大型局所反応(Large Local Reaction)」と呼ばれる状態で、刺された部位を中心に直径10センチ以上の腫れが生じることがあります。蜂などの昆虫刺傷でよく知られた概念ですが、蚊でも同様の反応が起こることがあります。アレルギー反応が比較的強く出ているものの、全身症状は伴わないケースが多く、数日から1週間程度で徐々に改善していくことが一般的です。
ただし、腫れが関節をまたいで広がる、急速に腫れが拡大するといった場合は、感染や別の状態が関与している可能性があるため、医療機関での確認が必要です。
👴 二次感染(とびひ・蜂窩織炎)
蚊に刺されてかゆくて掻いてしまうと、皮膚に傷がつき、そこから細菌が侵入して二次感染を起こすことがあります。代表的なものとして「蜂窩織炎(ほうかそうえん)」があります。蜂窩織炎は皮膚の深部から皮下組織にかけて細菌感染が広がった状態で、患部が赤く熱を持ち、腫れが急速に広がっていくのが特徴です。痛みも強く、発熱を伴うことも少なくありません。
また、子どもに多い「とびひ(伝染性膿痂疹)」も、虫刺されを掻くことで引き起こされることがあります。とびひは黄色ブドウ球菌や連鎖球菌による皮膚感染症で、水ぶくれやびらんが生じ、他の部位や人へ広がる性質があります。これらの感染症は抗菌薬での治療が必要です。
🔸 アナフィラキシー反応
稀なケースですが、蚊の唾液に対して強いアレルギー反応を持つ人では、全身性のアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があります。アナフィラキシーは命に関わる緊急事態であり、蕁麻疹や腫れだけでなく、呼吸困難、血圧低下、意識障害などが急速に現れます。このような症状が出た場合は、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
Q. 子どもが蚊に刺されると大きく腫れるのはなぜ?
子どもは「ストロフルス(丘疹性蕁麻疹)」と呼ばれる虫刺されへの過敏反応が起きやすい状態にあります。蚊の唾液成分への免疫記憶がまだ十分に形成されておらず、刺されるたびに強いアレルギー反応が出やすいためです。一般的に10歳前後になると症状が落ち着いてくることが多いとされています。
🏥 子どもに多い「ストロフルス」とは
「ストロフルス(Strophulus)」または「丘疹性蕁麻疹(きゅうしんせいじんましん)」と呼ばれる状態は、主に幼児から学童期の子どもに見られる虫刺されへの過敏反応です。蚊だけでなく、ダニやノミなどの虫に刺された際にも引き起こされます。
ストロフルスの特徴は、刺された部位に1〜2センチ程度の赤くて硬い丘疹(盛り上がり)が生じ、強いかゆみを伴うことです。通常の虫刺されよりも腫れが目立ち、引くまでに1〜2週間かかることがあります。また、一度刺された場所が治りかかっている時期に別の場所を刺されると、以前の場所の症状が再び悪化するという「フレア反応」が見られることもあります。
子どもがストロフルスになりやすい理由は、蚊の唾液成分への免疫記憶がまだ十分に形成されていないためです。生後6ヶ月ごろから蚊に刺され始め、初めての感作(アレルギー反応の素地ができること)が起こった後、再度刺されるたびにアレルギー反応が強まっていきます。しかし、刺される機会を重ねるうちに免疫寛容(過剰反応しなくなること)が形成され、成長とともに反応が軽くなっていく子どもが多いです。
一般的には10歳前後になると症状が落ち着いてくることが多いとされていますが、個人差があります。お子さんの腫れが非常に大きく、かゆみで眠れない、掻きこわして傷になるといった場合は、皮膚科や小児科を受診して適切な治療を受けることが重要です。
⚠️ EBウイルスと蚊アレルギーの関係
蚊に刺されると極端に強い反応が出る状態として、「蚊アレルギー(Hypersensitivity to mosquito bites:HMB)」と呼ばれる特殊な疾患概念が日本から報告されています。この疾患はEBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)の感染と深く関わっていることがわかっています。
EBウイルスはヘルペスウイルスの一種で、成人のほとんどが過去に感染した経験を持ちます。通常は一度感染すると体内に潜伏した状態になりますが、蚊アレルギーを持つ患者さんでは、EBウイルスに感染したNK細胞やT細胞が蚊に刺されたことをきっかけに異常増殖し、強い炎症反応を引き起こすと考えられています。
蚊アレルギーの症状は、蚊に刺された部位に強い腫れや水疱、壊死が生じ、刺された後に高熱が出るというものです。また、全身のリンパ節が腫れたり、肝臓や脾臓が腫大したりすることもあります。重症化すると悪性リンパ腫を発症するリスクもあり、専門医による診断と管理が必要な疾患です。
ただし、蚊アレルギーは非常にまれな疾患であり、一般的な蚊に刺されによる腫れが大きいほとんどのケースは、この疾患には該当しません。しかし、蚊に刺されるたびに高熱が出る、刺された部位に壊死が生じるといった場合は、専門の医療機関を受診することをお勧めします。
🔍 蚊に刺されて腫れた際の応急処置と対処法
蚊に刺されて腫れてしまった場合、適切な対処を行うことで症状の悪化を防ぎ、早期の回復につなげることができます。
💧 まずは冷やす
刺されてすぐに患部を冷やすことで、炎症反応を抑える効果が期待できます。冷たいタオルや保冷剤をタオルに包んで患部に当て、10〜15分程度冷却します。直接氷を当てると凍傷の危険があるため避けてください。冷やすことでヒスタミンの放出が抑えられ、腫れやかゆみを軽減できます。
✨ 掻かないことが最重要
かゆいからといって強く掻いてしまうと、かゆみを感じる神経がさらに刺激されて症状が悪化するだけでなく、皮膚に傷がついて二次感染のリスクが高まります。爪は短く清潔に保ち、かゆい時は患部を冷やしたり、軽く押さえるようにして対応しましょう。小さな子どもの場合は、ミトンをつけるなどして掻きこわしを防ぐ工夫も有効です。
📌 患部を清潔に保つ
刺された部位を石けんと水で優しく洗い、清潔に保つことが大切です。特に掻いてしまった後は感染予防のために念入りに洗うようにしましょう。
▶️ 塗り薬を使用する
市販の虫刺され用の薬を使用することも効果的です。ステロイド成分が含まれた外用薬は炎症を抑え、かゆみを軽減する効果があります。抗ヒスタミン成分が含まれた塗り薬もかゆみを和らげる効果があります。使用方法や使用量は製品の説明書に従ってください。
🔹 内服薬の活用
腫れやかゆみが強い場合は、市販の抗ヒスタミン薬(花粉症の薬などと同成分のもの)を内服することも選択肢のひとつです。ただし、眠気が出るものもあるため、服用のタイミングや運転への影響には注意が必要です。
Q. 蚊に刺されて腫れた際にすぐ救急受診すべき症状は?
呼吸困難・のどの締め付け感・顔や唇の急激な腫れ・めまいや意識の低下などが短時間で現れた場合は、命に関わるアナフィラキシーが疑われるため、直ちに119番へ連絡してください。また腫れが急速に広がる・38度以上の発熱・患部に強い熱感と痛みがある場合も、早めに皮膚科を受診することが推奨されます。
📝 市販薬・塗り薬の選び方と注意点
ドラッグストアには様々な虫刺され用の市販薬が販売されていますが、選ぶ際にはいくつかのポイントを意識することが大切です。
📍 ステロイド含有外用薬
ヒドロコルチゾンやプレドニゾロンなどのステロイド成分が含まれた外用薬は、炎症を抑える効果が高く、腫れやかゆみへの効果が期待できます。市販のステロイド外用薬は弱いランク(ウィーク)から中程度(ミディアム)のものが一般的で、顔や首などの皮膚が薄い部分への使用は注意が必要です。また、長期使用は避け、数日以上使用しても改善しない場合は受診を検討してください。
💫 非ステロイド系外用薬
抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)やリドカイン(局所麻酔成分)を配合した薬もあります。ステロイドに比べると抗炎症作用は穏やかですが、かゆみの緩和には効果があります。ステロイドを避けたい方や、比較的症状が軽い場合に選択肢になります。
🦠 子どもへの使用について
市販の虫刺され薬には年齢制限が設けられているものがあります。特に生後間もない乳児には使用できない成分もあるため、必ず対象年齢を確認した上で使用してください。子どもへの使用で迷う場合は、薬剤師に相談するか、医療機関で適切な処方薬を出してもらうことをお勧めします。
👴 目や粘膜への注意
まぶたや目の周囲が蚊に刺されて腫れた場合、市販の塗り薬の多くは眼周囲への使用が適していません。そのような部位への使用は医師の指示に従うようにしてください。
💡 病院へ行くべき症状・受診タイミング
セルフケアで対応できる範囲を超えている場合は、迷わず医療機関を受診することが大切です。以下に、受診を検討すべき症状・状況をまとめます。
🔸 すぐに救急受診すべき症状
刺されてから短時間のうちに以下のような症状が現れた場合は、アナフィラキシーが疑われます。これは緊急事態です。呼吸困難や喘鳴(ゼーゼーとした呼吸音)、のどの締め付け感、顔や唇の急激な腫れ、大量の蕁麻疹の出現、めまいや意識の低下、嘔吐・腹痛などが見られた場合は、すぐに119番に連絡してください。
💧 早めに受診すべき症状
以下の症状が見られる場合は、数日以内に皮膚科や内科への受診をお勧めします。腫れが急速に広がっている、患部に強い熱感と痛みがある(感染の可能性)、38度以上の発熱を伴っている、水ぶくれや膿が出ている、リンパ節が腫れている、3〜4日たっても腫れが引かないどころか悪化している、強いかゆみで夜眠れない、掻きこわして傷になっているなどです。
✨ 繰り返す場合も受診を
蚊に刺されるたびに強い反応が出る方、特に毎回非常に大きな腫れになる方は、一度専門医に相談して適切な対策を立ててもらうことが大切です。アレルギーの程度を評価してもらい、予防的な対策や緊急時の対処法について指導を受けておくと安心です。
📌 子どもの受診タイミング
子どもは症状を正確に伝えられないことも多く、大人よりも早めに受診を検討することをお勧めします。腫れが直径3センチ以上になっている、かゆみで眠れない、掻きこわしがひどい、発熱を伴っているなどの場合は、かかりつけの小児科や皮膚科に相談しましょう。
Q. 蚊アレルギー(蚊刺過敏症)とはどんな病気?
蚊アレルギー(蚊刺過敏症)は、EBウイルスに感染したNK細胞やT細胞が蚊に刺されたことをきっかけに異常増殖し、強い炎症反応を引き起こす非常にまれな疾患です。刺された部位に強い腫れや水疱・壊死が生じ、高熱やリンパ節腫大を伴うことがあります。重症化すると悪性リンパ腫のリスクもあり、専門医による診断と管理が必要です。
✨ 受診する際の診療科はどこ?
蚊に刺されて腫れが大きい場合、どの診療科に受診すれば良いか迷う方も多いと思います。症状や状況に応じて適切な診療科は異なります。
▶️ 皮膚科
虫刺されによる皮膚症状は皮膚科が専門です。かゆみ、腫れ、発疹、水ぶくれ、二次感染など、皮膚に関わるあらゆる症状に対応してもらえます。市販薬で対応しきれない強い炎症がある場合、感染を合併している可能性がある場合、繰り返し強い反応が出る場合などは、皮膚科への受診が基本となります。処方されるステロイド外用薬や抗菌薬、必要に応じて内服の抗ヒスタミン薬やステロイドなどを処方してもらうことができます。
🔹 小児科

子どもの場合はかかりつけの小児科への受診でも対応可能なことが多いです。ストロフルスや二次感染など、子どもに多い状態への対処、年齢に合わせた適切な薬の選択など、小児科医が対応してくれます。
📍 アレルギー科・アレルギー専門医
蚊に刺されるたびに強い全身反応が出る方、アナフィラキシーを起こしたことがある方は、アレルギー専門医を受診することをお勧めします。アレルギー検査でどの程度の感作が起きているかを評価してもらい、緊急時の対応(エピペンの処方など)についても相談できます。
💫 内科・救急外来
発熱や全身症状を伴う場合、感染症が疑われる場合は内科への受診も検討してください。また、夜間や休日で皮膚科が受診できない場合は、救急外来での対応も可能です。アナフィラキシーが疑われる場合は救急外来を受診してください。
📌 蚊に刺されないための予防策
蚊に刺されることで強い反応が出る方にとって、予防は非常に重要な取り組みです。日常生活の中でできる予防策をご紹介します。
🦠 肌の露出を減らす
屋外活動時には長袖、長ズボン、靴下などを着用して肌の露出を減らすことが基本的な予防策です。特に蚊が活発になる夕方から夜にかけては特に注意が必要です。薄い色の服装は蚊を引き寄せにくいとも言われており、白や薄い色の服を選ぶことも一つの工夫です。
👴 虫除け剤(忌避剤)の活用
DEET(ディート)やイカリジンを含む虫除けスプレーは、蚊を近づけにくくする効果があります。DEET含有の虫除けは乳幼児(特に2歳未満)への使用に注意が必要で、使用上の注意をよく読んでから使いましょう。イカリジンはDEETと比べて年齢制限が少なく、子どもへの使用可能な製品もあります。また、天然成分由来のユーカリ(PMD)配合のものもあります。
🔸 蚊帳・防虫ネットの活用
特に乳幼児が寝る際には、蚊帳や防虫ネットを活用することで蚊に刺されるリスクを減らせます。アウトドア活動では防虫ネットを帽子に組み合わせるタイプのものも市販されています。
💧 蚊の発生を抑制する環境づくり
蚊は水たまりで繁殖します。庭や周辺環境の水たまりをなくすことが蚊の発生を抑えるために有効です。植木鉢の受け皿、バケツ、古タイヤ、雨どいの詰まりなど、水が溜まりやすい場所を定期的に確認して水を取り除きましょう。室内では市販の蚊取り線香や電気蚊取りを使用することも効果的です。
✨ 蚊が活発な時間帯・場所を避ける
蚊は一般的に夕方から夜にかけて活発になります。また、公園の茂みや草むらなど、蚊が多い場所での活動には特に注意が必要です。蚊アレルギーや強い反応が出る体質の方は、これらの場所や時間帯の活動をなるべく制限することも一つの対策です。
📌 汗をかいたらすぐに拭く・着替える
蚊は汗の成分(乳酸など)や体温上昇に引き寄せられやすいと言われています。運動後や夏場の屋外活動後は、汗をすぐに拭いたり着替えたりすることで、蚊に刺されにくくなることが期待できます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、蚊に刺されて腫れが大きいことを心配されて受診されるお子さんや保護者の方が、特に夏季に多くいらっしゃいます。多くの場合はアレルギー反応によるものであり、適切な外用薬や抗ヒスタミン薬でコントロールできますが、腫れが急速に広がる・発熱を伴うといった場合は二次感染の可能性もあるため、早めにご相談いただくことをお勧めします。「蚊に刺されたくらいで…」と受診をためらわれる方もいらっしゃいますが、お子さんの症状や繰り返す強い反応でお悩みの際は、どうぞ遠慮なくご来院ください。」
🎯 よくある質問
蚊が皮膚を刺す際に注入する唾液成分を、体の免疫システムが「異物」として認識することで起こるアレルギー反応が原因です。唾液中のタンパク質に反応してヒスタミンが放出され、血管が拡張・透過性が高まることで赤みや腫れが生じます。腫れの大きさは個人の免疫反応の強さによって異なります。
子どもは「ストロフルス(丘疹性蕁麻疹)」と呼ばれる虫刺されへの過敏反応が起きやすい状態にあります。蚊の唾液成分への免疫記憶がまだ十分に形成されていないためで、刺されるたびにアレルギー反応が強く出やすいのが特徴です。一般的に10歳前後になると症状が落ち着いてくることが多いとされています。
呼吸困難・のどの締め付け感・顔や唇の急激な腫れ・意識の低下などが現れた場合は、アナフィラキシーの疑いがあるため、すぐに救急車を呼んでください。また、腫れが急速に広がる・38度以上の発熱・患部に強い熱感と痛みがある・水ぶくれや膿が出るといった場合も、早めに皮膚科や内科を受診することをお勧めします。
腫れやかゆみが強い場合は、ヒドロコルチゾンなどのステロイド成分を含む外用薬が効果的です。症状が比較的軽い場合は、抗ヒスタミン成分配合の塗り薬も選択肢となります。なお、市販薬には年齢制限があるものもあるため、乳幼児への使用前には必ず対象年齢を確認し、迷う場合は薬剤師や当院などの医療機関にご相談ください。
夕方以降の外出時は長袖・長ズボンで肌の露出を減らすことが基本です。加えて、DEET(ディート)やイカリジン配合の虫除けスプレーを活用することも有効です。また、庭の水たまりをなくして蚊の発生を抑える環境整備や、汗をかいたらすぐに拭くなどの習慣も効果が期待できます。蚊に刺されるたびに強い反応が出る方は、一度当院などの専門医に相談されることをお勧めします。
📋 まとめ
蚊に刺されて腫れが大きくなる原因は、蚊の唾液に対する免疫・アレルギー反応にあります。個人差があるため、同じ蚊に刺されても軽く済む人もいれば、大きく腫れる人もいます。子どもに見られるストロフルス、二次感染による蜂窩織炎、まれな疾患である蚊アレルギーなど、腫れが大きくなる背景にはさまざまな状態があります。
腫れが生じた際の対処は、まず冷やして掻かないことが基本です。市販の塗り薬や抗ヒスタミン薬で対応できることも多いですが、腫れが急速に広がる、発熱を伴う、感染の兆候がある、数日たっても改善しないといった場合は、迷わず医療機関を受診してください。特にアナフィラキシーが疑われる症状(呼吸困難、意識障害など)が出た場合は、すぐに救急車を呼ぶことが最優先です。
蚊に刺されることへの予防も重要で、虫除けスプレーの使用、肌の露出を減らす工夫、蚊の発生を抑える環境整備などを日常的に取り組むことが大切です。お子さんが毎回ひどく腫れる、ご自身が蚊に刺されるたびに強い反応が出るという場合は、アイシークリニック池袋院などの専門医に相談し、適切な評価と対策を行っていただくことをお勧めします。症状の特性を正しく理解した上で、安心して夏を過ごせるよう備えていきましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 蚊刺過敏症(蚊アレルギー)やストロフルス(丘疹性蕁麻疹)など、蚊刺されによる皮膚アレルギー反応の診断・治療に関する専門的な解説
- 国立感染症研究所 – EBウイルスと蚊アレルギー(蚊刺過敏症)の関係、蚊を媒介とした感染症の疫学・病態に関する公的機関による情報
- 厚生労働省 – 蚊の発生予防・虫除け剤(DEET・イカリジン)の使用上の注意、乳幼児への適用制限など、国が推奨する予防策に関する公式情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務