ヘルペスは皮膚科で診てもらえる?症状・治療・受診のタイミングを解説

口の周りや唇に小さな水ぶくれができた、体の片側に帯状の痛みと発疹が出た——こうした症状が出たとき、「これってヘルペス?」「どこの科に行けばいいの?」と悩む方は少なくありません。ヘルペスはウイルスが原因の皮膚疾患であり、皮膚科での診察・治療が可能です。ただし、症状の種類や出る場所によっては他科との連携が必要になることもあります。この記事では、ヘルペスの種類と症状、原因、皮膚科での診察・治療の流れ、受診のタイミングまで詳しく解説します。気になる症状がある方はぜひ参考にしてください。


目次

  1. ヘルペスとはどんな病気?
  2. ヘルペスの種類と主な症状
  3. ヘルペスが起こるメカニズム
  4. ヘルペスは皮膚科で診てもらえる?
  5. 皮膚科でのヘルペスの診断方法
  6. 皮膚科でのヘルペスの治療法
  7. ヘルペスの再発を防ぐための対策
  8. ヘルペスに関してよくある誤解と注意点
  9. こんな症状があれば早めに皮膚科へ
  10. まとめ

この記事のポイント

口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹など皮膚に症状が出るヘルペスは皮膚科で診察・治療が可能。抗ウイルス薬による早期治療が重要で、前駆症状の段階での受診が効果的。ウイルスの完全排除は困難だが、再発抑制療法や生活習慣改善で症状をコントロールできる。

🎯 1. ヘルペスとはどんな病気?

ヘルペスとは、ヘルペスウイルス科に属するウイルスへの感染によって引き起こされる疾患の総称です。「ヘルペス」という言葉はギリシャ語の「這う・広がる」に由来しており、皮膚の上を這うように広がる病変の特徴を表しています。

ヘルペスウイルスには多くの種類があり、それぞれ異なる臓器や部位に影響を与えます。日常生活で一般的に「ヘルペス」と呼ばれているのは、主に単純ヘルペスウイルス(HSV)と水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によるものです。

これらのウイルスに共通している特徴は、一度感染すると体内に潜伏し続け、免疫力が低下したときなどに再活性化して症状を繰り返すという点です。完全に体外に排除することは現在の医学では難しいとされており、再発をコントロールしながら付き合っていく疾患と考えられています。

また、ヘルペスは感染力を持つウイルスによる病気であるため、症状が出ている時期には他の人への感染を防ぐための注意が必要です。正しい知識を持って適切に対処することが、自分自身の健康を守るだけでなく、周囲への感染を防ぐことにもつながります。

Q. ヘルペスは皮膚科で診てもらえますか?

口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹など、皮膚に症状が現れるヘルペスは皮膚科での診察・治療が可能です。ただし、目の周りに症状がある場合は眼科、顔面・耳の帯状疱疹では耳鼻科との連携が必要な場合もあります。まずは皮膚科への相談が推奨されます。

📋 2. ヘルペスの種類と主な症状

一口にヘルペスといっても、いくつかの種類があります。それぞれ症状の出方や好発部位が異なるため、自分の症状がどのタイプに当てはまるかを知ることが適切な対処への第一歩です。

🦠 口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型:HSV-1)

口唇ヘルペスは、日本で最も頻繁に見られるヘルペスのタイプです。原因となるのは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)で、唇や口の周り、鼻の下などに小さな水ぶくれが集まって現れるのが特徴です。

発症の経過は以下のような順序をたどることが多いです。まず、ピリピリ・チクチクとした違和感やかゆみを感じる「前駆症状」が現れます。この段階から24〜48時間ほどで、赤みが出て小さな水ぶくれが集まった状態になります。水ぶくれはやがて破れてただれ(びらん)になり、かさぶたを形成して治癒に向かいます。全体の経過は7〜10日程度が一般的です。

HSV-1は飛沫や接触によって感染するため、幼少期にすでに感染を受けている方も多く、成人の多くが抗体を持っているといわれています。初感染時は症状が出ないことも多く、その後何年も経ってから体調不良や疲労をきっかけに初めて症状が現れることがあります。

👴 性器ヘルペス(単純ヘルペスウイルス2型:HSV-2、HSV-1も)

性器ヘルペスは、主に性的接触によって感染するヘルペスです。原因ウイルスはHSV-2が多いですが、近年はHSV-1によるものも増加しています。外陰部、膣、陰茎、肛門周囲などに水ぶくれやただれが生じ、強い痛みを伴うのが特徴です。

初感染時は症状が強く出ることが多く、発熱や鼠径部リンパ節の腫れ、排尿時の痛みなどが生じることもあります。再発時は初感染ほど症状が強くないことが多いものの、再発を繰り返す方もいます。

性器ヘルペスは性感染症(STI)に分類されますが、性皮膚科や婦人科、泌尿器科、皮膚科などで診察・治療を受けることができます。パートナーへの感染予防の観点からも、早めに医療機関を受診することが大切です。

🔸 帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ウイルス:VZV)

帯状疱疹は、子どもの頃に水ぼうそう(水痘)にかかった際に体内に潜伏したウイルスが、免疫力の低下などをきっかけに再活性化することで発症します。日本では生涯のうちに3人に1人が発症するといわれており、決して珍しくない病気です。

体の片側(左右どちらか一方)に、帯状に赤い発疹と水ぶくれが現れるのが特徴です。発疹が出る前に、ズキズキ・ピリピリとした神経痛のような痛みが数日間続くことがあり、この段階では皮膚の異常がないため、他の疾患と見分けがつきにくい場合もあります。

発症部位は胸・背中・腹部・顔・首・腰などさまざまで、神経の走行に沿って症状が現れます。発疹は通常2〜4週間で落ち着きますが、神経の損傷によって「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる慢性的な痛みが残ることがあり、特に高齢者では注意が必要です。

💧 その他のヘルペス感染症

上記のほかにも、角膜ヘルペス(眼科での診察が必要)、ヘルペス性ひょうそ(指先に生じる)、カポジ水痘様発疹症(アトピー性皮膚炎の方に生じやすい重篤なタイプ)なども存在します。これらはウイルスのタイプや感染部位によって症状が異なります。

💊 3. ヘルペスが起こるメカニズム

ヘルペスウイルスは感染後、皮膚の神経を伝わって神経節(神経細胞が集まっている部位)に到達し、そこで潜伏します。単純ヘルペスウイルスは三叉神経節や仙髄神経節に、水痘・帯状疱疹ウイルスは脊髄後根神経節に潜伏するとされています。

通常、免疫機能が正常に働いていれば、ウイルスは潜伏したまま症状を引き起こしません。しかし以下のようなきっかけでウイルスが再活性化し、神経を伝って皮膚に到達することで症状が現れます。

  • 疲労・睡眠不足・ストレス
  • 発熱や感冒など体調不良
  • 紫外線への過剰な曝露
  • 月経(女性の場合)
  • 免疫抑制剤の使用や免疫機能の低下
  • 外傷や皮膚への摩擦・刺激

口唇ヘルペスの場合、強い日差しにあたった後や、疲れが続いたときに繰り返す方が多いのはこのためです。帯状疱疹も、加齢・過労・病気などで免疫力が落ちたときに発症しやすいとされています。

ヘルペスウイルスが感染を広げる際には、皮膚の細胞に入り込んで増殖し、細胞を破壊しながら広がっていきます。水ぶくれの中にはウイルスが多く含まれており、これが破れると周囲の皮膚や接触した相手に感染するリスクがあります。

Q. ヘルペスはどのタイミングで受診すべきですか?

ヘルペスは症状に気づいたらできるだけ早期の受診が重要です。口唇ヘルペスは水ぶくれが出る前のピリピリ・チクチクとした前駆症状の段階で治療を開始すると、症状の悪化を最小限に抑えられる可能性があります。帯状疱疹も早期治療により後遺症リスクを軽減できます。

🏥 4. ヘルペスは皮膚科で診てもらえる?

結論からいうと、口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹など、皮膚に症状が現れるヘルペスは皮膚科での診察が可能です。皮膚科医はヘルペスを含む皮膚疾患の診断と治療に精通しており、抗ウイルス薬の処方も行います。

「ヘルペスかな?」と思ったら、まず皮膚科を受診することを検討してください。ただし、症状の出ている部位や合併症の有無によっては、他の診療科との連携が必要な場合もあります。

たとえば、目の周りや角膜に症状が出ている場合は眼科への受診が必要です。性器ヘルペスは皮膚科のほか、婦人科(女性)・泌尿器科(男性)でも診察が可能です。帯状疱疹が顔面・耳に出た場合(ラムゼイ・ハント症候群など)は、耳鼻科との連携が必要になることもあります。

皮膚科では、問診・視診を行ったうえで適切な診断を行い、必要に応じて他科への紹介状を作成することもあります。まずは皮膚科に相談するというスタンスで問題ありません。

なお、ヘルペスの治療は早期に始めるほど効果が高いため、症状に気づいたら早めに受診することが重要です。特に口唇ヘルペスは「前駆症状(ピリピリ感)」の段階で受診・治療を開始すると、水ぶくれの形成を最小限に抑えられることがあります。

⚠️ 5. 皮膚科でのヘルペスの診断方法

皮膚科では、主に以下のような方法でヘルペスの診断を行います。

✨ 問診

まず医師が現在の症状・発症のタイミング・既往歴(過去にヘルペスになったことがあるか・水ぼうそうにかかったことがあるかなど)・現在の体調・服用中の薬などについて詳しく聞きます。ヘルペスは問診と視診だけでかなりの精度で診断できることが多いため、些細なことでも正直に伝えることが大切です。

📌 視診・触診

水ぶくれや発疹の形状・分布・色調などを観察します。帯状疱疹であれば体の片側に帯状に分布する発疹が特徴的であり、多くの場合は視診のみで診断が可能です。口唇ヘルペスも典型的な形状の水ぶくれが唇周囲に集まっていれば、視診で診断できることが多いです。

▶️ ウイルス検査(PCR検査・培養検査)

症状が非典型的な場合や、確定診断が必要な場合には、水ぶくれの内容液や病変部位から採取したサンプルを用いてPCR検査(ウイルスのDNAを検出する方法)や培養検査が行われることがあります。PCR検査は感度が高く、ウイルスのタイプ(HSV-1かHSV-2か)を特定することも可能です。

🔹 血液検査(抗体検査)

血液中のヘルペスウイルスに対する抗体を調べることで、過去の感染歴を確認することができます。ただし、抗体検査だけでは現在の症状がヘルペスによるものかどうかを判断することは難しく、補助的な検査として位置づけられます。

📍 ツァンク試験

水ぶくれの基底部をこすり取り、顕微鏡で観察する検査です。ヘルペスウイルスに感染した特徴的な細胞(多核巨細胞)を確認することで診断の参考にします。簡便に行える検査ですが、どのタイプのヘルペスかを区別することはできません。

Q. ヘルペスの治療にはどんな薬が使われますか?

ヘルペスの治療の中心は抗ウイルス薬です。代表的な薬にはアシクロビル・バラシクロビル・ファムシクロビルがあり、ウイルスの増殖を抑えることで症状の改善を早め重症化を防ぎます。早期に服用を開始するほど効果が高く、医師の指示に従い定められた量・期間を服用することが大切です。

🔍 6. 皮膚科でのヘルペスの治療法

ヘルペスの治療の中心は抗ウイルス薬です。ウイルスの増殖を抑えることで、症状の改善を早め、重症化を防ぐ効果があります。

💫 抗ウイルス薬(内服薬)

現在、ヘルペスの治療に用いられる代表的な抗ウイルス薬には以下のものがあります。

アシクロビル(商品名:ゾビラックスなど)は、もっとも古くから使われている抗ウイルス薬で、口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹のいずれにも用いられます。効果は確立されていますが、1日に複数回の服用が必要で、用法が煩雑という点があります。

バラシクロビル(商品名:バルトレックスなど)は、アシクロビルの前駆体(プロドラッグ)で、体内でアシクロビルに変換されて効果を発揮します。アシクロビルより服用回数が少なくて済むため、患者さんにとっては利便性が高い薬です。

ファムシクロビル(商品名:ファムビルなど)も同様に抗ウイルス効果を持ち、服用回数が少なくて済む薬の一つです。

これらの薬は症状が現れてから早期に服用を開始するほど効果が高いとされています。医師の指示に従って、定められた量・期間をしっかり服用することが大切です。自己判断で途中で服用をやめると、ウイルスが十分に抑制されない可能性があります。

🦠 抗ウイルス薬(外用薬)

アシクロビルクリームやペンシクロビルクリームなどの外用薬(塗り薬)もあります。軽症の口唇ヘルペスに使用されることがありますが、内服薬と比べると効果が限定的であることが多く、重症例や帯状疱疹には内服薬が優先されます。市販のヘルペス外用薬も存在しますが、確実な治療のためには受診して処方薬を使用することをお勧めします。

👴 点滴(重症例)

免疫不全状態の方や、ヘルペス脳炎・播種性ヘルペスなど全身に及ぶ重篤な症状がある場合には、入院のうえでアシクロビルの点滴静注が行われます。これらは比較的まれなケースですが、適切な治療が遅れると生命にかかわることもあるため、高熱・意識障害・全身の発疹などの症状がある場合は速やかに救急受診する必要があります。

🔸 痛みに対する治療

帯状疱疹では神経痛を伴うことが多く、ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が処方されることがあります。また、帯状疱疹後神経痛(PHN)が残った場合には、プレガバリンやデュロキセチンなどの神経障害性疼痛に対する薬が使われることもあります。

💧 再発抑制療法

性器ヘルペスや口唇ヘルペスで再発を繰り返す方には、抗ウイルス薬を毎日少量服用し続ける「再発抑制療法(長期抑制療法)」が選択肢となります。この療法によって再発の頻度を大幅に減らせる場合があり、生活の質の向上につながります。

✨ 帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹の発症予防や重症化予防を目的としたワクチンが使用可能です。生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)と不活化ワクチン(シングリックス)の2種類があり、特に50歳以上の方やリスクの高い方に接種が推奨されています。ワクチン接種について詳しく知りたい場合は、皮膚科や内科などで相談してください。

📝 7. ヘルペスの再発を防ぐための対策

ヘルペスは再発しやすい疾患ですが、日常生活でのセルフケアによって再発のリスクを下げることができます。以下のポイントを意識してみましょう。

📌 免疫力を維持する

ヘルペスウイルスは免疫力が低下したときに再活性化しやすいため、免疫機能を正常に保つことが再発予防の基本です。十分な睡眠を確保し、バランスのよい食事を心がけ、過度な疲労やストレスを避けることが大切です。特に、繁忙期や季節の変わり目など体に負担がかかりやすい時期は注意が必要です。

▶️ 紫外線対策をする

口唇ヘルペスでは、強い紫外線が再発のトリガーになることがあります。外出時には日焼け止めリップや帽子・日傘などを活用して、口周りや顔への紫外線ダメージを軽減しましょう。

🔹 皮膚への刺激を避ける

摩擦や外傷が再発のきっかけになることがあります。口唇ヘルペスの場合は唇が乾燥しないようにリップクリームを使用する、性器ヘルペスの場合はコンドームの使用など性行為の際に刺激を最小限にすることも再発予防の観点から有効です。

📍 前駆症状を見逃さない

再発性の口唇ヘルペスや性器ヘルペスでは、水ぶくれが出る前に特有のピリピリ感・かゆみ・違和感などの前駆症状が現れることが多いです。この時点で抗ウイルス薬を服用することで、症状の悪化を抑えられる可能性があります。前駆症状に気づいたら早めに医療機関に相談しましょう。

💫 定期的な通院・相談

頻繁に再発する場合は、医師に相談したうえで再発抑制療法の導入を検討することも選択肢の一つです。再発のパターンや誘因について医師と共有しながら、長期的に管理していくことが重要です。

Q. ヘルペスの再発を防ぐにはどうすればよいですか?

ヘルペスの再発予防には、十分な睡眠・バランスのよい食事・ストレス管理など免疫力を維持する生活習慣が基本です。口唇ヘルペスでは紫外線対策も有効です。頻繁に再発する場合は抗ウイルス薬を毎日少量服用する再発抑制療法が選択肢となるため、皮膚科医への相談をお勧めします。

💡 8. ヘルペスに関してよくある誤解と注意点

ヘルペスについては、誤った情報や思い込みが広まっていることがあります。正しい知識を持つことで、不要な不安を減らし、適切な対応ができるようになります。

🦠 「ヘルペスは性病だけじゃないの?」

性器ヘルペスは性感染症に分類されますが、口唇ヘルペスや帯状疱疹は性的接触とは無関係に感染・発症します。口唇ヘルペスは幼少期にキスや食器の共用などで感染することが多く、帯状疱疹は過去に水ぼうそうにかかった人であれば誰にでも起こり得ます。ヘルペスのすべてが性感染症というわけではありません。

👴 「水ぶくれがなければ感染しない?」

これは誤解です。単純ヘルペスウイルスは、症状がない時期(無症状排出)にも少量のウイルスが分泌されていることがあり、感染のリスクがゼロではありません。ただし、症状がある時期(特に水ぶくれが破れた状態)が最もウイルス量が多く、感染リスクが高いことも事実です。

🔸 「市販薬で治せるから病院に行かなくていい」

軽症の口唇ヘルペスであれば市販の外用薬で対応できることもありますが、確実な診断と治療のためには医療機関の受診が推奨されます。特に初めての症状、症状が強い場合、頻繁に再発する場合、帯状疱疹が疑われる場合などは必ず受診してください。

💧 「帯状疱疹は触っても感染しない?」

帯状疱疹の患者さんの水ぶくれには水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれており、水ぼうそうにかかったことがない人や免疫力の低い人(乳幼児・妊婦・免疫抑制状態の人など)には「水ぼうそう」として感染する可能性があります。帯状疱疹の患者さんはこうした人との密接な接触を避け、発疹部位を清潔に保ちつつ覆っておくことが推奨されます。

✨ 「ヘルペスは完治する?」

現在の医学では、ヘルペスウイルスを体内から完全に排除することはできません。ウイルスは神経節に潜伏し続けるため、症状が治まっても「潜伏感染」の状態が続きます。ただし、抗ウイルス薬や生活習慣の改善などによって再発をコントロールすることは十分可能です。「治らない=悲観的になる必要がある」ということではなく、うまく付き合っていくことが大切です。

✨ 9. こんな症状があれば早めに皮膚科へ

ヘルペスは早期治療が重要な疾患です。以下のような症状がある場合は、なるべく早めに皮膚科(または適切な診療科)を受診することをお勧めします。

📌 口周りに水ぶくれができた

唇や口の周り、鼻の下などに小さな水ぶくれや赤い腫れが生じた場合は、口唇ヘルペスの可能性があります。ピリピリとした前駆症状の段階から受診できると、治療を早期に開始できます。

▶️ 体の片側に帯状の発疹と痛みが出た

胸・背中・腹部・顔などに帯状に広がる発疹とともに、ズキズキ・ピリピリとした痛みが伴う場合は帯状疱疹の可能性があります。発疹が出る前の段階でも、原因不明の神経痛様の痛みが体の片側に限局している場合は要注意です。

🔹 性器・肛門周囲に水ぶくれや痛みが出た

外陰部・陰茎・肛門周囲に水ぶくれ・ただれ・強い痛みが生じた場合は性器ヘルペスの可能性があります。初感染時は特に症状が強いことがあるため、早期に受診することが重要です。

📍 目の周りや角膜に症状がある

眼瞼(まぶた)や白目・黒目に異常が生じた場合は眼科の受診が優先されます。角膜ヘルペスは視力障害につながる可能性があるため、特に速やかな対応が必要です。

💫 高熱・頭痛・意識障害を伴う

ヘルペスの症状に加えて高熱・激しい頭痛・首の硬直・意識の混濁などが現れた場合は、ヘルペス脳炎・髄膜炎の可能性があります。これは緊急を要する状態であり、速やかに救急受診してください。

🦠 症状が頻繁に繰り返す

年に何度もヘルペスが再発する場合は、再発抑制療法が有効な場合があります。また、頻繁な再発は免疫機能の低下を示している可能性があるため、医師に相談して原因を探ることも大切です。

👴 広範囲に水ぶくれが広がっている

アトピー性皮膚炎や湿疹のある方でヘルペスウイルスが感染すると、カポジ水痘様発疹症と呼ばれる重篤な状態になることがあります。全身に急速に広がる水ぶくれが現れた場合は速やかに受診が必要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「唇に水ぶくれができた」「体の片側がズキズキ痛む」といったヘルペスのご相談を多くいただいており、特に帯状疱疹は発疹が出る前の神経痛の段階で受診される方が増えている印象です。ヘルペスは早期に抗ウイルス薬を開始するほど症状の悪化を抑えやすく、帯状疱疹後神経痛などの後遺症リスクも軽減できるため、「様子を見ようかな」と迷った段階でもお気軽にご相談いただければと思います。正しい診断と治療でウイルスとうまく付き合っていけるよう、患者さん一人ひとりに寄り添ったサポートを心がけています。」

📌 よくある質問

ヘルペスは皮膚科で診てもらえますか?

はい、口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹など、皮膚に症状が現れるヘルペスは皮膚科での診察・治療が可能です。ただし、目の周りに症状がある場合は眼科、顔面・耳の帯状疱疹では耳鼻科との連携が必要な場合もあります。まずは皮膚科へご相談ください。

ヘルペスはいつ受診するのがベストですか?

症状に気づいたらできるだけ早い受診が重要です。特に口唇ヘルペスは、水ぶくれが出る前のピリピリ・チクチクとした「前駆症状」の段階で受診・治療を開始すると、症状の悪化を最小限に抑えられる可能性があります。帯状疱疹も早期治療で後遺症リスクを軽減できます。

ヘルペスは完治しますか?

現在の医学では、ヘルペスウイルスを体内から完全に排除することはできません。ウイルスは神経節に潜伏し続けますが、抗ウイルス薬の使用や生活習慣の改善によって再発の頻度を減らし、症状を軽くすることは十分に可能です。悲観せず、医師と連携しながら上手に付き合っていくことが大切です。

帯状疱疹は他の人にうつりますか?

帯状疱疹の水ぶくれには水痘・帯状疱疹ウイルスが含まれており、水ぼうそうにかかったことがない人や、乳幼児・妊婦・免疫力が低下している人には「水ぼうそう」として感染する可能性があります。発疹部位を覆い清潔に保ち、こうした方との密接な接触は避けることが推奨されます。

ヘルペスの再発を防ぐ方法はありますか?

十分な睡眠・バランスのよい食事・ストレス管理など、免疫力を維持する生活習慣が再発予防の基本です。口唇ヘルペスの場合は紫外線対策も有効です。また、頻繁に再発する場合は抗ウイルス薬を毎日服用する「再発抑制療法」が選択肢となりますので、皮膚科医にご相談ください。

🎯 まとめ

ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となる皮膚疾患であり、口唇ヘルペス・性器ヘルペス・帯状疱疹などの種類があります。いずれも皮膚科での診察・治療が可能であり、抗ウイルス薬を使った早期治療が症状の悪化を防ぐうえで重要です。

ヘルペスは一度感染すると体内にウイルスが潜伏し続けるため、完全に排除することは現在の医学では難しいとされています。しかし、生活習慣の改善や医師と連携した適切な治療によって、再発の頻度を減らし、症状が出ても軽くすることは十分に可能です。

「これってヘルペスかも?」と思ったら、自己判断で様子を見続けるよりも、まずは皮膚科に相談することをお勧めします。特に初めての症状、帯状疱疹が疑われる症状、眼周囲への症状、全身症状を伴う場合などは早急な受診が必要です。適切な診断と治療を受けることで、症状をより早く改善し、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

アイシークリニック池袋院では、ヘルペスをはじめとした皮膚疾患の診察・治療を行っております。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 単純ヘルペスウイルス・帯状疱疹の診断基準・治療ガイドラインに関する情報(抗ウイルス薬の種類・用法・再発抑制療法を含む皮膚科的治療方針の根拠として参照)
  • 国立感染症研究所 – 単純ヘルペスウイルス感染症・水痘帯状疱疹ウイルスの感染メカニズム・疫学・感染経路・潜伏感染の仕組みに関する情報(記事内のウイルス特性・感染拡大リスクの根拠として参照)
  • 厚生労働省 – 帯状疱疹ワクチン接種推奨・生活習慣による予防対策・医療機関受診の目安に関する公式情報(帯状疱疹の発症率「3人に1人」やワクチン種類に関する記述の根拠として参照)

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
PAGE TOP
電話予約
0120-226-002
1分で入力完了
簡単Web予約
LINE
運営:医療法人社団鉄結会