マダニに噛まれたらどうする?症状・対処法・病院受診の目安を解説

🌿 アウトドアや農作業中に「マダニに噛まれた!」と気づいたとき、あなたは正しい対処ができますか?

マダニは単なる虫刺されではありません。最悪の場合、死に至る感染症を引き起こすことがあります。

💬 「とりあえずピンセットで引っこ抜いた…これってダメだったの?」
💬 「病院って行くべき?どのタイミングで?」

この記事を読めば、噛まれた直後にやるべきこと・絶対にやってはいけないことが3分でわかります。
読まないまま間違った対処をすると、感染症のリスクが一気に高まります。今すぐ確認してください。


目次

  1. マダニとはどんな生き物か
  2. マダニに噛まれやすい場所・状況
  3. マダニに噛まれたときの症状
  4. 噛まれたときの正しい対処法
  5. やってはいけないNG行動
  6. マダニが媒介する主な感染症
  7. 病院を受診すべきタイミング
  8. どの診療科に行けばよいか
  9. マダニに噛まれないための予防策
  10. まとめ

📋 この記事のポイント

マダニに噛まれたら無理に引き抜かず、ティックリムーバーで除去後に消毒し、2〜3週間は発熱・倦怠感などの体調変化を監視。感染症の疑いがある場合は速やかに医療機関を受診することが重要。

💡 マダニとはどんな生き物か

マダニは、クモやサソリと同じ節足動物の「ダニ目」に分類される生き物です。一般的に家の中に発生するコナダニやチリダニとは全くの別種で、草木が生い茂る山林や草地、農地などの屋外環境に生息しています。日本国内に生息するマダニの種類は多数ありますが、代表的なものとしてフタトゲチマダニ、ヤマトマダニ、タカサゴキララマダニ、ヒゲナガマダニなどが挙げられます。

マダニは卵から幼虫、若虫、成虫という順番で成長し、各段階で動物や人間の血液を吸います。吸血時間は長く、数日から10日以上にわたって同じ場所に付着したまま吸血し続けることがあります。体の大きさは吸血前には2〜3ミリメートル程度と非常に小さいですが、吸血後は10ミリメートルを超えるほど大きく膨らむため、皮膚に付着していることに気づきやすくなります。

マダニが特に問題とされるのは、吸血の際にさまざまな病原体(ウイルス・細菌・原虫など)を人間の体内に注入する可能性があるからです。世界的にも、マダニが媒介する感染症は公衆衛生上の重要な問題として認識されています。日本においても、近年マダニ由来の感染症による死亡例が報告されており、正しい知識を持つことが求められています。

Q. マダニに噛まれやすい場所や季節はいつ?

マダニは森林・草地・農地・河川敷などに生息し、都市部の公園にも潜んでいます。活動期は3〜4月から始まり5〜8月にピークを迎えますが、種類によっては冬も活動するため一年を通じた注意が必要です。

📌 マダニに噛まれやすい場所・状況

マダニは日本全国に分布しており、特定の地域だけに存在するわけではありません。ただし、生息しやすい環境というものがあります。森林や雑木林、草が生い茂った河川敷、農作業を行う農地や田畑、ハイキングコースや登山道の周辺などが代表的な生息場所です。都市部の公園でも、草地や落ち葉の堆積した場所にはマダニが潜んでいることがあります。

マダニに噛まれやすいシーズンは、一般的に春から秋にかけてとされています。特に気温が15度を超え始める3〜4月ごろから活動が活発になり、5〜8月にかけてピークを迎えます。しかし種類によっては冬場でも活動するものがいるため、一年を通じて注意が必要です。

噛まれやすい状況としては、以下のようなものが挙げられます。ハイキングや登山など自然の中での活動、山菜やキノコ採りなどの野外採集、農作業や草刈り作業、キャンプやバーベキューなどのアウトドアレジャー、そして犬や猫などのペットを外に連れ出す散歩なども要注意です。ペットがマダニを室内に持ち込み、室内で噛まれるケースも報告されています。

マダニは草の先端などに登り、動物や人が通り過ぎる際に衣服や皮膚に付着します。付着後はすぐには噛まずに体を這い回り、皮膚が薄く毛が少ない部位を探して吸血を開始します。特に噛まれやすい部位としては、首の後ろ、耳の周り、脇の下、肘の内側、膝の裏、股間・鼠径部、足首周辺などが挙げられます。

✨ マダニに噛まれたときの症状

マダニに噛まれた直後は、多くの場合ほとんど痛みやかゆみを感じません。これはマダニが吸血時に麻酔作用のある物質を分泌するためです。そのため気づかないうちに長時間吸血され続けることも珍しくありません。

噛まれた部位の局所的な症状としては、赤みや腫れ、かゆみが生じることがあります。マダニを取り除いた後も、口器が皮膚の中に残ってしまった場合には炎症が長引くことがあります。また、アレルギー反応が強い方では、じんましんや発疹が広がることもあります。

より注意が必要なのは、マダニが媒介する感染症による全身症状です。感染症の種類によって症状は異なりますが、共通して現れやすいものとして、発熱(38〜40度の高熱)、倦怠感、頭痛、筋肉痛、食欲不振などがあります。さらに一部の感染症では発疹、リンパ節の腫れ、嘔吐、下痢、意識障害なども引き起こすことがあります。

これらの全身症状は、噛まれてから数日〜2週間程度の潜伏期間を経てから現れることが多く、噛まれた直後には何も感じないことがほとんどです。そのため「マダニに噛まれた後に体調が悪くなった」という経緯を医師に伝えることが診断の重要な手がかりになります。

また、まれに「ダニ麻痺」と呼ばれる症状が起こることもあります。これはマダニの唾液に含まれる神経毒素によって引き起こされるもので、手足の脱力感や麻痺を引き起こすことがあります。マダニを除去すると症状が改善することが多いとされています。

Q. マダニを取り除いた後に何をすべきか?

マダニをティックリムーバーやピンセットで除去した後は、噛まれた部位を石鹸と水で洗浄し、アルコールやポビドンヨードで消毒します。取り除いたマダニはビニール袋に保存し、その後2〜3週間は発熱・倦怠感などの体調変化を注意深く観察してください。

🔍 噛まれたときの正しい対処法

マダニに噛まれていることに気づいたとき、最も重要なのは「焦らず、正しい方法で対応する」ことです。以下に具体的な手順を説明します。

まず、マダニが皮膚に付着していることを確認したら、自分で無理に取り除こうとせず、できるだけ早く医療機関を受診することをおすすめします。自分で取り除く場合には、専用のダニ除去ツール(ティックリムーバー)を使用するのが最も安全です。ティックリムーバーはアウトドアショップや薬局などで入手できます。

ティックリムーバーがない場合は、先の細いピンセットを使って対応することも可能です。ピンセットでマダニの頭部(口器が刺さっている部分)をできるだけ皮膚に近い位置でつかみ、皮膚に対して垂直方向に、ゆっくりと一定の力で引き抜きます。ねじったり、急に引き抜いたりすると口器が皮膚の中に残ってしまうため、注意が必要です。

マダニを取り除いた後は、噛まれた部位を石鹸と水で丁寧に洗浄し、消毒薬(アルコールやポビドンヨードなど)で消毒します。その後、取り除いたマダニを捨てずに保存しておくことも重要です。ビニール袋などに入れて密閉しておけば、後から感染症の検査が必要になった場合に役立つことがあります。

マダニを取り除いた後は、2〜3週間程度、体調の変化に注意して過ごしてください。発熱、倦怠感、頭痛などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、マダニに噛まれた事実と噛まれた日時・場所を医師に伝えましょう。

💪 やってはいけないNG行動

マダニに噛まれたとき、知識がないと逆効果になる対処法を取ってしまうことがあります。以下に紹介するNG行動は、症状を悪化させたり、感染リスクを高めたりする可能性があるため、絶対に避けてください。

最も多い誤った対処法の一つが、マダニを無理やり引き抜いたり、つぶしたりすることです。急激な力で引き抜こうとすると、マダニの口器が皮膚の中に残ってしまい、それ自体が炎症の原因になります。また、マダニの体をつぶすと、体内の病原体が皮膚の傷口から入り込むリスクが高まります。

アルコールや石油、マニキュア除光液、ワセリンなどをマダニに塗るという民間療法も広く信じられていますが、これも推奨されません。これらの刺激物質をマダニに塗ると、マダニがストレス反応として唾液や胃の内容物を大量に吐き戻すことがあり、病原体が体内に注入されるリスクが高くなるとされています。

ライターや煙草の火をマダニに近づけて熱で取り除こうとする行為も危険です。皮膚をやけどする危険がある上、マダニが反応して病原体を吐き出す可能性もあります。また、マダニを取り除いた後に素手で触ることも避けましょう。マダニの体内にある病原体が皮膚の傷口や粘膜から侵入する可能性があります。取り除いた後は必ず手を洗い、マダニはビニール袋に入れて処理してください。

「噛まれたかもしれないけど、症状がないから様子を見ればいい」という判断も危険です。前述したようにマダニが媒介する感染症には潜伏期間があり、症状が出ないからといって安心はできません。マダニに噛まれたことが確認できた場合は、症状の有無にかかわらず医療機関への相談を検討してください。

Q. マダニが媒介するSFTSとはどんな病気?

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は2013年に日本で初確認されたウイルス感染症です。発熱・嘔吐・下痢・血小板減少などが主な症状で、致死率は約6〜30%と高く、現時点では特効薬がなく対症療法が中心となります。西日本での発生が多く報告されています。

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🎯 マダニが媒介する主な感染症

マダニが媒介する感染症は複数あり、日本国内でも確認されているものがあります。それぞれの特徴を理解しておくことで、症状が現れたときに適切に対応できます。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2013年に日本で初めて確認されたウイルス感染症で、近年最も注目されているマダニ媒介感染症の一つです。SFTSウイルスを保有するマダニに噛まれることで感染し、発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状、血小板・白血球の減少などが現れます。致死率は約6〜30%と報告されており、特に高齢者や免疫が低下している方では重篤化しやすいとされています。現時点では特効薬がなく、対症療法が中心となります。主に西日本での発生が多いですが、全国的に報告があります。

日本紅斑熱は、リケッチア・ジャポニカという細菌によって引き起こされる感染症で、マダニに噛まれてから2〜8日の潜伏期間の後、高熱、発疹(全身に広がる赤い斑点)、倦怠感などが現れます。発疹は噛まれた部位から始まり全身に広がります。抗菌薬(ドキシサイクリンなど)による治療が有効で、早期に治療を開始することが重要です。日本の西日本を中心に報告されています。

ライム病は、ボレリア属の細菌によって引き起こされる感染症で、欧米では非常に多く報告されていますが、日本でも北海道を中心に発生例があります。噛まれた後に特徴的な遊走性紅斑(噛まれた部位を中心に輪状に広がる赤い発疹)が現れることが多く、その後、関節痛、頭痛、発熱、神経症状などが出ることがあります。抗菌薬による治療が効果的で、早期発見・早期治療が大切です。

ダニ媒介性脳炎は、ウイルスによって引き起こされる脳炎で、日本では北海道の一部地域で患者が確認されています。発熱、頭痛に続いて、脳炎症状(意識障害、痙攣など)が現れることがあります。ワクチンが存在する地域もありますが、日本では一般的には使用されていません。

つつが虫病は、厳密にはマダニではなくツツガムシ(別種のダニ)によって媒介されますが、マダニと混同されることが多いため補足として触れます。リケッチアの一種であるオリエンティア・ツツガムシによる感染症で、高熱、発疹、特徴的なかさぶた(刺し口)などが現れます。

このほかにも、バベシア症(赤血球に感染する原虫による感染症)や、エーリキア症・アナプラズマ症(細菌による感染症)なども報告されています。いずれも早期に適切な治療を受けることが予後を良くするために重要です。

💡 病院を受診すべきタイミング

マダニに噛まれたことが確認できたら、自分でマダニを取り除けた場合でも、なるべく早めに医療機関に相談することを推奨します。特に以下のような状況では、速やかに受診してください。

マダニを自分で取り除けない場合や、取り除こうとしたが口器が残っている可能性がある場合は、医療機関での処置が必要です。無理に引き抜こうとすればするほど、口器が深く残ってしまう可能性があります。

噛まれた後に発熱(37.5度以上)が現れた場合は特に注意が必要です。マダニ媒介感染症の多くは発熱を初期症状として引き起こします。発熱とともに、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが続く場合は感染症の可能性を疑って受診してください。

噛まれた部位を中心に、輪状の発疹(ライム病で見られる遊走性紅斑)や全身への発疹(日本紅斑熱)が現れた場合も要注意です。こうした発疹は感染症のサインである可能性があります。

マダニに噛まれてから2〜3週間以内に、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器症状が現れた場合もSFTSなどを疑って受診が必要です。また意識がぼんやりする、強い眠気が続く、けいれんが起きるなどの神経症状が現れた場合は、ただちに救急受診を検討してください。

症状がない場合でも、SFTSの多い地域(西日本の農村部や山林など)でマダニに噛まれた場合は、予防的に医師に相談することをおすすめします。医師の判断によっては、予防的な抗菌薬投与が検討されることもあります。

受診の際には、噛まれた日時と場所、マダニを取り除いた状況、取り除いたマダニ(保存している場合)、その後の体調の変化について詳しく説明できるよう準備しておくと、医師の診断に役立ちます。

Q. マダニに噛まれた後はどの診療科へ行くべき?

皮膚の局所的な炎症や口器の残存が疑われる場合は皮膚科、発熱・倦怠感などの全身症状がある場合は内科または感染症内科が適しています。意識障害やけいれんなどの神経症状がある場合は救急受診が最優先です。アイシークリニックでも症状に応じたご相談が可能です。

📌 どの診療科に行けばよいか

マダニに噛まれた場合、受診する診療科についても迷う方が多いかと思います。状況によって適切な診療科は異なりますが、以下を参考にしてください。

まず、マダニが皮膚に付着したまま取れない、または取り除いた後に皮膚の局所的な炎症(赤み・腫れ・かゆみ)が気になる場合は、皮膚科への受診が適しています。皮膚科では、残った口器の除去処置や、局所の感染・炎症に対する治療を行うことができます。

発熱、倦怠感、全身症状が現れている場合は、内科または感染症内科への受診が適しています。マダニ媒介感染症の診断・治療は感染症内科が専門ですが、地域によっては感染症内科がない場合もあります。その場合は内科(総合内科)で相談し、必要に応じて専門医へ紹介してもらいましょう。

意識障害や強い神経症状が現れている場合は、救急受診が最優先です。内科や神経内科での対応が必要となります。迷ったときはかかりつけ医に電話で相談するか、地域の救急相談窓口(#7119など)に問い合わせるのも有効な方法です。

アイシークリニック池袋院でも、マダニに噛まれた後の皮膚の状態や、体調の変化についてご相談いただけます。症状に応じて適切な診療科への案内や、必要な検査・処置についてご説明することが可能です。何か不安なことがあれば、遠慮なくご来院またはお問い合わせください。

✨ マダニに噛まれないための予防策

マダニ媒介感染症を防ぐための最善の方法は、そもそもマダニに噛まれないようにすることです。特に草木の多い場所に行く際には、以下の予防策を実践してください。

服装の工夫は最も基本的な予防策です。長袖・長ズボンを着用し、肌の露出をできるだけ少なくしましょう。ズボンの裾は靴下の中に入れるか、ゲイターなどで覆うことで、マダニが衣服の内側に入り込むのを防ぎます。帽子の着用も頭部や首周りへのマダニの付着を防ぐのに有効です。白や明るい色の服を着用することで、付着したマダニを早期に発見しやすくなります。

虫よけ剤(忌避剤)の使用も効果的です。ディート(DEET)またはイカリジン(ピカリジン)を有効成分として含む虫よけ剤は、マダニに対しても効果があるとされています。肌に直接塗るタイプのほか、衣服に使用できるタイプもあります。使用する際は製品の指示に従い、目や口周りへの使用は避けてください。パーメトリンという成分を含む衣服用の虫よけスプレーも、マダニに対して高い忌避・殺虫効果があるとされており、欧米では広く使われています。

草むらや藪の中に入るときは、踏み固められた登山道や歩道を歩くことを心がけ、草の中をむやみに歩き回ることは避けましょう。また、草地で直接座ったり横になったりすることも避けてください。

帰宅後のチェックも非常に重要です。アウトドアから帰ったら、まず屋外で衣服を脱ぎ、マダニが付着していないか全体的に確認しましょう。その後、できるだけ早めにシャワーを浴び、全身を確認してください。特にマダニが好む部位(首の後ろ、耳の周り、脇の下、膝の裏、股間など)を入念に確認します。鏡を使って見えにくい部位もチェックすることが大切です。

衣服の洗濯も重要です。使用した衣服は速やかに洗濯しましょう。洗濯が難しい場合は、乾燥機を高温設定で使用することでマダニを駆除できます。

ペットを屋外に連れ出す際も注意が必要です。犬や猫はマダニを室内に持ち込むことがあります。散歩から戻ったらペットの体もチェックし、必要に応じてマダニ予防薬(獣医師の処方による)を使用することを検討してください。

庭の草刈りや農作業を行う場合も同様の予防策が必要です。作業前に虫よけ剤を使用し、作業後は必ず全身チェックとシャワーを忘れずに行いましょう。

地域によっては、保健所や市区町村が発行するマダニ注意の情報を確認することも有用です。SFTSなどの発生状況や注意喚起情報は、厚生労働省や国立感染症研究所のウェブサイトでも公開されています。特に農業従事者や林業関係者、野外活動を多く行う方は、定期的に情報を確認する習慣をつけることをおすすめします。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、アウトドアや農作業後にマダニに噛まれたと気づき、どう対処すべきか不安を抱えてご来院される患者さんが少なくありません。マダニは噛まれた直後に痛みを感じにくいため、気づかないまま時間が経過してしまうケースも多く、噛まれた後2〜3週間は発熱や倦怠感などの体調変化に注意していただくことが特に重要です。少しでも気になる症状があれば、マダニに噛まれた経緯を遠慮なく医師にお伝えいただき、早めにご相談ください。」

🔍 よくある質問

マダニに噛まれた直後、痛みやかゆみはありますか?

マダニは吸血時に麻酔作用のある物質を分泌するため、噛まれた直後はほとんど痛みやかゆみを感じません。そのため気づかないまま数日間吸血され続けるケースも多くあります。噛まれた可能性がある場合は、首の後ろや脇の下など皮膚が薄い部位を重点的に確認することが大切です。

マダニを自分で取り除く正しい方法を教えてください。

専用のティックリムーバー、またはピンセットを使ってマダニの頭部を皮膚に近い位置でつかみ、皮膚に対して垂直にゆっくりと引き抜きます。ねじったり急に引き抜いたりすると口器が皮膚に残る恐れがあります。自分で取り除けない場合は、無理をせずアイシークリニック池袋院などの医療機関を受診してください。

アルコールや火でマダニを取り除いてはいけないのですか?

アルコールや火などの刺激を与えると、マダニがストレス反応として病原体を含む唾液や胃の内容物を吐き戻し、感染リスクが高まる危険があります。こうした民間療法は広く信じられていますが、医学的には推奨されていません。必ずティックリムーバーやピンセットを使った正しい方法で対処してください。

マダニに噛まれた後、どんな症状が出たら病院に行くべきですか?

噛まれてから2〜3週間以内に、発熱(37.5度以上)・倦怠感・頭痛・筋肉痛・全身への発疹・嘔吐や下痢などの症状が現れた場合は速やかに受診してください。意識障害やけいれんなどの神経症状がある場合は救急受診が必要です。症状がない場合でも、当院へお気軽にご相談いただけます。

マダニに噛まれないための効果的な予防策はありますか?

自然の多い場所へ行く際は、長袖・長ズボンで肌の露出を減らし、ディートやイカリジン配合の虫よけ剤を使用することが基本的な予防策です。また、帰宅後は速やかに衣服を脱いで全身をチェックし、シャワーを浴びる習慣をつけましょう。ペットが屋外からマダニを持ち込むケースもあるため、散歩後のペットのチェックも重要です。

💪 まとめ

マダニに噛まれることは、アウトドア活動や農作業など自然に接する機会がある方にとって、決して珍しいことではありません。しかし、マダニは感染症を媒介する可能性があることから、正しい知識と適切な対処法を知っておくことが命を守ることにつながります。

今回の記事で解説した内容を改めて振り返ると、マダニに噛まれたときはNG行動(無理やり引き抜く・アルコールを塗る・火で炙るなど)を避け、ティックリムーバーや細いピンセットを使って静かに引き抜くこと、そして取り除いた後は消毒と全身状態の観察が重要です。自分で取り除けない場合や、噛まれた後に発熱などの症状が現れた場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。

また予防の観点からは、自然の多い場所に出かける際の適切な服装、虫よけ剤の使用、帰宅後の全身チェックとシャワーが基本的かつ効果的な対策です。マダニ媒介感染症、特にSFTSは致死率が高く、現時点では特効薬もないため、「噛まれない」ことが最大の予防策です。

自然豊かな環境でのアクティビティを安全に楽しむためにも、マダニに関する正しい知識を身につけておきましょう。何か気になる症状があったり、マダニに噛まれたかもしれないと不安を感じたりした場合は、アイシークリニック池袋院へお気軽にご相談ください。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – マダニ対策や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・日本紅斑熱・ライム病などマダニ媒介感染症に関する注意喚起・予防策・症状・対処法についての公式情報
  • 国立感染症研究所 – SFTSをはじめとするマダニ媒介感染症の疫学データ・発生動向・病原体情報・国内感染症サーベイランスに関する詳細情報
  • CDC(米国疾病予防管理センター) – マダニの種類・正しい除去方法・NG行動・ティックリムーバーの使用法・ライム病やダニ媒介性脳炎など国際的なマダニ媒介感染症に関する医学的根拠に基づく情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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