虫刺されでチクチク痛いのはなんの虫?原因と症状・対処法を解説

散歩や公園での外出後、気づくと皮膚がチクチクと痛む…そんな経験はありませんか?一口に「虫刺され」といっても、かゆみを主体とするものから、チクチク・ズキズキとした痛みが強いものまでさまざまです。「これはなんの虫に刺されたのだろう?」と疑問に思いながらも、そのまま放置してしまう方も少なくありません。しかし虫の種類によっては、症状が悪化したり、アレルギー反応を引き起こしたりすることもあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。本記事では、虫刺されによってチクチク痛みが生じる主な原因となる虫の種類や、それぞれの症状の特徴、適切な対処法について詳しく解説します。


目次

  1. 虫刺されによる「チクチク痛み」とはどんな状態か
  2. チクチク痛みを起こしやすい虫の種類一覧
  3. ブヨ(ブユ)による虫刺され
  4. アブによる虫刺され
  5. ハチによる虫刺され
  6. アリによる虫刺され
  7. 毛虫・チャドクガによる皮膚炎
  8. ダニ・ツツガムシによる虫刺され
  9. ノミ・南京虫(トコジラミ)による虫刺され
  10. 虫刺されのチクチク痛みへの正しい応急処置
  11. 病院・クリニックに行くべき症状のサイン
  12. 虫刺されを予防するためのポイント
  13. まとめ

この記事のポイント

虫刺されのチクチク痛みはブヨ・アブ・ハチ・ダニなどが原因。基本処置は洗浄・冷却・ステロイド外用薬。アナフィラキシー症状やマダニ刺傷後の発熱は速やかに医療機関を受診。

🎯 虫刺されによる「チクチク痛み」とはどんな状態か

虫刺されによる皮膚の反応は、大きく「かゆみ」と「痛み」に分けることができます。蚊のように皮膚を麻酔しながら刺す虫は、刺された瞬間には気づかないことが多く、後からかゆみとして症状が現れます。一方、チクチク・ズキズキとした痛みが生じる場合は、皮膚を噛む・刺す・毒を注入するなどの物理的・化学的な刺激が強い虫によるものが多いです。

チクチク痛みが起こるメカニズムとしては、虫が皮膚を噛み破る際の物理的な刺激、毒素や唾液成分が皮膚や皮下組織に注入されることによる炎症反応、そしてヒスタミンや炎症性サイトカインが放出されることによる神経刺激などが挙げられます。痛みを伴う虫刺されは、かゆみだけの場合よりも皮膚へのダメージが大きいことが多く、症状が長引いたり、二次感染を起こしたりするリスクもあります。

また、チクチクとした痛みに加えて腫れ・赤みが広がる、発疹が多数できる、発熱や全身症状が現れるといった場合は、特定の病原体を媒介する虫によって感染症が引き起こされている可能性もあるため、注意が必要です。

Q. ブヨに刺されたときの症状と持続期間は?

ブヨに刺されると、刺された直後にチクチク感や灼熱感が生じ、数時間後から強いかゆみ・赤み・腫れが現れます。体質によっては水疱ができることもあり、症状は1〜2週間以上続く場合があります。掻き壊しによる細菌感染を防ぐため、ステロイド外用薬の使用と皮膚科への早めの受診が推奨されます。

📋 チクチク痛みを起こしやすい虫の種類一覧

虫刺されによってチクチク・ズキズキとした痛みが生じる主な虫としては、以下のものが挙げられます。それぞれ生息する環境や刺される季節、症状の現れ方が異なります。

  • ブヨ(ブユ)
  • アブ
  • ハチ(スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチなど)
  • アリ(ヒアリ・アカカミアリなど)
  • 毛虫・チャドクガ
  • ダニ・ツツガムシ
  • ノミ・南京虫(トコジラミ)

これらの虫の中でも特に痛みが強く、緊急性の高い処置が必要なのはハチやヒアリによる刺傷です。一方で、ブヨやアブ、毛虫なども皮膚症状が長引きやすく、適切なケアが求められます。以下では、それぞれの虫について詳しく見ていきましょう。

💊 ブヨ(ブユ)による虫刺され

ブヨ(地域によってはブユ、ブト、グロなどとも呼ばれます)は、渓流や清流などきれいな水辺周辺に生息する小さな飛翔昆虫です。体長は2〜5mm程度で、蚊よりも小さく、見た目では見分けにくいこともあります。登山やキャンプ、川辺でのバーベキューなど、アウトドア活動をする際に刺されることが多く、春から秋にかけて活動が活発になります。

ブヨが皮膚を刺す(噛む)際には、皮膚を切り裂いて血液を吸うため、蚊とは異なり刺された直後にチクチクとした痛みや灼熱感を感じることがあります。さらに唾液の成分に対してアレルギー反応が起こることで、数時間後から翌日にかけてかゆみ・赤み・腫れが強くなるのが特徴です。反応が強い人では、患部が大きく腫れ上がり、水疱(水ぶくれ)ができることもあります。

ブヨに刺された場合の主な症状は次の通りです。刺された直後のチクチク感・ほてり感に始まり、数時間後から強いかゆみ・赤み・腫れが出現します。体質や反応の強さによっては1〜2週間以上症状が続くこともあり、掻き壊すことで細菌感染(とびひなど)が起こる可能性もあります。足首やすね、腕など露出している部位が狙われやすいです。

対処としては、まず流水でよく洗い流し、ステロイド外用薬(市販のムヒアルファなど)を使用することが基本です。腫れが強い場合や症状が長引く場合は皮膚科での受診をお勧めします。

🏥 アブによる虫刺され

アブは体長1〜3cm程度の比較的大きな昆虫で、ウシアブ・シロフアブ・キイロアブなどの種類がいます。牧場・草原・山間部・川辺などに生息しており、夏(7〜9月)に活動が最も活発になります。牛や馬などの動物の血を吸うために進化してきた虫ですが、人間にも積極的に近づいてきて吸血します。

アブはブヨと同様に皮膚を切り裂いて吸血するため、刺された瞬間から強いチクチク感・刺すような痛みを感じます。ブヨよりも体が大きく口器(口の器官)も発達しているため、痛みの強さはブヨ以上であることが多く、出血を伴うこともあります。刺された後には赤み・腫れ・かゆみが生じ、アレルギー反応の強い人では蕁麻疹や全身症状が現れることもあります。

アブは飛んでいる音(羽音)が比較的大きいため、近づいてきたら払いのけることが大切ですが、素手で叩こうとすると刺されるリスクがあるため注意が必要です。アブに刺された場合は、流水で洗浄した後に冷やし、抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬を使用します。症状が強い場合や広範囲に及ぶ場合は皮膚科を受診しましょう。

Q. ハチに刺された後に救急車を呼ぶべき症状は?

ハチに刺された後、全身への蕁麻疹・顔や喉の腫れ・息苦しさ・めまい・嘔吐・意識障害など、アナフィラキシーショックが疑われる症状が数分〜30分以内に現れた場合は、直ちに119番へ連絡してください。エピペンを処方されている方はすぐに使用することが重要です。

⚠️ ハチによる虫刺され

ハチによる刺傷は、虫刺されの中でも特に注意が必要なもののひとつです。スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチなどが代表的ですが、特にスズメバチは毒性が強く、日本では毎年ハチに刺されて命を落とす方がいるほどです。

ハチに刺されると、刺された瞬間から強い激痛(チクチクというよりズキズキ・焼けるような痛み)が走ります。ハチの毒針は皮膚に刺さり、毒素(ホスホリパーゼ・ヒアルロニダーゼ・メリチンなど)が注入されることで炎症反応が起こります。局所症状としては、激しい痛み・赤み・腫れが刺された部位に現れます。

最も危険なのが、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応です。過去にハチに刺された経験がある人は、IgE抗体が体内に産生されているため、2回目以降に刺された場合に短時間でアナフィラキシーが起こるリスクがあります。症状としては蕁麻疹・全身のかゆみ・顔の腫れ・息苦しさ・血圧低下・意識障害などがあり、数分以内に命に関わる状態になることもあります

ハチに刺された場合の応急処置としては、まずその場から速やかに離れることが最優先です(ハチは仲間を呼ぶフェロモンを出すため、集団で攻撃される危険があります)。次に、ミツバチの場合は針が残っていることがあるので、カードなどで横にこすって針を取り除きます(ピンセットで挟むと毒袋を絞ることになるためNG)。患部を流水で洗浄し、冷やします。

アナフィラキシーの症状が出た場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。エピペン(アドレナリン自己注射器)を処方されている方はすぐに使用してください。ハチアレルギーが心配な方は、アレルギー科や皮膚科で事前に検査・相談することをお勧めします。

🔍 アリによる虫刺され

日本に生息するアリの多くは刺すことがありませんが、外来種のヒアリ(火蟻)やアカカミアリが日本国内でも確認されており、注意が必要です。ヒアリは南米原産の攻撃性の高いアリで、刺されると強い痛みと腫れが生じます。また、国内に従来から生息するムネアカオオアリなども噛む・刺すことがあります。

ヒアリに刺されると、刺された直後から強いチクチク感・灼熱感が生じます。刺し傷は数時間後から翌日にかけて膿疱(膿をもった水ぶくれ)へと変化するのが特徴的です。ヒアリもアナフィラキシーを引き起こす可能性があり、重篤化した場合には命に関わることがあります。

ヒアリは港湾地域や物流施設周辺、公園などで確認されており、見た目は赤みがかった茶色で体長2〜6mm程度です。土が盛り上がったような巣に触れることで刺されることが多いため、不審な土の盛り上がりには近づかないことが大切です。もしヒアリに刺されたと思われる場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

📝 毛虫・チャドクガによる皮膚炎

毛虫による皮膚症状は、虫に直接触れなくても起こることがあるため、特に注意が必要です。中でもチャドクガ(茶毒蛾)の幼虫・成虫が持つ毒針毛(どくしんもう)は非常に微細で、風に乗って飛散することがあります。ツバキ・サザンカ・チャノキなどに発生することが多く、これらの植物の近くを歩くだけで毒針毛が皮膚に刺さることがあります。

チャドクガの毒針毛が皮膚に触れると、数時間後からチクチク・ピリピリとした皮膚の刺激感・かゆみが現れ、赤みや細かい発疹(丘疹)が多数できます。症状は非常に強く、3〜4週間続くこともあります。かゆみが激しいため搔き壊しやすく、症状が広がったり長引いたりすることもあります。

また、クスサン・マツカレハ・ドクガなど他の毛虫も同様の毒針毛を持つものがいます。毛虫に触れた、または毛虫のいる植物の近くにいた場合に皮膚症状が出たときは、毛虫皮膚炎を疑いましょう。

対処としては、毒針毛をセロハンテープなどで取り除いた後(擦ってはいけません)、流水で洗い流します。その後はステロイド外用薬を使用し、かゆみを抑えます。症状が強い場合は皮膚科を受診し、内服薬(抗ヒスタミン薬・ステロイド薬)を処方してもらうことが有効です。

Q. チャドクガによる皮膚炎の特徴と対処法は?

チャドクガの毒針毛は風で飛散するため、直接触れなくても皮膚炎が起こります。接触から数時間後にチクチク・ピリピリした刺激感・かゆみ・赤みが現れ、3〜4週間続くこともあります。対処はセロハンテープで毒針毛を除去後、流水で洗浄しステロイド外用薬を使用します。症状が強い場合は皮膚科を受診してください。

💡 ダニ・ツツガムシによる虫刺され

ダニによる皮膚症状には大きく分けて、マダニ・イエダニ・ツメダニ・ツツガムシによるものがあります。それぞれ症状の特徴が異なります。

マダニは草むらや山林など自然の多い環境に生息しており、人や動物の皮膚に噛みついて長時間(数日にわたって)吸血します。マダニに噛まれると、噛まれた部位にチクチク感・かゆみ・赤みが現れます。マダニは噛みついたまま離れないことが多く、無理に引き抜こうとすると口器が皮膚の中に残ることがあるため、医療機関での処置が必要です。また、マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病などの感染症を媒介することがあり、発熱・倦怠感などの全身症状が現れた場合は速やかに受診が必要です。

イエダニは主にネズミに寄生しますが、ネズミが死滅したり駆除されたりした後に人を刺すことがあります。腹部・腋の下・腰など柔らかい皮膚を好み、チクチクとした痛みやかゆみを引き起こします。

ツメダニは主に他のダニや小さな昆虫を捕食するダニですが、誤って人を刺すことがあります。刺された際にはチクチクした強い痛みが生じるのが特徴で、畳や布団など室内のダニが多い環境で発生しやすいです。

ツツガムシ(恙虫)は、野ネズミなどに寄生するダニの一種で、幼虫が人の皮膚に寄生して体液を吸います。刺された部位には黒色の痂皮(かひ:かさぶた状の病変)が形成されるのが特徴で、高熱・発疹などを伴うツツガムシ病を引き起こすことがあります。ツツガムシ病は放置すると重篤化することがあり、早期の抗菌薬治療が重要です。

✨ ノミ・南京虫(トコジラミ)による虫刺され

ノミは犬や猫などのペットを介して人に寄生することがあります。ノミに刺されると、チクチクとした強いかゆみと痛みが生じ、小さな赤い点状の発疹が現れます。ノミはジャンプ力が非常に高く、ペットとの接触やペットがいる環境(カーペット・布団など)から人に移ることがあります。足首・すね・ふくらはぎなど下半身に多く見られ、複数の刺し跡が一列に並ぶことがあります

南京虫(トコジラミ)は近年、ホテル・旅館・交通機関などで再び問題となっている害虫です。体長1〜8mm程度で、夜間に活動し、就寝中に人の血を吸います。刺されると翌日以降にチクチク感・強いかゆみ・赤み・腫れが現れます。蚊の刺し跡に似ていますが、複数の刺し跡がまとまって現れたり、一列に並んだりすることが多いのが特徴です。

トコジラミは壁の隙間・ベッドのマットレスの縫い目・家具の裏などに潜んでいます。旅行後に皮膚症状が出た場合や、朝起きたときに複数の刺し跡があることに気づいた場合はトコジラミの可能性を疑い、室内の点検や駆除業者への相談を検討してください。症状に対しては抗ヒスタミン薬・ステロイド外用薬が有効です。

📌 虫刺されのチクチク痛みへの正しい応急処置

虫刺されによるチクチク痛みが生じた際の基本的な応急処置について、まとめてご紹介します。虫の種類によって対処法が異なる部分もありますが、共通して行うべき基本的なステップがあります。

まず、刺された部位を流水でしっかりと洗い流します。これにより、皮膚表面に残った毒素や細菌を取り除くことができます。洗う際は石鹸を使って丁寧に洗いましょう。ただし、強くこすると皮膚への刺激になるため、優しく洗うことが大切です。

次に、患部を冷やすことで炎症・腫れ・痛みを和らげることができます。氷や保冷剤をタオルに包んで患部に当てるか、濡れたタオルで冷やします。ただし、長時間の冷やしすぎは血行障害を起こす可能性があるため、15〜20分程度を目安にしましょう

ハチに刺された場合で、ミツバチの針が残っている場合は、指やピンセットで摘まむと毒袋を絞ることになるため避けてください。クレジットカードや爪などで横から掃き出すように除去します。

市販薬の使用については、抗ヒスタミン薬入りのかゆみ止めやステロイド外用薬が有効です。症状が強い場合は、内服の抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)を使用することも一つの方法です。ただし、自己判断での対処に限界がある場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

やってはいけないこととして覚えておきたいのは、患部を強く搔かないことです。搔き壊すと細菌が入り、感染症を引き起こすリスクがあります。また、口で毒を吸い出すことも推奨されません(口腔内の細菌が感染源になるリスクがあります)。アンモニア(虫刺され薬として知られていますが)は実際には科学的根拠が乏しく、使用は推奨されません。

Q. マダニに噛まれた後に発熱が出た場合は?

マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病などの感染症を媒介することがあります。噛まれた後に発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛などの全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。またマダニは無理に引き抜かず、医療機関で処置してもらうことが重要です。放置すると重篤化する恐れがあります。

🎯 病院・クリニックに行くべき症状のサイン

虫刺されによる症状が以下のような場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。特にアナフィラキシーショックの症状が現れた場合は、救急車を呼ぶ必要があります。

緊急性の高い症状として最も重要なのがアナフィラキシーの症状です。全身に蕁麻疹が広がる、顔や口・喉が腫れる、息苦しくなる・声がかすれる、めまい・気が遠くなる感じがする、嘔吐・腹痛が起こる、脈が速くなる・意識がもうろうとするなどの症状が刺された後数分〜30分以内に現れた場合は、すぐに119番に連絡してください

比較的緊急性は低いものの、受診が必要な症状としては次のようなものがあります。患部の腫れが広範囲に及ぶ、または急速に拡大する。ハチ・マダニ・ヒアリなど毒性・感染症リスクの高い虫に刺された場合。刺された後から数日して発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛などの全身症状が現れた場合(ダニ媒介感染症の可能性)。患部が化膿した、またはリンパ節が腫れている場合。症状が1週間以上経過しても改善しない場合。かゆみ・痛みが非常に強く、日常生活に支障をきたしている場合などです。

皮膚科・アレルギー科では、症状の重症度に応じてステロイド外用薬・内服薬(ステロイド・抗ヒスタミン薬)の処方、感染症が疑われる場合は血液検査や抗菌薬の処方など、適切な治療を受けることができます。自己判断で市販薬を使用し続けて症状が悪化するよりも、早めに受診することが大切です。

📋 虫刺されを予防するためのポイント

虫刺されのチクチク痛みを防ぐためには、虫が多い環境への対策と、皮膚の露出を減らすことが基本です。以下に具体的な予防策をご紹介します。

服装については、長袖・長ズボンを着用し、なるべく肌を露出させないことが効果的です。山や草むらに入る際は、靴下を履いてズボンの裾を靴下の中に入れると、ダニ・ブヨなどが皮膚に接触しにくくなります。明るい色の服は虫を引き寄せにくいとされていますが、ハチに関しては黒い色に反応しやすいため、黒い服・帽子・鞄を避けることが推奨されます。

虫除けスプレー(忌避剤)の使用も有効です。ディート(DEET)やイカリジン(ピカリジン)を成分として含む虫除け剤は、蚊・ブヨ・アブ・ダニなどに対して効果があります。特に海外ではディート濃度30〜50%の高濃度製品が推奨されることがありますが、日本では成分の濃度規制があります。使用する際は製品の説明書をよく読み、顔や傷のある部位への使用は避けてください。

アウトドア活動の際には、以下の点を意識しましょう。ブヨ・アブが多い水辺や草むらでは特に注意が必要です。ハチの巣に近づかない・巣を刺激しない。甘い香りの香水や花柄の服はハチを引き寄せることがあるため、アウトドアでは避けた方が無難です。草むらや藪の中を歩いた後は、衣服や体にダニが付いていないか確認しましょう。

室内での予防策としては、ノミ予防のためペットに定期的なノミ駆除薬を使用することが重要です。トコジラミは旅行先のホテルで荷物に付着して持ち帰ることがあるため、旅行後はスーツケースの確認や衣類の洗濯・乾燥機がけが有効です。室内のダニ対策には、こまめな掃除・換気・布団乾燥機の使用などが効果的です。

ハチアレルギーが心配な方や、過去にアナフィラキシーを経験したことがある方は、アレルギー専門医に相談し、エピペンの処方を検討することをお勧めします。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、虫刺されによる皮膚症状を訴えて受診される患者さまのなかで、チクチク・ズキズキとした痛みを伴うケースが少なくなく、特にアウトドア活動が盛んになる春から秋にかけて、ブヨやアブ、ハチによる刺傷のご相談が増える傾向にあります。痛みを伴う虫刺されは、かゆみだけのものと比べて皮膚へのダメージが大きく、搔き壊しによる二次感染や症状の長期化につながることもありますので、「そのうち治るだろう」と放置せず、気になる症状があればお早めにご相談いただくことをお勧めします。特にハチ刺傷後の息苦しさやめまいなどアナフィラキシーが疑われる場合はためらわず救急車をご利用ください。」

💊 よくある質問

ブヨに刺されたときの症状はどのくらい続きますか?

ブヨに刺されると、刺された直後のチクチク感に続き、数時間後から強いかゆみ・赤み・腫れが現れます。体質や反応の強さによっては1〜2週間以上症状が続くこともあります。掻き壊すと細菌感染(とびひなど)を引き起こすリスクがあるため、ステロイド外用薬を使用し、症状が長引く場合は皮膚科を受診しましょう。

ハチに刺された後、どんな症状が出たら救急車を呼ぶべきですか?

ハチに刺された後、全身への蕁麻疹・顔や喉の腫れ・息苦しさ・めまい・嘔吐・意識障害など、アナフィラキシーショックが疑われる症状が数分〜30分以内に現れた場合は、すぐに119番へ連絡してください。エピペンを処方されている方はただちに使用することが重要です。

虫刺されのチクチク痛みに対する正しい応急処置を教えてください。

まず患部を石鹸と流水で優しく洗い流し、タオルに包んだ保冷剤などで15〜20分程度冷やします。その後、市販の抗ヒスタミン薬入りかゆみ止めやステロイド外用薬を使用します。患部を強く搔いたり、口で毒を吸い出したりすることは感染リスクを高めるため避けてください。

マダニに噛まれた後、発熱が出た場合はどうすればよいですか?

マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病などの感染症を媒介することがあります。噛まれた後に発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛などの全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。また、マダニは無理に引き抜かず、医療機関で処置してもらうことが重要です。

旅行後に虫刺されのような症状が出ました。トコジラミの可能性はありますか?

旅行後に複数の刺し跡がまとまって、または一列に並んで現れた場合、トコジラミ(南京虫)の可能性があります。トコジラミは夜間に活動し、ホテルなどで荷物に付着して持ち帰ることがあります。症状には抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬が有効ですが、再発防止のためスーツケースの確認や衣類の洗濯・乾燥機がけも行いましょう。

🏥 まとめ

虫刺されによるチクチク痛みは、ブヨ・アブ・ハチ・アリ・毛虫・ダニ・ノミ・トコジラミなど、さまざまな虫が原因となります。それぞれの虫によって症状の特徴・出現するタイミング・生息環境が異なるため、刺された状況や症状から原因を推測することが対処の第一歩です。

基本的な応急処置として、患部を流水で洗い、冷やし、市販の抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬を使用することが有効です。しかし、ハチに刺された後のアナフィラキシー症状、マダニ刺傷後の発熱、症状の長期化や悪化などが見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。

また、虫刺されはしっかりとした予防策を講じることで、リスクを減らすことができます。長袖・長ズボンの着用、虫除けスプレーの適切な使用、ハチの巣への接近を避けるなど、日常的な習慣として取り入れていきましょう。

虫刺されの症状で悩んでいる方、症状が長引いている方は、ぜひアイシークリニック池袋院にご相談ください。患者さんの症状に合わせた適切な治療・アドバイスを提供しています。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚炎(毛虫皮膚炎・チャドクガ・ダニ刺症など)の診断・治療ガイドラインおよびステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の適正使用に関する情報
  • 厚生労働省 – ヒアリ・アカカミアリなど外来種アリの国内侵入に関する注意喚起・刺傷時の対処法・医療機関受診の目安に関する公式情報
  • 国立感染症研究所 – ツツガムシ病・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)・ライム病などダニ媒介感染症の疫学・症状・診断・治療に関する公式情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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