
まぶたが繰り返し腫れて、皮膚が薄くなったりたるんだりしていませんか?
💬 「これって病気なの?手術できるの?保険は使えるの?」
そんな疑問、この記事を読めばすべて解決します。
この記事では「眼瞼皮膚弛緩症」について、症状・原因・診断基準から保険適用の条件・手術内容・術後ケアまでを丸ごと解説。
⚠️ 放置すると視野が狭くなったり、日常生活に支障が出ることも。まぶたの異変を「疲れ目かな」と見過ごしているなら、ぜひ最後まで読んでください。
📋 この記事でわかること
- ✅ 眼瞼皮膚弛緩症ってどんな病気?
- ✅ 保険適用で手術できる条件とは?
- ✅ 美容目的との違いと注意点
- ✅ 術後の経過・ダウンタイムのリアル
目次
- 眼瞼皮膚弛緩症とはどんな病気か
- 主な症状と特徴
- 発症しやすい年齢・性別・体質
- 眼瞼皮膚弛緩症の原因と発症メカニズム
- 診断の流れと検査内容
- 保険適用の条件と考え方
- 治療法の種類と選択肢
- 手術の具体的な内容と方法
- 手術後の経過とケア
- 美容目的との違いと注意点
- まとめ
この記事のポイント
眼瞼皮膚弛緩症は繰り返す浮腫でまぶた皮膚が薄化・弛緩する疾患で、若年層にも発症する。視野障害など医療上の必要性が認められれば手術は保険適用となり、アイシークリニックでも眼科診断のうえ最適な治療方針を提案している。
💡 1. 眼瞼皮膚弛緩症とはどんな病気か
眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)は、英語では「blepharochalasis(ブレファロカラシス)」と呼ばれる比較的まれな疾患です。まぶた(眼瞼)の皮膚が繰り返す浮腫(むくみ)によって引き伸ばされ、次第に薄く、しわしわになってたるんでしまう状態を指します。
この疾患の特徴的な点は、急性の炎症性浮腫を繰り返すことで皮膚の弾力性が徐々に失われていく点にあります。1回の浮腫がおさまってもまぶたの状態が元に戻らず、繰り返すうちに皮膚が余ってたるんでくるのです。最終的には皮膚が過剰になり、視野を遮るほどに垂れ下がることもあります。
一般的にまぶたのたるみといえば、加齢に伴う「眼瞼下垂」や「皮膚弛緩」を思い浮かべる方が多いと思いますが、眼瞼皮膚弛緩症はそれとは異なるメカニズムで起こります。加齢性のたるみは筋肉の衰えや重力の影響が主な原因ですが、眼瞼皮膚弛緩症は免疫的・炎症的なメカニズムが関与していると考えられており、若い年齢層にも発症することがある点も大きな違いです。
また、眼瞼皮膚弛緩症は単にたるみの問題にとどまらず、視機能への影響や心理的な負担をもたらすこともあります。たるんだ皮膚が上視野を遮ったり、まぶたの重さで眼が開けにくくなったりすることで、日常生活に支障をきたすケースも報告されています。
Q. 眼瞼皮膚弛緩症とはどのような病気ですか?
眼瞼皮膚弛緩症は、まぶたに繰り返す炎症性の浮腫が生じ、皮膚の弾性線維(エラスチン)が破壊されることで皮膚が薄くなりたるんでいく疾患です。加齢性のたるみとは異なり、免疫・炎症的なメカニズムが関与しており、10代〜20代の若年層にも発症する点が大きな特徴です。
📌 2. 主な症状と特徴
眼瞼皮膚弛緩症にはいくつかの特徴的な症状があります。まず最もわかりやすい症状が、急に起こるまぶたの腫れです。この腫れは痛みを伴わないことが多く、アレルギー反応のような見た目であっても、アレルギー検査では原因が特定できないケースが多いのが特徴です。腫れは数日から数週間で自然に引くことが多いのですが、繰り返すたびにまぶたの皮膚がたるんでいきます。
その後、繰り返す浮腫の結果として以下のような変化が生じてきます。
まぶたの皮膚が薄くなり、透けて見えるような状態になります。これは皮膚内のエラスチン(弾性線維)が失われることによるものです。皮膚が薄くなることで、まぶたの血管が透けて見えるようになることもあります。
次に、余った皮膚がしわしわに折りたたまれるような状態になります。引き伸ばされた皮膚が縮むことができないため、たるんでくしゃくしゃになった状態になるのです。
症状が進行すると、上まぶたの皮膚が目の上に垂れ下がり、視野が狭くなることがあります。特に上方の視野が遮られる「上視野欠損」が問題になりやすく、読書や運転、階段の上り下りなど日常的な動作に支障が出ることがあります。
また、まぶたが重くなることで額の筋肉(前頭筋)を使って無意識に眉毛を持ち上げようとするため、額にシワが増えたり、肩こりや頭痛が生じたりすることもあります。さらに、まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)が引っ張られることで眼瞼下垂を合併するケースもあります。
✨ 3. 発症しやすい年齢・性別・体質
眼瞼皮膚弛緩症は比較的まれな疾患ですが、発症しやすい傾向があるグループがあることがわかっています。
年齢については、10代から20代の若い年齢層に多く見られるのが特徴です。これは加齢によるたるみとは大きく異なる点であり、若くしてまぶたのたるみや腫れが気になり始めた場合には眼瞼皮膚弛緩症が疑われることがあります。もちろん中年層以降に発症するケースもありますが、若年発症が比較的多いとされています。
性別については、女性に多いとされています。ただし男性にも発症するため、性別のみで判断することはできません。
体質や他の疾患との関連については、アトピー性皮膚炎などのアレルギー体質の方や、甲状腺疾患を持つ方に見られやすいという報告があります。また、IgA腎症との関連も指摘されており、全身性の免疫異常が背景にある場合もあります。ただし、明確な原因が特定できないケースも多く、まだ解明されていない部分も多い疾患です。
片目だけに発症する場合と両目に発症する場合があり、症状の出方にも個人差があります。片側だけに繰り返す腫れが生じている場合には特に注意が必要です。
Q. 眼瞼皮膚弛緩症の手術は保険適用になりますか?
眼瞼皮膚弛緩症の手術は、医療上の必要性が認められる場合に保険適用となります。具体的には、たるんだ皮膚が視野を遮る視野障害や、まぶたの開閉機能の低下が視野検査などで客観的に確認された場合が対象です。見た目の改善のみを目的とする場合は保険適用外となります。
🔍 4. 眼瞼皮膚弛緩症の原因と発症メカニズム
眼瞼皮膚弛緩症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、現在のところいくつかのメカニズムが考えられています。
まず、肥満細胞(マスト細胞)の過剰活性化が関与しているという説があります。肥満細胞は免疫反応において重要な役割を果たす細胞であり、アレルギー反応でも中心的な役割を担っています。この細胞が何らかのトリガーによって活性化されると、ヒスタミンなどの炎症性物質が放出され、まぶたに浮腫を引き起こします。この反応が繰り返されることで、皮膚の弾性線維(エラスチン)が分解・破壊されていくと考えられています。
エラスチンはコラーゲンとともに皮膚の弾力性を支える重要なたんぱく質です。眼瞼皮膚弛緩症では、繰り返す炎症によってこのエラスチンが破壊されてしまい、一度伸びた皮膚が元に戻れなくなります。病理組織学的な検査でも、眼瞼皮膚弛緩症の皮膚にはエラスチン線維の減少や消失が確認されています。
また、IgA(免疫グロブリンA)が皮膚に沈着していることが報告されており、自己免疫的なメカニズムが関与している可能性も示唆されています。免疫系の異常がまぶたの組織を攻撃してしまうことで、繰り返す炎症と皮膚のダメージが引き起こされるという考え方です。
さらに、外的な要因としてまぶたをこする行為(眼瞼摩擦)も関与しているとされています。アトピー性皮膚炎などでかゆみが強い方がまぶたを繰り返しこすることで、机械的な刺激が加わり、炎症や皮膚の変化が促進されることがあります。
💪 5. 診断の流れと検査内容
眼瞼皮膚弛緩症の診断は、主に眼科での問診と視診(視覚的な観察)を中心に行われます。特有の症状と外見的な所見から診断されることが多いですが、他の疾患との鑑別が重要です。
問診では、まぶたの腫れがいつから始まったか、何回繰り返しているか、腫れの持続時間や特徴(痛みの有無、左右差など)、アレルギー歴、家族歴、全身疾患の有無などを詳しく確認します。繰り返す非炎症性の浮腫とその後のたるみという特徴的な経過が診断の重要な手がかりになります。
視診では、まぶたの皮膚の状態(薄さ、しわ、余りの程度)を観察します。また、裂孔(皮膚の裂け目)、涙腺の脱出、内眼角腱の弛緩なども確認します。これらはいずれも眼瞼皮膚弛緩症に合併しやすい所見です。
眼機能の評価も重要です。視力検査、視野検査(たるんだ皮膚が視野を遮っているかどうかの確認)、眼瞼の開閉運動の確認などが行われます。特に視野検査では、上方の視野がどの程度失われているかを客観的に評価することができ、保険適用の判断においても重要な情報となります。
病理組織学的検査(皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)では、エラスチン線維の消失や肥満細胞の増加などが確認されることがあります。確定診断のために行われることもありますが、日常診療では必ずしも必須ではありません。
血液検査では、IgAの値や甲状腺機能、アレルギーに関連する項目などが調べられることがあります。全身疾患との関連を確認するために有用です。
鑑別すべき疾患としては、眼瞼下垂、加齢性の皮膚弛緩、アレルギー性眼瞼浮腫、血管性浮腫(クインケ浮腫)、甲状腺眼症、眼窩蜂窩織炎などがあります。それぞれの疾患との違いを丁寧に確認し、正確な診断を行うことが治療方針の決定に不可欠です。

🎯 6. 保険適用の条件と考え方
眼瞼皮膚弛緩症の治療において、保険適用が認められるかどうかは多くの患者さんにとって重要な関心事です。結論から言えば、眼瞼皮膚弛緩症は医学的に認められた疾患であり、一定の条件を満たせば保険診療の対象となります。
保険適用の基本的な考え方として重要なのは、その治療が「医療上必要なものであるかどうか」という点です。単に見た目を改善したい(美容目的)という場合は自由診療(保険外)となりますが、視野の障害や眼瞼機能の低下など、日常生活に支障をきたす医学的な症状がある場合は保険適用の対象となる可能性があります。
具体的に保険適用が検討される主な条件としては、まず視野障害の存在が挙げられます。たるんだまぶたの皮膚が瞳孔にかかる程度まで垂れ下がっており、上方視野を遮っていることが視野検査によって客観的に確認できる場合は、医療上の必要性が認められやすくなります。
次に、眼瞼機能の障害も重要な条件です。まぶたが重くて開けにくい、あるいは完全に閉じることが難しいといった状態がある場合、眼表面の保護という観点からも医療的な対応が必要と判断されます。
また、日常生活への影響の程度も考慮されます。視野の狭まりにより読書・運転・歩行などの基本的な生活行為に支障をきたしていること、あるいはまぶたを開けるために額の筋肉を使わざるを得ないことで頭痛や肩こりが生じていることなども、医療的必要性の根拠となり得ます。
保険適用の判断は、担当医が患者さんの状態を総合的に評価したうえで行います。視野検査の結果、写真による記録、問診内容などが重要な判断材料となります。すべての眼瞼皮膚弛緩症が自動的に保険適用になるわけではなく、症状の程度や医学的な必要性に基づいて個別に判断されます。
なお、同じ眼瞼の手術であっても、加齢に伴う軽度のたるみや純粋に見た目の改善を目的としたものは保険適用外となります。眼瞼皮膚弛緩症の診断がついており、かつ医療的な必要性が認められる場合に限り保険診療が行われます。
保険適用で手術を受ける場合の費用の目安については、手術の内容(両側か片側か、合併手術があるかどうかなど)や病院の種類(大学病院・一般病院・クリニックなど)によって異なります。健康保険が3割負担の場合、両側の手術で数万円程度が自己負担となることが多いですが、正確な金額は受診する医療機関に確認することをお勧めします。
Q. 眼瞼皮膚弛緩症の診断はどのように行われますか?
診断は主に眼科での問診と視診を中心に行われます。繰り返す浮腫の経過や皮膚の薄化・たるみの状態を確認し、視力・視野検査で眼機能への影響を評価します。血液検査で甲状腺機能やIgA値も調べることがあり、眼瞼下垂やアレルギー性浮腫など類似疾患との鑑別も重要です。
💡 7. 治療法の種類と選択肢
眼瞼皮膚弛緩症の治療は、大きく分けて保存的治療(手術以外の治療)と手術的治療の2種類があります。
保存的治療は、主に急性期の浮腫を管理するために行われます。浮腫が生じている際には、冷湿布(アイスパック)を当てることで症状を和らげることができます。ステロイド薬の短期投与が行われることもありますが、長期使用は副作用のリスクがあるため慎重に使用されます。抗ヒスタミン薬なども補助的に使われることがあります。
ただし、保存的治療はあくまでも浮腫のコントロールを目的としたものであり、すでに起きてしまった皮膚のたるみや薄化を改善する効果は限定的です。たるみが進行して視野障害や日常生活への支障が生じている場合は、手術的治療が選択されます。
手術的治療は、余分な皮膚を切除してまぶたを正常な状態に近づけることを目的としています。具体的な手術方法については次のセクションで詳しく解説しますが、大まかには上まぶたの余分な皮膚を切除する手術(上眼瞼形成術)が中心となります。
合併症として眼瞼下垂を伴う場合には、皮膚の切除と合わせて眼瞼下垂の修正手術(上眼瞼挙筋の短縮術など)が同時に行われることもあります。涙腺の脱出がある場合には涙腺の整復も行われます。
治療のタイミングについては、急性の浮腫が活動期にある間は手術を行わず、状態が落ち着いた安定期に手術を行うのが基本です。活動期に手術を行うと治癒が遅れたり、再発リスクが高まったりする可能性があります。また、浮腫の再発を繰り返しているうちはその原因となる炎症を管理することも並行して行われます。
📌 8. 手術の具体的な内容と方法
眼瞼皮膚弛緩症の手術について、具体的な内容を説明します。手術は眼科または形成外科で行われることが多く、局所麻酔下で外来手術として行われることが一般的です。
手術前の準備として、術前検査(血液検査、心電図など)が行われ、手術のリスク評価が行われます。抗凝固薬を服用している場合は事前に医師に相談し、休薬が必要かどうかの確認が必要です。
手術は局所麻酔(まぶたへの注射麻酔)で行われます。全身麻酔が必要なケースは少なく、外来で当日帰宅できる形式で行われることがほとんどです。
上まぶたの手術(上眼瞼形成術)では、まず上まぶたに切開線のデザインを行います。切開線はまぶたの二重のライン(もしくは自然なしわのライン)に沿って設定され、余分な皮膚と必要に応じて脂肪組織も切除します。切除量は術前に慎重に計算され、過剰な切除は目が閉じにくくなるリスクがあるため、細心の注意が払われます。
切除後は傷口を縫合します。縫合は細い糸を使って丁寧に行われ、傷跡ができるだけ目立たないよう工夫されます。術後1週間程度で抜糸が行われることが多いです。
眼瞼下垂を合併している場合は、皮膚の切除と同時に上眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)の調整も行います。挙筋の腱膜が緩んでいる場合はその修復を行い、まぶたを適切な高さに調整します。
涙腺の脱出がある場合は、涙腺を本来の位置に整復して固定する処置も行われます。これにより涙腺機能の保護にもつながります。
手術時間は、片側の場合で30分から1時間程度、両側の場合は1〜2時間程度が目安ですが、合併手術の有無によって異なります。
手術に伴うリスクとしては、出血、感染、傷跡の問題(ケロイドなど)、眼の開閉の左右差、ドライアイの悪化、眼瞼外反(まぶたが外側に返る)、再発などが挙げられます。担当医から十分な説明を受け、リスクと利益を理解したうえで手術に臨むことが重要です。
Q. 眼瞼皮膚弛緩症の手術後に再発するリスクはありますか?
眼瞼皮膚弛緩症は手術で余分な皮膚を切除した後も、根本的な免疫・炎症的な問題が続く場合、浮腫が再発して皮膚のたるみが再び進行するリスクがあります。アイシークリニックでも術後は定期的な経過観察を行い、浮腫の管理を継続することで再発予防に努めることを推奨しています。
✨ 9. 手術後の経過とケア
手術後の経過については、一般的に以下のような流れが想定されます。
手術直後から数日間は、まぶたの腫れや内出血が見られます。これは手術によるものであり、時間とともに改善していきます。冷湿布(アイシング)を行うことで腫れを抑えることができます。手術翌日から通常の生活は可能ですが、激しい運動や飲酒は腫れを悪化させるため、術後1〜2週間は控えることが推奨されます。
術後は処方された点眼薬や軟膏を指示通りに使用することが重要です。抗生剤の点眼薬は感染予防のために、ステロイドの点眼薬は炎症抑制のために使用されることがあります。
抜糸は術後1週間前後に行われることが多く、抜糸後から化粧やコンタクトレンズの使用が可能になる場合が多いです。ただし、傷口の状態によって個人差があるため、担当医の指示に従ってください。
腫れが完全に引くまでには、術後1〜3か月程度かかることがあります。術後数週間は傷口が少し赤く目立つこともありますが、時間とともに落ち着いていきます。傷跡は二重のラインに沿っているため、最終的にはほとんど目立たなくなることが多いです。
術後の通院は、翌日・1週間後(抜糸)・1か月後・3か月後などのスケジュールで行われることが一般的です。経過が順調であれば通院の頻度は徐々に減っていきます。
注意すべき点として、眼瞼皮膚弛緩症は手術後も浮腫が再発するリスクがあります。再発した場合には再び皮膚のたるみが進行する可能性があるため、術後も定期的な経過観察が重要です。また、浮腫の原因となっている免疫・炎症的な問題の管理も継続して行われることがあります。
術後の生活上の注意点としては、まぶたへの強い摩擦を避けること(目を強くこすらない)、紫外線対策(サングラスの着用など)、十分な睡眠とストレス管理なども、再発予防の観点から大切です。
🔍 10. 美容目的との違いと注意点

眼瞼皮膚弛緩症の治療を検討する際に、しばしば混同されるのが美容目的のまぶた手術との違いです。この点は保険適用にも深く関わるため、正しく理解しておくことが重要です。
美容外科で行われる二重手術や目頭切開、たるみ取りなどは、あくまでも外見の改善を目的としたもので、医療上の必要性はなく、保険適用外(自由診療)となります。一方、眼瞼皮膚弛緩症による手術は、視野障害や眼機能の回復という医療的な目的で行われるものであり、保険適用の対象となり得ます。
しかし、外見上は同じようにまぶたの皮膚を切除する手術であっても、その目的と必要性によって保険適用かどうかが判断されます。そのため、実際に保険適用で手術を受けるためには、眼科での適切な診断と、医療的必要性の確認が必要です。「たるみが気になるから保険で手術してほしい」という理由だけでは保険適用とはなりません。
また、近年では美容外科クリニックを受診し、「加齢によるたるみ」として自費の手術を受けることを選ぶ方もいます。眼瞼皮膚弛緩症の診断がついていない方、あるいは医療的な必要性が認められない軽度の症状の方が、外見改善を目的として美容外科で手術を受けること自体は問題ありません。ただし、その場合は全額自己負担となります。
大切なのは、まずは眼科を受診して正確な診断を受けることです。自分のまぶたの状態が眼瞼皮膚弛緩症によるものなのか、加齢によるものなのか、あるいは他の疾患によるものなのかを正確に把握したうえで、適切な治療を選択することが重要です。
また、クリニックを選ぶ際には、眼瞼の手術に精通した眼科医や形成外科医が在籍しているかどうかを確認することをお勧めします。眼瞼皮膚弛緩症は比較的まれな疾患であるため、経験豊富な医師のもとで治療を受けることが、安全で良好な結果につながります。
保険診療と自費診療を組み合わせた「混合診療」については、原則として日本の医療制度では認められていません。保険適用の手術に美容的なオプションを加える形での混合診療は認められないため、この点にも注意が必要です。
受診の際には、いつからどんな症状があるか、繰り返す腫れの回数や持続時間、日常生活への支障の程度などを具体的にメモしておくと、医師に正確な情報を伝えやすくなります。スマートフォンで症状が出ているときの写真を撮っておくことも診断の助けになります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、まぶたの繰り返す腫れやたるみを「年齢のせい」と思い込んで長期間そのままにされていた方が、実は眼瞼皮膚弛緩症であったというケースを少なからず経験しております。この疾患は若い年代にも発症するうえ、視野障害や日常生活への支障が生じている場合には保険適用での手術治療が可能ですので、気になる症状がある方はまず眼科でしっかりと診断を受けていただくことをお勧めします。一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。」
💪 よくある質問
はい、発症します。眼瞼皮膚弛緩症は加齢によるたるみとは異なり、10代〜20代の若年層にも多く見られる疾患です。免疫・炎症的なメカニズムが関与しているため、年齢に関わらず発症する可能性があります。若くしてまぶたの腫れやたるみが気になる場合は、眼科での診断をお勧めします。
一定の条件を満たせば保険適用となります。たるんだ皮膚が視野を遮っている、まぶたの開閉に支障があるなど、医療上の必要性が認められる場合が対象です。視野検査の結果などをもとに担当医が総合的に判断します。見た目の改善のみを目的とした場合は保険適用外となります。
最大の違いは原因とメカニズムです。加齢性のたるみは筋肉の衰えや重力が主な原因ですが、眼瞼皮膚弛緩症は繰り返す炎症性の浮腫によって皮膚の弾性線維(エラスチン)が破壊されることで起こります。また、若年層にも発症する点や、急激な腫れを繰り返すという経過も大きな特徴です。
再発のリスクはあります。眼瞼皮膚弛緩症は手術で余分な皮膚を切除しても、根本的な原因である免疫・炎症的な問題が続く場合、浮腫が再発し皮膚のたるみが再び進行する可能性があります。そのため術後も定期的な経過観察を行い、浮腫の管理を継続することが重要です。
まず眼科を受診することをお勧めします。眼瞼皮膚弛緩症の診断には、視野検査や眼機能の評価が重要であり、眼科での専門的な診察が必要です。アイシークリニックでも、まぶたの繰り返す腫れやたるみに関するご相談を承っています。受診前に症状の経過や写真をまとめておくと診断がスムーズになります。
🎯 まとめ
眼瞼皮膚弛緩症は、繰り返すまぶたの浮腫によって皮膚が薄くなりたるんでしまう疾患であり、若年層にも発症する点が加齢性のたるみとは大きく異なります。原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫・炎症的なメカニズムが関与していると考えられています。
治療は保存的治療(浮腫のコントロール)と手術的治療(余分な皮膚の切除)に大別されます。視野障害や眼機能の低下など医療上の必要性が認められる場合には、手術は保険診療の対象となります。ただし、保険適用かどうかは症状の程度や視野検査の結果などをもとに、担当医が総合的に判断します。
まぶたの繰り返す腫れ、皮膚の薄化やたるみ、視野の狭まりといった症状が気になる方は、まず眼科を受診して正確な診断を受けることが第一歩です。自己判断で美容目的の手術を選ぶ前に、医師に相談することで、保険適用の可否や最適な治療法を確認することができます。
アイシークリニック池袋院では、まぶたの疾患に関するご相談を承っています。眼瞼皮膚弛緩症をはじめとするまぶたのトラブルでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。患者さんひとりひとりの状態を丁寧に評価し、最適な治療方針をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 日本形成外科学会 – 眼瞼疾患(眼瞼皮膚弛緩症・眼瞼下垂など)の診断基準・手術適応・保険診療に関する情報
- 日本皮膚科学会 – まぶたの皮膚疾患におけるエラスチン線維の変化・皮膚弛緩の病態・炎症メカニズムに関する情報
- PubMed – blepharochalasis(眼瞼皮膚弛緩症)の病態・発症メカニズム・手術治療に関する国際的な臨床研究・文献情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務