
🪞 鏡を見たとき、左右の目の大きさが違う…と感じたことはありませんか?
実は、わずかな左右差は多くの人にあるもの。でも…
🚨 急に左右差が大きくなった・まぶたが下がってきたという場合は、脳動脈瘤や神経の病気など、緊急性の高い疾患が隠れているサインかもしれません。
💬 「様子見でいいか…」と放置すると手遅れになることも。この記事では、原因となる病気・受診すべきタイミング・診断の流れをわかりやすく解説します。
➡ その変化、見逃さないで。眼科・形成外科への受診が必要なサインかも。
📖 この記事を読むとわかること
- ✅ 放置してOKな左右差 vs 今すぐ受診すべき左右差の違い
- ✅ 眼瞼下垂・ホルネル症候群・動脈瘤など原因となる病気の解説
- ✅ 子どもの場合に特に注意したいポイント(弱視リスク)
- ✅ 何科を受診すればいいか・診断の流れ
目次
- 左右の目の大きさが違うとはどういう状態か
- 生まれつきや成長による左右差(生理的な原因)
- 病気が原因で左右差が生じるケース
- 眼瞼下垂(がんけんかすい)とは
- ホルネル症候群とは
- 動眼神経麻痺とは
- 重症筋無力症とは
- 甲状腺眼症とは
- 眼窩(がんか)の病変について
- 子どもの場合に注意したい病気
- 受診の目安とタイミング
- 診断・検査の流れ
- まとめ
この記事のポイント
左右の目の大きさの違いは生理的な場合も多いが、急な変化や頭痛・複視を伴う場合は眼瞼下垂・ホルネル症候群・動脈瘤など緊急性の高い疾患の可能性があり、速やかな受診が必要。子どもは弱視リスクに注意。
💡 左右の目の大きさが違うとはどういう状態か
左右の目の大きさの違いは、医学的には「眼瞼裂不同(がんけんれつふどう)」と呼ばれることがあります。眼瞼裂とは、まぶたが開いているときの上まぶたと下まぶたの間の隙間のことで、この幅が左右で異なる状態を指します。
見た目として左右の目が違って見える原因は大きく分けると、まぶた自体の形や位置の違いによるものと、眼球の大きさや位置の違いによるものがあります。前者はまぶたが下がっていたり(眼瞼下垂)、逆に引き上げられていたりすることで生じます。後者は眼球が前方や後方に移動したり、眼球自体が大きくなったりすることで生じます。
日常生活の中では「片方の目が眠そうに見える」「片方の目だけ半分閉じているような感じがする」「写真を撮るとはっきりと左右差がわかる」といった形で気づくことが多いです。定期的に正面から写真を撮って比較することで、変化を客観的に把握しやすくなります。
Q. 左右の目の大きさが違う原因にはどんな病気がある?
左右の目の大きさが違う原因となる主な病気には、眼瞼下垂、ホルネル症候群、動眼神経麻痺、重症筋無力症、甲状腺眼症、眼窩内の腫瘍や炎症などがあります。これらは原因や治療方針がそれぞれ異なるため、適切な診断を受けることが重要です。
📌 生まれつきや成長による左右差(生理的な原因)
まず前提として、人間の顔は完全に左右対称ではありません。骨格、筋肉、皮膚の厚さなど、あらゆる面でわずかな非対称性が存在するのが正常な状態です。このため、目の大きさに若干の違いがあっても、それ自体は必ずしも問題があるわけではありません。
生理的な原因として考えられるものには以下のようなものがあります。まず、生まれつき(先天性)の顔面非対称があります。骨格そのものの非対称が目の見え方に影響することがあります。成長期においても、顔の骨格が左右均一に発達するとは限らず、成長とともに左右差が目立ってくることもあります。
また、習慣による影響も見逃せません。寝る向きが一定であったり、頬杖をつく癖があったりすると、長年にわたってその方向に力がかかり続けることで、顔の形が変化することがあります。
加齢も重要な要因です。年齢を重ねるとともに皮膚の弾力が低下し、まぶたの皮膚がたるんでくることがあります。このたるみは左右で進行速度が異なることがあるため、年齢とともに左右差が生じたり、もともとあった差が大きくなったりすることがあります。
これらの生理的な原因による左右差は、病気ではなく美容的な問題として捉えられることが多いです。ただし、見た目の変化が急速に生じた場合や、他の症状を伴う場合には病気の可能性を考える必要があります。
✨ 病気が原因で左右差が生じるケース
左右の目の大きさの違いが病気のサインである場合、その背景にはさまざまな疾患が考えられます。主なものとして、眼瞼下垂、ホルネル症候群、動眼神経麻痺、重症筋無力症、甲状腺眼症、眼窩内の腫瘍や炎症などが挙げられます。それぞれ原因や症状、治療方針が異なるため、適切な診断を受けることが非常に重要です。
病気による左右差の特徴として、急に変化が生じること、徐々に悪化していること、痛みや視力の変化・複視(ものが二重に見える)などの症状を伴うこと、まぶたの動きが制限されること、などがあります。このような特徴がある場合には、速やかに医療機関を受診することが勧められます。
🔍 眼瞼下垂(がんけんかすい)とは
眼瞼下垂とは、上まぶたが正常な位置よりも下がってしまい、目の開きが小さくなる状態のことです。片側のまぶたにのみ起こることもあれば、両側に起こることもありますが、左右で程度が異なると目の大きさの違いとして目立ちます。
眼瞼下垂の原因はいくつかに分類されます。先天性のものは、生まれつき上まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)の発達が不十分なことで起こります。後天性のものは、加齢によって上眼瞼挙筋とまぶたをつなぐ腱膜が緩んで生じる腱膜性眼瞼下垂が最も多いです。コンタクトレンズの長期使用もこの腱膜を傷める原因の一つとされており、比較的若い年齢でも生じることがあります。
そのほかに、まぶたの皮膚のたるみによってまぶたが垂れ下がる偽眼瞼下垂(仮性眼瞼下垂)、神経の障害によって筋肉がうまく動かなくなる神経原性眼瞼下垂、筋肉そのものの病気による筋原性眼瞼下垂などがあります。
眼瞼下垂の主な症状は、目が開きにくい、視野が狭くなる(特に上方が見えにくい)、まぶたを持ち上げようと額に力を入れたり顎を上げたりするために頭痛や肩こりが生じる、などです。重度の場合には視力発達に影響することもあります。
治療は原因によって異なりますが、多くの場合は手術が選択されます。腱膜性眼瞼下垂では腱膜を正しい位置に固定する手術、先天性眼瞼下垂では筋肉の発達が悪い場合には前頭筋を利用した手術などが行われます。
Q. ホルネル症候群はどんな症状で緊急性はある?
ホルネル症候群は、交感神経の障害により片側の上まぶたが下がり、下まぶたがわずかに上がり、瞳孔が小さくなる3つの症状が特徴です。急に症状が現れた場合は脳梗塞や頸動脈解離など緊急性の高い疾患の可能性があり、頭痛や首の痛みを伴うときは直ちに救急受診が必要です。
💪 ホルネル症候群とは
ホルネル症候群は、目とまぶた、瞳孔(どうこう)をコントロールしている交感神経の経路が障害されることで起こる症候群です。片側の上まぶたが下がり(眼瞼下垂)、同時に下まぶたが少し持ち上がり(逆眼瞼下垂)、瞳孔が小さくなる(縮瞳)という3つの主な症状が特徴です。これにより、片側の目が小さく見えるようになります。
交感神経の経路は、脳から脊髄、胸部、頸部(首)を通って目に至る長い経路を通っています。そのため、ホルネル症候群を引き起こす原因は多岐にわたります。脳梗塞や脳腫瘍などの脳の病気、脊髄の病気、肺の頂部(肺尖部)に発生する腫瘍(パンコースト腫瘍)、頸部の腫瘍や外傷、頸動脈解離などが原因となり得ます。
ホルネル症候群の症状が急に現れた場合には、脳梗塞や頸動脈解離などの緊急性の高い疾患が原因である可能性があります。特に首の痛みや頭痛、手足のしびれや麻痺などを伴う場合には、すぐに救急外来を受診する必要があります。
治療は原因となっている疾患の治療が基本となります。そのため、ホルネル症候群が疑われる場合には、神経内科や脳神経外科などでの精密検査が必要です。
🎯 動眼神経麻痺とは
動眼神経(第3脳神経)は、上まぶたを持ち上げる筋肉(上眼瞼挙筋)や、眼球を動かすほとんどの筋肉、そして瞳孔の収縮に関わる筋肉を支配しています。この神経が何らかの原因で障害を受けると、まぶたが大きく下がり(高度の眼瞼下垂)、眼球の動きが制限され、瞳孔が大きくなる(散瞳)という症状が現れます。
動眼神経麻痺が起こる原因としては、動脈瘤(血管のこぶ)、糖尿病や高血圧による微小血管障害、脳腫瘍、脳ヘルニア(脳が圧迫されている状態)、外傷などがあります。
特に危険なのは、後交通動脈瘤という脳の動脈にできた動脈瘤が動眼神経を圧迫しているケースです。この場合、動脈瘤が破裂するとくも膜下出血を引き起こし、生命の危機に直結します。瞳孔の散瞳を伴う動眼神経麻痺が急に起こった場合は、緊急の対応が必要です。
一方、糖尿病性の動眼神経麻痺では瞳孔が比較的保たれていることが多く、数週間から数ヶ月で自然に回復することもありますが、専門家による診断と経過観察が必要です。
💡 重症筋無力症とは
重症筋無力症は、神経と筋肉の接合部(神経筋接合部)において、アセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生される自己免疫疾患です。この抗体によって神経からの信号が筋肉に正しく伝わらなくなり、筋肉が疲労しやすくなります。
重症筋無力症の最も特徴的な症状は、「日内変動」です。朝は比較的症状が軽く、夕方や活動後に症状が強くなる傾向があります。眼の症状が最初に現れることが多く、片側または両側のまぶたが下がる(眼瞼下垂)、ものが二重に見える(複視)などが初期症状となります。
重症筋無力症では左右のまぶたが交互に下がったり、同じ人でも日によって左右差が変わったりすることがあります。また、眼の症状だけにとどまる眼筋型と、全身の筋力低下が生じる全身型に分類されます。全身型では嚥下(えんげ)困難、発話困難、四肢の筋力低下なども起こります。
診断には、アセチルコリン受容体抗体の血液検査、神経筋接合部の機能を確認する反復神経刺激試験、エドロホニウム試験(テンシロンテスト)などが行われます。治療はコリンエステラーゼ阻害薬、ステロイド薬、免疫抑制薬などの薬物療法が中心です。また、胸腺腫を合併していることがあるため、胸腺摘出術が行われることもあります。
Q. 重症筋無力症による目の症状にはどんな特徴がある?
重症筋無力症による目の症状は「日内変動」が特徴で、朝は症状が軽く夕方や活動後に悪化します。片側または両側のまぶたが下がる眼瞼下垂や複視が初期症状として現れ、左右のまぶたが交互に下がったり、日によって左右差が変わったりすることがあります。診断には抗体検査や神経筋電図が用いられます。
📌 甲状腺眼症とは
甲状腺眼症(バセドウ眼症とも呼ばれます)は、バセドウ病(グレーブス病)に関連して起こる眼の病気です。自己免疫反応によって眼窩(眼球が入っているくぼみ)内の脂肪組織や眼球を動かす筋肉(外眼筋)が炎症を起こし、腫れることで様々な症状が現れます。
甲状腺眼症の主な症状としては、眼球が前方に突出する(眼球突出)、まぶたが腫れる、まぶたが十分に閉じられなくなる、眼の充血や痛み、複視(ものが二重に見える)などがあります。左右の眼球突出の程度が異なる場合に、目の大きさが左右で異なって見えることがあります。
甲状腺眼症はバセドウ病の患者さんに多くみられますが、甲状腺機能が正常であっても、または甲状腺機能低下症の患者さんにも起こることがあります。また、バセドウ病と診断されていない段階で眼症状が先に現れることもあります。
治療は病態の活動性と重症度によって異なります。活動期には炎症を抑えるためのステロイド療法や放射線療法が行われることがあります。非活動期(安定期)には、外見の問題や機能的問題を解消するための手術(眼窩減圧術、斜視手術、眼瞼手術など)が検討されます。
✨ 眼窩(がんか)の病変について
眼窩とは、眼球が収まっている頭蓋骨のくぼみのことです。この空間に腫瘍や炎症、血腫(けっしゅ、血液のかたまり)などが生じると、眼球が押し出されたり(眼球突出)、逆に引き込まれたり(眼球陥凹)することで、目の大きさの左右差が生じます。
眼窩内に発生する病変としては、まず眼窩腫瘍があります。良性のものとして眼窩海綿状血管腫(眼窩内で最も多い良性腫瘍)、神経鞘腫、涙腺腫瘍などがあります。悪性のものとしては、眼窩リンパ腫、横紋筋肉腫(特に小児に多い)、転移性腫瘍(他の部位のがんが眼窩に転移したもの)などがあります。
次に、眼窩炎症性疾患があります。眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)は、細菌感染によって眼窩内に炎症が広がる病気で、まぶたの腫れ、発赤、発熱、眼球運動の障害などが急激に生じます。副鼻腔炎(蓄膿症)から波及することが多く、緊急の治療が必要です。特発性眼窩炎症(眼窩偽腫瘍)も眼窩の炎症を引き起こす病態の一つです。
さらに、外傷による眼窩骨折も目の左右差を引き起こすことがあります。特に眼窩底骨折では眼球が下方に移動し、眼球が陥凹して見えることがあります。また骨折部に筋肉が嵌頓(かんとん、はさまること)して眼球の動きが制限されることもあります。
🔍 子どもの場合に注意したい病気
子どもの左右の目の大きさの違いは、特に注意が必要です。なぜなら、視力が発達する重要な時期に視覚の問題が起きると、弱視につながることがあるからです。
子どもに多い先天性眼瞼下垂では、まぶたによって瞳孔(光が入る穴)が塞がれることで、その目への光の入力が不十分になり、弱視が生じるリスクがあります。また、眼瞼下垂によって生じる乱視が弱視の原因になることもあります。弱視の治療は視覚の発達が完了する前(一般的に8歳頃まで)に行う必要があるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
子どもの場合に注意したい病気として、先天性眼瞼下垂のほかに、網膜芽細胞腫があります。網膜芽細胞腫は乳幼児に発生する眼の悪性腫瘍であり、まれではありますが命に関わる病気です。眼の中が白く光って見える(白色瞳孔)、斜視、眼球突出などの症状が現れます。早期発見が治療成功の鍵となります。
また、小児に発症する重症筋無力症や、炎症性疾患によって眼窩内に変化が生じる場合なども、目の左右差として現れることがあります。子どもの目の変化に気づいたら、早めに小児眼科や眼科を受診することを強くお勧めします。
Q. 子どもの目の左右差はなぜ早めに受診すべきなの?
子どもの目の左右差は、弱視につながるリスクがあるため早期受診が重要です。先天性眼瞼下垂でまぶたが瞳孔を塞ぐと光の入力が不十分となり、視力が正常に発達しない弱視が生じることがあります。弱視の治療は視覚の発達が完了する一般的に8歳頃までに行う必要があるため、まぶたの左右差に気づいたら速やかに眼科を受診してください。
💪 受診の目安とタイミング

左右の目の大きさの違いがあっても、それが以前からずっと続いていてほとんど変化がなく、他の症状もない場合には、急いで受診する必要はないかもしれません。しかし、以下のような状況では早めの受診が必要です。
すぐに救急受診が必要な状態として、突然まぶたが大きく下がった、瞳孔の大きさが左右で異なる(特に急に変化した場合)、激しい頭痛や首の痛みを伴う、ものが二重に見える(複視)が急に起きた、顔や手足のしびれや脱力が伴う、意識が朦朧とする、などが挙げられます。これらは脳卒中、動脈瘤、頸動脈解離など緊急性の高い疾患が原因である可能性があります。
数日以内に眼科または内科を受診すべき状態として、まぶたの下がりが急に現れた、または数週間で悪化している、まぶたの腫れや赤みを伴う、眼球が前に出てきた感じがする(眼球突出)、目を閉じにくくなった、などがあります。
比較的余裕を持って受診できる状態として、数ヶ月〜数年をかけてゆっくりと左右差が大きくなってきた、目が開けにくく視野が狭くなってきた(日常生活に支障が出ている)、夕方になると症状が悪化する気がする、などがあります。
子どもの場合は特に注意が必要です。生まれたときからまぶたが下がっている、または成長とともにまぶたが下がってきた場合には、弱視予防の観点から早めに眼科を受診することをお勧めします。
受診する診療科としては、まず眼科が窓口として適切です。眼科医が診察した上で、必要に応じて神経内科、脳神経外科、内科(内分泌科)、耳鼻咽喉科などへ紹介されることになります。急激な神経症状を伴う場合には、救急科や脳神経外科に直接受診することが求められます。
🎯 診断・検査の流れ
左右の目の大きさが違うことを主訴として眼科を受診した場合、どのような検査が行われるのでしょうか。一般的な診断の流れについて説明します。
まず問診が行われます。いつから気づいたか、急に起きたのか徐々に変化したのか、どのような症状を伴うか(痛み、視力変化、複視、頭痛など)、既往歴(糖尿病、甲状腺疾患、自己免疫疾患など)、家族歴、コンタクトレンズの使用歴などが確認されます。
次に視診と眼科的診察が行われます。まぶたの開きの幅(眼瞼裂幅)、上まぶたの縁から角膜上縁までの距離(上眼瞼縁反射間距離、MRD)の左右差、瞳孔の大きさと対光反射(光に対する反応)、眼球の位置や突出の程度、まぶたや眼球の動きの範囲、眼球の充血や腫れなどが確認されます。視力検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡(スリットランプ)検査なども行われます。
原因を特定するために行われる追加検査としては、まず画像検査があります。眼窩や脳の病変を調べるためにCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)が行われます。眼球突出の程度を数値で測定するためのエクソフサルモメーターも使用されます。
血液検査では、甲状腺機能(TSH、FT3、FT4)、甲状腺抗体、アセチルコリン受容体抗体(重症筋無力症の診断)、血糖値や糖尿病関連の検査などが行われることがあります。
神経学的検査として、神経内科医による全身の神経診察が行われることもあります。重症筋無力症が疑われる場合には反復神経刺激試験やシングルファイバーEMG(神経筋電図)、エドロホニウム試験が行われることがあります。
また、眼瞼下垂の程度や種類をより詳しく評価するために、フェニレフリンテスト(点眼薬を使ってミュラー筋の機能を評価するテスト)が行われることもあります。これは手術方法の選択に関係することがあります。
診断が確定したら、原因に応じた治療方針が立てられます。手術が必要な場合には、眼科または形成外科(眼形成外科)において行われます。内科的治療が必要な場合は、適切な専門科に紹介されます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、まぶたの左右差を主訴にご来院される患者様の中に、加齢によるコンタクトレンズ長期使用が原因の腱膜性眼瞼下垂が含まれるケースが少なくありません。「急に片方のまぶたが下がった」「頭痛や首の痛みを伴う」といった症状がある場合は、ホルネル症候群や動眼神経麻痺など緊急性の高い疾患が隠れている可能性がありますので、自己判断せず速やかにご受診いただくことを強くお勧めします。また、お子様のまぶたの左右差は弱視につながるリスクがあるため、気になる変化があれば遠慮なくお気軽にご相談ください。」
💡 よくある質問
必ずしも病気ではありません。人間の顔は完全に左右対称ではなく、骨格や筋肉の違いによって目の大きさに差が生じるのは自然なことです。ただし、急に差が大きくなった、痛みや複視(ものが二重に見える)を伴うといった場合は、眼瞼下垂やホルネル症候群などの疾患が隠れている可能性があるため、早めに眼科へご相談ください。
突然まぶたが大きく下がった、瞳孔の大きさが左右で急に異なる、激しい頭痛・首の痛みを伴う、手足のしびれや脱力がある場合は、脳卒中や動脈瘤など緊急性の高い疾患の可能性があります。これらの症状が現れた際は自己判断せず、ただちに救急外来を受診してください。
子どもの場合は早めの受診が非常に重要です。先天性眼瞼下垂などによってまぶたが瞳孔を塞ぐと、視力が正常に発達せず弱視につながるリスクがあります。弱視の治療は一般的に8歳頃までに行う必要があるため、まぶたの左右差に気づいたら速やかに眼科を受診してください。
はい、加齢によってまぶたの皮膚がたるんだり、上まぶたを持ち上げる筋肉の腱膜が緩んだりすることで、眼瞼下垂が生じ目の左右差が目立ってくることがあります。また、コンタクトレンズの長期使用も腱膜を傷める原因となります。当院でも腱膜性眼瞼下垂のご相談を多くいただいており、気になる方はお気軽にご受診ください。
まず眼科の受診をお勧めします。眼科医が診察・検査を行った上で、原因に応じて神経内科・脳神経外科・内分泌科などの専門科へ紹介されます。ただし、頭痛・首の痛み・手足のしびれなど神経症状を伴う場合は、救急科や脳神経外科への直接受診が必要です。当院でも目の左右差についてのご相談を承っております。
📌 まとめ
左右の目の大きさが違うことは、生理的な(病気ではない)原因で生じることも多く、誰にでも多少の左右差は存在します。しかし、突然現れた変化、急速に進行する変化、他の症状を伴う場合には、眼瞼下垂、ホルネル症候群、動眼神経麻痺、重症筋無力症、甲状腺眼症、眼窩の病変など、様々な疾患が背景にある可能性があります。これらの疾患の中には、脳の血管病変や腫瘍など緊急性の高いものも含まれています。
特に、急に片方のまぶたが下がった、瞳孔の大きさが左右で違う、頭痛や首の痛み・手足のしびれなどを伴う場合には、躊躇せずに救急受診をしてください。また、子どもの場合は弱視のリスクがあるため、まぶたの下がりに気づいたら早めに眼科を受診することが大切です。
目の変化は日常生活の中で気づきにくいこともありますが、定期的に正面から自分の顔を確認したり、写真で記録したりしておくことで、変化を早期に発見しやすくなります。何か気になる変化があれば、自己判断せずに専門の医療機関に相談するようにしてください。適切な診断と早期の治療が、より良い予後につながります。
📚 関連記事
- 左右の目の大きさが違う原因と対処法を徹底解説
- 左右で目の形が違う原因とは?考えられる疾患や改善方法を解説
- 目の左右差の治し方|原因から改善方法まで徹底解説
- 目を大きくする方法とは?自力ケアから美容医療まで徹底解説
- 瞼が重いのはストレスが原因?症状と改善策を詳しく解説
📚 参考文献
- 厚生労働省 – 重症筋無力症を含む神経・筋疾患に関する難病情報。記事内の重症筋無力症(自己免疫疾患・神経筋接合部障害)の疾患概要・治療方針の根拠として参照
- 日本形成外科学会 – 眼瞼下垂の診断・手術治療(腱膜固定術・前頭筋吊り上げ術など)に関する解説。記事内の眼瞼下垂の原因分類および手術治療の記述の根拠として参照
- PubMed – ホルネル症候群・動眼神経麻痺・甲状腺眼症などの眼科的・神経学的疾患に関する国際医学文献。各疾患の病態・検査・治療に関する医学的根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務