
「もしかして自分はわきがかもしれない…」と気になりながらも、なかなか人に相談できずに悩んでいる方は少なくありません。わきがのセルフチェックには、自宅で手軽に試せるティッシュを使った方法があります。ただし、正確な判断のためにはチェック方法のコツや結果の見方を正しく理解しておく必要があります。この記事では、ティッシュを使ったわきがのセルフチェック方法をはじめ、正確な診断のポイント、わきがの原因、セルフケアの限界と専門的な治療まで、幅広く解説します。
目次
- わきが(腋臭症)とはどんな状態?
- ティッシュを使ったわきがセルフチェックの方法
- チェック結果の見方と判断基準
- ティッシュ以外のわきがセルフチェック方法
- セルフチェックの限界と誤判断が起こる理由
- わきがの原因となるアポクリン汗腺について
- わきがに関係するその他のチェックポイント
- セルフケアでできる対策と限界
- 専門クリニックでの診断と治療の選択肢
- まとめ
この記事のポイント
わきがのセルフチェックは起床後・入浴前にティッシュをわきに当て、臭いや黄色いシミを確認する方法が有効だが、嗅覚の順応により自己判断には限界があるため、気になる場合は専門医への相談が推奨される。
🎯 わきが(腋臭症)とはどんな状態?
わきがは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、わきの下(腋窩)から独特の強い臭いが発生する状態を指します。日本人では比較的少ないとされていますが、実際には体質的な違いによって臭いの強さに個人差があり、軽度のわきがを自覚していない方も含めると一定数の方が該当します。
わきがの臭いは、汗そのものが臭うわけではありません。皮膚にもともと存在している細菌が、汗腺から分泌された汗の成分を分解するときに独特の臭い成分を産生することで発生します。特に、わきがに関係するのは「アポクリン汗腺」という特殊な汗腺であり、この汗腺から分泌される成分が臭いの元となっています。
わきがは遺伝的要因が強く関わっており、家族にわきがの方がいる場合は自分もわきがである可能性が高まります。また、わきがは病気ではないため、健康被害が生じるものではありませんが、臭いによって日常生活や人間関係に影響を与えることがあるため、多くの方が悩みを抱えています。
Q. ティッシュを使ったわきがセルフチェックの正しい手順は?
わきがのティッシュチェックは、起床後・入浴前・制汗剤未使用の状態で行うのが最適です。白いティッシュをわきの下に10〜20秒押し当て、取り外した後に臭いと色を確認します。酸っぱい・動物的なツンとした臭いや、黄色いシミがある場合はわきがの可能性があります。
📋 ティッシュを使ったわきがセルフチェックの方法
ティッシュを使ったわきがのセルフチェックは、自宅で簡単に試せる方法として広く知られています。ただし、正確な結果を得るためには、適切な状況とやり方で行うことが重要です。以下の手順を参考に、慎重に行ってみましょう。
🦠 チェックを行う前の準備
チェックを行う前には、いくつかの準備が必要です。まず、入浴後や制汗剤を使用した直後はチェックを行わないようにします。入浴によって体の汚れや臭いが洗い流された状態では、わきがの臭いが正しく確認できません。また、制汗剤や香水などを使用した場合もこれらの香りが邪魔をして、正確なチェックができなくなります。
チェックを行うのに最適なタイミングは、起床後に入浴前の状態で、かつ制汗剤などを使用していない状態です。一晩寝た後は、わきの下にある汗腺からの分泌が蓄積されているため、臭いを確認しやすい状態になっています。
👴 ティッシュを使ったチェックの手順
ティッシュを使ったチェックは以下の手順で行います。
まず、白色のティッシュペーパーを1〜2枚用意します。白いティッシュを使うことで、ティッシュについた汚れや色の変化も確認できます。次に、用意したティッシュをわきの下(脇毛が生えているあたりの中心部)に押し当て、10〜20秒ほどしっかりと密着させます。このとき、腕を上げた状態でわきの下全体にティッシュが触れるようにしましょう。
ティッシュをわきから取り外したら、ティッシュの臭いを嗅いでみます。このとき、鼻にくっつけすぎず、ティッシュを顔から5〜10cm程度離した距離から確認するとよいでしょう。また、ティッシュの色や状態も観察します。黄色や黄茶色のシミがついていたり、べたつきがある場合は、アポクリン汗腺からの分泌物が付着している可能性があります。
🔸 チェック時の注意点
セルフチェックを行う際には、いくつかの注意点があります。まず、自分自身で臭いを嗅ぐ場合、嗅覚が慣れてしまっているために自分の臭いには気づきにくいことがあります。これを「嗅覚の順応」と言い、長時間同じ臭いにさらされると脳が臭いを感じにくくなる現象です。そのため、チェックの前に一度新鮮な空気を吸い込んでから臭いを確認するとよいでしょう。
また、可能であれば信頼できる家族や親しい友人にティッシュの臭いを確認してもらうことで、より客観的な判断ができます。他者からの意見は、自分では気づきにくい臭いを確認するうえで非常に参考になります。
💊 チェック結果の見方と判断基準
ティッシュを使ったチェックの結果をどのように解釈するかは、多くの方が悩むポイントです。以下の基準を参考に、結果を判断してみてください。
💧 臭いの確認ポイント
ティッシュに臭いがほとんどない、あるいは汗の臭いだけで気になるほどの独特な臭いがない場合は、わきがである可能性は低いと考えられます。
一方、ティッシュに酸っぱいような臭い、動物的なツンとした臭い、あるいはスパイシーで独特の臭いが感じられる場合は、わきがの可能性があります。わきがの臭いは個人差がありますが、一般的には「古い油のような臭い」「カレーのような臭い」「酸味のある独特の臭い」などと表現されることが多いです。
✨ ティッシュの状態の確認ポイント
臭いだけでなく、ティッシュの状態も重要な判断材料になります。ティッシュに黄色や黄茶色のシミがついている場合、これはアポクリン汗腺から分泌された脂質やたんぱく質が含まれた汗が付着したことを示している可能性があります。アポクリン汗腺の分泌物は透明ではなく、乳白色から黄色みがかった色をしており、これが酸化したり細菌によって分解されたりすることで臭いが発生します。
なお、ティッシュの黄色いシミはわきがの可能性を示す一つの目安ですが、これだけで確定診断にはなりません。ワイシャツのわき部分が黄色く変色している場合も同様の理由からわきがのサインと考えられることがありますが、これも参考情報の一つとして捉えてください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、セルフチェックで長期間悩んだ末にご来院される患者様が多く、「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃる方が少なくありません。記事でも触れられているように、嗅覚の順応によって自分自身では臭いに気づきにくいことが多いため、ティッシュによるチェックはあくまで目安として活用していただき、気になる点があれば一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。わきがは適切な診断と治療によって改善できる状態ですので、日常生活への支障を感じていらっしゃる方には、専門医による客観的な評価を受けることを強くおすすめします。」
Q. 自分でわきがの臭いに気づきにくいのはなぜか?
同じ臭いに長時間さらされると脳がその臭いを感じにくくなる「嗅覚の順応」が原因です。自分の体臭は日常的にさらされているため特に気づきにくく、チェック前に新鮮な空気を吸ったり、信頼できる家族や友人にティッシュの臭いを確認してもらったりすることが客観的な判断に有効です。
🏥 よくある質問
起床後、入浴前かつ制汗剤を使用していない状態が最適なタイミングです。一晩寝た後はアポクリン汗腺の分泌物が蓄積されており、臭いを確認しやすい状態になっています。入浴直後や制汗剤・香水使用後は臭いが正確に判断できないため避けてください。
黄色や黄茶色のシミはアポクリン汗腺の分泌物(脂質・たんぱく質を含む汗)が付着したサインである可能性があります。ただし、シミだけで確定診断はできません。臭いの有無や家族歴なども合わせて総合的に判断し、気になる場合は専門医への相談をおすすめします。
「嗅覚の順応」という現象が原因です。同じ臭いに長時間さらされ続けると、脳がその臭いを感じにくくなります。自分の体臭は日常的にさらされているため特に気づきにくく、チェック前に新鮮な空気を吸ったり、信頼できる家族や友人に確認してもらったりすることが有効です。
はい、関係があります。耳垢がべたつく「湿性タイプ」の方は、アポクリン汗腺が活発な体質である可能性が高く、わきがとの関連が知られています。ただし、乾性耳垢でも軽度のわきがの場合があるため、耳垢の状態はあくまで参考指標の一つとして捉えてください。
セルフケア(毎日の洗浄・制汗剤の使用・食事の見直しなど)は臭いを一時的に軽減する効果はありますが、原因であるアポクリン汗腺そのものには働きかけられないため、根本的な改善にはなりません。中等度以上のわきがでセルフケアの効果が不十分な場合は、アイシークリニックなど専門クリニックへのご相談をおすすめします。
📌 判断の目安まとめ
ティッシュを使ったセルフチェックでわきがの可能性が高いと判断できる目安として、以下のポイントが挙げられます。臭いが明らかにある、ティッシュに黄色いシミが残る、家族もわきがである、これらのうち複数に当てはまる場合はわきがの可能性が高いと考えられます。ただし、これはあくまでセルフチェックの目安であり、正確な診断は専門の医師が行う必要があります。
⚠️ ティッシュ以外のわきがセルフチェック方法
ティッシュを使った方法以外にも、わきがをセルフチェックする方法がいくつかあります。これらを組み合わせることで、より精度の高い自己評価が可能になります。
▶️ 耳垢(耳あか)の状態を確認する
わきがの有無と耳垢の状態には関係があることが知られています。耳垢がべたべたとした湿性(しっとりタイプ)の場合、わきがである可能性が高いとされています。これは、耳垢腺もアポクリン汗腺の一種であり、アポクリン汗腺が活発な体質の方は耳垢も湿性になりやすいためです。
日本人の場合、耳垢が乾性(カサカサタイプ)の方が多く、全体の約7割を占めると言われています。湿性の耳垢を持つ方はわきがである可能性が高く、特に湿性耳垢の方がわきがを発症する確率は非常に高いことが研究でも示されています。一方、乾性耳垢の方でも軽度のわきがである場合はゼロではないため、耳垢だけで完全に判断するのは難しいですが、重要な参考指標の一つです。
🔹 衣類の変色や臭いを確認する
日頃から着用している衣類、特にわきの下の部分に黄色いシミが残っていたり、洗濯後も臭いが取れにくかったりする場合は、わきがのサインと考えられます。アポクリン汗腺からの分泌物は通常の汗よりも脂質やたんぱく質を多く含んでおり、これが衣類に付着して変色や臭いの残留を引き起こすことがあります。
また、白いシャツなどの脇部分が繰り返し洗濯しても黄ばみが取れない場合、これはアポクリン汗腺の分泌物が繊維に染み込んでいる可能性があります。
📍 周囲の人の反応を確認する
先にも述べたように、自分自身では嗅覚の順応によって自分の体臭に気づきにくいことがあります。そのため、信頼できる家族やパートナー、親しい友人に率直に聞いてみることも有効な方法です。「私の体から変な臭いがしていないか」と聞ける関係があれば、最も正確なフィードバックが得られます。
💫 脇毛の量と濃さを確認する
わきがの方は脇毛が濃く多い傾向があると言われています。これは、アポクリン汗腺が毛包(もうほう)という毛の根元の組織に付属していることと関係しており、アポクリン汗腺が多い方は毛根も発達しやすい傾向があるとされています。ただし、これはあくまで傾向であり、脇毛が濃くてもわきがでない方もいますし、脇毛が薄くてもわきがの方もいるため、補助的な判断材料の一つとして捉えてください。
Q. 耳垢の状態はわきがの判断材料になるか?
耳垢がべたつく「湿性タイプ」の方は、アポクリン汗腺が活発な体質である可能性が高く、わきがとの関連が知られています。耳垢腺もアポクリン汗腺の一種であるためです。ただし乾性耳垢でも軽度のわきがの場合があるため、耳垢の状態はあくまで複数ある参考指標の一つとして捉えるのが適切です。
🔍 セルフチェックの限界と誤判断が起こる理由
ティッシュを使ったセルフチェックや、その他のセルフチェック方法は、わきがの可能性を探る有効な手段ですが、いくつかの限界があります。これらを理解したうえで、セルフチェックの結果を適切に活用することが大切です。
🦠 嗅覚の順応による誤判断
前述のように、嗅覚は同じ臭いに長時間さらされていると感じにくくなる特性があります。特に自分自身の体臭は日常的にさらされているため、実際には臭いがある場合でも気づきにくくなっています。このため、自分でティッシュの臭いを嗅いでも「臭わない」と判断してしまい、実際にはわきがであるケースが少なくありません。
👴 チェックのタイミングによる変動
わきがの臭いは、一日の中でも変動することがあります。入浴直後や制汗剤使用後は臭いが抑えられており、逆に運動後や緊張した後は汗が増えて臭いが強くなる傾向があります。また、季節や気温によっても発汗量が変わり、臭いの強さに影響します。チェックのタイミングが不適切だと、正確な判断ができない場合があります。
🔸 多汗症や食事の影響による誤判断
わきがでなくても、大量に汗をかく体質(多汗症)の方や、にんにく・カレーなどの臭いの強い食べ物を食べた後は、わきの下から独特の臭いが発生することがあります。これをわきがと誤認するケースがあります。逆に、多汗症とわきがが合併している場合は、通常のわきがよりも臭いが強くなることもあります。
💧 臭いの主観的な評価の難しさ
「どの程度の臭いがわきがと言えるのか」という判断基準は、非常に主観的です。普段から体臭に敏感な方は軽度の臭いでもわきがと感じやすく、逆に体臭に鈍感な方は重度のわきがでも気づかないことがあります。客観的な基準がなければ、セルフチェックだけでは確実な判断は難しいのが実情です。
📝 わきがの原因となるアポクリン汗腺について
わきがを理解するうえで、アポクリン汗腺についての知識は欠かせません。人間の汗腺には大きく分けて2種類あります。「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」です。
✨ エクリン汗腺とは
エクリン汗腺は全身に広く分布しており、体温調節を主な役割としています。エクリン汗腺から分泌される汗はほぼ無臭の塩水に近い成分で構成されており、通常はほとんど臭いがありません。ただし、分泌された汗が長時間皮膚の表面に残ると、皮膚の常在菌によって分解され、臭いが発生することがあります。これがいわゆる「汗の臭い」です。
📌 アポクリン汗腺とは
アポクリン汗腺は特定の部位にのみ存在しています。主な分布部位はわきの下(腋窩)のほか、外耳道(耳あか腺)、乳輪周辺、外性器周辺、肛門周辺などです。アポクリン汗腺は毛包に付属しており、毛穴を通じて分泌物を放出します。
アポクリン汗腺から分泌される汗はエクリン汗腺の汗とは異なり、脂質、たんぱく質、糖質などの有機物を豊富に含んでいます。これらの有機物は皮膚に存在する常在菌(コリネバクテリウムなど)によって分解され、その際に独特の臭い成分(主に3-メチル-2-ヘキセン酸などの脂肪酸)が産生されます。この臭い成分がわきがの主な原因です。
▶️ アポクリン汗腺の活動に影響する要因
アポクリン汗腺の活動は様々な要因に影響されます。まず遺伝的要因が大きく、両親にわきががある場合は子供も高い確率でわきがになるとされています。また、ホルモンバランスも影響しており、思春期になるとアポクリン汗腺が活発になり、臭いが強くなることがあります。さらに、精神的なストレスや緊張、食事内容、体の衛生状態なども臭いの強さに関係します。
Q. わきがのセルフケアと専門治療の違いは何か?
毎日の洗浄・制汗剤の使用・食事の見直しなどのセルフケアは臭いを一時的に軽減できますが、原因であるアポクリン汗腺そのものには働きかけられないため根本的改善にはなりません。中等度以上でセルフケアの効果が不十分な場合は、アポクリン汗腺を直接除去する剪除法やミラドライなど、専門クリニックでの治療を検討することが推奨されます。
💡 わきがに関係するその他のチェックポイント
セルフチェックを行う際には、ティッシュによる確認や耳垢の状態だけでなく、以下のような点も参考になります。
🔹 家族歴の確認
わきがは遺伝性が高い体質です。両親や祖父母、兄弟姉妹にわきがの方がいる場合、自分もわきがである可能性が高まります。特に両親ともにわきがの場合は、子供がわきがになる確率はさらに高くなるとされています。家族歴をチェックすることは、セルフチェックの結果を総合的に判断するうえで重要な情報になります。
📍 臭いが出やすい状況の把握
わきがの臭いは特定の状況で強くなる傾向があります。例えば、緊張したときや精神的ストレスを感じたとき、激しい運動をした後、気温が高い夏場、辛い食べ物やお酒を飲んだ後などです。これらの状況で特に臭いが気になる場合は、わきがの可能性を考慮する必要があります。
💫 思春期以降に臭いが強くなった経緯の確認

アポクリン汗腺は思春期になると急激に活発化します。思春期(男性では12〜14歳頃、女性では10〜12歳頃)を境に体臭が強くなったと感じる場合、アポクリン汗腺の活動が増加したことが原因の一つとして考えられます。この時期から臭いが気になるようになった場合は、わきがのセルフチェックを行ってみる価値があります。
✨ セルフケアでできる対策と限界
わきがの臭いを和らげるためのセルフケア方法はいくつかあります。ただし、これらはあくまで臭いを一時的に抑える対策であり、わきがの根本的な改善にはなりません。
🦠 毎日の清潔を保つ
わきがの臭いは皮膚常在菌がアポクリン汗腺の分泌物を分解することで発生します。そのため、わきの下を毎日しっかり洗い、菌の増殖を抑えることが基本的なセルフケアになります。シャワーや入浴の際に、低刺激性の石けんやボディソープを使ってわきの下を丁寧に洗いましょう。ただし、過度なこすり洗いは肌を傷つけてしまうため、優しく丁寧に洗うことを心がけてください。
👴 制汗剤・デオドラント剤の使用
市販の制汗剤やデオドラント剤は、汗の量を抑えたり(制汗作用)、菌の増殖を抑えたり(抗菌作用)、臭いを覆ったり(マスキング効果)することで、体臭対策に役立ちます。ただし、これらは根本的な治療ではなく、一時的に臭いを抑える効果しかありません。また、アポクリン汗腺の分泌物が原因のわきがには、通常の制汗剤では効果が限られるケースもあります。
🔸 食事の見直し
食事内容も体臭に影響することがあります。動物性脂肪を多く含む食事、にんにく、玉ねぎ、カレーなどの臭いの強い食材、アルコール類などは体臭を強くする傾向があります。これらの食材を控えることで、臭いを多少和らげることができる可能性があります。ただし、食事の見直しだけでわきがの臭いを完全になくすことはできません。
💧 脇毛の処理
脇毛はアポクリン汗腺の分泌物が付着しやすく、細菌も繁殖しやすい環境を作ります。脇毛を剃ることで、細菌が繁殖する面積を減らし、清潔を保ちやすくなるため、臭いをある程度軽減できる場合があります。ただし、脇毛を処理してもアポクリン汗腺そのものが減るわけではないため、根本的な解決にはなりません。
✨ 衣類の素材選び
通気性の良い素材(コットンや吸汗速乾素材)の衣類を選ぶことで、汗がこもりにくくなり、細菌が繁殖しにくい環境を作れます。また、わきの下の部分に汗取りパッドを活用することで、衣類への汗の付着を減らし、臭いを抑える効果が期待できます。
📌 セルフケアの限界について
上記のセルフケアは体臭を一時的に軽減する手助けにはなりますが、わきがの根本的な原因であるアポクリン汗腺そのものに働きかけるものではありません。中等度から重度のわきがの場合、セルフケアだけでは十分な効果が得られないことが多く、日常生活への支障が続く場合は専門医への相談を検討することが大切です。
📌 専門クリニックでの診断と治療の選択肢
セルフチェックでわきがの可能性があると感じた場合や、セルフケアでは十分な効果が得られない場合は、専門のクリニックへの相談をおすすめします。専門医による診断は、セルフチェックとは異なり客観的かつ正確なものです。
▶️ 専門クリニックでの診断方法
専門クリニックでは、医師が直接視診や問診を行い、わきがの診断を行います。ガーゼや綿棒を使ってわきの下の分泌物を採取し、臭いや色を確認する方法(ガーゼテスト)が一般的に用いられます。また、アポクリン汗腺の数や活動状況を評価するための検査が行われることもあります。
診断では、わきがの程度(軽度・中等度・重度)を評価することで、適切な治療方法を選択します。また、多汗症が合併している場合はその評価も行われます。
🔹 わきがの主な治療法
わきがの治療法には大きく分けて「外科的治療」と「非外科的治療(保存的治療)」があります。どちらの方法が適しているかは、わきがの程度や患者様のライフスタイル、希望などによって異なります。
外科的治療としては、剪除法(せんじょほう)と呼ばれる、わきの下の皮膚の一部を切開してアポクリン汗腺を直接取り除く手術が代表的です。アポクリン汗腺を物理的に除去するため、高い効果が期待できます。また、傷跡が小さくて済む方法として、吸引法(アポクリン汗腺を吸引して除去する方法)や、マイクロ波を使ってアポクリン汗腺を破壊するミラドライなどの方法もあります。
非外科的治療としては、ボツリヌストキシン(ボトックス)注射があります。わきの下にボツリヌストキシンを注射することで、神経の働きを一時的に抑制し、汗の分泌を減少させる効果があります。ただし、効果は永続的ではなく、数ヶ月〜1年程度で効果が薄れるため、定期的な治療が必要です。わきがよりも多汗症に対する有効性が高いとされています。
📍 治療を検討するタイミング
以下のような状況に当てはまる場合は、専門クリニックへの相談を検討してください。セルフケアを継続しても臭いが気になる、周囲から体臭を指摘されたことがある、臭いによって人間関係や仕事・学校生活に支障をきたしている、わきがが原因で自信を持って日常生活が送れない、などが該当します。
わきがは決して恥ずかしい状態ではありませんが、臭いによって日常生活の質が低下している場合は、専門家のサポートを受けることが最善の選択です。アイシークリニック池袋院では、わきがに悩む方のご相談を受け付けており、患者様一人ひとりに合った治療プランをご提案しています。セルフチェックで気になる点があった場合は、気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
わきがのセルフチェックにはティッシュを使った方法が手軽で有効ですが、正確な判断のためには適切なタイミングとやり方で行うことが大切です。チェックの際は、入浴前や制汗剤使用前の状態で、ティッシュをわきに押し当てた後の臭いや色の変化を確認します。また、耳垢の状態、衣類の変色、家族歴なども合わせてチェックすることで、より精度の高い自己評価が可能になります。
ただし、セルフチェックには嗅覚の順応や主観的な評価の難しさなど限界もあります。セルフケアとして毎日の清潔、制汗剤の使用、食事の見直しなどを取り入れながら、それでも臭いが気になる場合や日常生活に支障をきたしている場合は、専門クリニックへの相談をおすすめします。わきがは適切な治療によって改善できる状態です。一人で悩まずに、専門家の力を借りることを検討してみてください。
📚 関連記事
- ワキガはなぜなる?原因・メカニズムから治療法まで徹底解説
- 脇の匂いを消す方法を徹底解説|原因から対策・治療まで
- アポクリン腺手術の種類・効果・リスクを徹底解説|わきがを根本から治す方法
- ワキガは汗をかかなければ臭わない?臭いの原因と対策を解説
- ワキガの伝え方完全ガイド|家族・恋人・職場での正しい伝え方
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 腋臭症(わきが)の診断基準・病態・治療に関するガイドラインおよび皮膚科学的知見(アポクリン汗腺の構造・機能、臭い成分の産生メカニズム等)
- 日本形成外科学会 – わきが(腋臭症)に対する外科的治療(アポクリン汗腺切除術等)の適応・術式・安全性に関する形成外科学的情報
- PubMed – 腋臭症の原因物質(3-メチル-2-ヘキセン酸等の脂肪酸)・耳垢型との遺伝的関連・アポクリン汗腺の分泌メカニズムに関する国際学術論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務