
🙋 「なんで緊張してないのに手が…」そのお悩み、放っておくとどんどん悪化するかもしれません。
💦 握手のたびに気まずい思い…
📄 書類や電子機器に触れるのが怖い…
😰 緊張していないのに手汗が止まらない…
それ、意志の弱さでも性格の問題でもなく、「手掌多汗症」という医学的な疾患です。
約7〜8割の患者さんに改善が期待できるので、ひとりで悩まないでください。
📖 この記事を読むとわかること
- ✅ 手汗が止まらない本当の原因
- ✅ 今日からできるセルフケア方法
- ✅ 市販薬〜手術まで段階別の治療法
- ✅ 受診のベストタイミング
🚨 放置するとこんなリスクが…
手汗は自然に治ることはほぼありません。仕事・恋愛・人間関係への影響が積み重なり、精神的なストレスで症状がさらに悪化する悪循環に陥りやすいです。
目次
- 手汗(手掌多汗症)とはどんな状態か
- 手汗が起こる主な原因
- 手汗が日常生活に与える影響
- 自分でできる手汗を抑える方法
- 市販品・外用薬で手汗を抑える方法
- 医療機関で受けられる手汗の治療法
- 手汗の治療を選ぶときのポイント
- 手汗対策を始めるタイミングと受診の目安
- まとめ
この記事のポイント
手掌多汗症は日本人の約5〜8%に見られる医学的疾患で、自律神経の過剰反応や遺伝が主因。セルフケア・外用薬から、イオントフォレーシス・ボツリヌストキシン注射・手術まで段階的な治療法があり、アイシークリニック池袋院では約7〜8割の患者に改善が期待できる。
💡 手汗(手掌多汗症)とはどんな状態か
手汗とは、手のひらに必要以上の汗をかく状態のことを指します。医学的には「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」と呼ばれ、多汗症の中でも特に多く見られるタイプです。
汗は体温調節のために必要不可欠な生理的機能であり、暑いときや運動をしたときに汗をかくのは正常な反応です。ところが、多汗症の場合は体温調節の必要がない状況でも大量の汗をかいてしまいます。手掌多汗症では特に、緊張していないときや涼しい環境にいるときでも、手のひらがびっしょりと濡れるほどの汗をかくことがあります。
手掌多汗症は日本人の約5〜8%に見られると言われており、決して珍しい状態ではありません。思春期に発症することが多く、精神的なストレスがかかる状況で悪化しやすい傾向があります。ただし、睡眠中や安静時には汗が少なくなるという特徴もあります。これは、感情や精神的な刺激に反応しやすいエクリン汗腺が手のひらに多く集中しているためです。
多汗症には大きく分けて、特定の原因がある「続発性(二次性)多汗症」と、原因が明らかでない「原発性(一次性)多汗症」の2種類があります。手掌多汗症の多くは原発性であり、体質的・遺伝的な要素が関係していると考えられています。
Q. 手掌多汗症とはどのような疾患ですか?
手掌多汗症とは、手のひらに体温調節の必要がない状況でも過剰な汗をかく医学的疾患です。日本人の約5〜8%に見られ、珍しくありません。思春期に発症しやすく、睡眠中や安静時には発汗が少なくなる特徴があります。多くは遺伝的・体質的な原因による原発性多汗症です。
📌 手汗が起こる主な原因
手汗の原因を正しく理解することは、適切な対処法を選ぶうえでとても重要です。手汗が起こるメカニズムや要因について詳しく見ていきましょう。
✅ 自律神経の過剰な働き
手のひらの汗腺は、自律神経の一つである交感神経によってコントロールされています。交感神経が過剰に興奮すると、汗腺への刺激が強まり、大量の汗が分泌されます。手掌多汗症の方は、通常の人よりも交感神経が敏感に反応しやすい傾向があるとされています。
人前に出る場面や緊張する状況で手汗が増えるのは、精神的なストレスが交感神経を刺激するためです。しかし、手掌多汗症では特にストレスがない状況でも同様の反応が起きることがあります。
📝 遺伝的要因
家族に多汗症の方がいる場合、手掌多汗症を発症しやすいと言われています。研究によると、手掌多汗症患者の約30〜65%に家族内での発症が確認されているという報告もあります。遺伝的に交感神経が興奮しやすい体質を持っている可能性があります。
🔸 精神的・感情的なストレス
緊張、不安、興奮、恐怖などの感情は交感神経を刺激します。試験やプレゼン、初対面の場面など、ストレスがかかる状況では誰でも多少手汗をかきますが、手掌多汗症の方はこの反応が著しく強く現れます。
また、「また手汗をかいてしまうかもしれない」という不安そのものがさらなる発汗を引き起こす悪循環に陥ることも少なくありません。
⚡ 続発性多汗症の原因となる疾患
一部の手汗は、他の疾患や薬剤の影響によって引き起こされることがあります。甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、糖尿病、心疾患、感染症、悪性腫瘍、自律神経障害などが続発性多汗症の原因となり得ます。また、一部の薬剤(解熱鎮痛薬、抗うつ薬など)が副作用として発汗を増やすことがあります。このような場合は、原因となっている疾患や薬剤に対処することが根本的な解決につながります。
🌟 気温・環境の影響
夏場の高温や湿度の高い環境では誰でも汗をかきやすくなりますが、手掌多汗症の方は特にこの影響を受けやすく、症状が悪化しやすい傾向があります。ただし、前述のように手掌多汗症の発汗は体温調節とは必ずしも連動していないため、涼しい環境でも症状が現れることが特徴です。
✨ 手汗が日常生活に与える影響
手汗は単なる不快感にとどまらず、さまざまな場面で日常生活に支障をきたすことがあります。その影響を理解することで、適切な対策を講じる動機にもなるでしょう。
💬 仕事・学業への影響
書類やノートが濡れてしまう、スマートフォンやタブレットのタッチパネルが反応しにくくなる、キーボードが濡れて不衛生になるなど、仕事や学業の場面で具体的な支障が生じることがあります。また、大切な書類や試験の答案用紙が手汗で汚れてしまうという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
✅ 対人関係・社会的場面への影響
握手をする場面や人と手を繋ぐ場面で強い抵抗感を感じたり、ドアノブや手すりを触ることを躊躇したりする方もいます。就職活動の面接や商談など、重要な場面での握手が必要なときに特に強いストレスを感じる方も少なくありません。
📝 精神的な影響
手汗への羞恥心や不安から、人との接触を避けるようになったり、社会的な場面を避けるようになったりするケースもあります。特に思春期の若者では、自己肯定感の低下や社会不安障害のような状態につながることもあるため、軽視できない問題です。調査によると、手掌多汗症患者の多くが生活の質(QOL)の著しい低下を経験していると報告されています。
🔸 趣味・スポーツへの影響
楽器の演奏(ギター、ピアノなど)、スポーツ(テニス、ゴルフ、クライミングなど)、絵画やデザインなど、手先を使う趣味や活動にも大きな影響を与えます。楽器の弦が滑ったり、スポーツ用品のグリップが効かなくなったりすることで、パフォーマンスが著しく低下することがあります。
Q. 手汗の原因として考えられる要因は何ですか?
手汗の主な原因は、交感神経の過剰な興奮です。精神的ストレスや緊張が交感神経を刺激し、手のひらの汗腺から大量の汗が分泌されます。また、遺伝的要因も大きく、患者の約30〜65%に家族内発症が確認されています。甲状腺疾患などが原因となる続発性多汗症のケースもあります。
🔍 自分でできる手汗を抑える方法
まずは日常生活の中で取り組める手汗対策から始めてみましょう。完全に症状をなくすことは難しい場合もありますが、適切なセルフケアで症状を和らげることができます。
⚡ ストレス管理・リラクゼーション
精神的なストレスが手汗を悪化させる大きな要因となるため、ストレスを適切に管理することが重要です。深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法を日常的に取り入れることで、交感神経の過剰な興奮を抑える効果が期待できます。
特に「腹式呼吸」は副交感神経を優位にしてリラックス状態をつくる効果があります。緊張する場面の前に、鼻からゆっくりと息を吸ってお腹を膨らませ、口からゆっくりと吐き出す腹式呼吸を数回繰り返すだけでも、交感神経の興奮を落ち着かせる助けになります。
🌟 食事・生活習慣の見直し
辛い食べ物、アルコール、カフェインは交感神経を刺激して発汗を増やすことがあるため、手汗が気になる方は摂取量を控えめにするとよいでしょう。また、刺激物を避けるだけでなく、規則正しい生活リズムを保つことも自律神経のバランスを整えるうえで重要です。
十分な睡眠をとることも大切です。睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、手汗を悪化させる可能性があります。毎日同じ時間に就寝・起床するよう心がけることで、自律神経の安定につながります。
💬 手を清潔に保つ・適切なケア
手汗をこまめに拭き取ることは、雑菌の繁殖を防ぎ、臭いや皮膚トラブルを予防するために大切です。ただし、拭き取りすぎると皮膚が乾燥してかえって手荒れを起こすことがあるため、清潔なタオルやハンカチで優しく押さえるように拭くことをお勧めします。
制汗成分を含んだハンドクリームや保湿剤を使用することで、皮膚のバリア機能を保ちながら発汗をある程度抑える効果も期待できます。
✅ 認知行動療法的なアプローチ
「手汗が出てしまうとどうしよう」という不安な気持ちが発汗をさらに悪化させる場合、その思考パターン自体を見直すことも有効なアプローチです。心理的なサポートや認知行動療法によって、手汗に対する過度な恐れや不安を軽減することで、症状の改善につながることがあります。

💪 市販品・外用薬で手汗を抑える方法
セルフケアだけでは不十分な場合、市販の制汗剤や薬局で入手できる製品を活用する方法もあります。
📝 塩化アルミニウム含有の制汗剤
塩化アルミニウムは、汗腺の開口部を一時的にふさいで発汗を抑える作用を持つ成分です。市販の制汗スプレーやロールオンタイプの製品に含まれており、比較的手軽に試すことができます。
皮膚の乾いた状態(就寝前など)に手のひらに薄く塗布し、翌朝洗い流す方法が一般的です。効果の出方には個人差がありますが、継続して使用することで徐々に発汗量が減少してくることがあります。ただし、皮膚への刺激が強い場合は使用を中断し、医師に相談することをお勧めします。
🔸 医師処方の外用薬(塩化アルミニウム高濃度製剤)
市販の制汗剤よりも高濃度の塩化アルミニウムを含む外用薬は、医療機関で処方してもらうことができます。一般的に市販品の濃度が10〜15%程度であるのに対し、医師処方の製剤では20〜25%程度のものが使用されることがあります。効果は高い反面、皮膚への刺激も強くなるため、医師の指導のもとで使用することが重要です。
⚡ 漢方薬
西洋医学的な治療と並行して、または補完的な手段として漢方薬が使用されることがあります。「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」や「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」などが多汗症に対して用いられることがありますが、効果は個人差が大きく、すべての方に効果があるとは限りません。漢方薬を選ぶ際は、自己判断せず漢方専門医や薬剤師に相談することをお勧めします。
Q. 手汗に対して医療機関ではどんな治療が受けられますか?
医療機関では、手を水に浸して弱電流を流す「イオントフォレーシス」、汗腺への神経信号を遮断する「ボツリヌストキシン注射」、全身に作用する「抗コリン薬の内服」、外科的な「交感神経遮断術(ETS)」などが受けられます。アイシークリニック池袋院では複数の治療を組み合わせ、約7〜8割の方に改善が期待できます。
🎯 医療機関で受けられる手汗の治療法
セルフケアや市販品では十分な効果が得られない場合、医療機関での専門的な治療が必要になることがあります。現在、手掌多汗症に対するさまざまな治療法が確立されており、症状の程度やライフスタイルに合わせて選択することができます。
🌟 イオントフォレーシス
イオントフォレーシスは、水を入れたトレイに手を浸し、弱い電流を通すことで汗腺の機能を一時的に抑制する治療法です。電流が汗腺の開口部に作用し、発汗を抑えると考えられています。
1回の治療時間は20〜30分程度で、週に2〜3回の頻度で行うことが一般的です。最初の数週間で効果が現れ始め、一定の効果が出た後は維持療法として間隔を空けて続けることが多いです。副作用が少なく安全性が高い治療法であり、手掌多汗症に対する第一選択の治療法の一つとして位置付けられています。ただし、効果の継続には定期的な治療継続が必要であり、治療をやめると症状が再び現れることがほとんどです。妊娠中の方やペースメーカーを使用している方は使用できません。
💬 ボツリヌストキシン注射
ボツリヌストキシン(ボトックス)注射は、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を一時的にブロックすることで、汗腺への刺激を遮断し発汗を抑制する治療法です。美容医療でも広く使われているボツリヌストキシンを、手のひらの複数の箇所に細い注射針で注入します。
効果の持続期間は個人差がありますが、一般的に4〜9か月程度とされており、効果が薄れてきたら再度注射を行います。治療後1〜2週間程度で効果が現れ始め、手汗が大幅に減少することが期待できます。手掌多汗症に対する効果は高く、多くの患者さんが満足度の高い結果を得ています。
手のひらには神経や血管が多いため、施術に伴う痛みが比較的強い場合があります。麻酔クリームや冷却などで痛みを和らげる対応をしている医療機関もあります。稀に一時的な手の力の入りにくさ(筋力低下)が生じることがありますが、通常は数週間で回復します。費用は保険適用外となることが多く、自費診療での費用がかかります。
✅ 内服薬(抗コリン薬)
抗コリン薬は、汗腺への神経信号の伝達をブロックすることで全身の発汗を抑制する薬です。手掌多汗症に対して内服薬として処方されることがあります。手軽に服用できるというメリットがある一方で、口の渇き、視力のぼやけ、便秘、尿閉などの副作用が生じる可能性があります。
全身に作用するため、手だけでなく全身の発汗が抑制されます。副作用の出方や効果は個人差が大きいため、医師と相談しながら用量を調整することが重要です。緑内障や前立腺肥大症などがある方には使用できない場合があります。
なお、2023年に「エクロックゲル(オキシブチニン塩酸塩ゲル)」が原発性腋窩多汗症に対して承認されましたが、手掌多汗症に対する適応については医師に確認が必要です。
📝 胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)
胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS:Endoscopic Thoracic Sympathectomy)は、手のひらへの発汗を支配している交感神経を外科的に遮断する手術です。即効性があり、効果が長期間持続するという特徴があります。
全身麻酔下で行われる手術であり、胸腔鏡を使って胸部の交感神経を切断またはクリップでブロックします。手術時間は比較的短く(30分〜1時間程度)、日帰りから数日の入院で行われることが多いです。
最大の問題点は「代償性発汗(代償性多汗症)」と呼ばれる副作用です。手の発汗が抑制される一方で、背中、胸、腹部などに以前よりも大量の汗をかくようになることがあります。代償性発汗の頻度は報告によって異なりますが、高い割合で発生するとされており、中には手汗よりも代償性発汗の方が日常生活に支障をきたすと感じる方もいます。
このような理由から、ETSは他の治療法で十分な効果が得られない重症例において検討される治療法であり、術前に代償性発汗のリスクについて十分に説明を受け、慎重に選択することが重要です。保険適用で受けられる場合がありますが、医療機関によって異なります。
🔸 ミラドライ(マイクロ波療法)

ミラドライはマイクロ波エネルギーを使って汗腺を破壊する治療法で、主に腋窩多汗症(ワキ汗)に対して使用されます。手掌多汗症への適応については、手のひらの構造上の制限から現時点では一般的に行われていない治療法です。
⚡ 塩化アルミニウム高濃度外用療法(医師処方)
先述のように、医療機関では市販品よりも高い濃度の塩化アルミニウム製剤を処方してもらうことができます。軽度〜中等度の手掌多汗症に対して試みられる治療法の一つです。
💡 手汗の治療を選ぶときのポイント
様々な治療法がある中で、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。治療法を選ぶ際には、以下のようなポイントを考慮することが重要です。
🌟 症状の重症度で考える
手掌多汗症の重症度は、「HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)」という指標でグレード1〜4に分類されることがあります。軽度(グレード1〜2)の場合はセルフケアや外用薬から始め、中等度〜重度(グレード3〜4)の場合はボツリヌストキシン注射やイオントフォレーシスなどの医療的治療を検討するというアプローチが一般的です。
自分の症状がどの程度なのかを客観的に評価するためにも、まず医療機関を受診して医師に診てもらうことをお勧めします。
💬 効果の継続性と通院頻度
イオントフォレーシスは効果の継続には定期的な通院が必要ですが、安全性が高くリスクが少ない治療法です。一方、ボツリヌストキシン注射は効果が数か月間持続するため、通院頻度が少なくて済みますが費用がかかります。手術(ETS)は長期的な効果が期待できますが、代償性発汗のリスクがあります。
自分のライフスタイルや通院できる頻度、費用面などを考慮して、医師と相談しながら選択することが大切です。
✅ 費用と保険適用について
治療法によって保険適用の有無が異なります。イオントフォレーシスは保険適用で受けられる医療機関があります。外科的な交感神経遮断術も保険適用となる場合があります。一方、ボツリヌストキシン注射は手掌多汗症に対しては自由診療となることが多く、費用は医療機関によって異なります。
費用の負担を考慮しながら、まずは保険適用の治療から試してみて、十分な効果が得られない場合に自費診療の治療を検討するという順序で考えると、経済的な負担を抑えやすくなります。
📝 副作用・リスクを十分に理解する
どの治療法にも一定のリスクや副作用があります。特に外科的治療(ETS)は不可逆的な変化をもたらす可能性があるため、事前に十分な情報収集と医師との相談が欠かせません。医師から説明を受けた際には不明な点を遠慮なく質問し、納得したうえで治療を受けることが重要です。
Q. 手汗は何科を受診すればよいですか?
手掌多汗症は皮膚科・形成外科・多汗症専門外来で診療を受けられます。まずかかりつけ医や皮膚科に相談し、必要に応じて専門医療機関への紹介を依頼する方法が一般的です。受診の際は、症状が始まった時期・頻度・困っている場面・家族歴などをメモしておくと、医師へ正確に症状を伝えやすくなります。
📌 手汗対策を始めるタイミングと受診の目安
手汗の悩みを抱えながらも、「病院に行くほどではないかもしれない」「どの科を受診すればいいかわからない」と感じて受診を躊躇している方は多いようです。ここでは、医療機関への受診を考えるタイミングと、受診先の選び方について解説します。
🔸 受診を考えるサイン
以下のような状況が当てはまる場合は、医療機関への受診を検討してみてください。
手汗によって仕事、学業、対人関係に具体的な支障が出ている場合は、セルフケアだけでは対処が難しいことが多く、専門家のサポートが有効です。手汗のことが頭から離れず、心理的な苦痛が大きい場合も受診の一つの目安となります。
また、急に手汗がひどくなった場合や、手以外にも全身的な発汗が増えた場合、体重減少や動悸など他の症状を伴う場合は、甲状腺疾患などの内科的疾患が隠れている可能性があるため、早めに受診することが重要です。
⚡ 受診先の選び方
手掌多汗症の治療は、皮膚科、形成外科、または多汗症専門外来で受けることができます。まずはかかりつけの医師や皮膚科に相談し、必要に応じて専門医療機関を紹介してもらうとよいでしょう。
クリニックを選ぶ際は、多汗症の治療経験が豊富で、複数の治療オプションを提案できる医療機関を選ぶことが重要です。治療方針について丁寧に説明してくれる医師のもとで治療を受けることで、安心して治療に臨むことができます。
🌟 受診前に準備しておくとよいこと
受診の際は、手汗が気になり始めた時期、症状の頻度や程度、困っている場面、家族に同様の症状がある人がいるかどうかなどをメモしておくと、医師に症状を正確に伝えやすくなります。また、現在服用している薬がある場合は、そのリストも持参するとよいでしょう。
手汗の悩みは決して恥ずかしいことではなく、医学的に認められた疾患です。「こんなことで病院に行っていいのかな」と遠慮せず、積極的に専門家に相談することで、より快適な生活を取り戻すことができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「手掌多汗症は「たかが手汗」と我慢されている方が多い印象ですが、当院では受診された患者様の多くが、日常生活や対人関係における精神的な負担を長年抱えていたとおっしゃいます。最近の傾向として、イオントフォレーシスやボツリヌストキシン注射など複数の治療選択肢を組み合わせることで、約7〜8割の方に満足いただける改善が期待できるようになっています。」
✨ よくある質問
手掌多汗症は日本人の約5〜8%に見られると言われており、決して珍しい疾患ではありません。思春期に発症することが多く、遺伝的な要因も関係しているとされています。「体質だから仕方ない」と諦める必要はなく、適切な治療によって症状の改善が期待できます。
主な治療法として、水に手を浸して弱い電流を流す「イオントフォレーシス」、汗腺への神経信号をブロックする「ボツリヌストキシン注射」、全身に作用する「抗コリン薬の内服」、外科的な「交感神経遮断術(ETS)」などがあります。症状の重症度やライフスタイルに合わせて、医師と相談しながら選択することが大切です。
ボツリヌストキシン注射の効果の持続期間は個人差がありますが、一般的に4〜9か月程度とされています。効果が薄れてきたら再度注射を行います。治療後1〜2週間程度で効果が現れ始め、多くの方が満足度の高い結果を得ています。なお、手掌多汗症への適用は自費診療となることが多いため、費用については事前に医療機関へご確認ください。
手掌多汗症は、皮膚科・形成外科・多汗症専門外来で診てもらうことができます。まずはかかりつけ医や皮膚科に相談し、必要に応じて専門医療機関を紹介してもらう方法が一般的です。当院(アイシークリニック池袋院)でも手汗(多汗症)に関するご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
日常生活でできる対策として、腹式呼吸や瞑想などによるストレス管理、辛い食べ物・アルコール・カフェインの摂取を控えること、十分な睡眠と規則正しい生活リズムの維持などが挙げられます。また、塩化アルミニウムを含む市販の制汗剤を就寝前に使用する方法も、軽度の症状には一定の効果が期待できます。
🔍 まとめ
手汗(手掌多汗症)は、自律神経の過剰な反応や遺伝的な体質などが原因で引き起こされる医学的な状態です。日常生活や対人関係に大きな影響を与え、精神的な苦痛を伴うことも多いですが、適切な治療や対策によって症状を大幅に改善することが可能です。
手汗を抑える方法としては、ストレス管理や生活習慣の改善といったセルフケアから始まり、塩化アルミニウム含有の制汗剤の使用、そして医療機関でのイオントフォレーシス、ボツリヌストキシン注射、内服薬(抗コリン薬)、外科的な交感神経遮断術まで、段階的にさまざまな選択肢があります。
治療法を選ぶ際は、症状の重症度、効果の持続性、副作用のリスク、費用、通院の頻度などを総合的に考慮し、医師と十分に相談したうえで決定することが大切です。軽度の症状ならばセルフケアや外用薬で対処できる場合もありますが、日常生活に支障が出ている場合や精神的な苦痛が大きい場合は、早めに医療機関に相談することをお勧めします。
手汗は我慢するものでも、恥ずかしいと感じるものでもありません。適切なサポートを受けながら、より快適で自信を持った毎日を送るための第一歩を踏み出してみてください。
📚 関連記事
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 手掌多汗症の診断基準・重症度分類(HDSS)・治療ガイドラインに関する情報。イオントフォレーシスやボツリヌストキシン注射など各治療法の推奨度・エビデンスの参照元として適切。
- 厚生労働省 – 抗コリン薬(エクロックゲル等)の承認情報および医薬品の適応・副作用に関する公式情報の参照元として適切。薬剤の保険適用状況の確認にも有用。
- PubMed – 手掌多汗症の有病率・家族内発症率(30〜65%)・各治療法の有効性・代償性発汗の発生頻度など、記事内で言及している統計データや臨床的エビデンスの参照元として適切。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務