体温調節ができない原因となる病気とは?症状・対処法を解説

「夏なのに寒くて仕方ない」「冬でも汗が止まらない」「周りの人が快適なのに自分だけ暑い・寒い」――こうした体温調節のトラブルを感じたことはありませんか?体温調節ができないという状態は、単なる体質の問題ではなく、さまざまな病気が隠れているサインである可能性があります。体温調節には脳・自律神経・ホルモン・皮膚など多くの器官が関わっているため、そのどこかに異常が生じると、体温を適切にコントロールできなくなります。この記事では、体温調節ができない原因となる病気について、わかりやすく詳しく解説します。自分や家族の症状が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。


目次

  1. 体温調節のしくみとは
  2. 体温調節ができないとはどういう状態か
  3. 体温調節ができない原因となる主な病気
  4. 甲状腺疾患と体温調節障害
  5. 自律神経失調症と体温調節障害
  6. 更年期障害と体温調節障害
  7. 糖尿病と体温調節障害
  8. 貧血・低血圧と体温調節障害
  9. 脳・神経系の疾患と体温調節障害
  10. その他の疾患・状態と体温調節障害
  11. 子どもの体温調節障害について
  12. 体温調節ができないときに受診すべき診療科
  13. 日常生活でできる対処法
  14. まとめ

この記事のポイント

体温調節ができない原因には甲状腺疾患・自律神経失調症・更年期障害・糖尿病・貧血などが挙げられる。症状が長引く場合は体質と判断せず医療機関への受診が推奨される。

🎯 体温調節のしくみとは

人間の体は、外気温が変化しても体温をほぼ一定(約36〜37℃)に保つ精巧なシステムを持っています。この体温調節を担っているのが、脳の「視床下部」と呼ばれる部位です。視床下部は体内の「サーモスタット」として機能し、体温の変化を常に監視しています。

暑いと感じたときには、皮膚の血管を拡張して熱を外に逃がしたり、汗をかいて気化熱で体温を下げたりします。反対に寒いときには、血管を収縮させて熱の放散を防ぎ、筋肉を震わせることで熱を生み出します。こうした反応はすべて自律神経を介して行われており、意識的にコントロールできるものではありません。

また、体温調節には甲状腺ホルモンや副腎皮質ホルモン、インスリンなどのホルモンも深く関与しています。これらのホルモンが基礎代謝を調整することで、体内での熱産生量がコントロールされています。さらに、血液循環も体温調節に欠かせない要素です。血液が全身に熱を運ぶことで、均一な体温分布が保たれます。

このように、体温調節は脳・神経・ホルモン・血液循環という複数のシステムが連携して初めて正常に機能します。そのため、いずれかのシステムに異常が生じると、体温調節ができなくなるという状態が起こります。

Q. 体温調節のしくみはどのように機能していますか?

体温調節は、脳の「視床下部」がサーモスタットとして機能し、自律神経・ホルモン・血液循環と連携して体温を約36〜37℃に維持します。暑いときは血管拡張・発汗で熱を逃がし、寒いときは血管収縮・筋肉の震えで熱を生み出します。

📋 体温調節ができないとはどういう状態か

「体温調節ができない」という状態にはいくつかのパターンがあります。代表的なものとして、以下のような症状が挙げられます。

まず「暑がり・多汗」のパターンです。気温が高くなくても過度に暑さを感じ、大量に汗をかく状態です。甲状腺機能亢進症や更年期障害、自律神経の乱れなどで見られます。

次に「寒がり・冷え性」のパターンです。気温が低くなくても強い寒さを感じ、手足の末端が冷え切ってしまう状態です。甲状腺機能低下症や貧血、低血圧などで生じやすい症状です。

また「体温が一定しない・変動する」パターンもあります。短時間のうちに体が熱くなったり冷えたりを繰り返したり、朝と夜で体温差が大きかったりする状態です。これは自律神経失調症や更年期障害に多く見られます。

さらに「体温が上がらない・下がらない」という状態も問題です。発熱時に体温が下がりにくい、または平熱が低すぎる・高すぎるという状態です。

これらの症状が長期間続いたり、日常生活に支障をきたすほど強かったりする場合は、何らかの病気が原因である可能性を考える必要があります。単なる体質の問題と片付けずに、医療機関での相談を検討することが重要です。

💊 体温調節ができない原因となる主な病気

体温調節ができなくなる病気は非常に多岐にわたります。内分泌系(ホルモン)の病気、神経系の病気、循環器の病気、精神・心理的な病気など、さまざまな分野の疾患が関係します。

特に多いのは甲状腺疾患・自律神経失調症・更年期障害・糖尿病・貧血などです。これらは比較的一般的な疾患であり、多くの方が気づかないまま体温調節の問題を抱えていることがあります。

また、脳や脊髄の病気、感染症、腎不全、肝不全など、より深刻な疾患が体温調節障害を引き起こすこともあります。さらに薬の副作用も見逃せない原因のひとつです。

以下では、それぞれの疾患について詳しく解説していきます。

🏥 甲状腺疾患と体温調節障害

体温調節ができない原因として最も代表的なものの一つが、甲状腺疾患です。甲状腺は首の前にある蝶の形をした小さな臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。この甲状腺ホルモンは体全体の代謝を調整する働きを持っており、体温にも大きく影響します。

甲状腺機能が亢進(過剰に活性化)した状態では、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。代表的な疾患が「バセドウ病」です。甲状腺ホルモンが過剰になると代謝が上がりすぎて体熱の産生が増加し、常に暑く感じたり、大量の汗をかいたりするようになります。それ以外にも、動悸・体重減少・イライラ感・手の震え・眼球突出(バセドウ病特有の症状)なども現れます。

反対に甲状腺機能が低下した状態では、代謝が落ちて体熱の産生が減少します。代表的な疾患が「橋本病(慢性甲状腺炎)」や「甲状腺機能低下症」です。これらの疾患では、常に寒く感じたり、手足が冷えたり、低体温になりやすかったりします。また、むくみ・疲労感・体重増加・便秘・皮膚の乾燥・脱毛なども伴うことが多いです。

甲状腺疾患は血液検査(甲状腺ホルモン値・TSH・抗体検査など)によって比較的容易に診断できます。女性に多い疾患ですが、男性にも発症します。「暑がり・寒がり」の症状とともに上記のような症状が複数ある場合は、甲状腺機能の検査を受けることをおすすめします。

Q. 甲状腺疾患が体温調節に与える影響は何ですか?

甲状腺ホルモンは全身の代謝を調整するため、体温調節に直接影響します。バセドウ病など機能亢進では代謝過剰で常に暑く大量発汗が生じ、橋本病など機能低下では代謝が落ちて寒がり・低体温・手足の冷えが現れます。血液検査で比較的容易に診断できます。

⚠️ 自律神経失調症と体温調節障害

自律神経失調症は、体温調節ができない原因として非常に多い疾患のひとつです。自律神経は交感神経と副交感神経から構成されており、体温調節・心拍・血圧・消化など、生命維持に欠かせない機能を無意識のうちに調節しています。

この交感神経と副交感神経のバランスが崩れると、体温調節が正常に機能しなくなります。自律神経失調症では、暑くなっても汗をかきにくくなって体温が上がりすぎたり、逆に少しの刺激でも大量の汗をかいたりすることがあります。また、体が急に熱くなるほてりや、冷えと熱さが交互に来るような症状も現れます。

自律神経失調症の原因には、過度のストレス・睡眠不足・不規則な生活習慣・過労・環境の変化などがあります。現代社会においては非常に多くの人が経験する状態であり、特に働き盛りの30〜50代や、ライフスタイルが大きく変化する時期(就職・転職・出産・育児など)に多く見られます。

体温調節障害の他にも、頭痛・めまい・動悸・胃腸の不調・倦怠感・不眠・不安感など多彩な症状を伴うことが特徴です。検査では異常が見つからないことも多く、診断がつきにくい場合もあります。

治療には、生活習慣の改善(規則正しい睡眠・適度な運動・バランスの取れた食事)が基本となります。必要に応じて、漢方薬・自律神経調整薬・抗不安薬などを用いることもあります。また、ストレス管理やリラクゼーション法、カウンセリングなども効果的です。

🔍 更年期障害と体温調節障害

更年期障害は、女性において体温調節ができない原因として非常に多いものです。一般的に45〜55歳頃に閉経を迎えるとともに、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少します。このホルモンバランスの変化が視床下部の体温調節機能に影響を与え、さまざまな体温調節の異常を引き起こします。

更年期障害における体温調節障害で最も典型的な症状は「ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)」です。突然、顔や上半身が熱くなり、大量の汗をかく発作的な症状で、数分間続くことがあります。夜間にも起こることがあり(寝汗)、睡眠の妨げになることも少なくありません。

また、ホットフラッシュの後には急激な冷えを感じることも多く、暑さと寒さが交互に来るような不快な状態になることもあります。手足の冷えを訴える更年期の方も多く見られます。

更年期障害は女性特有のものというイメージがありますが、男性にも「男性更年期障害(LOH症候群)」が存在します。男性ホルモン(テストステロン)の減少により、疲労感・うつ症状・筋力低下とともに、体温調節の乱れが生じることがあります。

更年期障害の治療には、ホルモン補充療法(HRT)が有効です。ただし、乳がんや子宮がんのリスクとの兼ね合いもあるため、婦人科での診察と検査が必要です。漢方薬(加味逍遥散・桂枝茯苓丸など)も症状の緩和に用いられます。

📝 糖尿病と体温調節障害

糖尿病も体温調節ができない原因となる重要な疾患のひとつです。糖尿病が進行すると、高血糖の状態が続くことで全身のさまざまな神経が障害されます(糖尿病性神経障害)。この神経障害が体温調節に直接影響を与えます。

糖尿病性自律神経障害では、発汗機能が正常に働かなくなることがあります。本来、暑いときには汗をかいて体温を下げる必要がありますが、この機能が低下すると体温が上昇しすぎてしまいます。逆に、異常な発汗(特に食事中に頭や顔に大量の汗をかく「食事性発汗」)が見られることもあります。

また、糖尿病では末梢の血液循環が悪化することも多く、手足の冷えや、傷の治りが遅くなるといった症状も体温調節の問題と関連しています。低血糖のときにも発汗・震え・冷や汗などの体温調節に関わる症状が現れます。

糖尿病による体温調節障害の予防には、血糖コントロールが最も重要です。HbA1c(ヘモグロビンA1c)を適切な範囲に保つことで、神経障害の進行を遅らせることができます。また、足の冷えや痺れ・感覚の低下などの症状がある場合は、糖尿病性神経障害の可能性があるため、早めに医療機関を受診することが大切です。

Q. 更年期障害で起こる体温調節の乱れとはどのようなものですか?

更年期障害では、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少が視床下部の体温調節機能に影響します。代表的な症状は「ホットフラッシュ」で、突然顔や上半身が熱くなり大量に発汗します。その後に急激な冷えを感じることも多く、暑さと寒さが交互に来る状態になります。

💡 貧血・低血圧と体温調節障害

貧血や低血圧は、日本人、特に若い女性に多く見られる状態であり、体温調節の問題と密接に関係しています。

貧血とは血液中の赤血球やヘモグロビンが少ない状態を指します。赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を担っており、貧血になると末梢の組織への酸素供給が低下します。これにより、末梢の血液循環が悪化し、手足の冷えが強くなります。また、体熱の産生に必要なエネルギー代謝も低下するため、全体的に体温が低めになりやすく、寒さを感じやすくなります。

特に鉄欠乏性貧血は日本人女性に非常に多く見られます。月経による出血・偏食・ダイエットなどが原因となることが多いです。鉄分を適切に補うことで症状が改善されます。

低血圧(特に起立性低血圧)も体温調節障害と関係します。起立性低血圧とは、立ち上がった際に血圧が急激に低下する状態で、めまい・立ちくらみとともに、体温調節の乱れをきたすことがあります。自律神経の問題が根本にある場合が多く、体温調節全般に影響を与えます。

貧血の改善には、鉄分・葉酸・ビタミンB12などの栄養素を食事やサプリメントで補うことが基本です。低血圧には塩分・水分の適切な摂取、弾性ストッキングの使用、急激な体位変換を避けることなどが有効です。

✨ 脳・神経系の疾患と体温調節障害

脳や脊髄などの中枢神経系に関わる疾患も、体温調節ができない原因となることがあります。これらは比較的重篤な疾患であることが多く、体温調節障害はその一症状として現れます。

視床下部の障害は、体温調節の中枢に直接ダメージを与えます。視床下部は前述の通り体温調節の「サーモスタット」ですが、ここに腫瘍・出血・炎症などが生じると、体温調節機能が失われます。視床下部が障害されると、高体温や低体温が持続したり、体温の変動が激しくなったりします。

脊髄損傷も体温調節障害の重要な原因です。脊髄は脳と末梢神経の情報をつなぐ役割を担っていますが、損傷を受けると損傷部位より下の体温調節ができなくなります。高位頸髄損傷(首の高い位置での脊髄損傷)では、発汗障害や体温調節反応の消失が顕著に現れます。

パーキンソン病も自律神経障害を伴いやすく、発汗異常(過剰発汗や発汗低下)・体温調節障害が現れることがあります。多系統萎縮症(MSA)も自律神経症状が主要な症状となる神経難病であり、体温調節障害が問題になります。

多発性硬化症では、神経の脱髄によりさまざまな神経症状が出ますが、体温調節の異常(特に体温上昇時に症状が悪化するウートフ現象)も知られています。

これらの神経系疾患は、体温調節の問題だけでなく、運動障害・感覚障害・認知機能の低下など多彩な症状を伴います。専門の神経内科での診断・治療が必要です。

📌 その他の疾患・状態と体温調節障害

体温調節ができない原因となる疾患は、上記に挙げたもの以外にも多数存在します。

副腎疾患は体温調節に影響を与えます。副腎皮質ホルモン(コルチゾール)は代謝・免疫・ストレス応答に関わる重要なホルモンです。コルチゾールが過剰に分泌される「クッシング症候群」では、発汗増加・体温上昇傾向が見られることがあります。反対にコルチゾールが不足する「アジソン病(副腎皮質機能低下症)」では、低体温・寒がりなどの症状が現れます。

腎不全・肝不全など臓器の機能不全も体温調節に影響します。腎不全では尿毒素が蓄積し、自律神経機能が障害されることで体温調節の乱れが生じます。肝不全では代謝異常により体温調節が困難になることがあります。

うつ病・双極性障害などの精神疾患も体温調節と無関係ではありません。うつ病では自律神経のバランスが崩れるため、体温調節障害が生じやすくなります。また、うつ状態では活動量が低下し体熱の産生が減ることで、冷えを感じやすくなることもあります。

線維筋痛症は全身の広範な痛みを主症状とする疾患ですが、自律神経症状の一環として体温調節障害(冷えやほてり)を伴うことがあります。

薬の副作用も体温調節障害の原因として見逃せません。一部の抗精神病薬・抗うつ薬・降圧薬・利尿薬などは、体温調節に影響を与えることがあります。特に高齢者では薬の影響を受けやすく、熱中症や低体温のリスクが高まることがあります。

また、急性・慢性の感染症も体温調節に影響します。炎症性サイトカインが体温調節の中枢に作用し、発熱・悪寒・発汗などの症状をもたらします。通常は感染が治まれば正常に戻りますが、長引く場合は注意が必要です。

Q. 体温調節が難しい人が日常生活でできる対処法は何ですか?

体温調節の改善には、規則正しい睡眠・適度な有酸素運動・38〜40℃のぬるめの入浴・生姜や根菜など体を温める食材の摂取が効果的です。また首・手首・足首の保温や重ね着による服装調節、ストレス管理も重要です。症状が続く場合は医療機関への相談をおすすめします。

🎯 子どもの体温調節障害について

子どもでも体温調節がうまくできないことがあります。子どもは成人に比べて体温調節機能が未発達であるため、外気温の影響を受けやすい特性があります。特に乳幼児は汗腺の発達が不十分で、体の表面積に対して体重が軽いため、体温が上がりやすくなっています。

子どもに見られる体温調節障害の原因として「起立性調節障害(OD)」があります。これは自律神経の機能不全により、立ち上がった際に血圧や心拍が適切に調整されない疾患で、主に思春期の子どもに多く見られます。朝に体温が上がらない・午前中に体調が優れない・頭痛・めまいなどの症状とともに、体温調節の乱れが見られます。

起立性調節障害は「怠け」や「サボり」と誤解されることがある疾患ですが、れっきとした身体疾患です。学校に行けない・朝起きられないなどの問題が生じるため、適切な診断と対応が重要です。

また、子どもでも甲状腺疾患・貧血・感染症などによる体温調節障害は起こりえます。「うちの子はいつも冷たい手をしている」「体温が常に低い(または高い)」「暑さ・寒さへの反応がおかしい」と感じる場合は、小児科での診察を受けることをおすすめします。

夏の高温環境での熱中症リスクや、冬の低体温リスクについても、子どもは特に注意が必要です。特に運動中の体温管理、適切な水分補給、服装の調節など、大人がしっかりとサポートすることが大切です。

📋 体温調節ができないときに受診すべき診療科

「体温調節ができない」という症状は多くの疾患が原因となりえるため、どの診療科に行けばよいか迷うことも多いと思います。症状の特徴によって、最初に受診すべき診療科が異なります。

まず、全体的な体調不良・倦怠感・体重変化・動悸などを伴う場合は、内科(一般内科・総合内科)を受診するとよいでしょう。甲状腺疾患・貧血・糖尿病・副腎疾患などの内科的疾患を調べてもらうことができます。

のぼせ・ほてり・発汗など更年期症状が疑われる女性の場合は、婦人科(産婦人科)または更年期外来を受診することをおすすめします。ホルモン検査を行い、必要に応じてホルモン補充療法などの治療を提案してもらえます。

手足の震え・歩行困難・筋力低下・記憶力の低下など神経症状を伴う場合は、神経内科が適切です。パーキンソン病・多発性硬化症などの神経疾患を診断・治療することができます。

ストレス・不安・不眠・気分の落ち込みなどが主な症状の場合は、心療内科または精神科を受診することが勧められます。自律神経失調症・うつ病・不安障害などの診断と治療を行ってもらえます。

どこに行けばよいかわからない場合は、まずかかりつけ医(家庭医・一般内科)に相談するのが最善です。症状を聞いた上で、適切な検査や専門医への紹介をしてもらうことができます。

なお、以下のような症状を伴う場合は速やかに救急受診を検討してください。体温が39℃以上の高熱が持続する、意識が朦朧とする・意識を失う、極度の低体温(35℃以下)が続くなどの状態は緊急性がある可能性があります。

💊 日常生活でできる対処法

病気の治療を進めながら、日常生活での工夫によって体温調節の問題を和らげることができます。以下のような対処法が参考になります。

規則正しい生活リズムを保つことは、自律神経のバランスを整えるために非常に重要です。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に寝るようにしましょう。特に起床時間を一定にすることが体内時計の安定につながります。

適度な運動は体温調節機能の改善に役立ちます。ウォーキング・軽いジョギング・水泳・ヨガなど、自分に合った有酸素運動を習慣にすることで、血液循環が改善し、自律神経のバランスも整いやすくなります。ただし、過度な運動は逆効果になることもあるため、無理のない範囲で行うことが大切です。

入浴(特に湯船に浸かること)は体温調節の改善に効果的です。38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることで、末梢の血流が改善し、副交感神経が優位になります。ただし、熱すぎるお湯や長時間の入浴は体に負担をかけることがあるため注意が必要です。

食事も体温調節に影響します。体を温める食材(生姜・ニンニク・ネギ・根菜類など)を積極的に取り入れることが冷えの改善に役立ちます。また、食事を抜かずにしっかりと食べることで基礎代謝を維持することも重要です。冷たい飲食物の過度な摂取は体を冷やすため、特に冷えが強い方は注意しましょう。

服装の調節も重要な対処法です。薄手の衣類を重ね着することで、気温の変化に応じて脱ぎ着して調節できます。特に首・手首・足首の「三首」を保温することが体温維持に効果的です。夏場の冷房が強い場所ではカーディガンやストールを携帯するとよいでしょう。

ストレス管理も体温調節改善の大切な要素です。ストレスは自律神経を乱す大きな要因のひとつです。趣味・リラクゼーション・マインドフルネス・呼吸法・読書など、自分なりのストレス発散法を持つことが重要です。

十分な睡眠をとることも欠かせません。睡眠中に自律神経は修復・調整されるため、睡眠不足が続くと体温調節機能が低下します。7〜8時間程度の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。

また、体温調節が困難な方は、熱中症と低体温症のリスクが高いことを常に意識することが大切です。夏場は水分補給・クーラーの適切な利用・日差しを避けることを徹底し、冬場は重ね着・暖房・温かい飲食物で体温を保つように工夫しましょう。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「暑さ・寒さへの異常な感覚」や「原因不明の発汗・冷え」を主訴に来院される患者様の多くが、甲状腺疾患や自律神経の乱れを背景に抱えていることを日々の診療で実感しています。こうした症状は「体質だから仕方ない」と長年放置されているケースも少なくありませんが、適切な検査を行うことで原因が特定でき、治療によって生活の質が大きく改善することがあります。気になる症状がございましたら、どうぞ一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。」

🏥 よくある質問

体温調節ができない原因として最も多い病気は何ですか?

体温調節障害の原因として特に多いのは、甲状腺疾患・自律神経失調症・更年期障害・糖尿病・貧血などです。これらは比較的一般的な疾患でありながら、気づかれないまま放置されているケースも少なくありません。症状が長く続く場合は、血液検査などで原因を特定できることがあるため、医療機関への相談をおすすめします。

暑くないのに汗が止まらない場合、どんな病気が疑われますか?

気温が高くないのに過度な発汗が続く場合、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)・自律神経失調症・更年期障害などが疑われます。これらの疾患では体の代謝やホルモンバランスの異常により、汗腺のコントロールが乱れます。動悸・体重減少・ほてりなどを伴う場合は、早めに内科や婦人科を受診することをおすすめします。

体温調節の異常が疑われるとき、何科を受診すればよいですか?

症状によって受診科が異なります。倦怠感・体重変化・動悸を伴う場合は内科、のぼせ・ほてりなど更年期症状が疑われる女性は婦人科、ストレス・不眠・不安が主な場合は心療内科が適しています。どこに行けばよいか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談し、適切な専門医を紹介してもらうのが最善です。

子どもが体温調節できない場合、どんな原因が考えられますか?

子どもは体温調節機能が未発達なため、大人より外気温の影響を受けやすい特性があります。思春期に多い「起立性調節障害」では、朝に体温が上がらない・めまい・頭痛などの症状が現れます。また、甲状腺疾患・貧血・感染症なども原因となりえます。「体温が常に低い・高い」「暑さ寒さへの反応が気になる」場合は小児科を受診してください。

日常生活で体温調節の改善に役立つことはありますか?

いくつかの生活習慣が体温調節の改善に役立ちます。規則正しい睡眠・適度な有酸素運動・38〜40℃のぬるめの湯船への入浴・生姜や根菜など体を温める食材の摂取・首や手首・足首の保温などが効果的です。またストレス管理や十分な睡眠も自律神経を整えるうえで重要です。ただし、症状が続く場合は自己対処だけでなく医療機関への相談も大切です。

⚠️ まとめ

体温調節ができないという症状は、甲状腺疾患・自律神経失調症・更年期障害・糖尿病・貧血・脳神経疾患など、さまざまな病気が原因となって生じます。体温調節には視床下部・自律神経・ホルモン・血液循環など多くのシステムが関与しているため、どこかに異常が生じると体温コントロールが乱れてしまいます。

「暑がり・多汗」「寒がり・冷え性」「体温の変動が激しい」「体温が安定しない」などの症状が長期間続く場合や、日常生活に支障が出るほど強い場合は、単なる体質の問題として放置せずに医療機関を受診することをおすすめします。早期に原因を特定して適切な治療を受けることで、症状の改善と生活の質の向上が期待できます。

また、日常生活での規則正しいリズム・適度な運動・バランスの良い食事・ストレス管理・十分な睡眠といった生活習慣の改善も、体温調節機能の維持・回復に大きく貢献します。病気の治療と並行して、こうした生活上の工夫を取り入れることが、体温調節の改善への近道となるでしょう。

体温調節の問題でお悩みの方は、アイシークリニック池袋院にお気軽にご相談ください。症状の原因を丁寧に調べ、患者さん一人ひとりに合った治療・サポートをご提案いたします。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 体温調節障害に関連する熱中症対策・体温管理の基本情報、および更年期障害・糖尿病・甲状腺疾患などの疾患別の公式解説ページとして参照
  • WHO(世界保健機関) – 糖尿病性神経障害による体温調節障害、自律神経障害との関連性についての国際的な医学的根拠として参照
  • PubMed – 自律神経失調症・更年期障害・パーキンソン病・脊髄損傷などによる体温調節障害に関する査読済み医学論文の根拠情報として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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