左目だけ涙が出る原因と対処法|考えられる病気や受診のタイミング

「気がつくと左目だけ涙が出ている」「左目だけ目頭がじくじくする」といった症状に悩んでいる方は少なくありません。両目ではなく片方の目だけに涙が出る場合、何らかの原因がその目に集中して起きていることが多く、単なる疲れ目と見過ごしてしまうと症状が長引いたり、悪化してしまうケースもあります。涙は目を守る大切な役割を持っていますが、必要以上に出続ける状態は「流涙症(りゅうるいしょう)」と呼ばれ、眼科的な診察が必要なサインであることもあります。この記事では、左目だけ涙が出る主な原因や考えられる病気、自分でできるケア方法、そして眼科を受診すべきタイミングについて詳しく解説していきます。


目次

  1. 涙が出るメカニズムと「流涙症」とは
  2. 左目だけ涙が出る主な原因
  3. 原因別の特徴とチェックポイント
  4. 左目だけ涙が出るときに考えられる病気
  5. 年代別に見る涙が出やすい傾向
  6. 自分でできるケアと注意点
  7. 眼科を受診すべきタイミング
  8. 眼科での検査・診断の流れ
  9. まとめ

この記事のポイント

左目だけ涙が出る主な原因は鼻涙管閉塞・逆さまつげ・ドライアイ・アレルギー性結膜炎などで、1週間以上続く場合や痛み・視力変化を伴う場合は早めに眼科を受診することが重要です。

🎯 1. 涙が出るメカニズムと「流涙症」とは

涙は目の表面(角膜・結膜)を保護し、外からの異物を洗い流す役割を担っています。涙は上まぶたの内側にある「涙腺(るいせん)」でつくられ、まばたきによって目の表面全体に行き渡ります。その後、目頭にある小さな穴「涙点(るいてん)」から吸収され、「涙小管(るいしょうかん)」→「涙嚢(るいのう)」→「鼻涙管(びるいかん)」という経路を通り、最終的に鼻腔(鼻の中)へと排出されます。

この一連の流れが正常に機能していれば、涙は目の表面に適度に保たれ、あふれ出ることはありません。しかし、涙の産生量が増えすぎる場合や、排出経路のどこかに詰まりや狭窄が生じた場合、涙が目からあふれ出てしまいます。この状態を「流涙症」と呼びます。

流涙症は大きく2つのタイプに分けられます。1つ目は涙の産生が過剰になる「分泌過多型」で、目への刺激や炎症、アレルギーなどが原因です。2つ目は涙の排出がうまくできない「排出障害型」で、涙道(涙の通り道)が詰まったり狭くなったりしていることが原因です。左目だけに症状が出る場合、左目の涙道や目の状態に何らかの問題が生じている可能性が高く、右目との比較をしながら原因を探ることが重要です。

Q. 左目だけ涙が出る代表的な原因は何ですか?

左目だけ涙が出る主な原因には、鼻涙管閉塞・逆さまつげ・ドライアイ・アレルギー性結膜炎・結膜炎などがあります。片方の目だけに症状が出る場合、その目に特有の異常が生じているサインであり、右目と比較しながら原因を特定することが重要です。

📋 2. 左目だけ涙が出る主な原因

片方の目だけに涙が出るのは不思議に感じるかもしれませんが、原因のほとんどはその目だけに作用しているものです。以下に代表的な原因を挙げていきます。

🦠 目への異物・刺激

まつげや砂、ホコリ、花粉などが左目だけに入った場合、その刺激を洗い流そうとして涙が増加します。これは防御反応であり、一時的なものであれば特に問題ありません。しかし、異物が角膜を傷つけてしまうと、慢性的な刺激となって涙が出続けることがあります。

👴 逆さまつげ(睫毛内反・睫毛乱生)

まつげが眼球の方向に向いて生えている状態を逆さまつげといいます。まつげが角膜や結膜に触れることで慢性的な刺激となり、涙が出続けます。左目だけに逆さまつげがある場合、左目のみ症状が出ます。

🔸 ドライアイ(乾燥)

「涙が出るのにドライアイ?」と思う方もいるかもしれませんが、ドライアイによっても涙があふれ出ることがあります。目の表面が乾燥すると、それを補おうとする反射性の涙が大量に分泌されます。この場合、目がしみる、ゴロゴロするなどの症状を伴うことも多いです。

💧 結膜炎・角膜炎

細菌・ウイルス・アレルギーによって結膜や角膜に炎症が起きると、涙の産生が増加します。左目だけに炎症が生じている場合、片方だけに症状が出ます。目やにや充血を伴うことが多いです。

✨ 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

涙の排出経路である鼻涙管が詰まっている状態です。生まれつきの場合もあり、特に乳幼児に多いですが、成人でも加齢や炎症によって起こります。左側の鼻涙管だけが閉塞している場合、左目だけに涙があふれます。

📌 涙点・涙小管の異常

涙を目から吸収する涙点が細くなっていたり、涙小管が炎症や瘢痕で狭くなっていたりする場合も、涙の排出が妨げられます。これも片方だけに起こりうる状態です。

▶️ まぶたの異常(眼瞼外反・眼瞼内反)

まぶたが外側に向いてしまう「眼瞼外反」や、内側に向いてしまう「眼瞼内反」によっても涙が正常に排出されなかったり、目への刺激が生じて涙が増えたりします。加齢によってまぶたの筋肉が緩むと起こりやすくなります。

🔹 顔面神経麻痺・神経系の異常

顔面神経麻痺がある場合、まぶたをしっかり閉じることができなくなり、目が乾燥して涙が増えることがあります。また、神経系の問題で涙腺の分泌が過剰になることもあります。

💊 3. 原因別の特徴とチェックポイント

左目だけ涙が出る場合、どのような状況で涙が出るか、他にどんな症状があるかによって原因を絞り込むヒントになります。以下のチェックポイントを参考にしてみてください。

📍 涙が出るタイミング

屋外に出たときや風が当たるときに涙が出る場合は、目への刺激や鼻涙管の問題が疑われます。特定の季節(春や秋)に症状が強くなる場合は花粉症などのアレルギーが関係している可能性があります。朝起きたときや目が乾燥しているときに出る場合はドライアイとの関連が考えられます。また、常時あふれ出ている場合は鼻涙管閉塞などの排出障害が疑われます。

💫 目の見た目や感覚

左目が充血している場合は結膜炎・角膜炎が疑われます。まつげが目に当たっている感覚がある場合は逆さまつげの可能性があります。目頭付近が腫れている・押すと痛む場合は涙嚢炎(るいのうえん)が疑われます。目やにが出ている場合は細菌性・ウイルス性の感染が考えられます。

🦠 涙以外の症状

かゆみがある場合はアレルギー性結膜炎が疑われます。痛みがある場合は角膜炎や結膜炎、異物の可能性があります。まぶたが腫れている場合はものもらい(麦粒腫・霰粒腫)の可能性もあります。視力が下がったり、光がまぶしく感じたりする場合は角膜の問題や緑内障なども念頭に置く必要があります。

Q. ドライアイなのに涙があふれることはありますか?

ドライアイでも涙があふれることがあります。目の表面が乾燥すると、それを補おうとして反射性の涙が大量に分泌されます。しかしこの涙は油分やムチンが不足しているため目に留まらずあふれ出てしまいます。目がしみる・ゴロゴロするなどの症状を伴う場合はドライアイの可能性があります。

🏥 4. 左目だけ涙が出るときに考えられる病気

ここでは、左目だけ涙が出る症状と関係の深い代表的な疾患について詳しく解説します。

👴 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)

鼻涙管閉塞は、涙の排出経路の一部である鼻涙管が詰まってしまう病気です。涙が鼻に流れ出ることができなくなるため、目頭から涙がこぼれ落ちてきます。特に涙があふれるだけで痛みがないことが多く、「泣いてもいないのに涙が出る」という状態が長く続くのが特徴です。

原因としては、加齢による鼻涙管の萎縮・狭窄、慢性的な炎症・感染、外傷・手術による瘢痕形成などが挙げられます。放置すると鼻涙管に細菌が繁殖して「涙嚢炎」を引き起こすことがあり、目頭の腫れや痛み、膿のようなものが出ることもあります。

治療としては、涙道を細い針金状のもので通す「涙道ブジー(涙道プロービング)」や、涙道を洗浄する処置が行われます。詰まりが改善しない場合は、人工的な涙道を作る「涙嚢鼻腔吻合術(DCR)」などの手術が行われることもあります。

🔸 逆さまつげ(睫毛内反・睫毛乱生)

まつげが角膜や結膜に触れることで慢性的な刺激が生じ、涙が出続けます。子どもに多い睫毛内反(まぶた全体が内側を向く)と、成人に多い睫毛乱生(一部のまつげだけが乱れた方向に生える)があります。

症状としては涙が出るほか、目がゴロゴロする、光がまぶしい、充血などがあります。長期間放置すると角膜が傷つき、視力低下につながることもあります。治療は、原因のまつげを抜いたり、レーザーで毛根を処理したりする方法のほか、まぶたの形を整える手術が行われる場合もあります。

💧 アレルギー性結膜炎

花粉・ダニ・ハウスダストなどのアレルゲンに対する過剰反応によって結膜に炎症が起きる疾患です。強いかゆみと涙・目やにが特徴です。通常は両目に症状が出ますが、花粉が片方の目だけに多く付着したり、片方の目だけを触った場合などに左目だけに強い症状が出ることがあります。

治療は抗アレルギー点眼薬の使用が基本で、症状が強い場合はステロイド点眼薬が処方されることもあります。花粉症の場合はシーズン前からの予防投薬も効果的です。

✨ ドライアイ

目の表面の乾燥によって涙の反射性分泌が起こり、涙があふれ出ることがあります。「涙が出る」という症状がドライアイとは結びつきにくいかもしれませんが、ドライアイにおける涙は涙の質(油分・ムチン)が不足しているため、目に留まらずにあふれ出てしまうのです。

スマートフォンやパソコンの長時間使用、エアコンの効いた室内での作業、コンタクトレンズの使用などがドライアイのリスクを高めます。治療には人工涙液点眼薬や、目の乾燥を防ぐための生活習慣の改善が中心となります。

📌 涙嚢炎(るいのうえん)

鼻涙管閉塞が進行したり、細菌が涙嚢に感染したりすることで生じる炎症です。目頭付近が赤く腫れ、押すと痛んだり膿が出たりします。急性の場合は発熱を伴うこともあります。抗菌薬による治療が必要で、膿が溜まっている場合は切開・排膿処置が必要になることもあります。

▶️ 角膜炎・角膜潰瘍

コンタクトレンズの不適切な使用や、外傷、感染などによって角膜に炎症が起きた状態です。痛みや異物感、涙、充血などの症状が現れます。早期に適切な治療を受けないと視力に影響が出ることがあるため、痛みを伴う場合は速やかに眼科を受診してください。

🔹 顔面神経麻痺に伴う症状

顔面神経麻痺(ベル麻痺など)になると、患側のまぶたがしっかり閉じられなくなり、目が乾燥して涙が出やすくなります。また、顔の筋肉の動きが変わることで涙の排出が妨げられることもあります。顔がゆがんで動かしにくい、口角が下がるなどの症状を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。

📍 緑内障の急性発作

急性緑内障の発作では、激しい眼痛・頭痛・吐き気とともに涙が出ることがあります。急激な眼圧上昇が起きており、視力を失う危険があるため、このような症状が出た場合は緊急で眼科を受診する必要があります。

⚠️ 5. 年代別に見る涙が出やすい傾向

左目だけ涙が出るという症状は、年代によっても起こりやすい原因が異なります。自分の年代に当てはまる原因を確認しておくと、受診の際にも役立ちます。

💫 乳幼児・子ども

赤ちゃんや幼い子どもでは、生まれつき鼻涙管が完全に開通していない「先天性鼻涙管閉塞」がよく見られます。片方または両方の目からいつも涙があふれている状態で、目やにも出やすくなります。多くの場合、生後6〜12か月ほどで自然に改善することが多いですが、改善しない場合はプロービング(涙道を針金状のもので開通させる処置)が行われます。また、子どもは目をこすりやすく、異物が入りやすいため、異物による刺激で片目に涙が出ることもあります。

🦠 10〜30代

この年代ではアレルギー性結膜炎が多く、花粉症の時期には涙・かゆみ・充血などの症状が出やすくなります。コンタクトレンズを使用している方が多い世代でもあり、レンズの汚れや不適切な使用による角膜炎・ドライアイのリスクも高くなります。スマートフォンやパソコンの使用時間が長い方は、まばたきの回数が減ってドライアイになりやすく、反射性の涙が出やすくなります。

👴 40〜50代

中年以降は加齢による涙道の変化が始まり、涙道狭窄や鼻涙管閉塞が起こりやすくなります。また、ドライアイの症状が出やすくなる時期でもあります。閉経後の女性はホルモンバランスの変化によってドライアイになりやすいといわれています。逆さまつげも加齢によってまぶたの形が変わることで起こりやすくなります。

🔸 60代以降

高齢になるとまぶたの皮膚や筋肉が緩み、眼瞼外反(まぶたが外を向く)や眼瞼内反(まぶたが内側を向く)が起こりやすくなります。いずれも涙の排出障害や目への刺激の原因となります。鼻涙管閉塞もこの年代に多く見られます。また、白内障・緑内障などの眼疾患も増える時期のため、涙の症状とともに視力の変化にも注意が必要です。

Q. 鼻涙管閉塞を放置するとどのなリスクがありますか?

鼻涙管閉塞を放置すると、涙嚢に細菌が繁殖して「涙嚢炎」を引き起こすリスクがあります。目頭が赤く腫れて痛んだり膿が出たりし、急性の場合は発熱を伴うこともあります。アイシークリニックでも「たかが涙」と放置せず、早めの眼科受診を推奨しています。

🔍 6. 自分でできるケアと注意点

眼科を受診するほどではないかもしれないと感じる場合や、受診前に自分でできるケアをしたい場合のポイントを紹介します。ただし、症状が長く続く場合や強い場合は、自己判断せずに早めに眼科を受診することが大切です。

💧 目の周りを清潔に保つ

目の周りが不衛生になると細菌が繁殖しやすくなり、炎症を悪化させることがあります。清潔な手で、または市販の眼科用まぶたシャンプーを使って、まつげの付け根や目の周りを優しく洗浄しましょう。ただし、目をごしごしこすることは避けてください。

✨ 目を休める・画面の使用を控える

スマートフォンやパソコンの長時間使用はまばたきの回数を減らし、ドライアイを引き起こします。1時間に1回程度は画面から目を離して遠くを見る、意識的にまばたきをするなど、目を休める習慣をつけることが重要です。

📌 市販の目薬を使う

ドライアイによる反射性の涙が疑われる場合は、防腐剤フリーの人工涙液タイプの目薬を使用することで症状が改善することがあります。ただし、血管収縮剤が入った目薬(充血を取る目薬)の頻繁な使用は、かえって目を傷める可能性があるため注意が必要です。アレルギー症状が疑われる場合は市販の抗アレルギー点眼薬も活用できますが、症状が強い場合は眼科での処方薬の方が効果的です。

▶️ コンタクトレンズの使用を見直す

コンタクトレンズを使用している場合、装用時間が長すぎたり、レンズが汚れていたりすると目への刺激が増します。装用時間を短くする、レンズのケアをしっかり行う、症状がある間はメガネに切り替えるなどの対策が有効です。

🔹 蒸しタオルで目を温める(温罨法)

マイボーム腺(まぶたの縁にある脂質を分泌する腺)の機能が低下している場合、涙の油分が不足してドライアイになりやすくなります。蒸しタオルなどで目を温めることでマイボーム腺の分泌を促し、涙の安定性を高める効果が期待できます。温める温度は40〜42℃程度を目安に、1回10分程度が目安です。

📍 注意点:目をこするのは禁物

涙が出て気になるからといって、目をこすることは避けてください。目をこすると角膜を傷つけたり、細菌感染のリスクを高めたりするほか、円錐角膜(角膜が薄くなって前に突出してしまう病気)の悪化にもつながることがあります。目をぬぐうときは清潔なティッシュや柔らかいガーゼで、目頭を軽くおさえる程度にしてください。

📝 7. 眼科を受診すべきタイミング

自己ケアでは改善しない場合や、以下のような症状がある場合は早めに眼科を受診することをおすすめします。

💫 すぐに受診が必要なケース

激しい目の痛みや頭痛・吐き気を伴う涙は、急性緑内障の発作の可能性があり、緊急性の高い状態です。視力が急激に下がる、または視野の一部が欠ける場合、目頭が赤く腫れて発熱している場合(涙嚢炎の急性発作)も緊急受診が必要です。また、顔の半分が動かしにくいと感じる場合は神経系の問題が疑われます。

🦠 数日以内に受診を検討すべきケース

1週間以上左目だけ涙が出る状態が続いている場合は眼科での診察が望ましいです。目やにが増えて目が開きにくい場合、市販の目薬を使っても改善しない場合、目がゴロゴロして異物感が続く場合も受診のタイミングです。花粉症の時期に毎年ひどくなるが薬を処方してもらっていない場合なども、この機会に相談することをおすすめします。

👴 定期的に受診を勧めるケース

40歳以上で涙が出やすい、高齢で涙が止まらない、子どもで生まれてから片目に涙が出続けているという場合も、一度眼科を受診して原因を確認することが大切です。特に鼻涙管閉塞などは早期に対処することで、感染(涙嚢炎)を防ぐことができます。

Q. 左目の涙に対してすぐに眼科受診が必要な症状は?

激しい目の痛みや頭痛・吐き気を伴う場合(急性緑内障の疑い)、視力が急激に低下する場合、目頭が腫れて発熱している場合(涙嚢炎の急性発作)、顔の半分が動かしにくい場合は緊急受診が必要です。また1週間以上涙が続く場合も早めに眼科を受診してください。

💡 8. 眼科での検査・診断の流れ

眼科を受診した際には、症状の原因を突き止めるためにいくつかの検査が行われます。どのような検査が行われるのかを事前に知っておくと安心です。

🔸 問診

まず、いつから症状があるか、どのような状況で涙が出るか、他に症状はないか、コンタクトレンズの使用状況、アレルギーの有無、既往歴など、詳しく問診が行われます。片方の目だけに症状があることをしっかり伝えましょう。

💧 細隙灯顕微鏡検査(スリットランプ検査)

専用の顕微鏡(細隙灯)で目の前眼部(角膜・結膜・まぶた・虹彩など)を詳しく観察する検査です。炎症・傷・異物・逆さまつげなどを確認することができます。

✨ 涙道通水試験

涙点から細い管を挿入し、生理食塩水を流すことで、涙道が通っているかどうかを確認する検査です。水が鼻まで流れれば涙道は正常です。流れが悪い場合や、口の中に流れてこない場合は涙道の詰まりが疑われます。

📌 涙道内視鏡検査

涙点から細い内視鏡を挿入して、涙道の内部を直接観察する検査です。詰まりや炎症の部位・程度を正確に把握することができます。

▶️ アレルギー検査

アレルギー性結膜炎が疑われる場合は、血液検査でアレルゲンを特定したり、結膜擦過物の検査が行われることがあります。

🔹 フルオレセイン染色検査

フルオレセインという蛍光色素を使って、角膜・結膜の傷の有無を調べる検査です。ドライアイの評価にも使われます。

📍 眼圧検査

緑内障が疑われる場合は眼圧測定が行われます。40歳以上の方は緑内障の早期発見のためにも定期的な眼圧チェックが推奨されています。

これらの検査の結果をもとに診断が確定し、原因に応じた治療が開始されます。涙道に問題がある場合は涙道洗浄・プロービング・涙道チューブ挿入術・手術などが検討され、炎症・感染が原因の場合は点眼薬・内服薬による治療が行われます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「「泣いていないのに左目だけ涙が止まらない」というお悩みでご来院される患者様が多く、鼻涙管閉塞や逆さまつげが原因であるケースが少なくありません。片方の目だけに症状が続く場合、放置すると涙嚢炎などの感染症に進展するリスクもあるため、「たかが涙」と思わずにお早めにご相談いただくことをおすすめします。最近の傾向として、スマートフォンやパソコンの長時間使用によるドライアイが引き金となっているケースも見受けられます。」

✨ よくある質問

左目だけ涙が出るのはなぜですか?

片方の目だけに涙が出る場合、その目に特有の原因が集中して起きている可能性が高いです。逆さまつげや鼻涙管閉塞のように片側だけに生じる異常、または左目だけへの異物・アレルゲンの接触などが主な要因として挙げられます。右目と比較しながら原因を探ることが重要です。

涙が出るのにドライアイということはあるのですか?

あります。ドライアイでは目の表面が乾燥すると、それを補おうとする「反射性の涙」が大量に分泌されます。ただし、この涙は油分やムチンが不足しているため目に留まらずあふれ出てしまいます。目がしみる・ゴロゴロするなどの症状を伴う場合はドライアイの可能性があります。

鼻涙管閉塞を放置するとどうなりますか?

鼻涙管閉塞を放置すると、涙嚢に細菌が繁殖して「涙嚢炎」を引き起こす可能性があります。目頭が赤く腫れて痛んだり、膿が出たりする状態で、急性の場合は発熱を伴うこともあります。

左目の涙が出るとき、すぐに眼科へ行くべき症状はありますか?

以下の症状がある場合は緊急受診が必要です。激しい目の痛みや頭痛・吐き気を伴う場合(急性緑内障の疑い)、視力が急激に低下する場合、目頭が腫れて発熱している場合(涙嚢炎の急性発作)、顔の半分が動かしにくい場合などは、速やかに医療機関を受診してください。

左目の涙に対して自分でできるケアはありますか?

いくつかのセルフケアが有効です。目の周りを清潔に保つ、スマートフォンやパソコンの使用を控えて目を休める、防腐剤フリーの人工涙液を使用する、蒸しタオルで目を温める(40〜42℃で約10分)などが挙げられます。ただし目をこすることは厳禁です。1週間以上症状が続く場合は眼科への受診をおすすめします。

📌 まとめ

左目だけ涙が出る症状は、単なる疲れ目や一時的なものから、鼻涙管閉塞・逆さまつげ・アレルギー性結膜炎・ドライアイ・涙嚢炎など、眼科的な診察・治療が必要な疾患まで、さまざまな原因が考えられます。

片方の目だけに症状が出る場合、その目に何らかの特有の変化が起きているサインです。短期間で改善する場合は一時的な刺激によるものが多いですが、1週間以上続く場合や、痛み・充血・視力変化などの症状を伴う場合は早めに眼科を受診することをおすすめします。

特に鼻涙管閉塞は、放置すると涙嚢炎という感染症に進展するリスクがあるため、「涙があふれるだけだから大丈夫」と思わずに専門医に診てもらうことが大切です。また、逆さまつげや角膜炎は早期に対処しないと角膜が傷ついて視力低下につながる可能性があります。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 眼疾患全般に関する基本的な医療情報・受診の目安として参照。流涙症や鼻涙管閉塞などの眼科的疾患の診療指針や、眼科受診を推奨するタイミングに関する公的情報の根拠として活用。
  • PubMed – 鼻涙管閉塞・流涙症(epiphora)に関する国際的な臨床研究・査読済み論文データベース。涙道閉塞の原因・治療法(涙道プロービング・涙嚢鼻腔吻合術)やドライアイによる反射性流涙のメカニズムに関する科学的根拠として参照。
  • WHO(世界保健機関) – 眼疾患・視覚障害に関するグローバルな疫学データおよび公衆衛生上の推奨事項として参照。緑内障・角膜炎・ドライアイなど、流涙症の背景にある眼疾患の世界的な有病率や早期受診の重要性の根拠として活用。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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