
「あせものような湿疹が出た」「汗をかいたわけでもないのに、あせもみたいなブツブツができた」と感じたことはありませんか?夏場だけでなく、季節を問わず現れるこのような症状は、実際にはあせも(汗疹)ではなく、別の皮膚疾患である可能性が少なくありません。見た目が似ているため区別がつきにくく、市販の薬で対処しようとしても改善しないケースもあります。この記事では、あせものような湿疹が起こる原因や種類、正しいケア方法、そして病院を受診すべき目安について、医療情報としてわかりやすくまとめています。
目次
- あせも(汗疹)とはどんな症状か
- あせものような湿疹が起こる主な原因
- あせもと間違えやすい皮膚疾患の種類
- あせのような湿疹の部位別・特徴まとめ
- あせものような湿疹を悪化させるNG行動
- 自宅でできるケアと予防方法
- 市販薬の選び方と注意点
- 病院・クリニックを受診すべき目安
- 受診時に行われる診察・検査の流れ
- まとめ
この記事のポイント
あせもに似た湿疹はアトピー性皮膚炎・真菌感染症・接触性皮膚炎など別疾患の可能性があり、市販薬で改善しない場合は1〜2週間を目安に皮膚科を受診することが重要です。
🎯 あせも(汗疹)とはどんな症状か
あせもは医学的に「汗疹(かんしん)」と呼ばれる皮膚疾患で、汗腺の出口が詰まることによって汗が皮膚の内側にたまり、炎症を起こした状態です。皮膚に小さな水疱やブツブツが生じ、かゆみやほてり感を伴うことが多いのが特徴です。
汗疹は大きく3つのタイプに分類されます。まず「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」は、皮膚の表面に1〜2ミリ程度の透明な水疱が生じるタイプで、かゆみはほとんどなく、自然に消えることが多いです。新生児や高熱のあとに見られることが多く、一般的に軽症です。
次に「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」は、いわゆる一般的なあせもで、皮膚の少し深い層に汗がたまり、赤みのある丘疹(きゅうしん)が生じます。強いかゆみや刺すような痛みを伴うことがあり、首回りや脇の下、肘の内側などに多く見られます。
3つ目は「深在性汗疹(しんざいせいかんしん)」で、繰り返しあせもになることで汗腺が深部でも詰まってしまった状態です。かゆみは少ないものの、発汗そのものができなくなるため、体温調節に支障をきたすこともあります。熱帯地域に長期滞在する人などに多いとされています。
これらは気温や湿度が高い環境、体を動かして大量に汗をかいた際などに起こりやすい特徴があります。しかし、実際に診察してみると「あせもだと思っていたら別の疾患だった」というケースも非常に多く、症状が続く場合には自己判断せずに専門家に相談することが大切です。
Q. あせもの主な種類と症状の違いは何ですか?
あせも(汗疹)は3種類に分類されます。「水晶様汗疹」は透明な水疱でかゆみがほぼなく自然治癒します。「紅色汗疹」は赤みのある丘疹で強いかゆみや痛みを伴う一般的なあせもです。「深在性汗疹」は汗腺が深部で詰まり発汗障害を起こす重症型です。
📋 あせものような湿疹が起こる主な原因
あせものような湿疹が生じる原因は一つではなく、皮膚の構造・免疫系・外部環境など複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。以下に主な原因をまとめます。
汗腺の詰まりや過剰な発汗は、最も基本的な原因です。夏場の高温多湿な環境や、スポーツ・入浴後など汗を大量にかいた後に症状が出やすいのはこのためです。体を清潔に保てていない状態が続くと、皮脂や古い角質が汗腺に詰まりやすくなります。
皮膚のバリア機能の低下も重要な要因です。乾燥や摩擦、過剰な洗浄などによって皮膚のバリアが損なわれると、外部からの刺激に対して過敏に反応しやすくなります。これが湿疹の発症に関わることがあります。
アレルギー反応も見逃せない原因の一つです。食べ物・化粧品・衣類の素材・金属・植物など、特定の物質に接触することで皮膚に炎症反応が起きることがあります。これが接触性皮膚炎(かぶれ)と呼ばれる状態で、見た目がよく似ていても治療法は異なります。
免疫系の過剰反応も湿疹の原因となります。アトピー性皮膚炎のように、免疫システムが異常に活性化することで皮膚に慢性的な炎症が起きる場合があります。この場合、症状が長引いたり、繰り返したりする傾向があります。
ストレスや睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなど、全身的な体調変化も皮膚の状態に影響を与えます。精神的なストレスは免疫機能に影響を与えるため、湿疹の悪化要因になることが知られています。
また、真菌(カビ)や細菌の感染によって生じる皮膚症状も、あせもと見分けにくい場合があります。白癬菌による「体部白癬(たいぶはくせん)」や「カンジダ症」など、感染性の皮膚病はあせもに見えることがあるため注意が必要です。
💊 あせもと間違えやすい皮膚疾患の種類
あせものような見た目をしていても、実際には異なる皮膚疾患であることが多くあります。正確な診断なしに市販薬で対応していると、症状が長引いたり悪化したりすることがあるため、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
アトピー性皮膚炎は、慢性的にかゆみを伴う湿疹が繰り返し現れる疾患です。皮膚のバリア機能が弱く、外部からの刺激や体内からのアレルギー反応によって炎症が起きます。肘の内側・膝の裏側・首回りに出やすく、汗をかくとかゆみが増すため、夏はあせもと勘違いされやすいです。乳幼児期に発症することが多いですが、成人になってから発症したり、大人になっても続く場合もあります。
接触性皮膚炎(かぶれ)は、特定の物質が皮膚に触れることで起きる炎症です。金属アレルギー(ネックレス・時計・ピアスなど)、化粧品成分、ゴム製品(手袋・靴など)、植物(うるしなど)が原因になることがあります。接触した部分にかゆみや赤み、水疱が生じる点があせもと似ています。
多形性紅斑(たけいせいこうはん)は、感染症や薬物などへの免疫反応として皮膚に輪状の赤みや水疱が生じる疾患です。比較的まれですが、発熱や粘膜の症状を伴う場合は早急な受診が必要です。
蕁麻疹(じんましん)は、皮膚に一時的に膨らみ(膨疹)が生じる疾患で、かゆみを伴います。時間が経つと消えることが多く、数時間以内に跡なく消えるのが特徴ですが、何度も繰り返す場合は慢性蕁麻疹と診断されることがあります。あせもと違い、汗との直接的な関係がないことが多いです。
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は、毛穴の角質が詰まり、肌がザラザラしたブツブツになる状態で、二の腕や太ももの外側に多く見られます。かゆみがほとんどなく、体質的なものであるため、治療よりもスキンケアで改善を図ることが多いです。
皮膚カンジダ症は、カンジダという真菌(酵母菌)が過剰増殖することで起きる皮膚感染症です。蒸れやすい場所(脇の下・乳房の下・股間など)に発症しやすく、赤い発疹や白っぽいかさぶたが生じます。抗真菌薬が必要なため、ステロイド外用薬を使用すると悪化することがあります。
体部白癬(たいぶはくせん)は、白癬菌という真菌が皮膚に感染した状態で、「たむし」とも呼ばれます。円形に広がる赤い発疹が特徴で、縁がより明瞭な場合があります。抗真菌薬での治療が必要で、ステロイドは禁忌となります。
水痘(みずぼうそう)や帯状疱疹は、水疱ウイルスが原因となる疾患で、初期症状があせもに見えることがあります。帯状疱疹は体の片側に痛みと水疱が帯状に出現するのが特徴で、痛みを伴う点がポイントです。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「あせもだと思って市販薬を使い続けていたが、なかなか治らない」というご相談を多くいただきます。実際に診察してみると、真菌感染症やアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎など、あせもとは異なる疾患であるケースが少なくなく、原因に合わない薬を使い続けることで症状が長引いてしまうことがあります。見た目だけでは判断が難しい皮膚の症状だからこそ、1〜2週間セルフケアを試みても改善が見られない場合は、どうぞ一人で抱え込まずに早めにご相談ください。」
Q. あせもと間違えやすい皮膚疾患にはどんなものがありますか?
あせもに見た目が似た皮膚疾患として、アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・蕁麻疹・皮膚カンジダ症・体部白癬(たむし)・帯状疱疹などがあります。特に真菌感染症はステロイド外用薬で悪化するため、自己判断での市販薬使用には注意が必要です。アイシークリニック池袋院でも相談を受け付けています。
🏥 よくある質問
見た目だけでの判断は非常に難しく、専門医による診察が必要です。あせもは高温多湿の環境や大量の発汗後に起こりやすい一方、アトピー性皮膚炎は肘の内側や膝の裏に慢性的に現れ、真菌感染症は蒸れやすい部位に生じるなど、発症部位や経緯に違いがあります。市販薬で改善しない場合は早めに皮膚科を受診しましょう。
症状の原因が真菌(カビ)感染の場合、ステロイド外用薬を使用すると免疫が抑制され、症状が悪化するリスクがあります。また、長期使用は皮膚が薄くなるなどの副作用を招く可能性があります。1〜2週間使用しても改善が見られない場合は、自己判断を続けず皮膚科を受診することをおすすめします。
主なNG行動として、①かゆいからといって掻いてしまう、②熱いお湯での入浴、③ナイロンタオルで強く洗う、④原因を確かめずにステロイド薬を長期使用する、⑤汗をかいた後そのまま放置する、⑥化繊素材の衣類を着用するなどが挙げられます。これらは症状の悪化や細菌感染のリスクを高めます。
以下の場合は早めに皮膚科を受診してください。市販薬を1〜2週間使用しても改善しない・発疹が急速に広がっている・痛みや発熱を伴う・発疹が膿んでいるなどのケースです。特に痛みを伴う場合は帯状疱疹の可能性があり、発症から72時間以内の治療開始が重要です。乳幼児や免疫が低下している方も早めの受診が推奨されます。
皮膚科では問診・視診を基本に、必要に応じて検査が行われます。真菌感染が疑われる場合は皮膚を採取して顕微鏡で観察するKOH検査、アレルギーが疑われる場合は血液検査やパッチテストが実施されます。診断後は原因に応じた外用薬や内服薬が処方され、日常ケアの指導も受けられます。アイシークリニック池袋院でも皮膚の気になる症状の相談を受け付けています。
⚠️ あせものような湿疹の部位別・特徴まとめ
湿疹の現れる部位によって、疑われる疾患が異なります。症状がどこに出るかを把握することは、診断の手がかりになります。
首・うなじ・デコルテの湿疹は、汗が溜まりやすい部位であるため、あせも(紅色汗疹)が生じやすい場所です。一方で、アトピー性皮膚炎やアクセサリーによる接触性皮膚炎なども起きやすい部位です。首の後ろに症状がある場合は、衣類の素材や洗剤の影響も考えられます。
脇の下・胸の下・股間などのいわゆる「蒸れやすい部分」は、カンジダ症や体部白癬が発症しやすい場所です。特に肥満の方や糖尿病のある方はカンジダ症のリスクが高まります。ステロイドを塗っても改善しない場合は、感染症の可能性を考える必要があります。
肘の内側・膝の裏・手首は、アトピー性皮膚炎が好発する部位として知られています。季節の変わり目や汗をかいた際に悪化しやすく、慢性的にかゆみが続く場合はアトピー性皮膚炎を疑う必要があります。
背中・腹部・胸部には、帯状疱疹が好発します。初期は赤みやブツブツで始まり、水疱になるにつれてピリピリとした痛みが出てくることが特徴です。皮疹が体の片側にのみ出る場合は、帯状疱疹の可能性が高く、早期治療が重要です。
二の腕・太ももの外側には、毛孔性苔癬が多く見られます。鳥肌のようなザラザラした質感のブツブツで、かゆみはほとんどありません。美容的な悩みとなることが多い症状です。
手のひら・指の側面に生じる小水疱は「汗疱(かんぽう)」または「異汗性湿疹(いかんせいしっしん)」と呼ばれ、強いかゆみを伴います。春〜夏に悪化しやすい傾向があります。
Q. あせものような湿疹を悪化させる行動は何ですか?
湿疹を悪化させる主なNG行動は、①患部を爪で掻く、②熱いお湯での入浴、③ナイロンタオルで強く洗う、④原因を確認せずステロイド薬を長期使用する、⑤汗をかいた後に放置する、⑥化繊素材の衣類を着用するの6つです。これらは炎症の拡大や細菌感染リスクを高めます。
🔍 あせものような湿疹を悪化させるNG行動
症状が出たときに、無意識にやってしまいがちな行動が、実は湿疹を悪化させることがあります。よくあるNG行動を把握しておくことが、症状の悪化を防ぐ第一歩です。
かゆいからといって掻いてしまうことは、皮膚のバリア機能をさらに傷つけ、炎症を広げる原因になります。爪で引っ掻くと細菌感染のリスクも高まります。かゆみが強い場合は、冷たいタオルで冷やす方法がおすすめです。
熱いお風呂への入浴は、皮膚の血管を拡張させ、かゆみを強める原因になります。湿疹がある時期は、38〜40度程度のぬるめのお湯に短時間浸かるのが適切です。
ナイロンタオルや硬いスポンジで皮膚を力強く洗うことは、皮膚を傷つけてバリア機能を低下させます。柔らかい素材のタオルや手で優しく洗うことが基本です。また、石鹸を過剰に使いすぎると、皮膚の必要な油分まで取り除いてしまいます。
自己判断でステロイド外用薬を長期使用することも問題になることがあります。ステロイドは炎症を抑える効果がありますが、真菌感染(カンジダ・白癬)が原因の場合は、使用することで症状が悪化します。また、医師の指示なしに長期使用すると、皮膚が薄くなるなどの副作用が起きることがあります。
汗をかいた後にそのまま放置することも悪化要因です。汗をかいたら速やかに清潔な濡れタオルで拭き取るか、シャワーを浴びることが大切です。特に赤ちゃんや子どもは皮膚が薄くデリケートなので、こまめなケアが必要です。
衣類の選択を誤ることも影響します。化繊素材は汗を吸収しにくく、蒸れやすいため、皮膚への刺激になります。綿素材など通気性の良い素材を選ぶことが、湿疹の予防につながります。
📝 自宅でできるケアと予防方法
あせものような湿疹が軽度の場合、日常的なケアによって症状を和らげたり、再発を予防したりすることができます。ただし、症状が強い場合や長引く場合は医療機関の受診が優先されます。
まず最も重要なのは、皮膚を清潔に保つことです。汗をかいた後はできるだけ早くシャワーを浴びるか、清潔なタオルで優しく拭き取りましょう。ただし、一日に何度もシャワーを浴びすぎると皮膚の油分が失われるため、シャワーの頻度は適度に保つことが大切です。
保湿ケアは湿疹の予防と改善において非常に重要です。皮膚のバリア機能を守るために、入浴後は時間を置かずに保湿剤を塗布することを習慣にしましょう。保湿剤はセラミド配合のものや、低刺激性の製品が適しています。アルコールや香料が多く含まれる製品は、敏感な皮膚には刺激になることがあります。
室内環境の管理も大切です。エアコンや扇風機を活用して室温・湿度を適切に保ちましょう。夏場は温度28度以下、湿度60%以下を目安にすると、発汗が抑えられ汗疹の予防につながります。ただしエアコンによる過度の乾燥も皮膚には悪影響を与えるため、加湿器を併用するなどの工夫も必要です。
衣類は通気性の良い素材を選びましょう。綿素材は汗の吸収性が高く、皮膚への刺激が少ないためおすすめです。化繊素材(ナイロン・ポリエステルなど)は汗を吸収しにくく蒸れの原因になるため、できるだけ避けることが望ましいです。また、衣類はゆったりとしたサイズを選ぶと、摩擦による皮膚刺激を減らすことができます。
洗濯時には無香料・無着色の洗剤を使用し、すすぎを十分に行いましょう。洗剤成分が皮膚に残ると刺激の原因になります。柔軟剤も刺激になることがあるため、湿疹がある場合は使用を控えるのが無難です。
食事面では、バランスのよい食事と十分な水分補給が基本です。特定の食材がアレルギーの原因になっている場合は、その食材を避けることも重要です。ただし、食物アレルギーが疑われる場合は、自己判断で食材を除去するよりも、アレルギー検査を受けることが推奨されます。
十分な睡眠とストレス管理も皮膚の健康に深く関わります。睡眠中に皮膚の修復が行われるため、質の良い睡眠を確保することが大切です。また、ストレスが免疫系に影響を与えることで湿疹が悪化することがあるため、適度な運動やリラクゼーションを取り入れることも有益です。
Q. 皮膚科をすぐに受診すべき湿疹の症状は何ですか?
以下の場合は早急に皮膚科を受診してください。市販薬を1〜2週間使用しても改善しない場合、発疹が急速に広がる場合、痛みや発熱を伴う場合、発疹が膿んでいる場合です。特に痛みを伴う発疹は帯状疱疹の可能性があり、発症から72時間以内の治療開始が後遺症予防に重要です。

💡 市販薬の選び方と注意点
軽度のあせものような湿疹に対して、市販薬で対処することは一つの選択肢です。しかし、間違った薬を使用すると症状が悪化することもあるため、選び方には注意が必要です。
かゆみを伴う湿疹に対しては、抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)が配合された外用薬がよく使用されます。かゆみを一時的に和らげる効果があります。また、炎症を抑えるためにグリチルリチン酸(甘草から抽出された成分)を含む製品もあります。
弱いステロイド成分を含む市販薬(OTCステロイド)は、炎症が強い場合に有効なことがあります。ただし、市販品に含まれるステロイドは比較的弱いランクのものが多いため、重症の場合には効果が不十分なことがあります。また、顔・皮膚が薄い部分・感染が疑われる部位への使用は避けることが基本です。
重要な注意点として、症状の原因が真菌(カビ)感染であった場合、ステロイド外用薬を使用すると免疫が抑制されて感染が悪化します。市販薬を1〜2週間使用しても改善しない場合は、自己判断を続けずに医療機関を受診することが必要です。
また、使用期間には注意が必要です。市販のステロイド外用薬は基本的に短期間(1週間程度)の使用が前提となっています。長期使用は皮膚萎縮や毛細血管拡張などの副作用につながる可能性があります。
子どもへの使用については、成人より皮膚が薄く吸収率が高いため、より慎重な使用が求められます。乳幼児や小さな子どもの場合は、市販薬の使用前に必ず小児科や皮膚科に相談することをおすすめします。
✨ 病院・クリニックを受診すべき目安

あせものような湿疹が生じたとき、すべての症状が自宅ケアで改善するわけではありません。以下のような状況に当てはまる場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
市販薬を使用しても1〜2週間以上症状が改善しない、または悪化している場合は受診の目安です。症状が続くということは、自己判断とは異なる疾患が原因になっている可能性があります。
発疹が急速に広がっている場合も注意が必要です。感染性の皮膚疾患(とびひ・ヘルペスなど)の可能性があるため、早急に受診することが重要です。
発疹に痛みが伴う場合は、帯状疱疹などの可能性を考える必要があります。帯状疱疹は発症から72時間以内に抗ウイルス薬を開始することで、症状の軽減や後遺症(帯状疱疹後神経痛)のリスクを下げることができるため、早期受診が非常に重要です。
発熱を伴う場合は、皮膚の感染が全身に及んでいる可能性があるため、速やかな受診が必要です。特に蜂窩織炎(ほうかしきえん)のような深部感染症は、適切な抗菌薬治療が必要です。
発疹が膿んでいる場合や、傷から液体がにじみ出ている場合も受診が必要です。細菌感染(とびひ・蜂窩織炎など)の可能性があります。
繰り返し同じ場所に湿疹が出る場合は、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎など、慢性的な疾患が隠れている可能性があります。根本的な原因を特定するために、アレルギー検査やパッチテストが有益なことがあります。
顔や首など目立つ部分に症状が出ている場合も、早めに受診して適切な治療を受けることで、症状の長期化を防ぐことができます。
乳幼児や高齢者、免疫機能が低下している方(糖尿病・がん治療中・免疫抑制剤使用中など)は、皮膚の感染が重症化しやすいため、早めの受診が推奨されます。
📌 受診時に行われる診察・検査の流れ
「病院に行こうかどうか迷っている」という方の多くは、実際に何をされるのかわからないため不安を感じていることがあります。皮膚科での診察の大まかな流れを知っておくことで、安心して受診できるようになります。
まず問診として、症状がいつから始まったか・どこに出ているか・かゆみや痛みの有無・悪化するタイミング・使用している薬や化粧品・アレルギーの既往歴などについて確認されます。正確な情報提供が診断の精度を高めます。事前に症状の経過をメモしておくと役立ちます。
次に視診として、皮膚の状態を医師が直接目で確認します。発疹の種類(丘疹・水疱・膿疱・びらんなど)・分布・形・色・大きさなどを詳細に観察します。必要に応じて、ダーモスコープという拡大鏡を使用して皮膚の細部を観察することがあります。
真菌感染が疑われる場合は、皮膚の表面を少量採取して顕微鏡で観察する検査(KOH検査)が行われます。白癬菌やカンジダの菌体が観察されれば、真菌感染症と診断されます。この検査は比較的短時間で結果がわかります。
アレルギーが疑われる場合は、血液検査による特異的IgE抗体の測定や、パッチテスト(接触アレルギーの原因物質を特定する検査)が提案されることがあります。パッチテストでは、背中に複数の物質を貼付して48〜72時間後に反応を見ます。
細菌感染が疑われる場合は、細菌培養検査が行われることがあります。皮膚から採取した検体を培養して、原因菌の種類と効果的な抗菌薬を特定します。
診断がついたあとは、症状の程度や原因に応じた治療方針が説明されます。外用薬(ステロイド・抗ヒスタミン薬・抗真菌薬・抗菌薬など)の処方が中心ですが、内服薬(抗ヒスタミン薬・抗菌薬・抗ウイルス薬など)が必要な場合もあります。また、日常生活でのケアについても指導を受けることができます。
症状が慢性的に続く場合や再発を繰り返す場合は、定期的な通院が必要になることもあります。治療効果を確認しながら薬を調整していくことが、慢性の皮膚疾患の管理において重要です。
🎯 まとめ
あせものような湿疹は、見た目では区別がつきにくいものの、実際には多様な原因が背景にあります。本当のあせも(汗疹)もあれば、アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・蕁麻疹・真菌感染症・帯状疱疹など、まったく異なる疾患が原因であるケースも少なくありません。
症状が軽度であれば、皮膚を清潔に保ち、保湿を心がけ、通気性の良い衣類を選ぶなどの日常ケアである程度対処することは可能です。市販薬を使用する場合も、症状に合ったものを選び、1〜2週間使用しても改善しない場合は自己判断を続けず医療機関を受診することが大切です。
特に、症状が急速に広がる場合・強い痛みを伴う場合・発熱がある場合・乳幼児や免疫が低下している方に症状が出ている場合は、早急な受診が必要です。帯状疱疹のように早期治療が重要な疾患もあるため、「たかがあせも」と思って放置することにはリスクがあります。
皮膚科では問診・視診・必要に応じた検査によって正確な診断を行い、原因に合った治療を提案してもらえます。症状が気になる場合や、これまでセルフケアをしてきたが改善しないという場合は、ぜひ専門医に相談することをおすすめします。アイシークリニック池袋院では、皮膚の気になる症状についての相談を受け付けています。一人で悩まず、まずは受診してみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 汗疹・アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・蕁麻疹・白癬・カンジダ症などの皮膚疾患に関する診断基準・治療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – 皮膚疾患に関する一般向け健康情報、市販薬(OTC医薬品)の適正使用、ステロイド外用薬の使用上の注意に関する行政情報の参照
- 国立感染症研究所 – 帯状疱疹・水痘・とびひ(伝染性膿痂疹)・白癬・カンジダ症などの感染性皮膚疾患の病原体・感染経路・治療に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務