
夏の暑い時期になると、首まわりや背中、脇の下などにぶつぶつとした発疹が現れて「これはあせもかな?」と気になることはありませんか?あせもは子どもに多いイメージがありますが、大人にも起こる身近な皮膚トラブルです。ただし、あせもに似た湿疹やかぶれ、とびひなどは見た目が似ていても原因や治療法がまったく異なるため、正確に見分けることがとても大切です。この記事では、あせもの見分け方を中心に、似た皮膚疾患との違いや対処法、受診の目安まで丁寧に解説していきます。
目次
- あせもとはどんな皮膚トラブル?基本的な仕組みを知ろう
- あせもの種類と症状の特徴
- あせもが出やすい場所と季節
- あせもと間違えやすい皮膚トラブルの見分け方
- 大人と子どもでは症状の出方が違う?
- あせもを悪化させる原因と注意点
- 自宅でできるあせものケアと予防策
- こんな場合は皮膚科へ|受診の目安
- まとめ
この記事のポイント
あせもは汗腺の詰まりが原因で、かぶれ・アトピー・とびひと見た目が似るが原因や治療法は異なる。発症部位・季節性・症状の広がり方で見分け、膿や発熱を伴う場合は皮膚科を受診すること。
🎯 あせもとはどんな皮膚トラブル?基本的な仕組みを知ろう
あせもは医学的に「汗疹(かんしん)」と呼ばれる皮膚疾患です。汗をかいた際に、汗の出口である汗管(かんかん)や汗腺(かんせん)が詰まることで汗が皮膚の外に出られなくなり、皮膚内部に溜まって炎症を引き起こすことで発症します。
人間の皮膚には、体温を調節するために「エクリン汗腺」と呼ばれる汗腺が全身に数十万〜数百万個分布しています。暑い環境や激しい運動、発熱などによって大量の汗をかくと、これらの汗腺が詰まりやすくなります。特に皮膚と皮膚がこすれ合う部位や、衣類によって汗が蒸発しにくい部位では汗管が塞がれやすく、あせもが生じやすくなります。
あせもは気温や湿度が高い季節に多く見られますが、冬場でも厚着をしていたり暖房の効いた室内で過ごしたりする場合には年間を通じて発症することがあります。また、新生児や乳幼児は汗腺の機能が未発達なため、大人に比べてあせもができやすい傾向があります。
あせもは基本的には命に関わる疾患ではありませんが、かゆみや不快感が強く、掻きむしることで二次感染(細菌感染)を起こすリスクがあります。正しい知識を持って早めに対処することが重要です。
Q. あせもとはどんな仕組みで発症する皮膚トラブルですか?
あせも(汗疹)は、汗の出口である汗管や汗腺が詰まり、汗が皮膚内部に溜まって炎症を引き起こす皮膚疾患です。高温多湿の環境や激しい運動で大量に汗をかいた際に発症しやすく、皮膚どうしがこすれる部位や衣類で蒸れやすい部位に現れやすい特徴があります。
📋 あせもの種類と症状の特徴
あせもにはいくつかの種類があり、それぞれ症状の見た目や感じ方が異なります。あせもを正確に見分けるためには、まずあせも自体の種類を知っておくことが重要です。
🦠 水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
最も軽症のあせもです。汗管の最も表面近く(角質層)が詰まることで生じます。直径1〜3mm程度の透明または白っぽい水ぶくれのような小さな発疹が皮膚の表面にできるのが特徴です。かゆみや痛みはほとんどなく、見た目は露のような小さな水滴が皮膚に乗っているように見えます。
高熱が出た後や、大量に汗をかいた後に突然現れることが多く、数日以内に自然に治ることがほとんどです。新生児にもよく見られるタイプで、特に頭部や顔に多く出る傾向があります。
👴 紅色汗疹(こうしょくかんしん)
最も一般的なあせもで、いわゆる「あせも」と聞いてほとんどの人が思い浮かべるタイプです。汗管の中間層(表皮の深い部分)が詰まることで生じます。赤みを帯びた小さな丘疹(きゅうしん)や水疱が多数密集して現れ、強いかゆみやチクチクとした刺激感を伴うのが特徴です。
発疹の大きさは直径1〜4mm程度で、周囲が赤く炎症を起こしているため「紅色」という名前がついています。汗をかくとかゆみや刺激感が増すことが多く、特に夏の暑い時期や運動後に症状が強くなる傾向があります。
🔸 深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
皮膚の深い部分(真皮)で汗管が閉塞することで生じる比較的まれなタイプです。熱帯地域に長期滞在した場合や、繰り返し紅色汗疹を発症した後に起こることがあります。白っぽい硬い丘疹が現れ、かゆみはあまり強くない一方で、広範囲に及ぶと体温調節に支障をきたすことがあるため注意が必要です。
💧 膿疱性汗疹(のうほうせいかんしん)
紅色汗疹に細菌感染が加わり、膿(うみ)が溜まった状態です。発疹の中に白や黄色の膿がたまった膿疱(のうほう)が形成されます。かゆみに加えて痛みを伴うことがあり、この状態になると市販薬での対処だけでは不十分な場合があり、医療機関の受診が必要です。
💊 あせもが出やすい場所と季節
あせもができやすい場所にはいくつかの共通点があります。主な特徴は「汗がたまりやすく蒸発しにくい部位」と「皮膚どうしやものがこすれる部位」です。
具体的には、首まわり(首の前後や横)、わきの下、ひじの内側、ひざの裏側、お腹まわり(特に腹部のしわになりやすい部分)、背中(汗が背中に残りやすい)、おでこや生え際(ヘアバンドや帽子でムレやすい)、おむつが当たる部分(乳幼児に多い)などが代表的な部位です。
季節については、日本では梅雨から夏にかけての高温多湿な時期(6月〜9月頃)に最も多く発症します。気温が30度を超え、湿度も高い日本の夏は、汗腺が詰まりやすい環境が整っているといえます。ただし、前述のように冬でも以下のような状況ではあせもが起こることがあります。
冬場にあせもが起きやすい状況としては、厚手の衣類を重ね着している場合、暖房器具を使用して室温が高くなっている部屋で過ごしている場合、お風呂や温泉でのぼせるほど長時間入浴した場合、激しい運動をして大量に汗をかいた場合などが挙げられます。特に乳幼児は寝ている間にたくさん汗をかくため、季節を問わず注意が必要です。
Q. あせもとかぶれ(接触性皮膚炎)はどう見分けますか?
接触性皮膚炎(かぶれ)は、特定の物質が触れた部位にのみ境界線のはっきりした発疹が出るのが特徴です。一方、あせもは汗がたまりやすい部位であればどこにでも現れます。新しい化粧品や金属などを使い始めた後に特定箇所だけ発疹が出た場合は、かぶれを疑うとよいでしょう。
🏥 あせもと間違えやすい皮膚トラブルの見分け方
あせもと見た目が似ている皮膚トラブルは多くあります。自己判断で対処すると症状を悪化させてしまう可能性があるため、それぞれの特徴の違いをしっかり把握しておきましょう。
✨ 接触性皮膚炎(かぶれ)との違い
接触性皮膚炎は、特定の物質が皮膚に触れることによるアレルギー反応や刺激によって起こる炎症です。日焼け止め、化粧品、衣類の染料、金属(アクセサリー)、植物(漆など)などが原因となることがあります。
あせもとの大きな違いは「発症の範囲がはっきりとした境界線を持つことが多い」という点です。例えば、時計のバンドのかぶれなら時計が当たっていた部分だけに発疹が出ます。また、かぶれは原因物質に触れた部位に限局して発症するのに対し、あせもは汗のたまりやすい部位であればどこにでも出現します。かぶれの発疹はじくじくとして水ぶくれになりやすく、あせもよりも症状が強く出ることがあります。
「最近何か新しいものを肌に使い始めたか」「特定のものに触れた部位だけに発疹があるか」を確認することが見分けるポイントになります。
📌 アトピー性皮膚炎との違い
アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質のある人に生じる慢性的な皮膚の炎症性疾患です。かゆみを伴う湿疹が繰り返し出現し、特定の部位(ひじの内側、ひざの裏、顔など)に慢性的に現れるのが特徴です。
あせもとの違いとして、アトピー性皮膚炎は季節を問わず年間を通じて症状が続き、皮膚がかさかさと乾燥していることが多いです。あせもは暑い時期に集中して現れ、涼しくなれば自然に軽快することが多いため、症状の季節性が一つの判断材料になります。また、アトピー性皮膚炎の患者さんは夏に汗をかくとかゆみが増悪することがありますが、これはあせもが重なっている場合と、汗そのものへのアレルギー反応(コリン性じんましんや汗アレルギー)が関係している場合があります。
過去にアトピー性皮膚炎の診断を受けたことがある場合や、花粉症や食物アレルギーなどアレルギー疾患の既往がある場合は、皮膚科で正確に診断してもらうことをおすすめします。
▶️ とびひ(伝染性膿痂疹)との違い
とびひは、黄色ブドウ球菌や溶連菌などの細菌が皮膚に感染することで起こる疾患です。子どもに多く、夏場に流行します。あせもを掻きむしった傷口から細菌が入り込んであせもがとびひに進展することもあるため、関連性の深い疾患です。
とびひの特徴は、水ぶくれが破れてかさぶたになり、滲出液(しんしゅつえき)が乾いた黄色いかさぶたがべったりとついていることです。また、「とびひ」という名前の通り、触れた部分に次々と広がっていく感染力の強さが特徴です。タオルや衣類の共用を避けることが必要で、抗生物質による治療が必要な場合がほとんどです。
あせもを掻いた後に急激に症状が悪化した場合や、発疹の広がりが速い場合、周囲の子どもにも同様の発疹が出ている場合はとびひを疑い、早めに医療機関を受診してください。
🔹 虫刺されとの違い
夏場は蚊をはじめとする虫に刺されることも多いため、虫刺されとあせもを混同することがあります。虫刺されは刺された1か所に発赤(ほっせき)と腫れが生じることが多く、中心部に刺し口が見えることがあります。あせもは多数の小さな発疹が密集して現れるのに対し、虫刺されは散在性(まばら)に現れることが多いです。
また、虫刺されは衣類で覆われていない露出部位(腕、足、顔など)に多く、あせもは衣類の下や皮膚が重なる部分に多いという部位の違いも参考になります。ただし、複数箇所を刺された場合はあせもとの区別が難しくなることもあります。
📍 多形性紅斑・薬疹との違い
多形性紅斑や薬疹は、発疹の形が多様で全身に及ぶことがあり、あせもと混同されることがあります。薬疹は薬を服用してから数日〜2週間程度で出現することが多く、発疹が急速に広がり、発熱を伴うことがあります。多形性紅斑も手や足から体幹に向かって対称性に広がる特徴的なターゲット(的のような輪状)の発疹が現れます。
これらはあせもとは原因も治療法も大きく異なるため、薬を飲み始めた後に発疹が出た場合や、全身に急速に広がる発疹、発熱を伴う発疹がある場合は、あせもと自己判断せずに速やかに医療機関を受診してください。
💫 湿疹(皮脂欠乏性湿疹など)との違い
湿疹はさまざまな原因で起こる皮膚の炎症の総称で、あせもも広い意味では湿疹の一種に含まれます。皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)は皮膚が乾燥してバリア機能が低下することで起こり、冬場に多いのが特徴です。乾燥によるかゆみや赤み、かさつきが主な症状で、あせものような水ぶくれや密集した丘疹とは見た目が異なります。
「発疹が小さな粒状でかゆい」「汗をかいた後に症状が強くなる」「高温多湿の季節に悪化する」というポイントがそろっている場合はあせもの可能性が高く、「皮膚がかさかさして粉を吹いたようにみえる」「冬場や乾燥した時期に悪化する」という場合は乾燥性湿疹の可能性が考えられます。
⚠️ 大人と子どもでは症状の出方が違う?
あせもは年齢によって症状の出方や起こりやすい状況に違いがあります。
🦠 赤ちゃん・乳幼児のあせも
赤ちゃんや乳幼児は汗腺の機能がまだ十分に発達していないため、大人に比べてあせもができやすい傾向があります。新生児では水晶様汗疹が多く見られ、生後数週間〜数か月の赤ちゃんの頭部や顔に透明な小さな水ぶくれが現れることがあります。
乳幼児のあせもは、おでこや頭部、首のまわり、背中に多く見られます。特に首は皮膚のしわが深く、よだれや汗がたまりやすいためあせもができやすい部位です。また、おむつがあたる部分もムレやすく、おむつかぶれとあせもが同時に起こることもあります。
赤ちゃんは言葉でかゆさを伝えられないため、機嫌が悪い、よく泣く、眠れないなどのサインで気づくことがあります。かゆさから皮膚を引っ掻いてしまうと傷になり、そこから細菌感染(とびひ)を起こすリスクがあるため、爪を短く切っておくことも大切です。
👴 子ども(幼児〜学童期)のあせも
保育園や幼稚園、小学校に通う年代の子どもも活発に体を動かすため汗をたくさんかき、あせもができやすい時期です。この年代では紅色汗疹が最も多く、かゆみが強いために掻きむしって悪化させてしまうことが問題になります。学校での水泳授業後や体育後も発症のきっかけになることがあります。
🔸 大人のあせも
大人のあせもは子どもに比べると発症頻度は低いですが、以下のような状況で起こりやすくなります。屋外での長時間労働(建設現場、農作業など)、スポーツや激しい運動、高温環境下での作業(厨房、工場など)、肥満(皮膚のしわが深く汗がたまりやすい)、糖尿病などの基礎疾患がある場合などです。
大人のあせもで注意すべきは、症状を「たかがあせも」と軽視して放置してしまうことです。特に糖尿病の方は皮膚感染症を起こしやすく、あせもが悪化して膿疱性汗疹になった場合に治りにくいことがあります。また、過去に皮膚トラブルの既往がある方や、ステロイド薬を長期使用している方も注意が必要です。
Q. あせもを悪化させる行動や習慣にはどんなものがありますか?
あせもを悪化させる主な原因として、かゆくて掻きむしる行為(細菌感染のリスクが高まる)、汗をかいたまま放置すること、吸湿性の低いポリエステル素材の衣類の着用、炎症部位への保湿クリームの多量塗布、濡れた衣類を着続けることなどが挙げられます。汗をかいたら早めに優しく洗い流すことが重要です。
🔍 あせもを悪化させる原因と注意点
あせもは適切に対処すれば比較的早く改善しますが、以下のような行動や状況が症状を悪化させることがあります。
掻きむしる行為は、皮膚バリアを傷つけ細菌感染を起こすリスクを高めるため最も避けるべき行動です。かゆくても爪で掻くのではなく、冷やすなどの方法でかゆみを和らげることが重要です。
汗をかいたまま放置することも悪化の原因になります。汗が皮膚に残ることで汗腺の詰まりが進み、炎症が強くなります。汗をかいたらすぐにタオルで軽く押さえるか、シャワーで洗い流すことが大切です。ただし、強くこすることはNGです。
衣類の素材も重要です。ポリエステルなど吸湿性が低い素材は汗が蒸発しにくく、あせもを悪化させます。綿や麻など通気性・吸湿性に優れた素材を選ぶとよいでしょう。また、衣類の縫い目やゴムが皮膚に当たることで、その部位の汗管が詰まりやすくなることがあります。
市販の保湿クリームを大量に塗ることで、かえって汗腺が詰まりやすくなることがあります。あせもの部位への保湿剤の使用は、症状や製品によって適否が異なるため、炎症が強い時期は皮膚科医に相談することをおすすめします。
日焼け止めやスキンケア用品の中には、あせもの部位に使用すると刺激になるものもあります。発疹のある部位には香料入りの製品の使用を控えることが無難です。
また、あせもになっている部位を長時間濡れた状態に保つこと(例えば濡れた衣類を着たまま過ごすなど)も炎症を悪化させる原因になります。水着を着たままプールサイドで過ごすことなども注意が必要です。
📝 自宅でできるあせものケアと予防策

軽症のあせもは自宅でのケアで改善することが多いです。適切なケアと予防策を実践することで、症状の早期改善と再発防止につながります。
💧 環境の調整
あせもの改善に最も効果的なのは、高温多湿の環境を避けることです。エアコンや扇風機を活用して室温を適切に保ち(目安として26〜28度程度)、湿度も60%以下に保つようにしましょう。特に就寝中は寝具の素材にも注意し、吸湿性の高い綿素材の寝具を使用することがおすすめです。
✨ こまめな清潔ケア
汗をかいたらできるだけ早く清潔にすることが大切です。シャワーで汗を洗い流す際は、ゴシゴシとこすらずに優しく洗いましょう。石鹸を使用する際は低刺激性のものを選び、よくすすぐことが重要です。シャワーの後は清潔なタオルで優しく水分を拭き取り、十分に乾燥させてから衣類を着ます。
赤ちゃんの場合は、毎日入浴させることが推奨されます。夏場は1日に2回入浴させても問題ありません。ただし長時間の入浴は皮膚を乾燥させることがあるため、10〜15分程度を目安にしましょう。
📌 衣類の選択
通気性・吸湿性に優れた素材(綿、麻など)の衣類を選びましょう。ゆとりのあるサイズを選び、皮膚への摩擦や圧迫を減らすことも重要です。汗をかいたら衣類はこまめに着替え、濡れたままにしないようにしましょう。
赤ちゃんの場合は薄着にして、室温を適切に保つことで過度な発汗を防ぐことができます。大人がちょうどよいと感じる気温なら、赤ちゃんに厚着をさせる必要はありません。
▶️ 市販薬の活用
軽症のあせもには市販薬が有効なことがあります。主な市販薬の種類として、炉甘石ローション(あせもの定番薬で、かゆみを和らげ皮膚を保護する効果がある)があります。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬を含む外用薬が役立つことがあります。炎症が強い場合は弱いステロイド成分を含む市販の外用薬もありますが、顔や粘膜への使用や長期使用は避け、使用上の注意をよく読んで正しく使うことが重要です。
市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、悪化している場合は自己判断での継続使用を避け、皮膚科を受診するようにしましょう。
🔹 かゆみへの対処
かゆみが強い場合は、患部を冷たいタオルや保冷剤(タオルで包む)で冷やすと一時的にかゆみが和らぎます。掻きむしらないように、かゆみが出たら冷やすことを習慣にしましょう。特に子どもの場合は、夜間就寝中に無意識に掻いてしまうことがあるため、手袋をつけるなどの工夫も有効です。
Q. あせもで皮膚科を受診すべき症状の目安は何ですか?
市販薬や自宅ケアを1〜2週間続けても改善しない場合、発疹が急速に広がる場合、膿が出ている場合、発熱を伴う場合は皮膚科への受診が必要です。アイシークリニックでも、あせもと思っていたが実際には接触性皮膚炎やとびひだったケースが多くあるため、症状が長引く際は早めの受診をおすすめします。
💡 こんな場合は皮膚科へ|受診の目安
あせもは多くの場合、適切なケアで自然に改善しますが、以下のような場合は皮膚科への受診を検討してください。
市販薬や自宅ケアを1〜2週間続けても改善が見られない場合は、あせも以外の疾患の可能性や、治療が必要なレベルの炎症が考えられます。また、発疹が急速に広がっている場合や、膿(うみ)が出ている場合(膿疱形成)は細菌感染を起こしている可能性があり、抗生物質による治療が必要な場合があります。
発熱を伴う場合も受診が必要です。あせも自体は発熱を引き起こしませんが、細菌感染が広がることで発熱することがあります。また、発熱が原因でたくさん汗をかいてあせもが悪化するという悪循環になることもあります。
発疹の見た目がいつものあせもと異なると感じる場合も受診の目安です。水ぶくれが大きい、発疹の色が赤だけでなく紫や黒っぽい、強い痛みがある、などの場合は他の疾患が疑われます。
アトピー性皮膚炎や糖尿病などの基礎疾患がある方が発症した場合も、自己判断を避けて皮膚科に相談することをおすすめします。基礎疾患があると治りにくかったり、感染症を起こしやすかったりするためです。
赤ちゃんや乳幼児で、あせもが疑われる発疹が広範囲に及ぶ場合や、食欲低下・ぐったりしているなどの全身症状がある場合は、小児科または皮膚科を受診してください。
皮膚科では、見た目や症状から診断を行い、必要に応じてステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬(内服や外用)、抗生物質(細菌感染を伴う場合)などが処方されます。重症の場合や診断が難しい場合は、皮膚の一部を採取して詳しく調べる検査(皮膚生検)が行われることもあります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏になると「あせもだと思って市販薬を使っていたけれどなかなか治らない」というご相談を多くいただきますが、実際に診察すると接触性皮膚炎やとびひなど別の疾患であるケースも少なくありません。あせもは適切なケアで改善しやすい一方、掻きむしることで細菌感染に発展するリスクもありますので、症状が長引いたり膿が出てきたりした場合は早めに皮膚科を受診されることをおすすめします。お子さんからご高齢の方まで、皮膚のトラブルで気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。」
✨ よくある質問
あせもは小さな発疹が密集して現れるのに対し、虫刺されは1か所に発赤と腫れが生じ、中心に刺し口が見られることがあります。また、あせもは衣類の下や皮膚が重なる部位に多いのに対し、虫刺されは腕や足など露出部位に多い点も見分けるポイントになります。
できます。厚着や暖房による室温の上昇、長時間の入浴、激しい運動などで大量に汗をかいた場合、冬でもあせもが発症することがあります。特に乳幼児は寝ている間にたくさん汗をかくため、季節を問わず注意が必要です。
掻きむしると皮膚バリアが傷つき、細菌感染を起こすリスクが高まります。悪化すると膿がたまる「膿疱性汗疹」や「とびひ」に進展することがあります。かゆい場合は冷たいタオルや保冷剤で冷やしてかゆみを和らげ、掻かないように心がけましょう。
軽症であれば市販薬が有効な場合があります。かゆみには抗ヒスタミン薬を含む外用薬、皮膚の保護には炉甘石ローションが代表的です。炎症が強い場合はステロイド成分入りの外用薬もありますが、1〜2週間使用しても改善しない場合は皮膚科への受診をおすすめします。
以下の場合は早めに皮膚科を受診してください。①市販薬や自宅ケアを1〜2週間続けても改善しない、②発疹が急速に広がっている、③膿が出ている、④発熱を伴う、⑤アトピー性皮膚炎や糖尿病などの基礎疾患がある、⑤赤ちゃんで発疹が広範囲に及ぶ場合などです。
📌 まとめ
あせもは汗腺の詰まりによって起こる皮膚トラブルで、夏場の高温多湿な時期に多く見られます。水晶様汗疹・紅色汗疹・深在性汗疹・膿疱性汗疹などの種類があり、それぞれ症状の程度が異なります。
あせもと似た皮膚トラブルには、接触性皮膚炎(かぶれ)、アトピー性皮膚炎、とびひ、虫刺され、湿疹など多くの疾患があります。見分けるポイントとして、発疹が出た部位や範囲、発症のタイミング(汗をかいた後かどうか)、季節性、症状の広がり方などを総合的に判断することが重要です。
軽症であれば環境の調整(涼しく保つ、通気性の良い衣類)、こまめな清潔ケア、市販薬の使用などで改善が期待できます。しかし、症状が長引く場合、悪化する場合、膿が出る場合、発熱を伴う場合などは自己判断せずに皮膚科を受診することが大切です。
「これはあせもかな?それとも別の何かかな?」と迷った場合は、医療機関で正確な診断を受けることが、早期改善への最も確実な近道です。皮膚のトラブルは早めの対応が大切ですので、気になる症状があれば一人で抱え込まずに専門医に相談してみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類・症状・診断・治療に関する皮膚科学的ガイドラインおよび診療指針
- 国立感染症研究所 – とびひ(伝染性膿痂疹)の病原体・感染経路・症状・予防に関する感染症情報
- 厚生労働省 – 皮膚疾患に関する健康情報および市販薬・外用薬の適正使用に関する行政情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務