インフルエンザ流行の全知識:2025年最新情報と予防・対策の完全ガイド

寒暖差が激しくなり、空気が乾燥し始めるこの季節、多くの方がインフルエンザの流行を気にされているのではないでしょうか。2024-2025年シーズンは例年と異なり、9月末という早い時期に流行シーズンへの突入が確認されました。昨年より約1か月早い流行開始となっており、すでに学校での学級閉鎖や学年閉鎖の報告も増えています。

インフルエンザは、単なる「ひどい風邪」ではありません。高熱や全身の強い倦怠感など特徴的な症状を引き起こし、時には重篤な合併症につながることもある感染症です。しかし、正しい知識と適切な予防・対策を行うことで、感染リスクを大きく減らすことができます。

本記事では、インフルエンザ流行の基礎知識から2024-2025年シーズンの最新情報、具体的な予防方法、そして感染してしまった場合の対処法まで、皆様の健康を守るために必要な情報を総合的にお届けします。

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この記事のポイント

2024-2025年シーズンのインフルエンザは例年より約1か月早い9月末に流行開始し、香港A型(H3N2)が主流。高熱が出ない「かくれインフルエンザ」も増加中。ワクチン接種・手洗い・マスクによる予防と、発症48時間以内の抗ウイルス薬投与が重症化防止に有効。

📊 【2024-2025シーズン】今年のインフルエンザ流行の特徴

🗓️ 例年より1か月早い流行開始

2024-2025年シーズンのインフルエンザは、9月22日〜28日の週に流行開始の目安である定点当たり1.00を上回り、例年より約1か月早い流行シーズン入りとなりました。この早期流行には、国際的な人の往来の活発化や、南半球での流行パターンの影響が考えられています。

🦠 香港A型(A/H3N2)が主流

今シーズンは香港A型(A/H3N2型)が全感染者の約半数を占める主要な流行株となっています。この型は変異しやすく、ワクチンとのミスマッチが生じやすい特徴がありますが、重症化予防効果は十分期待できます。

🤒 「かくれインフルエンザ」の増加

今シーズンの特徴として、典型的な高熱が出ない「かくれインフルエンザ」の報告が増加しています。軽い倦怠感や微熱程度の症状のため、本人が気づかずに感染を広げてしまうケースが問題となっています。

高桑康太 医師・当院治療責任者

今シーズンは例年より早い時期からインフルエンザ患者さんが増加しており、当院でも10月から急激に受診者数が増えています。特に印象的なのは、高熱が出ずに『なんとなく体調が悪い』という症状で受診され、検査をしてみるとインフルエンザ陽性という方が多いことです。また、ワクチン接種済みの方でも軽症ながら感染されるケースが見られ、改めてワクチンの重症化予防効果の重要性を実感しています。軽い症状でも流行期には検査を受けることをお勧めします。

Q. 2024-2025年シーズンのインフルエンザの流行の特徴は?

2024-2025年シーズンのインフルエンザは、9月22〜28日の週に流行開始の目安を超え、例年より約1か月早い流行入りとなりました。香港A型(H3N2)が全感染者の約半数を占め、高熱が出ない「かくれインフルエンザ」の増加も今シーズンの大きな特徴です。

🧬 インフルエンザとは:基本知識

🦠 インフルエンザウイルスの種類

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。ウイルスは主にA型、B型、C型の3種類に分類されますが、季節性の流行を引き起こすのはA型とB型です。

A型インフルエンザは、さらにH1N1型、H3N2型(香港型)など複数の亜型に分類されます。感染力が非常に強く、世界的な大流行(パンデミック)を起こす可能性があるのも、このA型の特徴です。症状が比較的重く、高熱や強い全身症状を伴うことが多いとされています。

B型インフルエンザは、A型ほどの変異はみられませんが、毎年のように流行を繰り返します。A型に比べて症状がやや軽いとされることもありますが、個人差があり、決して軽視できる感染症ではありません。シーズン後半(2月〜3月頃)に流行のピークを迎えることが多い傾向があります。

C型インフルエンザは、ほとんどの人が幼児期に感染し、多くの場合は軽い風邪様の症状で済みます。季節性の流行はほとんど見られないため、通常「インフルエンザ」という場合はA型とB型を指します。

🤧 一般的な風邪との違い

インフルエンザと一般的な風邪(普通感冒)は、しばしば混同されますが、医学的には明確に区別される別の疾患です。

発症の仕方が大きく異なります。風邪は鼻やのどの症状から徐々に始まることが多いのに対し、インフルエンザは突然の高熱や悪寒で急激に発症するのが特徴です。「朝は元気だったのに、昼頃から急に高熱が出た」というような経過は、インフルエンザに典型的なパターンです。

症状の程度も大きく異なります。風邪では鼻水、鼻づまり、のどの痛み、軽い咳などの呼吸器症状が中心で、全身症状は比較的軽度です。一方、インフルエンザでは38℃以上の高熱とともに、頭痛、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感など全身症状が顕著に現れます。

🔄 感染経路と潜伏期間

インフルエンザウイルスの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。

飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみによって飛び散るウイルスを含んだ飛沫を、周囲の人が吸い込むことで成立します。飛沫は約1〜2メートルの範囲に飛散するため、感染者との近距離での会話や、密閉された空間での共同生活が感染リスクを高めます。

接触感染は、感染者が触れたドアノブ、手すり、スイッチなどに付着したウイルスを、他の人が手で触れ、その手で自分の鼻や口、目を触ることで感染します。インフルエンザウイルスは環境中でも数時間は感染力を保つことができるため、直接の接触がなくても感染が広がる可能性があります。

潜伏期間は通常1〜3日です。この期間中はまだ症状が現れていませんが、ウイルスは体内で増殖を始めています。さらに重要なのは、発症前日から発症後3〜7日間はウイルスを排出し続けるということです。

インフルエンザの潜伏期間について詳しく知りたい方は、インフルエンザの潜伏期間は何日?感染力や症状が出るまでの経過を解説をご参照ください。

Q. インフルエンザワクチンの効果と接種の最適な時期は?

インフルエンザワクチンの感染予防効果は約50〜60%ですが、最大の意義は重症化予防にあります。65歳以上の高齢者では死亡を82%阻止する効果が報告されています。効果発現まで約2週間かかるため、日本では10月中旬から11月中旬の接種が理想的とされています。

🌡️ インフルエンザの症状と診断

💥 主な症状

インフルエンザの特徴的な症状は、以下のようにまとめられます。

全身症状:

  • 高熱(38℃以上、時には40℃近くに達することも)
  • 悪寒・戦慄(ガタガタと震えるような寒気)
  • 強い倦怠感・疲労感(起き上がるのも辛いほど)
  • 頭痛(ズキズキとした強い痛み)
  • 筋肉痛・関節痛(体中が痛むような感覚)
  • 食欲不振

呼吸器症状:

  • のどの痛み
  • 咳(初期には乾いた咳、後に痰を伴うことも)
  • 鼻水・鼻づまり

これらの症状は急激に現れるのが特徴です。多くの患者さんは「午前中は普通だったのに、午後から突然高熱が出た」というような経過を辿ります。

特にインフルエンザB型では、腹痛や下痢などの消化器症状が現れることがあります。詳しくはインフルエンザB型の腹痛症状とは?お腹が痛い原因と対処法を医師が解説をご覧ください。

👶 年齢別の症状の特徴

インフルエンザの症状は、年齢によって多少異なる特徴を示すことがあります。

  • 乳幼児(0〜5歳):典型的な症状を訴えることができないため、診断が難しくなることがあります。不機嫌、食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器症状が前面に出ることもあります。
  • 学童期(6〜12歳):比較的典型的な症状を呈します。高熱、頭痛、全身倦怠感などがはっきりと現れます。
  • 青年・成人期(13〜64歳):最も典型的な症状が現れる年齢層です。高熱、全身症状が顕著で、仕事や日常生活に大きな支障をきたします。
  • 高齢者(65歳以上):若年者ほど高熱が出ないこともあります。しかし、肺炎などの合併症を起こしやすく、重症化のリスクが高いため、特に注意が必要です。

🔬 診断方法

インフルエンザの診断には、問診、身体診察に加えて、迅速診断キット(イムノクロマト法)が広く用いられています。

迅速診断キットは、鼻やのどの奥を綿棒でこすって採取した検体を用いて、15分程度でインフルエンザウイルスの有無を判定できる検査です。A型とB型の区別も可能で、外来診療で即座に結果がわかるため、非常に便利な検査方法です。

ただし、この検査にはいくつかの注意点があります。まず、発症直後(12時間以内)では陽性率が低いという特性があります。最適な検査タイミングは「発症後12〜24時間程度経過してから」とされています。

🏥 いつ医療機関を受診すべきか

以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

早期受診が推奨される症状:

  • 38℃以上の高熱が急に出た
  • 強い倦怠感で起き上がれない
  • 頭痛や筋肉痛が強い
  • 周囲にインフルエンザ患者がいる
  • 呼吸が苦しい、息切れがする
  • 意識がもうろうとする
  • けいれんを起こした(特に子ども)

特に注意が必要な方:

  • 65歳以上の高齢者
  • 5歳以下の乳幼児
  • 妊娠中の方
  • 慢性呼吸器疾患(喘息、COPD等)のある方
  • 心疾患のある方
  • 糖尿病などの代謝性疾患のある方
  • 免疫抑制状態にある方(抗がん剤治療中など)

💉 インフルエンザの予防方法

💉 ワクチン接種:最も効果的な予防法

インフルエンザ予防において、最も効果的で科学的に証明されている方法はワクチン接種です。厚生労働省も、流行前の接種を強く推奨しています。

ワクチンの効果

インフルエンザワクチンの有効性は約50〜60%程度とされています。最も重要なのは重症化を防ぐ効果です。65歳以上の高齢者を対象とした研究では、ワクチン接種により、発病を34〜55%阻止し、死亡を82%阻止する効果が報告されています。

接種のタイミング

ワクチンの効果が現れるまでには、接種後約2週間かかります。また、その効果は接種後約5か月間持続するとされています。

日本では例年12月〜3月に流行のピークを迎えるため、10月中旬から11月中旬までの接種が理想的です。

接種回数

  • 13歳以上:原則1回接種
  • 13歳未満:2回接種(2〜4週間隔、できれば4週間隔が望ましい)

ワクチンの効果期間について詳しくは、インフルエンザワクチンの効果期間はどれくらい?持続期間と接種タイミングを医師が解説をご参照ください。

🧼 日常生活での予防対策

ワクチン接種に加えて、日常生活での感染予防対策も非常に重要です。

1. 手洗い・手指消毒

最も基本的かつ効果的な予防法です。インフルエンザウイルスは接触感染でも広がるため、こまめな手洗いが感染リスクを大きく下げます

効果的な手洗いの方法:

  1. 流水で手を濡らす
  2. 石鹸を手に取り、よく泡立てる
  3. 手のひら、手の甲、指の間、指先、爪の間、親指の付け根、手首まで丁寧に洗う
  4. 流水で十分にすすぐ
  5. 清潔なタオルやペーパータオルで拭く

2. マスクの着用

マスクは飛沫感染を防ぐために効果的です。特に以下の状況では着用を心がけましょう。

  • 人混みや公共交通機関を利用する時
  • 医療機関や高齢者施設を訪問する時
  • 自分に咳や鼻水などの症状がある時(咳エチケット)

3. 適度な湿度の維持

インフルエンザウイルスは、湿度50〜60%の環境では活動が低下します。また、空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。

4. 十分な休養とバランスの取れた栄養

体の免疫機能を正常に保つためには、十分な睡眠と栄養が不可欠です。

  • 睡眠:1日7〜8時間の質の良い睡眠を心がける
  • 栄養:バランスの取れた食事、特にビタミンC、ビタミンD、タンパク質を意識的に摂取
  • 水分補給:こまめな水分摂取で粘膜の乾燥を防ぐ

免疫機能の向上には亜鉛も重要な役割を果たします。詳しくは亜鉛が免疫機能に与える効果とは?サプリメントの効果的な摂取方法を医師が解説をご覧ください。

🏫 学校・職場での予防対策

集団生活の場では、一人の感染が多数の感染につながりやすいため、組織的な対策が重要です。

学校での対策:

  • 登校前の健康チェック(検温、症状確認)
  • 手洗い・うがいの徹底
  • 教室の定期的な換気
  • 体調不良の児童・生徒の早期発見と登校停止
  • 流行状況に応じた学級閉鎖・学年閉鎖の実施

職場での対策:

  • 時差出勤やテレワークの活用
  • 会議室や共有スペースの換気
  • 手指消毒剤の設置
  • 体調不良時の無理な出勤を避ける風土づくり
  • マスク着用の推奨

Q. インフルエンザの抗ウイルス薬はどのように使用すべきですか?

抗インフルエンザウイルス薬は、発症後48時間以内に使用を開始することが重要です。タミフル(内服・5日間)、リレンザ(吸入・5日間)、イナビル(1回吸入で完了)、ゾフルーザ(1回内服で完了)などがあり、症状の持続期間短縮と重症化予防の効果が期待できます。

💊 インフルエンザの治療

💊 抗インフルエンザウイルス薬

インフルエンザには、ウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザウイルス薬があります。これらの薬は、発症後48時間以内に使用開始することで、症状の持続期間を短縮し、重症化を防ぐ効果があります。

主な抗インフルエンザウイルス薬:

  • オセルタミビル(タミフル®):内服薬、1日2回、5日間服用
  • ザナミビル(リレンザ®):吸入薬、1日2回、5日間吸入
  • ラニナミビル(イナビル®):吸入薬、1回の吸入で治療が完了
  • バロキサビル(ゾフルーザ®):内服薬、1回の服用で治療が完了

🏥 対症療法

抗ウイルス薬に加えて、症状を和らげるための対症療法も重要です。

解熱鎮痛薬:

高熱や頭痛、筋肉痛などの症状を和らげるために使用します。

  • アセトアミノフェン(カロナール®など)が第一選択
  • イブプロフェンなども使用可能
  • アスピリンは、15歳未満の小児・若年者では使用禁忌(ライ症候群のリスク)

解熱剤が効かない場合の対処法については、解熱剤が効かない原因とは?対処法と受診の目安を医師が解説をご参照ください。

その他の対症療法:

  • 十分な水分補給(脱水予防)
  • 栄養補給(食欲がない場合は、消化の良いものから)
  • 安静(無理をせず、十分な休養を取る)

🏠 自宅療養の注意点

インフルエンザと診断された場合、多くのケースで自宅療養となります。以下の点に注意しましょう。

基本的な療養のポイント:

  • 十分な休養
  • 水分補給
  • 栄養補給
  • 室内環境の管理(室温20〜23℃、湿度50〜60%)
  • 他の家族への感染予防

症状の観察

以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関に連絡または受診してください:

  • 呼吸が苦しい、息切れがする
  • 胸の痛みが続く
  • 意識がもうろうとする
  • けいれんを起こす
  • 嘔吐が続き、水分が取れない
  • 尿が半日以上出ない

解熱後もだるさが続く場合については、インフルエンザ解熱後もだるいのはなぜ?原因と回復を早める対処法を解説で詳しく説明しています。

📅 いつから登校・出勤できるか

インフルエンザに罹患した場合、他の人への感染を防ぐため、一定期間は出席や出勤を控える必要があります。

学校保健安全法による出席停止期間:

  • 発症後5日を経過し、かつ
  • 解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで

Q. インフルエンザ罹患後、いつから登校・出勤できますか?

学校保健安全法では、インフルエンザ罹患後の出席停止期間は「発症後5日を経過」し、かつ「解熱後2日(幼児は3日)を経過」するまでと定められています。解熱後もウイルスを排出し続けるため、熱が下がってもすぐに登校・出勤することは周囲への感染リスクがあり避けるべきです。

⚠️ インフルエンザの合併症と重症化

🫁 主な合併症

インフルエンザそのものも辛い疾患ですが、時として重篤な合併症を引き起こすことがあります。

  • インフルエンザ肺炎:インフルエンザウイルスが直接肺に感染して起こる肺炎
  • 二次性細菌性肺炎:肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して起こる肺炎
  • インフルエンザ脳症:主に小児(特に5歳以下)に見られる重篤な合併症
  • 心筋炎・心膜炎:インフルエンザウイルスが心臓に感染
  • 筋炎:特にインフルエンザB型で起こりやすい

👥 重症化しやすい人

以下のような方は、インフルエンザが重症化しやすいため、特に注意が必要です。

高リスク群:

  • 65歳以上の高齢者
  • 5歳以下の乳幼児(特に2歳未満)
  • 妊婦(特に妊娠後期)
  • 慢性呼吸器疾患のある方(喘息、COPD、間質性肺炎など)
  • 心血管疾患のある方(心不全、冠動脈疾患など)
  • 糖尿病、腎臓病、肝臓病などの代謝性疾患のある方
  • 免疫機能が低下している方(HIV感染症、抗がん剤治療中、ステロイド長期使用中など)

🚨 インフルエンザによる異常行動

インフルエンザ罹患時、特に小児・未成年者において、飛び降りや転落などの異常行動が報告されています。これは、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無にかかわらず発生することが知られています。

発症後2日間は、以下の対策を講じることが推奨されます:

  • 子どもだけを残して外出しない
  • 玄関や窓の施錠を確実に行う(特に高層階)
  • ベランダに面していない部屋で寝かせる
  • 一戸建ての場合は1階で寝かせる
  • 異常な言動・行動がないか、こまめに確認する
🚨 インフルエンザによる異常行動

よくある質問

Q1. インフルエンザワクチンを打っても感染することはありますか?

A1. はい、ワクチンを接種しても感染する可能性はあります。インフルエンザワクチンの有効性は約50〜60%程度とされており、完全に感染を防げるわけではありません。
しかし、ワクチンの最も重要な効果は重症化の予防です。仮に感染しても、ワクチンを接種していれば症状が軽く済み、入院や死亡のリスクを大幅に減らすことができます。特に高齢者では、死亡を82%阻止する効果が報告されています。
また、自分が感染しにくくなることで、周囲の人(特にワクチンを受けられない乳児や、免疫力の低下した家族など)への感染を防ぐという社会的な意義もあります。

Q2. インフルエンザと新型コロナの同時感染はありますか?

A2. はい、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時感染は起こり得ます。これは「ツインデミック」とも呼ばれ、医療機関では注意が払われています。
症状だけで両者を区別することは困難です。高熱、咳、倦怠感など、症状が重複しているためです。正確な診断のためには、インフルエンザと新型コロナの両方の検査を受ける必要があります。現在、多くの医療機関では同時検査が可能なキットも導入されています。
予防策としては、インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンの両方を接種すること、そして日常的な感染予防対策(手洗い、マスク着用、換気など)を継続することが重要です。

Q3. 2024-2025年シーズンの流行株に対するワクチンの効果はどの程度期待できますか?

A3. 2024-2025年シーズンは香港A型(A/H3N2)が主流となっていますが、この型は変異しやすく、ワクチン株とのミスマッチが生じやすい特徴があります。
しかし、完全に一致しなくても、ワクチンには交差免疫という効果があり、類似したウイルスに対しても一定の防御効果を発揮します。特に重症化予防効果は高く維持されることが多いです。
また、今シーズンは「かくれインフルエンザ」と呼ばれる軽症例が増加していますが、これはワクチン接種により症状が軽減されている可能性もあります。流行が始まってからでも接種する意義は十分にあるため、まだ接種されていない方は早めの接種をお勧めします。

Q4. 家族がインフルエンザにかかったら、どうすればよいですか?

A4. 家族内での感染拡大を防ぐため、以下の対策を実施してください。
感染者の隔離:
・可能であれば個室で療養
・部屋から出る際はマスク着用
・看病する人を限定(できれば健康で免疫力のある一人)
環境対策:
・定期的な換気
・ドアノブ、スイッチなど頻繁に触れる場所の消毒
・タオル、食器などの共有を避ける

Q5. インフルエンザは何度もかかりますか?

A5. はい、インフルエンザには何度でも感染する可能性があります。
主な理由は以下の通りです:
1. ウイルスの変異:インフルエンザウイルス、特にA型は年々変異を繰り返すため、過去に感染したウイルスと今年流行するウイルスは異なる場合があります
2. 型の違い:A型H1N1に感染したことがあっても、A型H3N2やB型には感染する可能性があります
3. 免疫の減弱:インフルエンザに対する免疫は、時間とともに徐々に弱まっていきます
4. 同一シーズン内での再感染:まれですが、同じシーズン内に異なる型のインフルエンザに2回感染することもあります

Q6. 熱が下がったらすぐに学校や仕事に行ってもよいですか?

A6. いいえ、熱が下がってもすぐに登校・出勤することは避けるべきです。
学校保健安全法では、以下のように定められています:
発症後5日を経過し、かつ
解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで出席停止
これは、熱が下がった後もしばらくはウイルスを排出し続けるためです。早期に登校・出勤すると、周囲に感染を広げるリスクがあります。

Q7. 「かくれインフルエンザ」とは何ですか?どう見分けるのですか?

A7. 「かくれインフルエンザ」とは、典型的な高熱が出ずに軽い症状で済むインフルエンザのことです。2024-2025年シーズンで特に増加が報告されています。
主な症状:
・37℃台の微熱または平熱
・軽い倦怠感やだるさ
・軽度の頭痛
・のどの違和感
・軽い咳
見分け方:症状だけでは判断が困難なため、流行期に上記のような症状がある場合は、軽症でも医療機関で検査を受けることをお勧めします。本人が気づかずに感染を広げるリスクがあるため、早期診断が重要です。

Q8. インフルエンザの流行はいつまで続きますか?

A8. 例年、インフルエンザの流行は12月〜3月頃にピークを迎え、4月頃まで続くことが多いです。しかし、2024-2025年シーズンは9月末という早期に流行が始まったため、従来のパターンと異なる可能性があります。
流行の終息時期は以下の要因に影響されます:
・気温や湿度の変化
・人の移動パターン
・ワクチン接種率
・感染対策の実施状況
最新の流行状況については、厚生労働省や国立感染症研究所の「インフルエンザ流行レベルマップ」で確認できます。流行が続いている間は、継続的な予防対策が重要です。

✅ まとめ

インフルエンザは、毎年多くの人が感染する身近な感染症ですが、決して侮ることのできない疾患です。特に2024-2025年シーズンは例年より早い流行開始となっており、香港A型(A/H3N2)を中心とした流行が続いています。

インフルエンザ予防の三本柱:

  1. ワクチン接種:最も効果的な予防法。重症化を防ぐ効果は特に高い
  2. 日常的な予防対策:手洗い、マスク、換気、適度な湿度管理
  3. 体調管理:十分な睡眠、バランスの取れた栄養、適度な運動

感染が疑われる場合:

  • 早めの医療機関受診(発症後48時間以内)
  • 抗ウイルス薬による治療
  • 十分な安静と水分補給
  • 他の人への感染拡大防止

重症化しやすい方は特に注意:

  • 65歳以上の高齢者
  • 5歳以下の乳幼児
  • 妊婦
  • 基礎疾患のある方

これらの方は、軽い症状でも早めに受診し、予防的なワクチン接種を欠かさないことが重要です。

インフルエンザは、個人の予防努力と社会全体での感染対策により、その影響を最小限に抑えることができます。一人ひとりが正しい知識を持ち、適切な行動を取ることで、自分自身だけでなく、家族や周囲の人々の健康も守ることができます。

📚 参考文献

※本記事は2025年1月時点の情報に基づいて作成されています。最新の流行状況や治療方針については、上記の公的機関の情報をご確認ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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