「食事の量を減らしたいのに、どうしても食欲が抑えられない」と悩んでいる方は少なくありません。ダイエットに取り組む際、食欲のコントロールは非常に重要な課題のひとつです。そこで近年注目されているのが、食欲抑制薬(食欲抑制剤)です。食欲抑制薬にはいくつかの種類があり、作用のしくみや適応、注意点はそれぞれ異なります。この記事では、食欲抑制薬の種類や特徴、使用時の注意点について医療的な視点からわかりやすく解説します。薬によるダイエットを検討している方や、食欲抑制薬について正しい知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 食欲抑制薬とはどのような薬か
- 食欲が生まれるしくみ
- 食欲抑制薬の主な種類
- 処方薬として使われる食欲抑制薬
- GLP-1受容体作動薬について
- 市販薬・サプリメントとの違い
- 食欲抑制薬を使用する際の注意点
- 食欲抑制薬が適している人・適していない人
- 食欲抑制薬を使用する前に知っておきたいこと
- まとめ

🎯 食欲抑制薬とはどのような薬か
食欲抑制薬とは、その名のとおり食欲を抑えることを目的とした薬の総称です。ダイエットや肥満治療において、食事制限を補助する目的で使用されることが多く、医師が処方する処方薬と、薬局などで購入できる市販薬に大きく分類されます。
日本においては、肥満症の治療を目的とした医療用医薬品として使用される薬と、一般的なダイエット補助として市販されている薬とが存在します。医療用の食欲抑制薬は、単純に「やせたい」という希望だけで処方されるものではなく、BMI(体格指数)や健康状態、合併症のリスクなどを総合的に評価した上で、医師が必要と判断した場合に処方されます。
食欲抑制薬は、使い方を誤ると依存性や副作用のリスクもあるため、自己判断で使用するのではなく、医療機関で適切な指導のもとに使用することが大切です。近年は肥満外来やダイエット外来を設けるクリニックも増えており、専門的な管理のもとで食欲抑制薬を活用できる環境が整ってきています。
📋 食欲が生まれるしくみ
食欲抑制薬の種類を理解するためには、まず食欲が生まれるしくみを知っておくことが重要です。食欲は脳の視床下部という部位が中心となって調節しており、さまざまなホルモンや神経伝達物質が関与しています。
食欲を高める方向に働くホルモンとして有名なのが「グレリン」です。グレリンは主に胃から分泌され、空腹感を脳に伝える役割を担っています。空腹のときにグレリンの血中濃度が上昇し、食後には低下するというリズムがあります。
一方、食欲を抑える方向に働くホルモンとしては「レプチン」や「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」などが知られています。レプチンは脂肪細胞から分泌され、視床下部に「エネルギーが足りている」というサインを送ります。GLP-1は食事をしたときに小腸から分泌され、満腹感を高めるとともに胃の動きを遅らせる働きがあります。
また、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンも食欲の調節に深く関わっています。セロトニンは満足感や幸福感をもたらし、過食を抑制する働きがあるとされています。ノルアドレナリンはエネルギーの消費を高めるとともに、食欲を抑制する作用があります。
食欲抑制薬は、これらのホルモンや神経伝達物質のはたらきに作用することで、食欲をコントロールする効果を発揮します。どのホルモンや物質に作用するかによって、薬の種類や特徴が異なります。
💊 食欲抑制薬の主な種類
食欲抑制薬は、作用するしくみや成分によっていくつかの種類に分類されます。大きく分けると、中枢神経系に作用するタイプ、消化管ホルモンに作用するタイプ、そのほかの機序で作用するタイプに分類することができます。
中枢神経系に作用するタイプは、脳内のセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の働きを調節することで食欲を抑えます。日本ではこのタイプに分類される薬として「マジンドール(商品名:サノレックス)」が知られています。
消化管ホルモンに作用するタイプとしては、近年急速に普及しているGLP-1受容体作動薬が代表的です。もともと2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、食欲抑制や体重減少の効果が確認されたことで、肥満治療にも活用されるようになっています。
そのほかにも、脂肪の吸収を抑えることで間接的に体重管理をサポートするリパーゼ阻害薬(オルリスタット)や、抗うつ薬や抗てんかん薬など、別の目的で開発された薬が体重減少効果を持つことから肥満治療に応用されるケースもあります。それぞれの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
🏥 処方薬として使われる食欲抑制薬
🦠 マジンドール(サノレックス)
マジンドールは、日本において長年にわたって肥満症治療に使用されてきた食欲抑制薬です。商品名は「サノレックス」で、中枢神経系に作用することで食欲を抑制します。具体的には、視床下部にある満腹中枢に働きかけ、食欲を低下させるとともに、基礎代謝をやや高める効果もあるとされています。
マジンドールは、BMIが35以上の高度肥満症に対して、他の治療法(食事療法・運動療法)との併用を条件に処方される薬です。処方できる医療機関や投与期間には制限があり、原則として3か月以内の投与とされています。これは依存性のリスクがあるためで、向精神薬に指定されており、適切な管理が必要です。
主な副作用としては、口の渇き、不眠、動悸、便秘、頭痛などが報告されています。また、心臓や血管に影響を与える可能性があるため、心疾患のある方や高血圧の方には慎重な投与が必要です。妊娠中・授乳中の方への投与も禁忌とされています。
👴 フェンテルミン(海外での使用)
フェンテルミンは、アメリカなど海外で承認されている食欲抑制薬のひとつで、交感神経刺激薬に分類されます。ノルアドレナリンの放出を促進することで食欲を抑制する働きがあります。アメリカではトピラマート(抗てんかん薬)との合剤として「Qsymia(キシミア)」という製品が承認されており、肥満治療において広く使用されています。
ただし、フェンテルミンは日本では未承認の成分であり、国内での正規の処方はできません。一部のクリニックで個人輸入品として使用されているケースもありますが、安全性や品質が保証されないリスクがあるため、注意が必要です。
🔸 ナルトレキソン・ブプロピオン合剤(コントレイブ)
ナルトレキソンとブプロピオンの合剤であるコントレイブは、アメリカをはじめ複数の国で肥満治療薬として承認されています。ナルトレキソンはもともとアルコール依存症や麻薬依存症の治療に使われる薬で、脳内の報酬系に作用します。ブプロピオンは抗うつ薬であり、ドーパミンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで食欲を抑えます。これら2種類の成分が組み合わさることで、相乗的な食欲抑制効果が得られるとされています。
日本ではナルトレキソン・ブプロピオン合剤は未承認ですが、個別の成分として国内で使用されているケースもあります。医療機関での適切な判断のもとに使用されることが前提です。
💧 オルリスタット(ゼニカル)
オルリスタットは、食欲抑制薬とは少し異なる作用を持つ薬ですが、肥満治療において食欲抑制薬と同様に使われることがあります。オルリスタットはリパーゼという脂肪分解酵素の働きを阻害することで、食事から摂取した脂肪の約30%の吸収を抑える効果があります。
日本では「ゼニカル」という商品名で処方薬として使用されており、食事療法・運動療法と組み合わせて使用することが求められます。主な副作用としては、脂っこい便や頻繁な便意、下痢などの消化器系の症状があります。これは脂肪が吸収されずに排泄されることによるものです。脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収も妨げられるため、ビタミン補給も考慮する必要があります。

⚠️ GLP-1受容体作動薬について
近年、食欲抑制薬の中で特に注目を集めているのがGLP-1受容体作動薬です。GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をしたときに小腸から分泌されるホルモンで、以下のような作用を持っています。
まず、膵臓からのインスリン分泌を促進し、血糖値を下げる効果があります。次に、胃の内容物が腸へ移動するスピードを遅らせることで、満腹感を持続させます。さらに、脳の視床下部に直接作用して食欲を抑制する効果もあります。これらの複合的な作用によって、GLP-1受容体作動薬は食欲の抑制と血糖コントロールの両方に効果を発揮します。
✨ セマグルチド(ウゴービ・オゼンピック)
セマグルチドは、GLP-1受容体作動薬の中でも特に強力な食欲抑制・体重減少効果を持つとして世界的に注目されている薬です。「オゼンピック」という商品名では2型糖尿病の治療薬として日本でも承認されており、週1回の皮下注射で使用します。
また、「ウゴービ」という商品名では肥満症の治療薬として、2024年に日本でも承認されました。これはBMI35以上、あるいはBMI27以上で高血圧・糖尿病・脂質異常症などの肥満関連疾患を持つ患者さんを対象としています。臨床試験では、セマグルチドを使用した患者さんで平均10〜15%の体重減少が確認されており、これまでの食欲抑制薬と比較しても非常に高い有効性が示されています。
主な副作用としては、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器系の症状が多く報告されています。これらは投与開始初期に出やすく、投与量を徐々に増やしていくことで軽減できるケースが多いです。また、稀に急性膵炎や胆嚢疾患のリスクが上昇するとの報告もあるため、定期的な医療機関での管理が必要です。
📌 リラグルチド(ビクトーザ・サクセンダ)
リラグルチドもGLP-1受容体作動薬のひとつで、「ビクトーザ」という商品名で2型糖尿病の治療に使用されています。毎日1回の皮下注射で使用します。肥満治療を対象とした「サクセンダ」は日本ではまだ保険適用の承認を受けていませんが、自由診療のクリニックなどでは使用されているケースがあります。
リラグルチドは、セマグルチドと比較すると体重減少効果はやや低いとされていますが、臨床試験では約5〜10%の体重減少効果が確認されています。副作用のプロファイルはセマグルチドと類似しており、消化器系の症状が主な副作用として報告されています。
▶️ チルゼパチド(マンジャロ)
チルゼパチドは、GLP-1受容体とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体の両方に作用する「デュアルアゴニスト」と呼ばれる新しいタイプの薬です。日本では「マンジャロ」という商品名で2型糖尿病の治療薬として承認されています。
臨床試験では、チルゼパチドはセマグルチドよりもさらに高い体重減少効果を示しており、最高用量での平均体重減少率は20%を超えるというデータもあります。GIPとGLP-1の両方の受容体に作用することで、食欲抑制・エネルギー消費の増加・血糖コントロールという複数の効果が相乗的に得られると考えられています。
日本では現在、糖尿病治療薬としての承認にとどまっていますが、肥満症治療薬としての承認申請も進められており、今後さらに活用範囲が広がることが期待されています。副作用はGLP-1受容体作動薬と同様に消化器症状が中心です。
🔍 市販薬・サプリメントとの違い
薬局や通販で購入できる市販の食欲抑制薬やダイエット補助サプリメントは、医師の処方なしに入手できる点で利便性が高いと感じる方も多いでしょう。しかし、処方薬と市販薬・サプリメントの間には、効果や安全性において大きな違いがあります。
日本で市販されている医薬品の中で、食欲抑制を標榜できるものは非常に限られています。薬機法(医薬品医療機器等法)により、医薬品として認められていない成分で食欲抑制効果を謳うことは規制されているためです。そのため、市販のダイエット補助食品の多くは「サプリメント」や「機能性食品」として販売されており、医薬品としての食欲抑制効果を正式に持つわけではありません。
市販の食欲抑制薬として存在するのは、主にOTC医薬品(市販薬)として承認された成分を含むものに限られます。例えば、「防風通聖散」などの漢方薬は、肥満に伴う諸症状の改善を目的として市販されており、一定の効果が期待されますが、処方薬ほどの強力な食欲抑制効果は持ちません。
一方、処方薬はその効果と安全性が臨床試験によって証明されており、医師の監督のもとで使用することで、適切な効果を得ながら副作用リスクを管理できます。体重減少の目的で薬を使用したい場合は、まず医療機関を受診して医師に相談することが最も安全で効果的なアプローチです。
🔹 漢方薬(防風通聖散など)
防風通聖散は、日本の漢方医学に基づく薬で、肥満症や便秘、皮膚疾患などに用いられます。腸の働きを促進し、代謝を改善することで体重管理をサポートするとされています。市販薬としても広く販売されており、比較的長期間にわたって使用されることも多いです。
ただし、甘草(カンゾウ)を含む処方であるため、偽アルドステロン症(低カリウム血症)や血圧上昇などの副作用が起こる可能性があります。また、下剤成分を含むため、下痢や腹痛が起こることもあります。使用する際は添付文書をよく読み、長期使用する場合は医師や薬剤師に相談することが望ましいです。
📍 食物繊維系のサプリメント
グルコマンナン(こんにゃく由来の食物繊維)やサイリウムハスクなどの食物繊維を主成分とするサプリメントは、水を吸収して膨らむことで胃の中を占拠し、物理的な満腹感をもたらすとされています。これらは比較的安全性が高く、副作用のリスクも低いですが、医薬品としての食欲抑制効果は期待できません。あくまで食事のサポートとして活用する程度と理解しておく必要があります。
📝 食欲抑制薬を使用する際の注意点
食欲抑制薬を使用する際には、いくつかの重要な注意点があります。正しい知識を持って使用することで、より安全に効果を得ることができます。
💫 副作用について
食欲抑制薬の副作用は薬の種類によって異なりますが、共通して注意が必要なものを挙げます。中枢神経系に作用するタイプ(マジンドールなど)では、不眠、口の渇き、動悸、血圧上昇、神経過敏などが起こりやすいです。GLP-1受容体作動薬では、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状が主な副作用です。
また、マジンドールは向精神薬に分類されており、依存性のリスクがあります。処方された期間を守り、自己判断で投与量を増やしたり、長期間使用し続けたりすることは避けるべきです。副作用が強く現れた場合は、速やかに処方した医師に相談することが重要です。
🦠 他の薬との相互作用
食欲抑制薬は、他の薬と組み合わせることで相互作用が生じる場合があります。特に、抗うつ薬(MAO阻害薬など)や降圧薬、糖尿病治療薬との組み合わせには注意が必要です。GLP-1受容体作動薬は血糖を下げる効果があるため、インスリンや他の血糖降下薬と併用する場合は低血糖リスクに注意しなければなりません。
現在服用している薬がある場合は、必ず医師に申告した上で、食欲抑制薬の処方を受けるようにしましょう。
👴 使用期間と継続的な管理
食欲抑制薬は、あくまでも肥満治療の補助手段のひとつです。薬を飲むだけでやせるわけではなく、食事療法や運動療法と組み合わせることで初めて効果的な体重管理が可能になります。また、薬の使用をやめた後にリバウンドが生じるリスクもあるため、薬の使用期間中に生活習慣を見直し、継続できる食事・運動習慣を身につけることが重要です。
薬の効果が出にくくなったり、副作用が強くなったりした場合は、自己判断で量を調整するのではなく、医師に相談して対応策を検討することが大切です。
🔸 インターネット購入・個人輸入のリスク
インターネット上では、未承認の食欲抑制薬や成分不明のダイエット薬が販売されているケースがあります。これらは品質や安全性が保証されておらず、重篤な副作用が生じるリスクがあります。過去には中国産などの未承認ダイエット薬に甲状腺ホルモン剤や利尿薬などが混入していたケースも報告されており、命に関わる事態に発展することもあります。
食欲抑制薬は必ず医療機関を受診し、医師から処方を受けて使用することが安全です。インターネットや個人輸入による薬の入手は避けてください。
💡 食欲抑制薬が適している人・適していない人
食欲抑制薬はすべての人に適しているわけではありません。使用が適している場合と、そうでない場合があります。
💧 食欲抑制薬が適している可能性がある人
食欲抑制薬の使用が検討される可能性がある方としては、BMIが一定基準以上の肥満症と診断されている方、食事療法や運動療法を継続しているにもかかわらず体重減少が不十分な方、肥満に伴う合併症(高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など)のリスクが高い方などが挙げられます。
特にGLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病の患者さんにとっては血糖コントロールと体重管理の両方に効果が期待できるため、適切な候補となり得ます。ただし、いずれの場合も医師による評価と判断が前提となります。
✨ 食欲抑制薬が適していない人
一方、食欲抑制薬の使用が慎重または禁忌とされる方もいます。妊娠中・授乳中の方は多くの食欲抑制薬の使用が禁忌です。重度の心臓病や不整脈のある方も、中枢神経系に作用するタイプの食欲抑制薬は使用を避けるべき場合があります。
甲状腺髄様癌の既往歴や家族歴がある方、多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の患者さんは、GLP-1受容体作動薬の使用が禁忌とされています。また、摂食障害(神経性食欲不振症・過食症)のある方は、食欲抑制薬を使用することで症状を悪化させる恐れがあるため、専門的な評価が必要です。
過去に食欲抑制薬への依存や乱用の経験がある方も、中枢神経系に作用するタイプの薬は避けるべき場合があります。いずれも医師が個別の状況を総合的に判断して処方するものであるため、自己判断での使用は危険です。
✨ 食欲抑制薬を使用する前に知っておきたいこと
📌 医療機関での受診が大前提
食欲抑制薬を使用したいと考えている場合、まず医療機関(肥満外来・ダイエット外来など)を受診することが第一歩です。受診の際には、現在の体重・BMI・血圧・血糖値などを測定し、健康状態を総合的に評価してもらいます。持病やアレルギー、服用中の薬についても正直に申告することが重要です。
医師は患者さんの状態に応じて、最も適した治療法を提案します。食欲抑制薬が必要と判断された場合でも、どの薬を使用するか、どのような投与量・期間で使用するかは医師が決定します。「薬さえ飲めばやせられる」という考え方ではなく、生活習慣の改善と組み合わせることで最大限の効果を得るという姿勢が大切です。
▶️ 現実的な期待値を持つ
食欲抑制薬は確かに食欲を抑制し、体重減少を助ける効果がありますが、魔法のような即効性を期待するものではありません。薬の効果が出るまでには一定の時間が必要であり、効果の程度には個人差があります。また、薬だけに頼って食事や運動を全く変えない場合は、効果が限定的になることがほとんどです。
医師と目標体重や達成期間について現実的な計画を立て、定期的に受診してモニタリングを受けることで、安全かつ効果的に体重管理を進めることができます。
🔹 費用と保険適用について
食欲抑制薬の費用は、保険適用の有無によって大きく異なります。マジンドールは保険適用の条件(BMI35以上など)を満たす場合に保険診療で処方されますが、GLP-1受容体作動薬のうちウゴービについては2024年より肥満症治療薬として保険適用となっています(ただし、適応基準があります)。
一方、保険適用外の場合は自由診療となり、薬代や診察料は全額自己負担となります。自由診療では月に数千円から数万円の費用がかかることもあります。費用面についても、受診前にクリニックに確認しておくことをお勧めします。
📍 食欲抑制薬は一時的なサポート手段
食欲抑制薬はあくまで体重管理のための一時的なサポート手段です。薬の使用をやめた後も体重を維持するためには、薬の使用期間中に健康的な食習慣や適度な運動習慣を身につけることが不可欠です。薬を使用しながら生活習慣の改善に取り組み、長期的な健康維持を目指すことが、肥満治療の本質的な目標と言えます。
アイシークリニック池袋院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた肥満治療・ダイエットサポートを提供しています。食欲抑制薬に興味がある方や、体重管理にお悩みの方は、まずお気軽にご相談ください。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、食欲抑制薬の使用を希望される患者さんに対して、BMIや合併症リスクを丁寧に評価した上で、最も適した治療法をご提案しています。最近の傾向として、GLP-1受容体作動薬への関心が高まっており、食欲抑制効果に加えて血糖コントロールや心血管リスクの改善といった副次的なメリットを実感される方も増えてきました。食欲抑制薬はあくまで生活習慣改善を支えるためのツールであることをご理解いただき、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、無理なく続けられる体重管理の実現をサポートしてまいります。」
📌 よくある質問
食欲抑制薬は希望するだけで処方されるものではありません。医師がBMIや健康状態、合併症のリスクなどを総合的に評価した上で、必要と判断した場合に処方されます。例えばマジンドールはBMI35以上の高度肥満症が対象です。まずは医療機関を受診し、医師に相談することが大切です。
GLP-1受容体作動薬は、食事時に小腸から分泌されるホルモン「GLP-1」の働きを利用した薬です。胃の動きを遅らせて満腹感を持続させ、脳に直接作用して食欲を抑制します。セマグルチド(ウゴービ)やリラグルチドなどが代表的で、血糖コントロール効果もあることから近年特に注目されています。
薬の種類によって異なります。マジンドールなど中枢神経系に作用する薬では、不眠・口の渇き・動悸・便秘などが起こりやすいです。GLP-1受容体作動薬では、吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状が主な副作用です。副作用が強く現れた場合は、自己判断せず速やかに処方した医師へ相談してください。
インターネットや個人輸入での食欲抑制薬の購入は大変危険です。未承認薬や成分不明の薬が販売されているケースがあり、品質・安全性が保証されません。過去には有害成分が混入していた事例も報告されており、重篤な健康被害につながる恐れがあります。必ず医療機関を受診し、医師の処方のもとで使用してください。
薬の種類や適応条件によって異なります。マジンドールはBMI35以上など条件を満たす場合に保険適用となります。GLP-1受容体作動薬のウゴービは2024年より一定の基準を満たす肥満症患者に保険適用となりました。保険適用外の場合は自由診療となり全額自己負担です。詳細は受診前にクリニックへご確認ください。
🎯 まとめ
食欲抑制薬には、中枢神経系に作用するマジンドールや、近年注目されているGLP-1受容体作動薬(セマグルチド・リラグルチドなど)、脂肪吸収を抑えるオルリスタットなど、さまざまな種類があります。それぞれの薬は作用するしくみや適応、副作用が異なり、すべての人に同じ薬が適しているわけではありません。
食欲抑制薬は適切に使用すれば体重管理の有力なサポートとなりますが、自己判断での使用や、インターネットでの未承認薬の購入は大変危険です。体重管理に薬を活用したいと考えている方は、必ず医療機関を受診し、医師の指導のもとで使用することが大切です。食欲抑制薬はあくまで生活習慣改善の補助手段であり、食事療法・運動療法と組み合わせることで初めて最大の効果が得られます。正しい知識と医師のサポートを活用して、健康的な体重管理を目指しましょう。
📚 関連記事
📚 参考文献
-
- 厚生労働省 – 肥満症・生活習慣病に関する情報、食欲抑制薬(マジンドール・GLP-1受容体作動薬等)の医療用医薬品としての承認状況や適正使用に関する情報
-
- PubMed – セマグルチド・リラグルチド・チルゼパチドなどGLP-1受容体作動薬の肥満治療における有効性・安全性に関する臨床試験データおよび体重減少効果のエビデンス
-
- WHO(世界保健機関) – 肥満の世界的な定義・判断基準(BMI等)および肥満症治療の国際的なガイドラインに関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務