3月になると、仕事の締め切りや引き継ぎ、年度末処理など、やるべきことが一気に押し寄せてきます。「なんとなく体が重い」「朝起きられない」「気力がわかない」――そんな状態が続いているとしたら、それは年度末特有の疲労が限界に近づいているサインかもしれません。年度末の疲れは、単なる「気のせい」でも「怠け」でもありません。身体的・精神的な負担が複合的に積み重なった結果であり、適切なケアをしないと春以降も不調が続くことがあります。この記事では、年度末に疲労が限界に達しやすい理由から、体と心に現れる具体的なSOSサイン、そして今すぐ実践できる対処法まで、医療的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- 年度末に疲労が限界に達しやすい理由
- 疲労の種類を知る:身体的疲労と精神的疲労の違い
- 年度末疲労の限界サイン:体に現れる症状
- 年度末疲労の限界サイン:心に現れる症状
- 放置すると危険?疲労が限界を超えたときのリスク
- 年度末疲労を回復させるための生活習慣
- 睡眠の質を上げるための具体的な方法
- 栄養と食事で疲労を内側から回復させる
- メンタル疲労に効く「思考の整理」と休息法
- 病院・クリニックを受診すべきタイミング
- まとめ

🎯 1. 年度末に疲労が限界に達しやすい理由
「年度末だから仕方ない」と自分に言い聞かせながら無理をしている人は少なくありません。しかし、なぜ年度末はこれほどまでに疲労が蓄積しやすいのでしょうか。その背景には、複数の要因が同時期に重なるという特殊な状況があります。
まず、業務量の集中が挙げられます。多くの企業や組織では、3月末に向けて決算業務・報告書の提出・プロジェクトの締め切りが集中します。普段の1.5倍から2倍の業務をこなさなければならないケースも珍しくなく、残業や休日出勤も増えます。
次に、人間関係の変化によるストレスがあります。職場での異動・退職・入社の話が進む時期であり、送別会や歓迎会なども重なります。慣れた環境が変わることへの不安や、新しい環境への適応負荷が、精神的なエネルギーを消費させます。
さらに、1年間の疲労の蓄積という側面も見逃せません。4月からスタートし、夏の暑さ、秋の繁忙、冬の寒さと乗り越えてきた身体は、年度末には1年分の疲れを抱えています。個別には耐えられたストレスも、蓄積することで一気に体の限界を超えやすくなります。
気候の変化も関係しています。春先は気温・気圧・湿度の変化が激しく、自律神経が乱れやすい季節です。自律神経の乱れは、疲労感・倦怠感・頭痛・めまいなどの症状として現れます。寒暖差が大きい日は特に体調が崩れやすく、年度末の忙しさと重なることで疲弊感が増幅されます。
睡眠不足の積み重ねも大きな要因です。忙しい時期は夜遅くまで働き、翌朝も早起きという生活が続きます。数日の睡眠不足は回復できても、数週間・数ヶ月にわたって睡眠が削られると、慢性的な疲労状態に陥りやすくなります。
📋 2. 疲労の種類を知る:身体的疲労と精神的疲労の違い
疲労と一言で言っても、その性質には大きく2種類あります。それぞれの特徴を理解することで、自分の疲労がどのタイプかを判断し、より適切な対処ができるようになります。
身体的疲労とは、筋肉・内臓・神経などの身体組織が酷使されることで生じる疲労です。長時間のデスクワーク、立ち仕事、体を使う労働、慢性的な睡眠不足などによって引き起こされます。主な症状は、体の重さ・だるさ・筋肉痛・頭痛・眼精疲労・食欲不振などです。身体的疲労は、十分な休息・睡眠・栄養補給によって回復しやすいという特徴があります。
一方、精神的疲労(メンタル疲労)は、脳や神経系への持続的な負荷によって生じます。プレッシャー・責任感・対人関係のストレス・不安・感情の抑圧などが主な原因です。身体的疲労と違い、睡眠をとっても翌朝から「また今日も…」という気持ちになる、休日でも仕事のことが頭から離れないといった症状が出やすいです。精神的疲労は、身体の休息だけでは回復しにくく、思考パターンや環境の見直しが必要な場合もあります。
年度末に多くの人が経験するのは、この二つが混在した「複合型疲労」です。体も休まらず、頭も心も休まらないという状態が続くことで、回復力が著しく低下してしまいます。
💊 3. 年度末疲労の限界サイン:体に現れる症状
疲労が限界に近づいているとき、体はさまざまなサインを発します。これらのサインを早期に気づき、対処することが大切です。「これくらいなら大丈夫」と無視し続けることが、深刻な体調不良や病気につながるリスクがあります。
朝の強い倦怠感は、疲労が限界に近づいているサインの一つです。普通の疲れであれば、一晩眠れば朝には回復感があるものです。しかし、何日も続けて「朝から体が鉛のように重い」「ベッドから出られない」という状態が続く場合は、慢性疲労の可能性があります。
頭痛や肩こりの悪化も要注意です。緊張型頭痛や肩こりは、デスクワークが多い人には日常的なものですが、年度末になって急に悪化した・痛み止めが以前より効きにくくなったという場合は、体の疲弊が進んでいるサインです。
消化器系の不調も見逃せません。食欲がない、胃がもたれる、便秘や下痢が続く、といった消化器症状は、ストレスや疲労によって自律神経が乱れたときに現れやすいです。特に「食事がおいしく感じない」という感覚は、体と心の両方が疲弊しているサインとして重要です。
免疫力の低下による体調不良も疲労が限界に来ているときの典型的なサインです。風邪をひきやすくなった、口内炎ができやすくなった、傷の治りが遅いといった症状は、疲労によって免疫機能が低下しているときに起こりやすいです。
睡眠の質の低下も大きなサインです。疲れているはずなのに眠れない、途中で目が覚める、眠りが浅くて夢ばかり見る、何時間寝ても疲れがとれないといった状態が続く場合は、自律神経の乱れや過剰なストレス状態を示している可能性があります。
動悸・息切れ・手足のしびれ・めまい・耳鳴りなどが続く場合は、自律神経失調症や過労の可能性があるため、医療機関への相談が必要です。
🏥 4. 年度末疲労の限界サイン:心に現れる症状
体だけでなく、心にも疲労が限界に近づいているサインは現れます。精神的なSOSサインは身体症状よりも見えにくく、本人も気づきにくいという特徴があります。
やる気・意欲の著しい低下は、精神的疲労の代表的なサインです。「何もしたくない」「仕事への興味が全くわかない」「以前は楽しかったことが楽しく感じない」という状態が2週間以上続く場合は、うつ状態のサインとして注意が必要です。
感情の波が激しくなるのも疲労の限界サインです。些細なことでイライラする、泣きたくなる、感情のコントロールができないといった状態は、脳が過度な疲弊状態にあるときに起こりやすいです。特に、普段は気にならないことで急に感情が爆発してしまう場合は要注意です。
集中力・判断力の低下も見られます。仕事でミスが増えた、簡単な判断ができなくなった、物事を考えるのが辛くなったという状態は、脳の認知機能が疲弊しているサインです。「脳に靄がかかったような感じ(ブレインフォグ)」と表現する人も多くいます。
社会的な引きこもり傾向も見られます。人と話したくない、コミュニケーションが億劫になった、外出することが辛くなったという場合は、精神的疲労が深刻化しているサインです。特に仕事以外のプライベートな人付き合いを全て断るようになった場合は注意が必要です。
将来への過度な不安や悲観的思考も精神的疲労のサインです。「どうせうまくいかない」「自分はダメだ」「先が見えない」といった思考が繰り返し浮かぶ場合は、疲労によって心のバランスが崩れている状態を示します。
⚠️ 5. 放置すると危険?疲労が限界を超えたときのリスク
「少し無理をするだけ」「年度末が終われば休める」と思って疲労を放置することには、深刻なリスクが伴います。年度末の疲労を軽視したまま頑張り続けることで、どのような状態になりうるのかを理解しておくことが大切です。
慢性疲労症候群は、強い疲労感が6ヶ月以上続く状態です。単なる疲れとは異なり、休養しても回復しない極度の疲労・認知機能障害・睡眠障害などを伴います。原因はまだ完全には解明されていませんが、過度な疲労やストレスが発症に関与しているとされています。一度なると回復に時間がかかるため、疲労の蓄積を早期に対処することが重要です。
適応障害は、特定のストレス要因に反応して情緒的・行動的症状が現れる状態です。年度末のプレッシャーや人間関係の変化をきっかけに発症することがあります。不眠・不安・抑うつ気分・意欲低下などが主な症状で、ストレスの原因となっている状況から離れることで改善することが多いですが、放置するとうつ病への移行リスクがあります。
うつ病は、誰にでも起こりうる心の病気です。年度末の過重労働・睡眠不足・慢性的なストレスが引き金になることがあります。気力低下・強い抑うつ感・希死念慮・身体症状などが2週間以上続く場合は、うつ病の可能性があります。適切な治療を受ければ回復できる病気ですが、早期発見・早期治療が非常に重要です。
心臓・血管系のリスクも無視できません。慢性的なストレスと睡眠不足は、血圧の上昇・心拍数の増加を引き起こします。これが長期間続くと、高血圧・心疾患・脳卒中のリスクが高まります。実際に、過重労働や極度のストレスが原因で起こる「過労死(karoshi)」は、国際的にも問題視される深刻な健康問題です。
免疫機能の低下も長期的なリスクとして挙げられます。慢性的なストレスと疲労は、免疫系に影響を与え、感染症への抵抗力を下げるだけでなく、がん細胞に対する免疫監視機能を低下させる可能性があるとする研究もあります。
🔍 6. 年度末疲労を回復させるための生活習慣
疲労が限界に近づいているときでも、生活習慣を整えることで体と心の回復を促すことができます。大きな変化は難しくても、小さなことを積み重ねることが大切です。
休息の「量」よりも「質」を意識することが重要です。忙しい時期は長時間休むことが難しいですが、短い時間でも質の高い休息を取ることで疲労回復効果を高めることができます。15〜20分の昼寝(パワーナップ)は、脳の疲労回復と集中力回復に効果的であることが研究で示されています。
適度な運動を取り入れることも大切です。疲れているときこそ動きたくないと思いがちですが、軽い運動はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を減らし、幸福感をもたらすエンドルフィンの分泌を促します。激しい運動は必要なく、1日20〜30分のウォーキングでも効果があります。スマートフォンを持たずに近所を散歩するだけでも、気分転換と疲労回復に役立ちます。
入浴を活用することも効果的です。38〜40度程度のぬるめのお湯に15〜20分程度浸かることは、副交感神経を優位にして体をリラックスさせる効果があります。熱すぎるお湯や長すぎる入浴は逆に体の負担になるため注意が必要です。入浴剤(炭酸ガス系・硫黄系など)を活用すると、血行促進と疲労回復効果が高まります。
アルコールの飲みすぎには気をつける必要があります。年度末は飲み会の機会も増えますが、アルコールは睡眠の質を低下させます。一時的にリラックスできたように感じても、アルコールが代謝される際に睡眠が浅くなり、翌朝の疲労感が増すことがわかっています。飲む場合は量を控えめにし、睡眠の2〜3時間前には飲み終えるようにしましょう。
デジタルデトックスの時間を作ることも重要です。スマートフォンやパソコンからの画面刺激は、脳を常に「仕事モード」や「警戒モード」にしておく傾向があります。就寝1〜2時間前はスマートフォンを見ない、休日は一定時間デバイスをオフにするなど、意識的にデジタルから離れる時間を作ることが疲労回復に効果的です。
📝 7. 睡眠の質を上げるための具体的な方法
疲労回復において、睡眠は最も重要な要素の一つです。しかし、年度末はストレスによって睡眠の質が低下しやすい時期でもあります。質の高い睡眠を確保するための具体的な方法をご紹介します。
規則正しい起床・就寝時間を守ることが、睡眠の質を上げる基本中の基本です。忙しいと睡眠時間が不規則になりがちですが、できるだけ同じ時間に起床・就寝することで、体内時計が整い、眠りの質が向上します。特に起床時間を固定することが、体内リズムを整えるうえで重要です。
寝室の環境を整えることも大切です。寝室の温度は夏で26〜28度、冬で16〜19度程度が理想的とされています。また、光の遮断も重要で、遮光カーテンやアイマスクを活用して光を遮ることで、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げません。騒音が気になる場合は、耳栓や白色雑音(ホワイトノイズ)の活用が効果的です。
就寝前のリラクゼーションルーティンを作ることをお勧めします。就寝30〜60分前に行うと効果的なルーティンとして、ストレッチや軽いヨガ、瞑想・深呼吸、ハーブティー(カモミールやバレリアンなど)を飲む、読書(電子書籍は画面光があるため紙の本推奨)などが挙げられます。同じことを毎日行うことで、「このルーティンをすると眠くなる」という条件反射が形成されます。
カフェインの摂取時間に注意することも必要です。コーヒー・緑茶・エナジードリンクなどに含まれるカフェインは、摂取後4〜6時間程度作用が続きます。午後2〜3時以降のカフェイン摂取は、夜の睡眠に悪影響を与える可能性があります。年度末で頑張りたいがために夕方以降もエナジードリンクを飲むことは、睡眠の質を下げ、翌日さらに疲れやすくなるという悪循環を招きます。
眠れない夜の対処法として、ベッドに入っても30分以上眠れない場合はいったんベッドから出ることが推奨されています。薄暗い照明の中でリラックスできることをして眠気が来たら戻る、という方法が「ベッドを眠れない場所と脳が記憶してしまうこと」を防ぎます。ベッドの上でスマートフォンを見たり、ベッドで仕事をしたりすることも、同様の理由で避けた方が良いでしょう。
💡 8. 栄養と食事で疲労を内側から回復させる
疲労回復には、体の内側からのケアも欠かせません。食事は直接的に体のエネルギー産生や細胞修復に関わるため、疲労を感じているときほど栄養バランスを意識した食事が重要です。
ビタミンB群は、エネルギー代謝に必要不可欠な栄養素です。糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変換する際に必要であり、不足すると疲労感が増します。豚肉・うなぎ・玄米・卵・大豆などに豊富に含まれています。特にビタミンB1(チアミン)は糖質代謝に重要で、白米中心の食事をしている方は不足しがちです。
鉄分の不足も疲労感の大きな原因になります。特に女性は月経によって鉄分が失われやすく、鉄欠乏性貧血になっていると強い疲労感・息切れ・頭痛などが現れます。レバー・赤身肉・ほうれん草・小松菜・豆腐などを積極的に摂取しましょう。鉄分の吸収にはビタミンCが必要なため、一緒に摂取することをおすすめします。
マグネシウムも疲労回復に重要な栄養素です。筋肉の弛緩・神経の安定・睡眠の質向上に関わっており、ストレスが多い時期は消耗しやすいです。ナッツ類・種子類・大豆製品・海藻・バナナなどに多く含まれています。
タンパク質の十分な摂取も疲労回復に欠かせません。タンパク質は筋肉の修復・神経伝達物質の材料・免疫細胞の原料として必要です。肉・魚・卵・乳製品・大豆製品などから、毎食バランスよく摂取することが理想的です。忙しい時期は食事が不規則になりがちですが、タンパク質が不足すると体の修復機能が低下します。
クエン酸を含む食品も疲労回復に役立ちます。梅干し・レモン・酢などに含まれるクエン酸は、エネルギー産生に関わるクエン酸回路の活性化を助け、疲労物質の分解を促進するとされています。忙しい年度末のランチに酢の物を一品追加するだけでも、疲労回復の助けになります。
水分補給も忘れてはなりません。脱水状態は倦怠感・集中力低下・頭痛を引き起こします。コーヒーやお茶はカフェインを含むため、純粋な水やハーブティーなどでこまめに水分を補給することが大切です。1日1.5〜2リットルの水分摂取が目安とされています。

✨ 9. メンタル疲労に効く「思考の整理」と休息法
体の疲労と同様に、精神的な疲労にも特有の回復方法があります。メンタル疲労が蓄積しているときは、思考の整理と意識的な休息が鍵になります。
「書くこと」による思考の整理は、メンタル疲労の回復に非常に効果的です。頭の中で次々と浮かぶ不安・心配・やるべきことを紙に書き出すことで、脳のワーキングメモリの負担が軽減されます。「頭の中にあることを全部書き出す(ブレインダンプ)」という手法は、心の整理とともに夜の睡眠質の向上にも役立つとされています。日記を書くことも、感情の整理と客観視に有効です。
マインドフルネス瞑想は、精神的疲労の回復に科学的な根拠がある手法として注目されています。過去の後悔や未来への不安ではなく、今この瞬間に意識を向けることで、脳の疲弊状態を緩和します。1日5〜10分から始めて、呼吸に意識を向けるだけでも効果があります。スマートフォンのアプリ(「Calm」「Headspace」「Meditopia」など)を活用すると、初心者でも始めやすいでしょう。
「完璧主義の手放し」もメンタル疲労の回復に重要です。年度末は特に「完璧にやり遂げなければ」という思いが強くなりがちです。しかし、全てを完璧にこなそうとすること自体がメンタルの大きな負荷になります。「80点で良い」「今日できなかったことは明日でいい」という思考の切り替えは、精神的な負担を大幅に軽減します。
「何もしない」という休息を意識的に設けることも大切です。現代人は休日でも何かをしていなければならないという強迫観念を持ちやすいですが、本当に疲れた脳が必要としているのは「完全な休息」です。何もせずにぼんやりする時間(いわゆるデフォルトモードネットワークの活性化)は、脳の創造性回復や感情処理に重要な役割を果たすことが神経科学的な研究で明らかになっています。
信頼できる人に話を聞いてもらうことも、メンタル疲労の回復に効果的です。感情を言語化して他者に話すことは、感情の整理と客観視を促します。家族・友人・パートナーに今の気持ちを話すだけでも、心が軽くなることがあります。ただし、話せる相手がいない場合や、話すことが辛い場合は、専門家(カウンセラーや心療内科医)への相談も一つの選択肢です。
📌 10. 病院・クリニックを受診すべきタイミング
自分でできるセルフケアには限界があります。以下のような状態が続く場合は、医療機関への受診を検討することが重要です。
まず、十分な休養をとっても2週間以上疲労感・倦怠感が改善しない場合は、器質的疾患(甲状腺疾患・貧血・糖尿病・睡眠時無呼吸症候群など)の可能性があります。これらの疾患は血液検査や検査によって診断できるため、内科を受診することをお勧めします。
気分の落ち込み・意欲低下・不眠が2週間以上続く場合は、うつ病や適応障害の可能性があります。心療内科や精神科への受診が適切です。「精神科や心療内科は重症者が行くところ」という誤解がありますが、実際は軽症から中程度の方が多く来院しており、早期に相談するほど回復も早い傾向があります。
動悸・胸痛・息切れ・頭痛・めまいが続く場合は、循環器系の異常や自律神経失調症の可能性があります。これらの症状がある場合は、内科や循環器科で一度検査を受けることが安心です。
「消えてしまいたい」「いなくなりたい」という気持ちが浮かぶ場合は、すぐに専門家に相談することが必要です。このような感情は疲労やうつ状態の深刻なサインであり、一人で抱え込まずに精神科・心療内科や相談窓口(よりそいホットライン:0120-279-338)に連絡してください。
アイシークリニック池袋院では、疲労や体調不良に関するご相談を承っています。「病院に行くほどではないかも」と思っていても、専門家への早めの相談が体と心の健康を守ることにつながります。「何となくつらい」という段階からでも、遠慮なくご相談ください。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「年度末になると「なんとなく体がだるい」「眠れているのに疲れがとれない」といったご相談が増える傾向があります。こうした症状は単なる気疲れではなく、身体的・精神的疲労が複合的に積み重なったサインであることが多く、放置すると適応障害やうつ病、自律神経失調症へと移行するリスクがあります。「病院に行くほどではないかも」と感じている段階からでもお気軽にご相談いただくことで、早期に対処でき、回復までの時間を大幅に短縮できますので、ご自身のSOSサインを見逃さず、どうぞ一人で抱え込まないでください。」
🎯 よくある質問
年度末は業務量の集中・人間関係の変化・1年間の疲労蓄積・季節の変わり目による自律神経の乱れ・慢性的な睡眠不足など、複数の要因が同時期に重なります。これらが複合的に積み重なることで、個別には耐えられたストレスも一気に限界を超えやすくなります。
体のサインは、朝の強い倦怠感・頭痛や肩こりの悪化・消化器系の不調・免疫力の低下・睡眠の質の低下などです。心のサインは、やる気や意欲の著しい低下・感情の波の激しさ・集中力や判断力の低下・社会的な引きこもり傾向などです。いずれも2週間以上続く場合は注意が必要です。
疲労を放置すると、慢性疲労症候群・適応障害・うつ病へ移行するリスクがあります。さらに、慢性的なストレスと睡眠不足は血圧上昇や心疾患・脳卒中のリスクも高めます。「年度末が終われば休める」と先延ばしにせず、早めのセルフケアや医療機関への相談が重要です。
15〜20分の昼寝・1日20〜30分のウォーキング・38〜40度のぬるめの入浴・就寝前のデジタルデトックスが効果的です。食事面ではビタミンB群・鉄分・マグネシウム・タンパク質を意識して摂取しましょう。また、マインドフルネス瞑想や思考の書き出しもメンタル疲労の回復に役立ちます。
十分な休養をとっても2週間以上疲労感が改善しない場合や、気分の落ち込み・不眠・意欲低下が2週間以上続く場合は受診をお勧めします。動悸・胸痛・めまいが続く場合も内科や循環器科での検査が安心です。「消えてしまいたい」という気持ちが浮かぶ場合は、すぐに精神科・心療内科や相談窓口にご連絡ください。当院でも「なんとなくつらい」という段階からご相談いただけます。
📋 まとめ
年度末は業務の集中・人間関係の変化・季節の変わり目・1年間の疲労蓄積が重なる、特別に疲れやすい時期です。「疲れているのは当たり前」と思って限界まで頑張り続けることは、慢性疲労・適応障害・うつ病・身体疾患のリスクを高めます。
体に現れるサイン(倦怠感・頭痛・消化器症状・免疫低下・睡眠障害)や、心に現れるサイン(意欲低下・感情の波・集中力低下・社会的引きこもり)に早めに気づくことが、疲労が限界を超えることを防ぐ第一歩です。
疲労回復には、睡眠の質の向上・適度な運動・栄養バランスの取れた食事・メンタルのセルフケアを組み合わせることが効果的です。また、セルフケアで改善しない場合や、深刻な症状がある場合は、医療機関への受診を躊躇わないことが大切です。
年度末を乗り越えた先には、新しいスタートが待っています。自分の体と心のSOSサインをしっかり受け止め、無理なく、かつ適切なケアをしながら、この忙しい時期を健康に過ごしていただければ幸いです。疲れを感じたときは「もう少し頑張れるはず」ではなく、「今が休むサイン」と捉える勇気を持つことが、長期的な健康と仕事のパフォーマンス維持につながります。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – メンタルヘルス対策・うつ病・適応障害・慢性疲労に関する公式情報。年度末疲労による精神的SOSサイン、うつ病・適応障害のリスク、病院受診タイミングの根拠として参照。
- WHO(世界保健機関) – 職場におけるメンタルヘルス・過労・ストレスに関する国際的な指針。過重労働による健康リスク(過労死・心疾患・免疫機能低下など)や職場環境改善に関する記述の根拠として参照。
- PubMed – 睡眠の質・疲労回復・マインドフルネス瞑想・パワーナップ・栄養素(ビタミンB群・マグネシウム・鉄分)と疲労の関連に関する科学的研究論文データベース。記事内の各セルフケア方法・生活習慣改善の医学的根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務