池袋で多汗症治療を受けるなら|保険適用で受けられる治療法を専門医が徹底解説

はじめに|多汗症は「体質」ではなく「治療できる病気」です

「手汗がひどくて書類が濡れてしまう」「脇汗が気になって好きな色の服が着られない」「人前で緊張すると汗が止まらない」——このような悩みを抱えていませんか。

実は、これらの症状は単なる「汗っかき」ではなく、「多汗症」という医学的に診断される疾患である可能性があります。日本における疫学調査によると、多汗症の有病率は人口の約5〜6%にのぼり、手のひらの多汗症で5.3%、脇の多汗症で5.7%と報告されています。つまり、日本人の約10人に1人が多汗症を抱えている計算になります。

しかしながら、多汗症で悩んでいる方のうち、実際に医療機関を受診する割合はわずか4〜10%程度にとどまっているのが現状です。多くの方が「体質だから仕方ない」と諦めてしまったり、どこに相談すればよいかわからなかったりして、一人で悩みを抱え込んでいます。

近年、多汗症治療は大きく進歩し、保険適用で受けられる治療の選択肢も格段に広がりました。2020年には脇汗用の塗り薬が、2023年には手汗用の塗り薬が保険適用となり、より手軽に治療を始められるようになっています。

本記事では、池袋エリアで多汗症治療をお考えの方に向けて、保険適用で受けられる治療法の種類や特徴、費用の目安、治療の流れについて詳しく解説いたします。汗の悩みから解放され、より快適な日常生活を送るための第一歩として、ぜひ参考にしてください。


多汗症とは|診断基準と症状の特徴

多汗症の定義

多汗症とは、体温調節に必要な量をはるかに超えて過剰な発汗が生じ、日常生活に支障をきたす状態を指します。暑い時期や運動後に汗をかくのは生理的な現象ですが、多汗症では気温や運動とは無関係に、特定の部位から大量の汗が噴き出すことが特徴です。

多汗症は大きく以下の2つに分類されます。

局所性多汗症は、手のひら、足の裏、脇の下、頭部、顔面など、体の特定の部位に限局して過剰な発汗がみられるタイプです。局所性多汗症は多汗症全体の約9割を占めており、最も一般的なタイプといえます。

全身性多汗症は、体全体から過剰な発汗がみられるタイプで、甲状腺機能亢進症、糖尿病、感染症などの基礎疾患が原因となっている場合があります。

また、発症原因によっても分類があります。原発性多汗症は明らかな原因となる疾患がなく発症するもので、続発性多汗症は他の病気や薬剤が原因で発症するものを指します。保険適用の治療対象となるのは主に「原発性局所多汗症」です。

原発性局所多汗症の診断基準

日本皮膚科学会が策定した「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」では、以下の診断基準が定められています。

まず前提条件として、局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6か月以上続いていることが必要です。

その上で、以下の6項目のうち2項目以上に該当する場合、原発性局所多汗症と診断されます。

1つ目は、最初に症状が出たのが25歳以下であること。2つ目は、左右対称性に発汗がみられること。3つ目は、睡眠中は発汗が止まっていること。4つ目は、1週間に1回以上多汗のエピソードがあること。5つ目は、家族にも同様の症状がある人がいること。6つ目は、多汗により日常生活に支障をきたしていることです。

これらの診断基準に当てはまる方は、保険適用での治療を受けられる可能性が高いといえます。

多汗症の重症度評価

多汗症の重症度は、汗の量ではなく、日常生活への影響度で評価されます。HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)という4段階の評価スケールが広く用いられています。

グレード1は、発汗は全く気にならず日常生活に支障がない状態。グレード2は、発汗は我慢できるが日常生活に時々支障がある状態。グレード3は、発汗はほとんど我慢できず日常生活に頻繁に支障がある状態。グレード4は、発汗は我慢できず日常生活に常に支障がある状態です。

グレード3または4に該当する場合は重症と判断され、ボトックス注射などの積極的な治療が検討されます。


多汗症が日常生活に与える影響

仕事・学業への影響

多汗症は単に汗が多いというだけでなく、患者さんのQOL(生活の質)に深刻な影響を及ぼします。厚生労働科学研究の調査によると、多汗症患者の労働生産性は健常者と比較して約48%も低下することが明らかになっています。この調査に基づく経済損失試算では、全国で月間約1,832億円もの損失が生じていると報告されています。

具体的には、書類やノートが手汗で濡れて使い物にならなくなる、パソコンやスマートフォンの操作が困難になる、精密機器を扱う仕事に支障が出る、握手を避けてしまい人間関係に影響が出るなどの問題が挙げられます。

学生の場合は、テスト用紙が濡れてしまう、部活動で道具が滑る、友達と手をつなぐことができないなどの悩みを抱えることも少なくありません。

精神的な影響

多汗症は精神面にも大きな影響を及ぼします。研究によると、多汗症患者は不安障害やうつ病の有病率が高く、多汗症の重症度が高いほどこれらの精神疾患の有病率も上昇することが報告されています。

汗を気にするあまり人前に出ることを避けるようになったり、社会活動から遠ざかってしまったりするケースもあります。そして、対人関係のストレスが交感神経を刺激してさらに発汗が増えるという悪循環に陥ることもあります。

発症しやすい年代と部位の特徴

多汗症は幼児期から思春期にかけて発症することが多く、10代から50代が全体の約7割を占めます。部位によって発症しやすい年齢には特徴があり、手のひらや足の裏の多汗は幼少期から思春期に、脇の多汗は第二次性徴期(腋毛が生える頃)に、頭部や顔面の多汗は20歳以降に発症することが多いとされています。

有病率の男女比をみると、脇の多汗症では女性の有病率が男性の約1.7倍と高く、20〜30代の社会生活が活発な世代に多いことも特徴的です。


保険適用で受けられる多汗症治療法

多汗症の治療は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインに基づいて、症状の部位や重症度に応じて段階的に行われます。ここでは、保険適用で受けられる主な治療法について詳しく解説します。

外用薬(塗り薬)による治療

近年、多汗症治療において最も大きな進歩がみられたのが外用薬の分野です。2020年以降、複数の保険適用外用薬が登場し、治療の第一選択肢となっています。

脇の多汗症(原発性腋窩多汗症)に対する外用薬

エクロックゲル5%は、2020年11月に発売された日本初の保険適用脇汗治療薬です。有効成分のソフピロニウム臭化物は抗コリン薬の一種で、汗腺にあるムスカリンM3受容体に作用してアセチルコリンの働きをブロックし、過剰な発汗を抑制します。

使用方法は1日1回、清潔で乾いた状態の脇に塗布します。専用のアプリケーターが付属しているため、手を汚さずに塗ることができます。効果は使い始めの数日間はあまり実感できませんが、継続使用することで徐々に発汗が減少していきます。

費用の目安として、1本20g(約14日分)で薬価は約4,874円、3割負担の場合は約1,460円となります。対象年齢は12歳以上です。

ラピフォートワイプ2.5%は、2022年5月に発売されたワイプ(不織布)タイプの脇汗治療薬です。有効成分のグリコピロニウムトシル酸塩水和物がエクロックゲルと同様の機序で発汗を抑制します。

1日1回、個包装された不織布を開封し、両脇を拭くようにして塗布します。1回使い切りで衛生的であり、旅行や出張時にも持ち運びやすいのが特徴です。

費用は3割負担で1枚約80円、14日分で約1,100円程度となります。対象年齢は9歳以上で、エクロックゲルよりも若年から使用可能です。

手のひらの多汗症(原発性手掌多汗症)に対する外用薬

アポハイドローション20%は、2023年6月に保険適用となった日本初の手汗治療薬です。有効成分のオキシブチニン塩酸塩が手のひらの皮膚から浸透し、汗腺のムスカリン受容体に作用して発汗を抑制します。

使用方法は1日1回、就寝前に手のひら全体に塗布し、起床時まで手を洗わないようにします。1回の塗布量の目安は両手でポンプ5押し分です。

費用は1本4.5mL(約1週間分)で3割負担の場合約707円です。18歳以上が対象となります。

外用薬共通の注意点

これらの抗コリン薬には共通した副作用と注意点があります。薬剤が目に入ると瞳孔が開いて視力に影響が出る可能性があるため、塗布後は手をしっかり洗い、目をこすらないよう注意が必要です。

また、口の渇き、便秘、排尿困難などの抗コリン作用による副作用が現れることがあります。緑内障や前立腺肥大症がある方は使用できない場合がありますので、必ず医師に相談してください。

ラピフォートワイプとアポハイドローションについては、眼の調節障害やめまい、眠気が生じる可能性があるため、車の運転などには注意が必要です。

内服薬(飲み薬)による治療

プロ・バンサイン(プロパンテリン臭化物)は、日本で唯一、多汗症に対して保険適用のある内服の抗コリン薬です。全身のどの部位の多汗症にも使用でき、特に外用薬では対応が難しい頭部や顔面の多汗症に対して第一選択として用いられることがあります。

服用後約30分〜1時間で効果が現れ始め、約4〜6時間持続します。この即効性を活かして、大切な会議やイベントの前にピンポイントで使用するという方法も取られています。

1回1錠(15mg)を1日3〜4回服用するのが基本ですが、患者さんの症状や生活スタイルに応じて調整されます。費用は薬価が1錠約9.2円で、1日4回×30日分で3割負担の場合、薬剤費は約330円程度と比較的安価です。

ただし、抗コリン作用による副作用として、口の渇き、便秘、眠気、目のかすみなどが生じることがあります。また、緑内障、前立腺肥大症、重篤な心疾患などがある方には処方できません。

イオントフォレーシス(通電療法)

イオントフォレーシスは、手のひらや足の裏の多汗症に対して保険適用で行われる物理的治療法です。水道水を入れた容器に手足を浸し、微弱な直流電流(10〜20mA程度)を流すことで発汗を抑制します。

治療のメカニズムとして、電流によって生じる水素イオンが汗腺の出口(汗孔)に作用し、汗の排出を抑える効果があると考えられています。

治療スケジュールは、最初の1〜2か月は週1〜2回の頻度で通院し、1回あたり15〜30分程度の治療を受けます。5〜10回程度継続すると効果が現れ始め、その後は効果を維持するために週1回程度の治療を続けます。

効果には個人差がありますが、約70〜80%の方に改善がみられるとされています。副作用が少なく、小児から高齢者まで幅広い年齢層で安全に受けられるのがメリットです。

費用は3割負担で1回あたり約660〜880円(再診料含む)と比較的安価です。ただし、継続的な通院が必要なため、通いやすい医療機関を選ぶことが重要です。

注意点として、治療中にピリピリとした刺激を感じることがありますが、電流の強さを調整することで軽減できます。また、治療部位に傷がある場合や、ペースメーカーを使用している方は治療を受けられないことがあります。

ボトックス注射(A型ボツリヌス毒素注射)

ボトックス注射は、重度の原発性腋窩多汗症に対して保険適用で行われる注射治療です。2012年11月から保険適用となり、多くの患者さんが経済的負担を軽減しながら治療を受けられるようになりました。

ボトックス(A型ボツリヌス毒素製剤)は、神経終末でアセチルコリンの放出を阻害することで、汗腺への発汗指令をブロックし、過剰な発汗を抑制します。

治療の流れとして、まず診察で重症度を評価し、保険適用の条件を満たすか確認します。保険適用となるのは外用薬などの治療で効果不十分な「重度の原発性腋窩多汗症」(HDSSでグレード3または4)の方です。

適用が認められた場合、初回の診察時に同意書を作成し、薬剤を取り寄せた上で後日施術となることが一般的です。施術は両脇に細い針で薬剤を注射し、所要時間は10〜20分程度です。痛みを軽減するために麻酔クリームの使用やアイスパックでの冷却が行われます。

効果は注射後2〜3日で現れ始め、4〜9か月程度持続します。年1〜2回の治療で脇汗をコントロールできる方が多いです。

費用は3割負担で約18,000〜25,000円程度(診察料、施術料、薬剤費込み)です。重症の基準を満たさない場合は自費診療となり、5〜15万円程度かかることもあります。

副作用として、注射部位の内出血や腫れ、まれに他部位の発汗増加(代償性発汗様の症状)がみられることがあります。また、妊娠中・授乳中の方、ボツリヌス製剤にアレルギーがある方には使用できません。

手術療法(胸腔鏡下交感神経節切除術)

外用薬やボトックス注射などの保存的治療で十分な効果が得られない重症例に対しては、手術療法(ETS手術:Endoscopic Thoracic Sympathectomy)が検討されます。

この手術は胸腔鏡を用いて行われる内視鏡手術で、発汗をコントロールしている交感神経節を切除または遮断することで、手のひらや脇の発汗を抑制します。

手術は全身麻酔下で行われ、脇の下に5mm程度の小さな切開を2か所設けて内視鏡と手術器具を挿入します。入院期間は1〜3日程度で、術後の回復も比較的早いのが特徴です。

手掌多汗症に対する有効率は非常に高く、ほぼ100%に近い効果が報告されています。保険適用で受けることができ、費用は入院を含めて3割負担で15〜20万円程度です。

ただし、重要な注意点として「代償性発汗」があります。これは手術によって手や脇の汗は止まるものの、代わりに胸、背中、お腹、太ももなど他の部位からの発汗が増加する現象です。程度には個人差がありますが、ほぼ全ての患者さんに何らかの代償性発汗が生じるとされており、重症の場合は手術前よりもQOLが低下してしまうこともあります。

このため、手術を受けるかどうかは、メリットとデメリットを十分に理解した上で慎重に判断する必要があります。手術を検討される場合は、多汗症手術の経験が豊富な専門医に相談することをお勧めします。


部位別の治療選択

多汗症の治療は発汗部位によって選択肢が異なります。日本皮膚科学会のガイドラインに基づいた、部位別の推奨治療を紹介します。

脇の多汗症(原発性腋窩多汗症)

脇の多汗症に対しては、まず保険適用の外用薬(エクロックゲルまたはラピフォートワイプ)による治療が第一選択となります。これらの外用薬で効果不十分な場合や、重症度が高い場合には、ボトックス注射が検討されます。

塩化アルミニウム製剤の外用も有効ですが、こちらは保険適用外(自費診療)となります。市販のデオドラント製品に含まれる制汗成分とは濃度が異なり、より高い効果が期待できます。

手のひらの多汗症(原発性手掌多汗症)

手のひらの多汗症に対しては、2023年に保険適用となったアポハイドローションが第一選択となります。外用薬で効果不十分な場合は、イオントフォレーシスが次の選択肢となります。

手のひらへのボトックス注射も有効ですが、現時点では保険適用外です。また、重症例で他の治療が無効な場合には、ETS手術が検討されることもあります。

足の裏の多汗症(原発性足蹠多汗症)

足の裏の多汗症に対しては、イオントフォレーシスが第一選択の治療法となります。足専用の保険適用外用薬はまだありませんが、塩化アルミニウム製剤の外用(自費)が行われることもあります。

頭部・顔面の多汗症

頭部や顔面の多汗症は、外用薬を均一に塗布することが難しい部位です。このため、内服薬のプロ・バンサインが第一選択として用いられることが多いです。大切な場面の前に服用することで、一時的に発汗を抑えることができます。


治療の流れと費用の目安

受診から治療開始までの流れ

多汗症の治療は、一般的に以下の流れで進みます。

初診時には、問診で発汗の部位、程度、いつから症状があるか、日常生活への影響などを詳しく伺います。診断基準に照らし合わせて原発性局所多汗症かどうかを判断し、続発性多汗症(他の病気が原因)の可能性がある場合には、必要に応じて血液検査などを行います。

診断が確定したら、重症度や発汗部位、患者さんのライフスタイルに合わせて最適な治療法を提案します。外用薬や内服薬の場合は、その場で処方せんをお出しし、調剤薬局で薬を受け取っていただきます。

ボトックス注射の場合は、初診時に適応の判断と同意書の作成を行い、薬剤を取り寄せた上で1〜2週間後に施術となることが一般的です。

費用の目安(3割負担の場合)

治療ごとの費用目安をまとめると、以下のようになります。

外用薬については、エクロックゲル(14日分)が約1,460円、ラピフォートワイプ(14日分)が約1,100円、アポハイドローション(7日分)が約710円となります。これらに加えて、初診料・再診料や処方せん料が別途かかります。

内服薬のプロ・バンサインは、30日分で薬剤費約330円です。

イオントフォレーシスは1回あたり約660〜880円で、初期は週1〜2回、維持期は週1回程度の通院が必要です。

ボトックス注射は1回あたり約18,000〜25,000円で、効果持続期間は4〜9か月程度です。

実際の費用は医療機関や処方内容によって異なりますので、詳しくは受診される医療機関でご確認ください。


多汗症治療に関するよくある質問

Q. 多汗症は何科を受診すればよいですか?

多汗症の診療は主に皮膚科で行われています。池袋エリアにも多汗症治療に対応した皮膚科クリニックがありますので、お気軽にご相談ください。重症例で手術が必要な場合は、呼吸器外科や胸部外科へ紹介となることもあります。

Q. 市販の制汗剤では効果がないのですが、病院の薬は違いますか?

市販のデオドラント製品は主に臭いを抑える抗菌作用を持つものが多く、制汗作用は限定的です。医療機関で処方される外用薬は、汗腺の働きを直接抑制する作用があるため、より高い効果が期待できます。また、医師の診察のもと、症状に合った適切な治療法を選択できるというメリットもあります。

Q. 子どもでも治療は受けられますか?

治療法によって対象年齢が異なります。ラピフォートワイプは9歳以上、エクロックゲルは12歳以上、アポハイドローションは18歳以上が対象です。イオントフォレーシスは年齢制限がなく、小児でも受けられますが、治療中のピリピリ感に耐えられるかどうかを考慮する必要があります。お子さんの多汗症でお悩みの場合は、まず皮膚科でご相談ください。

Q. 多汗症は完治しますか?

現時点では、原発性多汗症の根本的な治療法は確立されていません。しかし、適切な治療を継続することで、発汗をコントロールし、日常生活への支障を大幅に軽減することは十分に可能です。治療の目標は、発汗によって日常生活に支障をきたさない状態を維持することにあります。

Q. 治療を始めてからどのくらいで効果が出ますか?

治療法によって効果発現までの期間は異なります。外用薬は継続使用により徐々に効果が現れ、数日〜2週間程度で変化を実感される方が多いです。内服薬のプロ・バンサインは服用後30分〜1時間で効果が現れる即効性があります。イオントフォレーシスは5〜10回程度の治療で効果が現れ始めます。ボトックス注射は2〜3日後から効果が現れ始め、1〜2週間程度で最大効果に達します。

Q. 夏だけ治療を受けることはできますか?

もちろん可能です。多汗症の症状は夏場に悪化する方が多いため、春から夏にかけて治療を始め、秋以降は休薬するという方もいらっしゃいます。ボトックス注射の場合、夏前に施術を受けると、最も汗をかきやすい時期を快適に過ごすことができます。ご自身の症状やライフスタイルに合わせて、治療のタイミングを調整することができます。


日常生活でできるセルフケア

医療機関での治療と並行して、日常生活でも発汗をコントロールするための工夫ができます。

ストレス管理

精神的な緊張やストレスは交感神経を刺激し、発汗を増加させる要因となります。十分な睡眠をとる、適度な運動を行う、リラックスできる時間を確保するなど、ストレスを溜め込まない生活習慣を心がけましょう。

食生活の見直し

カフェインや香辛料などの刺激物は発汗を促進する可能性があります。コーヒーや紅茶、辛い食べ物の過剰摂取は控えめにすることをお勧めします。また、アルコールも発汗を促すため、飲み過ぎには注意が必要です。

衣類の工夫

通気性の良い天然素材の衣類を選ぶ、汗取りパッドを活用する、着替えを持ち歩くなどの工夫で、汗による不快感を軽減できます。脇汗が目立ちにくい色やデザインの服を選ぶことも、精神的な負担を減らすのに有効です。

皮膚を清潔に保つ

汗をかいた後は、こまめに拭き取るか、可能であればシャワーを浴びて皮膚を清潔に保ちましょう。汗が皮膚に留まると、細菌が繁殖して臭いの原因になったり、あせもや湿疹を引き起こしたりすることがあります。


まとめ|一人で悩まず、まずは専門医にご相談ください

多汗症は、適切な治療によって症状の改善が期待できる疾患です。近年は保険適用で受けられる治療法の選択肢が大幅に広がり、より多くの患者さんが経済的な負担を抑えながら治療を受けられるようになりました。

現在、保険適用で利用できる主な治療法としては、脇汗に対するエクロックゲルやラピフォートワイプ、手汗に対するアポハイドローション、全身性の多汗に対するプロ・バンサイン内服、手足の多汗に対するイオントフォレーシス、重度の脇汗に対するボトックス注射などがあります。

汗の悩みは周囲に理解されにくく、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、日本人の約10人に1人が多汗症を抱えているとされており、決して珍しい病気ではありません。

「体質だから」「仕方ない」と諦めずに、まずは皮膚科を受診してみてください。症状や生活スタイルに合った最適な治療法を、専門医と一緒に見つけていきましょう。

池袋エリアで多汗症にお悩みの方は、ぜひアイシークリニック池袋院にご相談ください。患者さん一人ひとりの症状やご希望に寄り添い、最適な治療プランをご提案いたします。


参考文献

  1. 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」日本皮膚科学会雑誌, 2023年133巻2号, p.157-188 https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/2/133_157/_article/-char/ja/
  2. 厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)「特発性局所多汗症の疫学調査、脳血流シンチの解析による病態解析及び治療指針の確立」平成21年度・22年度 総括・分担研究報告書 https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/17112
  3. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A 汗の病気—多汗症と無汗症—」 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/
  4. マルホ株式会社「多汗症患者さんの実態」医療関係者向け情報サイト https://www.maruho.co.jp/medical/articles/hyperhidrosis/actual_situation/index.html
  5. 久光製薬株式会社「手掌多汗症の疫学|みんなの手の汗サイト」 https://www.hisamitsu.co.jp/tenoase/epidemiology/

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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