「毎日ストレッチを続けると体はどう変わるのか」と気になっている方は多いのではないでしょうか。ストレッチは特別な道具も広いスペースも必要なく、自宅で気軽に始められる健康習慣のひとつです。しかし、実際にどのような効果があるのか、どのくらいの期間で変化を感じられるのか、正しいやり方はどのようなものかについて、きちんと理解している方は意外と少ないかもしれません。この記事では、医療的な観点を踏まえながら、毎日ストレッチを行うことで得られる効果や、より効果を高めるためのポイントをわかりやすく解説していきます。
目次
- ストレッチとはどのような運動なのか
- 毎日ストレッチを続けることで得られる効果
- 効果を感じるまでの期間の目安
- ストレッチの種類と特徴
- 毎日続けるための正しいやり方とポイント
- 部位別のおすすめストレッチ
- ストレッチを行う際の注意点
- ストレッチだけでは解消できないケースとは
- まとめ

🎯 ストレッチとはどのような運動なのか
ストレッチとは、筋肉や腱、関節周囲の組織をゆっくりと伸ばすことで、柔軟性を高めたり、筋肉の緊張をほぐしたりすることを目的とした運動です。英語の「stretch(引き伸ばす)」という言葉が語源で、スポーツの現場ではウォームアップやクールダウンとして広く取り入れられています。しかし近年では、スポーツ選手だけでなく、デスクワーカーや高齢者、体の不調を抱えるあらゆる人々にとって日常的な健康管理の手段として注目されています。
ストレッチは運動強度が低いため、体力に自信がない方や運動習慣のない方でも取り組みやすいという特徴があります。また、激しい運動と異なり、関節や筋肉にかかる負担が比較的少ないため、年齢を問わず実践できる点も大きなメリットです。朝起きたとき、仕事の合間、入浴後のリラックスタイムなど、生活のさまざまな場面に組み込みやすいことも、継続しやすい理由のひとつです。
ストレッチの基本的なメカニズムとしては、筋肉を伸ばすことで筋繊維の柔軟性が高まり、関節可動域(関節が動かせる範囲)が広がります。また、筋肉内の血流が促進されることで、酸素や栄養素が筋肉に行き渡りやすくなります。さらに、筋肉の緊張が緩和されることで、自律神経のバランスが整い、リラックス効果も期待できます。
📋 毎日ストレッチを続けることで得られる効果
毎日ストレッチを習慣にすることで、さまざまな身体的・精神的な効果が期待できます。以下に代表的な効果を詳しく説明します。
🦠 柔軟性の向上
ストレッチを毎日続けることで最も実感しやすい効果のひとつが、柔軟性の向上です。筋肉は使われない状態が続くと収縮し、硬くなっていきます。これを筋肉の「短縮」と呼びますが、毎日ストレッチで筋肉を伸ばすことで、この短縮を防ぎ、筋肉本来の弾力性を取り戻すことができます。
柔軟性が高まると、日常生活での動作がスムーズになり、体の使い方が自然と改善されます。たとえば、腰をかがめる動作、腕を高く上げる動作、足を踏み出す動作などが楽になり、転倒リスクの低減にもつながります。特に高齢者の方にとっては、転倒予防という観点からもストレッチの柔軟性向上効果は重要です。
👴 血行促進と代謝の改善
ストレッチによって筋肉が伸縮することで、毛細血管が刺激され、血液の流れが促進されます。特にデスクワークや立ち仕事で同じ姿勢を長時間続けている方は、筋肉が収縮したまま固まってしまい、血行が悪くなりがちです。毎日ストレッチを行うことで、筋肉のポンプ作用が活発になり、末梢の血流が改善されます。
血行が改善されると、酸素や栄養素が体の隅々まで届きやすくなり、老廃物も排出されやすくなります。その結果として、冷え性の改善、むくみの軽減、疲労回復の促進といった効果が期待できます。また、基礎代謝が上がることで、体重管理にも間接的に良い影響を与えることがあります。
🔸 肩こり・腰痛の緩和
肩こりや腰痛の主な原因のひとつは、筋肉の過緊張です。特定の筋肉が長時間緊張し続けることで、血行不良が起き、疲労物質が蓄積して痛みやこりを引き起こします。毎日ストレッチを続けることで、こり固まった筋肉をほぐし、筋肉の緊張を緩和することができます。
肩こりに関しては、首から肩にかけての筋肉(僧帽筋や肩甲挙筋など)のストレッチが特に効果的です。腰痛については、腰周りだけでなく、股関節周囲や太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチも重要です。これらの筋肉が硬くなると骨盤の傾きに影響し、腰への負担が増えるためです。
ただし、炎症を伴う急性の肩こりや腰痛の場合には、無理なストレッチが症状を悪化させることがあるため注意が必要です。この点については後述の注意点のセクションで詳しく触れます。
💧 姿勢の改善
現代人に多い猫背や反り腰といった姿勢の崩れは、特定の筋肉が短縮・硬直し、反対側の筋肉が弱化することで生じます。毎日ストレッチを行うことで、硬くなった筋肉を柔らかくし、筋肉のバランスを整えることができます。これが結果として姿勢改善につながります。
たとえば、デスクワークで長時間前かがみの姿勢をとっている人は、胸の筋肉(大胸筋)が縮まり、背中の筋肉が引き伸ばされて弱化していることが多いです。胸の筋肉をストレッチすることで、肩が前に引っ張られる力が減少し、自然と胸を張った姿勢がとりやすくなります。
✨ 疲労回復の促進
運動後や仕事後の疲れた筋肉には、乳酸などの疲労物質が蓄積しています。ストレッチを行うことで血行が促進され、これらの疲労物質が排出されやすくなります。また、筋肉の緊張がほぐれることで、副交感神経が優位になり、体がリラックスモードに入りやすくなります。
就寝前にストレッチを行うと、体の緊張がほぐれて副交感神経が優位になるため、入眠しやすくなるという効果も報告されています。睡眠の質が改善されることで、翌日の疲労感も軽減されます。毎日の就寝前ルーティンにストレッチを組み込むことは、慢性的な疲労感に悩む方に特におすすめです。
📌 ストレス軽減・メンタルへの効果
ストレッチには、精神的な効果も期待できます。ゆっくりとした深呼吸を伴いながら筋肉を伸ばすことで、副交感神経が刺激され、心拍数が落ち着き、リラックス状態になりやすくなります。また、ストレッチという「自分の体に向き合う時間」を持つことが、マインドフルネス的な効果をもたらし、日々のストレス軽減につながるとも言われています。
研究においても、定期的なストレッチが不安感の軽減や気分の改善に効果をもたらすことが示されています。毎日少しの時間でも自分の体のケアに意識を向けることで、精神的な安定感が生まれやすくなります。
💊 効果を感じるまでの期間の目安
ストレッチを始めてどのくらいで効果を感じられるのかは、個人差がありますが、いくつかの目安を知っておくと継続のモチベーションになります。
まず、筋肉の柔軟性については、毎日ストレッチを続けた場合、早い人では2〜4週間程度で変化を感じ始める方もいます。ただし、これはあくまで「伸びやすくなった」という感覚的な変化であり、筋肉や結合組織の構造的な変化(コラーゲン繊維の並び方の変化など)が起きるには、少なくとも6〜8週間以上の継続が必要とされています。
肩こりや腰痛の改善については、症状の重さにもよりますが、軽度のものであれば2週間〜1ヶ月程度で日常的な不快感が和らぐ方が多いです。姿勢の改善については、筋肉のバランスが整ってくるまでに1〜3ヶ月程度かかることが一般的です。
血行改善や疲労回復の効果については、ストレッチを行った直後から感じられることもあります。「体が軽くなった」「温かくなった」という感覚は、ストレッチ直後の血行促進によるものです。
重要なのは、短期間で劇的な効果を求めるのではなく、継続することを優先することです。毎日少しずつ続けることが、長期的な体の変化につながります。最初は「今日も続けられた」という達成感を大切にしながら、焦らず取り組むことをおすすめします。
🏥 ストレッチの種類と特徴
ストレッチにはいくつかの種類があり、それぞれ目的や特徴が異なります。自分の目的や状況に応じて適切なストレッチを選ぶことが大切です。
▶️ スタティックストレッチ(静的ストレッチ)
最も一般的なストレッチの方法で、反動をつけずにゆっくりと筋肉を伸ばし、その状態を一定時間(15〜60秒程度)保持するものです。筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を高める効果があります。運動後のクールダウンや就寝前のリラックスに適しています。
ただし、運動前に強度の高い静的ストレッチを行うと、筋肉の活性が一時的に低下して運動パフォーマンスが落ちることが研究で示されているため、激しい運動の直前には向かないとされています。日常的なストレッチとして行う場合には非常に効果的です。
🔹 ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ)
体を動かしながら筋肉を伸ばすストレッチで、反動を使いながら動的に関節を動かすものです。ウォームアップとして運動前に行うことで、筋肉を温め、関節可動域を広げながら体を活性化させる効果があります。ラジオ体操などもダイナミックストレッチの一種です。
筋肉への負担が静的ストレッチよりも高くなる場合があるため、硬くなった筋肉に対して急に行うと怪我につながることもあります。体が冷えている状態や筋肉が非常に硬い状態では、まず軽い有酸素運動や静的ストレッチで体を温めてから行うと安全です。
📍 PNFストレッチ(固有受容性神経筋促通法)
筋肉を伸ばした後に一度収縮させ、再び伸ばすという方法を繰り返すストレッチで、柔軟性向上効果が非常に高いとされています。リハビリの現場でも使われる方法ですが、パートナーや専門家の補助が必要な場合が多く、一般の方が自宅で単独で行うのはやや難しい面もあります。
💫 バリスティックストレッチ
反動を使って筋肉を勢いよく引き伸ばす方法です。アスリートが取り入れることもありますが、一般の方には筋肉や腱を痛めるリスクが高いため、特別な理由がない限り推奨されません。日常的なストレッチとしては静的ストレッチや動的ストレッチを中心に行うことをおすすめします。
⚠️ 毎日続けるための正しいやり方とポイント
毎日ストレッチを続けるためには、正しいやり方と継続するためのコツを知っておくことが大切です。

🦠 時間の目安
毎日続けることを優先するのであれば、1回あたり10〜15分程度から始めることをおすすめします。慣れてきたら20〜30分程度に伸ばしても良いでしょう。長時間できない日があっても、5分だけでも体を動かす習慣を保つことが大切です。完璧を求めすぎず、「毎日何かしら行う」という姿勢が継続の鍵です。
👴 行うタイミング
ストレッチに最も適したタイミングは、筋肉が温まっている状態のときです。入浴後は体が温まり、筋肉が柔らかくなっているため、最もストレッチ効果が高まりやすいタイミングです。また、就寝前に行うことで副交感神経が優位になり、睡眠の質向上にも期待できます。
朝起きてすぐのストレッチは体が冷えていて筋肉が硬い状態なので、強度を下げたものから始めるか、軽く体を動かして体温を上げてから行うようにしましょう。いずれのタイミングでも、自分の生活リズムに合わせて「続けやすい時間帯」を選ぶことが最も重要です。
🔸 呼吸を意識する
ストレッチ中は呼吸を止めないようにすることが非常に重要です。息を止めると体が緊張し、筋肉が伸びにくくなるだけでなく、血圧が一時的に上昇することもあります。ゆっくりと息を吐きながら筋肉を伸ばし、吸うときに少し戻す、というリズムを意識しましょう。
特に深呼吸を意識することで、副交感神経が優位になり、筋肉がより緩みやすくなります。「息を吐くときに体が伸びる」というイメージを持ちながら行うと、効果が高まります。
💧 痛みを感じるほど伸ばさない
ストレッチで最も大切なポイントは「痛みを感じるほど伸ばさない」ことです。適切なストレッチは「気持ちよく伸びている感覚」を感じるものであって、鋭い痛みや強い不快感を伴うものではありません。痛みを感じながら強引に伸ばすと、筋肉や腱を傷める可能性があります。
特に体が硬い方が始めたばかりの頃は、可動域が狭くてもそれが現在の状態です。無理に伸ばそうとせず、「今日の自分の体の状態」に合わせて行うことが大切です。継続することで少しずつ可動域は広がっていきます。
✨ 左右バランスよく行う
体の左右どちらかに偏ったストレッチを続けると、逆に筋肉のバランスが崩れてしまうことがあります。片側を行ったら必ず反対側も同様に行うことを心がけましょう。また、特定の部位ばかりでなく、全身の主要な筋肉群をバランスよくストレッチすることが理想的です。
🔍 部位別のおすすめストレッチ
ここでは、日常生活でこりやすい部位別に、毎日続けやすいストレッチの方法を紹介します。
📌 首・肩のストレッチ
首は前後左右、そして回旋方向に動く関節です。首のストレッチは、ゆっくりと頭を一方向に傾け、その状態を15〜20秒保持します。対側の手で頭をそっと押さえると、より伸びを感じやすくなります。ただし、頭を強く引っ張ることは禁物です。首は繊細な部位なので、常にゆっくりと行うことが基本です。
肩のストレッチは、一方の腕を胸の前に水平に伸ばし、反対の手でひじを引き寄せるようにすると、肩の後ろ側(後部三角筋)が伸びます。また、両手を後ろで組んで胸を張るストレッチは、胸の筋肉と肩の前側を伸ばすことができます。デスクワーク中でも椅子に座ったまま行えるものが多いため、仕事の合間に実践しやすいです。
▶️ 背中・腰のストレッチ
腰痛予防に効果的な代表的なストレッチのひとつが、膝を抱える腰椎屈曲ストレッチです。仰向けに寝て、両膝を両手で抱えて胸に引き寄せる姿勢を15〜30秒保持します。腰椎の周囲の筋肉が緩み、腰への負担が軽減されます。
また、キャット&カウというヨガのポーズも背骨の柔軟性を高めるのに効果的です。四つん這いの状態から、息を吐きながら背中を丸め(キャット)、息を吸いながら背中を反らせる(カウ)動作を繰り返します。腰椎から胸椎にかけて全体的にほぐすことができます。
🔹 股関節・太もものストレッチ
股関節周囲の筋肉が硬くなると、骨盤の傾きに影響して腰痛を引き起こすことがあります。股関節のストレッチとして代表的なのが、片膝立ちで骨盤を前方に押し出すストレッチです。後ろの脚の股関節前面(腸腰筋)が伸びます。腸腰筋は長時間の座り仕事で縮まりやすい筋肉です。
太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチは、座った状態で脚を伸ばし、上体を前に倒すものが基本です。膝を曲げたまま行っても構いません。ハムストリングスの柔軟性が高まると、腰への負担が減るだけでなく、運動時の膝や股関節の怪我予防にもなります。
📍 ふくらはぎ・足首のストレッチ
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。ふくらはぎのストレッチとしては、壁に手をつき、片足を後ろに引いてかかとを床に押しつける方法が効果的です。足首の柔軟性が高まると、歩行時の推進力が向上し、転倒リスクの低減にもつながります。
立ち仕事が多い方はふくらはぎが特に疲れやすいため、就寝前にふくらはぎのストレッチを行うことで、翌日のむくみや疲労感を軽減できる可能性があります。
💫 胸・体幹のストレッチ
姿勢改善には胸の筋肉(大胸筋)のストレッチが欠かせません。ドアフレームや壁を使って、腕を90度に曲げた状態で壁に当て、体を前に倒すことで大胸筋を効果的に伸ばすことができます。猫背改善を目指す方は、毎日このストレッチを取り入れることをおすすめします。
体幹のストレッチとしては、仰向けに寝て両膝を立てた状態から膝を左右にゆっくり倒す「ワイパー運動」が効果的です。腹斜筋や背中の筋肉をほぐすことができ、腰の動きを滑らかにします。
📝 ストレッチを行う際の注意点
ストレッチは一般的に安全な運動ですが、以下の点に注意することが大切です。

🦠 急性の炎症がある場合は控える
捻挫、打撲、筋肉の断裂など、急性の外傷がある場合には、患部のストレッチは行わないようにしましょう。炎症がある状態で無理に伸ばすと、炎症が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。急性の痛みがある場合はまず医療機関を受診し、医師や理学療法士のアドバイスに従って行うことが重要です。
👴 疾患がある方は医師に相談する
変形性関節症や椎間板ヘルニアなど、関節や脊椎に疾患がある方は、どのようなストレッチを行うべきかを医師や理学療法士に相談してから始めることをおすすめします。特定の動作が症状を悪化させることがあるため、専門家の指導のもとで行うことが安全です。
🔸 反動をつけない
静的ストレッチを行う際には、反動をつけて勢いよく伸ばすことは避けましょう。反動をつけると、筋肉の伸張反射が起きて逆に筋肉が収縮してしまい、効果が薄れるだけでなく、筋肉や腱を傷めるリスクが高まります。ゆっくりと丁寧に伸ばすことが基本です。
💧 体が温まっていない状態での過度なストレッチを避ける
朝起きてすぐや、長時間冷えた環境にいた後など、体が冷えている状態では筋肉が硬くなっています。このような状態で強度の高いストレッチを急に行うと、筋肉や腱を傷めるリスクがあります。体を温める意味でも、ストレッチ前に軽くウォームアップ(室内を歩く、軽くもも上げをするなど)を行うか、入浴後のタイミングを選ぶことをおすすめします。
✨ 過度なストレッチは逆効果になる場合がある
「毎日たくさんやれば早く柔らかくなる」と思って過度に長時間・高強度のストレッチを行うと、かえって筋肉や靭帯を疲労させたり、微細な損傷を引き起こしたりすることがあります。適切な強度と時間の範囲内で、無理なく継続することが大切です。
💡 ストレッチだけでは解消できないケースとは
毎日ストレッチを続けることは非常に効果的ですが、場合によってはストレッチだけでは解消しきれない問題があることも知っておく必要があります。
📌 構造的な問題がある場合
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、変形性関節症など、骨や軟骨、椎間板といった構造的な問題によって起きている痛みや症状は、ストレッチだけで完全に解消することは難しいです。このような場合は医療機関での診断を受け、適切な治療(薬物療法、理学療法、手術など)と組み合わせてストレッチを行うことが重要です。
▶️ 神経症状がある場合
手足のしびれや感覚障害、筋力低下といった神経症状がある場合には、ストレッチを行う前に必ず医療機関を受診してください。これらの症状の原因が脊髄や末梢神経の圧迫・損傷にある場合、不適切なストレッチが症状を悪化させる可能性があります。
🔹 慢性的な筋肉のアンバランスがある場合
長年にわたる姿勢の悪さや身体の使い方のクセによって生じた筋肉のアンバランスは、ストレッチのみで改善するには限界があることがあります。弱化した筋肉を鍛えるための筋力トレーニングを組み合わせることで、より効果的に姿勢や動作の改善が期待できます。理学療法士などの専門家によるアドバイスを受けながら、ストレッチと筋力強化を組み合わせたプログラムに取り組むことをおすすめします。
📍 内科的疾患が原因の場合
冷え性やむくみの中には、甲状腺機能低下症、心臓疾患、静脈瘤、腎臓疾患などの内科的な問題が原因となっているケースもあります。ストレッチを続けても改善が見られない場合や、急激に症状が悪化する場合、あるいは他の症状を伴う場合には、内科や専門科を受診して原因を確認することが大切です。
ストレッチはあくまでも健康維持・増進のための手段のひとつです。慢性的な痛みや体の不調が続く場合には、医療機関を受診して根本的な原因を確認することが最優先です。

👨⚕️ 【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「肩こりや腰痛を訴えて来院される患者様に日常的なストレッチ指導を行っておりますが、毎日継続できている方は症状の再発が少なく、体の動きやすさも実感していただけるケースが多いようです。記事にもある通り、痛みを感じるほど無理に伸ばすことは禁物で、「気持ちよく伸びている感覚」を大切に、入浴後などの筋肉が温まったタイミングで取り組まれることをおすすめします。ただし、手足のしびれや強い痛みを伴う場合にはストレッチより先にご受診いただくことをおすすめいたします。」
✨ よくある質問
個人差はありますが、柔軟性の変化は早い方で2〜4週間程度から感じ始めることがあります。ただし、筋肉や結合組織の構造的な変化には6〜8週間以上の継続が必要です。姿勢や筋肉バランスの改善には、1〜3ヶ月程度かかるのが一般的です。血行改善や疲労回復はストレッチ直後から感じられることもあります。
入浴後が最もおすすめです。体が温まり筋肉が柔らかくなっているため、ストレッチの効果が高まりやすい状態になっています。また、就寝前のストレッチは副交感神経を優位にし、睡眠の質向上にも役立ちます。朝起きてすぐは筋肉が硬いため、強度を下げるか軽く体を動かしてから行いましょう。
痛みを感じながら続けるのは禁物です。適切なストレッチは「気持ちよく伸びている感覚」を感じる程度が目安であり、鋭い痛みや強い不快感を伴う場合は筋肉や腱を傷めるリスクがあります。当院でも「痛みのない範囲でゆっくり伸ばす」ことを患者様に指導しています。強い痛みがある場合はまず医療機関を受診してください。
肩こりには、首から肩にかけての僧帽筋や肩甲挙筋を伸ばすストレッチが効果的です。腰痛には、腰周りだけでなく股関節周囲や太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチも重要です。これらの筋肉が硬くなると骨盤の傾きに影響し、腰への負担が増えるためです。ただし、急性の炎症や強い痛みがある場合は、先に医療機関への受診をおすすめします。
残念ながら、すべての不調をストレッチだけで解消することはできません。椎間板ヘルニアや変形性関節症などの構造的な問題、手足のしびれなどの神経症状、内科的疾患が原因の冷えやむくみは、ストレッチのみでの改善が難しいケースがあります。慢性的な痛みや不調が続く場合は、まず医療機関を受診して根本的な原因を確認することが最優先です。
📌 まとめ
毎日ストレッチを続けることで得られる効果は、柔軟性の向上、血行促進、肩こり・腰痛の緩和、姿勢改善、疲労回復の促進、ストレス軽減など、多岐にわたります。特別な器具も広いスペースも必要なく、短時間から始められるため、運動習慣がない方にとっても取り入れやすい健康習慣です。
効果を最大限に得るためには、正しいやり方(痛みを感じない範囲でゆっくり伸ばす、呼吸を止めない、左右バランスよく行うなど)を守ることが重要です。また、体が温まっているタイミング(入浴後や就寝前など)に行うことで、より効果的にストレッチができます。
継続することが最も大切なポイントです。毎日10〜15分程度でも続けることで、2〜8週間程度で柔軟性の変化を感じ始める方が多く、3ヶ月程度の継続で姿勢や筋肉のバランスにも変化が現れてきます。完璧を目指すよりも、「毎日少しずつ続ける」という姿勢を大切にしてください。
ただし、急性の炎症や痛みがある場合、神経症状がある場合、疾患を抱えている場合には、ストレッチを始める前に医療機関に相談することが重要です。体の不調が続く場合には、ストレッチで解消しようとするのではなく、まずは医師の診断を受けて原因を確認することをおすすめします。
ストレッチを毎日の生活に取り入れて、体の柔軟性と健康を維持していきましょう。継続することで必ず体は変わります。自分のペースで、焦らずに取り組んでみてください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 身体活動・運動に関する指針や健康づくりのための運動基準について、ストレッチを含む運動習慣の推奨事項を参照
- WHO(世界保健機関) – 身体活動に関するガイドラインおよび柔軟性運動・ストレッチの健康効果に関する国際的な推奨基準を参照
- PubMed – ストレッチの柔軟性向上・肩こり腰痛緩和・血行促進・メンタルへの効果に関する査読済み研究論文を参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務