
💬 「手首がかゆい…これってストレスのせい?」と思ったことはありませんか?
実は、ストレスが原因で手首に湿疹が出るケースは非常に多いのに、多くの方が原因に気づかず放置してしまっています。
この記事を読めば、なぜストレスで手首に湿疹が出るのか・どう対処すればいいのかが丸わかりです。
⚠️ 放置するほど悪化しやすい皮膚トラブル。「たかがかゆみ」と油断していると、慢性化・皮膚が硬くなる・ひどい場合は感染症リスクも。
目次
- 📌 ストレスが皮膚に影響を与えるメカニズム
- 📌 手首に湿疹が出やすい理由
- 📌 ストレス関連で手首に生じる主な皮膚疾患
- 📌 手首の湿疹を引き起こす他の原因との見分け方
- 📌 日常生活でできるストレス性湿疹の対処法
- 📌 医療機関を受診するタイミングと治療方法
- 📌 まとめ
💡 この記事のポイント
✅ ストレスは自律神経・ホルモン・免疫系を乱し、皮膚バリア機能を低下させることで手首に湿疹を引き起こす。
✅ 原因疾患はアトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・汗疱など多岐にわたる。
✅ 症状が続く場合は皮膚科専門医への受診が重要!
💡 ストレスが皮膚に影響を与えるメカニズム
ストレスが皮膚に影響を与えることは、医学的に証明されています。その背景には、脳と皮膚をつなぐ複雑な生理的メカニズムが存在します。まずは、そのしくみを理解しておきましょう。
✅ 自律神経系への影響
人間がストレスを感じると、脳の視床下部から指令が出て、自律神経系(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れます。交感神経が過剰に優位になると、血管が収縮して皮膚への血流が減少し、皮膚のバリア機能が低下します。皮膚のバリア機能が落ちると、外部からのアレルゲンや刺激物質が侵入しやすくなり、炎症反応が起きやすくなります。これが湿疹や皮膚炎として現れることがあります。
📝 コルチゾールの過剰分泌
ストレスを受けると、副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。コルチゾールは、短期的には炎症を抑える効果がありますが、慢性的なストレス状態では過剰に分泌され続けます。その結果、免疫機能が乱れ、皮膚の炎症を抑制する力が弱まります。また、コルチゾールの長期的な過剰分泌は皮膚のコラーゲン産生を低下させ、皮膚が薄くなったり、傷つきやすくなったりすることも報告されています。
🔸 免疫系の乱れ(神経免疫学的アプローチ)
近年の研究では、「脳-皮膚軸(Brain-Skin Axis)」という概念が注目されています。これは、神経系・内分泌系・免疫系が互いに影響し合いながら、皮膚の状態を変化させるという考え方です。ストレスを感じた際に脳から放出されるサブスタンスPなどの神経ペプチドが、皮膚に存在するマスト細胞を活性化させ、ヒスタミンなどの炎症物質を放出させます。これがかゆみや赤み、湿疹の原因となることが分かっています。
⚡ 皮膚のバリア機能への直接的影響
健康な皮膚は、角質層がしっかりとした構造を持ち、外からの刺激や細菌・アレルゲンを遮断するバリア機能を維持しています。しかしストレスが続くと、このバリア機能を構成するセラミドや天然保湿因子(NMF)の産生が低下することが研究により示されています。その結果、皮膚は乾燥しやすくなり、わずかな刺激でも炎症を起こしやすくなります。手を洗う、物を持つなど日常的な動作でも、バリアが弱った皮膚には過剰な刺激となり得るのです。
Q. ストレスが手首の湿疹を引き起こす仕組みは?
ストレスを受けると自律神経が乱れて交感神経が優位になり、皮膚への血流が減少してバリア機能が低下します。同時にストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌や神経ペプチドによるマスト細胞の活性化が起き、ヒスタミンなどの炎症物質が放出されることで、かゆみ・赤み・湿疹として皮膚に現れます。
📌 手首に湿疹が出やすい理由
体の中でも、手首という部位に特に湿疹が出やすいのにはいくつかの理由があります。ストレスとの関連だけでなく、手首固有の解剖学的・生活習慣的な背景もあります。
🌟 皮膚が薄く刺激を受けやすい
手首の皮膚は、他の部位と比べて薄い傾向があります。特に手首の内側(掌側)は皮脂腺の数が少なく、乾燥しやすい部位です。皮脂腺が少ないと、皮脂による自然な保湿・保護効果が得られにくく、外部からの刺激に対して脆弱になります。また皮膚が薄いことで、内部の炎症が表面に現れやすいという特徴もあります。
💬 アクセサリーや時計との接触
手首には腕時計やブレスレットなどを装着する機会が多く、金属アレルギーや摩擦による刺激を受けやすい場所です。特にニッケルを含む金属製品は、接触性皮膚炎を引き起こす代表的なアレルゲンとして知られています。ストレスによってバリア機能が低下した状態でこれらと接触すると、普段は問題なかったアクセサリーでも湿疹が出ることがあります。
✅ 手洗いや洗剤との接触頻度が高い
手首は手を洗う際に頻繁に水や石けん、洗剤にさらされる部位でもあります。特に界面活性剤を含む洗剤は皮脂を過剰に洗い流し、皮膚のバリア機能を低下させます。ストレスが続いている時期に重なると、手洗いの刺激だけでも湿疹が悪化しやすくなります。コロナ禍以降、手洗い頻度が増えた結果、手首の湿疹に悩む方が増加したという報告もあります。
📝 かきやすい部位であること
無意識のうちに手首をかいてしまうことも、症状悪化の一因です。ストレスによってかゆみが生じると、手首は反対の手でかきやすいため、掻破(そうは)行動が繰り返されます。皮膚をかくことで炎症がさらに広がり、湿疹が慢性化するという悪循環に陥ることがあります。
Q. 手首に湿疹が特に出やすい理由は何ですか?
手首は皮膚が薄く皮脂腺が少ないため乾燥しやすく、外部刺激に対して脆弱な部位です。加えて腕時計やブレスレットによる金属摩擦、手洗い時の洗剤接触など刺激を受ける機会が多く、反対の手でかきやすい構造上、掻破による炎症の慢性化も起こりやすいため、ストレス時に症状が集中しやすい箇所となっています。

✨ ストレス関連で手首に生じる主な皮膚疾患
ストレスが引き金となって手首に現れる湿疹・皮膚症状には、いくつかの代表的な疾患があります。それぞれの特徴を把握することで、自分の症状をより正確に理解する助けになります。
🔸 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、遺伝的なバリア機能の異常とアレルギー体質を基盤に、様々な環境因子が加わって発症する慢性炎症性皮膚疾患です。手首の内側(肘の内側や膝の裏と同様)は好発部位の一つで、強いかゆみを伴う紅斑(赤み)や丘疹(ぶつぶつ)、苔癬化(皮膚が厚くなること)が見られます。ストレスはアトピー性皮膚炎の悪化因子として広く認識されており、精神的なプレッシャーがかかると症状がぶり返したり、重症化したりすることが多いです。
⚡ 接触性皮膚炎(かぶれ)
手首に生じる湿疹の中で最も頻度が高いもののひとつが接触性皮膚炎です。特定の物質に触れることによって引き起こされる皮膚の炎症反応であり、大きく「刺激性接触性皮膚炎」と「アレルギー性接触性皮膚炎」に分けられます。手首の場合、時計のバックル、ブレスレット(特にニッケル含有金属)、香水、時計バンド(合成ゴム・皮革)などが原因物質となることが多いです。ストレスによってバリア機能が低下している時期には、普段は反応しなかった物質にも反応するようになることがあります。
🌟 ストレス性じんましん(蕁麻疹)
蕁麻疹は、皮膚に突然現れる膨疹(ぼうしん:蚊に刺されたような盛り上がった発疹)が特徴で、強いかゆみを伴います。通常は数時間以内に消えますが、繰り返すことがあります。ストレスはじんましんの誘発・悪化因子として知られており、「ストレス性蕁麻疹」とも呼ばれます。手首を含む全身のどこにでも出現しますが、衣類や腕時計などによる圧迫・摩擦によって手首に出やすい場合もあります。
💬 慢性痒疹(まんせいようしん)
慢性痒疹は、強いかゆみを伴う結節(硬いしこりのような発疹)が慢性的に生じる疾患です。かゆみに対して繰り返し掻破することで皮疹が増悪・慢性化するという悪循環が特徴です。ストレスや不眠、精神的緊張が症状の悪化に関与することが多く、心身のストレス管理が治療においても重要視されます。手首は手でかきやすい部位であるため、痒疹が生じやすい場所でもあります。
✅ 汗疱(かんぽう)・異汗性湿疹
汗疱は、手のひらや手首、足の裏などに小さな水疱(すいほう:水ぶくれ)が多数出現する疾患です。強いかゆみを伴うことが多く、水疱が破れると皮がむけてひび割れることもあります。精神的なストレスや発汗との関連が指摘されており、緊張や不安が強い時期に悪化しやすいとされています。春から夏にかけて発症・悪化しやすい傾向があります。
📝 神経皮膚炎(限局性神経性皮膚炎)
神経皮膚炎は、ストレスや精神的緊張が主な原因として挙げられる皮膚疾患です。特定の部位(手首や首の後ろ、足首など)に限局した強いかゆみが生じ、繰り返し掻くことで皮膚が厚く苔癬化します。かゆみ→掻破→さらにかゆみという悪循環が起きやすく、精神的なストレスが直接的な誘因・増悪因子となることが多い疾患です。

🔍 手首の湿疹を引き起こす他の原因との見分け方
手首の湿疹すべてがストレスによるものではありません。他の原因による皮膚疾患と混同しないためにも、鑑別のポイントを理解しておくことが大切です。
🔸 白癬(はくせん)・皮膚真菌感染症
白癬菌(はくせんきん)などの真菌(カビ)が皮膚に感染することで生じる皮膚疾患です。手白癬(手の水虫)は手のひらから手首にかけて発生することがあり、鱗屑(りんせつ:粉をふいたような皮むけ)や水疱を伴います。ストレス性の湿疹との区別が難しい場合もありますが、顕微鏡検査によって真菌の有無を確認することで診断できます。自己判断でステロイド外用薬を使用すると症状が悪化することがあるため、専門医への受診が重要です。
⚡ 疥癬(かいせん)
疥癬は、ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生して発症する感染症です。手首の内側は疥癬の好発部位の一つであり、強いかゆみ(特に夜間に強い)と小さな丘疹・線状の発疹が特徴です。感染者との直接接触や、寝具・衣類などを介して感染します。高齢者施設や介護施設でしばしばアウトブレイクが起きることでも知られています。ストレス性の湿疹とは治療法が全く異なるため、専門医による診断が必須です。
🌟 乾癬(かんせん)
乾癬は、免疫の異常によって引き起こされる慢性の炎症性皮膚疾患です。境界明瞭な紅斑に銀白色の鱗屑が付着するのが特徴で、肘や膝などの突出部、頭部に好発しますが、手首に出現することもあります。ストレスは乾癬の悪化因子としても知られており、ストレス管理が治療の一部となることがあります。
💬 見分け方のポイント
自己判断は難しい場合が多いですが、以下の点を観察することが参考になります。まず、発症のタイミングをチェックしましょう。ストレスフルな出来事(試験前、仕事の繁忙期、人間関係のトラブルなど)に連動して症状が出たり悪化したりするようであれば、ストレスとの関連を疑う根拠になります。次に、発疹の形態を観察しましょう。水疱が並んで出る場合は汗疱や白癬、線状の発疹がある場合は疥癬、銀白色の鱗屑を伴う場合は乾癬の可能性があります。また、かゆみのパターンも重要です。夜間に特に強いかゆみがある場合は疥癬、特定の物質に触れた後だけ症状が出る場合は接触性皮膚炎の可能性が高いです。いずれにせよ、正確な診断のためには皮膚科専門医の受診が欠かせません。
Q. 手首の湿疹はストレス以外の疾患と見分けられますか?
手首の湿疹は疾患によって特徴が異なります。夜間に強いかゆみと線状の発疹がある場合は疥癬、銀白色の鱗屑を伴う場合は乾癬、特定の物質接触後のみ発症する場合は接触性皮膚炎が疑われます。白癬など真菌感染は顕微鏡検査で確認できます。自己判断でステロイドを使用すると悪化する疾患もあるため、皮膚科専門医による正確な診断が必要です。
💪 日常生活でできるストレス性湿疹の対処法
ストレスによって引き起こされる手首の湿疹に対しては、医療機関での治療と並行して、日常生活の中でも対策を講じることが重要です。以下に実践しやすい方法を紹介します。
✅ スキンケアの徹底
皮膚のバリア機能を保護・回復させることが、湿疹悪化の予防において最も基本的な対策です。洗浄は低刺激性の石けんや洗浄料を使用し、手首を強くこすらず優しく洗いましょう。洗顔・手洗いの後はすぐに保湿剤(ヘパリン類似物質含有クリーム、ワセリン、セラミド含有保湿剤など)を塗布する習慣をつけることが大切です。乾燥しやすい季節(秋冬)は特に意識的に保湿を行いましょう。市販の保湿剤でも効果が不十分な場合は、皮膚科で処方してもらえる医療用保湿剤を使用することも選択肢です。
📝 刺激物質・アレルゲンの回避
手首に湿疹が出ている場合、まず原因となりうる刺激物質やアレルゲンを可能な限り取り除くことが大切です。金属アレルギーが疑われる場合は、腕時計やブレスレットを一時的に外してみましょう。樹脂製や布製のベルトへの変更も有効です。洗い物をする際はゴム手袋を着用し、洗剤や漂白剤との直接接触を避けましょう。ゴムアレルギーがある場合は、綿のインナー手袋を着用した上でゴム手袋を使う方法もあります。香水や化粧品も手首に直接つける場合は、成分を確認し低刺激性のものを選ぶようにしましょう。
🔸 かゆみをコントロールする工夫
かゆみを感じたときに掻くと皮膚の炎症が悪化し、慢性化の原因となります。かゆみが強い時は、患部を清潔なタオルや保冷剤(タオルに包んだもの)で冷やすことで、一時的にかゆみを和らげることができます。爪は短く切り、無意識の掻破による皮膚へのダメージを軽減しましょう。夜間にかゆみが強い場合は、就寝前に保湿剤を多めに塗り、薄手の綿素材のアームカバーやサポーターで患部を保護するのも有効です。

⚡ ストレス管理・精神的ケア
根本的な原因であるストレスそのものに向き合うことも重要です。規則正しい生活リズムを維持すること、十分な睡眠を確保すること、適度な運動(ウォーキング、ヨガなど)を取り入れることは、自律神経のバランスを整える上で効果的です。趣味や好きなことに時間を割き、精神的なリフレッシュを図ることも皮膚症状の改善に寄与します。また、深呼吸や瞑想(マインドフルネス)などのリラクゼーション技法は、交感神経の過緊張を和らげ、ストレスホルモンの分泌を抑制するとして医学的にも注目されています。
🌟 食事と栄養管理
皮膚の健康を保つためには、バランスのとれた食事が基本となります。特に、皮膚のバリア機能に関わるビタミンA(レバー、にんじん、かぼちゃなど)、抗酸化作用を持つビタミンC(柑橘類、ブロッコリーなど)、皮膚の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸(青魚、亜麻仁油など)を意識的に摂取することが皮膚の健康維持に役立つとされています。加工食品、砂糖の過剰摂取、アルコールは皮膚の炎症を悪化させる可能性があるため、控えめにすることが望ましいです。また、食物アレルギーが湿疹の原因となっている場合もあるため、特定の食品を食べた後に症状が悪化する場合は、専門医に相談しましょう。
💬 衣類・寝具の素材に気をつける
皮膚に直接触れる衣類の素材も重要です。ウールやナイロンなどの化学繊維は摩擦や化学的刺激となりやすいため、コットン(綿)やシルクなど天然素材で、縫い目の少ない肌着を選ぶことをお勧めします。洗濯洗剤は無香料・無着色の低刺激性のものを選び、すすぎを十分に行いましょう。柔軟剤は皮膚への刺激となる場合があるため、使用を避けるか低刺激性のものを選択してください。
Q. 手首の湿疹はどのタイミングで皮膚科を受診すべきですか?
市販の抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬を1〜2週間使用しても改善しない場合、症状が急激に悪化・広範囲に拡大している場合、発疹が膿んでいるか熱を帯びている場合、夜間のかゆみで眠れない場合は速やかに皮膚科を受診してください。アイシークリニックでは原因を丁寧に見極めた上で、症状に応じた適切な治療を行っています。
🎯 医療機関を受診するタイミングと治療方法
日常生活での対策だけでは改善が難しい場合や、症状が重症化している場合は、皮膚科専門医への受診が必要です。ここでは、受診のタイミングと医療機関で行われる治療の概要を解説します。
✅ 受診を検討すべきタイミング
以下のような場合は、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。市販薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬など)を1〜2週間使用しても改善が見られない場合、症状が急激に悪化したり、広範囲に広がったりしている場合、発疹が膿んでいる、または熱を帯びている場合(細菌感染の合併が疑われます)、夜間に強いかゆみで眠れないほどの場合、手首以外の部位にも症状が広がっている場合などは、セルフケアの限界として医療機関への相談が必要なサインです。
📝 皮膚科での診察・検査
皮膚科では、まず問診と視診によって症状の経過や原因を評価します。必要に応じて以下の検査が行われることがあります。パッチテスト(貼付試験)は接触性皮膚炎の原因物質を特定するための検査で、疑わしいアレルゲンを背中に貼り付け、48時間後・72時間後に反応を判定します。皮膚掻爬検査は真菌感染(白癬や疥癬)を確認するために、皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察します。血液検査はアレルギー体質(総IgE・特異的IgE)の確認や、全身疾患の除外のために行われることがあります。
🔸 外用薬による治療
ステロイド外用薬は、湿疹・皮膚炎治療の中心となる薬剤です。炎症を速やかに抑える効果があり、症状の重症度に応じて強さ(ランク)の異なるものが処方されます。手首は皮膚が比較的薄い部位であるため、過度に強いランクのステロイドを長期間使用すると皮膚萎縮などの副作用が生じることがあります。医師の指示に従って適切に使用することが重要です。タクロリムス外用薬(プロトピック)はステロイド外用薬が使いにくい場合や長期管理に用いられる非ステロイド系の抗炎症薬です。アトピー性皮膚炎を中心に使用されます。保湿剤(エモリエント)は治療薬と並行して用いられ、皮膚バリアの回復・維持に欠かせません。ヘパリン類似物質含有クリームは保険適用で処方可能です。
⚡ 内服薬による治療
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服が処方されることがあります。眠気の少ない第二世代抗ヒスタミン薬が主に使用されます。重症例や外用薬だけでは効果不十分な場合は、短期的なステロイド内服薬の使用が検討されることもあります。アトピー性皮膚炎の場合は、近年デュピルマブ(デュピクセント)などの生物学的製剤やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬といった新しい治療選択肢も登場しています。
🌟 心療内科・精神科との連携
ストレスが根本的な原因である場合、皮膚科治療だけでなく、精神心理的なアプローチも重要になります。慢性的なストレス、不安障害、うつ病などが背景にある場合は、心療内科や精神科との連携治療が行われることがあります。認知行動療法(CBT)は、ストレスへの考え方や対処スキルを学ぶ心理療法であり、皮膚疾患の改善にも効果があることが報告されています。また、掻破行動そのものをコントロールするための行動療法(習慣逆転法など)も有効なアプローチとして知られています。
💬 光線療法(紫外線療法)
慢性的なアトピー性皮膚炎や乾癬などで外用薬が十分に効かない場合、紫外線を用いた光線療法(ナローバンドUVB療法など)が選択されることがあります。炎症を起こしている免疫細胞に直接作用し、症状を改善させる効果があります。外来で定期的に照射を受けることが必要ですが、長期的な改善効果が期待できます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、ストレスをきっかけに手首の湿疹が悪化してご来院される患者様が多く、特に仕事や生活環境の変化が重なる時期に症状が出やすい傾向があります。ストレスによる皮膚バリア機能の低下は、アクセサリーや洗剤など普段は問題のない刺激にも過敏に反応させてしまうため、スキンケアとストレスケアを両輪で行うことがとても大切です。気になる症状が続く場合は自己判断せず、原因をきちんと見極めた上で適切な治療を行うことで改善が期待できますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
💡 よくある質問
ストレスを受けると自律神経が乱れ、皮膚のバリア機能が低下します。また、ストレスホルモン(コルチゾール)の過剰分泌や、神経ペプチドによるマスト細胞の活性化により炎症物質が放出され、かゆみや赤み、湿疹として現れます。手首は皮膚が薄く刺激を受けやすいため、特に症状が出やすい部位です。
はい、ストレス以外にも時計やブレスレットによる金属アレルギー(接触性皮膚炎)、洗剤による刺激、白癬菌などの真菌感染、疥癬、乾癬など様々な原因が考えられます。それぞれ治療法が異なるため、症状が続く場合は自己判断せず、皮膚科専門医に診てもらうことが重要です。
かいてしまうと炎症が悪化し慢性化するため、患部を清潔なタオルや保冷剤(タオルに包んだもの)で冷やしてかゆみを和らげましょう。爪は短く保ち、就寝時は保湿剤を多めに塗って綿素材のアームカバーで保護するのも有効です。市販の抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬を使っても改善しない場合は受診をご検討ください。
以下の場合は早めに皮膚科を受診してください。市販薬を1〜2週間使用しても改善しない場合、症状が急激に悪化・広範囲に広がる場合、発疹が膿んでいるまたは熱を帯びている場合、夜間のかゆみで眠れない場合などです。アイシークリニックでは原因をきちんと見極めた上で、適切な治療を行っています。
主に3つのアプローチが有効です。①スキンケア:低刺激性の洗浄料を使用し、洗後はすぐに保湿剤を塗布する。②刺激回避:金属製アクセサリーや洗剤との直接接触を減らす。③ストレス管理:規則正しい生活・十分な睡眠・適度な運動・マインドフルネスなどで自律神経のバランスを整えることが大切です。
📌 まとめ
ストレスと手首の湿疹には、自律神経・ホルモン・免疫系を介した明確なつながりがあります。精神的なストレスが続くと、皮膚のバリア機能が低下し、炎症を起こしやすい状態になります。手首という部位は皮膚が薄く、アクセサリーや洗剤など外部刺激にさらされやすいため、ストレス時に湿疹が現れやすい場所のひとつです。
手首の湿疹には、アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・汗疱・神経皮膚炎・蕁麻疹など様々な疾患が関連しており、それぞれ治療法が異なります。自己判断での対処には限界があるため、症状が続く場合や悪化する場合は皮膚科専門医への受診を迷わず検討してください。
日常生活では、丁寧な保湿ケア、刺激物との接触回避、ストレスマネジメント、バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。皮膚の症状は心身の状態を映し出すサインでもあります。手首の湿疹が気になったら、皮膚のケアと同時に、自分自身のストレス状態にも目を向けてみてください。アイシークリニック池袋院では、皮膚の悩みについても丁寧に診察を行っておりますので、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・湿疹の診療ガイドラインおよびストレスと皮膚疾患の関連に関する学会公式情報
- 厚生労働省 – ストレスと皮膚疾患の関係、心身症としての皮膚炎に関する公式情報および日常生活でのセルフケアに関する指針
- 国立感染症研究所 – 疥癬(ヒゼンダニ感染症)の症状・感染経路・診断・治療に関する公式情報(手首の湿疹との鑑別診断として)
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務