肥厚性瘢痕とは?写真でわかる症状の特徴と治療法を解説

傷が治ったはずなのに、皮膚が赤く盛り上がったまま元に戻らない。そんな経験をしたことはありませんか?

💬 「手術の傷跡がずっと目立つ…これって治るの?」
💬 「かゆくて痛いし、見た目も気になって外出が憂鬱…」

それ、放置すると悪化するサインかもしれません。
その状態は「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」という皮膚トラブルの可能性があります。

この記事を読めば、ケロイドとの違い・原因・治療法まで、あなたの傷跡の「今」と「これから」がまるごとわかります。
早期に正しい治療を受けるほど、改善の可能性が高くなります。まずは読んで、正しい知識を手に入れてください。


目次

  1. 📌 肥厚性瘢痕とはどんな状態?基本知識を整理する
  2. 📌 写真でわかる肥厚性瘢痕の見た目と特徴
  3. 📌 肥厚性瘢痕とケロイドの違いをチェック
  4. 📌 肥厚性瘢痕ができやすい場所と原因
  5. 📌 肥厚性瘢痕は自然に治る?経過と予後について
  6. 📌 肥厚性瘢痕の診断方法
  7. 📌 肥厚性瘢痕の治療法一覧
  8. 📌 治療を受けるタイミングと受診の目安
  9. 📌 日常生活でできるケアと予防法
  10. 📌 まとめ

⚡ この記事のポイント

🔸 肥厚性瘢痕は傷跡が元の範囲内で盛り上がる状態で、ケロイドと異なり自然改善の可能性がある
🔸 ステロイド注射・レーザー・圧迫療法などで治療でき、早期受診が効果的とアイシークリニック池袋院は推奨している。

💡 肥厚性瘢痕とはどんな状態?基本知識を整理する

瘢痕(はんこん)とは、皮膚に傷がついたあと、コラーゲンが過剰に産生されることによって形成される組織のことです。通常、皮膚は傷を受けると自然に修復を始め、時間をかけて正常な状態に近づいていきます。しかし、修復過程において何らかの要因でコラーゲンの産生と分解のバランスが崩れると、皮膚が過剰に増殖してしまいます。これが「肥厚性瘢痕」と呼ばれる状態です。

肥厚性瘢痕は医学的には「hypertrophic scar(ハイパートロフィック・スカー)」と呼ばれ、傷跡が元の傷の範囲内で盛り上がっているのが特徴です。表面は赤みがかっており、触ると硬く感じられます。かゆみや引きつれ感、軽い痛みを伴うことも多く、患者さんにとっては身体的にも精神的にも大きな負担になることがあります。

形成外科や皮膚科の分野では、肥厚性瘢痕は比較的よく見られる状態のひとつです。手術の傷跡、やけど、ニキビ跡、怪我の跡など、さまざまな原因で生じることがあります。適切な治療を受けることで症状を改善できることも多いため、まずは正しい知識を持つことが大切です。

なお、肥厚性瘢痕は皮膚の真皮層(しんぴそう)における線維芽細胞の異常な活性化が関与していると考えられています。線維芽細胞はコラーゲンをつくる細胞ですが、何らかのシグナルによって過剰に働くことで、必要以上のコラーゲンが蓄積されてしまいます。この過程には、炎症反応や成長因子のバランスが深く関わっています

Q. 肥厚性瘢痕とケロイドの違いは何ですか?

肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内にとどまり、時間とともに自然改善する可能性があります。一方ケロイドは傷の境界を超えて広がり、自然に治ることはほとんどありません。症状の強さや好発部位にも違いがあり、見た目だけの判断は難しいため専門医への受診が推奨されます。

📌 写真でわかる肥厚性瘢痕の見た目と特徴

実際に肥厚性瘢痕がどのような見た目をしているのかを知ることは、自分の症状がこれに該当するかを確認するうえで非常に重要です。以下に、肥厚性瘢痕の典型的な外観上の特徴を詳しく説明します。

まず色についてですが、初期の肥厚性瘢痕は鮮やかな赤色または暗赤色を呈しています。これは傷の修復過程で新たな血管が多く形成されるためです。時間が経過するにつれて、ピンク色から淡いピンク色へ、さらに成熟するにつれて白っぽい色になっていく傾向があります。ただし、色の変化には個人差があり、肌の色によっても異なります。

形状については、傷の形に沿って盛り上がっているのが特徴です。切り傷であれば線状に、やけどやニキビであれば面積のある盛り上がりとして現れます。ケロイドと異なり、元の傷の範囲を超えて広がることはありません

硬さについては、正常な皮膚と比較して明らかに硬く、弾力性が低下していることが多いです。触るとゴムのような硬さを感じることがあります。また、傷跡の部分が周囲の皮膚より盛り上がっており、高さがあることが見た目でもわかります。

表面の質感は、光沢があって滑らかに見えることが多いです。正常な皮膚にある毛穴や皮膚の細かいテクスチャーが消失しているため、独特の光沢感が生まれます。

症状の面では、かゆみを訴える方が非常に多く、特に乾燥した環境や汗をかいたときに強くなりやすいです。引きつれ感(皮膚が引っ張られるような感覚)もよく見られ、関節近くにある場合は動きに制限が出ることもあります

実際に受診される方の多くは、「傷が治ったと思っていたのに、数週間から数ヶ月後に赤みと盛り上がりが強くなってきた」というケースです。傷ができてから6週間から3ヶ月の間に最も目立ちやすくなることが多く、その後は徐々に落ち着いていく場合もあれば、しばらく症状が続く場合もあります。

✨ 肥厚性瘢痕とケロイドの違いをチェック

肥厚性瘢痕と混同されやすいのが「ケロイド」です。どちらも傷跡が盛り上がる状態ですが、両者には明確な違いがあります。正しく区別することが、適切な治療を受けるためにも重要です。

最も大きな違いは、傷の範囲を超えて広がるかどうかです。肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内にとどまりますが、ケロイドは傷の境界を超えてどんどん広がっていく性質があります。ケロイドはまるで腫瘍のように周囲の正常な皮膚に侵食していき、蟹の脚のような形に広がることから「蟹足腫(かにあしばれ)」とも呼ばれることがあります。

自然経過の違いも重要です。肥厚性瘢痕は時間の経過とともに自然に縮小・改善する傾向がありますが、ケロイドは自然に治ることがほとんどなく、むしろ徐々に拡大していくことが多いです。

症状の強さについても違いがあります。ケロイドは肥厚性瘢痕よりも強いかゆみや痛みを伴うことが多く、衣服などが当たっただけで不快感が生じることもあります。

好発部位にも特徴があります。肥厚性瘢痕は身体のあらゆる部位に生じる可能性がありますが、ケロイドは胸部(特に胸骨の上)、肩、耳たぶ、背中上部などに特に発生しやすい傾向があります。また、ケロイドは遺伝的な素因が強く関わっており、家族にケロイドを持つ人がいる場合は自分もなりやすいとされています。

治療への反応性も異なります。肥厚性瘢痕は治療に対して比較的よく反応しますが、ケロイドは治療に対して抵抗性が高く、再発しやすいことが知られています。ケロイドを手術で切除した場合、刺激によってむしろ大きくなることもあるため、治療には慎重な計画が必要です。

見た目だけで両者を区別するのは難しいこともあるため、自己判断せず、形成外科や皮膚科の専門医に診てもらうことをおすすめします

Q. 肥厚性瘢痕ができやすい原因や部位は?

肥厚性瘢痕は手術後の傷跡、やけど、ニキビ跡、外傷などが主な原因です。部位としては皮膚に張力がかかりやすい肩・胸部・腹部や、肘・膝などの関節周囲に生じやすいとされています。傷が深い場合や感染を起こした場合はリスクがさらに高まります。

🔍 肥厚性瘢痕ができやすい場所と原因

肥厚性瘢痕は、皮膚に傷がついたあとであれば基本的にどの部位にも生じる可能性がありますが、特に発生しやすい場所や原因があります。これを知ることで、リスクの高い状況での予防にも役立てることができます。

部位による違いについては、肩・胸部・上腕・腹部などの皮膚に張力(引っ張り力)がかかりやすい場所に生じやすいとされています。これは、皮膚の動きや張力が傷の治癒過程に影響を与えるためです。また、関節をまたぐような場所(肘・膝・手首など)も肥厚性瘢痕が生じやすい部位です。

原因となる主な皮膚の損傷としては、以下のようなものが挙げられます。

手術後の傷跡は肥厚性瘢痕の典型的な原因のひとつです。特に腹部や胸部の手術後に見られることが多く、縫合の方法や術後のケアによってリスクが変わることもあります。切開の方向が皮膚の自然なしわに沿っていない場合、肥厚性瘢痕が生じやすいとされています。

やけどによる瘢痕も多く見られます。深い熱傷(ねっしょう)は皮膚の真皮層まで到達するため、治癒後に肥厚性瘢痕が形成されやすいです。熱湯や火、摩擦熱など、やけどの種類に関わらず起こりえます。

にきびの跡から肥厚性瘢痕になることもあります。特に炎症が強いにきびや、自分でつぶしてしまったにきびの跡に生じやすく、顔・背中・胸に多く見られます。

外傷による傷跡も原因となります。転倒による擦り傷、切り傷、交通事故による裂傷なども肥厚性瘢痕の原因になりえます。傷が深い場合や、感染を起こした場合はリスクが高まります

ピアスなどの穿刺(せんし)も原因のひとつです。耳たぶのピアスホールに肥厚性瘢痕やケロイドが生じることがあります。

個人差のある要因としては、年齢(若い人ほどなりやすい)、皮膚の色(色素が濃い人ほどなりやすいという報告がある)、遺伝的素因、傷の深さや大きさ、傷の感染の有無、傷跡への物理的な刺激などが挙げられます。

💪 肥厚性瘢痕は自然に治る?経過と予後について

肥厚性瘢痕が自然に改善するかどうかは、多くの患者さんが気になる点です。結論としては、肥厚性瘢痕はケロイドとは異なり、時間の経過とともに自然に改善していく可能性があります。ただし、その経過には個人差が大きく、必ずしもすべての人が完全に改善するわけではありません。

一般的な経過としては、傷ができてから最初の数週間から数ヶ月の間に肥厚性瘢痕が最も目立ちます。この時期は赤みや盛り上がりが強く、かゆみや不快感も強い傾向があります。その後、数ヶ月から1年程度かけて徐々に赤みが薄れ、盛り上がりが平らになっていくことが期待できます

完全に元通りの皮膚に戻るということはありませんが、目立ちにくくなることは十分期待できます。瘢痕組織はある程度成熟すると、白っぽいやや硬い組織として落ち着いていきます。

ただし、以下のような場合は自然改善が難しいことがあります。傷跡が広範囲にわたる場合、感染を繰り返した傷の場合、傷跡に継続的な物理的刺激がかかっている場合、関節の動きによって引きつれが生じている場合などが挙げられます。

また、自然改善を待つ期間中も、かゆみや引きつれ感などの症状で日常生活に支障をきたしているケースや、精神的なストレスが大きいケースでは、早めに治療を開始することも選択肢のひとつです

傷ができてから少なくとも1年間は経過を観察し、その間に適切なケアを続けることが推奨されることが多いです。ただし、経過が長くなるほど治療の効果が得られにくくなる場合もあるため、気になる症状があれば早めに専門医に相談することをおすすめします。

Q. 肥厚性瘢痕にはどんな治療法がありますか?

肥厚性瘢痕の治療法には、ステロイド注射(ケナコルト注射)、シリコンジェルシートによる圧迫療法、パルス色素レーザーやフラクショナルレーザーなどのレーザー治療、手術による瘢痕切除術などがあります。アイシークリニック池袋院では症状に応じてこれらを組み合わせた治療プランを提案しています。

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🎯 肥厚性瘢痕の診断方法

肥厚性瘢痕の診断は、主として視診(目で見て確認すること)と触診(触って確認すること)によって行われます。多くの場合、傷の経緯や発生した時期、症状の変化などを聞き取る問診と組み合わせることで診断がなされます。

診断の際には、傷ができた原因(手術・外傷・やけど・にきびなど)、傷ができてからの経過時間、盛り上がりが傷の範囲を超えているかどうか、症状の変化(改善しているか、悪化しているか)、かゆみや痛みの有無と程度、これまでに行った治療の有無などを確認します。

肥厚性瘢痕かケロイドかの鑑別は、前述のように傷の範囲内に収まっているかどうかが重要なポイントになります。しかし、実際の臨床では判断が難しいケースも存在します。

必要に応じて皮膚生検(組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)が行われることもありますが、日常的な診断では多くの場合、臨床所見のみで診断が可能です。

近年では、超音波検査(エコー)を用いて瘢痕の厚みや性状を評価する方法も行われています。また、治療前後の比較のために写真撮影を行うことも一般的です。

自己判断での診断は難しいため、傷跡が気になる場合は形成外科や皮膚科、または美容皮膚科・美容外科の専門医を受診することをおすすめします。専門医が適切な診断を行い、その上で最も効果的な治療法を提案してくれます。

💡 肥厚性瘢痕の治療法一覧

肥厚性瘢痕の治療法にはいくつかの選択肢があり、症状の程度や部位、患者さんの状況に合わせて最適な方法が選ばれます。複数の治療を組み合わせることで、より高い効果が期待できる場合もあります

✅ 圧迫療法

圧迫療法は肥厚性瘢痕の基本的な治療法のひとつです。専用の圧迫衣(弾性ガーメント)やシリコンジェルシートなどを傷跡に当て、持続的に圧力をかけることで、コラーゲンの過剰産生を抑制し、瘢痕の平坦化を促します。特にやけどによる広範囲の肥厚性瘢痕に対して有効とされており、長期間(半年から1年以上)継続することが重要です

📝 シリコンジェルシート・シリコンジェル

シリコン素材のシートやジェルを傷跡に貼付・塗布する方法です。シリコンが瘢痕の水分を保持し、皮膚の環境を整えることで瘢痕の改善を促すと考えられています。自宅で比較的手軽に継続できる方法として、治療の補助として広く用いられています。市販品もありますが、医療用のものの方が効果が高いとされています1日8時間以上の使用を数ヶ月継続することが推奨されることが多いです。

🔸 ステロイド注射(ケナコルト注射)

瘢痕内にステロイド薬(トリアムシノロン)を直接注射する方法です。ステロイドはコラーゲンの産生を抑制し、炎症を鎮める効果があります。肥厚性瘢痕に対して高い有効性が確認されており、赤みの軽減、盛り上がりの改善、かゆみの緩和などの効果が期待できます。通常、数週間から1ヶ月おきに複数回行います。副作用として、皮膚の萎縮(atrophy)、毛細血管拡張、色素沈着や色素脱失などが生じることがあるため、適切な量と間隔で行うことが大切です。

⚡ レーザー治療

レーザーを用いた治療は、肥厚性瘢痕の改善に効果的な方法のひとつです。使用されるレーザーの種類によって作用が異なります。

パルス色素レーザー(PDL)は瘢痕内の異常な血管に作用し、赤みを軽減します。赤みが強い初期の肥厚性瘢痕に特に有効とされています。

フラクショナルレーザーは皮膚に微細な穴を多数開けることで、コラーゲンのリモデリング(再構築)を促します。瘢痕の硬さや盛り上がりの改善、テクスチャーの改善に効果があります。CO2レーザーやエルビウムYAGレーザーなどが用いられます。

レーザー治療は複数回の施術が必要であることが多く、治療間隔や回数は瘢痕の状態によって異なります。

🌟 手術(瘢痕切除術)

肥厚性瘢痕を切除して縫い直す方法です。特に線状の瘢痕に対して有効なことがあります。ただし、手術後に再び肥厚性瘢痕が生じるリスクがあるため、術後のケアが重要です。手術後にステロイド注射や圧迫療法、放射線療法などを組み合わせることで再発リスクを低減します。

💬 放射線療法

手術直後に放射線を照射することで、線維芽細胞の増殖を抑え、肥厚性瘢痕やケロイドの再発を防ぐ方法です。主にケロイドに対して使用されることが多いですが、難治性の肥厚性瘢痕にも適用されることがあります。放射線の影響については長期的な安全性も考慮した上で使用が検討されます

✅ 内服薬・外用薬

かゆみに対しては抗ヒスタミン薬が用いられることがあります。外用薬としては、ステロイド含有テープや軟膏が使用されることがあります。また、トラニラストという薬が肥厚性瘢痕・ケロイドの治療薬として日本では保険適用となっており、内服することでコラーゲン産生を抑制する効果が期待できます。

📝 ヒアルロン酸・PRP療法などの注入治療

美容クリニックなどでは、瘢痕の状態に応じてヒアルロン酸の注入や、自身の血液から成長因子を抽出したPRP(多血小板血漿)を用いた治療が行われることもあります。これらは皮膚の再生を促す効果が期待されています。

Q. 肥厚性瘢痕を悪化させないための日常ケアは?

肥厚性瘢痕の悪化を防ぐには、保湿剤をこまめに塗布して乾燥を防ぐこと、少なくとも1年間は紫外線対策を徹底すること、傷跡を掻いたり衣服で擦ったりする刺激を避けることが重要です。シリコンジェルシートや医療用テープの使用、禁煙、バランスのよい食事も皮膚の回復をサポートします。

📌 治療を受けるタイミングと受診の目安

肥厚性瘢痕の治療を受けるタイミングについては、専門家の間でも意見が分かれることがありますが、一般的なガイドラインとして参考になる情報をご紹介します。

傷の治癒直後から予防的なケアを開始することが、肥厚性瘢痕の形成を抑制する上で有効だと考えられています。具体的には、傷がふさがった段階でシリコンジェルシートの使用や保湿ケアを始めることが推奨されることが多いです。

すでに肥厚性瘢痕が形成されている場合は、早めの受診が望ましいとされています。瘢痕が成熟する前(傷ができてから6ヶ月以内)に治療を開始した方が、より高い効果が期待できるとする報告があります。

以下のような状況では、早めに医療機関への受診をご検討ください。傷跡の赤みや盛り上がりが2〜3ヶ月以上続いている場合、症状が改善せず、むしろ悪化している場合、かゆみや痛みが強く日常生活に支障をきたしている場合、傷跡による引きつれで関節の動きに制限がある場合、精神的なストレスや外見の悩みが続いている場合、傷跡が顔・首・手など目立ちやすい場所にある場合です。

受診する科は、形成外科が最も専門的な知識と経験を持っていますが、皮膚科や美容皮膚科・美容外科でも肥厚性瘢痕の治療を行っているところがあります。まずはかかりつけの医師に相談し、必要であれば専門医を紹介してもらうという方法もあります。

なお、肥厚性瘢痕の治療の多くは保険診療の対象となりますが、レーザー治療などは自由診療(保険外)で行われることもあります。受診前に確認しておくとよいでしょう。

✨ 日常生活でできるケアと予防法

肥厚性瘢痕の形成を予防したり、症状の進行を抑えたりするために、日常生活でできるケアがあります。クリニックでの治療と並行して行うことで、より高い効果が期待できます。

🔸 保湿ケアの重要性

傷跡の皮膚は乾燥しやすく、乾燥するとかゆみが強くなったり、傷跡の改善が妨げられることがあります。保湿剤(ワセリン、ヒルドイドなど)をこまめに塗布して、傷跡を乾燥から守ることが大切です。保湿は傷が閉じた直後から始めることが推奨されます。

⚡ 紫外線対策

新しい傷跡は紫外線によるダメージを受けやすく、日焼けによって色素沈着が生じたり、瘢痕が悪化したりすることがあります。傷跡がある部位は日焼け止めを使用する、衣服で覆うなどして紫外線から保護することが重要です。特に傷ができてから少なくとも1年間は、紫外線対策を徹底することをおすすめします

🌟 傷跡への刺激を避ける

かゆいからといって傷跡を掻いてしまうと、さらに刺激が加わり症状が悪化することがあります。かゆみが強い場合は、掻く代わりに冷やしたり、かゆみ止めの薬を使用したりすることを検討しましょう。また、衣服やアクセサリーなどによる摩擦刺激も避けることが大切です。

💬 テーピングや圧迫

傷跡に医療用テープを貼って皮膚への緊張を和らげることが、肥厚性瘢痕の予防と改善に役立つとされています。市販の傷跡ケアテープやシリコンジェルシートも活用できます。使用方法については専門医や薬剤師に確認することをおすすめします。

✅ 栄養と生活習慣

皮膚の修復と再生には、タンパク質やビタミンC、亜鉛などの栄養素が重要な役割を果たします。バランスのよい食事を心がけることが、皮膚の健康維持に貢献します。また、喫煙は血流を悪化させ、傷の治癒を妨げることが知られているため、禁煙することも傷跡の改善に寄与します

📝 傷の初期対応を適切に行う

傷ができた段階から適切な処置を行うことが、肥厚性瘢痕の予防につながります。傷口を清潔に保ち、感染を予防することが重要です。感染した傷跡は肥厚性瘢痕になるリスクが高まるため、傷が深い場合や汚染されている場合は速やかに医療機関を受診しましょう

🔸 手術を予定している場合の注意点

手術を受ける予定がある方で、肥厚性瘢痕が生じやすい体質だと感じている方は、事前に担当医師にその旨を伝えることをおすすめします。縫合の方法や術後のケアについて、瘢痕予防を考慮した対応をしてもらえることがあります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、手術後やけがの傷跡が気になって受診される方の中に、肥厚性瘢痕とケロイドの違いがわからず不安を抱えたままでいらっしゃる方が多くいます。最近の傾向として、傷ができてから時間が経ってしまってから相談に来られるケースも見受けられますが、早期から適切なケアと治療を組み合わせることで、多くの患者様に改善が期待できますので、気になる傷跡があればどうかひとりで悩まず、まずはお気軽にご相談ください。」

🔍 よくある質問

肥厚性瘢痕とケロイドの違いは何ですか?

最大の違いは傷跡が広がるかどうかです。肥厚性瘢痕は元の傷の範囲内にとどまり、時間とともに自然改善する可能性があります。一方ケロイドは傷の境界を超えて広がり、自然に治ることはほとんどありません。見た目だけでの判断は難しいため、形成外科や皮膚科への受診をおすすめします。

肥厚性瘢痕は自然に治りますか?

ケロイドとは異なり、時間の経過とともに自然に改善する可能性があります。傷後数ヶ月は赤みや盛り上がりが目立ちますが、1年程度かけて徐々に落ち着くことが期待できます。ただし完全に元通りになるわけではなく、症状が強い場合や改善がみられない場合は早めに専門医へご相談ください。

肥厚性瘢痕にはどのような治療法がありますか?

症状や部位に応じて、ステロイド注射・シリコンジェルシートによる圧迫療法・レーザー治療・手術など複数の選択肢があります。複数の治療を組み合わせることでより高い効果が期待できる場合もあります。当院では患者さんの状態を丁寧に診察し、一人ひとりに合った治療プランをご提案しています。

肥厚性瘢痕はいつ頃受診すればよいですか?

傷跡の赤みや盛り上がりが2〜3ヶ月以上続く場合や、かゆみ・痛みで日常生活に支障がある場合は早めの受診をおすすめします。傷ができてから6ヶ月以内に治療を開始すると効果が期待しやすいとされています。当院でも「時間が経ってしまった」という方のご相談を承っていますので、お気軽にご相談ください。

日常生活で肥厚性瘢痕を悪化させないためにできることはありますか?

保湿ケアをこまめに行い乾燥を防ぐこと、紫外線対策を徹底すること、傷跡を掻いたり衣服で擦ったりする刺激を避けることが重要です。また、シリコンジェルシートや医療用テープの使用も予防・改善に役立ちます。バランスのよい食事や禁煙も、皮膚の回復をサポートするために有効とされています。

💪 まとめ

肥厚性瘢痕は、傷の治癒過程でコラーゲンが過剰に産生されることによって生じる、傷跡の盛り上がりと赤みを特徴とする状態です。見た目の問題だけでなく、かゆみや引きつれ感などの身体的な症状、そして精神的な苦痛を伴うこともあるため、適切なケアと治療が重要です。

ケロイドとの違いを理解した上で、自分の症状が肥厚性瘢痕に該当するかどうかを確認することが、適切な治療への第一歩となります。肥厚性瘢痕は時間の経過とともに自然に改善する可能性がありますが、症状が強い場合や改善がみられない場合は、専門医への相談をためらわないでください

治療法はステロイド注射、レーザー治療、圧迫療法、手術など多岐にわたり、患者さんの状態に合わせた最適な方法を選択することが大切です。また、日常的な保湿ケアや紫外線対策、傷跡への刺激を避けることも、予防と改善に役立ちます。

アイシークリニック池袋院では、肥厚性瘢痕でお悩みの方のご相談を承っております。傷跡の状態を丁寧に診察し、患者さんひとりひとりに合った治療プランをご提案いたします。「もう治らないかもしれない」と諦める前に、ぜひ一度専門医にご相談ください。あなたの悩みに寄り添い、より良い状態を目指すためにサポートいたします。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本形成外科学会 – 肥厚性瘢痕・ケロイドの定義、診断基準、治療法(圧迫療法・ステロイド注射・手術など)に関する専門的情報
  • 日本皮膚科学会 – 肥厚性瘢痕とケロイドの違い、皮膚科的な診断・治療アプローチおよびトラニラスト等の保険適用薬に関する情報
  • PubMed – 肥厚性瘢痕の病態(線維芽細胞・コラーゲン産生・成長因子)およびレーザー治療・シリコンジェル等の有効性に関する国際的な臨床研究文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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