喉が痛い時に知っておきたい原因・症状・対処法|アイシークリニック池袋院

はじめに

喉の痛みは誰もが経験したことのある身近な症状です。軽い違和感から、飲み込むのも辛い激しい痛みまで、その程度はさまざまです。多くの場合は風邪などの一時的な症状として自然に治まりますが、中には適切な医療機関での治療が必要なケースもあります。

本記事では、喉が痛い時の原因、症状の見分け方、対処法、そして医療機関を受診すべきタイミングについて、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。喉の痛みでお悩みの方、予防法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

喉の痛みとは

喉の痛みは、医学的には「咽頭痛(いんとうつう)」と呼ばれます。喉は医学用語では咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)に分けられ、これらの部位に炎症や刺激が起こることで痛みが生じます。

喉の構造と役割

咽頭は鼻の奥から食道の入り口まで続く管状の器官で、鼻咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに区分されます。空気と食べ物の両方が通る重要な通り道であり、免疫機能においても重要な役割を果たしています。

喉頭は気管の入り口に位置し、声帯を含む発声器官です。また、食べ物が気管に入らないようにする弁の役割も担っています。

これらの器官が炎症を起こすと、痛み、腫れ、発赤などの症状が現れます。

喉が痛くなる主な原因

喉の痛みにはさまざまな原因があります。ここでは代表的な原因について詳しく解説します。

1. ウイルス感染症

喉の痛みの最も一般的な原因は、ウイルスによる感染症です。

風邪(感冒)

風邪は200種類以上のウイルスによって引き起こされる上気道感染症です。ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどが主な原因ウイルスとして知られています。風邪による喉の痛みは通常、発症初期に現れ、数日から1週間程度で自然に軽快することが多いです。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる感染症で、風邪よりも症状が重く、高熱、全身倦怠感、筋肉痛などを伴います。喉の痛みも強く現れることがあります。厚生労働省では、インフルエンザの流行期には予防接種の推奨や感染予防対策の啓発を行っています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

SARS-CoV-2ウイルスによる感染症で、喉の痛みは初期症状の一つとして報告されています。発熱、咳、倦怠感、味覚・嗅覚障害などを伴うこともあります。

EBウイルス感染症(伝染性単核球症)

主に若年者に発症するウイルス感染症で、激しい喉の痛み、高熱、リンパ節の腫れ、倦怠感などが特徴的です。「キス病」とも呼ばれ、唾液を介して感染します。

ヘルパンギーナ・手足口病

主に小児に多く見られる夏風邪の代表的な疾患です。エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが原因で、喉の奥に水疱や潰瘍ができ、強い痛みを伴います。

2. 細菌感染症

溶連菌感染症(溶血性連鎖球菌感染症)

A群β溶血性連鎖球菌による感染症で、激しい喉の痛み、高熱、嚥下時痛が特徴的です。扁桃に白い膿がつくこともあります。適切な抗菌薬治療が必要で、治療せずに放置すると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を引き起こすリスクがあります。

急性扁桃炎

扁桃に細菌やウイルスが感染して炎症を起こす疾患です。溶連菌やブドウ球菌などの細菌が原因となることが多く、喉の強い痛み、高熱、嚥下困難などの症状が現れます。

扁桃周囲膿瘍

急性扁桃炎が悪化し、扁桃の周囲に膿が溜まった状態です。激しい痛みのほか、口が開けにくくなる、唾液が飲み込めないなどの症状が現れます。緊急性の高い疾患で、速やかな医療機関での治療が必要です。

咽後膿瘍・咽頭膿瘍

咽頭後壁や側壁の深部組織に膿瘍が形成される重篤な疾患です。呼吸困難を引き起こすこともあり、入院治療が必要になる場合があります。

3. アレルギー

花粉症やハウスダストアレルギーなどのアレルギー性鼻炎があると、鼻水が喉の奥に流れ落ちる後鼻漏(こうびろう)が生じ、喉の刺激や痛みの原因となります。また、アレルギー反応による咽頭粘膜の炎症も喉の痛みを引き起こします。

4. 乾燥

空気が乾燥していると、喉の粘膜も乾燥してバリア機能が低下します。これにより、炎症を起こしやすくなり、痛みやイガイガ感が生じます。特に冬場の暖房使用時や、口呼吸の習慣がある人は注意が必要です。

5. 声の使い過ぎ

大声で話す、長時間話し続ける、歌うなどで声帯に負担をかけると、喉頭炎を起こし、喉の痛みや声枯れが生じます。教師、歌手、コールセンター勤務者など、声を職業的に使う人に多く見られます。

6. 胃酸の逆流(逆流性食道炎)

胃酸が食道を逆流して咽頭まで達すると、咽頭や喉頭の粘膜に炎症を起こし、喉の痛みや違和感、声枯れなどの症状が現れます。これを咽喉頭逆流症(LPR)と呼びます。

7. 喫煙・受動喫煙

タバコの煙に含まれる有害物質は、咽頭や喉頭の粘膜を直接刺激し、炎症を引き起こします。喫煙者だけでなく、受動喫煙でも喉の痛みが生じることがあります。

8. 腫瘍

まれですが、咽頭がんや喉頭がんなどの悪性腫瘍が喉の痛みの原因となることがあります。2週間以上続く喉の痛み、血痰、声枯れ、飲み込みにくさ、首のしこりなどがある場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。

9. その他の原因

その他、以下のような原因でも喉の痛みが生じることがあります。

  • 外傷(魚の骨が刺さる、熱い食べ物による火傷など)
  • 異物(食べ物の残渣など)
  • 薬剤の副作用(一部の抗菌薬、免疫抑制薬など)
  • 自己免疫疾患(シェーグレン症候群など)
  • 川崎病(主に小児)

喉の痛みに伴う症状

喉の痛みは、原因によってさまざまな症状を伴います。これらの症状を観察することで、ある程度原因を推測することができます。

ウイルス性感染症に多い症状

  • 鼻水、鼻づまり
  • くしゃみ
  • 軽度から中等度の発熱(37〜38℃台)
  • 全身倦怠感
  • 頭痛
  • 筋肉痛

細菌性感染症に多い症状

  • 高熱(38.5℃以上)
  • 激しい喉の痛み
  • 扁桃の腫れや白い膿
  • 嚥下時の強い痛み
  • 首のリンパ節の腫れ
  • 悪寒

その他の特徴的な症状

  • 声枯れ:喉頭炎、声帯ポリープ、喉頭がんなど
  • 呼吸困難:扁桃周囲膿瘍、喉頭蓋炎、重症アレルギー反応など
  • 口臭:扁桃炎、扁桃周囲膿瘍など
  • 胸焼け、呑酸:逆流性食道炎
  • 長期間続く痛み(2週間以上):慢性炎症、腫瘍など

医療機関での診断方法

喉の痛みで医療機関を受診すると、以下のような診断プロセスが行われます。

問診

医師は以下のような点について質問します。

  • いつから痛みが始まったか
  • 痛みの程度や性質
  • 伴う症状(発熱、鼻水、咳など)
  • 最近の接触歴(風邪をひいている人との接触など)
  • 既往歴、アレルギー歴
  • 喫煙習慣
  • 職業(声を使う仕事かなど)

視診

口を開けて喉の状態を観察します。咽頭や扁桃の発赤、腫れ、膿の付着、潰瘍の有無などを確認します。首のリンパ節の腫れも触診で確認します。

検査

必要に応じて以下のような検査が行われます。

迅速抗原検査

溶連菌感染症やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの診断に用いられます。綿棒で喉をぬぐい、数分から15分程度で結果が出ます。

血液検査

白血球数やCRP(炎症反応の指標)などを測定し、感染の有無や程度を評価します。EBウイルス感染症の診断には、特異的な抗体検査が行われることもあります。

細菌培養検査

喉をぬぐった検体を培養し、原因菌を特定します。結果が出るまでに数日かかりますが、適切な抗菌薬を選択するために重要な検査です。

喉頭ファイバースコープ検査

細い内視鏡を鼻から挿入し、咽頭や喉頭の状態を詳しく観察します。声枯れが続く場合や、腫瘍が疑われる場合などに行われます。

画像検査

扁桃周囲膿瘍や咽後膿瘍などが疑われる場合は、CT検査やMRI検査で詳しく評価します。

治療法

喉の痛みの治療は、原因によって異なります。

ウイルス性感染症の治療

風邪など一般的なウイルス感染症に対しては、特効薬はありません。対症療法が中心となります。

安静と水分補給

十分な休息をとり、体力の回復を図ります。水分を十分に摂取して脱水を防ぎ、喉の乾燥を防ぎます。

解熱鎮痛薬

アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が、痛みや発熱の緩和に用いられます。市販薬としても入手可能ですが、用法・用量を守り、長期使用は避けましょう。

トローチ・のど飴

喉の乾燥を防ぎ、局所的な刺激を和らげます。殺菌成分や抗炎症成分を含むものもあります。

うがい薬

イソジンなどのうがい薬で喉を清潔に保つことができます。ただし、厚生労働省の研究では、水うがいでも十分な予防効果があることが示されています。

細菌性感染症の治療

抗菌薬

溶連菌感染症など細菌が原因の場合は、適切な抗菌薬による治療が必要です。処方された抗菌薬は、症状が改善しても医師の指示通りに最後まで服用することが重要です。途中で中断すると、細菌が完全に除菌されず再発したり、耐性菌が生じたりするリスクがあります。

切開排膿

扁桃周囲膿瘍などで膿が溜まっている場合は、局所麻酔下で切開して膿を排出する処置が行われることがあります。

入院治療

重症の場合や、口から食事や水分が摂れない場合、呼吸困難がある場合などは、入院して点滴治療を行うことがあります。

その他の原因に対する治療

アレルギー性鼻炎

抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などが用いられます。アレルゲンの回避も重要です。

逆流性食道炎

胃酸分泌を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬、H2受容体拮抗薬)や、生活習慣の改善(食後すぐに横にならない、就寝時の頭部挙上、暴飲暴食を避けるなど)が行われます。

声帯ポリープ・声帯結節

声の安静が第一です。改善しない場合は手術が検討されることもあります。音声治療(ボイストレーニング)が有効な場合もあります。

腫瘍

良性・悪性、部位、進行度などによって、手術、放射線治療、化学療法などが選択されます。

家庭でできる対処法

軽度の喉の痛みであれば、以下のような家庭でのケアで改善することも多いです。ただし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、医療機関を受診してください。

1. 十分な休息と睡眠

体の免疫機能を高めるために、十分な休息と睡眠をとることが大切です。無理をせず、体を休めましょう。

2. 水分補給

こまめに水分を摂取し、喉の粘膜を潤します。冷たすぎる飲み物は刺激になることがあるので、常温や温かい飲み物がおすすめです。

3. 加湿

室内の湿度を50〜60%程度に保ちましょう。加湿器を使用したり、濡れたタオルを室内に干したりすることで、喉の乾燥を防ぐことができます。

4. うがい

こまめにうがいをすることで、喉の清潔を保ち、ウイルスや細菌を洗い流すことができます。水うがいでも効果があります。

5. マスクの着用

就寝時にマスクを着用することで、喉の保湿効果が得られます。また、外出時のマスク着用は感染予防にも有効です。

6. 喉に優しい食事

刺激の強い食べ物(辛いもの、酸っぱいもの、熱すぎるもの)は避け、柔らかくて飲み込みやすい食事を心がけましょう。おかゆ、うどん、スープ、ゼリーなどがおすすめです。

はちみつは咳や喉の痛みを和らげる効果があるとされていますが、1歳未満の乳児には絶対に与えないでください(乳児ボツリヌス症のリスク)。

7. 声を休める

大声を出したり、長時間話したりすることは避け、声帯を休めましょう。囁き声も声帯に負担をかけるため、話す必要がある時は普通の音量で短く話すようにします。

8. 喫煙・飲酒を控える

タバコとアルコールは喉の粘膜を刺激し、炎症を悪化させます。症状がある間は控えましょう。

9. 市販薬の活用

薬剤師に相談しながら、適切な市販薬を選ぶことができます。

  • 解熱鎮痛薬:アセトアミノフェン、イブプロフェンなど
  • トローチ・のど飴:殺菌成分、抗炎症成分を含むもの
  • のどスプレー:局所麻酔薬や抗炎症薬を含むもの

ただし、市販薬で症状が改善しない場合や、使用しても3〜4日以上症状が続く場合は、医療機関を受診してください。

医療機関を受診すべきタイミング

以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

すぐに受診すべき症状

  • 呼吸困難、息苦しさ
  • 唾液が飲み込めない、よだれが垂れる
  • 口が開けにくい
  • 声が出ない(完全な失声)
  • 高熱(38.5℃以上)が3日以上続く
  • 激しい喉の痛みで水分も摂れない
  • 喉の痛みとともに蕁麻疹や呼吸困難が出現(アナフィラキシーの可能性)

これらは緊急性の高い症状です。場合によっては救急車を呼ぶことも考慮してください。

早めの受診が望ましい症状

  • 喉の痛みが1週間以上続く
  • 喉の痛みが徐々に悪化している
  • 血痰が出る
  • 声枯れが2週間以上続く
  • 首にしこりがある
  • 片側だけの強い喉の痛み
  • 耳の痛みを伴う喉の痛み
  • 飲み込む時に食べ物が詰まる感じがある
  • 体重が減少している

これらの症状は、重篤な疾患の可能性も考えられるため、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。

どの診療科を受診すべきか

喉の痛みは、以下の診療科で診察を受けることができます。

  • 耳鼻咽喉科:喉の専門科です。詳しい検査や専門的な治療が可能です。
  • 内科:風邪などの一般的な症状であれば、内科でも対応可能です。
  • 小児科:15歳以下のお子さんは小児科が適しています。

初診の場合、まずは近くの診療所やクリニックを受診し、必要に応じて専門医や総合病院を紹介してもらうという流れが一般的です。

アイシークリニック池袋院では、経験豊富な医師が丁寧に診察を行い、適切な治療をご提案いたします。喉の痛みでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

喉の痛みの予防法

喉の痛みを予防するためには、日常生活での以下のような対策が有効です。

1. 手洗い・うがいの徹底

感染症予防の基本は手洗いとうがいです。厚生労働省では、石けんを使った丁寧な手洗いを推奨しています。外出から帰った時、食事の前、トイレの後などには必ず手洗いをしましょう。

うがいも効果的です。まず口の中をゆすぎ、次にのどの奥でガラガラとうがいをします。

2. 適度な湿度の維持

室内の湿度を50〜60%程度に保つことで、喉の粘膜のバリア機能を維持できます。特に冬場は乾燥しやすいので、加湿器の使用がおすすめです。

3. こまめな水分補給

喉の乾燥を防ぐために、こまめに水分を摂取しましょう。一度に大量に飲むよりも、少量ずつ頻繁に飲む方が効果的です。

4. マスクの着用

人混みや乾燥した環境では、マスクを着用することで喉の保湿効果と感染予防効果が得られます。

5. バランスの良い食事と十分な睡眠

免疫力を維持するためには、バランスの良い食事と十分な睡眠が不可欠です。特にビタミンA、C、Eなどの抗酸化ビタミンや、亜鉛などのミネラルは免疫機能に重要です。

6. 適度な運動

適度な運動は免疫機能を高める効果があります。激しすぎる運動は逆効果ですが、ウォーキングなどの軽い運動を習慣にしましょう。

7. 禁煙・受動喫煙の回避

喫煙は喉の粘膜を傷つけ、感染症にかかりやすくします。禁煙することで、喉の健康だけでなく全身の健康改善につながります。

8. ストレス管理

過度なストレスは免疫機能を低下させます。趣味の時間を持つ、十分な睡眠をとる、リラクゼーション法を取り入れるなど、ストレス管理を心がけましょう。

9. 予防接種

インフルエンザなどの予防接種を受けることで、重症化を防ぐことができます。特に高齢者、慢性疾患のある方、乳幼児などは接種が推奨されます。

10. 人混みを避ける

感染症の流行期には、不要不急の外出を控え、人混みを避けることも予防策の一つです。

年齢別・状況別の注意点

乳幼児の場合

乳幼児は自分で症状を訴えることができないため、以下のようなサインに注意が必要です。

  • 不機嫌、泣き続ける
  • 哺乳力の低下、水分摂取の減少
  • よだれが多い
  • 呼吸が速い、苦しそう
  • 発熱

特に生後3ヶ月未満の乳児が発熱した場合は、重症感染症の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。

小児の場合

小児は成人に比べて免疫機能が未熟で、感染症にかかりやすい傾向があります。また、中耳炎や副鼻腔炎などの合併症を起こしやすいため、注意が必要です。

溶連菌感染症は小児に多く、適切な抗菌薬治療が必要です。兄弟姉妹や同じクラスの子どもが溶連菌感染症にかかった場合は、特に注意しましょう。

高齢者の場合

高齢者は免疫機能が低下しているため、感染症が重症化しやすく、誤嚥性肺炎などの合併症のリスクも高まります。

また、喉の痛みの感覚が鈍くなっていることもあり、気づいた時には重症化していることもあります。わずかな症状でも早めに医療機関を受診することが大切です。

妊娠中の場合

妊娠中は使用できる薬が限られます。自己判断で市販薬を使用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。

また、高熱は胎児に影響を与える可能性があるため、38℃以上の発熱がある場合は速やかに産婦人科または内科を受診してください。

慢性疾患がある場合

糖尿病、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患などの慢性疾患がある方は、感染症が重症化しやすい傾向があります。早めの受診と適切な治療が重要です。

また、免疫抑制薬を服用している方も感染症のリスクが高いため、注意が必要です。

よくある質問(Q&A)

Q1. 喉が痛い時、冷やすべきですか?温めるべきですか?

A. 急性期の炎症が強い時は、冷やすことで痛みが和らぐことがあります。冷たい飲み物やアイスクリームなども、一時的な痛みの緩和に効果的です。ただし、冷やしすぎは逆に刺激になることもあります。
慢性的な痛みや血行不良による痛みの場合は、温めることで症状が改善することもあります。自分の症状に合わせて試してみてください。

Q2. 喉が痛い時に抗菌薬は必要ですか?

A. 喉の痛みの多くはウイルス性で、抗菌薬は効果がありません。抗菌薬は細菌感染症にのみ有効です。
溶連菌感染症などの細菌性感染症と診断された場合には抗菌薬が必要ですが、ウイルス性感染症に抗菌薬を使用しても効果がないだけでなく、副作用のリスクや薬剤耐性菌の問題もあります。
医師の診断を受けて、適切な治療を受けることが大切です。

Q3. 市販ののど飴やトローチの効果は?

A. のど飴やトローチには、喉の乾燥を防ぎ、局所的な刺激を和らげる効果があります。殺菌成分や抗炎症成分を含むものもあり、軽度の症状には有効です。

ただし、これらはあくまで対症療法であり、根本的な治療ではありません。症状が続く場合や悪化する場合は、医療機関を受診してください。

Q4. うがい薬は使った方が良いですか?

A. うがい薬(イソジンなど)には殺菌効果がありますが、厚生労働省の研究では、水うがいでも十分な予防効果があることが示されています。

うがい薬を長期間使用すると、口腔内の常在菌のバランスが崩れる可能性もあります。症状がある時に短期間使用する分には問題ありませんが、日常的な予防には水うがいで十分でしょう。

Q5. 喉が痛い時に避けるべき食べ物は?

A. 以下のような食べ物は喉を刺激するため、症状がある時は避けた方が良いでしょう。

  • 辛い食べ物(唐辛子、わさび、カレーなど)
  • 酸っぱい食べ物(柑橘類、酢の物など)
  • 熱すぎる食べ物
  • 硬い食べ物(せんべい、ナッツなど)
  • アルコール
  • カフェインの多い飲み物(利尿作用により脱水につながる可能性)

柔らかくて飲み込みやすく、刺激の少ない食事を心がけましょう。

Q6. 声枯れと喉の痛みの両方がある場合、どうすればいいですか?

A. 声枯れを伴う喉の痛みは、喉頭に炎症が及んでいる可能性があります。以下の対処法を試してみてください。

  • 声を使わず、声帯を休める
  • 喉の保湿(加湿、水分補給)
  • 刺激物を避ける
  • 禁煙・禁酒

症状が1〜2週間以上続く場合は、声帯ポリープや喉頭がんなどの可能性もあるため、耳鼻咽喉科を受診してください。

Q7. 喉の痛みで食事が摂れない時はどうすればいいですか?

A. 食事が摂れないほどの痛みがある場合は、脱水や栄養不足になる危険があります。以下を試してみてください。

  • 冷たい飲み物やアイスクリームで喉を冷やす
  • スープやゼリーなど飲み込みやすいものを少量ずつ摂る
  • 経口補水液やスポーツドリンクで水分と電解質を補給する
  • 解熱鎮痛薬で痛みを和らげる

それでも食事や水分が摂れない場合は、点滴治療が必要になることもありますので、速やかに医療機関を受診してください。

Q8. 風邪と溶連菌感染症の見分け方は?

A. 一般的には以下のような違いがありますが、確実な診断は医療機関での検査が必要です。

風邪(ウイルス性)

  • 鼻水、くしゃみ、咳を伴うことが多い
  • 発熱は軽度から中等度(37〜38℃台)
  • 喉の痛みは比較的軽い
  • 徐々に発症することが多い

溶連菌感染症(細菌性)

  • 鼻水や咳はあまりない
  • 高熱(38.5℃以上)
  • 激しい喉の痛み、嚥下時痛
  • 扁桃に白い膿が付着
  • 急激に発症
  • 全身の発疹(猩紅熱)を伴うこともある

溶連菌感染症が疑われる場合は、迅速検査で診断できますので、医療機関を受診してください。

Q9. 喉の痛みは何日くらいで治りますか?

A. 原因によって異なりますが、一般的な風邪による喉の痛みは3〜7日程度で改善することが多いです。

ただし、以下の場合は治癒に時間がかかることがあります。

  • 細菌性感染症:適切な抗菌薬治療で数日から1週間
  • インフルエンザ:1〜2週間
  • EBウイルス感染症:2〜4週間
  • 声の使いすぎ:声を休めれば数日から1週間

1週間以上症状が続く場合や、徐々に悪化する場合は、医療機関を受診してください。

Q10. 家族が喉の痛みで風邪をひいた時、どう予防すればいいですか?

A. 家族内での感染を防ぐために、以下の対策が有効です。

  • こまめな手洗いとうがい
  • タオルや食器の共用を避ける
  • 患者にマスクを着用してもらう
  • 部屋の換気をこまめに行う
  • 患者の看病後は特に丁寧に手洗いをする
  • 十分な睡眠と栄養で免疫力を維持する
  • 必要に応じて別室で過ごす

特に高齢者や乳幼児、慢性疾患のある家族がいる場合は、十分な注意が必要です。

まとめ

喉の痛みは日常的によくある症状ですが、その原因は多岐にわたります。多くは風邪などのウイルス感染症によるもので、安静と対症療法で自然に治癒しますが、中には細菌感染症や重篤な疾患が隠れていることもあります。

軽度の症状であれば、十分な休息、水分補給、喉の保湿などの家庭でのケアで改善することも多いですが、以下のような場合は速やかに医療機関を受診してください。

  • 高熱が続く
  • 激しい喉の痛みで水分も摂れない
  • 呼吸困難がある
  • 症状が1週間以上続く
  • 声枯れが2週間以上続く
  • 血痰が出る
  • 首にしこりがある

また、日頃から手洗い・うがい、適度な湿度の維持、バランスの良い食事、十分な睡眠などを心がけることで、喉の痛みを予防することができます。

参考文献

  1. 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html
  2. 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症について」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
  3. 厚生労働省「手洗いで感染症予防」
    https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593493.pdf
  4. 厚生労働省「うがいの効果について」
    https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000187997.pdf
  5. 国立感染症研究所「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/340-gas-intro.html
  6. 国立感染症研究所「咽頭結膜熱とは」
    https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-pfc.html
  7. 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「耳鼻咽喉科の病気」
    http://www.jibika.or.jp/citizens/disease/
  8. 日本感染症学会「抗菌薬適正使用」
    http://www.kansensho.or.jp/guidelines/
  9. 日本小児科学会「予防接種・感染症」
    https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=138
  10. 国立がん研究センター「がん情報サービス – 咽頭がん・喉頭がん」
    https://ganjoho.jp/public/cancer/head_neck/index.html

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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