多汗症のセルフチェック方法|7つの症状から重症度を判定する診断基準を医師が解説

📝 「汗をかきすぎているかも」「手汗がひどくて書類が濡れてしまう」「脇汗で服に染みができるのが恥ずかしい」——このような悩みを抱えている方は、もしかすると多汗症かもしれません。多汗症は日本人の約5〜7%が罹患しているとされる、決して珍しくない疾患です。しかし、多くの方が「体質だから仕方ない」と諦めてしまい、適切な治療を受けていないのが現状です。本記事では、アイシークリニック池袋院の医師監修のもと、多汗症のセルフチェック方法から重症度判定基準、原因、最新の治療法まで詳しく解説します。自分が多汗症かどうか気になる方は、ぜひ最後までお読みください。


目次

  1. 🎯 多汗症とは?正常な発汗との違い
  2. 📝 多汗症のセルフチェック|7つの症状チェックリスト
  3. 📊 多汗症の重症度判定基準(HDSS)
  4. 🔍 部位別の多汗症セルフチェック
  5. 🦠 多汗症の原因|原発性と続発性の違い
  6. ⚠️ 多汗症を放置するリスク
  7. 💊 多汗症の治療法|重症度別のアプローチ
  8. 🏥 多汗症の受診目安と診療科
  9. 👨‍⚕️ 医師コメント
  10. ❓ よくある質問

🎯 多汗症とは?正常な発汗との違い

このセクションでは、多汗症の定義と正常な発汗との違い、有病率について詳しく解説します

多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて過剰な発汗が起こる疾患です。私たちの体は、運動や暑さ、緊張などによって体温が上昇すると、汗をかいて体温を下げようとします。これは正常な生理現象であり、健康な体の反応です。

しかし、多汗症の場合は、体温調節の必要がない場面でも大量の汗をかいてしまいます。たとえば、涼しい部屋でリラックスしているときや、特に緊張していないのに手のひらや脇から汗が滴り落ちるような状態が続くのが特徴です。

🔸 正常な発汗と多汗症の違い

正常な発汗は、運動時、気温が高いとき、辛いものを食べたとき、緊張したときなど、明確なきっかけがあります。発汗量も体温調節に必要な程度であり、日常生活に支障をきたすことはありません。

一方、多汗症の発汗は以下のような特徴があります。📌 明確なきっかけがなくても発汗する、📌 発汗量が日常生活に支障をきたすほど多い、📌 特定の部位に集中して発汗する、📌 若い頃から症状が続いている、📌 週に1回以上の頻度で過剰な発汗がある——これらに複数当てはまる場合は、多汗症の可能性があります。

📊 多汗症の有病率

多汗症は決して珍しい疾患ではありません。日本皮膚科学会のガイドラインによると、原発性局所多汗症(特定の部位に限局した多汗症)の有病率は、手掌多汗症が約5.3%、腋窩多汗症が約5.8%とされています。つまり、約20人に1人が何らかの多汗症を抱えていることになります。

しかし、実際に医療機関を受診している方は少数派です。「汗かきは体質だから仕方ない」「病気として治療できると知らなかった」という理由で、多くの方が適切な治療を受けていません

📝 多汗症のセルフチェック|7つの症状チェックリスト

💡 このセクションでは、自分で多汗症かどうかを判断するための具体的なチェックリストをご紹介します

自分が多汗症かどうかを判断するために、以下のセルフチェックリストを確認してみてください。これは日本皮膚科学会の診断基準をもとに作成したものです。

✅ 多汗症診断のための7つのチェック項目

⚠️ 以下の項目のうち、2つ以上に当てはまる場合は多汗症の可能性があります。

📌 1つ目は、発症年齢が25歳以下であることです。多汗症の多くは思春期前後に発症し、25歳以降に初めて症状が出ることは比較的まれです。子どもの頃から手汗がひどかった、中学生くらいから脇汗が気になり始めたという場合は、この項目に該当します。

📌 2つ目は、左右対称に発汗することです。原発性多汗症の特徴として、両手、両脇、両足など、左右対称に発汗が起こります。片側だけに発汗がある場合は、神経の問題など別の原因が考えられます。

📌 3つ目は、睡眠中は発汗が止まることです。原発性多汗症は交感神経の過剰な活動が原因とされており、睡眠中は交感神経が休まるため発汗も止まります。寝ている間も大量の汗をかく場合は、感染症や内分泌疾患など他の原因を検討する必要があります。

📌 4つ目は、週に1回以上の過剰発汗エピソードがあることです。たまに汗をかくことがある程度であれば正常な反応の可能性がありますが、週に1回以上の頻度で日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合は、多汗症が疑われます。

📌 5つ目は、家族に同様の症状がある人がいることです。多汗症には遺伝的な要因があり、家族に汗かきの人がいる場合は発症リスクが高まります。両親や兄弟姉妹に多汗症の方がいる場合は、遺伝的な素因がある可能性があります。

📌 6つ目は、日常生活に支障をきたしていることです。たとえば、手汗で書類やスマートフォンが濡れる、脇汗で服に染みができて着る服が限られる、握手を避けてしまう、人前に出ることが苦痛になるなど、社会生活に影響が出ている場合は多汗症として治療の対象となります。

📌 7つ目は、特定の部位に限局して発汗することです。原発性局所多汗症は、手のひら、足の裏、脇の下、顔、頭部など特定の部位に限って過剰な発汗が起こります。全身から満遍なく汗をかく場合は、全身性多汗症として別のアプローチが必要です。

🔍 チェック結果の見方

上記7項目のうち、2項目以上に該当し、かつ6か月以上にわたって原因不明の過剰な発汗が続いている場合は、原発性局所多汗症の診断基準を満たす可能性があります。

ただし、これはあくまでセルフチェックであり、正確な診断は医療機関で行う必要があります。当てはまる項目が多い場合は、皮膚科や形成外科を受診することをお勧めします。


🔍 チェック結果の見方

📊 多汗症の重症度判定基準(HDSS)

📋 多汗症の重症度を客観的に評価する世界標準の指標HDSSについて詳しく解説します

多汗症の重症度を客観的に評価するために、世界的に使用されているのがHDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale:多汗症疾患重症度評価尺度)です。この指標は、発汗が日常生活にどの程度影響しているかを4段階で評価します。

🔢 HDSSの4段階評価

📌 レベル1「発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない」状態です。汗はかくものの、量は正常範囲内であり、特に困ることはありません。この段階であれば治療の必要性は低いでしょう。

📌 レベル2「発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある」状態です。汗かきであることは自覚しているものの、工夫次第で対処できる程度です。制汗剤やハンカチでこまめに汗を拭くなどの対策で乗り切れることが多いです。

📌 レベル3「発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある」状態です。制汗剤だけでは対処しきれず、仕事や学校生活に影響が出始めます。大事な場面で汗が気になって集中できない、人との接触を避けるようになるなど、QOL(生活の質)が低下してきます。

📌 レベル4「発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある」状態です。常に発汗に悩まされ、社会生活を送ることが困難になります。仕事を続けられない、外出を避けるようになる、人間関係に支障が出るなど、深刻な影響があります。

🎯 重症度別の治療適応

HDSSでレベル3または4に該当する場合は、積極的な治療介入が推奨されます。レベル2の場合でも、本人が強い苦痛を感じている場合は治療を検討する価値があります。

なお、HDSSの評価は主観的な要素を含むため、同じ発汗量でも人によって感じ方は異なります。「自分はレベル2だから治療は必要ない」と決めつけず、発汗によって困っていることがあれば医療機関に相談することをお勧めします

🔍 部位別の多汗症セルフチェック

🗺️ 手のひら、脇の下、足の裏、顔・頭部など、部位別の多汗症チェックポイントを詳しく解説します

多汗症は発症する部位によって症状の現れ方や日常生活への影響が異なります。ここでは、主な発症部位ごとにセルフチェックのポイントを解説します。

🤚 手のひら(手掌多汗症)のセルフチェック

手掌多汗症は、手のひらに過剰な発汗が起こる状態です。以下の症状がある場合は手掌多汗症の可能性があります。

✅ 手のひらがいつも湿っている、または汗で濡れている状態が続くことはありませんか。✅ 紙やノートを触ると湿ってしまう、✅ スマートフォンやパソコンのキーボードが汗で滑る、✅ 握手をするのが恥ずかしい——これらは手掌多汗症の典型的な症状です。

重症の場合は、手のひらから汗が滴り落ちることもあります。書類に汗の跡がついてしまう、試験用紙が濡れて破れそうになる、ハンドルを握っても滑ってしまうなど、日常生活や仕事に大きな支障をきたします。

手掌多汗症は精神的なストレスや緊張で悪化する傾向がありますが、リラックスしているときでも発汗が続くのが特徴です。「緊張しているから汗をかく」のではなく、「常に手のひらが汗ばんでいる」状態であれば多汗症が疑われます。

💧 脇の下(腋窩多汗症)のセルフチェック

腋窩多汗症は、脇の下に過剰な発汗が起こる状態です。ワキガとの関連も深いため、汗だけでなく臭いに悩む方も少なくありません。ワキガのセルフチェック方法については、関連記事「ワキガのセルフチェック方法|自分でできる7つの確認ポイントを医師が解説」で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。

腋窩多汗症のチェックポイントとして、以下の症状がないか確認してみてください。✅ 1日に何度も脇汗パッドを交換する必要がある、✅ 白い服を着ると黄ばみが目立つ、✅ グレーや色のある服を着ると脇の汗染みが目立ってしまう、✅ 制汗剤を使っても効果が持続しない、✅ 脇汗を気にして腕を上げられない——これらに当てはまる場合は腋窩多汗症の可能性があります。

腋窩多汗症は、汗の量が多いだけでなく、臭いの原因にもなります。脇の下にはアポクリン汗腺という特殊な汗腺があり、ここから分泌される汗は皮膚の常在菌によって分解されると独特の臭いを発生させます。

👣 足の裏(足蹠多汗症)のセルフチェック

足蹠多汗症は、足の裏に過剰な発汗が起こる状態です。靴の中は通気性が悪いため、汗による蒸れや臭い、水虫などの二次的な問題を引き起こしやすい部位です。

以下の症状がある場合は足蹠多汗症を疑ってください。✅ 靴下がすぐに湿ってしまう、✅ 靴の中が蒸れて臭いが気になる、✅ 素足でフローリングを歩くと足跡がつく、✅ サンダルを履くと滑って歩きにくい、✅ 水虫になりやすい——これらの症状がある方は、足蹠多汗症の可能性があります。

足の多汗症は、手の多汗症と併発することも多いです。両方の症状がある場合は「掌蹠多汗症」と呼ばれ、より積極的な治療が検討されます。

😓 顔・頭部(頭部顔面多汗症)のセルフチェック

頭部顔面多汗症は、顔や頭部に過剰な発汗が起こる状態です。他の部位と比べて目立ちやすいため、精神的な苦痛が大きい傾向があります。

以下の症状がある場合は頭部顔面多汗症の可能性があります。✅ 食事をすると顔から大量の汗が出る、✅ 人前で話すと額から汗が滴り落ちる、✅ メイクが汗で崩れてしまう、✅ 前髪が濡れてしまう、✅ 頭皮から汗が流れ落ちて髪型が崩れる——これらの症状が頻繁に起こる場合は、多汗症として治療の対象となります。

頭部顔面多汗症は、社会的な場面で特に問題になりやすいです。プレゼンテーションや接客業務など、人前に出る機会が多い方にとっては、仕事のパフォーマンスにも影響を与えかねません。

🦠 多汗症の原因|原発性と続発性の違い

🔬 多汗症の原因を理解することで、適切な治療選択につながります。原発性と続発性の違いを詳しく解説します

多汗症は原因によって「原発性多汗症」と「続発性多汗症」に分類されます。それぞれ治療法が異なるため、まずは原因を正しく理解することが重要です。

🔸 原発性多汗症とは

原発性多汗症は、特定の基礎疾患がないにもかかわらず過剰な発汗が起こる状態です。多汗症患者の大半はこの原発性多汗症に該当します。

原発性多汗症の正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、交感神経の過活動が関与していると考えられています。通常、体温調節が必要なときにだけ活発になるはずの交感神経が、必要のない場面でも過剰に反応してしまい、汗腺を刺激して大量の発汗を引き起こします。

遺伝的な要因も指摘されており、家族に多汗症の方がいる場合は発症リスクが高まります。また、思春期前後に発症することが多く、ホルモンバランスの変化も影響している可能性があります。なお、ワキガも遺伝的な要因が大きいことが知られています。詳しくは「ワキガの原因は遺伝?親から子へ受け継がれる仕組みと対策を医師が解説」をご覧ください。

🔸 続発性多汗症とは

続発性多汗症は、他の疾患や薬剤の影響によって引き起こされる多汗症です。原因となる疾患を治療すれば多汗症も改善する可能性があるため、まずは原因の特定が重要です。

続発性多汗症を引き起こす可能性がある疾患には、以下のようなものがあります。📌 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで代謝が亢進し、発汗が増加します。📌 糖尿病では、自律神経障害によって発汗異常が起こることがあります。📌 更年期障害では、女性ホルモンの急激な変化によってホットフラッシュ(ほてり)とともに発汗が増加します。

また、感染症、悪性腫瘍、神経疾患なども続発性多汗症の原因となりえます。特に、急に多汗症の症状が現れた場合や、夜間の発汗が著しい場合は、これらの疾患が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診することが大切です。

一部の薬剤も発汗を増加させることがあります。抗うつ薬、解熱鎮痛薬、降圧薬などを服用中の方で発汗が気になる場合は、処方医に相談してみてください。

💭 多汗症と精神的要因の関係

多汗症と精神的なストレスや不安には密接な関係があります。緊張や不安を感じると交感神経が活発になり、発汗が増加します。多汗症の方は「汗をかくと恥ずかしい」「周りに気づかれたらどうしよう」という不安がさらなる緊張を生み、それがまた発汗を促進するという悪循環に陥りやすいです。

⚠️ ただし、多汗症は単なる「気の持ちよう」や「精神的な問題」ではありません。身体的な疾患として適切な治療が必要であり、精神論だけで改善するものではないことを理解しておく必要があります。

⚠️ 多汗症を放置するリスク

🚨 多汗症は命に関わらないからといって放置すると、さまざまなリスクがあります。精神的・社会的影響について詳しく解説します

多汗症は命に関わる疾患ではありませんが、放置することでさまざまな問題を引き起こす可能性があります。以下に、多汗症を治療せずに放置した場合のリスクを説明します。

💔 精神的な影響

多汗症は精神的な健康に大きな影響を与えます。常に汗を気にすることによるストレス、人前に出ることへの恐怖、対人関係への悪影響など、精神的な負担は計り知れません。

実際に、多汗症患者の多くがうつ症状や社会不安障害を併発しているという研究報告もあります。「汗をかく自分が恥ずかしい」「人と握手するのが怖い」という思いが、社会参加の機会を奪い、孤立を深めてしまうこともあります。

💼 社会生活への影響

多汗症は仕事や学業にも影響を与えます。✅ 手汗で書類が濡れる、✅ パソコン作業に支障が出る、✅ 脇汗が気になって仕事に集中できない、✅ プレゼンテーションで顔から汗が滴り落ちて恥ずかしい思いをする——このような経験が積み重なると、仕事のパフォーマンスが低下したり、キャリアの選択肢が狭まったりする可能性があります。

学生の場合も、試験中に答案用紙が濡れてしまう、友人との接触を避けてしまう、部活動や体育の授業がつらいなど、学校生活に支障をきたすことがあります

🦠 皮膚トラブルのリスク

常に汗で湿った状態が続くと、皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。足の多汗症では水虫(白癬)のリスクが高まりますし、脇の多汗症では細菌が繁殖して臭いが強くなったり、汗疹(あせも)ができやすくなったりします。

また、常に湿った状態の皮膚は刺激に弱くなり、かぶれやただれを起こしやすくなります。これらの皮膚トラブルが生じると、さらに日常生活への支障が大きくなります。

💊 多汗症の治療法|重症度別のアプローチ

🏥 軽症から重症まで、症状に応じた多汗症治療法を段階的に解説します。最新治療法も含めて詳しくご紹介します

多汗症には、重症度や発症部位に応じてさまざまな治療法があります。軽症の場合は外用薬や制汗剤から始め、効果が不十分な場合はより積極的な治療に進むのが一般的なアプローチです。

💊 外用薬による治療

軽症から中等症の多汗症には、まず外用薬が検討されます。代表的な外用薬として、塩化アルミニウム液があります。これは汗腺の出口を物理的に塞いで発汗を抑える効果があり、自宅で手軽に使用できます。

最近では、抗コリン薬の外用薬(ソフピロニウム臭化物)も保険適用で使用できるようになりました。これは汗腺の働きを抑制する作用があり、特に原発性腋窩多汗症に有効です。

外用薬は比較的手軽に始められる治療法ですが、効果には個人差があり、重症例では十分な効果が得られないこともあります。また、皮膚のかぶれなどの副作用が出ることもあるため、使用にあたっては医師の指導を受けることが大切です。

💊 内服薬による治療

外用薬で効果が不十分な場合は、内服薬が検討されることがあります。抗コリン薬(プロバンテリンなど)は、アセチルコリンという神経伝達物質の働きを抑制することで発汗を減少させます。

ただし、抗コリン薬には口渇、便秘、排尿障害などの副作用があり、全身に作用するため発汗を抑えたい部位以外にも影響が出ることがあります。そのため、使用にあたっては医師とよく相談する必要があります。

💉 ボツリヌス毒素注射(ボトックス注射)

ボツリヌス毒素を発汗部位に注射することで、汗腺への神経伝達をブロックし発汗を抑える治療法です。特に腋窩多汗症に対して高い効果があり、保険適用も認められています。

効果は注射後数日〜1週間程度で現れ、約4〜9か月間持続します。効果が切れたら再度注射する必要があるため、継続的な治療が必要になります。注射時の痛みや、一時的な筋力低下などの副作用がありますが、比較的安全性の高い治療法とされています。

⚡ イオントフォレーシス

水を張った容器に手や足を浸し、弱い電流を流すことで発汗を抑制する治療法です。手掌多汗症や足蹠多汗症に対して有効で、自宅で継続的に行うことも可能です。

効果が現れるまでに数週間〜数か月かかることがあり、効果を維持するためには定期的な継続が必要です。比較的安全な治療法ですが、根気よく続ける必要があります。

🌟 マイクロ波治療(ミラドライ)

腋窩多汗症に対する治療法として、マイクロ波を使用したミラドライという施術があります。これはマイクロ波を照射することで汗腺を破壊し、発汗を根本的に抑制する方法です。

ミラドライはメスを使わない治療法であり、傷跡が残らないことが大きな特徴です。また、一度破壊された汗腺は再生しないため、効果が半永久的に持続するとされています。ミラドライの効果や持続期間について詳しく知りたい方は、「ミラドライの効果と持続期間|半永久的に汗・ニオイを抑える仕組みを解説」をご参照ください。

ミラドライは1回の施術で多くの方が効果を実感できますが、汗腺の量や個人差によっては2回目の治療が必要になることもあります。この点については「ミラドライは2回目が必要?効果の持続性と追加治療の判断基準を解説」で詳しく解説しています。

🔪 交感神経遮断術(ETS手術)

重症の手掌多汗症に対しては、交感神経遮断術(ETS:Endoscopic Thoracic Sympathectomy)が検討されることがあります。これは胸腔鏡を使って交感神経節を切断または焼灼することで、手のひらへの発汗信号を遮断する手術です。

手掌多汗症に対しては非常に高い効果がありますが、代償性発汗(手のひらの汗が止まる代わりに他の部位からの発汗が増加する現象)が起こるリスクがあります。この副作用は患者さんの多くに発生し、QOLを低下させる可能性があるため、手術を受けるかどうかは慎重に判断する必要があります。

🏥 多汗症の受診目安と診療科

📋 いつ医療機関を受診すべきか、どの診療科を選ぶべきかについて詳しく解説します

多汗症の症状がある場合、どのようなタイミングで医療機関を受診すべきでしょうか。また、何科を受診すればよいのでしょうか。ここでは受診の目安と適切な診療科について解説します。

⏰ 医療機関を受診する目安

以下のような状況がある場合は、医療機関への受診を検討してください。

📌 市販の制汗剤を使っても効果が不十分な場合は、処方薬による治療が必要かもしれません。また、📌 発汗によって仕事や学業に支障が出ている場合、📌 人前に出ることを避けるようになった場合、📌 発汗がストレスで精神的につらい場合なども受診をお勧めします。

さらに、⚠️ 急に発汗量が増えた場合や、発熱・体重減少などの他の症状を伴う場合は、続発性多汗症の可能性があるため、早めに受診して原因を調べることが重要です。🚨 夜間の寝汗がひどい場合も、感染症や悪性腫瘍などが隠れている可能性があるため、放置せずに医療機関を受診してください。

🏥 受診すべき診療科

多汗症の診療は主に皮膚科で行われます。皮膚科では、外用薬や内服薬の処方、ボツリヌス毒素注射などの治療を受けることができます。

より専門的な治療やミラドライなどの施術を希望する場合は、形成外科や美容皮膚科、多汗症治療を専門に行っているクリニックを受診するとよいでしょう。当院でもミラドライによる多汗症治療を行っており、多くの患者さんに満足していただいています。

続発性多汗症が疑われる場合は、原因となる疾患に応じた診療科(内分泌内科、糖尿病内科、婦人科など)を受診する必要があります。まずは皮膚科やかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門科を紹介してもらうとよいでしょう。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

💡 高桑康太医師(当院治療責任者)より

「当院では、多汗症でお悩みの患者さんからのご相談が年々増加傾向にあります。特に気温が上がる春先から夏にかけては、例年の約1.5倍のご相談をいただきます。患者さんの中には『汗かきは体質だから仕方ない』と長年我慢されてきた方も多く、治療によって症状が改善されると『もっと早く相談すればよかった』とおっしゃる方がほとんどです。多汗症は適切な治療で改善できる疾患です。セルフチェックで多汗症の可能性を感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。患者さんの症状やライフスタイルに合わせた治療法をご提案させていただきます。」

❓ よくある質問

多汗症は自然に治りますか?

原発性多汗症が自然に治ることはほとんどありません。思春期に発症した多汗症は、加齢とともにやや軽減することはありますが、完全に消失することはまれです。ただし、続発性多汗症の場合は、原因となる疾患を治療することで改善する可能性があります。症状が気になる場合は、自然に治ることを期待せず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

多汗症の治療は保険が適用されますか?

多汗症の治療の一部は保険適用となります。塩化アルミニウム液やソフピロニウム臭化物などの外用薬、プロバンテリンなどの内服薬は保険適用です。また、重度の原発性腋窩多汗症に対するボツリヌス毒素注射も保険適用となっています。ただし、ミラドライは自由診療(保険適用外)となります。治療法によって保険適用の可否が異なるため、詳しくは医療機関にご確認ください。

多汗症とワキガは同じ病気ですか?

多汗症とワキガは別の疾患ですが、関連性があります。多汗症は汗の量が過剰になる状態で、ワキガ(腋臭症)は脇から特有の臭いが発生する状態です。脇の多汗症がある方はワキガを併発していることも多く、汗の量が増えると臭いも強くなる傾向があります。両方の症状がある場合は、ミラドライのように汗腺を破壊する治療が効果的です。

子どもでも多汗症の治療は受けられますか?

子どもでも多汗症の治療を受けることは可能ですが、治療法の選択は慎重に行う必要があります。外用薬による治療は比較的安全に行えますが、ボツリヌス毒素注射やミラドライなどの施術は、一般的に成長期を過ぎてから(16〜18歳以降を目安に)行うことが推奨されています。お子さんの多汗症が気になる場合は、まず皮膚科を受診し、年齢に適した治療法について相談してください。

市販の制汗剤と病院で処方される薬は何が違いますか?

市販の制汗剤は主に汗の臭いを抑えることを目的としており、含まれる有効成分の濃度も低めに設定されています。一方、医療機関で処方される薬は、より高濃度の塩化アルミニウム液や、神経に作用して発汗を抑制する抗コリン薬など、より強力な効果が期待できます。市販品で効果が不十分な場合は、医療機関を受診して処方薬を試してみることをお勧めします。

緊張したときにかく汗も多汗症ですか?

緊張したときに汗をかくこと自体は正常な生理反応であり、それだけで多汗症とは診断されません。多汗症は、緊張の有無にかかわらず過剰な発汗が起こり、日常生活に支障をきたす状態を指します。ただし、緊張場面での発汗が特にひどく、仕事や社会生活に大きな影響を与えている場合は、治療の対象となることもあります。気になる症状がある場合は医療機関に相談してください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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