
五苓散(ごれいさん)は、むくみや頭痛、二日酔い、乗り物酔いなどに広く使われる漢方薬のひとつです。ドラッグストアでも購入できるため、日常的に利用している方も多いのではないでしょうか。しかし、「飲み続けると体にどんな影響があるのだろう」「長期間使っても問題ないのか」と気になっている方もいるはずです。この記事では、五苓散を継続して服用した場合の効果や副作用、注意すべきポイントについて、医学的な観点からわかりやすく説明していきます。
目次
- 五苓散とはどんな漢方薬か
- 五苓散の主な成分と働き
- 五苓散を飲み続けると期待できる効果
- 五苓散の長期服用で生じる可能性がある副作用
- 五苓散が合っていない体質とは
- 五苓散を飲み続けても問題ない期間の目安
- 五苓散を服用するうえでの注意点
- 五苓散と他の薬との飲み合わせ
- 五苓散はどんな人に向いているのか
- まとめ
この記事のポイント
五苓散は体内の水分バランスを整える漢方薬で、むくみ・頭痛・めまいなどに効果が期待できるが、副作用や体質の不適合もある。市販薬は1ヶ月を目安に効果を確認し、改善がなければ医師への相談が推奨される。
🎯 五苓散とはどんな漢方薬か
五苓散は、中国の古典医書「傷寒論(しょうかんろん)」に記載された歴史ある漢方処方のひとつです。数千年の歴史を持ち、日本でも江戸時代から広く用いられてきました。現代においても、保険適用の漢方薬として医療機関で処方されるほか、市販薬としてもさまざまなブランドから販売されています。
五苓散が対応する主な症状としては、口渇(口の渇き)とともに現れるむくみ、排尿困難、下痢、嘔吐、頭痛、めまいなどが挙げられます。漢方の考え方では、体内の「水(すい)」の巡りが乱れることで、これらの症状が生じると考えられており、五苓散はその水の流れを整える役割を担うとされています。
特に二日酔いや乗り物酔い、熱中症に伴う症状、花粉症のような鼻水症状、メニエール病に関連するめまいなど、幅広い場面で活用される処方です。西洋医学の利尿薬とは異なり、体内の水分バランスを双方向に調節する作用があるとされており、過剰な水分を排出するとともに、必要な場面では水分を保持する方向にも働くとされています。これが五苓散の大きな特徴のひとつです。
Q. 五苓散にはどんな成分が含まれていますか?
五苓散は沢瀉・茯苓・猪苓・白朮(または蒼朮)・桂皮の5つの生薬で構成されています。沢瀉が利水の中心的役割を担い、茯苓が水分代謝と精神安定を、猪苓が利尿を、白朮が胃腸を整え、桂皮が体を温めながら全体の働きをサポートします。
📋 五苓散の主な成分と働き
五苓散の名前に含まれる「五」は、配合されている五つの生薬を表しています。それぞれの生薬が異なる役割を持ちながら、協力して体内の水分代謝を整える働きをしています。
まず「沢瀉(たくしゃ)」は、五苓散の中で最も多く配合される生薬です。余分な水分を排出し、利水(体内の水分の流れを整えること)に優れた効果があるとされています。腎機能のサポートや、体内に停滞した水分を尿として体外に出す働きが期待されます。
次に「茯苓(ぶくりょう)」は、精神的なストレスや不安を和らげながら、水分代謝を促す生薬です。消化器系にも穏やかに働きかけ、腹部に溜まった水分を動かす作用があります。
「猪苓(ちょれい)」は沢瀉とともに利尿作用を担う生薬で、腎臓や膀胱の機能を助けるとされています。むくみや尿の出が悪い症状に対して効果的です。
「白朮(びゃくじゅつ)または蒼朮(そうじゅつ)」は、消化機能を整えながら、胃腸に溜まった余分な水分を除去する働きを持ちます。食欲の改善や胃腸の調子を整えることにも貢献します。
最後に「桂皮(けいひ)」は、いわゆるシナモンの原料となる生薬で、体を温めながら気(エネルギー)の巡りを促します。五苓散全体の働きをサポートし、利尿作用をより効率的に引き出す役割を担っています。
これら五つの生薬が組み合わさることで、単なる利尿薬とは異なる、体全体の水分バランスを整える複合的な作用が生まれます。現代の科学的研究でも、五苓散がアクアポリン(細胞内外の水の流れを調節するタンパク質)に影響を与えることが報告されており、その作用機序の解明が進んでいます。
💊 五苓散を飲み続けると期待できる効果
五苓散を一定期間継続して服用することで、さまざまな症状の改善が期待できます。ただし、個人の体質や症状の程度によって効果の出方は異なります。
慢性的なむくみへの効果は、五苓散の長期服用でよく報告される効果のひとつです。足首や顔、手指のむくみが続いている方が、五苓散を数週間継続することで、体内の余分な水分が適切に排出され、むくみが軽減されたと感じるケースがあります。特に、運動不足や長時間の立ち仕事、塩分の取りすぎによるむくみに対して効果が出やすいとされています。
頭痛への効果も注目されています。五苓散は「水毒(すいどく)」と呼ばれる水分代謝の乱れによる頭痛に対して効果があるとされています。特に、天候の変化(低気圧や雨の日)に伴う頭痛、いわゆる「気象病」に対しての効果が報告されており、継続的に服用することで頭痛の頻度や強さが減少したという声もあります。
メニエール病やめまいへの対応としても、五苓散は活用されています。内耳のリンパ液の流れが乱れることで生じるメニエール病のめまいに対し、五苓散が水分代謝を整えることで症状を緩和する効果があるとされています。西洋医学の治療と並行して使用されることも多く、継続服用によって症状の安定が期待できます。
花粉症や鼻炎の鼻水に対しても、水様性(さらさらした水のような)の鼻水に対して五苓散が効果を示すことがあります。体内の水分を調節する作用が、過剰な鼻水の分泌を抑えるとされています。
胃腸症状に関しては、下痢や嘔吐、胃のもたれなど、水分バランスの乱れから来る消化器症状に対して、継続服用により症状が落ち着いていくことが期待されます。ウイルス性胃腸炎(ノロウイルスなど)による嘔吐・下痢にも短期的に使用されることがありますが、慢性的な胃腸トラブルに対しても一定の効果が報告されています。
また、脳浮腫や硬膜下血腫の治療補助としても、五苓散は医療現場で使用されています。脳外科の分野では、脳の水分バランスを整える作用を利用して、術後の回復をサポートする目的で処方されることがあります。これは五苓散の長期的な使用例のひとつとして挙げられます。
Q. 五苓散を飲み続けると期待できる効果は何ですか?
五苓散を継続服用することで、慢性的なむくみの軽減、低気圧や雨天に伴う気象病による頭痛の頻度低下、メニエール病のめまい安定、水様性の鼻水抑制、慢性的な下痢・嘔吐の改善などが期待できます。ただし効果の出方は個人の体質や症状の程度によって異なります。
🏥 五苓散の長期服用で生じる可能性がある副作用
漢方薬は天然の生薬から作られているため「副作用がない」と思われがちですが、実際には副作用が生じる可能性があります。五苓散についても例外ではなく、長期服用においては特定の副作用に注意が必要です。
最も注意が必要な副作用のひとつは、偽アルドステロン症(ぎアルドステロンしょう)です。これは、漢方薬に含まれる甘草(かんぞう)という成分が引き起こす副作用ですが、五苓散には甘草が含まれていないため、この副作用のリスクは低いとされています。ただし、他の漢方薬と併用している場合は、甘草の過剰摂取による偽アルドステロン症に注意が必要です。症状としては、血圧上昇、むくみ、低カリウム血症などが挙げられます。
胃腸への影響として、一部の方では食欲不振、胃のむかつき、下痢などの消化器症状が生じることがあります。特に胃腸が弱い方や、空腹時に服用した場合に症状が出やすい傾向があります。長期服用している場合に胃腸の不調が続くようであれば、服用方法の見直しや医師への相談が必要です。
皮膚の発疹や痒みも、まれに生じることがある副作用です。生薬に対するアレルギー反応として皮膚症状が現れることがあります。発疹や強い痒みが生じた場合は、服用を中止して医師または薬剤師に相談してください。
肝機能への影響も否定はできません。一部の漢方薬では長期服用によって肝機能障害が報告されています。五苓散による肝機能障害の報告は少ないものの、定期的に血液検査で肝機能を確認することが望ましいです。特に、他の薬や健康食品と組み合わせている場合は注意が必要です。
脱水や電解質バランスの乱れも、理論上は注意が必要です。五苓散は利尿作用を持つため、大量に服用したり、水分摂取が不十分な状態で飲み続けると、脱水や電解質バランスの乱れが生じる可能性があります。服用中は適切な水分補給を忘れないようにしましょう。
また、五苓散が「合わない」体質の方では、症状が改善するどころか悪化することもあります。飲み続けても効果が感じられなかったり、体調が悪化するようであれば、その漢方薬が体質に合っていない可能性があり、服用を見直す必要があります。
⚠️ 五苓散が合っていない体質とは
漢方薬は、体質(証)に合わせて処方されるものです。五苓散がすべての方に適しているわけではなく、体質によっては効果が出にくかったり、逆効果になることもあります。
五苓散は、体内に水分が過剰に溜まっている状態(水滞・水毒)に対して用いる処方です。そのため、逆に体が乾燥しやすく、水分が不足しがちな「陰虚(いんきょ)」の体質の方には向いていません。陰虚の方が五苓散を継続して服用すると、さらに体の潤いが失われ、口渇や皮膚の乾燥、便秘などの症状が悪化することがあります。
また、極端に体が冷えている「冷え症」の方の場合、五苓散の利水作用が冷えをさらに助長する可能性があります。体を冷やす作用を持つ生薬が含まれているわけではありませんが、水分代謝を活発にすることで、場合によっては冷えが強まることがあります。
消化機能が著しく低下している方(脾胃虚弱)も、五苓散を長期服用する際には注意が必要です。もともと胃腸が弱い方では、五苓散の服用によって消化器症状が悪化することがあります。このような場合は、胃腸を温め整える生薬が配合された他の漢方処方の方が適していることがあります。
さらに、むくみがあるように見えても、その原因が心臓や腎臓、肝臓などの重大な疾患である場合は、五苓散の服用だけでは対応できません。病気による二次的なむくみに対して五苓散を自己判断で飲み続けることは、根本的な治療の遅れにつながる危険性があります。
自分の体質に五苓散が合っているかどうかを正確に判断するためには、漢方を専門とする医師や薬剤師への相談が有効です。体質の判定は複雑であり、専門家の目線からのアドバイスを参考にすることが、長期的な健康管理につながります。
Q. 五苓散が合わない体質はどのような人ですか?
体が乾燥しやすく水分不足になりがちな「陰虚」体質の方は、五苓散の長期服用で口渇・皮膚乾燥・便秘が悪化する恐れがあります。また極端な冷え症の方や消化機能が著しく低下している方も注意が必要です。むくみの原因が心臓・腎臓・肝臓疾患の場合は自己判断での服用は危険です。
🔍 五苓散を飲み続けても問題ない期間の目安
五苓散をどのくらいの期間飲み続けてよいのかという疑問は、多くの方が持つ疑問です。これについては、症状の種類や目的、体質によって大きく異なります。
急性症状(二日酔いや急性胃腸炎など)に対しては、症状が改善されたらすぐに服用を終了するのが一般的です。数日以内に効果が現れない場合は、別の対処法を検討する必要があります。
慢性的な症状(慢性的なむくみ、メニエール病のめまい、気象病による頭痛など)に対しては、数週間から数ヶ月にわたって継続服用が行われることもあります。医師の処方のもとで服用している場合は、定期的に効果と副作用を確認しながら、必要に応じて服用を継続します。
市販薬として購入している場合は、一般的に添付文書に「1ヶ月服用しても改善が見られない場合は医師や薬剤師に相談してください」と記載されていることが多いです。自己判断で長期間飲み続けることは避け、効果が感じられない場合や症状が続く場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
医療機関で処方される場合、五苓散は比較的長期間の使用が認められているケースもあります。特に、脳浮腫の管理や硬膜下血腫の予防・治療においては、数ヶ月にわたって継続処方されることがあります。ただし、この場合は定期的な診察と検査が伴います。
重要なのは、「飲み続けるべきかどうか」の判断を症状の改善や変化に基づいて行うことです。飲み始めて2〜4週間経過しても効果が感じられない場合は、その処方が体質に合っていないサインである可能性があります。漢方薬は即効性を求めるものではありませんが、全く変化がない場合は専門家への相談が必要です。
また、症状が改善した後も「予防のために」飲み続ける必要があるかどうかについては、医師の判断を仰ぐことが大切です。症状が消えた段階で服用を終了するか、維持療法として少量を継続するかは、個々の状況によって異なります。
📝 五苓散を服用するうえでの注意点
五苓散を安全かつ効果的に服用するためには、いくつかの重要な注意点があります。
服用のタイミングについては、食前または食間(食後2〜3時間後)が推奨されています。これは、食べ物と一緒に摂取すると生薬成分の吸収が妨げられる可能性があるためです。ただし、胃腸が弱い方は食後の服用の方が胃への負担が少ない場合もあります。
水分補給の重要性についても知っておく必要があります。五苓散には利尿作用があるため、服用中は意識的に水分を補給することが大切です。特に夏場や運動後など、体から水分が失われやすいタイミングでは、こまめな水分補給を心がけましょう。脱水症状(強い口の渇き、尿量の減少、倦怠感など)が現れた場合は、速やかに医師に相談してください。
既存の疾患がある方は特に注意が必要です。腎臓病や心臓病、肝臓病がある方は、自己判断で五苓散を長期服用することは避けてください。これらの疾患がある場合、水分や電解質のバランスが乱れやすく、五苓散の利水作用が症状に影響を与える可能性があります。必ず医師に相談したうえで服用してください。
妊娠中・授乳中の方への安全性については、明確なデータが十分でない部分もあります。妊娠中や授乳中の方が五苓散を服用する際は、必ず産婦人科医や専門の医師に相談するようにしてください。
小児への投与については、年齢や体重に応じた用量調整が必要です。子どもに五苓散を服用させる場合は、小児科医や薬剤師に相談し、適切な用量を確認してから投与するようにしてください。
保存方法にも気をつけましょう。漢方薬は直射日光や高温多湿を避け、涼しく乾燥した場所に保管することが基本です。特に粉末状や顆粒状の製品は、湿気を吸うと品質が低下することがあります。開封後は早めに使用し、添付文書の指示に従って保管してください。
また、症状の変化を観察することも重要です。飲み続けている間も、症状が改善しているのか、新たな症状が現れていないかを定期的に確認する習慣をつけましょう。特に体調に変化があった場合は、すぐに医師に報告することが安全な服用につながります。
Q. 五苓散と他の薬を一緒に飲む際の注意点は?
西洋医学の利尿薬と五苓散を併用すると脱水や電解質バランスの乱れが生じるリスクがあります。桂皮を含む五苓散はワルファリンなど抗凝固薬との相互作用も報告されています。また甘草を含む葛根湯などと同時服用すると副作用リスクが高まるため、他の薬を服用中の方は必ず医師または薬剤師に相談してください。
💡 五苓散と他の薬との飲み合わせ
五苓散を他の薬と組み合わせる際には、相互作用に注意が必要です。漢方薬は天然成分ですが、西洋薬や他の漢方薬との組み合わせによっては、作用が強まったり弱まったりすることがあります。
利尿薬との組み合わせには特に注意が必要です。フロセミドやスピロノラクトンなどの西洋医学的な利尿薬を服用している方が、五苓散を追加で服用すると、利尿効果が重複して脱水や電解質バランスの乱れが生じる可能性があります。必ず医師に相談してから服用するようにしてください。
他の漢方薬との組み合わせについても注意が必要です。甘草(かんぞう)を含む漢方薬と五苓散を同時に服用している場合、甘草の過剰摂取による偽アルドステロン症のリスクが高まります。甘草を含む漢方薬の代表的なものとしては、葛根湯、芍薬甘草湯、補中益気湯、小柴胡湯などがあります。複数の漢方薬を服用する際は、甘草の総量に注意することが重要です。
降圧薬(血圧を下げる薬)との組み合わせも確認が必要です。五苓散には利水作用があるため、血圧に影響を与える可能性があります。降圧薬を服用している方が五苓散を追加する場合は、血圧の変動に注意しながら服用することが重要です。
抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)との相互作用については、五苓散に含まれる桂皮がワルファリンなどの抗凝固薬の作用に影響を与える可能性が指摘されています。これらの薬を服用している方は、必ず担当医に五苓散の服用について相談してください。
サプリメントや健康食品との組み合わせも見落とされがちなポイントです。市販のダイエット食品や利尿作用を持つ健康食品(カリウム製剤、生薬を含むサプリメントなど)と五苓散を組み合わせると、予期せぬ相互作用が生じることがあります。
基本的には、何らかの薬を服用している方が新たに五苓散を追加する場合、または五苓散を服用中に新たな薬が処方される場合は、必ず担当の医師や薬剤師にその旨を伝え、安全性を確認することが重要です。「漢方薬は安全だから問題ない」という思い込みは危険です。
✨ 五苓散はどんな人に向いているのか

五苓散が特に効果を発揮しやすいとされる体質や症状のパターンについて、具体的に説明します。自分が五苓散に向いているかどうかを判断するためのひとつの参考としてください。
まず、口の渇きとむくみが同時に現れる方です。「のどが渇くのにむくむ」という一見矛盾しているように思える症状は、体内の水分が適切に分配されていないことを示しています。こうした状態に対して五苓散は特に向いているとされています。
天気の変化に敏感な方も、五苓散が合うことが多いです。低気圧が来ると頭痛がする、雨の日は体がだるいといった気象病の症状は、体内の水分バランスの乱れと関連していると考えられており、五苓散によって改善が期待できます。
比較的体力が普通から虚弱な方に向いているとされています。極端に体力があり、体ががっしりとした方よりも、やや虚弱または平均的な体力の方に向いていることが多いです。
また、水様性の下痢や嘔吐が続く方、二日酔いで頭痛や吐き気がある方、乗り物酔いをしやすい方なども、五苓散が効果を発揮しやすい典型的なケースです。
慢性的なめまいや耳鳴り(特にメニエール病に関連するもの)がある方も、五苓散の対象となることが多いです。内耳の水分バランスを整えることで、症状の改善が期待されます。
一方で、すでに触れたように、体が乾燥しがちで水分が不足している体質(陰虚)の方、熱証が強く体が火照りやすい方、極端に体が虚弱な方などは、五苓散が合わないことがあります。
自分に五苓散が向いているかどうかを正確に把握するためには、漢方専門医への相談が最善の方法です。体質に合った漢方処方を選ぶことで、より効率的に症状の改善が期待できます。また、むくみや頭痛などの症状が続く場合は、その背景に別の疾患が隠れている可能性もあるため、自己判断のみで対処するのではなく、医療機関での診察を受けることが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、むくみや気象病による頭痛、めまいなどを訴えて来院される患者さんから五苓散について相談を受ける機会が多くあります。五苓散は体質に合えば幅広い症状に有効な処方ですが、「漢方だから安全」と自己判断で飲み続けるのではなく、服用開始から1ヶ月を目安に効果を振り返り、改善が見られない場合や体調の変化を感じた際はぜひ専門家にご相談いただくことが大切です。」
📌 よくある質問
市販薬の場合、一般的に1ヶ月を目安として効果を確認することが推奨されています。改善が見られない場合は医師や薬剤師への相談が必要です。医療機関で処方される場合は、症状によっては数ヶ月にわたる継続使用が認められることもありますが、定期的な診察と検査が伴います。
漢方薬ですが副作用がないわけではありません。胃のむかつき・食欲不振などの消化器症状や、まれに皮膚の発疹・痒みが生じることがあります。また、利尿作用があるため、水分補給が不十分な場合は脱水や電解質バランスの乱れが起こる可能性もあります。体調の変化を感じたら服用を中止し、専門家にご相談ください。
体が乾燥しやすく水分不足になりがちな「陰虚」の体質の方には向いていません。また、消化機能が著しく低下している方や極端な冷え症の方も注意が必要です。むくみがあっても、心臓・腎臓・肝臓疾患が原因の場合は自己判断での服用は危険です。自分の体質に合っているか不安な方は、当院にご相談ください。
飲み合わせには注意が必要です。西洋医学の利尿薬と併用すると脱水リスクが高まり、ワルファリンなどの抗凝固薬との相互作用も報告されています。また、甘草を含む他の漢方薬(葛根湯など)と同時服用すると副作用リスクが上がる場合があります。現在服用中の薬がある場合は、必ず医師または薬剤師にご相談ください。
「のどが渇くのにむくむ」という症状がある方や、低気圧・雨の日に頭痛や倦怠感が出やすい気象病の方に向いているとされています。また、水様性の下痢・嘔吐、二日酔い、乗り物酔い、メニエール病によるめまいがある方にも効果が期待できます。体質への適合が重要となります。
🎯 まとめ
五苓散は、長い歴史を持つ漢方処方であり、体内の水分バランスを整える独自の作用によって、むくみ、頭痛、めまい、下痢、二日酔いなど幅広い症状に対応します。飲み続けることで慢性的なむくみや気象病、メニエール病などの症状が改善するケースもありますが、副作用がまったくないわけではなく、体質や状況によっては効果が出にくかったり、逆効果になることもあります。
長期服用を検討する場合は、市販薬であっても1ヶ月を目安に効果を確認し、改善が見られない場合は医師や薬剤師に相談することが重要です。また、腎臓病や心臓病などの持病がある方、妊娠中・授乳中の方、他の薬を服用している方は、必ず医師に相談してから使用するようにしてください。
漢方薬は体質に合わせて選ぶことが大切です。五苓散が自分に合っているかどうかわからない場合は、漢方を専門とする医師や薬剤師に相談することをお勧めします。症状の背景にある原因をしっかりと把握したうえで、適切な治療法を選択することが、長期的な健康維持につながります。
むくみや頭痛、めまいなどの症状でお困りの方、あるいは五苓散の長期服用について疑問や不安がある方は、ぜひ医療機関に気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 漢方製剤・生薬製剤の承認基準や添付文書情報、五苓散を含む漢方薬の効能・効果・副作用・用法用量に関する公式情報
- PubMed – 五苓散の作用機序(アクアポリンへの影響)、脳浮腫・硬膜下血腫・メニエール病・気象病に対する臨床研究や科学的エビデンスに関する査読済み医学論文
- WHO(世界保健機関) – 伝統医学・漢方を含む補完代替医療の安全性・有効性・適正使用に関する国際的ガイドラインおよび生薬の品質基準情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務