
乾燥した肌や硬くなったかかと、粉をふいたような手足の皮膚などでお悩みの方に、「尿素クリーム」は長年にわたって親しまれてきたスキンケアアイテムです。ドラッグストアでも手軽に購入でき、皮膚科でも処方されることのある尿素クリームですが、「実際にどんな効果があるの?」「どのように使えばいいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、尿素クリームの成分としての特性から具体的な効果、正しい使い方や選び方、そして注意すべきポイントまで、幅広く詳しくお伝えします。日常のスキンケアに取り入れる前にぜひ参考にしてみてください。
目次
- 尿素クリームとは?成分の基本を知ろう
- 尿素クリームの主な効果
- 尿素クリームの濃度による違い
- 尿素クリームの正しい使い方
- 尿素クリームが特に効果的な部位
- 市販品と処方品の違い
- 尿素クリームを選ぶときのポイント
- 使用上の注意点・副作用について
- 尿素クリームと他のスキンケアとの組み合わせ
- まとめ
この記事のポイント
尿素クリームは保湿・角質溶解・かゆみ緩和の効果を持ち、濃度は10%が保湿向け、20%が角質ケア向け、40%は医師処方が必要。傷・炎症部位への使用は避け、改善しない場合は皮膚科への相談が推奨される。
🎯 尿素クリームとは?成分の基本を知ろう
尿素クリームとは、その名の通り「尿素(ウレア)」を主要成分として配合したスキンケアクリームです。尿素と聞くと、体内で産生される老廃物のひとつであるアンモニアから合成される物質というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、スキンケアに使われる尿素は化学的に合成された高純度のもので、人間の皮膚にも自然に存在している成分です。
皮膚の表面には「皮膚バリア機能」があり、外部からの刺激や乾燥から体を守っています。この機能を維持するうえで重要な役割を果たしているのが、皮膚の角質層に存在する「天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)」です。尿素はこのNMFの主要成分のひとつであり、健康な皮膚には自然と含まれています。乾燥肌や角化症などでは、このNMFが不足していることが多いため、外から尿素を補うことで皮膚の保湿機能を助けることが期待できます。
尿素クリームは、医薬品として処方されるものから、市販の医薬部外品・化粧品まで幅広く存在します。配合される尿素の濃度によってその効果や使用目的が異なり、皮膚科では医師の判断のもと適切な濃度のものが処方されます。ドラッグストアでも比較的手軽に購入できますが、症状の程度によっては医療機関に相談することも重要です。
Q. 尿素クリームに保湿以外の効果はありますか?
尿素クリームには保湿効果のほか、硬くなった角質のタンパク質(ケラチン)結合を緩める「角質溶解・軟化効果」と、乾燥由来のかゆみを和らげる効果があります。また乾癬・魚鱗癬・アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患において補助的なスキンケアとして皮膚科で処方されることもあります。
📋 尿素クリームの主な効果
尿素クリームには、大きく分けていくつかの効果が知られています。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
🦠 保湿効果
尿素の代表的な働きのひとつが保湿効果です。尿素は「吸湿性」と「保水性」に優れており、空気中や皮膚の深部から水分を引き寄せて角質層に保持する性質があります。乾燥によってかさつく肌や、粉をふいたような状態の皮膚に尿素クリームを塗布することで、水分を補いしっとりとした状態を保つことができます。
また、単に水分を与えるだけでなく、角質層の保水力そのものを高める働きもあるとされています。継続的に使用することで、肌が本来持つバリア機能の回復を促すことが期待できます。
👴 角質溶解・軟化効果
尿素には「角質溶解作用」があります。これは、皮膚の角質層を構成するタンパク質(ケラチン)の結合を緩め、硬くなった角質を柔らかくする働きです。特に高濃度の尿素クリームにおいてこの効果が強く発揮されます。
かかとのひび割れや、タコ・魚の目のような部位に対しても、この角質溶解作用が役立ちます。硬化した角質が柔らかくなることで、皮膚のごわつきや厚みが改善され、見た目にも滑らかな状態になります。また、爪の変形や爪甲鉤彎症などに使用されることもあり、硬くなった爪を柔らかくして処置しやすくするという目的で医療現場でも活用されています。
🔸 かゆみを和らげる効果
乾燥に伴うかゆみに対しても、尿素クリームが有効な場合があります。皮膚が乾燥すると、バリア機能が低下してかゆみを引き起こすさまざまな刺激に敏感になります。尿素クリームで皮膚の保湿状態を改善することで、乾燥から来るかゆみが軽減されることがあります。
炎症を伴うかゆみや、アレルギー性のかゆみには尿素クリームだけで対処することは難しいため、医師への相談が必要です。
💧 皮膚疾患の補助的なケア
尿素クリームは、乾癬(かんせん)、魚鱗癬(ぎょりんせん)、アトピー性皮膚炎、老人性乾皮症などの皮膚疾患において、補助的なスキンケアとして皮膚科で処方されることがあります。これらの疾患では皮膚のバリア機能が低下していたり、角質が異常に厚くなったりすることが多く、尿素クリームの保湿・角質溶解作用が有用とされています。
ただし、尿素クリームはあくまでも補助的なケアであり、疾患そのものを治癒するものではありません。医師の指示に従い、適切な治療薬と組み合わせて使用することが大切です。
💊 尿素クリームの濃度による違い
Q. 尿素クリームの濃度10%・20%・40%の違いは?
10%は保湿中心で全身の乾燥肌に幅広く使える濃度です。20%は保湿に加えて角質溶解・軟化効果も期待でき、かかとのひび割れやタコのケアに適しています。40%は角質溶解作用が非常に強く、爪白癬の補助治療など医療用途に限られ、医師の処方のもとでのみ使用します。
🏥 尿素クリームの濃度による違い
尿素クリームには、配合される尿素の濃度によっていくつかの種類があります。一般的には10%、20%、そして医療用では40%のものが存在し、濃度によって効果の強さや使用目的が異なります。
✨ 10%濃度
比較的低濃度の10%は、主に保湿目的で使用されることが多いです。皮膚への刺激が比較的少なく、全身の乾燥した皮膚に幅広く使用できます。乾燥肌や軽度の角質の硬化に対して使用され、市販品でも多く見られる濃度です。敏感肌の方や、初めて尿素クリームを使用する方にも比較的扱いやすい濃度といえます。
📌 20%濃度
20%は保湿効果に加え、角質溶解・軟化効果も期待できる濃度です。かかとのひび割れや、タコ・魚の目、手足の角化が進んだ皮膚などに対して使用されることが多いです。市販品でもこの濃度のものが販売されていますが、刺激が強い場合もあるため、顔など敏感な部位には使用しないよう注意が必要です。
▶️ 40%濃度
40%の高濃度尿素クリームは、主に医療用として使用されます。爪白癬(爪の水虫)の補助治療や爪の軟化、重度の角化症などに対して、医師の処方のもとで使用されます。角質溶解作用が非常に強く、皮膚への刺激も強いため、自己判断での使用は避け、医師の指導に従うことが必須です。
濃度が高ければ高いほど効果が強い一方で、皮膚への刺激も増します。特に炎症がある部位や傷のある皮膚には使用を避け、皮膚科医に相談しながら適切な濃度を選ぶことが重要です。
⚠️ 尿素クリームの正しい使い方
尿素クリームの効果を最大限に引き出すためには、正しい使い方を守ることが大切です。以下にポイントをまとめました。
🔹 入浴後に使用する
尿素クリームは、お風呂や洗面所で皮膚が清潔になり、角質が水分を含んで柔らかくなった状態のときに使用するのが最も効果的です。入浴後は角質層が水分を吸収して膨潤しているため、尿素クリームの成分が浸透しやすくなっています。お風呂から上がって5〜10分以内を目安に塗布するとよいでしょう。
📍 適量をやさしくすり込む
使用量は、皮膚にうっすらと膜が張る程度が目安です。たくさん塗れば効果が上がるというわけではありません。適量を手にとり、気になる部位にやさしくマッサージするようにすり込みます。強くこすったり、刺激を与えたりすると皮膚にダメージを与えることがあるため、ゆっくりと丁寧に塗布しましょう。
💫 毎日継続して使用する
尿素クリームの効果は、一度使用するだけで劇的に改善されるものではありません。毎日継続して使用することで、少しずつ皮膚の状態が改善されていきます。特に乾燥が気になる秋冬の季節は、朝と夜の1日2回使用するとより効果的です。ただし、使用する製品の用法・用量に従って使いましょう。
🦠 傷口や炎症部位には塗らない
かきむしってできた傷口、炎症を起こして赤くなっている部位、湿疹が出ている部位などには塗らないようにしましょう。尿素の刺激によって症状が悪化する可能性があります。
👴 顔への使用は慎重に
顔の皮膚は体の他の部位に比べて薄く敏感です。特に20%以上の高濃度の尿素クリームは顔への使用に向いていません。顔に使用する場合は、低濃度のものを選び、まずは目立たない部分で試してから使用するようにしましょう。
🔍 尿素クリームが特に効果的な部位
尿素クリームは全身に使用できますが、特に効果を実感しやすい部位があります。
🔸 かかと
かかとは体重を支えるため角質が厚くなりやすく、乾燥するとひび割れや痛みの原因になります。20%前後の尿素クリームをかかとに塗布し、靴下を履いて寝ることで保湿効果が持続します。継続使用することでかかとの硬さが徐々に和らいでいきます。
💧 手・指先
家事や仕事で酷使しがちな手は、乾燥しやすく角質も硬くなりやすい部位です。尿素クリームを塗って手袋をすることで保湿効果が高まります。ただし、手荒れがひどい場合や、湿疹・炎症がある場合は皮膚科に相談することをおすすめします。
✨ ひじ・ひざ
ひじやひざは摩擦を受けやすく、角質が硬くなりやすい部位です。乾燥するとざらつきが目立ちやすくなります。入浴後に尿素クリームを塗布することで、徐々に柔らかくなっていきます。
📌 爪・爪周り
爪の乾燥や爪周りの硬くなった角質にも尿素クリームが効果的です。爪白癬(爪水虫)の補助治療として高濃度のものが医療現場で使用される場合もありますが、自己判断での使用は避け、医師に相談することが大切です。
▶️ すね・足全体
特に高齢の方に多い「老人性乾皮症」では、すねや足全体が著しく乾燥し、粉をふいたりかゆみを伴ったりすることがあります。尿素クリームを入浴後に全体的に塗布するケアが有効とされています。
Q. 尿素クリームはいつ・どのように塗るのが正しいですか?
尿素クリームは入浴後5〜10分以内に塗布するのが最も効果的です。お風呂上がりは角質層が水分を含んで柔らかくなり、成分が浸透しやすい状態になっています。適量を気になる部位にやさしくすり込み、傷・炎症部位・粘膜への使用は避けてください。毎日継続することが改善の鍵です。
📝 市販品と処方品の違い
尿素クリームには、ドラッグストアやバラエティショップで購入できる市販品(一般用医薬品・医薬部外品・化粧品)と、皮膚科などで処方される処方薬(医療用医薬品)があります。それぞれの違いを理解しておきましょう。
🔹 市販品の特徴
市販の尿素クリームは、主に10%〜20%程度の濃度のものが多く販売されています。購入に処方箋は不要で、自分の症状に合わせて選ぶことができます。ただし、添加成分や基剤(クリームのベース部分)の品質や種類はメーカーによって異なります。市販品は自己管理のもとで使用するものであるため、使用上の注意をよく読んで適切に使うことが重要です。
代表的な市販の尿素クリームとしては、ユースキンやケラチナミンコーワ、ニベアの尿素配合クリームなどがあります。薬局のスタッフに相談しながら選ぶとよいでしょう。
📍 処方品の特徴
医療機関で処方される尿素クリームは、医師が患者さんの症状を診たうえで適切な濃度・使用方法を指示します。代表的な処方薬としては「ウレパール」「パスタロン」などがあります。これらは10%、20%、40%など幅広い濃度がラインナップされており、症状に応じた対応が可能です。
処方薬は保険が適用される場合があるため、経済的な面でもメリットがある場合があります。また、医師からの使用指導があるため、正確な使い方で治療を進めることができます。
市販品で改善が見られない場合や、症状が重い場合、アトピー性皮膚炎・乾癬・魚鱗癬などの基礎疾患がある場合には、皮膚科への受診をおすすめします。
💡 尿素クリームを選ぶときのポイント
市販の尿素クリームを選ぶ際には、いくつかのポイントを参考にすると失敗しにくくなります。
💫 目的に応じた濃度を選ぶ
先にも述べたとおり、尿素クリームの効果は濃度によって大きく異なります。保湿を主な目的とするなら10%程度のもので十分な場合が多く、かかとや足裏の角質ケアが目的なら20%のものが効果的です。初めて使用する場合や敏感肌の方は、低濃度から試してみるのが無難です。
🦠 配合されている保湿成分をチェックする
尿素クリームの中には、ヒアルロン酸・セラミド・グリセリン・コラーゲンなど、さまざまな保湿成分が配合されているものがあります。これらの成分が尿素と相乗的に働くことで、保湿効果が高まることがあります。皮膚のバリア機能の改善を重視したい場合は、セラミドが配合されているものを選ぶのも一つの方法です。
👴 テクスチャー・使用感で選ぶ
クリームのテクスチャー(硬さや伸び)も選ぶ際の重要なポイントです。ベタつきを嫌う方はさらっとした使用感のもの、しっかり保湿したい方はこっくりとしたリッチなテクスチャーのものを選ぶと、継続して使いやすくなります。
🔸 無香料・無着色など刺激の少ないものを選ぶ
敏感肌や肌荒れしやすい方は、香料・着色料・アルコールなどが少ないものを選ぶとよいでしょう。「低刺激」「敏感肌向け」と表示されているものは、添加物が少なく仕上がっていることが多いです。
💧 医薬品か医薬部外品か化粧品か確認する
市販の尿素クリームは、製品によって「第2類医薬品」「医薬部外品」「化粧品」などに区分されています。医薬品は効果・効能が認められた成分を一定量以上配合しており、効果が期待しやすいとされています。医薬部外品はその中間、化粧品はスキンケアとしての位置づけです。症状がある場合は医薬品または医薬部外品を選ぶことを検討しましょう。
Q. 市販の尿素クリームと皮膚科処方品はどう違いますか?
市販品は主に10〜20%濃度で処方箋不要ですが、処方品(ウレパール・パスタロンなど)は医師が症状を診たうえで最適な濃度を選択でき、40%の高濃度にも対応します。保険適用でコストを抑えられる場合もあります。市販品で改善しない場合やアトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある場合は、当院へご相談ください。
✨ 使用上の注意点・副作用について

尿素クリームは比較的安全性が高いスキンケアアイテムですが、使用にあたっていくつかの注意点があります。
✨ 刺激感・ヒリヒリ感
尿素クリームを塗布した際に、ヒリヒリとした刺激感を感じることがあります。これは尿素の浸透に伴う一時的な刺激であることが多いですが、傷や炎症がある部位に使用した場合は特に強く感じることがあります。刺激が強い場合はすぐに使用を中止し、洗い流してください。
📌 アレルギー反応
まれに尿素や他の配合成分にアレルギー反応を示す方がいます。赤み・腫れ・かゆみ・発疹などが出た場合は、使用を中止してください。症状が重い場合は皮膚科を受診することをおすすめします。初めて使用する際は、少量を腕の内側などで試してみる「パッチテスト」を行うと安心です。
▶️ 目の周りへの使用は避ける
目の周りの皮膚は特に薄く繊細です。尿素クリームが目に入ると刺激になることがあるため、目の周りへの使用は避けてください。誤って目に入ってしまった場合は、清潔な水で十分に洗い流してください。
🔹 粘膜・傷口への使用不可
尿素クリームは、口の中や鼻・目などの粘膜、また傷口・ただれ・湿疹のある部位には使用しないでください。粘膜や傷口は皮膚よりも刺激に敏感であり、使用することでかえって症状を悪化させるリスクがあります。
📍 子どもへの使用は医師に相談を
子どもの皮膚は大人に比べてデリケートです。乳幼児や小さなお子さんへの使用は、必ず医師・薬剤師に相談してから行いましょう。市販の尿素クリームには年齢制限が設けられているものもあるため、パッケージの注意書きをよく読んでください。
💫 長期使用しても改善が見られない場合は受診を
市販の尿素クリームを使用しても症状が改善しない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断で継続使用することを避け、皮膚科医に相談することが大切です。乾燥や角化の原因が内部的な疾患に関連していることもあるため、適切な診断と治療が必要です。
📌 尿素クリームと他のスキンケアとの組み合わせ
尿素クリームを使用する際、他のスキンケアアイテムとどのように組み合わせるかによって、より効果的なケアが期待できます。
🦠 化粧水との組み合わせ
顔のスキンケアとして化粧水を使用する場合、化粧水で水分を補った後に低濃度の尿素クリームを塗布するという順番が効果的です。化粧水で与えた水分を尿素クリームが閉じ込める役割を果たします。ただし、顔に使用する際は低濃度のものを選ぶ必要があります。
👴 ステロイド外用薬との組み合わせ
アトピー性皮膚炎などで炎症を伴う場合、医師の処方でステロイド外用薬と尿素クリームを組み合わせて使用することがあります。一般的には、まずステロイド外用薬で炎症を抑えてから尿素クリームで保湿するという順番で使用します。ただし、ステロイド外用薬と尿素クリームを混合することは基本的に避けてください(薬の成分が変化する可能性があります)。組み合わせの方法は必ず医師の指示に従ってください。
🔸 セラミド配合クリームとの組み合わせ
セラミドは皮膚のバリア機能を構成する重要な脂質です。尿素クリームで角質を柔らかくしながら、セラミド配合クリームでバリア機能を補強するという組み合わせが、乾燥肌対策として有効とされています。特に敏感肌やアトピー傾向のある方には、セラミド配合のアイテムを取り入れることが推奨されることがあります。
💧 ワセリンとの使い分け
ワセリンは皮膚の表面に膜を作って水分の蒸発を防ぐ「エモリエント」効果に優れていますが、水分そのものを補う保湿(モイスチャライジング)効果は持ちません。一方、尿素クリームは水分を引き寄せて角質層に保持する作用があります。乾燥が非常にひどい場合は、尿素クリームで保湿した後にワセリンを重ねて塗ることで、水分の蒸発を防ぎながら保湿効果を高めることができます。
✨ 日焼け止めとの組み合わせ
日中のスキンケアとして尿素クリームを使用する場合、最後に日焼け止めを重ねて塗ることでUVダメージから皮膚を守ることができます。乾燥した皮膚はUVダメージを受けやすいため、保湿と紫外線対策を合わせて行うことが理想的です。
📌 スクラブ・角質ケアアイテムとの使い分け
フットケアとして角質をケアする際、スクラブや角質除去アイテムを使用することがありますが、物理的な摩擦で皮膚を傷つけるリスクもあります。尿素クリームは物理的な刺激なく化学的に角質を柔らかくするため、敏感肌や傷つきやすい皮膚の方には尿素クリームによるケアの方が適している場合があります。スクラブと尿素クリームを同じタイミングで使用することは皮膚への負担になるため、使い分けるようにしましょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、かかとのひび割れや手足の乾燥・角化でお悩みの患者様から尿素クリームについてのご相談を多くいただいており、症状の程度に合わせた濃度選びと継続的なケアの重要性をお伝えしています。尿素クリームは適切に使用すれば非常に有用なアイテムですが、傷や炎症のある部位への使用は症状を悪化させるリスクもあるため、市販品を試しても改善が見られない場合やアトピー性皮膚炎・魚鱗癬などの基礎疾患がある場合は、自己判断で続けずにお早めにご相談いただくことをおすすめします。患者様一人ひとりの肌状態に合わせた処方や使用指導を行っておりますので、どうぞ遠慮なくご来院ください。」
🎯 よくある質問
10%は保湿を主な目的とする場合に適しており、全身の乾燥肌や敏感肌の方にも使いやすい濃度です。20%は保湿に加えて角質溶解・軟化効果も期待でき、かかとのひび割れやタコ・魚の目など、角質が硬くなった部位のケアに向いています。初めて使う方は10%から試すのが無難です。
入浴後5〜10分以内に塗布するのが最も効果的です。お風呂上がりは角質層が水分を含んで柔らかくなっているため、尿素クリームの成分が浸透しやすい状態になっています。乾燥が気になる秋冬は朝・夜の1日2回使用するとより効果的ですが、製品の用法・用量に従って使用しましょう。
顔の皮膚は体の他の部位より薄く敏感なため、使用には注意が必要です。特に20%以上の高濃度のものは顔への使用に向いていません。顔に使う場合は低濃度のものを選び、まず目立たない部分でパッチテストを行ってから使用することをおすすめします。目の周りへの使用は避けてください。
市販品は主に10〜20%濃度のものが多く、処方箋なしで購入できます。処方品(ウレパール・パスタロンなど)は医師が症状を診たうえで適切な濃度を処方するため、40%の高濃度品にも対応でき、保険適用でコストを抑えられる場合もあります。市販品で改善しない場合や皮膚疾患がある場合は、当院へご相談ください。
傷口・炎症を起こした部位・湿疹がある部位・粘膜(口・鼻・目など)への使用は避けてください。尿素の刺激により症状が悪化するリスクがあります。また、かゆみや赤みなどアレルギー反応が出た場合はすぐに使用を中止してください。子どもへの使用は事前に医師・薬剤師への相談が必要です。
📋 まとめ
尿素クリームは、保湿・角質溶解・かゆみ緩和など複数の効果を持つ、乾燥肌や角化症に対して長年使われてきた信頼性の高いスキンケアアイテムです。NMF(天然保湿因子)の主要成分でもある尿素を皮膚の外から補うことで、乾燥や硬化した角質の改善が期待できます。
尿素クリームを選ぶ際は、使用目的や症状に合わせた濃度を選ぶことが大切です。10%は保湿中心、20%は角質ケアや重度の乾燥に、40%は医師の処方のもとで使用するという使い分けが基本です。使用にあたっては、傷・炎症部位・粘膜への使用を避け、正しい方法で継続的に使うことが効果を引き出す鍵となります。
市販品で対応できない症状の場合や、アトピー性皮膚炎・乾癬・魚鱗癬などの皮膚疾患がある場合は、自己判断せずに皮膚科専門医への相談をおすすめします。日常のスキンケアとして尿素クリームを正しく活用することで、乾燥知らずの健やかな肌状態を保つ助けとなるでしょう。もしスキンケアについてお悩みの方は、アイシークリニック池袋院にもお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 乾癬・アトピー性皮膚炎・魚鱗癬などの皮膚疾患における尿素クリームの補助的スキンケアの位置づけ、および皮膚バリア機能・角質ケアに関する診療ガイドライン情報
- 厚生労働省 – 医薬品・医薬部外品・化粧品の区分に関する制度説明、および市販の尿素クリーム(第2類医薬品・医薬部外品)の適正使用に関する情報
- PubMed – 尿素(ウレア)の保湿効果・角質溶解作用・天然保湿因子(NMF)との関連、および各濃度(10%・20%・40%)における臨床的有用性に関する国際的な研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務