低用量ピルの種類と選び方を徹底解説|自分に合ったピルを見つけよう

低用量ピルを始めてみたいと思っているけれど、種類がたくさんあって何を選べばいいかわからない、という方は多いのではないでしょうか。避妊目的だけでなく、月経困難症の緩和や生理不順の改善、PMS(月経前症候群)の対策としても広く使われている低用量ピル。しかし、ひとくちに「低用量ピル」といっても、含まれるホルモンの種類や量、世代による違いがあり、自分に合ったものを選ぶことが大切です。この記事では、低用量ピルの種類や選び方について、医療の専門的な観点からわかりやすく解説します。


目次

  1. 低用量ピルとは?基本的な仕組みを理解しよう
  2. 低用量ピルの世代別の違い
  3. 世代ごとの主な特徴と代表的な製品
  4. 目的別の選び方:避妊・月経困難症・PMS改善
  5. 副作用と注意点
  6. 低用量ピルを選ぶ際に医師に伝えるべきこと
  7. まとめ

この記事のポイント

低用量ピルは第一〜第四世代に分類され、プロゲスチンの種類により避妊・月経困難症・PMS改善など目的別に適した製品が異なる。

🎯 低用量ピルとは?基本的な仕組みを理解しよう

低用量ピルは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲスチン(黄体ホルモン)の2種類の女性ホルモンを含む経口避妊薬です。もともと高用量のピルが先に開発されましたが、副作用を減らすためにホルモン量を低減したものが「低用量ピル」として普及しました。現在日本で一般的に使用されているものは、エチニルエストラジオール(エストロゲン成分)の含有量が50μg未満のものを指します。

低用量ピルが避妊効果を発揮する仕組みは、主に3つあります。1つ目は排卵の抑制です。外から女性ホルモンを補充することで、脳が「すでに妊娠の準備が整っている」と判断し、排卵を促すホルモンの分泌が抑制されます。2つ目は子宮頸管粘液の変化です。ピルの服用により子宮頸管粘液が粘度を増し、精子が子宮内に侵入しにくくなります。3つ目は子宮内膜の変化です。受精卵が着床しにくい状態になります。これらの働きが組み合わさることで、低用量ピルは正しく服用した場合に99.7%という高い避妊効果を発揮します。

また、避妊以外にも月経痛の緩和、月経量の減少、生理周期の安定化、PMS症状の改善、子宮内膜症の進行抑制といった治療的な効果も認められており、日本では保険適用での処方が可能なケースもあります。

Q. 低用量ピルの避妊効果はどのような仕組みで働きますか?

低用量ピルは主に3つの仕組みで避妊効果を発揮します。①排卵を抑制するホルモン分泌の遮断、②子宮頸管粘液を粘度を高めて精子の侵入を阻害、③子宮内膜を変化させ受精卵の着床を抑制します。正しく服用した場合の避妊効果は99.7%とされています。

📋 低用量ピルの世代別の違い

低用量ピルは、含まれているプロゲスチン(黄体ホルモン)の種類によって「世代」に分類されます。第一世代から第四世代まであり、それぞれ性質が異なります。エストロゲン成分はほとんどの製品でエチニルエストラジオールが使われていますが、プロゲスチンの種類によって副作用のプロファイルや適した用途が変わります。

世代が進むにつれて、プロゲスチンの選択性が高まり、より女性ホルモンに近い働きをするものが登場してきました。ただし、「世代が新しいほど優れている」とは一概には言えません。それぞれに特性があり、使用する方の体質や目的によって適切なものが異なります。

また、ピルにはエストロゲンとプロゲスチンの配合量が全シートを通じて一定の「単相性ピル」と、服用する時期によって配合量が変化する「多相性ピル(二相性・三相性)」があります。多相性ピルは自然のホルモン周期に近い配合になっており、副作用が軽減されることもありますが、飲み忘れへの注意が必要です。

💊 世代ごとの主な特徴と代表的な製品

🦠 第一世代:ノルエチステロン系

第一世代のピルには、プロゲスチンとしてノルエチステロンが使われています。日本では主にノリニール(保険適用外)やルナベル(保険適用あり)などが知られています。ノルエチステロンは男性ホルモン様作用がやや強いため、ニキビや多毛症がある方には不向きな場合があります。一方で、子宮内膜症や月経困難症の治療に適していることから、保険診療で処方されることも多いです。

ルナベルはノルエチステロンを含む三相性ピルであり、月経困難症への保険適用があります。月経痛がひどい方や月経量が多い方に対して処方されることが多く、症状の緩和に有効と報告されています。副作用としては吐き気や頭痛、乳房の張りなどが挙げられますが、服用を続けることで体が慣れてくる場合がほとんどです。

👴 第二世代:レボノルゲストレル系

第二世代のピルには、プロゲスチンとしてレボノルゲストレルが使われています。代表的なものにトリキュラーやアンジュ(保険適用なし)、ジェミーナ(保険適用あり)などがあります。第一世代と同様に男性ホルモン様作用がやや残っているものの、避妊効果が高く安定しているため、世界的に広く使用されています。

トリキュラーとアンジュはホルモン量が段階的に変化する三相性ピルであり、自然のホルモン周期に近い設計となっています。血栓リスクは他の世代と比較して低めとされており、血栓症リスクが懸念される方にも処方しやすい特徴があります。ジェミーナは月経困難症と子宮内膜症への保険適用があるため、治療目的での使用に向いています。

🔸 第三世代:デソゲストレル・ゲストデン系

第三世代のピルには、プロゲスチンとしてデソゲストレルまたはゲストデンが使われています。日本ではマーベロン(デソゲストレル系)などが有名です。第三世代の最大の特徴は、男性ホルモン様作用が非常に少ないことです。そのため、ニキビや多毛症に悩む方、男性ホルモン過剰が疑われる方に処方されやすい傾向があります。

マーベロンは単相性ピルであり、毎日同じ量のホルモンを服用するため飲み忘れた際の対応がわかりやすいというメリットがあります。ただし、第三世代のピルは第二世代と比較して血栓症リスクがやや高いという報告があります。すべての方がリスクを持つわけではありませんが、血栓症の既往歴がある方や喫煙者、肥満の方などは注意が必要です。医師に相談のうえ、リスクとベネフィットを確認してから使用することが大切です。

💧 第四世代:ドロスピレノン系

第四世代のピルには、プロゲスチンとしてドロスピレノンが使われています。日本ではヤーズやヤーズフレックス、ドロエチが代表的な製品です。ドロスピレノンは、天然の黄体ホルモンに最も近い性質を持つプロゲスチンとされており、抗アンドロゲン作用(男性ホルモン抑制作用)と抗ミネラルコルチコイド作用(水分貯留を抑える働き)を持ちます。

この特性から、第四世代のピルはPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の症状改善に効果があるとされています。むくみやすい方や、生理前の気分の落ち込み・イライラが強い方に向いています。また、ニキビや多毛症の改善にも期待できます。

ヤーズは21日間服用して7日間休薬するという従来のサイクルではなく、24日間服用して4日間休薬というサイクルを採用しています。これにより、ホルモン濃度の変動が少なくなりPMS症状が出にくいとされています。ヤーズフレックスはさらに一歩進んで、最大120日間連続服用が可能な製品です。生理の回数を減らしたい方や、旅行やイベントに合わせて生理をコントロールしたい方にも適しています。

ただし、第四世代のピルも血栓症リスクがゼロではなく、定期的な経過観察が必要です。特に初めて服用する際は、自分の体の変化に注意しながら使用することが推奨されます。

Q. 低用量ピルの世代はどのように分類されますか?

低用量ピルは含まれるプロゲスチン(黄体ホルモン)の種類によって第一〜第四世代に分類されます。第一世代はノルエチステロン系、第二世代はレボノルゲストレル系、第三世代はデソゲストレル系、第四世代はドロスピレノン系です。世代が新しいほど男性ホルモン様作用が少なく天然ホルモンに近い性質を持ちますが、新しい世代が一概に優れているわけではなく、目的や体質によって適した選択が異なります。

🏥 目的別の選び方:避妊・月経困難症・PMS改善

✨ 主に避妊目的で使いたい場合

避妊を主な目的として低用量ピルを選ぶ場合、まず重視すべきは服用しやすさと副作用の少なさです。ピルは毎日決まった時間に服用することが大切であり、飲み忘れが少なくなるようなライフスタイルに合ったものを選ぶ必要があります。

副作用として最初に心配する方が多いのが「吐き気」です。服用開始直後の1〜2ヶ月に起こりやすく、その後は落ち着いてくることがほとんどです。吐き気が心配な場合は、就寝前に服用するという方法が有効です。

避妊目的のみであれば、血栓リスクの観点から第二世代のピル(レボノルゲストレル系)が選ばれることが多いです。血栓症リスクが比較的低く、長年の使用実績があり、安全性のデータが豊富です。医師と相談しながら、自身の体質やリスク因子を考慮して決めることが重要です。

📌 月経困難症・子宮内膜症の改善を目的とする場合

月経痛がひどい、月経量が多い、子宮内膜症と診断されているという場合には、保険適用のあるピルが処方されることがあります。現在、日本で月経困難症や子宮内膜症に保険適用があるのは、ルナベル(ノルエチステロン系)、ジェミーナ(レボノルゲストレル系)、ヤーズ・ヤーズフレックス(ドロスピレノン系)などです。

保険適用のピルを使用する場合、医師による診察が必要であり、処方箋をもとに薬局で受け取る形になります。自由診療と比較して費用が抑えられるというメリットがあります。ただし、保険診療の場合は月経困難症などの診断が前提となるため、診察の際に症状をしっかりと伝えることが大切です。

月経困難症の症状は人によって異なりますが、市販の鎮痛剤が効きにくい、生理中に日常生活が困難になるほどの痛みがある、生理の量が多すぎて貧血気味になるといった状態が続いている場合は、積極的にピルの使用を検討することをおすすめします。

▶️ PMSやPMDD症状の改善を目的とする場合

PMS(月経前症候群)とは、生理の3〜10日前から始まる身体的・精神的症状のことで、イライラ、気分の落ち込み、むくみ、乳房の張り、頭痛、食欲の変化などが代表的な症状です。PMDDはPMSよりも精神症状が重い状態を指します。

これらの症状改善には、第四世代のドロスピレノン系ピル(ヤーズ・ヤーズフレックス・ドロエチなど)が特に有効とされています。抗ミネラルコルチコイド作用によるむくみの軽減、抗アンドロゲン作用による肌荒れやニキビの改善、ホルモン変動を小さく保つことによる精神的症状の緩和といった効果が期待できます。

ヤーズは日本では月経困難症とPMSの保険適用があります(PMDD単独では保険適用外のことが多い)。医師に相談し、症状の程度や生活への支障の度合いを正直に伝えることで、適切な処方を受けることができます。

🔹 ニキビや肌荒れの改善を目的とする場合

ホルモンバランスの乱れが原因のニキビや肌荒れに悩む方にも、低用量ピルが有効なことがあります。特に生理前に悪化するニキビや、顎まわりや口周りにできやすいニキビは、男性ホルモンの影響を受けていることが多く、抗アンドロゲン作用を持つピルで改善が期待できます。

ニキビや肌荒れ改善を目的とする場合は、抗アンドロゲン作用の強い第三世代(デソゲストレル系)や第四世代(ドロスピレノン系)のピルが適しているとされています。ただし、ニキビ治療単独での保険適用はないため、自由診療での処方となります。皮膚科での治療と組み合わせると、より高い効果が得られることもあります。

📍 生理を移動・コントロールしたい場合

旅行や試験、スポーツイベントに合わせて生理の時期をずらしたいという場合には、ピルの使い方を工夫することで対応できます。すでにピルを服用中の方であれば、休薬期間の調整で生理をコントロールすることが可能です。ピルを服用していない方が1〜2周期だけ生理をずらしたい場合は、低用量ピルではなくプロゲスチンのみのピル(中用量ピル)が使われることもあります。

長期間にわたって生理の回数を減らしたいという方には、ヤーズフレックスのように最大120日間連続服用できるピルが適しています。連続服用中は不正出血が起こることがありますが、体が慣れるにつれて落ち着いてくることが多いです。

⚠️ 副作用と注意点

💫 よくある副作用

低用量ピルを服用し始めると、多くの方が最初の1〜3ヶ月の間に何らかの副作用を経験します。代表的なものとして以下が挙げられます。

吐き気は最も多く報告される副作用のひとつです。服用開始直後に起こりやすく、食事後や就寝前に服用することで軽減できる場合があります。多くの場合は2〜3ヶ月で自然に落ち着きます。

頭痛も比較的よく見られる副作用です。ただし、ピル服用中に激しい頭痛が突然起こった場合は、血栓症の可能性も考えられるため、すぐに医療機関を受診してください。

乳房の張りや痛みも初期に感じやすい副作用です。ホルモンの影響で乳腺が発達するような感覚があることがありますが、通常は数週間〜数ヶ月で軽快します。

不正出血(点状出血やスポッティング)は、特に服用初期に起こりやすい症状です。子宮内膜がホルモンに慣れていないために起こるもので、多くの場合は自然に治まります。ただし、大量の出血や長期間続く場合は医師に相談することが大切です。

気分の変動もピルに関連して報告されることがあります。気分が落ち込んだり、感情が不安定になったりすることがあるため、精神面への影響が気になる方は、プロゲスチンの種類が異なるピルへの変更を医師と相談してください。

🦠 重篤な副作用:血栓症について

低用量ピルの最も重要な副作用として、血栓症(静脈血栓塞栓症)があります。血栓症とは、血管の中に血の塊(血栓)ができ、血流が阻害される状態です。深部静脈血栓症(脚の深い静脈に血栓ができる)や肺塞栓症(肺の動脈に血栓が詰まる)が代表的です。

低用量ピルによる静脈血栓塞栓症の発生率は、1万人あたり年間3〜9件程度とされており、ピルを使用していない女性(1万人あたり年間1〜5件程度)と比べるとやや高くなります。ただし、妊娠中(1万人あたり年間5〜20件程度)よりは低いとされています。

以下のようなリスク因子がある方はピルの使用前に必ず医師に相談する必要があります。過去に血栓症を経験した方、35歳以上でかつ喫煙者、重度の肥満(BMI35以上)の方、長時間の飛行機移動や術後などで長期間安静にしている方、家族に若年性の血栓症の人がいる方などが該当します。

血栓症の初期症状としては、脚の腫れや痛み(特に片側だけ)、急な呼吸困難、胸痛、激しい頭痛、視覚の変化などがあります。これらの症状が現れた場合は、ピルの服用をただちに中止し、すぐに医療機関を受診してください。

👴 ピルを使用できない場合(禁忌)

以下に該当する方は、低用量ピルの使用が原則禁止(禁忌)とされています。

妊娠中または妊娠の可能性がある方、授乳中の方(産後6ヶ月未満かつ授乳中の場合)、血栓症・血栓性静脈炎の既往歴がある方、重篤な心臓病・高血圧・糖尿病の方、エストロゲン依存性の悪性腫瘍(乳がんや子宮体がんなど)がある方または疑いがある方、重篤な肝機能障害がある方、35歳以上で1日15本以上喫煙している方、前兆(閃輝暗点など)を伴う片頭痛のある方などが含まれます。

これらの条件に該当するかどうかは、医師の診察によって確認されます。自己判断でピルを入手することは危険であり、必ず医療機関での診察を受けてから処方を受けるようにしてください。

Q. PMS改善には低用量ピルのどの種類が適していますか?

PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の症状改善には、第四世代のドロスピレノン系ピル(ヤーズ・ヤーズフレックス・ドロエチなど)が特に有効とされています。抗ミネラルコルチコイド作用によるむくみ軽減、抗アンドロゲン作用によるニキビ改善、ホルモン変動を抑えることによる精神症状の緩和が期待できます。

🔍 低用量ピルを選ぶ際に医師に伝えるべきこと

初めてピルの処方を受ける際、または別の種類のピルに変えたい場合には、医師に正確な情報を伝えることが、自分に合ったピルを選ぶために非常に重要です。

まず、ピルを使いたい目的を明確に伝えましょう。避妊のみなのか、月経困難症の治療も兼ねているのか、PMSの改善を求めているのかによって、処方されるピルの種類が変わります。

次に、現在の身体の状態や病歴について正直に話してください。喫煙の有無、BMI(体重と身長から計算される体格指数)、血圧の状態、過去の血栓症の有無、家族の病歴(特に若年での血栓症や脳卒中、乳がんなど)を伝えることが大切です。

現在服用している薬についても必ず申告してください。一部の薬(抗てんかん薬のカルバマゼピンやフェニトイン、結核治療薬のリファンピシン、HIVの治療薬など)はピルの効果を減弱させることがあります。また、サプリメントのセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)もピルとの相互作用が報告されているため、使用中の場合は伝えてください。

過去にピルを使用したことがある方は、そのときの製品名や副作用の経験についても報告しておくと、医師がより適切な製品を選ぶ参考になります。「前のピルで吐き気がひどかった」「気分が落ち込んだ」「不正出血が続いた」といった情報は、処方を変える際の判断材料になります。

月経の状態(周期の長さ、経血量、月経痛の程度)についても詳しく説明できると良いでしょう。スマートフォンの生理管理アプリなどで記録しておくと、診察時に説明しやすくなります。

📝 低用量ピルの服用方法と飲み忘れた場合の対処

🔸 基本的な服用方法

低用量ピルの一般的な服用サイクルは、21日間服用して7日間休薬するというものです(21日間シートタイプ)。また、28日分のシートになっていて、そのうち21錠が実薬(ホルモン入り)、7錠がプラセボ(偽薬)というタイプもあります(28日間シートタイプ)。プラセボ錠を含む28日タイプは、飲み忘れを防ぐ効果があります。ヤーズのように24日間服用4日間休薬というタイプや、ヤーズフレックスのように最大120日間連続服用できるタイプもあります。

服用はできるだけ毎日同じ時間帯に行うことが大切です。夜寝る前、食後など、日常生活の中でルーティンに組み込みやすいタイミングを選ぶと飲み忘れを防げます。スマートフォンのアラーム機能や生理管理アプリのリマインダー機能を活用するのも効果的です。

💧 飲み忘れた場合の対処法

ピルを1錠飲み忘れた場合(12〜24時間以内に気づいた場合)は、気づいた時点でただちに服用し、その日の分は通常通りのタイミングで服用します。1日の飲み忘れであれば避妊効果に影響が出ない可能性が高いとされています。

2日以上連続で飲み忘れた場合は、避妊効果が低下している可能性があります。気づいた時点で服用を再開し、次の生理が来るまでの間はコンドームなど他の避妊方法を併用することが推奨されます。また、飲み忘れのタイミングがシートの最初の1週間または最後の1週間だった場合は、特にリスクが高まるため、医師または薬剤師に相談してください。

飲み忘れへの対応は製品によって異なる場合があるため、添付文書をよく読むか、処方を受けたクリニックに問い合わせることが最も確実です。

✨ ピルを中止したい場合

ピルを中止したい場合は、シートを飲み切ったタイミングで中止するのが一般的です。シートの途中で急に中止すると不正出血が起こることがあります。また、妊娠を希望する場合はピルをやめた後すぐに妊娠することが可能であり、ピルによって妊孕性(妊娠しやすさ)が長期的に損なわれることはないとされています。

副作用が強く、すぐにでも中止したい場合は、医師に相談してから中止の判断をすることを推奨します。副作用の程度によっては、ピルの種類を変えることで解決できることもあります。

Q. 低用量ピルを医師に処方してもらう際に伝えるべきことは何ですか?

低用量ピルの処方を受ける際には、使用目的(避妊・月経困難症・PMS改善など)、喫煙の有無、BMI、血圧、血栓症の既往歴、家族の病歴、現在服用中の薬やサプリメント、月経の状態(周期・経血量・痛みの程度)を正確に伝えることが重要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「低用量ピルの処方希望でご来院される方は、避妊はもちろん、つらい月経痛やPMS症状の改善を求めてご相談くださる方も多くいらっしゃいます。ピルの種類や世代によって特性が異なるため、喫煙歴や血栓症リスク、肌の状態、生活スタイルなどを丁寧に伺いながら、お一人おひとりに最適な製品をご提案することを大切です。」

✨ よくある質問

低用量ピルの世代によって何が違うのですか?

低用量ピルはプロゲスチン(黄体ホルモン)の種類によって第一〜第四世代に分類されます。世代が進むほど男性ホルモン様作用が少なくなり、天然の黄体ホルモンに近くなります。ただし「新しい世代が優れている」とは一概に言えず、目的や体質によって適したものが異なります。医師と相談して選ぶことが大切です。

低用量ピルは避妊以外にも使えますか?

はい、避妊以外にも多くの目的で使われています。月経困難症・子宮内膜症の治療、PMS(月経前症候群)や気分の落ち込みの改善、ニキビ・肌荒れの改善、生理周期のコントロールなどが代表的です。症状によっては保険適用で処方を受けられる場合もあるため、まずは医療機関へご相談ください。

低用量ピルの血栓症リスクはどのくらいですか?

低用量ピル服用中の静脈血栓塞栓症の発生率は1万人あたり年間3〜9件程度で、未使用時(1〜5件)よりやや高くなります。35歳以上の喫煙者、重度肥満、血栓症の既往歴がある方はリスクが高まります。脚の腫れや急な呼吸困難などの症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。

ピルを飲み忘れた場合はどうすればよいですか?

1錠を12〜24時間以内に気づいた場合は、気づいた時点ですぐに服用し、その日の分は通常通り服用してください。2日以上連続して飲み忘れた場合は避妊効果が低下する恐れがあるため、服用を再開しつつコンドームなど別の避妊法を併用することが推奨されます。詳細は処方を受けたクリニックへお問い合わせください。

初めてピルを処方してもらう際、医師に何を伝えればよいですか?

使用目的(避妊・月経困難症・PMS改善など)、喫煙の有無、BMI、血圧、血栓症の既往歴、家族の病歴、現在服用中の薬やサプリメント、月経の状態(周期・経血量・痛みの程度)をできるだけ詳しく伝えてください。

📌 まとめ

低用量ピルには、含まれているプロゲスチンの種類によって第一世代から第四世代まで様々な種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。自分に合ったピルを選ぶためには、使用目的(避妊・月経困難症・PMS改善・肌荒れ対策など)と自身の体質やリスク因子を踏まえたうえで、医師と十分に相談することが大切です。

第一世代・第二世代(ノルエチステロン系・レボノルゲストレル系)は保険適用のある製品も多く、月経困難症や子宮内膜症の治療に適しています。第三世代(デソゲストレル系)は男性ホルモン様作用が少なく、ニキビに悩む方に向いています。第四世代(ドロスピレノン系)は天然黄体ホルモンに近く、むくみや気分の変動が気になるPMSの方に適しています。

また、低用量ピルには吐き気や頭痛、不正出血といった一般的な副作用のほか、まれに血栓症などの重篤な副作用が起こることもあります。血栓症のリスクをできるだけ低くするためにも、喫煙・肥満・血栓症の既往歴などについて正直に医師に伝え、定期的な経過観察を怠らないようにしましょう。

ピルは毎日継続して服用することが大切であり、飲み忘れを防ぐための工夫(アラームの活用、アプリの使用など)も重要です。副作用が出た場合や体に合わないと感じた場合は、自己判断で中止するのではなく、まず医師に相談することをおすすめします。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 低用量ピルの承認・保険適用情報、月経困難症・子宮内膜症への保険診療に関する制度情報、および経口避妊薬の安全性・副作用に関する公式情報の参照
  • WHO(世界保健機関) – WHOが発行する「Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use」に基づく低用量ピルの禁忌・使用条件(血栓症リスク、喫煙、肥満等のリスク因子)および避妊効果に関する国際的ガイドラインの参照
  • PubMed – 低用量ピルの世代別プロゲスチンの特性比較、静脈血栓塞栓症(VTE)発生リスクに関する疫学データ、PMS・PMDDに対するドロスピレノン系ピルの有効性に関する査読済み臨床研究文献の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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