良質な睡眠の条件とは?質の高い眠りを手に入れるための完全ガイド

「毎日7〜8時間は寝ているはずなのに、なぜかいつも疲れが取れない」「朝起きたときに頭がすっきりしない」という悩みを抱えている方は少なくありません。実は、睡眠の質は時間だけで決まるものではなく、さまざまな条件が整ってはじめて「良質な睡眠」が得られるのです。本記事では、良質な睡眠に必要な条件を医学的な観点からわかりやすく解説し、日常生活ですぐに実践できる具体的な方法をご紹介します。睡眠の質を高めることは、体の回復だけでなく、メンタルヘルスや生活の質全体を向上させることにつながります。ぜひ最後までお読みください。


目次

  1. 良質な睡眠とはどういう状態か
  2. 睡眠の仕組みを知ることが第一歩
  3. 良質な睡眠のための「時間的条件」
  4. 良質な睡眠のための「環境的条件」
  5. 良質な睡眠のための「身体的条件」
  6. 良質な睡眠のための「精神的条件」
  7. 良質な睡眠のための「習慣的条件」
  8. 睡眠の質を下げるNG習慣
  9. 睡眠の質が低下しているときのサイン
  10. まとめ

🎯 良質な睡眠とはどういう状態か

「良質な睡眠」とは、単純に長く眠ることを意味するわけではありません。医学的には、次のような状態を指します。

まず、寝床に入ってから30分以内に自然に眠りに就けること。入眠するまでに時間がかかりすぎる場合は、何らかの問題がある可能性があります。次に、睡眠中に途中で目が覚める回数が少ないこと。睡眠中に何度も目が覚めると、睡眠の連続性が失われ、翌日の疲労感につながります。そして、目覚めたときにすっきりとした感覚があること。目覚めの爽快感は、睡眠の深さや質を反映している重要な指標です。

また、日中に過度な眠気を感じないことも良質な睡眠の証といえます。夜間に十分な質の高い眠りが得られていれば、日中は適切な覚醒状態を維持できるはずです。反対に、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず日中に強い眠気を感じる場合は、夜間の睡眠の質に問題があることが多いです。

さらに、良質な睡眠は身体的な回復だけでなく、記憶の定着や感情の調節、免疫機能の維持にも深く関わっています。脳が情報を整理し、日中の出来事を記憶として定着させるのも睡眠中の仕事です。こうした多岐にわたる機能を十分に果たせる睡眠こそが「良質な睡眠」と呼べるものです。

📋 睡眠の仕組みを知ることが第一歩

良質な睡眠を実現するためには、まず睡眠の基本的な仕組みを理解することが大切です。

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。ノンレム睡眠は脳が休息する深い眠りで、さらに浅いものから深いものまで段階があります。レム睡眠は眼球が素早く動くことからその名がついており、脳は比較的活発に動いていながら筋肉は弛緩している状態です。夢を見るのは主にこのレム睡眠中です。

健康的な睡眠では、ノンレム睡眠とレム睡眠が約90分を1サイクルとして交互に繰り返されます。一晩に4〜6サイクル繰り返されるのが理想的です。眠り始めは深いノンレム睡眠が多く、夜明けに近づくにつれてレム睡眠の割合が増えていきます。

睡眠を調節する仕組みとして特に重要なのが「概日リズム(サーカディアンリズム)」と「睡眠圧(睡眠負債)」です。概日リズムは、体内時計とも呼ばれる約24時間周期のリズムで、体温や各種ホルモンの分泌サイクルを制御しています。光の刺激によって調節されており、朝に光を浴びると体内時計がリセットされます。睡眠圧とは、起きている時間が長くなるほど眠くなる仕組みで、脳内にアデノシンという物質が蓄積することで生じます。この2つのシステムが正しく機能しているときに、良質な睡眠が得られます。

💊 良質な睡眠のための「時間的条件」

良質な睡眠を得るための最初の条件は、適切な睡眠時間と規則的な睡眠スケジュールを確保することです。

🦠 年齢に適した睡眠時間を確保する

必要な睡眠時間は年齢によって異なります。成人では一般的に7〜9時間が推奨されていますが、個人差も大きく、6時間でも十分という方もいれば、9時間以上必要な方もいます。大切なのは、翌日に日中の眠気や疲労感が残らない睡眠時間を見つけることです。

子どもや10代の若者はより多くの睡眠を必要とします。学齢期の子どもは9〜11時間、10代の青少年は8〜10時間が目安とされています。高齢者になると必要な睡眠時間は成人とほぼ変わらないものの、睡眠の深さや効率が低下しやすくなる傾向があります。

👴 就寝・起床時刻を一定に保つ

良質な睡眠のために特に重要なのが、毎日同じ時刻に就寝・起床するという習慣です。体内時計は規則正しいリズムを好むため、毎日のスケジュールがバラバラだと体内時計が乱れ、睡眠の質が下がります。

週末に平日より2時間以上遅く起きる習慣を「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)」と呼びます。これは実際に時差のある地域を移動したときと同様の体内時計のずれを引き起こし、週明けの月曜日に体調不良や眠気を感じる「月曜日のブルーマンデー」の一因ともなります。週末でも平日と1時間以内の差に収めることが理想的です。

🔸 睡眠の「黄金の時間帯」を活用する

成長ホルモンは主に就寝後最初の深いノンレム睡眠の時間帯に多く分泌されます。就寝時刻が22時〜翌2時の時間帯と重なることで、成長ホルモンの分泌が促進されやすいとされています。特に子どもや10代の方には、この時間帯を睡眠に充てることが心身の発達のためにも望ましいといえます。

🏥 良質な睡眠のための「環境的条件」

睡眠の質は、眠る環境に大きく左右されます。寝室の環境を整えることは、良質な睡眠を実現するための重要な条件の一つです。

💧 適切な室温と湿度

人は眠りに就く際、体の深部体温(核心温度)を下げることで入眠を促します。そのため、寝室が暑すぎると深部体温が下がりにくくなり、眠りに就くのが難しくなります。

快適な睡眠のための室温は、夏場で25〜26℃程度、冬場で18〜20℃程度が目安とされています。湿度は50〜60%程度が理想的です。高すぎる湿度は不快感を増し、低すぎると乾燥による不快感や呼吸器系への影響が出ることがあります。エアコンや加湿器・除湿器をうまく活用して、快適な環境を維持しましょう。

✨ 光の管理

光は体内時計に直接影響を与えます。就寝前に強い光を浴びると、眠気を誘うホルモンであるメラトニンの分泌が抑制され、眠りに就くのが難しくなります

就寝の1〜2時間前からは部屋の照明を暗めにし、暖色系の光(電球色)に切り替えるのが効果的です。寝室はできる限り暗くすることが望ましく、外からの光が入る場合は遮光カーテンを使用するとよいでしょう。また、街灯や車のヘッドライトなどの光も睡眠を妨げることがありますので、睡眠時はアイマスクを活用するのも一つの方法です。

📌 騒音対策

騒音は睡眠の質を大きく下げる要因の一つです。特に断続的な騒音(車の音、話し声など)は、連続した騒音よりも睡眠に与える影響が大きいとされています。

防音カーテンや耳栓の使用、ホワイトノイズ(ざわめきのような連続した音)を流すことで、外部の騒音をマスキングする方法も有効です。ホワイトノイズは突発的な騒音の影響を和らげる効果があるとされています。住環境によっては、二重窓の設置なども検討する価値があります。

▶️ 寝具の選び方

マットレスや枕などの寝具は、睡眠の質に直接影響します。マットレスは体のラインに沿って適度に支えられるものが理想的で、硬すぎても柔らかすぎても寝心地が悪くなります。枕は首のカーブを自然に保てる高さのものを選ぶことが大切です。

寝具の素材も重要で、通気性や吸湿性に優れたものを選ぶことで、就寝中の体温調節がしやすくなります。掛け布団は季節に合わせて調整し、体温を適切に保てるようにしましょう。

⚠️ 良質な睡眠のための「身体的条件」

体の状態も睡眠の質に大きく影響します。身体的な条件を整えることで、より深く質の高い眠りが得られます。

🔹 適度な運動習慣

定期的な運動は睡眠の質を高める効果があることが多くの研究で示されています。運動をすることで身体的な疲労が生まれ、深いノンレム睡眠が得やすくなります。また、運動によってストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、リラクゼーションが促進されます。

ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を週150〜300分程度行うことが推奨されています。ただし、就寝直前(2〜3時間以内)の激しい運動は、体温上昇や交感神経の活性化を引き起こし、眠りにくくなることがあるため避けた方がよいでしょう。夕方から夜の早い時間帯に軽〜中程度の運動をするのが理想的です。

📍 食事のタイミングと内容

就寝前の食事は胃腸に負担をかけ、消化活動が活発になることで睡眠の質が下がる原因になります。就寝の2〜3時間前には食事を終えるようにしましょう。

食事の内容も睡眠に影響します。睡眠に関わるホルモンであるメラトニンは、アミノ酸のトリプトファンからセロトニンを経て生成されます。トリプトファンを多く含む食品(牛乳・乳製品、バナナ、ナッツ類、豆腐・納豆などの大豆製品など)を夕食に取り入れることで、メラトニンの分泌をサポートすることができます。

また、就寝前の過度な飲水は夜間のトイレ覚醒を招くため、夜間の水分摂取は適度にとどめましょう。ただし、水分不足も睡眠の質を低下させるため、日中はしっかり水分を取ることが大切です。

💫 体温の調節

前述のとおり、入眠には深部体温の低下が必要です。就寝の1〜2時間前にぬるめのお風呂(38〜40℃程度)に15〜20分浸かると、一時的に体温が上昇した後に急速に低下し、眠気が強まります。これは就寝前の入浴が睡眠の質を高める効果があるとされる理由の一つです。

熱すぎるお湯(42℃以上)や就寝直前の入浴は交感神経を刺激して覚醒を促すことがあるため、タイミングと温度に注意が必要です。シャワーのみで入浴する場合は、就寝30分〜1時間前に済ませるとよいでしょう。

🔍 良質な睡眠のための「精神的条件」

心の状態は睡眠の質に非常に大きな影響を与えます。ストレスや不安が高まると、なかなか寝付けなかったり、夜中に目が覚めたりしやすくなります。

🦠 ストレス管理の重要性

ストレスがかかると、体はストレス反応として交感神経を活性化させ、コルチゾールやアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンは覚醒を促す作用があるため、寝床に入っても頭が冴えて眠れないという状態を引き起こします。

日常的なストレスを管理するためには、趣味の時間を持つこと、深呼吸や瞑想、ヨガなどリラクゼーション技法を活用すること、信頼できる人と話すことなどが有効です。就寝前に「心配事リスト」や「翌日のToDoリスト」を紙に書き出すことで、頭の中を整理して不安を軽減する「ブレインダンプ」という方法も効果的とされています。

👴 リラクゼーション技法の活用

就寝前にリラクゼーション技法を取り入れることで、心身をリラックスした状態に導き、スムーズな入眠につなげることができます。

腹式呼吸は副交感神経を活性化させる効果があります。鼻から4秒かけて息を吸い、7秒間息を止め、8秒かけて口から吐く「4-7-8呼吸法」は睡眠を促すと言われています。また、体の各部位を順番に緊張させてからゆっくり弛緩させる「漸進的筋弛緩法」も、体全体の緊張をほぐすのに効果的です。

マインドフルネス瞑想も、睡眠の質を改善する効果が複数の研究で報告されています。現在の瞬間に意識を向け、判断なく観察するマインドフルネスは、不安や心配事から意識を離し、心を落ち着けるのに役立ちます。

🔸 寝室を「眠る場所」として使う

「刺激制御法」という行動療法では、寝室を睡眠と性行為以外には使わないことを推奨しています。寝床でテレビを見たり、スマートフォンを操作したり、仕事をしたりする習慣があると、脳が「寝室=覚醒している場所」と学習してしまい、いざ眠ろうとしても目が覚めてしまう状態になることがあります。

眠れないときは無理に寝床に留まらず、一度起き上がって別の部屋でリラックスできることをして、眠気を感じてから再び寝床に戻るという方法が効果的な場合があります。

📝 良質な睡眠のための「習慣的条件」

日々の習慣の積み重ねが睡眠の質を左右します。良質な睡眠を習慣として定着させるために、以下のポイントを意識しましょう。

💧 朝の光を積極的に浴びる

起床後に太陽の光を浴びることは、体内時計をリセットし、概日リズムを整えるうえで非常に重要です。光を浴びることでセロトニンの分泌が促進され、このセロトニンが夜になるとメラトニンへと変換されて眠気を引き起こします。

起床後30分以内に屋外に出て自然光を浴びる、または窓際で10〜15分光を浴びる習慣をつけることが推奨されます。曇りの日でも屋外の光は室内照明より数倍〜数十倍明るいため、曇天でも効果があります。

✨ 就寝前のルーティンを作る

就寝前に毎日同じルーティン(例えば、入浴→歯磨き→読書→就寝)を行うことで、脳と体が「これから眠る時間だ」と準備を始めるようになります。この習慣化されたルーティンは「睡眠儀式」とも呼ばれ、スムーズな入眠を助けます。

就寝前のルーティンには、リラックスできることを取り入れましょう。読書(紙の本)、軽いストレッチ、アロマを活用したリラクゼーション(ラベンダーは特に鎮静効果があるとされています)、温かいハーブティー(カモミールなど)を飲むといった活動が適しています。

📌 昼寝の上手な活用法

適切な昼寝は、午後の眠気を和らげ、注意力や作業効率を高める効果があります。理想的な昼寝は、昼食後の13〜15時頃に20〜30分程度行うことです。

昼寝が30分を超えると深いノンレム睡眠に入りやすく、起床後に「睡眠慣性」と呼ばれるぼんやりした状態が長引くことがあります。また、夕方以降の昼寝は夜間の睡眠圧を下げてしまうため、夜の睡眠の質を低下させる可能性があります。昼寝前にコーヒーを飲んでから昼寝する「コーヒーナップ」は、カフェインの効果が現れる20〜30分後にちょうど目が覚め、すっきり感が得られるとして注目されています。

💡 睡眠の質を下げるNG習慣

良質な睡眠を妨げる習慣についても理解しておくことが大切です。意外と日常に溶け込んでいるNG習慣を見直すことで、睡眠の質が大きく改善することがあります。

▶️ 就寝前のスマートフォン・タブレット使用

スマートフォンやタブレット、パソコンなどのデジタルデバイスが発するブルーライトは、メラトニンの分泌を強く抑制します。就寝の1〜2時間前にはデジタルデバイスの使用をやめることが推奨されています。

どうしても使用が必要な場合は、ブルーライトカットフィルターや「ナイトモード」を活用することで、ある程度影響を軽減できます。ただし、画面から目に入る光の刺激だけでなく、SNSや動画コンテンツによる精神的な覚醒(興奮、不安など)も睡眠を妨げる要因になるため、できれば完全に使用を控えることが望ましいです。

🔹 カフェインの過剰摂取・摂取タイミング

カフェインはアデノシン受容体をブロックすることで眠気を和らげますが、摂取後5〜7時間が半減期とされており、効果が長く続きます。コーヒーを昼以降に飲む習慣がある方は、就寝時に体内にカフェインが残っていることで入眠困難や浅い眠りを引き起こしている可能性があります。

一般的には就寝の6時間前以降はカフェインを含む飲み物(コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンク、コーラなど)を避けることが推奨されています。カフェインに敏感な方はさらに早い時間帯から控えることが必要な場合もあります。

📍 就寝前の飲酒

お酒を飲むと眠くなるため「寝酒」をする方もいますが、これは睡眠の質を大きく低下させる習慣です。アルコールは最初の入眠を促す作用がある一方で、睡眠の後半にリバウンド効果が生じ、中途覚醒が増え、レム睡眠が抑制されます。結果として、睡眠の質が下がり、翌日に疲労感が残りやすくなります。

また、飲酒は気道の筋肉を弛緩させるため、いびきや睡眠時無呼吸症候群を悪化させることもあります。就寝前の飲酒は習慣化しないよう注意が必要です。

💫 就寝直前の激しい運動

就寝2〜3時間以内の激しい運動は、交感神経を活性化させ、体温を上昇させるため、入眠を妨げる原因になります。夕食後の軽いウォーキング程度は問題ありませんが、高強度インターバルトレーニング(HIIT)などの激しい運動は夕方以前に行うようにしましょう。

🦠 喫煙

タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、心拍数や血圧を上昇させる覚醒作用があります。喫煙者は非喫煙者に比べて入眠困難、浅い眠り、中途覚醒が多いという研究結果が複数報告されています。また、睡眠中のニコチン離脱症状も睡眠の質を低下させる要因となります。

✨ 睡眠の質が低下しているときのサイン

自分の睡眠の質が低下しているかどうかを知ることも、良質な睡眠を取り戻すための重要なステップです。以下のようなサインが続いている場合は、睡眠の質に問題がある可能性があります。

👴 日中の眠気と疲労感

十分な時間寝ているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じたり、疲労感が抜けなかったりする場合は睡眠の質が低下しているサインです。会議中や読書中など静かな場面での居眠り、運転中の眠気なども要注意です。

🔸 集中力・記憶力の低下

睡眠は記憶の定着や脳機能の回復に不可欠です。睡眠の質が低下すると、集中力が続かない、物事をうっかり忘れる、判断力が鈍るといった症状が現れやすくなります。学習効率の低下や仕事のミスが増えた場合も、睡眠の質を見直すきっかけになるかもしれません。

💧 気分の変動やイライラ

睡眠不足や睡眠の質の低下は感情の調節に関わる脳の機能を低下させます。些細なことでイライラしやすい、気分が落ち込みやすい、感情のコントロールが難しいと感じる場合は、睡眠の問題が関係している可能性があります。

✨ いびきや睡眠時の呼吸の乱れ

パートナーや家族から「いびきがひどい」「息が止まっていた」と指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に何度も呼吸が止まる状態で、深い睡眠が得られず、日中の強い眠気や高血圧、心疾患リスクの上昇などにつながります。放置せず、医療機関での検査を受けることをお勧めします。

📌 朝の頭痛

朝起きたときに頭痛を感じる場合も、睡眠の質の問題が疑われます。特に睡眠時無呼吸症候群による酸素不足や、睡眠中の歯ぎしり・食いしばりが原因となることがあります。

▶️ 免疫力の低下

睡眠は免疫機能の維持に重要な役割を果たしています。最近風邪をひきやすくなった、体調を崩すことが増えたという場合も、睡眠の質低下が一因となっている可能性があります。

上記のサインが継続して認められる場合や、自己ケアで改善しない場合は、睡眠専門医や内科・精神科・耳鼻咽喉科などの医療機関に相談することを検討してください。睡眠障害には専門的な診断と治療が必要なケースもあります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「「毎日しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」とお悩みの患者様が多くいらっしゃいます。睡眠は時間だけでなく、体内時計のリズムや寝室環境、就寝前の習慣など複数の要素が組み合わさってはじめて質が高まるものですので、まずは起床・就寝時刻を一定にすることと、就寝1時間前のスマートフォンの使用を控えることから取り組んでみてください。それでも日中の強い眠気や中途覚醒が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が隠れていることもありますので、どうぞお気軽にご相談ください。」

📌 よくある質問

良質な睡眠とはどのような状態を指しますか?

良質な睡眠とは、単に長く眠ることではありません。具体的には、就寝後30分以内に自然に眠れること、睡眠中の中途覚醒が少ないこと、目覚めたときに爽快感があること、日中に過度な眠気を感じないこと、の4つが主な指標です。これらが満たされていれば、記憶の定着や免疫機能の維持など、睡眠本来の役割が果たされている状態といえます。

毎日同じ時刻に起きられない場合、睡眠の質に影響しますか?

はい、大きく影響します。週末に平日より2時間以上遅く起きる習慣は「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ぼけ)」と呼ばれ、体内時計の乱れを引き起こします。これにより週明けの体調不良や眠気の原因になることも。週末であっても起床時刻は平日と1時間以内の差に収めることが理想的です。

就寝前にお酒を飲むと眠りやすくなると聞きましたが、本当ですか?

実際には逆効果です。アルコールは最初の入眠を促す作用がある一方、睡眠の後半にリバウンド効果が生じ、中途覚醒が増え、レム睡眠が抑制されます。結果として睡眠の質が下がり、翌日に疲労感が残りやすくなります。さらに気道の筋肉を弛緩させ、いびきや睡眠時無呼吸症候群を悪化させる恐れもあるため、就寝前の飲酒は控えることをお勧めします。

寝室の理想的な温度・湿度はどのくらいですか?

快適な睡眠のための室温は、夏場で25〜26℃程度、冬場で18〜20℃程度が目安です。湿度は50〜60%程度が理想的とされています。人は眠りに就く際に深部体温を下げることで入眠を促すため、寝室が暑すぎると寝つきが悪くなります。エアコンや加湿器・除湿器をうまく活用して、快適な環境を維持しましょう。

日中に強い眠気が続く場合、どのように対処すればよいですか?

十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず日中の強い眠気が続く場合は、睡眠の質に問題がある可能性があります。まずは就寝・起床時刻を一定にし、就寝1時間前のスマートフォン使用を控えるなど生活習慣の見直しをお試しください。それでも改善しない場合は、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が隠れていることもあるため、お気軽に当院へご相談ください。

🎯 まとめ

良質な睡眠を実現するためには、時間的・環境的・身体的・精神的・習慣的な複数の条件を総合的に整えることが大切です。ここで紹介した内容を改めて整理すると、以下のポイントが重要です。

まず、毎日同じ時刻に就寝・起床する規則正しいリズムを維持することが基本中の基本です。次に、寝室の温度・湿度・光・騒音などの環境を快適に整えること。そして、適度な運動や食事のタイミング、就寝前の入浴など、体の状態を整える習慣を持つこと。加えて、ストレス管理やリラクゼーション技法を活用して精神的な緊張をほぐすこと。さらに、スマートフォン、カフェイン、アルコール、喫煙などの睡眠を妨げる習慣を見直すことも欠かせません。

睡眠の質を改善するためには、一度にすべてを変えようとするのではなく、できることから少しずつ取り組んでいくことが長続きのコツです。まずは就寝・起床時刻を一定にすること、就寝1時間前にスマートフォンをオフにすることなど、比較的取り入れやすいものから始めてみましょう。

良質な睡眠は、1日の疲れを回復させるだけでなく、心身の健康、パフォーマンス向上、病気の予防にも深く関わっています。自分に合った睡眠の条件を知り、毎日の習慣に組み込むことで、より充実した生活を送ることができます。もし自己努力で改善が見られない場合や、睡眠障害が疑われる場合は、専門の医療機関への相談をためらわずに行ってください。良質な睡眠を手に入れることは、あなたの人生の質を大きく高める第一歩です。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 厚生労働省が公表している「健康づくりのための睡眠ガイド」に基づき、年齢別の推奨睡眠時間・睡眠の質の指標・生活習慣との関連について参照
  • WHO(世界保健機関) – 睡眠の質とメンタルヘルス(気分障害・ストレス・感情調節)との関連性、および睡眠が免疫機能や生活の質に与える影響について参照
  • PubMed – 概日リズム(サーカディアンリズム)・メラトニン分泌・レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル・運動や入浴が睡眠の質に与える効果に関する査読済み学術論文について参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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