はじめに
空咳が続いて眠れない、喉の乾燥が気になる、痰が切れにくいといった症状に悩まされたことはありませんか。こうした呼吸器系の不調に対して、古くから使われてきた漢方薬が「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」です。
近年、麦門冬湯の効果が改めて注目され、「すごい」「効く」といった評価を耳にする機会が増えています。実際に、西洋医学の治療と併用されるケースも多く、医療現場でも広く活用されている漢方薬の一つです。
本記事では、麦門冬湯がなぜ「すごい」と評価されるのか、その効果や効能、使い方、注意点について、科学的な根拠を交えながら詳しく解説していきます。

麦門冬湯とは?基本的な知識
麦門冬湯の歴史と由来
麦門冬湯は、中国の古典医学書である「金匱要略(きんきようりゃく)」に記載されている伝統的な漢方処方です。金匱要略は、後漢時代の名医・張仲景(ちょうちゅうけい)によって編纂されたとされ、約1800年以上の歴史を持つ医学書です。
この処方は、もともと「肺痿(はいい)」という病態に対して用いられてきました。肺痿とは、現代医学的には慢性的な咳や喀血、体力の消耗を伴う状態を指し、肺の潤いが失われた状態を意味します。長い歴史の中で、麦門冬湯は呼吸器系のトラブルに対する代表的な処方として受け継がれてきました。
日本では、医療用漢方製剤として保険適用が認められており、多くの医療機関で処方されています。その有効性と安全性が評価され、現代医療においても重要な位置を占めています。
構成生薬とその役割
麦門冬湯は6種類の生薬から構成されています。それぞれの生薬が持つ特性が組み合わさることで、優れた効果を発揮します。
麦門冬(ばくもんどう)は、この処方の主薬であり、名前の由来にもなっています。ユリ科の植物であるジャノヒゲの根の膨大部を用いたもので、肺や胃の潤いを補う作用があります。乾燥による咳や喉の不快感を改善する中心的な役割を果たします。
半夏(はんげ)は、サトイモ科カラスビシャクの塊茎を用いたもので、痰を除き、咳を鎮める作用があります。また、胃の機能を調整する働きも持っています。
人参(にんじん)は、ウコギ科オタネニンジンの根を用いたもので、体力を補い、胃腸の機能を高める作用があります。消化吸収を助けることで、全身の調子を整えます。
粳米(こうべい)は、イネの種子、つまり白米のことです。胃を養い、半夏の刺激を和らげる役割を持ちます。
大棗(たいそう)は、クロウメモドキ科ナツメの果実です。滋養強壮作用があり、他の生薬の働きを調和させる役割を果たします。
甘草(かんぞう)は、マメ科カンゾウの根を用いたもので、緊張を緩和し、諸薬を調和させる作用があります。多くの漢方処方に含まれる重要な生薬です。
これら6種類の生薬が絶妙なバランスで配合されることで、麦門冬湯の優れた効果が生まれるのです。
麦門冬湯の「すごい」効果とは
乾燥性の咳に対する効果
麦門冬湯が特に「すごい」と評価される理由の一つが、乾燥性の咳に対する顕著な効果です。咳には大きく分けて、痰を伴う湿性の咳と、痰をほとんど伴わない乾性の咳があります。麦門冬湯は後者の乾性の咳、特に喉の乾燥感を伴うような咳に対して優れた効果を発揮します。
乾性の咳は、気管支や喉の粘膜が乾燥することで刺激に敏感になり、わずかな刺激でも咳が出やすくなります。このような状態では、通常の咳止め薬だけでは十分な効果が得られないことも少なくありません。
麦門冬湯は、肺や気道の潤いを補うことで粘膜を保護し、刺激に対する過敏性を軽減します。これにより、咳の頻度が減少し、喉の不快感も改善されていきます。特に、夜間や明け方に咳がひどくなる方、会話中に咳き込みやすい方に対して効果的です。
慢性的な咳への応用
風邪の後に咳だけが長引く、いわゆる「風邪の後遺症」としての咳に悩まされる方は少なくありません。急性期の症状は治まったのに、咳だけが数週間から数ヶ月続くことがあります。このような慢性的な咳に対しても、麦門冬湯は効果を発揮します。
慢性咳嗽(まんせいがいそう)の原因はさまざまですが、気道の粘膜が傷ついて回復に時間がかかる場合や、気道が過敏になっている場合があります。麦門冬湯は粘膜の修復を促進し、気道の過敏性を改善することで、長引く咳を和らげます。
また、気管支喘息の患者さんにおいても、麦門冬湯が症状の改善に役立つことが報告されています。喘息による咳や呼吸困難感が軽減されることで、生活の質が向上します。
喉の違和感・異物感の改善
咳以外にも、喉に何かつまっているような感じ、イガイガする感じ、違和感があるといった症状に対しても、麦門冬湯は効果的です。これらの症状は、喉の乾燥や炎症によって引き起こされることが多く、特にストレスや疲労が関与していることもあります。
漢方医学では、このような喉の違和感を「梅核気(ばいかくき)」と呼ぶことがあります。麦門冬湯は喉を潤すことでこうした不快感を軽減し、スムーズな嚥下や発声を助けます。
声を使う職業の方、例えば教師や営業職、歌手などにとって、喉の調子を整えることは非常に重要です。麦門冬湯を継続的に服用することで、喉のコンディションを良好に保つことができます。
気管支炎への効果
急性気管支炎や慢性気管支炎においても、麦門冬湯は有用性が認められています。気管支炎は気管支の粘膜に炎症が起こる疾患で、咳や痰、場合によっては発熱を伴います。
急性気管支炎の場合、ウイルス感染などが原因で起こることが多く、通常は数週間で自然に治癒しますが、咳が長引くことがあります。麦門冬湯は炎症を起こした気管支粘膜を保護し、回復を促進することで、症状の改善を早めます。
慢性気管支炎は、喫煙や大気汚染などが原因で気管支に慢性的な炎症が生じる状態です。咳や痰が3ヶ月以上続き、これが2年以上連続する場合に慢性気管支炎と診断されます。麦門冬湯は、このような慢性的な症状に対しても長期的な服用により改善効果が期待できます。
高齢者の誤嚥性肺炎予防への可能性
近年注目されているのが、麦門冬湯の誤嚥性肺炎予防への効果です。高齢者では嚥下機能が低下し、食べ物や唾液が気管に入りやすくなります。これが原因で肺炎を起こすのが誤嚥性肺炎です。
研究によると、麦門冬湯には咳反射や嚥下反射を改善する作用があることが示唆されています。これにより、誤って食物や水分が気管に入りそうになった時に、適切に咳をして排出する機能が向上します。
また、気道の粘膜を保護し、潤いを保つことで、細菌の侵入を防ぐバリア機能も高まります。高齢者の肺炎予防という観点からも、麦門冬湯の価値が見直されています。
科学的エビデンスと研究
臨床研究の知見
麦門冬湯の効果については、多くの臨床研究が行われており、科学的なエビデンスが蓄積されています。
日本東洋医学会などの学術団体では、麦門冬湯を含む漢方薬の臨床効果に関する研究発表が数多く行われています。これらの研究では、咳の頻度や強度、生活への支障度などを客観的に評価し、麦門冬湯の有効性が確認されています。
特に、慢性咳嗽に対する効果については、複数の臨床試験で有意な改善が報告されています。プラセボ(偽薬)と比較した研究でも、麦門冬湯を服用した群で咳の症状が有意に改善したという結果が得られています。
作用機序の解明
麦門冬湯がなぜ効果を発揮するのか、その作用機序についても研究が進められています。
まず、麦門冬湯には気道の粘液分泌を調整する作用があることが分かっています。適度な粘液は気道を保護し、異物の排出を助けますが、過剰になると痰として咳を誘発します。麦門冬湯は粘液の量と質を適切にコントロールすることで、気道の環境を整えます。
また、抗炎症作用も重要なメカニズムの一つです。気道の炎症を抑えることで、咳の刺激が減少し、粘膜の修復が促進されます。
さらに、神経系への作用も報告されています。咳は延髄にある咳中枢によって制御されていますが、麦門冬湯にはこの咳反射を適切に調整する働きがあると考えられています。過剰な咳反射を抑えつつ、必要な咳反射は維持するという、絶妙なバランス調整が行われているのです。
他の治療法との併用効果
麦門冬湯の大きな利点の一つは、西洋医学の治療薬と併用しやすいことです。
例えば、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬と麦門冬湯を併用することで、相乗効果が得られることが報告されています。西洋薬で急性期の症状をコントロールしながら、麦門冬湯で体質改善や症状の根本的な改善を図るというアプローチが有効です。
また、抗生物質と併用する場合も、麦門冬湯が粘膜の保護や免疫機能のサポートを通じて、感染症からの回復を助けます。
このように、麦門冬湯は単独でも効果的ですが、他の治療法と組み合わせることで、さらに優れた治療効果を発揮することができます。
麦門冬湯の使い方
服用方法と用量
麦門冬湯は、医療用漢方製剤として、一般的には1日3回、食前または食間に服用します。「食間」とは、食事と食事の間、つまり食後約2時間を指します。空腹時に服用することで、生薬の成分が効率よく吸収されます。
顆粒剤の場合は、お湯に溶かして服用するのが理想的です。お湯で溶かすことで香りや味が立ち、薬効成分もより吸収されやすくなります。ただし、顆粒のまま水で服用しても効果に大きな差はありませんので、状況に応じて服用方法を選択してください。
用量は年齢や症状、体格によって調整されることがありますが、成人の場合、1回あたり2.5gを標準とすることが多いです。医師の指示に従って正しく服用することが重要です。
効果が現れるまでの期間
麦門冬湯の効果が現れるまでの期間は、症状や個人差によって異なります。
急性の症状に対しては、比較的早く効果が現れることが多く、数日から1週間程度で改善を実感する方もいます。特に、風邪の後の長引く咳などでは、1週間程度の服用で症状が軽減することが期待できます。
一方、慢性的な症状や体質改善を目的とする場合は、もう少し長期的な服用が必要です。2週間から1ヶ月程度継続して服用することで、徐々に効果が現れてきます。
漢方薬は即効性を期待するものではありませんが、麦門冬湯は比較的効果の発現が早い処方の一つです。ただし、2週間程度服用しても全く改善が見られない場合は、処方が合っていない可能性もありますので、医師に相談することをお勧めします。
服用期間の目安
症状が改善した後も、しばらく服用を続けることで再発を防ぐことができます。医師の指示に従い、症状の改善度合いを見ながら服用期間を調整してください。
慢性的な症状の場合、数ヶ月にわたる長期服用が必要なこともあります。麦門冬湯は比較的安全性の高い漢方薬ですが、長期服用する場合は定期的に医師の診察を受け、効果や副作用の有無を確認することが大切です。
季節性の症状、例えば秋から冬にかけて咳が出やすいという方は、その時期を中心に予防的に服用するという方法もあります。
保管方法と注意点
麦門冬湯は、直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所で保管してください。特に顆粒剤は湿気を吸いやすいので、開封後はしっかりと封をして保管することが重要です。
子供の手の届かない場所に保管し、誤飲を防ぐように注意してください。
有効期限を確認し、期限を過ぎたものは服用しないようにしましょう。適切に保管された麦門冬湯は、製造から通常3年程度の有効期限が設定されています。
副作用と注意すべき点
一般的な副作用
麦門冬湯は比較的安全性の高い漢方薬ですが、体質や体調によっては副作用が現れることがあります。
最も注意が必要なのは、甘草に含まれるグリチルリチンによる副作用です。甘草を含む漢方薬や健康食品を複数同時に服用すると、グリチルリチンの摂取量が多くなり、偽アルドステロン症という状態を引き起こす可能性があります。
偽アルドステロン症の主な症状は、血圧上昇、むくみ、低カリウム血症、脱力感などです。これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談してください。
その他、まれに胃の不快感、吐き気、下痢などの消化器症状が現れることがあります。これらの症状が強い場合や持続する場合は、医師や薬剤師に相談してください。
服用を避けるべき人
以下のような方は、麦門冬湯の服用に注意が必要です。
まず、過去に麦門冬湯や含まれる生薬に対してアレルギー反応を起こしたことがある方は服用を避けてください。
高血圧の方、心臓病や腎臓病のある方は、甘草による影響を受けやすいため、医師に相談の上、慎重に服用する必要があります。
妊娠中や授乳中の方は、安全性が十分に確立されていないため、医師に相談してから服用してください。一般的には大きな問題はないとされていますが、個々の状況に応じた判断が必要です。
高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、副作用が現れやすい可能性があります。少量から開始するなど、慎重な投与が推奨されます。
他の薬との相互作用
麦門冬湯は多くの薬と併用可能ですが、いくつか注意が必要な組み合わせがあります。
他の甘草を含む漢方薬や健康食品を服用している場合、グリチルリチンの過剰摂取につながる可能性があります。現在服用中の薬やサプリメントがある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
利尿薬を服用している方は、低カリウム血症のリスクが高まる可能性があります。定期的な血液検査でカリウム値をチェックすることが推奨されます。
また、ジゴキシンなどの強心薬を服用している場合、低カリウム血症により薬の作用が増強される可能性があるため、注意が必要です。
どんな人に麦門冬湯が向いているか
体質・症状による適応
漢方医学では、その人の体質を「証(しょう)」という概念で捉えます。麦門冬湯は、比較的体力が低下している方、やせ型の方、虚弱体質の方に適しています。
具体的には、以下のような特徴のある方に向いています。
まず、顔色がやや悪く、肌が乾燥しがちな方です。全身的に潤いが不足している状態で、これを「陰虚(いんきょ)」と呼びます。麦門冬湯はこのような体質の方の体液を補い、潤いを与えます。
次に、疲れやすく、声に力がない方です。気力や体力が低下している状態で、これを「気虚(ききょ)」と呼びます。人参などの生薬が気を補うことで、全身の活力を高めます。
手足がほてりやすい、口や喉が乾きやすいという方も、麦門冬湯の適応です。これらは体内の潤いが不足し、相対的に熱が多い状態を示しています。
逆に、体力が充実している方、肥満傾向の方、冷え性の強い方などには、他の処方の方が適している場合があります。
生活習慣と麦門冬湯
現代の生活習慣は、知らず知らずのうちに体の潤いを奪っています。
エアコンの効いた乾燥した環境で長時間過ごす方、パソコン作業で集中が続き水分補給を忘れがちな方、睡眠不足が続いている方などは、体の潤いが不足しやすくなります。
また、喫煙習慣のある方は、気道の粘膜が傷つきやすく、慢性的な咳や痰に悩まされることが多いです。禁煙が最も重要ですが、麦門冬湯は損傷した粘膜の修復を助けることができます。
ストレスが多い生活を送っている方も、自律神経のバランスが崩れ、喉の違和感や咳などの症状が現れやすくなります。麦門冬湯は、このようなストレス関連の症状にも効果が期待できます。
季節と麦門冬湯
季節によって体の状態は変化します。麦門冬湯は特に、乾燥する季節に有用性が高まります。
秋から冬にかけては空気が乾燥し、気道の粘膜も乾燥しやすくなります。この時期は風邪を引きやすく、また風邪の後に咳が長引きやすい季節でもあります。麦門冬湯を予防的に服用することで、これらの症状を軽減できる可能性があります。
春先の花粉症の時期にも、喉の違和感や咳を伴うことがあります。アレルギー薬だけでは十分に改善しない場合、麦門冬湯を併用することで症状が和らぐことがあります。
夏場はエアコンによる冷えや乾燥が問題になります。冷房の効いた室内と暑い屋外を行き来することで自律神経が乱れ、喉の不調が現れることもあります。
麦門冬湯を効果的に活用するために
生活習慣の改善と併用
麦門冬湯の効果を最大限に引き出すためには、生活習慣の改善も重要です。
まず、十分な水分補給を心がけましょう。1日に1.5〜2リットル程度の水分を摂取することが推奨されます。特に、起床時、食事の前後、入浴の前後、就寝前などのタイミングで意識的に水分を取るようにしてください。
室内の湿度を適切に保つことも大切です。特に冬場は暖房により室内が乾燥しやすいので、加湿器を使用するなどして、湿度を40〜60%程度に保つようにしましょう。
睡眠の質を高めることも重要です。十分な睡眠は免疫機能を高め、体の修復を促進します。就寝前のカフェイン摂取を避ける、寝室の環境を整えるなど、良質な睡眠のための工夫をしてください。
喫煙者の方は、禁煙が最も重要です。喫煙は気道の粘膜を直接傷つけ、慢性的な咳や痰の原因となります。禁煙外来などを利用して、禁煙にチャレンジしてみてください。
食事での工夫
漢方医学では、食事も治療の一部と考えます。体を潤す食材を積極的に取り入れることで、麦門冬湯の効果を高めることができます。
潤いを補う食材として、梨、柿、りんご、みかんなどの果物が挙げられます。特に梨は昔から咳止めに効果があるとされ、喉の乾燥を和らげます。
また、白きくらげ、百合根、山芋、れんこんなども、肺を潤す食材として知られています。これらを日々の食事に取り入れることで、体の内側から潤いを補給できます。
はちみつも喉に良い食材です。温かい飲み物にはちみつを加えて飲むのも効果的です。ただし、1歳未満の乳児には与えないよう注意してください。
逆に、辛いものや刺激物、アルコールなどは気道を刺激する可能性があるので、症状が強い時期は控えめにすることをお勧めします。
ストレス管理とリラクゼーション
ストレスは自律神経のバランスを崩し、様々な身体症状を引き起こします。喉の違和感や咳もその一つです。
適度な運動は、ストレス解消に効果的です。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。運動により血行が良くなり、全身の代謝も改善されます。
深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法も有効です。1日のうち数分間でも、静かに座って深くゆっくりとした呼吸をする時間を持つことで、自律神経のバランスが整います。
趣味の時間を持つことも大切です。好きなことに没頭する時間は、心身のリフレッシュにつながります。

よくある質問
一般的には問題ありませんが、風邪薬に含まれる成分によっては注意が必要な場合があります。特に、他の漢方薬が配合されている風邪薬の場合、生薬の重複に注意が必要です。市販の風邪薬と併用する場合は、薬剤師に相談することをお勧めします。
麦門冬湯は子供でも服用できますが、年齢や体重に応じて用量を調整する必要があります。一般的には、2歳以上から服用可能とされていますが、必ず小児科医や薬剤師に相談の上、適切な用量で服用してください。
Q3. 麦門冬湯はどのくらいの期間飲み続けられますか?
症状や目的によって異なりますが、急性の症状であれば1〜2週間程度、慢性的な症状や体質改善が目的であれば数ヶ月にわたる服用も可能です。ただし、長期服用する場合は定期的に医師の診察を受け、効果や副作用の有無を確認することが重要です。
Q4. 麦門冬湯を飲むと太りますか?
麦門冬湯自体で太ることは通常ありません。ただし、体調が改善して食欲が増進した結果、体重が増加することはあり得ます。これは健康的な変化と言えますが、気になる場合は食事や運動に注意してください。
Q5. 市販の麦門冬湯と病院で処方される麦門冬湯は違いますか?
基本的な配合は同じですが、製造メーカーや剤形によって細かな違いがある場合があります。医療用漢方製剤は保険適用があり、医師の診断に基づいて処方されます。市販品は自己判断で購入できますが、症状が続く場合や不安がある場合は、医療機関を受診することをお勧めします。
Q6. 麦門冬湯はアレルギーにも効きますか?
麦門冬湯は主に咳や喉の症状に対して用いられる漢方薬で、アレルギー症状そのものを抑える薬ではありません。ただし、アレルギーに伴う咳や喉の違和感に対しては効果が期待できます。花粉症などのアレルギー疾患に対しては、小青竜湯など他の漢方薬の方が適している場合もあります。
Q7. 麦門冬湯は予防的に飲むことができますか?
体質改善や症状の予防を目的として服用することは可能です。特に、毎年決まった季節に咳が出やすい方などは、その時期の前から予防的に服用することで、症状の発現を抑えられる可能性があります。ただし、予防目的での長期服用については、医師と相談の上で判断してください。
まとめ
麦門冬湯は、約1800年の歴史を持つ伝統的な漢方処方でありながら、現代医療においてもその価値が認められている薬です。乾燥性の咳、喉の違和感、慢性的な咳などに対して優れた効果を発揮し、多くの方から「すごい」と評価されています。
6種類の生薬が絶妙に配合されたこの処方は、気道に潤いを与え、粘膜を保護し、咳反射を適切にコントロールします。西洋医学の治療と併用しやすく、副作用も比較的少ないため、幅広い年齢層の方が安心して使用できます。
ただし、漢方薬は万能ではありません。重篤な疾患が隠れている可能性もありますので、症状が長引く場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。
麦門冬湯の効果を最大限に引き出すためには、適切な服用方法を守ること、生活習慣を改善すること、そして自分の体質や症状をよく理解することが重要です。
麦門冬湯をはじめとする漢方薬を上手に活用して、快適な毎日を取り戻しましょう。
参考文献
- 日本東洋医学会 – 漢方医学の学術研究と臨床応用に関する情報
- 一般社団法人 日本生薬学会 – 生薬の基礎研究と応用に関する情報
- 厚生労働省「統合医療」情報発信サイト – 漢方を含む統合医療の科学的情報
- 日本医師会雑誌における漢方医学関連論文
- 漢方医学専門誌「漢方と最新治療」における臨床報告
- 日本漢方生薬製剤協会 – 医療用漢方製剤の情報
※本記事は医療情報の提供を目的としたものであり、特定の治療を推奨するものではありません。症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。 ※麦門冬湯の処方については、医師の診断に基づいて適切に行われます。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務