脇汗・臭いの原因から治療法まで徹底解説|池袋で相談できる医療機関情報

脇汗や脇の臭いでお悩みではありませんか。電車の中でつり革につかまるのをためらったり、洋服選びで汗染みが目立たない色ばかり選んでしまったり、人との距離が近くなると不安になったり。これらの悩みを「体質だから仕方ない」と諦めていませんか。

実は、過度な脇汗(腋窩多汗症)や脇の臭い(腋臭症・ワキガ)は、医療機関で相談・治療できる疾患です。近年では保険適用で受けられる治療の選択肢も増え、多くの方が悩みから解放されています。

この記事では、脇汗・臭いが発生するメカニズムから、日常でできるセルフケア、さらには医療機関で受けられる最新の治療法まで、専門的な視点から詳しく解説します。池袋エリアで治療を検討されている方に向けた情報もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。


目次

  1. 脇汗・臭いに悩む人はどれくらいいる?
  2. 汗が出る仕組みを理解しよう
  3. 脇汗が多い原因とは
  4. 脇の臭い(ワキガ)が発生するメカニズム
  5. 多汗症とワキガの違い
  6. セルフチェック:あなたの症状は治療が必要?
  7. 日常でできるセルフケア・対策方法
  8. 医療機関で受けられる治療法
  9. 池袋エリアで相談できる医療機関について
  10. まとめ

1. 脇汗・臭いに悩む人はどれくらいいる?

脇汗や臭いの悩みを抱えている方は、実は非常に多くいらっしゃいます。厚生労働省の研究班による全国疫学調査によると、原発性腋窩多汗症(脇の多汗症)の有病率は人口の約5.7%と報告されています。これは日本の人口に換算すると約531万人以上が脇汗で悩んでいる計算になります。

また、腋臭症(ワキガ)については、日本人の約10%が該当するとされています。東京大学医科学研究所の研究によれば、ワキガの臭いのタイプは大きく3つに分類され、ミルク様臭、酸様臭、カレースパイス様臭があり、このうち酸様臭やカレースパイス様臭を持つ人は臭いが強い傾向にあることがわかっています。

しかし、驚くべきことに、脇汗や臭いで悩んでいる方のうち、実際に医療機関を受診している割合はわずか4.4%にとどまっています。多くの方が「恥ずかしい」「体質だから仕方ない」と考え、一人で悩みを抱えているのが現状です。

脇汗や臭いは、適切な治療によって大幅に改善できる症状です。「たかが汗」と軽視せず、日常生活に支障が出ている場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。


2. 汗が出る仕組みを理解しよう

脇汗や臭いの対策を考える前に、まず汗が出る仕組みを理解しておきましょう。人間の体には「汗腺」と呼ばれる汗を分泌する器官があり、これには2種類が存在します。

エクリン腺

エクリン腺は全身の皮膚表面に広く分布しており、約200〜400万個あるとされています。この汗腺から分泌される汗は約99%が水分で、残りは塩分などのミネラルです。無色透明でサラサラとしており、主に体温調節を目的として機能しています。

暑いときや運動したとき、体温が上昇すると脳の視床下部から指令が出され、交感神経を通じてエクリン腺から汗が分泌されます。汗が蒸発する際の気化熱によって体表面を冷やし、体温を一定に保つ重要な役割を担っています。

アポクリン腺

アポクリン腺は、脇の下、乳輪、外陰部、外耳道など限られた部位にのみ存在します。毛根に接続しており、思春期になると発達が始まります。

アポクリン腺から分泌される汗は、たんぱく質、脂質、脂肪酸、アンモニア、鉄分などを多く含み、白く濁ったベタベタとした性質を持っています。分泌直後は実は無臭ですが、皮膚表面の常在菌によって分解されることで、特有の臭いが発生します。これがワキガ臭の原因となります。

なぜ脇は汗をかきやすいのか

脇は他の部位に比べて発汗を始める体温の閾値が特に低いことがわかっています。これは脇の皮膚のすぐ下に腋窩動脈などの太い血管が通っているためです。脇からの発汗によって血管を冷却し、冷やされた血液が全身を循環することで、効率的に体全体の温度を調節できる仕組みになっています。


3. 脇汗が多い原因とは

脇汗が多くなる原因は、主に以下の要因が考えられます。

温熱性発汗

体温が上昇したときに、体温調節のために起こる発汗です。暑い環境や運動後など、体が熱を持ったときに全身から汗が出ます。脇は汗腺が密集しているため、特に多くの汗が出やすい部位です。

精神性発汗

緊張、不安、ストレスなどの精神的な要因によって引き起こされる発汗です。「冷や汗」という言葉があるように、寒い場所でも緊張すると脇汗が出ることがあります。この精神性発汗は、脇、手のひら、足の裏、額などに特に現れやすい特徴があります。

味覚性発汗

辛いものや酸っぱいものを食べたときに起こる発汗です。香辛料が体内で代謝され、汗として排出されることで、一時的に汗の量や臭いが変化することがあります。

ホルモンバランスの変化

女性の場合、生理周期、妊娠、出産、更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に発汗量が増えることがあります。女性ホルモンの減少は自律神経の乱れを引き起こし、発汗量の増加につながることがあります。

基礎代謝の上昇

意外かもしれませんが、冬場も脇汗に悩む方は少なくありません。気温が低下すると体は内部の温度を保つためにエネルギーを消費し、基礎代謝が上昇します。その結果、軽い運動でも汗をかきやすくなることがあります。

原発性腋窩多汗症

上記のような明らかな原因がないにもかかわらず、脇に過剰な汗をかく状態を「原発性腋窩多汗症」と呼びます。交感神経が過敏に反応してエクリン腺を刺激し、体温調節に必要な量を超える汗が分泌される疾患です。日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは、明確な診断基準が定められており、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。


4. 脇の臭い(ワキガ)が発生するメカニズム

ワキガ(腋臭症)の臭いは、単に汗をかくだけでは発生しません。臭いが生まれるメカニズムを正しく理解することが、効果的な対策への第一歩となります。

ワキガ臭発生の3要素

日本医科大学武蔵小杉病院の研究によれば、ワキガの臭いは以下の3つの要素が組み合わさることで発生します。

第一に、アポクリン汗腺の活動があります。脂質、たんぱく質、脂肪酸、アンモニアなど、臭いの「もと」となる有機成分を豊富に含む汗を分泌します。

第二に、皮膚常在菌の存在です。皮膚には様々な細菌が住み着いており、特にコリネバクテリウム属やブドウ球菌などがアポクリン汗の有機成分を分解する酵素を持っています。

第三に、湿潤な環境が形成されることです。汗によって皮膚が湿り、菌が繁殖しやすい環境が作られます。

これら3つの要素が揃うことで、ワキガ特有の臭いがより強くなる傾向があります。

遺伝的要因

ワキガ体質は遺伝的な要素が強いことがわかっています。アポクリン汗腺の分泌物の質にはABCC11遺伝子が関与しており、この遺伝子の型によってワキガになりやすい体質かどうかが決まります。

両親のどちらかがワキガ体質である場合、子どもに遺伝する確率は約50%、両親ともにワキガ体質の場合は約80%とされています。日本人のワキガ有病率は約10%ですが、欧米人では約80%と大きな差があり、これも遺伝的背景の違いによるものです。

ワキガ体質のサイン

自分がワキガ体質かどうかを判断する目安として、以下の特徴が挙げられます。

耳垢が湿っている場合は、ワキガ体質の可能性が高いとされています。日本皮膚科学会の調査では、耳垢が乾燥しているにもかかわらずワキガと診断されたケースはないという報告もあります。これは耳の中にもアポクリン汗腺が存在し、その活動が活発かどうかの指標となるためです。

衣類の脇部分が黄ばみやすい場合も、アポクリン汗に含まれるリポフスチンという色素成分が原因である可能性があります。また、家族にワキガ体質の人がいる場合は、遺伝的にワキガになりやすい傾向があります。

臭いが強くなる要因

ワキガの臭いの強さは常に一定ではなく、以下のような要因で変化します。

ストレスや疲労が溜まっているとき、飲酒や喫煙をした後は臭いが強くなりやすい傾向があります。また、肉類、揚げ物、乳製品など脂質の多い食事を摂ると、アポクリン腺からの分泌が増え、臭いが強くなることがあります。女性の場合は、妊娠中や生理中にホルモンバランスの変化でアポクリン腺が刺激され、一時的に臭いが強くなることもあります。


5. 多汗症とワキガの違い

脇汗と脇の臭いは混同されがちですが、多汗症とワキガは異なる疾患です。両者の違いを正しく理解しておきましょう。

原因となる汗腺の違い

多汗症は主にエクリン腺の過剰な活動によって引き起こされます。エクリン腺から分泌される汗は約99%が水分であり、基本的に無臭です。多汗症の症状は「汗の量が多い」ことであり、必ずしも強い臭いを伴うわけではありません。

一方、ワキガはアポクリン腺から分泌される汗が原因です。アポクリン汗に含まれる脂質やたんぱく質が皮膚の常在菌に分解されることで、特有の臭いが発生します。ワキガの症状は「特有の臭いがある」ことであり、汗の量とは必ずしも比例しません。

症状の特徴

多汗症の場合、汗染みが衣服に広がる、汗が滴り落ちる、脇が常に湿っているといった症状が特徴です。汗をこまめに拭き取れば、臭いはそれほど気にならないことが多いです。

ワキガの場合は、汗の量が少なくても独特の臭いが発生します。酸っぱい臭い、カレースパイスのような臭い、ミルクのような臭いなど、人によって臭いのタイプが異なります。

併発するケース

多汗症とワキガは異なる疾患ですが、両方を併発しているケースも少なくありません。アポクリン腺が活発な人はエクリン腺の活動も活発であることが多く、汗の量が多いとアポクリン汗と皮膚常在菌が反応しやすくなり、臭いが強まることがあります。

両方の症状がある場合は、汗と臭いの両方にアプローチする治療が必要になります。専門医に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。


6. セルフチェック:あなたの症状は治療が必要?

「自分は多汗症なのか」「治療が必要な状態なのか」を判断するために、日本皮膚科学会が定めた診断基準をもとにセルフチェックを行ってみましょう。

原発性腋窩多汗症の診断基準

以下の条件を満たす場合、原発性腋窩多汗症と診断される可能性があります。

まず、明らかな原因がないまま、6か月以上にわたって脇に過剰な汗をかき続けていることが前提条件となります。その上で、以下の6項目のうち2項目以上に該当する場合、多汗症の可能性が高いと考えられます。

第一に、最初に症状が現れたのが25歳以下であること。第二に、左右両方の脇で同じような発汗が見られること。第三に、睡眠中は発汗が止まっていること。第四に、週に1回以上、脇汗が多いと感じた経験があること。第五に、家族に多汗症の人がいること。第六に、脇汗が原因で日常生活に支障をきたしていること。

重症度の判定

多汗症の重症度は、HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)という尺度で評価します。以下の4段階から、自分に最も当てはまるものを選んでください。

グレード1は、発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない状態です。グレード2は、発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある状態です。グレード3は、発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある状態です。グレード4は、発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある状態です。

グレード3または4に該当する場合は「重症」と判定され、積極的な治療が推奨されます。グレード2の場合も、悩みが大きいようであれば医療機関への相談をお勧めします。

ワキガのセルフチェック

ワキガかどうかを判断する目安として、以下の項目を確認してみてください。

耳垢が湿っている(アメ耳、軟耳垢と呼ばれる状態)場合は、ワキガ体質の可能性が高いとされています。また、衣類の脇部分に黄色いシミができやすい、脇毛が多い、または太い、家族にワキガの人がいる、他人から臭いを指摘されたことがあるといった項目に該当する場合も、ワキガの可能性があります。

ただし、これらはあくまで目安であり、正確な診断は専門医による診察が必要です。気になる症状がある場合は、早めに皮膚科や形成外科を受診することをお勧めします。


7. 日常でできるセルフケア・対策方法

医療機関での治療を検討する前に、まずは日常生活でできるセルフケアを試してみましょう。適切なケアを行うことで、症状を軽減できる場合があります。

こまめに汗を拭く

汗をかいたら、できるだけ早く拭き取ることが基本です。汗を放置すると皮膚表面で細菌が繁殖し、臭いの原因となります。

汗拭きシートを使用する際は、殺菌成分(イソプロピルメチルフェノールなど)が配合されたものを選ぶと効果的です。乾いたタオルよりも、湿ったタオルや汗拭きシートの方が汗の成分をしっかり拭き取ることができます。

制汗剤・デオドラント製品を活用する

制汗剤とデオドラント製品は、それぞれ目的が異なります。制汗剤は汗の量を抑える効果があり、デオドラント製品は臭いを抑える効果があります。両方の成分が配合された製品も多く販売されています。

制汗成分としては、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、ミョウバンなどがあります。これらは汗腺の出口を一時的に塞いだり引き締めたりすることで、発汗を抑えます。殺菌成分としては、イソプロピルメチルフェノールや銀イオンなどがあり、臭いの原因となる細菌の繁殖を防ぎます。

制汗剤のタイプには、スプレー、ロールオン、スティック、クリームなどがあります。脇に直接塗るタイプ(ロールオン、スティック、クリーム)は肌への密着度が高く、効果が長続きしやすい傾向があります。汗をかく前の清潔な肌に塗布することで、より効果を発揮します。

脇を清潔に保つ

入浴時には、脇を丁寧に洗いましょう。殺菌成分が配合された薬用せっけんを使用すると効果的です。ただし、ゴシゴシと強くこすりすぎると肌を傷つけ、かえって細菌が繁殖しやすくなることがあるので注意が必要です。

日中も、汗をかいたらアルコール綿で拭くことで、菌の繁殖を抑えることができます。ただし、肌が弱い方はかぶれることがあるので、様子を見ながら使用してください。

脇毛の処理を行う

脇毛があると、汗や皮脂が毛に絡まり、細菌が繁殖しやすい環境が作られます。脇毛を処理することで、脇を清潔に保ちやすくなり、臭いの軽減につながることがあります。

医療脱毛でアポクリン腺を直接除去することはできませんが、脇毛がなくなることで通気性が良くなり、制汗剤やデオドラント製品が肌に直接届きやすくなるメリットがあります。

衣類の工夫

天然素材(綿や麻など)の衣類は通気性が良く、汗を吸収しやすいため、脇汗対策にお勧めです。化学繊維は汗を吸収しにくく、蒸れやすいため、臭いが強くなる傾向があります。

汗取りパッドを使用することで、衣服への汗染みを防ぐことができます。また、抗菌防臭加工が施されたインナーを着用するのも効果的です。

食生活の見直し

肉類、揚げ物、乳製品など脂質の多い食事は、アポクリン腺の分泌を活発にし、臭いを強くする可能性があります。緑黄色野菜や大豆製品を豊富に含む和食中心の食生活を心がけると良いでしょう。

また、香辛料を多く含む食事は、汗の臭いを一時的に変化させることがあります。アルコールやカフェインも汗腺を刺激するため、臭いが気になる場合は控えめにすることをお勧めします。

ストレス管理

ストレスは自律神経のバランスを乱し、交感神経を優位にさせます。交感神経は汗腺の活動を促進するため、ストレスが溜まると発汗量が増え、臭いも強くなりやすくなります。

適度な運動、十分な睡眠、趣味の時間を確保するなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切です。特に、運動による発汗や湯船でのゆっくりとした入浴は、毛穴に溜まった老廃物の排出を促すため、積極的に取り入れたい習慣です。


8. 医療機関で受けられる治療法

セルフケアだけでは改善が難しい場合や、症状が重い場合は、医療機関での治療を検討しましょう。現在、多汗症やワキガには様々な治療法があり、症状の程度や患者の希望に応じて選択できます。

外用薬による治療

外用薬は最も手軽に始められる治療法です。近年、保険適用で処方できる新しい外用薬が登場し、治療の選択肢が広がっています。

エクロックゲル5%は、2020年11月に日本で初めて保険適用となった原発性腋窩多汗症用の外用薬です。有効成分のソフピロニウムがエクリン汗腺のムスカリン受容体に結合し、交感神経から出るアセチルコリンの作用をブロックすることで発汗を抑えます。1日1回、両脇に塗布するだけで効果が期待でき、12歳以上の方に処方可能です。臨床試験では、約80%の方に発汗抑制効果が認められ、約60%の方が日常生活に支障がない程度まで改善したと報告されています。

ラピフォートワイプ2.5%は、2022年5月に発売された外用薬で、1回使い切りのワイプ(シート)タイプです。有効成分のグリコピロニウムがエクリン汗腺のムスカリンM3受容体に結合し、アセチルコリンの作用を阻害して発汗を抑制します。個包装で持ち運びに便利であり、9歳以上の方に処方可能です。国際多汗症協会のガイドラインでも治療の第一選択として推奨されています。

塩化アルミニウム溶液は、保険適用外ですが、古くから多汗症治療に使用されてきた外用薬です。汗腺の出口に蓋をすることで発汗を抑える効果があります。年齢を問わず使用でき、比較的安価ですが、院内製剤の取り扱いとなり、半数以上の患者に接触皮膚炎が生じるという報告もあります。肌への刺激を減らすために、数日間隔での使用や精製水での希釈などの工夫が必要です。

ボトックス注射(ボツリヌス療法)

ボトックス注射は、ボツリヌス菌から抽出したたんぱく質(ボツリヌストキシン)を脇の皮膚に直接注射する治療法です。ボツリヌストキシンは神経伝達物質であるアセチルコリンの放出をブロックし、汗腺の働きを抑制することで発汗を減少させます。

施術時間は10〜20分程度と短く、メスを使わないため傷跡が残りません。効果は注射後2〜3日で現れ始め、4〜9か月間持続します。重度の原発性腋窩多汗症と診断された場合は、保険適用で治療を受けることができます。

ボトックス注射はエクリン腺だけでなく、アポクリン腺の働きも弱めるため、汗の量だけでなくワキガの臭いにも一定の効果が期待できます。繰り返し注射を行うことでエクリン腺やアポクリン腺の機能が徐々に弱まり、持続期間が長くなったり効果が高まったりする傾向があります。

ただし、ボトックス注射は永続的な効果ではないため、効果を維持するためには定期的な治療(年1〜2回程度)が必要です。また、妊娠中・授乳中の方や、一部の神経・筋疾患をお持ちの方には使用できない場合があります。

ミラドライ

ミラドライは、マイクロ波(電磁波)を使用して汗腺を破壊する治療法です。2010年に日本に導入され、皮膚を切らずにワキガと多汗症を同時に治療できることから、近年人気が高まっています。

マイクロ波は水分子に反応して熱を発生させる性質があります。この性質を利用し、水分を多く含む汗腺(エクリン腺とアポクリン腺の両方)に選択的に熱エネルギーを与えて破壊します。特殊な冷却装置で皮膚表面を冷やしながら施術を行うため、皮膚への熱ダメージを最小限に抑えることができます。

ミラドライの最大のメリットは、1回の治療で半永久的な効果が期待できることです。一度破壊された汗腺は再生しないため、効果が長期間持続します。臨床試験では、治療後12か月時点で約90%以上の患者が効果に満足しており、患者満足度の高い治療法として知られています。

施術時間は両脇で約1時間程度、局所麻酔を使用するため痛みはほとんどありません。ダウンタイムも短く、施術当日から日常生活を送ることができます。

副作用としては、施術後の腫れ、痛み、皮膚の凸凹感などが報告されていますが、いずれも数日〜数週間で自然に改善します。まれに神経損傷が起こる可能性もあるため、経験豊富な医師のもとで治療を受けることが重要です。

ミラドライは保険適用外の治療であり、費用は20〜50万円前後が一般的です。ボトックス注射のように繰り返し治療を受ける必要がないため、長期的に見るとコストパフォーマンスが良い場合もあります。

外科手術

外科手術は、ワキガや多汗症の根本的な治療法として、汗腺を直接取り除く方法です。保険適用で受けられる術式もあり、効果の確実性が高いことが特徴です。

皮弁法(剪除法)は、脇の下の皮膚を数センチ切開し、皮膚を裏返してアポクリン腺を目視で確認しながら除去する手術です。医師が直接汗腺を確認して取り除くため、最も確実に汗腺を除去できる方法とされています。腋臭症(ワキガ)の治療として保険適用が認められています。

手術後は数日間の安静と、1週間程度の圧迫固定が必要です。傷跡が残る可能性があること、ダウンタイムが比較的長いことがデメリットですが、効果の確実性を重視する方には適した治療法です。

内服薬による治療

プロバンサイン(プロパンテリン臭化物)は、抗コリン作用を持つ内服薬で、全身の発汗を抑える効果があります。脇だけでなく、頭部や顔面、全身の多汗症にも使用されます。

ただし、口渇、便秘、排尿障害などの副作用が出ることがあり、緑内障や前立腺肥大のある方には使用できません。また、局所的な治療に比べて効果が限定的な場合もあるため、外用薬や注射療法と併用されることが多いです。

治療法の選び方

どの治療法を選ぶかは、症状の程度、生活スタイル、費用、ダウンタイムの許容度などを総合的に考慮して決定します。

軽度〜中等度の多汗症であれば、まずは外用薬から始めることが一般的です。外用薬で効果が不十分な場合や、より確実な効果を求める場合は、ボトックス注射が選択肢となります。

手術に抵抗がある方や、傷跡を残したくない方にはミラドライが適しています。一方、根本的かつ確実な治療を希望する方には、外科手術が検討されます。

いずれの治療法も、メリットとデメリットがあります。専門医とよく相談し、自分に合った治療法を選択することが大切です。


9. 池袋エリアで相談できる医療機関について

脇汗や臭いでお悩みの方は、まず専門医に相談することをお勧めします。池袋エリアには、多汗症やワキガの治療を行っている皮膚科・形成外科が複数あります。

池袋は東京都豊島区に位置し、JR山手線、埼京線、湘南新宿ライン、東武東上線、西武池袋線、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線・副都心線が乗り入れる交通の要所です。埼玉県や北関東からのアクセスも良く、仕事帰りや学校帰りにも通いやすい立地です。

医療機関を選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてください。

多汗症やワキガの治療実績が豊富であることが重要です。特にボトックス注射やミラドライなどの施術は、医師の技術や経験によって効果や副作用の程度が変わることがあります。

保険診療と自由診療の両方に対応しているかどうかも確認しましょう。原発性腋窩多汗症と診断された場合、外用薬やボトックス注射は保険適用で受けられる可能性があります。

カウンセリングや相談が丁寧であることも大切です。脇汗や臭いの悩みは非常にデリケートな問題です。患者の話をしっかり聞いてくれる医療機関を選びましょう。

通いやすい立地や診療時間も考慮してください。多汗症の治療は継続的なケアが必要な場合もあるため、無理なく通える医療機関を選ぶことが大切です。

アイシークリニック池袋院では、多汗症やワキガでお悩みの方に対して、症状の程度やご希望に応じた治療法をご提案しています。保険適用の外用薬やボトックス注射から、ミラドライによる根本治療まで幅広い選択肢をご用意しており、経験豊富な医師が丁寧に診療いたします。

お一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。


10. まとめ

脇汗や臭いは、多くの方が悩んでいる一般的な症状です。しかし、その悩みを「体質だから」と諦める必要はありません。現代の医療では、外用薬、ボトックス注射、ミラドライ、外科手術など、様々な治療法が確立されており、症状に応じた適切な治療を受けることで、大幅な改善が期待できます。

本記事の重要なポイントをまとめます。

脇汗が多い「多汗症」と脇の臭いが強い「ワキガ」は異なる疾患です。多汗症はエクリン腺の過剰な活動が原因であり、ワキガはアポクリン腺から分泌される汗が細菌に分解されることで発生します。両方を併発しているケースも少なくありません。

日本人の約5.7%が原発性腋窩多汗症、約10%がワキガに該当するとされていますが、実際に医療機関を受診している方はごくわずかです。日常生活に支障が出ている場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。

まずは日常でできるセルフケア(こまめに汗を拭く、制汗剤の活用、脇を清潔に保つ、食生活の見直し、ストレス管理など)を試してみましょう。セルフケアで改善が難しい場合は、医療機関での治療を検討してください。

近年、エクロックゲルやラピフォートワイプなど、保険適用で処方できる外用薬が登場し、治療のハードルが大幅に下がりました。重症の場合は、ボトックス注射も保険適用で受けられます。

ミラドライや外科手術は、根本的かつ長期的な効果を求める方に適した治療法です。費用やダウンタイム、効果の持続期間など、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った治療法を選択しましょう。

脇汗や臭いの悩みは、QOL(生活の質)に大きな影響を与えます。職業選択や対人関係にまで影響することもあり、決して軽視できる問題ではありません。一人で悩まず、専門医に相談することで、快適な毎日を取り戻すことができます。

池袋エリアにお住まいの方、通勤・通学で池袋を利用される方は、ぜひアイシークリニック池袋院にご相談ください。経験豊富な医師とスタッフが、あなたのお悩みに寄り添い、最適な治療法をご提案いたします。


よくある質問(Q&A)

Q1. 脇汗が多いのですが、ワキガではないでしょうか?

脇汗が多いからといって、必ずしもワキガとは限りません。多汗症とワキガは異なる疾患です。多汗症は汗の「量」が問題となる疾患であり、ワキガは汗の「臭い」が問題となる疾患です。
多汗症の方の汗は主にエクリン腺から分泌されるため、約99%が水分であり、基本的に無臭です。一方、ワキガの方はアポクリン腺から分泌される汗に含まれる成分が細菌に分解されることで、特有の臭いが発生します。
ただし、多汗症とワキガの両方を併発しているケースも少なくありません。気になる場合は、専門医に診てもらうことをお勧めします。

Q2. 制汗剤を使い続けると体に悪影響はありますか?

市販の制汗剤を説明書通りに使用する分には、体への悪影響の心配は基本的にありません。制汗成分(塩化アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、ミョウバンなど)は、汗腺の出口を一時的に塞いだり引き締めたりするもので、汗腺そのものを破壊するわけではありません。

ただし、肌が敏感な方は、かぶれや痒みなどの皮膚症状が出ることがあります。異常を感じた場合は使用を中止し、皮膚科を受診してください。また、長期間にわたって高濃度の塩化アルミニウムを使用し続けると、皮膚への刺激が蓄積することがありますので、医師の指導のもとで使用することをお勧めします。

Q3. ボトックス注射は痛いですか?

ボトックス注射は、極細の針を使用して脇の皮膚に少量ずつ注入します。注射の回数は片脇あたり15〜20か所程度で、チクチクとした痛みを感じることがあります。

痛みに弱い方には、麻酔クリームを塗布したり、氷で冷却しながら注射を行ったりすることで痛みを軽減することができます。施術時間は10〜20分程度と短く、日常生活に支障が出るほどの痛みが残ることはほとんどありません。

Q4. ミラドライは1回の治療で完治しますか?

ミラドライは1回の治療で全体の7〜8割の汗腺を破壊することができます。多くの方が1回の治療で満足のいく効果を実感されていますが、一部の方は2回目の治療を希望されることもあります。

治療直後は汗や臭いがほとんど気にならなくなりますが、約半年後には破壊しきれなかった2〜3割の汗腺が活動を再開するため、若干の汗や臭いを感じることがあります。これは再発ではなく、本来のミラドライの効果です。治療前と比べれば、汗も臭いも大幅に減少しているはずです。

ワキガや多汗症の症状が重度の方や、さらなる効果を求める方には、2回目の治療をお勧めする場合もあります。

Q5. 子どもでも多汗症の治療は受けられますか?

お子様でも多汗症の治療を受けることは可能です。エクロックゲルは12歳以上、ラピフォートワイプは9歳以上から処方可能となっています。

ただし、成長期のお子様の場合、アポクリン腺がまだ発達途中であるため、治療効果が限定的になったり、成長に伴って新たな汗腺が発達したりする可能性があります。ミラドライなどの永続的な治療は、体がある程度成長した15歳以上から受けることをお勧めしています。

お子様の脇汗や臭いでお悩みの場合は、まず専門医に相談し、年齢や症状に合った適切な治療法をご検討ください。

Q6. 保険適用で治療を受けるにはどうすればいいですか?

多汗症の治療で保険適用を受けるためには、「原発性腋窩多汗症」または「原発性掌蹠多汗症」と診断される必要があります。診断基準を満たしているかどうかは、問診や診察によって医師が判断します。

保険適用となる主な治療法は以下の通りです。エクロックゲルやラピフォートワイプなどの外用薬は、原発性腋窩多汗症と診断された場合に保険適用となります。ボトックス注射は、重症の原発性腋窩多汗症と診断された場合(HDSSグレード3以上)に保険適用となります。皮弁法(剪除法)などの外科手術は、腋臭症(ワキガ)と診断された場合に保険適用となります。

初診時に「脇汗で悩んでいる」「臭いが気になる」など、症状を正直に伝えることが大切です。医師が診断基準に照らし合わせて、保険適用の可否を判断します。

Q7. 冬でも脇汗が多いのはなぜですか?

冬でも脇汗が多い原因として、いくつかの要因が考えられます。

第一に、冬は暖房の効いた室内と屋外の温度差が大きいため、室内に入った瞬間に急激に体温調節のための発汗が起こることがあります。第二に、冬は厚着をすることで脇が蒸れやすくなり、汗を感じやすくなります。第三に、精神性発汗は季節に関係なく起こるため、緊張やストレスを感じる場面では冬でも脇汗が出ます。

また、冬は水分摂取量が減る傾向があり、汗の濃度が高くなることで臭いが強くなりやすいという特徴もあります。冬の脇汗でお悩みの場合も、適切な対策や治療を検討されることをお勧めします。

Q8. 脇毛を脱毛すると脇汗や臭いは減りますか?

脇毛の脱毛自体が多汗症やワキガを根本的に治すことはできませんが、臭いの軽減に一定の効果が期待できます。

脇毛があると、汗や皮脂が毛に絡まり、細菌が繁殖しやすい環境が作られます。脇毛を脱毛することで、通気性が良くなり、制汗剤やデオドラント製品が肌に直接届きやすくなります。また、医療レーザー脱毛によって毛根周辺のアポクリン腺に軽微なダメージを与えることで、臭いがわずかに軽減する場合もあります。

ただし、脱毛だけで症状が完全に改善するわけではありません。脱毛は補助的な対策として捉え、必要に応じて他の治療法と併用することをお勧めします。


脇汗・臭いでお悩みの方へ ~一人で悩まないでください~

脇汗や臭いの悩みは、他人には相談しにくいデリケートな問題です。しかし、この悩みを抱えている方は決して少数ではなく、日本人の約10人に1人が何らかの形で脇汗や臭いに悩んでいるとされています。

「周りの人に不快な思いをさせているのではないか」「臭いのせいで人間関係がうまくいかないのではないか」といった不安は、精神的な負担となり、QOL(生活の質)を大きく低下させます。ある調査では、重症の多汗症患者の約8割が「洋服選びに制限がある」、約7割が「異性との接触が気になる」、約6割が「電車のつり革につかまるのをためらう」と回答しており、日常生活のあらゆる場面で支障が出ていることがわかります。さらに、15人に1人が「疾患が原因で希望の職業を断念した経験がある」と回答しており、人生の機会損失にまでつながっているケースもあるのです。

現代の医療では、脇汗や臭いに対する効果的な治療法が数多く開発されています。保険適用で受けられる治療も増え、以前に比べて治療のハードルは大幅に下がっています。「体質だから仕方ない」と諦める前に、ぜひ一度専門医にご相談ください。

アイシークリニック池袋院では、脇汗・臭いでお悩みの方に対して、丁寧なカウンセリングを行い、症状の程度やライフスタイル、ご希望に応じた最適な治療法をご提案しています。保険適用の外用薬やボトックス注射から、ミラドライによる根本治療まで、幅広い選択肢をご用意しております。

池袋駅からのアクセスも良好で、お仕事帰りや学校帰りにも通いやすい立地です。プライバシーに配慮した診療体制を整えておりますので、安心してご来院ください。

あなたの悩みに寄り添い、快適な毎日を取り戻すお手伝いをいたします。まずはお気軽にご相談ください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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