「もしかして自分はワキガかも…」と悩んでいる方は少なくありません。テレビ番組「ホンマでっかTV」でもワキガに関する情報が紹介され、多くの方が関心を寄せています。ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、適切な治療によって改善が期待できる疾患です。
本記事では、ホンマでっかTVで紹介された対策法から、医療機関で受けられる根本的な治療法まで、ワキガを治す方法について詳しく解説します。ワキガの原因を正しく理解し、自分に合った対策や治療法を見つけるための参考にしてください。

目次
- ワキガ(腋臭症)の基礎知識
- ホンマでっかTVで話題のワキガを治す方法
- 自分でできるワキガ診断とセルフケア
- 医療機関での本格的なワキガ治療
- 最新のミラドライ治療について
- よくある質問
- まとめ
この記事のポイント
ワキガ(腋臭症)はアポクリン汗腺が原因で、鮭や酢の摂取は補助的対策にとどまる。根本治療には剪除法(保険適用)や切らずに半永久的効果が期待できるミラドライが有効で、アイシークリニックでは症状に合わせた治療を提供している。
🔬ワキガ(腋臭症)の基礎知識
ワキガは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」や「アポクリン臭汗症」と呼ばれる疾患です。脇の下から特有の強いにおいを発する状態を指し、単なる汗臭さとは異なる独特のにおいが特徴となっています。
💧2種類の汗腺とワキガの関係
私たちの皮膚には、汗を分泌する「汗腺」という組織が存在します。汗腺には以下の2種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
- エクリン汗腺
– 全身に分布
– 体温調節のために汗を分泌
– 約99%が水分でサラサラとした無色透明の汗
– 通常はほとんどにおいがない - アポクリン汗腺
– 脇の下、耳の中、乳輪、陰部など限られた部位にのみ存在
– 脂質、タンパク質、脂肪酸、アンモニア、鉄分などを含む
– やや粘り気がある汗を分泌
アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚表面に存在する常在菌によって分解されることで、ワキガ特有のにおいが発生します。
⚗️ワキガのにおいが発生するメカニズム
ワキガのにおいは、「アポクリン汗腺からの分泌物」と「皮膚常在菌」の相互作用によって生じます。
- アポクリン汗腺から脂肪酸などを含む汗が分泌される
- 皮膚表面のブドウ球菌などの細菌が汗の成分を分解
- 「3メチル2へキセノイン酸」という物質が生成
- ワキガ特有のにおいが発生
また、アポクリン汗腺からの分泌物には「リポフスチン」という色素成分も含まれているため、ワキガ体質の方は衣服の脇部分が黄色く染まりやすいという特徴もあります。
🧬遺伝的要因と発症時期
- 日本人:約10%がワキガ体質
- 欧米:70〜100%がワキガ体質
日本人は世界的に見ると体臭の少ない人種のため、におい対する関心が高い傾向にあります。
発症時期の特徴
- 通常は思春期(第二次性徴期)に発症
- 女性:初潮の頃
- 男性:18歳前後
- 20代前半でピーク
- 加齢とともに症状が軽減する傾向
Q. ワキガのにおいはなぜ発生するのか?
ワキガのにおいは、アポクリン汗腺から分泌された脂肪酸などを含む汗が、皮膚表面のブドウ球菌などの常在菌によって分解されることで発生します。この過程で「3メチル2ヘキセノイン酸」という物質が生成され、ワキガ特有の強いにおいとなります。
📺ホンマでっかTVで話題のワキガを治す方法
明石家さんまさんが司会を務めるフジテレビの人気番組「ホンマでっかTV」では、過去にワキガや体臭に関する特集が放送され、話題となりました。番組内で紹介された対策法について、医学的な観点も交えながら解説します。
🐟鮭に含まれるアスタキサンチンの効果
ホンマでっかTVで紹介された対策法のひとつが、鮭を食べることです。鮭に含まれる「アスタキサンチン」という成分がにおい対策に効果的であるとされています。
アスタキサンチンの特徴
- 強力な抗酸化作用を持つカロテノイドの一種
- 鮭やエビ、カニなどの赤い色素成分
- 汗や皮脂の酸化を抑制
- 体臭の軽減につながる可能性
特に紅鮭にはアスタキサンチンが豊富に含まれているため、日常的に食事に取り入れることで、体の内側からのにおい対策が期待できます。
🍶酢に含まれるクエン酸の効果
もうひとつホンマでっかTVで紹介されたのが、酢を摂取する方法です。酢に含まれる「クエン酸」がワキガ臭の軽減に効果的であるとされています。
クエン酸の効果
- アンモニア臭を分解する作用
- クエン酸サイクルの促進
- 体内でのエネルギー産生をスムーズにする
- においの原因となる乳酸の発生を抑制
摂取方法
- 1日大さじ1杯の酢を飲む
- 黒酢やリンゴ酢など飲みやすいタイプを選択
- 胃腸の弱い方は薄めるか食後に摂取
⚠️効果の限界と正しい理解
ただし、ホンマでっかTVで紹介された方法は、あくまでもワキガ臭の「軽減」や「対策」であり、「根本的な治療」ではないことを理解しておく必要があります。
症状が中等度以上の場合は、これらの方法だけでは十分な改善が得られないことがあります。根本的にワキガを治したい場合は、医療機関での専門的な治療を検討することをお勧めします。
Q. ホンマでっかTVで紹介されたワキガ対策の効果は?
ホンマでっかTVでは、鮭に含まれる抗酸化成分「アスタキサンチン」と、酢に含まれる「クエン酸」がワキガ臭の軽減に効果的と紹介されました。ただしこれらはにおいを和らげる補助的な対策であり、アポクリン汗腺そのものを治療する根本的な方法ではありません。
✅自分でできるワキガ診断とセルフケア
「自分はワキガかもしれない」と気になっている方は、まずセルフチェックを行ってみましょう。以下のポイントを確認することで、ワキガ体質かどうかをある程度判断することができます。
詳しいセルフチェック方法については、ワキガのセルフチェック方法|自分でできる7つの確認ポイントを医師が解説の記事もご参照ください。
👂耳垢の状態を確認する
ワキガと最も関連が深いセルフチェック項目が「耳垢の状態」です。
耳垢のタイプ
- 乾性耳垢:乾いてカサカサ
- 湿性耳垢:湿ってベタベタ
耳の中にはアポクリン汗腺が存在しており、湿性耳垢の方はアポクリン汗腺が発達している傾向があります。研究によると、耳垢が湿っている人の約80%がワキガ体質であるという報告があります。
ただし、耳垢が湿っていても約20%の方はワキガではないため、絶対的な判断基準ではありません。
🧬家族にワキガの人がいるか確認する
ワキガは遺伝的要因が強く、優性遺伝の形式をとります。
遺伝の確率
- 両親のどちらかがワキガ:約50%以上
- 両親ともにワキガ:約75%以上
祖父母からの隔世遺伝もあるため、両親がワキガでなくても、家系にワキガの人がいる場合は注意が必要です。ワキガの遺伝について詳しくは、ワキガの原因は遺伝?親から子へ受け継がれる仕組みと対策を医師が解説をご覧ください。
👕衣服の黄ばみと発汗量を確認する
ワキガ体質の方は、白い衣服や下着の脇部分が黄色く染まりやすい傾向があります。これは、アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる「リポフスチン」という色素成分によるものです。
黄ばみの特徴
- 境界線がはっきりしている
- 色が濃い
- 通常の汗じみとは異なる
白いTシャツやブラウスを着た後に、脇部分の黄ばみが顕著な場合は、ワキガの可能性があります。
🧪日常でできる対策とケア方法
ワキガの根本的な治療は医療機関で受けることになりますが、日常生活での対策によってにおいを軽減させることも可能です。まずは自分でできる対策から始めてみましょう。
清潔管理のポイント
- 朝晩のシャワー
- 日中も汗をかいたらこまめに拭き取る
- 汗拭きシートやアルコール綿を活用
- 薬用石鹸や殺菌成分配合のボディソープを使用
- 適度な洗浄を心がける(洗いすぎは逆効果)
Q. ワキガかどうか自分で確認する方法は?
ワキガのセルフチェックには、耳垢の状態確認が有効です。耳の中にもアポクリン汗腺が存在するため、湿性耳垢(ベタベタタイプ)の方の約80%がワキガ体質とされています。また、白い衣服の脇部分が黄色く染まりやすい場合も、アポクリン汗腺由来の色素成分「リポフスチン」が原因と考えられます。
🏥医療機関での本格的なワキガ治療
日常生活での対策だけでは症状が改善しない場合や、根本的にワキガを治したい場合は、医療機関での治療を検討しましょう。現在、さまざまな治療法が確立されており、症状の程度や希望に応じて選択することができます。
💊外用薬とボトックス注射
軽度のワキガに対しては、外用薬による治療が行われることがあります。
主な外用薬
- 10〜20%塩化アルミニウム液
– 汗腺の入り口を塞いで発汗を抑制
– 就寝前に塗布、翌朝洗い流す - 抗菌作用のある外用薬
– においの原因となる細菌の繁殖を抑制
ボトックス注射は、ボツリヌストキシン製剤を脇の下に注入し、汗腺の活動を抑制する治療法です。主にエクリン汗腺からの発汗を抑制するため、多汗症により効果的ですが、汗が減ることで結果的ににおいも軽減されます。
✂️手術による根本的治療
剪除法(せんじょほう)は、ワキガ治療において最も確実な効果が期待できる手術法です。
剪除法のメリット
- 高い効果が期待できる
- 一度の治療でにおいがほとんど気にならなくなることが多い
- 医師が腋臭症と診断した場合、保険適用
- 3割負担で両脇約5万円程度
剪除法のデメリット
- 術後2〜3週間程度、脇を安静にする必要
- 傷跡が残る
- ダウンタイムが長い
🔄吸引法・シェーバー法について
吸引法やシェーバー法は、脇の下に小さな穴を開け、カニューレ(細い管)を挿入して汗腺を吸引・除去する方法です。剪除法に比べて傷跡が小さく、ダウンタイムが短いのがメリットですが、医師が直接目視で確認しながら除去する剪除法と比べると、汗腺の除去率がやや劣る場合があります。
Q. ミラドライ治療の効果と費用はどのくらいか?
ミラドライはマイクロ波で汗腺を破壊する治療法で、FDA・厚生労働省の承認を取得しています。破壊された汗腺は再生しないため効果は半永久的に持続し、施術当日からシャワーも可能です。費用は自費診療となり相場は20〜50万円程度で、アイシークリニックでは症状に合わせた治療プランを提案しています。
⚡最新のミラドライ治療について
近年、切らずにワキガ・多汗症を治療できる「ミラドライ」が注目を集めています。ミラドライはマイクロ波を利用して汗腺を破壊する治療法で、手術に抵抗がある方や、ダウンタイムを短くしたい方に適した選択肢です。
🌊ミラドライの治療原理
ミラドライは、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を得た医療機器で、日本でも厚生労働省の薬事承認を取得しています。
治療メカニズム
- 専用ハンドピースからマイクロ波(電磁波)を照射
- 水分を多く含む汗腺がマイクロ波を吸収
- 熱エネルギーに変換
- アポクリン汗腺とエクリン汗腺の両方を破壊
マイクロ波は汗腺が集中している皮下2〜3mmの層をターゲットにしており、皮膚表面はハンドピースの冷却機能によって保護されます。
✨ミラドライのメリットと効果
主なメリット
- 皮膚を切開しない:傷跡が残らない
- ダウンタイムが短い:施術当日から日常生活可能
- シャワー:当日から可能
- 効果の持続性:半永久的
- 同時治療:ワキガと多汗症を同時に治療可能
一度の治療で破壊された汗腺は再生しないため、効果は半永久的に持続します。研究によると、治療後1年経過しても約80%以上の発汗減少が維持されていたという報告があります。
ミラドライの詳しい効果や仕組みについては、ミラドライの仕組みと原理を医師が解説|マイクロ波でわきが・多汗症を治療の記事もご参照ください。
⚠️ミラドライの注意点と費用
費用について
- 保険適用外の治療
- 費用相場:20〜50万円程度
その他の注意点
- 治療効果は施術を行う医師の技術力によって差が出る場合がある
- 成長期の方:施術後に体の成長とともに汗腺も発達し、症状が再び現れる可能性
- 当クリニックでは成人(18歳以上)の方への施術を推奨
アイシークリニックでは、ミラドライの症例実績が豊富な医師が施術を担当し、患者様一人ひとりの症状に合わせた最適な治療プランをご提案しています。

❓よくある質問
ワキガが完全に自然治癒することは基本的にありません。ただし、加齢とともにホルモンバランスが変化し、アポクリン汗腺の活動が低下することで、症状が軽減することはあります。また、食生活の改善や生活習慣の見直しによって、においが軽くなったと感じる方もいます。しかし、根本的にワキガを治すためには、医療機関での治療が必要です。
ワキガと多汗症は原因となる汗腺が異なります。ワキガはアポクリン汗腺から分泌される汗が細菌に分解されることで特有のにおいが発生する状態です。一方、多汗症はエクリン汗腺からの発汗が過剰な状態で、汗自体にはほとんどにおいがありません。両方を併発している方もいますが、症状や治療法が異なるため、正確な診断を受けることが大切です。
ワキガ治療の保険適用は、治療法によって異なります。医師が腋臭症と診断した場合、剪除法(皮弁法)による手術は保険適用となり、3割負担で両脇約5万円程度で受けることができます。一方、ミラドライやボトックス注射は原則として保険適用外(自費診療)となります。ただし、重度の原発性腋窩多汗症に対するボトックス注射は保険適用となる場合があります。
ミラドライで破壊された汗腺は再生しないため、効果は半永久的に持続します。一度の施術で約70〜80%の汗腺が破壊されるとされており、多くの方が長期間にわたって効果を実感されています。ただし、施術後に一時的に症状が戻ったように感じることがありますが、これは再発ではなく、残った汗腺が一時的に活発化するためです。最終的な効果は施術後約6ヶ月程度で安定します。
ワキガは思春期に発症することが多く、小学校高学年〜中学生頃から症状が現れ始める方もいます。ただし、成長期に手術やミラドライで汗腺を除去しても、体の成長とともに新たな汗腺が発達し、症状が再発する可能性があります。そのため、成長が落ち着く18歳以降に治療を受けることをお勧めしています。それまでは、制汗剤の使用や生活習慣の改善で対処し、ボトックス注射などの一時的な治療を選択することもできます。
ホンマでっかTVで紹介された鮭や酢を摂取する方法は、ワキガ臭の「軽減」には効果が期待できますが、根本的な「治療」にはなりません。アポクリン汗腺の数や活動性は遺伝的に決まっているため、食生活の改善だけでワキガを完治させることは難しいです。症状が軽度の方や、日常的なケアと併用することでにおいを軽減させる補助的な方法としてお考えください。中等度以上の症状がある方は、医療機関での治療を検討することをお勧めします。
📝まとめ
ワキガ(腋臭症)は、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚常在菌によって分解されることで発生する特有のにおいです。遺伝的要因が大きく、日本人の約10%がワキガ体質であるとされています。
ホンマでっかTVで紹介されたように、鮭に含まれるアスタキサンチンや酢に含まれるクエン酸の摂取は、においの軽減に一定の効果が期待できます。しかし、これらはあくまでも補助的な対策であり、根本的にワキガを治すためには医療機関での治療が必要です。
セルフチェックで以下の項目を確認し、ワキガの可能性がある場合は専門医を受診しましょう:
- 耳垢の状態
- 遺伝歴
- 衣服の黄ばみ
- 脇毛の量と発汗量
- ガーゼテスト
治療法には以下のような選択肢があり、症状の程度や希望に応じて最適な方法を選ぶことができます:
- 外用薬
- ボトックス注射
- 剪除法
- ミラドライ
特にミラドライは、切らずに半永久的な効果が期待できる最新の治療法として注目されています。
ワキガでお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ専門医にご相談ください。適切な治療によって、においを気にせず快適な毎日を過ごすことができるようになります。
アイシークリニック池袋院では、ミラドライをはじめとするワキガ・多汗症治療を行っております。経験豊富な医師が患者様一人ひとりの症状に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮膚疾患に関する診療ガイドライン
- 日本形成外科学会 – 腋臭症の診断と治療
- 厚生労働省 – 医療機器の承認情報
- FDA(アメリカ食品医薬品局) – ミラドライの承認情報
- 日本腋臭症学会 – 腋臭症の診断基準と治療指針
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
ワキガは遺伝的要因が強い疾患ですが、遺伝だけで発症が決まるわけではありません。生活習慣やホルモンバランスなども影響するため、遺伝的にワキガ体質でも症状が軽い方もいれば、その逆もあります。まずは正確なセルフチェックを行い、気になる症状がある場合は専門医にご相談いただくことをお勧めします。