近年、美容・健康の分野で「飲む日焼け止め」という言葉を耳にする機会が増えました。塗るタイプの日焼け止めとは異なるアプローチで紫外線対策ができるとして注目を集めていますが、「本当に効果があるの?」「どんな仕組みで働くの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、飲む日焼け止めの効果や仕組み、塗る日焼け止めとの違い、適切な使い方、注意点まで、医療的な観点から丁寧に解説します。紫外線対策を強化したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 飲む日焼け止めとは?
- 飲む日焼け止めの主な成分と仕組み
- 飲む日焼け止めで期待できる効果
- 飲む日焼け止めと塗る日焼け止めの違い
- 飲む日焼け止めの正しい使い方・飲み方
- 飲む日焼け止めの種類と選び方
- 飲む日焼け止めを使う際の注意点
- 飲む日焼け止めに向いている人・向いていない人
- 紫外線対策はトータルケアが重要
- まとめ

🎯 飲む日焼け止めとは?
飲む日焼け止めとは、紫外線から肌を守ることを目的として口から摂取するサプリメントや医薬品の総称です。英語では「oral sunscreen(オーラルサンスクリーン)」とも呼ばれ、欧米を中心にじわじわと普及してきました。日本でも近年その存在が認知されるようになり、市販のサプリメントからクリニックで処方・販売されるものまで、さまざまな製品が流通しています。
従来の日焼け止めといえば、肌に直接塗るクリームやスプレータイプが主流でした。しかし「塗り直しが面倒」「日焼け止めのべたつきが苦手」「背中など自分では塗りにくい部位がある」「水や汗で落ちてしまう」といった悩みを抱える方は少なくありません。そうした背景から、内側から紫外線対策ができるとされる飲む日焼け止めが注目されるようになりました。
ただし、飲む日焼け止めが実際にどのような仕組みで働き、どの程度の効果があるのかについては、まだ科学的に完全に解明されているわけではありません。製品によって含まれる成分や期待できる効果が異なるため、正しい知識を持って選ぶことが大切です。
📋 飲む日焼け止めの主な成分と仕組み
飲む日焼け止めには、さまざまな成分が含まれています。製品によって配合される成分は異なりますが、代表的なものをいくつかご紹介します。
🦠 ポリポジウム・ロイコトモス(PL)エキス
飲む日焼け止めの成分として最も研究されているもののひとつが、ポリポジウム・ロイコトモス(Polypodium leucotomos)という南米産のシダ植物から抽出されたエキスです。このエキスは強力な抗酸化作用を持ち、紫外線によって発生する活性酸素を中和する働きがあるとされています。
具体的には、紫外線によるDNAへのダメージを軽減したり、炎症性サイトカインの産生を抑制したりする作用が報告されています。また、紫外線によるランゲルハンス細胞(免疫細胞)の減少を抑えることで、免疫機能を維持する効果も示唆されています。欧州では医薬品グレードの製品が存在し、皮膚科の分野でも研究が進んでいます。
👴 フェルラ酸
フェルラ酸は植物の細胞壁に含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ちます。紫外線照射によって生じる酸化ストレスを軽減し、肌細胞へのダメージを緩和する働きが期待されています。また、メラニン生成に関わるチロシナーゼ酵素の活性を抑制する可能性も指摘されており、美白効果との関連も研究されています。
🔸 リコピン・カロテノイド類
トマトに豊富に含まれるリコピンや、にんじんなどに含まれるβカロテンといったカロテノイド類も、飲む日焼け止めの成分として注目されています。これらは体内で強力な抗酸化物質として働き、紫外線によって皮膚に生じる酸化ダメージを軽減することが期待されています。特にリコピンはSPFにはほど遠いものの、紫外線による肌の赤みを軽減する効果が一部の研究で示されています。
💧 ビタミンC・ビタミンE
ビタミンCとビタミンEは、代表的な抗酸化ビタミンです。ビタミンCはコラーゲンの合成を助けるとともに、メラニン色素の生成を抑制する働きが知られています。ビタミンEは脂溶性の抗酸化物質として、細胞膜の酸化を防ぐ役割を担います。これら二つの栄養素が組み合わさることで、相乗的な抗酸化効果が生まれるとされています。多くの飲む日焼け止め製品にこれらのビタミンが配合されているのはそのためです。
✨ ニコチンアミド(ビタミンB3)
ニコチンアミドは、紫外線によって損傷を受けたDNAの修復を助ける働きがあることが明らかになっています。また、免疫抑制を防ぐ効果や、皮膚がんリスクを低下させる可能性が研究されており、オーストラリアでは皮膚がんのリスクが高い人に対してニコチンアミドの内服が推奨されることもあります。
📌 その他の成分
上記のほかにも、エラグ酸、レスベラトロール、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、グルタチオン、プロアントシアニジンなど、さまざまな抗酸化成分が飲む日焼け止め製品に使用されています。これらの成分はいずれも、紫外線によって発生する活性酸素を中和し、肌細胞へのダメージを軽減することを主な目的としています。
💊 飲む日焼け止めで期待できる効果
飲む日焼け止めに期待できる効果は、製品に含まれる成分によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
▶️ 紫外線による酸化ダメージの軽減
飲む日焼け止めの中心的な効果は、紫外線照射によって肌に生じる酸化ストレスを内側から軽減することです。紫外線を浴びると皮膚内で大量の活性酸素が発生し、これが細胞膜やDNA、タンパク質を傷つけます。飲む日焼け止めに含まれる抗酸化成分は、この活性酸素を消去する働きを持ち、肌細胞へのダメージを和らげます。
🔹 日焼けによる赤みや炎症の軽減
いくつかの研究では、ポリポジウム・ロイコトモスエキスなどの成分を摂取することで、紫外線照射後の皮膚の紅斑(赤み)が軽減されることが示されています。これは炎症性サイトカインの産生抑制や、免疫細胞の保護などのメカニズムによるものと考えられています。ただし、この効果は塗る日焼け止めが示す物理的な紫外線ブロック効果とは全く異なる性質のものです。
📍 肌の光老化の予防
紫外線は、しわ、たるみ、くすみ、シミなどの「光老化」と呼ばれる肌の老化現象を引き起こす主要な原因のひとつです。飲む日焼け止めに含まれる抗酸化成分は、こうした光老化を引き起こすメカニズムに作用することで、肌の若々しさを保つ助けになる可能性があります。美容目的での使用が広がっているのはこうした理由からです。
💫 シミ・色素沈着の予防と改善
紫外線によるメラニン生成の促進は、シミや肝斑などの色素沈着の原因となります。ビタミンCやフェルラ酸などの成分には、メラニン合成を抑制する酵素(チロシナーゼ)の働きを阻害する作用があるとされており、シミの予防や改善に役立つ可能性があります。ただし、既に形成されたシミの改善には、医療的な治療が必要な場合も多いです。
🦠 塗り残しのカバー
塗る日焼け止めは、どれだけ丁寧に塗っても完全に均一に塗布することは難しく、塗り残しや塗りムラが生じることがあります。飲む日焼け止めを併用することで、塗り残した部分や背中など自分では塗りにくい部位を内側からサポートすることが期待できます。
👴 免疫機能の保護
紫外線は皮膚の免疫機能を低下させることが知られています。特にランゲルハンス細胞と呼ばれる皮膚の免疫細胞は紫外線に非常に敏感で、紫外線を浴びることで数が減少してしまいます。ポリポジウム・ロイコトモスエキスなどの成分には、このランゲルハンス細胞を保護する効果が研究で示されており、皮膚の免疫機能の維持に寄与する可能性があります。
🏥 飲む日焼け止めと塗る日焼け止めの違い
飲む日焼け止めと塗る日焼け止めは、紫外線対策という目的は同じですが、その仕組みや特性は大きく異なります。それぞれの特徴を正しく理解することが、上手に組み合わせて使うために重要です。
🔸 塗る日焼け止めの仕組み
塗る日焼け止めは、肌の表面に紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を塗布することで、物理的・化学的に紫外線が肌に届くのを防ぎます。SPFやPA値という指標があり、製品によって紫外線を遮断する力を数値で確認することができます。適切に使用した場合、紫外線を直接的にブロックする効果が高く、その有効性は科学的にも十分に証明されています。ただし、塗り直しが必要であること、汗や水で落ちること、べたつきや塗りムラが生じることなどがデメリットとして挙げられます。
💧 飲む日焼け止めの仕組み
一方、飲む日焼け止めは塗る日焼け止めのように物理的に紫外線をブロックするものではありません。体内に吸収された抗酸化成分が血流を通じて全身の皮膚に届き、紫外線によって生じる酸化ストレスや炎症反応を軽減することで肌を守るという、間接的な保護機能を持ちます。SPFのような具体的な数値で効果を示すことが難しく、「どの程度紫外線をカットできるか」という観点での比較はあまり意味をなしません。
✨ 飲む日焼け止めは塗る日焼け止めの代替にはならない
非常に重要な点として、飲む日焼け止めは塗る日焼け止めの代替品ではありません。アメリカFDA(食品医薬品局)も、飲む日焼け止めだけで紫外線から肌を守ることはできないと明言しており、あくまでも補助的なケアとして位置付けられています。飲む日焼け止めを使用する場合も、塗る日焼け止めとの併用は必須と考えてください。
⚠️ 飲む日焼け止めの正しい使い方・飲み方
飲む日焼け止めを効果的に活用するためには、正しい使い方を理解しておくことが大切です。製品によって異なる部分もありますが、一般的な使い方についてご説明します。
📌 外出の前に飲む
飲む日焼け止めは、外出する前に飲むことが基本です。成分が消化吸収されて血流を通じて皮膚に届くまでに時間がかかるため、外出の30〜60分前を目安に飲むことが推奨されています。ただし、製品によって推奨される摂取タイミングが異なるため、必ず各製品の説明書や医師の指示に従ってください。
▶️ 用量を守って継続的に摂取する
飲む日焼け止めは、1回飲めばすぐに大きな効果が現れるというものではなく、継続的に摂取することで抗酸化成分が体内に蓄積され、徐々に効果が現れてくるとされています。1日あたりの推奨摂取量を守り、紫外線が強い季節や活動が多い期間は特に継続して取り入れることが大切です。過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性もあるため、定められた用量を必ず守ってください。
🔹 塗る日焼け止めと必ず併用する
繰り返しになりますが、飲む日焼け止めはあくまでも補助的なケアです。SPFの高い塗る日焼け止めとの併用を前提として使用してください。さらに、日傘や帽子、UVカット素材の衣類など、物理的な遮光対策も組み合わせることで、より効果的な紫外線対策が可能です。
📍 食事と一緒に摂取する
脂溶性の成分(ビタミンEやカロテノイド類など)が含まれる製品の場合、食事と一緒に摂取することで吸収率が高まることがあります。水溶性成分が中心の製品でも、食後に摂取することで胃への刺激を軽減できる場合があります。製品の指示に従って、適切なタイミングで摂取するようにしましょう。
🔍 飲む日焼け止めの種類と選び方
飲む日焼け止めにはさまざまな種類があり、入手経路や成分によって大きく分類できます。自分に合った製品を選ぶためのポイントについてご説明します。
💫 市販のサプリメント
ドラッグストアや通販サイトで購入できる市販の飲む日焼け止めサプリメントは、最も手軽に入手できるタイプです。さまざまなメーカーからさまざまな成分を配合した製品が販売されています。価格帯も幅広く、比較的入手しやすいのが特徴ですが、製品の品質や成分の含有量にばらつきがあるため、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが大切です。また、サプリメントは薬機法上、効果・効能を謳うことが制限されているため、成分と含有量を確認して選ぶようにしましょう。
🦠 クリニック・医療機関で提供される製品
美容皮膚科やクリニックでは、医療グレードの飲む日焼け止め(サプリメント)を販売していることがあります。市販品と比べて成分の含有量が高く、品質管理が厳格な製品が多い傾向があります。また、医師や専門家のカウンセリングのもとで自分の肌状態や目的に合った製品を選んでもらえるという安心感もあります。副作用のリスクがある場合のフォローアップも受けやすいため、初めて飲む日焼け止めを試す場合はクリニックでの相談をおすすめします。
👴 選ぶ際のポイント
飲む日焼け止めを選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。まず、含まれている成分と含有量を確認することが重要です。特に、科学的なエビデンスが比較的多いポリポジウム・ロイコトモスエキスやニコチンアミドなどの成分に注目するといいでしょう。次に、添加物や アレルゲンとなりうる成分が含まれていないかも確認が必要です。さらに、第三者機関による品質認証を受けているか、製造者が信頼できるかという点も判断基準になります。値段が極端に安い製品は成分の含有量が少なかったり、品質管理が不十分だったりする可能性があるため注意が必要です。
📝 飲む日焼け止めを使う際の注意点
飲む日焼け止めは手軽に始められる紫外線対策のひとつですが、使用に際していくつかの注意点があります。

🔸 飲む日焼け止め単独での紫外線対策には限界がある
最も重要な注意点として、飲む日焼け止めのみで紫外線対策を完結させることはできません。前述のとおり、飲む日焼け止めは紫外線そのものをブロックするのではなく、紫外線によるダメージを軽減する補助的な役割を担うものです。強い紫外線を浴びる環境に置かれた場合、飲む日焼け止めだけでは皮膚の保護として不十分であり、日焼けや肌ダメージが生じる可能性があります。必ずSPFの高い塗る日焼け止めや物理的な遮光対策と組み合わせて使用してください。
💧 アレルギーや副作用のリスク
飲む日焼け止めに含まれる成分によっては、アレルギー反応が生じる場合があります。例えば植物由来の成分が多く含まれる製品では、特定の植物アレルギーを持つ方が反応を示すことがあります。また、ビタミンA(レチノール)を含む製品では、過剰摂取による頭痛、吐き気、肝臓への負担などが生じる可能性があります。初めて試す際は少量から始め、体調の変化に注意することが大切です。異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、医師に相談してください。
✨ 薬との相互作用
他の薬を服用している場合、飲む日焼け止めに含まれる成分が薬の効果に影響を与えることがあります。例えば、ビタミンEは血液をさらさらにする抗凝固薬(ワーファリンなど)の効果を増強する可能性があります。また、ニコチンアミドも一部の薬と相互作用することがあります。現在何らかの薬を服用中の方は、飲む日焼け止めを始める前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
📌 妊娠中・授乳中の使用
妊娠中や授乳中の方は、飲む日焼け止めを使用する前に必ず産婦人科医や医師に相談してください。胎児や乳児への影響が十分に研究されていない成分が多く含まれている場合があり、安全性が確認できないものは避けるべきです。
▶️ 効果の過信は禁物
飲む日焼け止めの広告や宣伝には、その効果が実際よりも大きく見えるような表現が使われることがあります。科学的なエビデンスが限られている部分も多く、全ての人に同じ効果が現れるとは限りません。特定の成分の研究結果が示されている場合でも、それが製品全体の効果を保証するものではないことを念頭に置いておくことが大切です。
🔹 子どもへの使用
子どもに対して飲む日焼け止めを使用する場合は、小児科医に相談することを強くおすすめします。子どもの消化器官や免疫システムは成人とは異なり、サプリメントの影響が予期せぬかたちで現れる可能性があります。子どもの紫外線対策としては、塗る日焼け止めと物理的な遮光対策を優先するのが安全です。
💡 飲む日焼け止めに向いている人・向いていない人
飲む日焼け止めが特に活躍する場面や、向いている方の特徴についてご説明します。
📍 飲む日焼け止めが向いている人
塗る日焼け止めとの併用を前提として、以下のような方に飲む日焼け止めは特に役立つと考えられます。まず、塗り直しが難しい状況にある方(スポーツや海水浴など長時間屋外で過ごす機会が多い方)には、塗る日焼け止めを補完する意味で有用です。また、背中など自分では塗りにくい部位が気になる方にも、内側からのケアは有益かもしれません。肌が敏感で塗る日焼け止めが刺激になる方は、体にかかる物理的な刺激を減らす意味で飲む日焼け止めを活用できます。さらに、日焼けによる肌の赤みや炎症が起きやすい方や、シミや光老化を積極的に予防したいと考えている美容意識の高い方にも、抗酸化成分の摂取は意義があるといえます。
💫 飲む日焼け止めの使用を慎重に検討すべき人
一方で、以下に当てはまる方は飲む日焼け止めの使用前に医師への相談が必要です。妊娠中・授乳中の方、子ども、何らかの薬を服用中の方、植物アレルギーをお持ちの方、肝臓や腎臓に疾患のある方などが該当します。また、飲む日焼け止めを使ったからといって塗る日焼け止めを省いてしまう方や、飲む日焼け止めを万能な日焼け対策と誤解している方は、むしろ紫外線対策が不十分になってしまうリスクがあるため注意が必要です。
✨ 紫外線対策はトータルケアが重要
飲む日焼け止めは、紫外線対策の選択肢のひとつとして活用できる補助的なツールですが、それ単独では不十分です。効果的な紫外線対策のためには、複数の方法を組み合わせたトータルケアが欠かせません。
🦠 塗る日焼け止めの適切な使用
紫外線対策の基本はやはり塗る日焼け止めです。SPF30以上、PA++以上の製品を選び、外出の15〜30分前に顔・首・手の甲など露出する部位に丁寧に塗布します。汗をかいた後や水に濡れた後は、2〜3時間ごとに塗り直すことが重要です。日常使いにはSPF30前後、強い日差しや長時間の外出にはSPF50以上の製品を使い分けるとよいでしょう。
👴 物理的な遮光対策
日傘、帽子、UVカット加工の衣類、サングラスなどを活用することで、日焼け止めでカバーできない部分の紫外線を効果的に防ぐことができます。特に紫外線が強い夏の時期や、標高の高い場所では、物理的な遮光対策が特に重要です。日中の最も紫外線が強い時間帯(10時〜14時ごろ)はなるべく直射日光を避けることも効果的です。
🔸 アフターサンケア
どれだけ対策をしていても、日焼けしてしまうことはあります。日焼け後は十分に保湿を行い、炎症を落ち着かせることが大切です。アフターサンローションや保湿剤を使い、バリア機能を回復させましょう。ビタミンCやグルタチオンなどを含む美容液やセラムを使うことで、メラニン生成を抑制する効果も期待できます。
💧 食事からの抗酸化成分摂取
飲む日焼け止めをサプリメントで摂取する方法のほかに、食事から抗酸化成分を積極的に取り入れることも有効です。トマト、にんじん、ブルーベリー、柑橘類、ナッツ類、緑黄色野菜など、抗酸化物質が豊富な食品を意識的に食事に取り入れることで、内側からの紫外線対策を強化することができます。
✨ 医療機関でのケア
すでにシミや肝斑、光老化による肌の変化が気になる方は、美容皮膚科などの医療機関で相談することをおすすめします。レーザー治療やケミカルピーリング、トーニング、美白内服薬(トラネキサム酸やビタミンCなど)など、医療的なアプローチによって効果的に改善できる場合があります。飲む日焼け止めはあくまでも予防的なケアとして位置づけ、すでに現れている肌の悩みには医療機関への相談も検討してみてください。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「最近の傾向として、「飲む日焼け止め」に興味をお持ちの患者様からのご相談が増えており、内側からのケアへの関心の高まりを実感しています。飲む日焼け止めに含まれるポリポジウム・ロイコトモスエキスやニコチンアミドなどの成分は抗酸化・抗炎症作用という観点から一定の意義がありますが、塗る日焼け止めのように紫外線を直接遮断するものではないため、あくまでも補助的なケアとして位置づけていただくことが大切です。当院では、患者様お一人おひとりの肌状態やライフスタイルに合わせて、飲む日焼け止めの適切な活用法から医療的なシミ・光老化ケアまで、トータルな観点でご提案しておりますので、紫外線対策にお悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
なりません。飲む日焼け止めは紫外線を物理的にブロックするものではなく、紫外線によって生じる酸化ストレスや炎症を内側から軽減する補助的なケアです。アメリカFDAも単独使用では不十分と明言しており、必ずSPFの高い塗る日焼け止めと併用してください。
外出の30〜60分前を目安に飲むことが推奨されています。成分が消化吸収されて血流を通じて皮膚に届くまでに時間がかかるためです。また、ビタミンEやカロテノイド類などの脂溶性成分を含む製品は、食事と一緒に摂取すると吸収率が高まる場合があります。製品ごとの指示を必ず確認してください。
代表的な成分として、南米産シダ植物由来のポリポジウム・ロイコトモスエキス、フェルラ酸、リコピンやβカロテンなどのカロテノイド類、ビタミンC・ビタミンE、ニコチンアミド(ビタミンB3)などが挙げられます。いずれも抗酸化作用を持ち、紫外線による肌細胞へのダメージ軽減が期待されています。
妊娠中・授乳中の方は、使用前に必ず産婦人科医や医師に相談してください。飲む日焼け止めに含まれる成分の中には、胎児や乳児への安全性が十分に確認されていないものがあります。当院でも妊娠中・授乳中の方へのご提案は、必ず医師による確認のうえで行っております。
選ぶ際は①科学的エビデンスのある成分(ポリポジウム・ロイコトモスエキスやニコチンアミドなど)と含有量の確認、②アレルゲンとなりうる成分の有無、③第三者機関による品質認証の有無、④信頼できるメーカーかどうかを確認することが重要です。当院では肌状態やライフスタイルに合わせた製品選びのご相談も承っております。
🎯 まとめ
飲む日焼け止めは、ポリポジウム・ロイコトモスエキスやビタミンC・E、フェルラ酸、ニコチンアミドなどの抗酸化成分を内側から摂取することで、紫外線によって生じる酸化ストレスや炎症反応を軽減することを目的としたサプリメントや医薬品の総称です。塗る日焼け止めのように紫外線を直接ブロックするものではなく、あくまでも補助的な役割を担うものですが、塗る日焼け止めや物理的な遮光対策との併用によって、より総合的な紫外線対策が実現できます。
飲む日焼け止めを選ぶ際は、含まれる成分や含有量、製品の信頼性を確認することが大切です。また、アレルギーや薬との相互作用、妊娠中・授乳中の方への影響など、使用上の注意点についても事前に把握しておきましょう。特に持病がある方や薬を服用中の方、妊娠中・授乳中の方は、必ず医師に相談してから使用するようにしてください。
紫外線対策は1年を通して行うことが理想的です。飲む日焼け止めを上手に活用しながら、塗る日焼け止め、物理的な遮光、食事からの抗酸化成分摂取、そして必要に応じて医療機関でのケアを組み合わせた、トータルな紫外線対策を実践していきましょう。アイシークリニック池袋院では、お肌の紫外線ダメージや光老化に関するお悩み、飲む日焼け止めを含むエイジングケアについてご相談を受け付けております。まずはお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 紫外線による皮膚への影響や日焼け止めの適切な使用方法、光老化・シミ・色素沈着のメカニズムに関する医学的根拠として参照
- PubMed – ポリポジウム・ロイコトモスエキスやニコチンアミド、カロテノイド類などの成分に関する臨床研究・科学的エビデンスの根拠として参照
- 厚生労働省 – 飲む日焼け止めを含む健康食品・サプリメントの安全性や薬機法上の規制、適切な使用に関する注意事項の根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務