2025年1月、人気クリエイターのしなこさんがSNSでワキガ手術を受けたことを公表し、大きな話題となりました。しなこさんは保険適用の剪除法という手術を受け、約5万円という費用で長年の悩みを解消したことを明かしています。
この勇気ある発信は、同じ悩みを抱える多くの方々に希望を与えました。ワキガ(腋臭症)は決して珍しい症状ではなく、日本人の約10%が該当するといわれています。
しかし、デリケートな問題であるがゆえに、誰にも相談できずに一人で悩んでいる方も少なくありません。本記事では、しなこさんが受けた保険適用のワキガ手術について、その仕組みや治療法、費用、術後の経過まで、専門医の視点から詳しく解説いたします。
ワキガでお悩みの方が、前向きに治療を検討できるよう、正確な医療情報をお届けします。

目次
- しなこワキガ手術から学ぶ!保険適用の剪除法の概要
- ワキガの基礎知識と原因
- 診断方法と手術の流れ
- 手術後の経過と注意点
- 治療法の比較と選択
- 成功のためのポイント
- まとめ
この記事のポイント
人気クリエイターしなこさんが2025年1月に公表した保険適用の剪除法によるワキガ手術は、約5万円で実施可能。医師が直接アポクリン汗腺を切除するこの手術は高い効果を持ち、術後約1か月で通常生活に復帰できる。
📢 しなこワキガ手術から学ぶ!保険適用の剪除法の概要
✨ しなこさんの勇気ある発信
2025年1月1日、原宿系動画クリエイターとして知られるしなこさんが、自身のInstagramストーリーズでワキガ手術を受けたことを報告しました。しなこさんはASMR動画やカラフルなお菓子作りの動画で人気を集め、SNSの総フォロワー数が340万人を超える人気クリエイターです。タピオカドリンク店「ベビタピトーキョー原宿」の店長を務めるなど、多方面で活躍しています。
💰 保険適用で約5万円の費用
しなこさんは投稿の中で、保険適用の手術を約5万円で受けられたことを明かしました。翌日は動きづらさがあったものの、思ったより痛みは少なく過ごせたと経過を伝えています。また、これまでコンプレックスとして様々な制汗剤を駆使したり、香水を欠かさずつけたりと努力してきたことも赤裸々に語りました。
🎵 手術を決意したきっかけ
手術を決意したきっかけについて、しなこさんは2024年の歌手デビューを挙げています。ライブで衣装を着る機会が増え、何度も着用する衣装の臭い管理に悩んでいたといいます。今後の活動で衣装を借りる機会が増えることを考え、誰にも迷惑をかけたくないという思いから手術を決断したそうです。
🌟 治療効果と社会への影響
手術から3か月後には「無臭になった」「自信を持ってノースリーブも着られるようになった」と喜びの報告もしており、治療の効果を実感している様子がうかがえます。
しなこさんのこの発信は、同じ悩みを持つ多くの方々に勇気を与えました。SNS上では以下のような声が多数寄せられています:
- 「勇気ある発信に感動した」
- 「同じ悩みを抱える自分の希望になった」
- 「手術を検討するきっかけになった」
Q. ワキガ手術に保険は適用されますか?費用はいくらですか?
ワキガ(腋臭症)は厚生労働省が認める疾患であり、医師の診断により保険適用で剪除法(皮弁法)を受けることができます。3割負担の場合、両脇で約4〜5万円が目安です。ただし症状が軽度の場合は保険適用外となることもあるため、まず専門医への相談が必要です。
🔍 ワキガの基礎知識と原因
📝 ワキガ(腋臭症)の定義
ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、腋窩(わきの下)から特有の強い臭いを発する状態を指します。運動後などに感じる一般的な汗臭さとは異なり、独特の刺激的な臭いが特徴です。厚生労働省においても疾患として認められており、医師の診断により保険適用で治療を受けることが可能です。
🧬 原因と発生メカニズム
人間の皮膚には汗を分泌する汗腺が2種類存在します。一つは「エクリン汗腺」で、もう一つが「アポクリン汗腺」です。この2つの汗腺は、分布する場所や分泌される汗の性質が大きく異なります。
エクリン汗腺は全身に分布しており、主に体温調節のために汗を分泌します。エクリン汗腺から分泌される汗は約99%が水分で構成されており、サラサラとした透明な汗です。この汗自体には臭いはほとんどありません。
一方、アポクリン汗腺は体の限られた部位にのみ存在します。アポクリン汗腺から分泌される汗は、タンパク質、脂質、糖質、アンモニア、鉄分などの成分を含んでおり、少し濁った乳白色で粘り気があるのが特徴です。
🔬 臭いが発生する仕組み
重要なのは、アポクリン汗腺から分泌される汗自体は無臭であるという点です。ワキガ特有の臭いは、この汗に含まれるタンパク質や脂質などの有機成分が、皮膚表面に存在する常在菌(主にブドウ球菌など)によって分解されることで発生します。
分解の過程で生成される「3メチル2へキセノイン酸」という物質が、ワキガ特有の臭いの原因となります。
🧬 遺伝的要因
ワキガ体質は遺伝的な要因が大きく関係しています。アポクリン汗腺の数や大きさは生まれたときからほぼ決まっており、両親から遺伝します。
遺伝の確率は以下のとおりです:
- 両親ともにワキガ体質:約80%
- 片親がワキガ体質:約50%
Q. ワキガ特有の臭いはどのように発生しますか?
ワキガの臭いはアポクリン汗腺から分泌される汗が原因です。この汗自体は無臭ですが、タンパク質・脂質などの有機成分が皮膚の常在菌(ブドウ球菌など)によって分解される過程で「3メチル2ヘキセノイン酸」が生成され、ワキガ特有の刺激的な臭いが発生します。
📋 診断方法と手術の流れ
🏥 医療機関での診断
医療機関でのワキガの診断は、問診と臭いの確認によって行われます。最も一般的な診断方法は「ガーゼテスト法」です。これは、脇の下にガーゼを約5分間挟み、その後医師がガーゼの臭いを確認して程度を判断する方法です。
✅ セルフチェック項目
ワキガ体質かどうかを自分でチェックするための目安となる項目があります。以下の項目に複数当てはまる場合は、ワキガ体質の可能性があります。
- 耳垢が湿っている
- 両親やきょうだいなど血縁者にワキガの方がいる
- 脇毛の量が多い
- 衣類の脇部分に黄色いシミができやすい
✂️ 剪除法(皮弁法)の手術手順
しなこさんが受けた「剪除法」は、保険適用が認められているワキガ治療の中で最も効果が高いとされる手術法です。手術は以下の手順で行われます:
- マーキング:脇の下の手術範囲をマーキング
- 局所麻酔:麻酔を注射
- 切開:脇のしわに沿って皮膚を切開(通常3~5cm程度)
- 皮膚剥離:切開部分から皮下組織を剥離し、皮膚を裏返す
- 汗腺除去:アポクリン汗腺を医師が直接目で確認しながら専用のハサミで切除
- 縫合・固定:皮膚を縫合し、ガーゼで圧迫固定
📅 術後の通院スケジュール
手術後は定期的な通院が必要です。一般的なスケジュールは以下のとおりです:
- 術翌日:ドレーンの抜去やガーゼ交換
- 術後1週間:圧迫固定の俵ガーゼを外し、部分的な抜糸
- 術後2週間:全抜糸、基本的な軟膏処置終了
- 術後6か月:最終フォローアップ
Q. 剪除法の手術後、日常生活や仕事にはいつ戻れますか?
剪除法後は術後1週間程度で圧迫固定が外れ、デスクワークであれば7日ほどで復帰可能です。接客業や体を動かす仕事は2週間以上の休暇が推奨されます。激しい運動や重いものを持つ動作は2週間以上控える必要があり、完全に通常の活動へ戻る目安は術後約1か月です。
⏰ 手術後の経過と注意点
📈 ダウンタイムと回復過程
剪除法は、一度剥離した皮膚を元の位置に再び生着させる手術であるため、術後のダウンタイムは比較的長くなります。しなこさんも報告しているように、術翌日は動きづらさを感じることがありますが、日を追うごとに楽になっていきます。
術後の回復スケジュール:
- 術後1週間程度:圧迫固定が外れ、動きの制限が軽減
- 術後2週間:抜糸完了、日常生活にほぼ支障がなくなる
- 術後1か月程度:完全に通常の活動に戻れる
⚠️ 術後の重要な注意事項
術後の回復を順調に進め、良好な結果を得るためには、いくつかの注意事項を守ることが重要です。
術後7日間の制限事項:
- 重いもの(1kg以上)を持たない
- 電車やバスのつり革を持たない
- 腕をついて立ち上がらない
- 激しい運動を避ける
💼 仕事復帰の目安
剪除法を受ける場合、ダウンタイムを考慮したスケジュール調整が必要です。
職種別の復帰目安:
- デスクワーク:術後7日程度から復帰可能
- 接客業・重労働:2週間以上の休暇が必要
- 体を動かす仕事:2週間以上の休暇が必要
Q. 剪除法以外にワキガの治療法はありますか?
剪除法以外の主な治療法として、ボトックス注射とミラドライがあります。ボトックス注射は傷跡が残らず約4〜9か月効果が持続しますが、臭いへの効果は限定的です。ミラドライはマイクロ波で汗腺を熱破壊する方法で傷跡が残りませんが、費用は30〜50万円程度と高額で保険適用外となります。
🩺 治療法の比較と選択
✂️ 剪除法の特徴
剪除法の最大のメリットは、治療効果の高さと確実性です。医師が直接目で確認しながらアポクリン汗腺を除去するため、約80~95%以上の汗腺を取り除くことが可能です。
主なメリット:
- 保険適用で大幅に費用を抑えられる
- 一度の手術で半永久的な効果が期待できる
- ワキガだけでなく多汗症の改善効果も期待できる
💉 その他の治療選択肢
ワキガの治療法は剪除法以外にもいくつかあります。症状の程度やライフスタイル、費用などを考慮して、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
ボトックス注射の特徴:
- 効果期間:約4~9か月持続
- 施術時間:10分程度
- 傷跡:残らない
- 効果:主に汗の量を抑制、臭いに対する効果は限定的
🌡️ ミラドライについて
ミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺を熱破壊する治療法です。皮膚を切開しないため傷跡が残らず、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。
ミラドライの特徴:
- 傷跡:残らない
- 効果:半永久的
- 費用:30~50万円程度(保険適用外)
- 効果の個人差:一度の施術で全汗腺の破壊は困難
🎯 成功のためのポイント
🏆 医療機関選びの重要性
ワキガ手術の結果は、医師の技術によって大きく左右されます。経験の少ない医師が施術すると、汗腺の取り残しによる効果不足や、傷跡が目立つといった問題が起こりやすくなります。
クリニック選びのチェックポイント:
- 症例数や実績の確認
- 形成外科専門医など資格を持つ医師の在籍
- カウンセリング時の丁寧な説明
- 治療方針やリスクについての詳細な説明
📚 リスクとデメリットの理解
手術を受ける前に、リスクやデメリットについて十分に理解しておくことが重要です。現実的な期待値を持っておくことで、術後の満足度が高まります。
理解しておくべき点:
- 傷跡が残ること
- ダウンタイムが長いこと
- 完全に臭いがゼロになるわけではないこと
- 手術に伴うリスクの存在
🔄 術後ケアの徹底
手術の効果を最大限に引き出し、合併症を防ぐためには、術後のケアが非常に重要です。医師から指示された安静期間を守り、固定を勝手に外したり、無理に腕を動かしたりしないようにしましょう。
🍎 生活習慣の見直し
手術後も、生活習慣の見直しによって臭いの再発を防ぐことができます。バランスの良い食事を心がけ、ストレス管理も重要です。
食生活の改善:
- 脂っこい食事や肉類の過剰摂取を控える
- 野菜中心のバランスの良い食事
- アルコールや喫煙を控える

はい、医師の診察によりワキガ(腋臭症)と診断された場合、剪除法(皮弁法)による手術は保険適用となります。3割負担の場合、両脇で約4~5万円程度の自己負担となります。ただし、症状が軽度の場合は保険適用とならない場合もありますので、まずは医師にご相談ください。
個人差はありますが、術後1週間程度で圧迫固定が外れ、軽い日常動作は可能になります。デスクワークであれば術後7日程度から復帰できることが多いです。ただし、激しい運動や重いものを持つ動作は2週間以上控える必要があります。完全に通常の活動に戻れるのは、術後約1か月が目安です。
手術は局所麻酔で行われるため、手術中の痛みはほとんどありません。術後は麻酔が切れると多少の痛みや違和感を感じることがありますが、処方される痛み止めで対処できる程度であることがほとんどです。しなこさんも「思ったより痛みは少なかった」と報告しています。
剪除法では脇のしわに沿って切開するため、傷跡は比較的目立ちにくくなるよう配慮されています。時間の経過とともに徐々に薄くなり、気にならなくなる方が多いです。ただし、傷跡が完全に消えることはなく、体質によっては色素沈着やケロイド状の傷跡が残る場合もあります。傷跡の仕上がりは医師の技術にも左右されます。
適切に手術が行われた場合、再発する可能性は低いです。ただし、アポクリン汗腺を100%完全に取り切ることは技術的に難しいため、残った汗腺から若干の臭いが出る場合があります。また、10代など思春期に手術を受けた場合、その後の二次性徴に伴って再発するリスクがあります。手術範囲が広い場合は、取り切れなかった部分から再発する可能性もあります。
一般的に、中学生くらい(12歳頃)から手術は可能とされています。ただし、思春期はアポクリン汗腺がまだ発達途中であるため、早い時期に手術を受けると成長に伴って再発するリスクがあります。体格や本人の意識、症状の程度などを総合的に判断して、適切な時期を医師と相談することをお勧めします。一般的には、成人に近づいてから手術を受けた方が、より確実な効果が期待できます。
しなこさんが手術を受けた病院名は公表されていません。しなこさんは保険適用の剪除法を約5万円で受けたことを明かしていますが、病院名については慎重な姿勢から伏せています。大切なのは、どの病院で受けたかよりも、しなこさんが保険適用の手術で症状を克服できたというポジティブなメッセージです。ワキガ手術を検討される方は、ご自身で信頼できる医療機関を選ぶことが大切です。
📝 まとめ
しなこさんの勇気ある発信は、多くの方にワキガ治療への希望を与えました。保険適用の剪除法により約5万円で長年の悩みを解決できたという事実は、同じ悩みを抱える方々にとって大変励みになるものです。
ワキガは医学的に認められた疾患であり、適切な診断のもとで保険適用の治療を受けることができます。剪除法は効果の高い治療法ですが、手術に伴うリスクやダウンタイムもあるため、十分な理解と準備が必要です。
重要なのは、実績のある医療機関で正確な診断を受け、自分に適した治療法を選択することです。しなこさんのように、手術により「無臭になった」「自信を持てるようになった」という結果を得ることは決して夢ではありません。
ワキガでお悩みの方は、一人で悩まず、まずは専門の医療機関にご相談ください。適切な治療により、より快適で自信に満ちた日常生活を送ることができるはずです。
📚 参考文献
- 厚生労働省 – 診療報酬制度について
- 日本皮膚科学会 – 皮膚疾患の診断・治療ガイドライン
- 日本形成外科学会 – 腋臭症の治療に関する指針
- 日本医科大学武蔵小杉病院 – ワキガ(腋臭症)の治療について
- 日本美容医療協会 – 美容医療の安全性に関する指針
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
ワキガ治療において重要なのは、正確な診断と患者さんのライフスタイルに適した治療法の選択です。しなこさんの勇気ある発信により、多くの方がワキガ治療に前向きになっているのは素晴らしいことです。保険適用の剪除法は効果が高く費用を抑えられる一方、術後のケアが重要です。患者さん一人ひとりの症状や希望を丁寧にお聞きし、最適な治療方針をご提案いたします。