肝臓を休める期間は何日必要?休肝日の効果と正しい肝臓ケアを医師が解説

肝臓を休めるには何日必要なのだろう」「休肝日は週に何回設ければよいのか」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、ダメージを受けても症状が出にくいため、気づいたときには深刻な状態になっていることも少なくありません。

本記事では、肝臓を休めるために必要な期間や休肝日の効果、肝臓の回復を促進する生活習慣について詳しく解説します。アルコールとの付き合い方を見直し、健康な肝臓を維持するためのポイントを確認していきましょう。

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目次

  1. 肝臓を休めるには何日必要?基本的な考え方
  2. 休肝日の効果と科学的根拠
  3. アルコールが肝臓に与える影響
  4. 肝臓の回復期間と個人差
  5. 肝臓を休めるための具体的な方法
  6. 肝臓の回復を促す食事と栄養素
  7. 肝臓に負担をかける習慣と避けるべきこと
  8. 肝臓の状態をチェックする方法
  9. 医療機関を受診すべきサイン
  10. よくある質問

この記事のポイント

肝臓を休めるには週2日以上の連続した休肝日が推奨される。脂肪肝は1〜3か月の禁酒で改善が期待でき、肝硬変は生涯禁酒が必要。食事・運動・睡眠の改善と定期的な肝機能検査も重要。

⏰ 肝臓を休めるには何日必要?基本的な考え方

肝臓を休めるために必要な期間は、現在の肝臓の状態や飲酒量、生活習慣によって大きく異なります。一般的に、健康な肝臓を維持するためには、週に2日以上の休肝日を設けることが推奨されています。これは厚生労働省が提唱する「健康日本21」でも示されている指針です。

📋 週2日以上の休肝日が基本

肝臓がアルコールを分解するには一定の時間が必要です。純アルコール20g(ビール中瓶1本、日本酒1合相当)を分解するのに約3〜4時間かかるとされています。毎日飲酒を続けると、肝臓が常にアルコール分解に追われ、他の重要な代謝機能が低下してしまいます。

そのため、以下の理由で休肝日が重要です:

  • 肝臓に休息を与える時間を確保
  • 本来の代謝機能を回復
  • 肝細胞の修復・再生を促進
  • アルコール以外の解毒機能を正常化

🔄 連続した休肝日の重要性

休肝日は連続して設けることがより効果的です。例えば、月曜日と木曜日に1日ずつ休肝日を設けるよりも、土曜日と日曜日に連続して休肝日を設ける方が、肝臓の回復効果が高いと考えられています。

これは、肝臓が十分な休息時間を確保できることで、細胞の修復や再生がより効率的に行われるためです。

⚕️ 肝臓ダメージからの回復期間

すでに肝臓にダメージがある場合は、より長期間の禁酒が必要になることがあります:

  • 軽度の脂肪肝:2週間〜1か月程度の禁酒で改善
  • アルコール性肝炎:数か月以上の禁酒が必要
  • 肝硬変:生涯にわたる禁酒が必要

肝臓の状態によっては、医師の指導のもとで適切な休肝期間を設定することが重要です。

Q. 肝臓を休めるには週に何日の休肝日が必要?

肝臓を休めるためには、週に2日以上の休肝日を設けることが推奨されています。厚生労働省の「健康日本21」でも同様の指針が示されています。さらに、休肝日は月曜と木曜のように分散させるより、土日のように連続して設けることで、肝細胞の修復・再生がより効率的に促進されます。

🔬 休肝日の効果と科学的根拠

休肝日を設けることには、科学的に証明された複数の健康効果があります。単に肝臓を休めるだけでなく、全身の健康状態の改善にもつながります。

💪 肝機能の回復効果

アルコールの分解を担う肝臓は、休肝日を設けることで本来の機能を回復させることができます。アルコールを分解する際に生成されるアセトアルデヒドは、肝細胞にダメージを与える有害物質です。

休肝日を設けることで、このアセトアルデヒドの産生が止まり、肝細胞の修復が促進されます。研究によると、週に2日以上の休肝日を設けている人は、毎日飲酒する人に比べて肝機能の数値が良好であることが示されています。

🫀 脂肪肝の予防と改善

アルコールの過剰摂取は脂肪肝の主要な原因の一つです。休肝日を定期的に設けることで、肝臓に蓄積した中性脂肪が代謝され、脂肪肝の予防や改善につながります。

実際に、休肝日を週2日以上設けている人は、脂肪肝の発症リスクが約30%低下するという報告もあります。

高桑康太 医師・当院治療責任者

休肝日は単なる「お酒を飲まない日」ではありません。肝臓が本来持つ代謝機能を回復させ、細胞レベルでの修復を促進する重要な治療期間と考えていただきたいです。特に連続した2日間の休肝日は、肝臓の再生能力を最大限に活かすことができるため、ぜひ実践していただきたいと思います。

⚠️ 肝硬変・肝がんリスクの低減

長期間にわたる過度の飲酒は、肝硬変や肝がんのリスクを高めます。休肝日を設けることは、これらの深刻な肝疾患の予防に効果的です。

肝臓は再生能力の高い臓器ですが、慢性的なダメージが続くと線維化が進行し、やがて肝硬変へと移行します。定期的な休肝日は、この悪循環を断ち切る重要な手段となります。

🌟 全身の健康への好影響

休肝日の効果は肝臓だけにとどまりません。以下のような全身への好影響があります:

  • 睡眠の質の向上
  • 血圧の安定
  • 体重管理の改善
  • 精神状態の改善
  • 免疫機能の向上

アルコールは睡眠の質を低下させることが知られており、休肝日を設けることで深い睡眠が得られやすくなります。

🍺 アルコールが肝臓に与える影響

肝臓を休める必要性を理解するために、アルコールが肝臓にどのような影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。アルコールは肝臓で代謝される過程で、さまざまな形で肝臓にダメージを与えます。

⚙️ アルコール代謝のメカニズム

摂取されたアルコールの約90%は肝臓で代謝されます。代謝過程は以下の通りです:

  1. アルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに分解
  2. アルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に変換
  3. 最終的に酢酸は水と二酸化炭素に分解されて体外に排出

この代謝過程で生成されるアセトアルデヒドは、二日酔いの原因となるだけでなく、肝細胞を直接傷害する毒性物質です。

🔴 アルコール性脂肪肝

アルコールを代謝する過程で、肝臓では以下の変化が起こります:

  • 脂肪の合成が促進される
  • 脂肪の分解が抑制される
  • 肝臓に中性脂肪が蓄積する

その結果、アルコール性脂肪肝が発症します。脂肪肝は初期段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断の血液検査で発見されることが多いです。

🔥 アルコール性肝炎

脂肪肝の状態で飲酒を続けると、アルコール性肝炎へと進行することがあります。症状には以下があります:

  • 肝細胞の炎症と壊死
  • 発熱
  • 腹痛
  • 黄疸

重症化すると生命に関わる場合もあり、早期の禁酒と治療が必要です。

⚫ アルコール性肝硬変

長期間にわたる過度の飲酒により、肝細胞の破壊と修復が繰り返されると、肝臓の線維化が進行します。線維化が進むと肝臓は硬くなり、正常な機能を果たせなくなります。

これがアルコール性肝硬変です。肝硬変まで進行すると、完全な回復は困難となり、肝がんの発症リスクも高まります。

Q. アルコールが肝臓に与えるダメージの仕組みは?

摂取したアルコールの約90%は肝臓で代謝されます。その過程でアセトアルデヒドという有害物質が生成され、肝細胞を直接傷害します。飲酒を続けると脂肪肝・アルコール性肝炎・肝硬変へと段階的に進行します。肝硬変まで至ると線維化が不可逆的となり、完全な回復は難しくなるため、早期の対処が重要です。

⏳ 肝臓の回復期間と個人差

肝臓の回復に必要な期間は、個人の状態によって大きく異なります。年齢、性別、遺伝的要因、飲酒歴、現在の肝臓の状態など、さまざまな要素が回復期間に影響を与えます。

✅ 健康な肝臓の場合

肝臓に特別な問題がない健康な人の場合、週2日の休肝日で十分な回復効果が期待できます。一晩の飲酒であれば、翌日から翌々日には肝臓は通常の状態に戻ります。

ただし、これは適量の飲酒を前提としており、大量飲酒の場合は回復により長い時間が必要です。

🟡 脂肪肝の場合

脂肪肝の回復期間は重症度により異なります:

  • 軽度〜中等度2週間〜1か月程度の禁酒で肝機能の数値が改善
  • 完全な回復:2〜3か月程度の禁酒が必要
  • 重度の場合:より長期間の禁酒が必要

🔴 アルコール性肝炎の場合

アルコール性肝炎からの回復には、少なくとも数か月から半年以上の禁酒が必要です。重症度によっては1年以上の禁酒が求められることもあります。

この段階では、医師の指導のもとで治療を受けながら、完全な禁酒を続けることが重要です。

⚫ 肝硬変の場合

肝硬変まで進行した場合、肝臓の線維化は不可逆的であり、完全な回復は期待できません。しかし、禁酒を続けることで以下の効果があります:

  • 病気の進行を遅らせる
  • 残された肝機能を維持
  • 合併症のリスクを軽減

肝硬変の患者さんは、生涯にわたる禁酒が必要となります。

👤 個人差に影響する要因

肝臓の回復期間には個人差があり、以下の要因が影響します:

  • 年齢:若いほど肝臓の再生能力が高い
  • 性別:女性の方がアルコールの影響を受けやすい
  • 遺伝的要因:アルコール代謝酵素の活性に個人差
  • 体質:肥満やウイルス性肝炎の合併
  • 飲酒歴:飲酒期間と量

📋 肝臓を休めるための具体的な方法

肝臓を効果的に休めるためには、単に飲酒を控えるだけでなく、生活習慣全体を見直すことが重要です。ここでは、肝臓を休めるための具体的な方法を紹介します。

📅 計画的な休肝日の設定

休肝日を効果的に設けるためには、事前に計画を立てることが大切です:

  • 週のどの曜日を休肝日にするかを決める
  • カレンダーに記入して意識的に守る
  • 連続した2日間を休肝日にする
  • 自分のライフスタイルに合わせて設定

例えば、平日の月曜日と火曜日を休肝日にする、あるいは週末の土曜日と日曜日を休肝日にするなど、継続しやすい設定を心がけましょう。

📊 飲酒量の管理

休肝日以外の日も、適量を守ることが重要です。厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒」の目安は、1日あたり純アルコール量で20g程度とされています:

  • ビール中瓶1本(500ml)
  • 日本酒1合(180ml)
  • ワイングラス2杯(200ml)
  • ウイスキーダブル1杯(60ml)

🥤 ノンアルコール飲料の活用

休肝日を設けることに慣れていない方は、ノンアルコール飲料を活用するのも一つの方法です:

  • ノンアルコールビール
  • ノンアルコール日本酒
  • ノンアルコールワイン
  • 炭酸水やお茶

ただし、ノンアルコールビールでも微量のアルコールを含む製品があるため、完全なアルコールフリー製品を選ぶようにしましょう。

🏃 代替活動の見つけ方

飲酒がストレス解消や気分転換の手段になっている方は、代替となる活動を見つけることが休肝日を続けるコツです:

  • 運動(ウォーキング、ストレッチ)
  • 趣味(読書、音楽鑑賞)
  • 入浴(ゆっくりとした時間)
  • 瞑想やリラクゼーション

特に運動は、ストレス解消効果に加えて、肝臓の脂肪代謝を促進する効果もあります。

😴 睡眠の質の向上

十分な睡眠は肝臓の回復に欠かせません。肝臓は睡眠中に活発に修復作業を行っています:

  • 理想的には7〜8時間の睡眠を確保
  • 規則正しい睡眠リズムを維持
  • 就寝前のカフェインやスマートフォンを控える
  • 寝室環境を整える(温度、湿度、遮光)

Q. 脂肪肝と診断された場合、回復に何日かかる?

脂肪肝の回復期間は重症度によって異なります。軽度から中等度の脂肪肝であれば、2週間〜1か月程度の禁酒で肝機能の数値に改善が見られ始め、完全な回復には2〜3か月程度の禁酒が目安となります。重度の場合やアルコール性肝炎を伴う場合は、より長期間の禁酒が必要であり、医師の指導のもとで治療を進めることが重要です。

🍽️ 肝臓の回復を促す食事と栄養素

肝臓を休めるためには、食事の内容にも注意を払うことが重要です。肝臓の回復を促進する栄養素を積極的に摂取し、肝臓に負担をかける食品を控えることで、より効果的に肝臓をケアすることができます。

🥩 良質なタンパク質

タンパク質は肝細胞の修復と再生に欠かせない栄養素です。以下の食品から、バランスよくタンパク質を摂取しましょう:

  • 鶏むね肉(低脂肪で良質)
  • 白身魚(消化に良い)
  • 豆腐・大豆製品
  • 卵(完全栄養食品)
  • 低脂肪乳製品

1日あたり体重1kgあたり1〜1.2gのタンパク質摂取を目安にしましょう。

💊 ビタミンB群

ビタミンB群は、肝臓での代謝を助ける重要な栄養素です。特に以下のビタミンが重要:

  • ビタミンB1:アルコール代謝に大量消費
  • ビタミンB2:脂質代謝をサポート
  • ビタミンB6:アミノ酸代謝に関与
  • ビタミンB12・葉酸:DNA合成をサポート

摂取できる食品:豚肉、レバー、うなぎ、玄米、緑黄色野菜

🛡️ 抗酸化物質

アルコールの代謝過程では活性酸素が発生し、これが肝細胞を傷害する一因となります。抗酸化物質は、活性酸素から肝臓を守る働きがあります:

  • ビタミンC:野菜、果物
  • ビタミンE:ナッツ類、植物油
  • ポリフェノール:緑茶、ベリー類
  • セレン:魚介類、ゴマ

🐚 オルニチンとタウリン

オルニチンはアンモニアの解毒を促進し、肝臓の負担を軽減する働きがあります:

  • しじみ(オルニチンが豊富)
  • イカ・タコ(タウリンが豊富)
  • 貝類全般
  • 魚介類

タウリンは胆汁酸の分泌を促進し、肝機能をサポートします。

🌾 食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え、有害物質の吸収を抑制する働きがあります:

  • 野菜類(キャベツ、ブロッコリー)
  • 果物類(りんご、バナナ)
  • きのこ類(しいたけ、えのき)
  • 海藻類(わかめ、昆布)
  • 全粒穀物(玄米、全粒粉パン)

❌ 避けるべき食品

肝臓を休めている期間は、肝臓に負担をかける食品を控えることも重要です:

  • 高脂肪食品(揚げ物、脂っこい肉)
  • 加工食品(添加物が多い食品)
  • 糖分の多い食品(お菓子、清涼飲料水)
  • 過度な塩分
  • カフェインの過剰摂取

また、過食も肝臓に負担をかけるため、腹八分目を心がけてください。

⚠️ 肝臓に負担をかける習慣と避けるべきこと

肝臓を効果的に休めるためには、アルコール以外にも肝臓に負担をかける習慣を見直すことが大切です。日常生活の中で無意識に行っている習慣が、肝臓にダメージを与えている可能性があります。

💊 薬の乱用と自己判断での服用

多くの薬は肝臓で代謝されるため、薬の過剰摂取や長期服用は肝臓に負担をかけます:

  • 解熱鎮痛剤:アセトアミノフェンなど
  • 抗生物質:長期使用は肝機能障害のリスク
  • ステロイド剤:肝機能に影響を与える可能性
  • サプリメント:過剰摂取は肝臓に負担

市販薬であっても用法・用量を守り、長期間の服用が必要な場合は医師に相談しましょう。

⚖️ 肥満と過食

肥満は非アルコール性脂肪肝の主要な原因です:

  • アルコールを控えていても肥満があれば脂肪肝のリスク
  • 内臓脂肪の蓄積は肝臓に直接影響
  • 適正体重の維持が重要
  • バランスの取れた食事を心がける

🏃‍♀️ 運動不足

運動不足は脂肪肝のリスクを高めます。適度な運動の効果:

  • 肝臓に蓄積した脂肪の燃焼を促進
  • インスリン抵抗性を改善
  • 代謝機能を向上
  • ストレス解消効果

週に150分以上の中等度の有酸素運動(ウォーキング、サイクリングなど)を目標にしましょう。

😴 睡眠不足と不規則な生活

睡眠不足は肝臓の修復機能を低下させます:

  • 肝臓は主に夜間の睡眠中に修復作業を行う
  • 睡眠時間が短いと十分な回復ができない
  • 不規則な生活リズムは体内時計を乱す
  • 肝臓の代謝機能にも影響

規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。

😰 ストレス

慢性的なストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を増加させ、肝臓での脂肪蓄積を促進することがあります:

  • ストレスが飲酒量の増加につながることも
  • ストレス管理の方法を身につける
  • リラクゼーション法を取り入れる
  • 適切に対処することが肝臓の健康維持に重要

🚬 喫煙

喫煙は肝臓病のリスクを高める要因となります:

  • タバコの有害物質は肝臓で解毒される
  • 喫煙習慣は肝臓の負担を増加
  • 肝がんのリスクを高める
  • 禁煙は肝臓の健康にも重要

Q. 肝臓の回復を助ける食事や栄養素は何?

肝臓の回復を促すには、複数の栄養素を意識的に摂取することが効果的です。肝細胞の修復に欠かせない良質なタンパク質(鶏むね肉・白身魚・豆腐)、代謝をサポートするビタミンB群(豚肉・玄米)、活性酸素から肝臓を守る抗酸化物質(緑茶・ベリー類)、アンモニア解毒を助けるオルニチンを含むしじみが特に有効とされています。

🔍 肝臓の状態をチェックする方法

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、異常があっても症状が現れにくい臓器です。そのため、定期的な検査で肝臓の状態をチェックすることが重要です。

🩸 血液検査で確認できる肝機能の指標

肝臓の状態を把握するために最も一般的に行われるのが血液検査です。以下の項目が肝機能の指標として重要です。

AST(GOT)とALT(GPT)

肝細胞に含まれる酵素で、肝細胞が傷害されると血液中に放出されます:

  • 正常値:おおむね30 IU/L以下
  • ALTは肝臓に特異的な酵素
  • ALTの上昇は肝臓の障害を示唆

γ-GTP

アルコール性肝障害で特に上昇しやすい酵素

  • 正常値:男性で50 IU/L以下、女性で30 IU/L以下
  • 飲酒量が多い人ほど値が高くなる傾向
  • 休肝日を設けることで低下することが多い

総ビリルビン

黄疸の指標となる物質:

  • 肝機能が低下すると血液中の濃度が上昇
  • 皮膚や眼球が黄色くなる

アルブミン

肝臓で合成されるタンパク質

  • 肝機能が低下すると血液中の濃度が低下
  • 栄養状態の指標にもなる

📸 画像検査

腹部超音波検査(エコー検査)は、肝臓の大きさ、形、内部の状態を観察できる検査です:

  • 脂肪肝の有無を確認
  • 肝臓の腫瘍などを発見
  • 非侵襲的で安全
  • リアルタイムで観察可能

CT検査やMRI検査では、より詳細な画像を得ることができ、肝臓の状態をより正確に評価できます。

🔬 肝臓の硬さを測定する検査

フィブロスキャンやMRエラストグラフィーなどの検査では、肝臓の硬さ(線維化の程度)を非侵襲的に測定することができます:

  • 肝硬変への進行度を評価
  • 痛みを伴わない検査
  • 短時間で結果がわかる

📅 定期的な健康診断の重要性

肝臓の異常を早期に発見するためには、年に1回以上の健康診断を受けることが重要です:

  • 会社の健康診断や自治体の特定健診を活用
  • 基本的な肝機能検査が含まれている
  • 飲酒習慣のある方は肝機能の数値に特に注目
  • 異常が見つかった場合は早めに医療機関を受診

🏥 医療機関を受診すべきサイン

肝臓は症状が出にくい臓器ですが、以下のような症状や状態がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

⚠️ 注意すべき自覚症状

全身のだるさや疲労感

肝機能低下のサインかもしれません:

  • 肝臓の機能が低下すると代謝が滞る
  • エネルギー産生が減少
  • 疲れやすくなる
  • 食欲不振や吐き気を伴うことも

黄疸(皮膚や眼球の黄染)

肝機能障害の典型的な症状

  • ビリルビンの代謝が滞ることで起こる
  • 皮膚や眼球が黄色くなる
  • 黄疸が見られた場合はすぐに受診

腹部の痛みや不快感

右上腹部の痛みは、肝臓の腫れや炎症を示している可能性:

  • 肝臓を覆う膜が引き伸ばされると痛みを感じる
  • 持続的な不快感にも注意

その他の症状

  • 尿の色が濃い茶色になる
  • 便の色が白っぽくなる
  • 腹部の膨満感
  • むくみ(浮腫)

📊 健康診断で異常値が出た場合

健康診断でAST、ALT、γ-GTPなどの肝機能の数値が基準値を超えている場合は、再検査や精密検査を受けることが推奨されます:

  • 軽度の異常であっても放置は危険
  • 症状が進行する可能性
  • 早めの対応が大切

🍺 アルコール依存が疑われる場合

以下の状態はアルコール依存症の可能性があります:

  • 自分で飲酒をコントロールできない
  • 飲まないと手が震える
  • 飲酒量がどんどん増えている
  • 飲酒を止められない

このような場合は、肝臓の問題だけでなく、アルコール依存症の治療も必要になるため、専門の医療機関を受診することをおすすめします。

💬 受診の際に伝えるべきこと

医療機関を受診する際は、以下の情報を正確に伝えることが重要です:

  • 日頃の飲酒習慣(飲酒量、頻度、期間)
  • 服用している薬やサプリメント
  • 既往歴
  • 家族の肝臓病の有無
  • 自覚症状の詳細

正確な情報を伝えることで、適切な診断と治療を受けることができます。

💬 受診の際に伝えるべきこと

❓ よくある質問

休肝日は何日連続で設けるのが効果的ですか?

休肝日は連続した2日間を設けることが推奨されています。連続して休肝日を設けることで、肝臓に十分な回復時間を与えることができます。例えば、週末の土日を休肝日にする、あるいは平日の月火を休肝日にするなど、ライフスタイルに合わせて設定してください。週に2日以上の休肝日を設けることが、肝臓の健康維持に効果的です。

脂肪肝と診断されたら何日間禁酒すべきですか?

脂肪肝の程度にもよりますが、軽度から中等度の脂肪肝であれば、2週間から1か月程度の禁酒で肝機能の改善が見られ始めることが多いです。完全な回復には2〜3か月以上の禁酒が必要とされています。重度の脂肪肝やアルコール性肝炎の場合は、より長期間の禁酒が必要です。具体的な期間については、医師に相談することをおすすめします。

休肝日にノンアルコールビールを飲んでも良いですか?

ノンアルコールビールには、完全にアルコールを含まない製品(アルコール0.00%)と微量のアルコールを含む製品があります。休肝日に飲む場合は、アルコール0.00%と表示されている製品を選ぶことをおすすめします。ただし、ノンアルコール飲料を飲む習慣が、実際のアルコール摂取への欲求を高める可能性もあるため、注意が必要です。

肝臓に良いとされるウコンやしじみは本当に効果がありますか?

ウコンに含まれるクルクミンには抗酸化作用があり、しじみに含まれるオルニチンには肝臓でのアンモニア解毒を促進する働きがあります。これらは肝機能をサポートする効果が期待されますが、あくまで補助的なものです。肝臓を休めるためには、まず飲酒量を減らし、休肝日を設けることが最も重要です。サプリメントに頼りすぎず、生活習慣の改善を優先してください。

γ-GTPが高いと言われましたが、どのくらい休肝すれば下がりますか?

γ-GTPは飲酒量に敏感に反応する指標で、禁酒を始めると比較的早く低下する傾向があります。2〜4週間の禁酒で数値が改善し始めることが多く、2〜3か月継続すると正常範囲に戻ることも少なくありません。ただし、γ-GTPの上昇がアルコール以外の原因(肥満、薬剤性など)による場合は、禁酒だけでは改善しないこともあります。原因を特定するために医師の診察を受けることをおすすめします。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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