ヒルドイドとは?効果・正しい使い方・種類・副作用について皮膚科医が徹底解説

乾燥肌や肌荒れでお悩みの方なら、「ヒルドイド」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。ヒルドイドは、皮膚科で処方される代表的な保湿剤として、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年齢層に使用されている医薬品です。特に秋から冬にかけての乾燥シーズンには、多くの患者様に処方される機会が増えます。

しかし、「ヒルドイドとはどんな薬なのか」「どのような効果があるのか」「正しい使い方は?」といった疑問をお持ちの方も少なくありません。また、2024年10月からは「選定療養」制度の対象となったことで、処方時の自己負担について新たな変化も生じています。

本記事では、ヒルドイドの有効成分であるヘパリン類似物質の作用機序から、4種類の剤形の特徴、正しい塗り方、注意すべき副作用、さらには市販薬との違いまで、皮膚科専門の観点から詳しく解説いたします。ヒルドイドを処方された方、これから使用を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。

32636319 s

目次

  1. ヒルドイドとは
  2. ヒルドイドの有効成分「ヘパリン類似物質」について
  3. ヒルドイドの3つの作用
  4. ヒルドイドの適応症(保険適用となる症状)
  5. ヒルドイドの種類と剤形の違い
  6. ヒルドイドの正しい使い方と塗る量の目安
  7. ヒルドイドの副作用と使用上の注意点
  8. ヒルドイドを使用できない方(禁忌)
  9. ヒルドイドとジェネリック医薬品の違い
  10. ヒルドイドと市販薬の違い
  11. 2024年10月からの選定療養について
  12. ヒルドイドに関するよくある質問
  13. まとめ
  14. 参考文献

この記事のポイント

ヒルドイドは有効成分ヘパリン類似物質0.3%を含む外用薬で、保湿・血行促進・線維芽細胞増殖抑制の3作用を持ち、乾燥肌からケロイド治療まで幅広く保険適用される。4種の剤形があり、2024年10月より先発品選択時は選定療養費が追加負担となる。

🧴 1. ヒルドイドとは

ヒルドイドは、マルホ株式会社が製造・販売する医療用医薬品で、有効成分として「ヘパリン類似物質」を0.3%(3mg/g)含有する外用薬です。日本国内では1954年に発売され、70年以上の長い歴史を持つ医薬品として、皮膚科領域で広く使用されています。

「ヒルドイド(Hirudoid)」という名称は、ラテン語の「Hirudo(ヒル属=蛭)」と「-oid(~の様なもの)」を組み合わせた造語です。これは、ヘパリンという物質がもともと蛭(ヒル)の唾液腺から発見された成分に由来することにちなんでいます。

ヒルドイドは当初、ドイツで1949年に表在性静脈炎や血栓症、瘢痕形成の改善などを効能として発売されました。日本では1954年10月にマルホ株式会社より発売され、その後、1990年12月に「皮脂欠乏症」が効能効果として追加承認されたことで、皮膚科における保湿剤としての使用が広がりました。

現在では、乾燥肌の治療から血行障害に基づく痛みの緩和、ケロイドの予防・治療まで、幅広い皮膚症状に対して処方される代表的な外用薬となっています。


Q. ヒルドイドの有効成分と主な3つの作用は何ですか?

ヒルドイドの有効成分はヘパリン類似物質0.3%です。主な作用は①角質層の水分を保持する保湿作用、②局所の血流量を約15〜20%増加させる血行促進作用、③ケロイドの原因となる線維芽細胞の過剰増殖を抑制する作用の3つです。

🔬 2. ヒルドイドの有効成分「ヘパリン類似物質」について

ヒルドイドの主成分である「ヘパリン類似物質」は、ヒアルロン酸やコンドロイチンと同じ「ムコ多糖類」に分類される物質です。ブタの軟骨から抽出・精製されており、肝臓で生成される「ヘパリン」という物質と化学構造が類似していることから、この名称がつけられました。

ヘパリンは血液凝固を防ぐ作用を持つ物質として医療分野で使用されていますが、ヘパリン類似物質はヘパリンよりも穏やかな作用を持ち、主に皮膚の保湿や血行促進を目的として外用薬に配合されています。

ヘパリン類似物質の特徴として、親水性(水を引き寄せる性質)を持っていることが挙げられます。この性質により、水分子を引き寄せて保持する能力が高く、皮膚に浸透した後も持続的に保湿効果を発揮します。臨床試験では、ヒルドイドローション0.3%を塗布した後、1時間から9時間にわたって高い保湿能が維持されることが確認されています。


⚡ 3. ヒルドイドの3つの作用

ヘパリン類似物質には、主に3つの重要な作用があります。それぞれの作用について詳しく解説します。

高桑康太 医師・当院治療責任者

ヘパリン類似物質の3つの作用は、それぞれ独立しながらも相互に関連し合って治療効果を発揮します。特に乾燥肌の治療においては、保湿作用によりバリア機能を強化し、血行促進作用により皮膚の代謝を改善することで、総合的な肌質改善が期待できます。

💧 保湿作用(角質水分保持増強作用)

ヘパリン類似物質の最も代表的な作用が保湿作用です。水分子を引き寄せて保持する性質(親水性)があり、皮膚に浸透することで角質層の水分量を増加させます。

皮膚の最外層である角質層は、本来15〜20%程度の水分を含んでおり、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぐバリア機能を担っています。しかし、加齢や環境要因、皮膚疾患などによってこの水分量が低下すると、乾燥肌やかゆみ、炎症などの症状が現れます。

ヘパリン類似物質は、角質層に浸透して水分を保持するだけでなく、皮膚のバリア機能を強化する効果もあります。動物実験では、実験的に乾燥させた皮膚に対して角質水分保持増強作用があることが実証されており、臨床試験でも皮脂欠乏症に対して91.2%〜98%という高い有効率が報告されています。

🩸 血行促進作用

ヘパリン類似物質には、皮膚組織の血流量を増加させる作用があります。ヘパリンと同様に血液を固まりにくくする作用(抗凝固作用)を緩やかに持っており、これにより局所の血行が促進されます。

臨床試験では、ヒルドイドクリーム0.3%を塗布した後、1時間から4時間にわたり約15〜20%の組織血流量の増加が確認されています。この血行促進作用により、以下のような症状の改善が期待できます。

  • 凍瘡(しもやけ)の改善
  • 血行障害による痛みや炎症の緩和
  • 外傷後の血腫(皮下出血)の吸収促進
  • あかぎれの改善
  • 皮膚のターンオーバーの促進

血流が良くなることで、皮膚の新陳代謝が活発になり、傷跡ややけど跡の治癒促進にも寄与します。

🔬 線維芽細胞増殖抑制作用

線維芽細胞は、真皮においてコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを生成する重要な細胞です。通常時は皮膚の健康維持に欠かせない役割を果たしていますが、炎症が起きた際には過剰に増殖することがあります。

線維芽細胞が過剰に増殖すると、コラーゲンが必要以上に産生され、ニキビ跡や手術跡、傷跡が盛り上がってケロイドや肥厚性瘢痕を形成する原因となります。

ヘパリン類似物質には、この線維芽細胞の過剰な増殖を抑制する作用があり、ケロイドや肥厚性瘢痕、瘢痕拘縮(傷跡による皮膚の引きつれ)などの治療・予防に効果が期待できます。ただし、正常な線維芽細胞の働きまで抑制するわけではないため、適切な皮膚の修復機能は維持されます。


Q. ヒルドイドの4種類の剤形の特徴と使い分けを教えてください。

ヒルドイドにはソフト軟膏・クリーム・ローション・フォームの4剤形があります。乾燥が強い部位や冬場はソフト軟膏、夏場やさっぱり感を好む方はクリームやローション、頭皮や広範囲への塗布はローション、お子様や素早く広範囲に塗りたい場合はフォームが適しています。

🏥 4. ヒルドイドの適応症(保険適用となる症状)

ヒルドイドが保険適用で処方される症状(効能・効果)は、以下のとおりです。

皮膚の乾燥に関連する疾患

  • 皮脂欠乏症:加齢や環境要因などによる皮膚の乾燥状態
  • 進行性指掌角皮症:いわゆる「手荒れ」で、手のひらや指の皮膚が乾燥してひび割れる状態

血行障害に関連する疾患

  • 凍瘡(しもやけ):寒冷刺激による血行障害で生じる炎症
  • 血栓性静脈炎(痔核を含む):静脈に血栓ができて炎症を起こす状態
  • 血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)

瘢痕・外傷に関連する疾患

  • 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
  • 外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎

その他

  • 筋性斜頸(乳児期)

このように、ヒルドイドは単なる「保湿剤」としてだけでなく、血行障害や瘢痕治療など幅広い皮膚症状に対して医療保険が適用される医薬品です。

一方で、美容目的(シワ予防や肌のトーンアップなど)での使用は保険適用外となります。治療ではなく美容目的の場合、医師は保険適用で処方することができませんのでご注意ください。


💊 5. ヒルドイドの種類と剤形の違い

ヒルドイドには4種類の剤形があり、それぞれ使用感や特徴が異なります。症状や塗布する部位、季節、好みに合わせて使い分けることで、より効果的なケアが可能です。

ヒルドイドソフト軟膏0.3%

ヒルドイドシリーズの中で最もよく処方される剤形です。「油中水型(W/O型)」と呼ばれる基剤を使用しており、油分の中に水分を閉じ込めた構造になっています。

特徴:

  • しっとりとした使用感で保湿力が高い
  • 患部にしっかり密着する
  • 伸びが良く広げやすい
  • 刺激が少なく、敏感肌や乾燥が強い部位に適している
  • べたつきを感じることがある

1996年2月に発売され、良好な展延性(のびやすさ)と被覆性を持つクリーム剤として、多くの患者様に使用されています。

ヒルドイドクリーム0.3%

1954年の発売開始以来、最も歴史のある剤形です。「水中油型(O/W型)」の基剤を使用しており、水分がメインで内部に油を含む構造になっています。

特徴:

  • さっぱりとした使用感
  • ソフト軟膏に比べてべたつきが少ない
  • 夏場や脂性肌の方に適している
  • 水で洗い流しやすい

ソフト軟膏で症状が軽くなった後の維持療法として、より軽い使用感を好む方におすすめです。

ヒルドイドローション0.3%

2001年2月に発売された乳液タイプの製剤です。水中油型の乳剤性基剤を使用しており、非常に塗りやすい点が特徴です。

特徴:

  • 乳液のようなテクスチャーで伸びが良い
  • 広範囲に塗りやすい
  • 頭皮にも使用可能
  • さっぱりとした使用感
  • まれに刺激を感じる方もいる

特に被髪頭部(頭皮)への塗布に優れており、広い範囲に塗る必要がある場合にも便利です。

ヒルドイドフォーム0.3%

2018年2月に承認された最も新しい剤形です。容器から泡状に噴出するフォーム剤(外用エアゾール剤)で、スプレー式の容器に入っています。

特徴:

  • やわらかい泡が出てきて広範囲に素早く塗布できる
  • 液だれがなく、空気中に飛散しない
  • よく伸び、しっとりとした使用感
  • 油分を含まないためべたつかない
  • ヒルドイド特有の匂いが少ない
  • 乳幼児にも使いやすい

広い範囲に保湿が必要な場合や、お子様への塗布に特に適しています。臨床試験では、ヒルドイドクリーム0.3%と同等の角層水分保持増強作用を持つことが確認されています。

剤形選びのポイント

  • 乾燥が強い部位・冬場:ソフト軟膏がおすすめ
  • さっぱりした使用感を好む方・夏場:クリームやローションがおすすめ
  • 頭皮や広範囲への塗布:ローションがおすすめ
  • 素早く広範囲に塗りたい場合・お子様:フォームがおすすめ

どの剤形でも有効成分の濃度は同じ(0.3%)であり、基本的な効果に大きな差はありません。使用感の好みや塗布する部位に合わせて、医師と相談しながら選択することをおすすめします。


📝 6. ヒルドイドの正しい使い方と塗る量の目安

ヒルドイドの効果を最大限に発揮するためには、正しい使い方と適切な量を塗ることが重要です。「もったいない」と思って少量しか塗らないと、十分な保湿効果が得られません。

塗るタイミング

一般的には1日2回(朝と夜)の塗布が推奨されることが多いです。特に皮脂欠乏症(乾燥肌)の治療では、お風呂上がりに使用する場合、皮膚が完全に乾いてしまう前(入浴後5〜10分以内)に塗ることで、保湿効果を最大限に引き出すことができます。

入浴後は皮膚が柔らかくなっており、有効成分が浸透しやすい状態です。また、朝の着替えのタイミングなど、生活リズムに合わせて塗るタイミングを決めておくと、塗り忘れを防ぐことができます。

塗る量の目安(FTU:フィンガーティップユニット)

塗り薬の使用量の目安として、「FTU(Finger Tip Unit:フィンガーティップユニット)」という単位が用いられます。

1FTUとは、成人の人差し指の先端から第一関節までの長さに薬を出した量で、約0.5gに相当します。この1FTUで、成人の手のひら約2枚分の面積(体表面積の約2%)に塗ることができます。

剤形ごとの1FTUの目安:

  • ソフト軟膏・クリーム(チューブ):人差し指の先端から第一関節まで出した量(約0.5g)
  • ソフト軟膏・クリーム(瓶):人差し指の先端から第一関節の半分まですくった量(約0.5g)
  • ローション:1円玉大の量(約0.5g)
  • フォーム:製品のキャップ大の泡(約1g=2FTU相当)

部位別の使用量目安(成人の場合)

  • 顔・首:2.5FTU(約1.25g)
  • 胸・腹:7FTU(約3.5g)
  • 背中・お尻:7FTU(約3.5g)
  • 片腕全体:3FTU(約1.5g)
  • 片脚全体(太ももから足首):6FTU(約3g)
  • 片足(足首からつま先):2FTU(約1g)

成人で全身に塗布する場合、1回あたり約20g、1週間(1日1回の場合)で約140gが使用量の目安となります。

適量の見極め方

塗った後の状態で適量かどうかを判断する方法として、以下の2つの目安があります。

  1. 皮膚がテカテカと光る程度
  2. ティッシュペーパーを当てると少しくっつく程度

ローションやフォームは少ない量でも広い面積に伸びますが、それでは使用量が少なく、十分な保湿ができていない可能性があります。しっとり感が残る程度に塗ることが大切です。

正しい塗り方のポイント

  1. 塗る前に手を清潔にする
  2. 適量を手に取り、塗りたい部位に点々と置く
  3. こすらずに優しく塗り広げる
  4. 体のしわに沿って塗ると広げやすい
  5. ゴシゴシとすり込まない(皮膚への刺激となり、かゆみが悪化する恐れがあります)

Q. ヒルドイドの正しい塗る量と塗るタイミングは?

ヒルドイドは1日2回、入浴後5〜10分以内に塗ることで保湿効果を最大化できます。塗布量の目安はFTU(フィンガーティップユニット)を用い、1FTU(約0.5g)で手のひら約2枚分に相当します。塗った後に皮膚がテカテカと光り、ティッシュが少しくっつく程度が適量の目安です。

⚠️ 7. ヒルドイドの副作用と使用上の注意点

ヒルドイドは安全性の高い外用薬であり、重大な副作用の報告はありません。赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層で使用でき、顔を含む全身に塗布することができます。

しかし、まれに以下のような副作用が報告されています。

主な副作用

発生頻度0.1〜5%未満

  • 皮膚炎
  • かゆみ(そう痒症)
  • 発赤
  • 発疹
  • 潮紅(皮膚が赤くなる)
  • 皮膚刺激感
  • 紫斑(あざのような症状)
  • 紅斑

製剤の種類によって副作用の出方が異なる場合があります。特に、炎症が起きている部位にローションやフォームを使用すると、刺激感が出やすい傾向があるとされています。

使用上の注意点

  1. 傷口やただれている部位には使用しない
    ヘパリン類似物質には血液を固まりにくくする作用があるため、出血している傷口に使用すると出血が止まりにくくなる可能性があります。皮膚がただれているところや傷口には塗らないでください。
  2. 目に入らないように注意する
    万が一目に入った場合は、きれいな水で洗い流してください。異常を感じたら、医師または薬剤師に相談してください。
  3. 他の薬との混合に注意
    ヘパリン類似物質は、白色ワセリンと混ぜると保湿効果が弱まることが報告されています。他の塗り薬と混ぜて使用する場合は、事前に医師や薬剤師に確認してください。
  4. 使用後に異常を感じたらすぐに使用を中止する
    かゆみや発疹、刺激感などの症状が現れた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。

🚫 8. ヒルドイドを使用できない方(禁忌)

以下に該当する方は、ヒルドイド(ヘパリン類似物質)を使用することができません。

使用禁忌

  1. 出血性血液疾患をお持ちの方
  • 血友病
  • 血小板減少症
  • 紫斑病 など、出血しやすい疾患をお持ちの方
  1. わずかな出血でも重大な結果を来すことが予想される方

これは、ヘパリン類似物質が持つ血液凝固抑制作用(血液を固まりにくくする作用)によるものです。上記の疾患をお持ちの方が使用すると、出血が止まりにくくなる危険性があります。

注意が必要な方

以下の方は、使用前に必ず医師に相談してください。

  • 過去に薬剤によってかゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある方
  • 他の薬を使用している方(併用によって作用が強まったり弱まったりする可能性があります)
  • 妊娠中・授乳中の方(安全性は確立していません。自己判断せず、必ず医師に相談してください)
  • 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している方

Q. 2024年10月からのヒルドイドの選定療養とは何ですか?

2024年10月から、ヒルドイドは「選定療養」の対象となりました。ジェネリック医薬品が存在する中で先発品のヒルドイドを希望する場合、従来の自己負担に加えて「選定療養費」が追加で発生します。ジェネリック品を選択すれば従来どおりの負担額となります。医師が治療上必要と判断した場合は例外です。

💰 9. ヒルドイドとジェネリック医薬品の違い

ヒルドイドには複数のジェネリック医薬品(後発医薬品)があります。代表的なものとして「ヘパリン類似物質油性クリーム」「ヘパリン類似物質ローション」などがあり、有効成分名がそのまま商品名に使用されています。

先発品とジェネリック品の関係

  • 先発品(ヒルドイド):マルホ株式会社が製造・販売
  • 後発品(ジェネリック):複数の製薬会社が製造・販売

成分・効果の違い

剤形が同じであれば、先発品のヒルドイドとジェネリック品は、有効成分(ヘパリン類似物質0.3%)も効果もほぼ同じです。医学的な有効性・安全性については同等と考えて差し支えありません。

ただし、有効成分以外の配合成分(基剤や添加物)が製品によってやや異なるため、塗り心地や肌への馴染み方に個人差がある場合があります。

剤形の対応関係

  • ヒルドイドソフト軟膏 → ヘパリン類似物質油性クリーム(軟膏)
  • ヒルドイドクリーム → ヘパリン類似物質クリーム
  • ヒルドイドローション → ヘパリン類似物質ローション
  • ヒルドイドフォーム → ヘパリン類似物質外用泡状スプレー

なお、ローションに関しては先発品と後発品で使用感に違いがあり、ヒルドイドローションが乳液状であるのに対し、ジェネリックのヘパリン類似物質ローションは化粧水に近いさらっとした使い心地のものが多いです。また、ジェネリック品には先発品にないスプレータイプの剤形もあります。

薬価の違い

2024年現在、先発品のヒルドイドソフト軟膏の薬価は1gあたり約18.2円であるのに対し、ジェネリック品は1gあたり約4〜6円程度と、先発品の約22〜33%の価格となっています。


🏪 10. ヒルドイドと市販薬の違い

2018年以降、ヘパリン類似物質を配合した市販薬(OTC医薬品)がドラッグストアなどで購入できるようになりました。処方薬と市販薬には以下のような違いがあります。

有効成分の濃度

市販薬(OTC医薬品)に配合されているヘパリン類似物質の濃度は、処方薬と同じ0.3%(100g中0.3g)です。一般的に市販薬は医療用医薬品より有効成分が少なく配合されることが多いですが、ヘパリン類似物質については同濃度となっています。

一方、「医薬部外品」として販売されているヘパリン類似物質配合製品は、医薬品よりも少ない濃度で配合されているため、作用は緩和です。

効能・効果の違い

処方薬(ヒルドイド)の効能・効果:

  • 皮脂欠乏症
  • 進行性指掌角皮症
  • 凍瘡
  • 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
  • 血栓性静脈炎
  • 外傷後の腫脹・血腫 など、多くの疾患に適応

市販薬の効能・効果:

  • 手指の荒れ
  • ひじ・ひざ・かかと・くるぶしの角化症
  • 手足のひび・あかぎれ
  • 乾皮症
  • 小児の乾燥性皮ふ
  • しもやけ(ただれを除く)
  • 打身・ねんざ後のはれ
  • 筋肉痛・関節痛 など

入手方法の違い

  • 処方薬(ヒルドイド):医師の診察を受け、処方箋を発行してもらう必要があります
  • 市販薬:ドラッグストアや薬局で処方箋なしで購入できます

費用の違い

処方薬は健康保険が適用されるため、自己負担は薬価の1〜3割となります。ただし、診察料や処方箋料などの費用も必要です。市販薬は保険適用外のため全額自己負担となりますが、診察を受ける必要がありません。

選択のポイント

  • 症状が軽度で、手荒れや乾燥肌のセルフケアが目的の場合は市販薬でも対応可能
  • 症状が広範囲にわたる場合、アトピー性皮膚炎と診断されている場合は医療機関の受診が推奨
  • 5〜6日間使用しても症状が改善しない場合は、医師に相談することをおすすめします

💸 11. 2024年10月からの選定療養について

2024年10月から、ヒルドイドを含む一部の医薬品が「選定療養」の対象となりました。これにより、処方薬の自己負担額に変化が生じています。

選定療養とは

選定療養とは、後発医薬品(ジェネリック医薬品)が存在する先発医薬品について、患者さんが先発品を希望する場合、先発品とジェネリック品との価格差の一部を追加で自己負担していただく制度です。

ヒルドイドへの影響

従来は、医療費の自己負担が少ない方(お子様の医療費助成を受けている方など)も含めて、先発品・後発品のどちらを選んでも自己負担額に大きな差はありませんでした。

2024年10月以降は、先発品であるヒルドイドを希望する場合、従来の自己負担に加えて「選定療養費」が発生します。一方、ジェネリック品を選択した場合は、従来どおりの自己負担となります。

例外について

医師が治療上、先発品が必要と判断した場合には、選定療養の対象外となり、追加の自己負担は発生しません。

患者さんへの影響

処方を受ける際には、医師や薬剤師に相談のうえ、先発品とジェネリック品のどちらを希望するか選択することができます。使用感の好みや経済的な負担を考慮して決めていただくことになります。


患者さんへの影響

❓ 12. ヒルドイドに関するよくある質問

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
PAGE TOP
電話予約
0120-226-002
1分で入力完了
簡単Web予約
運営:医療法人社団鉄結会