
赤ちゃんの肌に赤いブツブツや発疹が現れると、「これは乳児湿疹?それともあせも?」と不安になる保護者の方は多いのではないでしょうか。乳児湿疹とあせもはどちらも乳幼児期によくみられる肌トラブルですが、原因も対処法も異なります。見た目が似ているため、自己判断が難しいケースも少なくありません。この記事では、乳児湿疹とあせもの違いを、症状の特徴・発症部位・原因・ホームケアの方法まで詳しく解説します。赤ちゃんの肌の状態を正しく理解し、適切なケアができるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
- 乳児湿疹とは?基本的な特徴を知ろう
- あせもとは?基本的な特徴を知ろう
- 乳児湿疹とあせもの違いを写真的描写で比較
- 発症しやすい部位の違い
- 原因の違いと発症のメカニズム
- 症状の経過と悪化のサイン
- 自宅でできるホームケアの方法
- 病院を受診すべきタイミング
- 乳児湿疹・あせもを予防するための日常ケア
- まとめ
この記事のポイント
乳児湿疹は皮脂過剰・バリア機能未熟が原因で顔や頭皮に、あせもは汗管閉塞が原因で首・わき・股に集中して発症する。症状や発症部位の違いを把握し、自宅での保湿・清潔ケアを続けても改善しない場合は皮膚科・小児科への受診が推奨される。
🎯 乳児湿疹とは?基本的な特徴を知ろう
乳児湿疹(にゅうじしっしん)とは、生後まもない赤ちゃんの肌に現れる湿疹の総称です。生後2〜3週間ごろから生後6か月ごろまでの間に多くみられ、ほとんどの赤ちゃんが一度は経験するといわれています。
乳児湿疹という言葉は、一つの特定の病気を指すのではなく、乳児期に起こるさまざまな肌トラブルの総称として使われています。代表的なものとして、以下のような種類があります。
まず、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)です。生後1〜3か月に最も多くみられる湿疹で、頭皮や眉毛、鼻のまわり、耳のまわりなど皮脂の分泌が多い部分に黄色っぽいかさぶたやウロコ状のものが付着するのが特徴です。これは、母体から受け取ったホルモンの影響で皮脂の分泌が一時的に活発になることが原因と考えられています。
次に、新生児ざ瘡(しんせいじざそう)です。生後2〜4週間ごろに現れることが多く、顔に赤いニキビのような発疹が集まってできます。これも母体ホルモンの影響と考えられており、時間とともに自然に改善することがほとんどです。
そして、アトピー性皮膚炎の初期症状として現れる湿疹もあります。アトピー素因を持つ赤ちゃんは、生後2〜3か月ごろから頬や額に乾燥した赤い湿疹が現れることがあり、これが乳児湿疹として現れる場合があります。
乳児湿疹の症状としては、皮膚が赤くなる・赤い小さなブツブツができる・皮膚が乾燥してカサカサになる・黄色いかさぶたや白いフケのようなものが付着するといった状態がみられます。かゆみを伴うこともあり、赤ちゃんがしきりに顔をこすりつけたり、機嫌が悪くなったりすることもあります。
Q. 乳児湿疹とあせもの発症部位の違いは?
乳児湿疹は皮脂分泌が多い顔・頭皮・眉間・耳のまわりを中心に発症しやすい。一方、あせもは首のしわ・わきの下・股のつけ根・おむつ周辺など汗がたまりやすくむれやすい部位に集中して現れる傾向がある。
📋 あせもとは?基本的な特徴を知ろう
あせも(汗疹:かんしん)は、汗が原因で起こる皮膚トラブルです。汗の量が多くなる夏や、厚着をしている時期に起こりやすく、赤ちゃんから大人まで幅広い年齢層に発症します。ただし、汗腺の密度が高く体温調節機能が未熟な赤ちゃんは特にあせもになりやすいといえます。
あせもは、汗管(汗の出口となる管)が汚れや角質によって詰まり、汗が外に出られなくなることで皮膚内に汗が漏れ出し、炎症を起こすことで発症します。
あせもには大きく分けて3つの種類があります。最もよくみられるのが紅色汗疹(こうしょくかんしん)と呼ばれるタイプで、赤い小さなブツブツと強いかゆみが特徴です。いわゆる「赤いあせも」と呼ばれるものです。
次に、水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)です。皮膚の表面近くに透明な小さな水ぶくれがたくさんできるタイプで、かゆみはほとんどありません。汗をたくさんかいたときに発症しやすく、比較的短時間で自然に消えることが多いです。
3つ目は深在性汗疹(しんざいせいかんしん)です。これは汗管の深い部分が詰まることで起こり、皮膚色の小さなしこりができるタイプです。熱帯地域などで長期的に大量の汗をかき続けたときに生じやすく、国内ではあまりみられません。
赤ちゃんに最も多くみられるのは紅色汗疹で、首のしわの部分・わきの下・おむつの当たる部分・肘や膝の内側といった汗がたまりやすい部位に集中して現れます。
💊 乳児湿疹とあせもの違いを写真的描写で比較
実際の写真で確認することが理想ですが、ここでは乳児湿疹とあせもそれぞれの見た目の特徴を詳細に描写し、違いを把握できるよう解説します。
乳児湿疹の見た目の特徴について説明します。乳児湿疹は、種類によって見た目が大きく異なります。脂漏性皮膚炎の場合は、頭皮や額・眉毛の周辺に黄色っぽいかさぶたや油分を含んだウロコ状の皮が付着しているのが特徴です。この黄色いかさぶたは「クレードキャップ」とも呼ばれ、厚く固まっている場合もあります。皮膚の下は赤くなっていることがあります。
新生児ざ瘡の場合は、顔全体(とくに頬・額・鼻)に赤いブツブツがニキビのように密集して現れます。中心部に白い膿を持つものもあり、10代のニキビと非常によく似た外観です。
アトピー性皮膚炎の初期症状としての乳児湿疹は、頬や額に赤みを帯びたカサカサした湿疹が広がるように現れます。皮膚が乾燥して粉をふいたような状態になり、ひどい場合は皮膚がジュクジュクと滲出液(しんしゅつえき)が出てくることもあります。
あせもの見た目の特徴について説明します。紅色汗疹(赤いあせも)は、針の先ほどの小さな赤いブツブツが皮膚にびっしりと集まって現れます。個々のブツブツはとても小さく(直径1〜2mm程度)、まるで細かい砂粒のようです。よく見ると、中心部に小さな白い点(汗の出口が詰まった状態)が見えることもあります。皮膚全体が赤みを帯びており、触れると少しざらざらとした感触があります。
水晶様汗疹(透明なあせも)は、透明または白っぽい小さな水ぶくれが皮膚の表面に並んでいます。一つひとつの水ぶくれは非常に小さく、汗の粒のように見えることもあります。触れると柔らかくプクプクとした感触があり、すぐに破れてしまうことも多いです。
乳児湿疹とあせもを見た目で区別するポイントをまとめると、乳児湿疹は黄色いかさぶたや乾燥したカサカサした皮膚を伴うことが多く、発疹の形状も不規則な場合があります。一方、あせもは小さな均一な赤いブツブツや透明な水ぶくれが汗のたまりやすい部分に限定してみられるのが特徴です。また、乳児湿疹は顔や頭に多いのに対し、あせもは首・わき・股などの折れ曲がる部分やむれやすい場所に多くみられます。
Q. 乳児湿疹とあせもの原因はどう違う?
乳児湿疹の主な原因は、母体ホルモンの影響による皮脂の過剰分泌と皮膚バリア機能の未熟さで、体質的な側面が強い。あせもは汗管が角質や汚れで詰まり、汗が皮膚内に漏れ出して炎症を起こすことが原因で、暑さやむれなど環境的要因の影響が大きい。
🏥 発症しやすい部位の違い
乳児湿疹とあせもは、発症しやすい部位にも明確な違いがあります。この部位の違いを把握しておくことが、両者を見分ける大きなヒントになります。
乳児湿疹が発症しやすい部位について説明します。脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部分に発症します。具体的には頭皮・額・眉毛の上・まゆ間・鼻のわき・耳のまわり・首などです。これらは皮脂腺が多く集まっている場所で、赤ちゃんの皮脂分泌が活発な時期に症状が現れやすい部分です。
新生児ざ瘡は、顔全体に現れることが多く、特に頬・額・鼻・あごなどに多くみられます。
アトピー性皮膚炎の初期として現れる乳児湿疹は、生後2〜3か月では顔(頬・額)が中心ですが、月齢が進むにつれて首・肘の内側・膝の裏側・胴体へと広がっていく傾向があります。
あせもが発症しやすい部位について説明します。あせもは、汗がたまりやすくむれやすい部位に集中して発症します。赤ちゃんの場合、首のしわの部分は特にあせもができやすい場所です。首はしわが多く、汗がたまりやすいうえに皮膚同士が密着しているため、蒸れた状態が続きやすいのです。
その他にも、わきの下・肘や膝の内側・股のつけ根・おむつに覆われた部分(おしり・下腹部)・背中(特に汗をかきやすい場所)・頭(特に後頭部)などに現れやすいです。頭部については、乳児湿疹と混同しやすい部位でもあるため注意が必要です。
部位でわかる見分け方のポイントとして、顔(特に頬・額・頭皮・眉間)が中心であれば乳児湿疹を疑う、首・わき・股など皮膚が重なる部分や折れ曲がる部分が中心であればあせもを疑う、という判断の目安があります。ただし、あせもと乳児湿疹が同時に存在するケースもあるため、部位だけで断定することは難しい場合もあります。
⚠️ 原因の違いと発症のメカニズム
乳児湿疹とあせもは、発症の原因とメカニズムが根本的に異なります。正しく理解することで、適切な予防策やケアの方針が立てやすくなります。
乳児湿疹の原因について説明します。乳児湿疹の主な原因は皮脂の過剰分泌と皮膚バリア機能の未熟さです。赤ちゃんは生まれた直後、母体のホルモン(アンドロゲン)の影響を受けて皮脂の分泌が一時的に活発になります。この皮脂が毛穴や皮膚表面に残り、細菌(マラセチア菌など)の繁殖を促し炎症を起こすことが脂漏性皮膚炎の原因とされています。
また、赤ちゃんの皮膚はバリア機能(皮膚の保護機能)が大人と比べて未熟です。外部からの刺激(摩擦・乾燥・汗・化学物質など)に対して敏感に反応しやすく、それが湿疹として現れることがあります。アトピー性皮膚炎の場合は、フィラグリンというタンパク質の遺伝子異常によってバリア機能がさらに低下しており、外部のアレルゲン(食物アレルゲン・ハウスダストなど)や刺激物が皮膚から入り込みやすくなっています。
あせもの原因について説明します。あせもの直接的な原因は汗管の閉塞です。人の体には、汗を分泌するための「エクリン汗腺」という器官があり、そこから伸びる汗管(汗の通り道)が皮膚の表面まで続いています。この汗管が角質や汚れによって詰まると、汗が外に出られなくなります。詰まった汗は皮膚内に漏れ出し、周囲の組織を刺激して炎症を引き起こします。これがあせもです。
赤ちゃんの皮膚は体の表面積に対して汗腺の数が大人より多く、また体温が高く体温調節のために大量の汗をかきます。さらに首や股などのしわに汗がたまりやすく、蒸発せずに皮膚に残りやすい構造になっています。これらの要因が重なるため、赤ちゃんはあせもになりやすいといえます。
また、おむつの使用や厚着・蒸し暑い環境・抱っこしている状態が長時間続くことなども、あせもを悪化させる要因になります。
原因から見た違いのまとめとして、乳児湿疹はホルモンの影響による皮脂過剰や皮膚バリア機能の未熟さが原因であり、あせもは汗管の閉塞と汗の漏出による炎症が原因です。乳児湿疹は体質的な側面が強く、あせもは環境的要因(暑さ・むれ・不衛生)の影響が大きいといえます。
Q. 乳児湿疹のかさぶたはどうケアすればよい?
脂漏性皮膚炎による黄色いかさぶたは無理にはがしてはいけない。入浴前にベビーオイルやワセリンを患部に塗り15〜30分ほど置いてから、柔らかいガーゼで優しく洗い流す方法が有効だ。無理にはがすと皮膚を傷つけ、炎症悪化や細菌感染を招くリスクがある。
🔍 症状の経過と悪化のサイン
乳児湿疹とあせも、それぞれの症状がどのように経過するのか、また悪化しているときにはどのようなサインが現れるのかを知っておくことは、適切なケアをするうえで大切です。
乳児湿疹の経過について説明します。脂漏性皮膚炎は、生後2〜3か月ごろをピークに、多くの場合は生後6か月ごろには自然に改善していきます。これは、母体ホルモンの影響が薄れ、赤ちゃん自身のホルモンバランスが安定してくるためです。ただし、適切なケアをしないと症状が長引いたり、炎症が強くなったりする場合があります。
アトピー性皮膚炎として現れる乳児湿疹は、時間とともに自然消失するものではなく、適切な治療と保湿ケアを継続することが必要です。放置すると症状が慢性化・悪化し、強いかゆみで睡眠が妨げられるなど、赤ちゃんの生活の質にも影響します。
乳児湿疹の悪化のサインとして注意したいのは、湿疹の面積が広がっている・かゆみが強くなり赤ちゃんが頻繁にこすっている・皮膚がジュクジュクと滲出液が出ている・黄色いかさぶたが増えている・赤みが濃くなっている・皮膚が厚くゴワゴワしてきている(苔癬化:たいせんか)といった状態です。これらのサインが現れた場合は、早めに皮膚科または小児科を受診することをおすすめします。
あせもの経過について説明します。あせもは、原因(汗・蒸れ・高温環境)を取り除くことができれば、比較的早く改善します。涼しい環境に移動して清潔を保つことで、数日以内に症状が軽快することも多いです。水晶様汗疹(透明なあせも)は特に改善が早く、涼しい場所に移動するだけで数時間以内に消えることもあります。
あせもの悪化のサインとして注意したいのは、あせもの部分をかきむしることで皮膚が傷つき、細菌感染を起こすことです。これをあせもの二次感染(とびひなど)といいます。二次感染のサインとして、皮膚が黄色いかさぶたで覆われる・膿(うみ)が出る・腫れや熱感が強い・赤ちゃんに発熱がある、といった症状が現れたときは医療機関への受診が必要です。
📝 自宅でできるホームケアの方法
乳児湿疹とあせも、それぞれに適したホームケアがあります。症状を正しく把握した上で、適切なケアを行うことが大切です。
乳児湿疹のホームケアについて説明します。脂漏性皮膚炎の場合、黄色いかさぶたを無理にはがすのは禁物です。入浴前にベビーオイルやワセリンをかさぶたの部分に塗っておき、15〜30分ほど置いてから柔らかいスポンジやガーゼで優しく洗い流す方法が有効です。ベビー用のシャンプーで頭皮を毎日丁寧に洗うことも大切です。石けんの残りが残ると悪化の原因になるため、すすぎは十分に行いましょう。
アトピー性皮膚炎やその他の乳児湿疹には、保湿ケアが非常に重要です。入浴後は清潔なタオルで優しく押さえるように水気を取り、5〜10分以内に保湿剤(ローションやクリームタイプのもの)を全身に塗布することが推奨されています。保湿剤は1日2回以上使用することが望ましく、入浴後だけでなく皮膚が乾燥してきたと感じたときにもこまめに塗るようにしましょう。
あせものホームケアについて説明します。あせもの改善と予防には、汗をこまめに拭き取ることと清潔を保つことが基本です。汗をかいたらぬるま湯に浸した柔らかいタオルやガーゼで優しく押さえるように拭き、可能であれば1日に2回程度の入浴かシャワーで皮膚を清潔に保ちましょう。
室温と着衣の調整も大切です。エアコンを適切に使用して室温を快適に保ち(夏は26〜28度程度が目安)、衣類は吸湿性・通気性の良い綿素材のものを選びましょう。おむつも定期的に取り替え、股やおしりのむれを防ぐことがあせも予防につながります。
あせもが出てしまったときは、市販のベビー用あせもクリーム(酸化亜鉛を含むものなど)を使用することもできますが、症状が改善しない場合や悪化が見られる場合は医師に相談しましょう。ベビーパウダー(タルカムパウダー)は汗管を詰まらせる可能性があるとして、近年は使用を推奨しない専門家も増えています。
どちらにも共通する入浴のポイントについて説明します。赤ちゃんの入浴はぬるめのお湯(38〜40度程度)で行い、洗浄剤(ベビー用石けん・ボディウォッシュ)は低刺激のものを選びましょう。こするように洗うのではなく、泡立てた石けんを手で優しく撫でるように洗うことが大切です。洗浄剤が皮膚に残らないよう、すすぎは十分に行ってください。
Q. 赤ちゃんの湿疹でいつ病院を受診すべき?
皮膚から膿が出ている・黄色いかさぶたが急速に広がっている・発熱があるといった場合はすぐに受診が必要だ。また自宅ケアを1〜2週間続けても改善しない場合や、湿疹が広がっている・かきむしりがひどい場合も皮膚科または小児科への受診を検討すべきである。
💡 病院を受診すべきタイミング
赤ちゃんの肌トラブルは軽度であれば自宅でのケアで改善することも多いですが、以下のような場合は医療機関への受診を検討しましょう。
すぐに受診が必要なケースについて説明します。皮膚から膿(うみ)が出ている、または黄色いかさぶたが急速に広がっているときは、細菌感染(とびひなど)が疑われます。とびひは感染力が強く、広がりやすいため早期の治療が必要です。また、赤ちゃんに発熱が見られる・湿疹の部分が大きく腫れている・赤ちゃんが強いかゆみで眠れない・いつも以上に機嫌が悪いといった場合も、できるだけ早く受診しましょう。
数日以内に受診を検討すべきケースについて説明します。自宅でのケアを1〜2週間続けても改善がみられない・むしろ悪化している・湿疹が顔や体全体に広がっている・かゆみが強く赤ちゃんが頻繁にかきむしっている・皮膚がジュクジュクして滲出液が出ている、これらの症状が見られる場合は、皮膚科や小児科を受診することをおすすめします。
アトピー性皮膚炎が疑われる場合についても説明します。生後2か月以上湿疹が続いている・左右対称に湿疹が現れている・家族にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの方がいる・乾燥しやすい肌質・湿疹が一時的に改善してもぶり返す、これらが当てはまる場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があります。アトピー性皮膚炎は早期から適切な治療とスキンケアを行うことが重要とされているため、専門の皮膚科での診断を受けることをおすすめします。
受診する科については、まずはかかりつけの小児科に相談するのが一般的ですが、症状が長引く場合や専門的な診断が必要な場合は皮膚科(特に小児皮膚科)への受診が有効です。アイシークリニック池袋院のような皮膚科専門クリニックでは、赤ちゃんの肌トラブルに対しても詳細な診察と適切な治療方針の提案が可能です。
✨ 乳児湿疹・あせもを予防するための日常ケア

乳児湿疹やあせもは、日々のケアの積み重ねによって予防・改善の効果が期待できます。ここでは日常生活の中で取り入れられる予防策をまとめます。
スキンケアの習慣化について説明します。毎日の入浴後に保湿剤を塗布する習慣をつけることが、乳児湿疹の予防・悪化防止に大変重要です。赤ちゃんの皮膚は水分が蒸発しやすく乾燥しやすいため、保湿は1日2〜3回を目安に行いましょう。市販の低刺激性ベビーローションやワセリン、または皮膚科医に処方された保湿剤が適しています。
肌に直接触れるものへの配慮について説明します。衣類・寝具・タオルなどは綿100%の素材を選ぶことで、肌への刺激を減らすことができます。洗濯には無添加・低刺激の洗剤を使用し、すすぎをしっかり行うことも大切です。衣類は動きやすく体を締めつけないサイズのものを選び、適切な枚数で着せるようにしましょう。
環境の整備について説明します。特に夏場は室内の温度と湿度の管理が重要です。エアコンを使用して室温を適切に保つとともに、加湿器や湿度計も活用して室内の湿度を50〜60%程度に保つようにしましょう。また、直射日光が赤ちゃんに長時間当たらないよう注意することも大切です。
授乳・食事への配慮について説明します。完全母乳の場合、母親の食事内容が母乳を通じて赤ちゃんに影響することがあるといわれていますが、現在の医学的見解では母親が特定の食品を制限することが赤ちゃんの湿疹を防ぐという根拠は十分ではありません。食物アレルギーが疑われる場合には、自己判断で食品を制限するのではなく、医師に相談のうえで適切な検査・対処を行いましょう。
あせも予防に特化した対策について説明します。あせもを防ぐためには、汗をかいたらすぐに拭き取ること・こまめに着替えさせること・通気性の良い環境を保つことが基本です。長時間の抱っこや密着した状態が続くとむれやすくなるため、特に夏場は注意が必要です。おんぶや抱っこをするときはバンダナや薄いガーゼを赤ちゃんの背中や首まわりに挟むことで、汗をこまめに吸い取ることができます。
スキンケア製品の選び方についても触れておきます。赤ちゃんに使用する保湿剤や洗浄料は、無香料・無着色・低刺激のベビー用製品を選ぶことが基本です。新しい製品を使い始めるときは、まず腕の内側など目立ちにくい場所で少量をテストし、24〜48時間様子を見てから使用するようにしましょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、乳児湿疹とあせもを混同して受診される保護者の方が非常に多く、「どちらか判断できないまま市販薬を使い続けていた」というご相談もよくいただきます。発症部位と見た目の特徴を合わせて確認することが鑑別の第一歩となりますが、両者が同時に併存しているケースもあるため、自己判断が難しいと感じた際はどうぞお気軽にご相談ください。最近の傾向として、アトピー性皮膚炎の早期診断・早期介入への関心が高まっており、生後2か月以上湿疹が続く場合は特に早めの受診をおすすめしています。」
📌 よくある質問
乳児湿疹は黄色いかさぶたや乾燥したカサカサした肌・赤い湿疹など種類によって様相が異なります。一方、あせもは針の先ほどの均一な小さな赤いブツブツや透明な水ぶくれが特徴です。発症部位も合わせて確認すると判断しやすく、迷う場合は皮膚科や小児科への相談をおすすめします。
赤ちゃんのあせもは、汗がたまりやすくむれやすい部位に集中して現れます。特に首のしわの部分・わきの下・肘や膝の内側・股のつけ根・おむつに覆われたおしりや下腹部などが典型的な発症部位です。これらの部位は皮膚同士が密着して蒸れやすいため、こまめな汗の拭き取りと通気性の確保が大切です。
無理にはがすのは禁物です。脂漏性皮膚炎による黄色いかさぶたは、入浴前にベビーオイルやワセリンを塗って15〜30分ほど置き、柔らかいガーゼで優しく洗い流す方法が有効です。無理にはがすと皮膚を傷つけ、炎症が悪化したり細菌感染を招いたりするリスクがあります。
皮膚から膿が出ている・黄色いかさぶたが急速に広がっている・赤ちゃんに発熱がある場合はすぐに受診が必要です。また、自宅ケアを1〜2週間続けても改善しない・湿疹が広がっている・かきむしりがひどいといった場合も、皮膚科または小児科への受診を検討してください。当院でもお気軽にご相談いただけます。
生後2か月以上湿疹が続いている・左右対称に湿疹が現れる・家族にアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの方がいる・湿疹がぶり返すといった特徴が複数当てはまる場合は、アトピー性皮膚炎の可能性があります。早期からの適切な治療とスキンケアが重要とされているため、アイシークリニックをはじめとする皮膚科専門医への早めの受診をおすすめします。
🎯 まとめ
乳児湿疹とあせもは、どちらも乳幼児期によくみられる肌トラブルですが、原因・見た目・発症部位・経過が大きく異なります。乳児湿疹は皮脂の過剰分泌や皮膚バリア機能の未熟さが原因で、顔・頭皮・体に幅広く現れることが多く、あせもは汗管の閉塞が原因で首・わき・股など汗がたまりやすい部位に集中して現れます。
見た目の特徴としては、乳児湿疹は黄色いかさぶたや乾燥したカサカサした肌・赤い湿疹など種類によって様相が異なり、あせもは針の先ほどの均一な赤いブツブツや透明な水ぶくれが特徴的です。発症する部位と症状の見た目を合わせて判断することが、両者を見分けるポイントとなります。
ホームケアとしては、乳児湿疹には清潔を保ちながら十分な保湿を行うこと、あせもには汗をこまめに拭き取り涼しい環境を整えることが基本となります。どちらも適切なスキンケアを継続することで改善が期待できますが、症状が長引いたり悪化したりする場合、または細菌感染の疑いがある場合は自己判断せず、皮膚科や小児科を受診することが大切です。
赤ちゃんの肌は日々変化しています。肌の状態をよく観察し、少しでも気になる変化があれば早めに専門家に相談することが、赤ちゃんの健やかな肌を守る一番の近道です。アイシークリニック池袋院では、赤ちゃんの肌トラブルに関するご相談も承っております。お気軽にご来院ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎診療ガイドラインに基づく乳児湿疹・アトピー性皮膚炎の診断基準、スキンケア方法、保湿剤の使用推奨に関する情報
- 厚生労働省 – 乳幼児の健康管理・母子保健に関する公式情報、赤ちゃんの皮膚トラブルへの対処や受診の目安に関する指針
- PubMed – 乳児湿疹・あせも(汗疹)の発症メカニズム、皮膚バリア機能の未熟性、エクリン汗腺の閉塞に関する国際的な査読済み医学文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務