
子どものお腹や脇の下に小さなぷつぷつが現れ、「もしかして水いぼ?」と心配になった経験のある保護者の方は多いのではないでしょうか。水いぼは子どもによく見られるウイルス性の皮膚疾患で、放置しても自然に消えることがある一方、広がりやすいため保育園や幼稚園からプールを禁止されるケースもあります。そこでネットを調べると「イソジンで治った」という口コミや体験談を目にすることがあります。しかし、イソジンによる水いぼ治療は医学的に認められた方法なのでしょうか。本記事では、水いぼとはどのような疾患なのかを改めて整理したうえで、イソジンを使う民間療法の実態、考えられる作用のメカニズム、注意すべきリスク、そして皮膚科や小児科で行われる正式な治療法まで、幅広く詳しくご説明します。
目次
- 水いぼとはどのような病気か
- 水いぼが広がるメカニズムと自然経過
- イソジンとはどのような薬か
- 水いぼにイソジンが「効いた」と言われる理由
- イソジンを使った水いぼ治療の実際の方法
- イソジン治療のリスクと注意点
- 皮膚科・小児科での正式な治療法
- 治療法を選ぶ際のポイント
- 日常生活での注意点と感染予防
- まとめ
この記事のポイント
水いぼへのイソジン塗布は自然治癒との混同が多く、医学的エビデンスは不十分。皮膚炎や甲状腺への影響などリスクもあり、正式治療はピンセット摘除が主流。アイシークリニックでは専門医による適切な治療を提案している。
🎯 水いぼとはどのような病気か
水いぼの正式名称は伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)といいます。ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルス(MCV:Molluscum Contagiosum Virus)の感染によって引き起こされる皮膚疾患です。主に1歳から10歳ごろの子どもに多く見られますが、免疫力が低下した成人や、アトピー性皮膚炎などの皮膚バリア機能が低下している人でも発症することがあります。
見た目の特徴としては、表面がなめらかで光沢があり、中央にくぼみ(臍窩:さいか)がある直径1〜5ミリほどの半球状の小さなぶつぶつです。色は皮膚と同じ肌色のことが多いですが、白っぽく見えることもあります。内部には白い粥状の内容物が詰まっており、これを「水いぼの芯」と呼ぶこともあります。つぶすとこの内容物が出てきますが、その中にはウイルスが大量に含まれているため、感染拡大の原因になります。
好発部位は首、わきの下、胸やお腹、ひじの内側、ひざの裏など皮膚が薄くて摩擦が起こりやすい部位です。顔に出ることは少ないですが、まれに見られることもあります。数個から始まり、掻いたり触ったりすることで同じ体の別の場所に広がったり、他の人へうつったりします。
かゆみは通常それほど強くないとされていますが、アトピー性皮膚炎を合併している場合はかゆみが強くなりやすく、かくことで広がりやすくなります。水いぼ自体に痛みはなく、全身症状(発熱など)もほとんど生じないため、気がつかないうちに増えていることも珍しくありません。
Q. 水いぼとはどのような病気ですか?
水いぼ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルス(MCV)による皮膚疾患で、主に1〜10歳の子どもに多く見られます。表面が光沢を持ち中央にくぼみのある直径1〜5mmの小さなぶつぶつが特徴で、首・わきの下・胸などに現れ、接触感染によって広がります。
📋 水いぼが広がるメカニズムと自然経過
水いぼウイルスの感染経路は主に接触感染です。ウイルスに感染した皮膚との直接接触や、タオル・浮き輪・衣類などの間接的な接触によって広がります。プールでの感染が話題になることがありますが、塩素処理された水そのものからの感染よりも、プールサイドでのタオルや浮き輪の共有、あるいはスキンシップによる感染の方が実際には多いと考えられています。
水いぼは免疫が正常な子どもであれば、6ヶ月から3年程度で自然に治癒することが多いとされています。免疫系がウイルスを認識して排除するからです。ただし「自然に治るまで待ちましょう」という方針がすべての状況に適しているわけではありません。数十個・数百個と大量に増えてしまったり、かゆみで生活の質が著しく低下したり、集団生活の場で問題になったりするケースでは、治療介入が必要になってきます。
水いぼが自然治癒する前の段階として、周囲に赤みや炎症が生じることがあります。これは免疫が反応し始めているサインと考えられており、炎症が起きた後に水いぼが自然に消えていくことがあります。この炎症反応を「治りかけのサイン」として理解しておくとよいでしょう。
💊 イソジンとはどのような薬か
イソジンとは、ポビドンヨード(PVP-I)を有効成分とする消毒薬・うがい薬の製品名です。ポビドンヨードは、ポリビニルピロリドン(PVP)という高分子と、ヨウ素(I)を組み合わせた複合体です。ヨウ素はもともと強力な殺菌・抗ウイルス作用を持っていますが、純粋なヨウ素はそのままでは皮膚への刺激が強く、水に溶けにくいという課題がありました。ポビドンヨードはヨウ素をPVPに結合させることで、安定性と安全性を高めながら殺菌作用を持続させることに成功した製剤です。
イソジンシリーズには外用液(消毒液)、うがい薬、軟膏など複数の剤形があります。一般的に「イソジン」と呼ばれるうがい薬は薄い茶色をした液体で、主にのどのうがいや口内炎の消毒に用いられます。外用液は傷口の消毒などに使われます。ドラッグストアで市販されているため、家庭にイソジンのうがい薬を常備している家庭も多いでしょう。
ポビドンヨードの抗菌スペクトルは非常に広く、細菌(グラム陽性菌・グラム陰性菌)、真菌、ウイルス、芽胞形成菌など幅広い病原体に対して効果を示します。作用機序は、ポビドンヨードから遊離したヨウ素が病原体の細胞膜・細胞壁・タンパク質・核酸に作用し、病原体の機能を障害することで殺菌・不活化を達成するとされています。ウイルスに対しても、ウイルス表面のタンパク質(エンベロープやカプシド)を傷害することで感染力を失わせる効果が知られています。
Q. イソジンで水いぼが治ったという体験談はなぜ多いのですか?
水いぼにイソジンが効いたと感じる体験談の多くは、自然治癒との偶然の一致が原因と考えられます。水いぼは免疫が正常な子どもであれば6ヶ月〜3年で自然治癒するため、イソジン使用期間と治癒タイミングが重なった場合に「効いた」と誤認されやすく、医学的エビデンスは現時点で十分ではありません。
🏥 水いぼにイソジンが「効いた」と言われる理由
インターネット上には「イソジンを水いぼに塗ったら治った」「うがい薬を使って水いぼがきれいになくなった」という体験談が数多く存在します。では、なぜこのような話が広まっているのでしょうか。いくつかの観点から考察してみます。
まず理論的な背景として、ポビドンヨードにはウイルスを不活化する作用があることは事実です。試験管内の実験(in vitro)では、ポビドンヨードが軟属腫ウイルスに対して一定の殺ウイルス活性を示すというデータも存在します。このため、「殺ウイルス作用があるなら皮膚に塗れば効くのではないか」と考えることはある程度理論的な根拠に基づいているともいえます。
次に、イソジンを使った際に生じる「刺激」の問題があります。皮膚にイソジンを塗ると、特に原液に近い濃度では皮膚への刺激が生じます。この刺激が軽い炎症反応を引き起こし、その結果として免疫反応が活性化される可能性があります。前述のように、水いぼの周囲に炎症が起こると自然治癒が促進されることがあるため、イソジンの刺激がこの炎症を誘発して治癒を促したと考えられるケースもあるかもしれません。
また、水いぼは時間とともに自然に治癒するという事実も重要です。治療をしていなくても、あるいは医学的に証明されていない方法を試みていても、偶然自然治癒のタイミングと重なった場合、「あの治療が効いた」と感じてしまうことはよくあります。これはプラセボ効果や自然経過との混同と呼ばれる現象で、民間療法の体験談において非常によく起こります。
さらに、イソジンを塗ることで「乾燥」が促される可能性も考えられます。水いぼの内容物が乾燥することで、ウイルスの拡散が抑えられたり、水いぼ自体の組織が変性したりすることが治癒に関与している可能性もゼロではありません。
ただし、現時点では水いぼに対するイソジン治療の有効性を証明する質の高い臨床試験のデータは十分にありません。体験談や理論的推測の域を出ていないことは正直に理解しておく必要があります。
⚠️ イソジンを使った水いぼ治療の実際の方法
ネット上で紹介されているイソジンを使った水いぼへのアプローチには、いくつかのバリエーションがあります。代表的なものを紹介しますが、これらは医師によって推奨されている正式な治療法ではないことをあらかじめご理解ください。
最も多く紹介されているのが、市販のイソジンうがい薬を綿棒に含ませて水いぼに直接塗るという方法です。うがい薬は外用液よりも濃度が低く(約7%のポビドンヨード)、皮膚への刺激が比較的少ないため、直接塗布に使いやすいとされています。1日1〜2回程度、清潔にした肌に綿棒で少量を塗り、乾かすというのが基本的な手順として紹介されていることが多いようです。
また、イソジン軟膏をテープや絆創膏で水いぼに密封する方法(密封療法)も一部で紹介されています。密封することでポビドンヨードの浸透を高め、ウイルスへの作用を強めようという考え方です。ただしこの方法は肌への刺激が強くなるリスクがあります。
さらに、イソジンと重曹を組み合わせる「重曹パック」のような民間療法も存在します。重曹の弱アルカリ性がウイルスの不活化を助けるという理屈で紹介されていますが、こちらも科学的根拠は乏しく、皮膚への刺激が心配されます。
繰り返しになりますが、これらの方法はいずれも医療機関が正式に推奨するものではありません。独断で行う場合は後述するリスクを十分に理解したうえで行ってください。
Q. 水いぼにイソジンを塗るリスクは何ですか?
水いぼへのイソジン塗布には複数のリスクがあります。子どもの皮膚はデリケートなため接触性皮膚炎(かぶれ)を起こすことがあり、ヨウ素アレルギー反応が現れる場合もあります。また広範囲・長期使用では甲状腺機能への影響も懸念され、アトピー性皮膚炎がある場合は症状がかえって悪化するリスクもあるため注意が必要です。
🔍 イソジン治療のリスクと注意点
水いぼにイソジンを塗ることには、いくつかの注意すべきリスクがあります。自己判断で行う場合には以下の点をよく確認してください。
まず皮膚刺激と炎症についてです。ポビドンヨードは皮膚に対してある程度の刺激性を持っています。特に子どもの皮膚は大人より薄くてデリケートなため、イソジンを連日塗り続けることで接触性皮膚炎(かぶれ)を起こすことがあります。赤み、かゆみ、ただれなどの症状が出た場合はすぐに使用を中止してください。
次に、ヨウ素アレルギーの問題があります。ヨウ素に対してアレルギーを持っている場合、ポビドンヨードを皮膚に塗るとアレルギー反応が起こることがあります。以前にイソジンやヨウ素を含む製品で皮膚に異常が出た経験がある場合は使用を避けてください。
甲状腺への影響も無視できません。ポビドンヨードから遊離するヨウ素は、皮膚から一定量吸収されることがあります。特に広い範囲に長期間塗布する場合、過剰なヨウ素が甲状腺機能に影響する可能性があります。甲状腺疾患がある方や、新生児・乳幼児への使用は特に注意が必要です。
アトピー性皮膚炎のある子どもへの使用は特に慎重であるべきです。アトピー性皮膚炎では皮膚バリア機能がもともと低下しているため、ポビドンヨードの刺激がより大きな炎症を引き起こすリスクがあります。また、アトピー性皮膚炎があると水いぼが広がりやすい状態でもあるため、適切な専門医の管理下での治療が重要です。
治療効果の不確実性という点も重要なリスクです。イソジンで治療して「治らなかった」場合、その間に水いぼが広がってしまうことがあります。自然治癒を待つにしても、医療機関で治療するにしても、イソジン治療を長期間試みることで時間を無駄にし、その間に水いぼが増えてしまうというリスクがあります。
また、水いぼと他の皮膚疾患を混同しているケースもあります。水いぼに似た見た目のものとして、ミリア(稗粒腫)、扁平疣贅(いぼ)、毛孔性苔癬などがあります。自己判断でイソジンを塗り始める前に、本当に水いぼであるかどうかを皮膚科で確認することが大切です。
📝 皮膚科・小児科での正式な治療法
水いぼの治療方針は医療機関によって多少異なることがありますが、現在行われている主な治療法をご説明します。
最も一般的に行われているのがピンセットによる摘除(摘出)です。専用の器具(トラコーマ鑷子など)を使って水いぼの芯ごとつまみ取る方法です。1個1個処理するため、数が多い場合は時間がかかります。処置の際の痛みを軽減するため、処置の30〜60分前に麻酔テープ(リドカイン含有の局所麻酔テープ)を貼ってから行う施設も増えています。麻酔テープを使うことで痛みや恐怖心を軽減できるため、子どもへの負担が大幅に減ります。摘除は即効性があり、その場で水いぼをなくすことができるというメリットがあります。デメリットは、複数回の通院が必要になること、新しい水いぼが次々と出てくる場合があること、そして完全に麻酔が効かない子どもでは痛みを伴うことです。
液体窒素による冷凍凝固療法は、水いぼに液体窒素を当てて凍結させる方法です。凍結によりウイルスに感染した細胞が壊死し、水いぼが脱落します。1〜2週間に1回程度の通院が必要で、処置後に一時的に水疱が形成されることがあります。痛みを伴うため、幼い子どもには向かないこともあります。
外用薬による治療としては、カンタリジン(蟻のアルコール)の塗布が海外では多く行われていますが、日本では保険適用外のため普及していません。一方で、免疫を活性化させるイミキモドクリーム(保険適用外)が水いぼに対して使われることがあります。また、トリクロロ酢酸(TCA)の塗布なども一部で行われています。
経過観察という選択肢もあります。数が少なく症状もほとんどない場合、6ヶ月から2〜3年で自然治癒することが多いため、積極的な治療をせずに経過を見る方針をとることもあります。ただしこの間、感染拡大を防ぐための生活上の注意(掻かない、プールでのタオル共有をしないなど)が必要です。
アトピー性皮膚炎を合併している場合は、アトピーの治療をしっかり行って皮膚バリア機能を改善することが水いぼの改善につながることもあります。保湿剤の使用やステロイド外用薬による炎症コントロールがアトピー治療の基本であり、これによって水いぼの拡大を抑制できることがあります。
皮膚科専門医のいるクリニックでは、患者さんの状況(水いぼの数、年齢、アトピーの有無、本人や保護者の希望など)を総合的に判断して最適な治療法を提案しています。自己判断に頼らず、一度専門医に相談することをおすすめします。
Q. 皮膚科での水いぼの正式な治療法を教えてください
水いぼの正式な治療法として最も一般的なのは、専用ピンセットで芯ごとつまみ取る「摘除」です。処置前に麻酔テープを使用することで痛みを軽減できます。他にも液体窒素による冷凍凝固療法や外用薬による治療があり、アイシークリニックでは年齢・水いぼの数・アトピーの有無などを考慮した最適な治療法を専門医が提案しています。
💡 治療法を選ぶ際のポイント
水いぼの治療法を選ぶ際には、いくつかの視点から検討することが大切です。
お子さんの年齢と協力度が重要な要素です。幼い子どもほど処置中に動いてしまったり、恐怖心が強くなったりします。ピンセット摘除は麻酔テープを使っても泣いてしまうお子さんもいます。一方で、成長した子どもであれば処置の意味を説明すると協力してくれることが多くなります。
水いぼの数と広がり具合も考慮が必要です。数個程度であれば経過観察でも問題ないことが多いですが、数十個〜数百個と広がっている場合は積極的な治療が推奨されます。特にアトピー性皮膚炎などがあって広がりやすい状態であれば、早めに治療を始めることが大切です。
集団生活の状況も治療方針に影響します。保育園や幼稚園・プールでの活動制限がある場合は、早期に治療して解決することが保護者としても望ましいでしょう。ただし、日本小児皮膚科学会や日本皮膚科学会では、水いぼのある子どもをプールから一律に排除することは科学的根拠に乏しいとしており、患部を防水テープなどで覆えば参加できるという考え方も広まっています。施設側の方針と医師の意見を踏まえて対応しましょう。
保護者の希望や価値観も大切な要素です。「できるだけ痛みなく治したい」「確実に早く治したい」「できれば自然に治るのを待ちたい」など、さまざまな考え方があります。どの治療法がベストかは一概には言えないため、主治医と十分に話し合って決めることが重要です。
コストや通院の負担も現実的な考慮点です。摘除は保険適用で行えますが、複数回の通院が必要になることがあります。外用薬を使う治療の場合は自宅でケアできる部分もありますが、保険外の薬剤を使う場合は費用が増えることもあります。
✨ 日常生活での注意点と感染予防

水いぼと診断されたら、治療と並行して日常生活での感染拡大防止に取り組むことが重要です。
まず、水いぼを掻いたり触ったりしないようにすることが基本中の基本です。水いぼの内容物にはウイルスが大量に含まれており、掻くことで手にウイルスが付着し、他の部位に広げてしまいます。かゆみが強い場合は冷やしたり、かゆみ止め薬を使用したりして対処してください。爪を短く切っておくことも有効です。
入浴については、水いぼのある子どもでも通常通り入浴することができます。ただし、水いぼのある部分をタオルでゴシゴシこすることは避けてください。入浴後は優しく押さえ拭きするようにしましょう。家族内での感染を防ぐために、タオルの共有はなるべく避けることが望ましいです。
衣類や寝具については、特別な消毒は必要ありませんが、普通に洗濯することで十分です。水いぼのある部位が衣類によって覆われていれば、衣類を通した感染のリスクは低くなります。
アトピー性皮膚炎がある場合は、スキンケアを丁寧に行って皮膚のバリア機能を維持することが大切です。保湿剤を毎日しっかり塗り、皮膚の乾燥や炎症を抑えることで、水いぼが広がりにくくなります。
プールについては、患部を防水テープや水着で覆えば参加できるとする考え方が主流になっています。ただし施設によってルールが異なるため、担当医師に相談したうえで施設のルールに従って対応してください。
兄弟や家族への感染予防としては、水いぼのある子どもと他の子どもがタオルや水着を共有しないこと、肌と肌が直接触れる接触(プールでの接触、一緒に入浴など)をできるだけ避けることが有効です。ただし過度に隔離する必要はなく、通常の家庭生活を送りながら注意できる範囲でケアすれば十分です。
治療中の水いぼには、なるべく刺激を与えないことが大切です。市販の石けんやシャンプーが水いぼ部分に直接触れることは問題ありませんが、強くこすることは避けましょう。保湿は大切ですが、水いぼの上に直接クリームを塗ることで感染が広がることがあるため、水いぼ周囲の皮膚の保湿を心がけ、水いぼ自体には直接塗り込まないようにする方がよいでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「ネットでイソジンが効くと見て試してみたが、なかなか治らなくて…」とご相談いただくケースが少なくありません。ポビドンヨードにはウイルスを不活化する作用があるものの、水いぼへの有効性を裏付ける十分な臨床データはなく、特にアトピー性皮膚炎のあるお子さんでは皮膚刺激によってかえって症状が悪化してしまうこともあるため、自己判断での使用はお勧めしておりません。お子さんの肌の状態や生活環境に合わせた最適な治療法をご提案できますので、まずはお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
現時点では、水いぼに対するイソジン治療の有効性を証明する十分な臨床データはありません。ポビドンヨードにはウイルスを不活化する作用があるものの、「治った」という体験談の多くは自然治癒との偶然の一致である可能性があります。自己判断での使用はリスクを伴うため、まずは皮膚科専門医への相談をおすすめします。
主なリスクとして、皮膚への刺激による接触性皮膚炎(かぶれ)、ヨウ素アレルギー反応、長期・広範囲使用による甲状腺機能への影響が挙げられます。特に子どもの皮膚はデリケートなため、アトピー性皮膚炎がある場合は症状が悪化するリスクもあります。異常を感じたらすぐに使用を中止してください。
免疫が正常な子どもであれば、6ヶ月から3年程度で自然治癒することが多いとされています。ただし、数十〜数百個と大量に増えた場合や、かゆみが強い場合、保育園・幼稚園などの集団生活で問題になる場合は、治療介入が推奨されます。状況に応じて医師と方針を相談することが大切です。
最も一般的な治療法は、専用のピンセットで水いぼの芯ごとつまみ取る「摘除」です。処置前に麻酔テープを貼ることで痛みを軽減できます。他にも液体窒素による冷凍凝固療法や外用薬による治療があり、当院ではお子さんの年齢・水いぼの数・アトピーの有無などを考慮して最適な治療法をご提案しています。
日本皮膚科学会などでは、水いぼのある子どもをプールから一律に排除することは科学的根拠に乏しいとしています。患部を防水テープや水着で覆えば参加できるという考え方が主流です。ただし施設によってルールが異なるため、担当医師に相談したうえで施設の方針に従って対応することをおすすめします。
🎯 まとめ
水いぼにイソジンを使って「治った」という体験談はネット上に数多く存在しますが、これが医学的に証明された治療法かというと、現時点では明確なエビデンスは十分ではありません。ポビドンヨードにはウイルスを不活化する作用があること、皮膚への刺激が免疫反応を誘発する可能性があること、そして水いぼには自然治癒の経過があることが重なって、「イソジンで治った」と感じられるケースが生まれていると考えられます。
イソジンを使う場合は、皮膚への刺激、かぶれ、ヨウ素アレルギー、甲状腺への影響などのリスクがあることを理解したうえで行うことが必要です。特にアトピー性皮膚炎のある子どもや、乳幼児への使用は特に慎重であるべきです。
水いぼの正式な治療法としては、ピンセットによる摘除(麻酔テープ併用)が最も確実性が高く、一般的に行われています。液体窒素による冷凍凝固療法や各種外用薬なども選択肢としてあり、患者さんの状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。経過観察という選択肢も状況によっては有効です。
「子どもの水いぼをどうしたらいいかわからない」「イソジンを試してみたいが不安」「早く治したい」など、お悩みがある場合はまず皮膚科専門医に相談することをおすすめします。自己判断で民間療法を試み続けることで、水いぼが広がったり、皮膚トラブルが起きたりするリスクを避けるためにも、専門家の意見を聞くことが大切です。アイシークリニック池袋院では、水いぼをはじめとする皮膚トラブルについて丁寧に診察・相談を行っております。お子さんの肌のことでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 水いぼ(伝染性軟属腫)の診断基準・治療ガイドライン。ピンセット摘除や液体窒素療法など正式な治療法の根拠として参照。
- 国立感染症研究所 – 伝染性軟属腫ウイルス(MCV)の感染経路・疫学・自然経過に関する公式情報として参照。
- PubMed – ポビドンヨードの抗ウイルス作用および水いぼへの有効性に関する臨床・基礎研究論文群。イソジン治療の科学的根拠の有無を検証する際の参照元として使用。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務