脇に黒いできもの?原因と対処法を皮膚科医が詳しく解説

ふとした瞬間に気づいた脇の黒いできもの。「これって何?」「放っておいて大丈夫?」と不安になっていませんか?

💬 こんな不安、ありませんか?
😟「脇に黒いしこり…これってがん?」
😰「潰したらダメなの?どうすればいい?」
🚨「放置していたら大きくなってきた…」
⚠️ 放置すると危険なことも

脇の黒いできものは、色素沈着から皮膚がんまで原因が全く異なります。自己判断で放置・自己処理すると、悪化・取り返しのつかない事態になるケースも。

✅ この記事を読むとわかること
  • 📌 脇にできる黒いできものの「正体」6種類
  • 🚨 今すぐ病院へ行くべき危険サイン
  • ⚡ やってはいけないNG行動と正しいケア方法
  • 💡 クリニックでの治療法と受診のタイミング

目次

  1. 脇に黒いできものができやすい理由
  2. 脇の黒いできものの主な原因①:色素沈着(メラニン沈着)
  3. 脇の黒いできものの主な原因②:毛嚢炎(もうのうえん)
  4. 脇の黒いできものの主な原因③:粉瘤(ふんりゅう)
  5. 脇の黒いできものの主な原因④:ホクロ・色素性母斑
  6. 脇の黒いできものの主な原因⑤:汗管腫・アポクリン腺の異常
  7. 脇の黒いできものの主な原因⑥:皮膚線維腫・脂漏性角化症
  8. 注意が必要!悪性の可能性があるサインとは
  9. 脇の黒いできものを悪化させるNG行動
  10. 日常生活でできる予防・改善策
  11. 受診の目安とクリニックでの治療方法
  12. まとめ

この記事のポイント

脇の黒いできものは色素沈着・毛嚢炎・粉瘤・ホクロ・皮膚がんなど原因が多岐にわたる。ABCDEルールに該当する変化や2週間以上の持続は皮膚科受診が必須。自己処理の刺激軽減と早期受診が重要。

💡 1. 脇に黒いできものができやすい理由

脇(腋窩:えきか)は、身体のなかでも特にデリケートな部位です。なぜ脇に黒いできものが生じやすいのかを理解するためには、まず脇という部位の特徴を知ることが大切です。

脇は皮膚が薄く、内側に折れ込んだ構造をしているため、摩擦が起きやすい場所です。日常的に行われる腕の動作によって衣服と皮膚がこすれ合い、それが繰り返されることで皮膚への刺激が蓄積されていきます。さらに、発汗量が多く湿気がこもりやすいため、細菌やカビ(真菌)が繁殖しやすい環境でもあります。

また、脇の皮膚にはエクリン汗腺だけでなくアポクリン汗腺も多く存在しており、毛穴も密集しています。このため、毛穴のつまりや汗腺の詰まりが起こりやすく、炎症や腫れ、色素沈着といったさまざまな皮膚トラブルを引き起こしやすいのです。

さらに、除毛・脱毛の習慣がある方では、カミソリによる肌への刺激、毛の埋没(埋没毛)なども脇のできものと深く関わってきます。このような複合的な要因が重なることで、脇には黒いできものが生じやすいといえます。

Q. 脇に黒いできものができやすい理由は何ですか?

脇は皮膚が薄く折れ込んだ構造で摩擦が起きやすく、発汗量が多いため細菌が繁殖しやすい環境です。エクリン・アポクリン汗腺や毛穴が密集しており、詰まりや炎症が生じやすく、カミソリ自己処理による刺激や埋没毛も加わり、黒いできものが生じやすい複合的な要因が重なっています。

📌 2. 脇の黒いできものの主な原因①:色素沈着(メラニン沈着)

脇の黒ずみやできものの原因として最もよく見られるのが、色素沈着(メラニン沈着)です。皮膚に繰り返し刺激が加わると、メラノサイト(色素細胞)が活性化してメラニン色素が過剰に産生され、皮膚が黒ずんで見えます。これが「できもの」のように見えることがあります。

脇の色素沈着を引き起こす主な原因としては、次のものが挙げられます。

まず、摩擦による刺激があります。きつい衣類や合成繊維の衣服が脇に繰り返しこすれることで炎症が起きやすくなります。これを「摩擦性色素沈着症」と呼びます。特にポリエステルやナイロン素材の衣服を長時間着用している場合は注意が必要です。

次に、カミソリによる刺激があります。カミソリで自己処理をしている方は、剃るたびに皮膚表面を傷つけてしまい、炎症後色素沈着が生じることがあります。また、剃り残した毛が皮膚の下に透けて見えることで黒いドット状に見えることもあります。

さらに、制汗剤や脱毛クリームの使用による刺激も原因となります。化学成分が皮膚に刺激を与えることで、炎症と色素沈着が引き起こされることがあります。

色素沈着による黒ずみは、できものというよりも皮膚全体が黒くなっている状態で、触っても硬い腫瘤(しゅりゅう)などは感じません。痛みやかゆみが少ないことが多く、見た目の変化が主な症状です。適切なスキンケアや刺激を避けることで改善が期待できますが、気になる場合は皮膚科での相談をおすすめします。

✨ 3. 脇の黒いできものの主な原因②:毛嚢炎(もうのうえん)

毛嚢炎とは、毛穴(毛包:もうほう)に細菌が感染して炎症を起こした状態です。脇は毛穴が多く、汗で湿っていることが多いため、毛嚢炎が起こりやすい部位のひとつです。

毛嚢炎の初期段階では、毛穴の周囲に赤い小さなできものができます。次第に中心部に膿が溜まって白くなり、黒い点(毛根部分の汚れや壊死組織)が透けて見えることで黒いできもののように見えることがあります。また、炎症が治まった後に色素沈着が残り、黒ずんだ跡として残る場合もあります。

毛嚢炎の原因菌として最も多いのは黄色ブドウ球菌です。カミソリによる自己処理後、免疫力が低下しているとき(疲労・ストレス・糖尿病など)、衛生管理が不十分なときなどに発症しやすくなります。

症状としては、炎症部位の痛み・赤み・腫れがあります。多くの場合、数日から1週間程度で自然に改善しますが、炎症が強い場合や繰り返す場合は皮膚科での治療が必要です。治療としては、抗菌外用薬(抗生物質の塗り薬)や、状態によっては内服の抗生物質が処方されます。

また、毛嚢炎が慢性化・重症化すると「化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)」という疾患に発展することがあります。これは繰り返す炎症によって皮膚に瘻孔(ろうこう:トンネル状の穴)ができてしまう状態で、専門的な治療が必要です。脇にできた痛みを伴うできものが繰り返すようであれば、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

Q. 脇の毛嚢炎が悪化するとどうなりますか?

脇の毛嚢炎が慢性化・重症化すると「化膿性汗腺炎」という疾患に発展することがあります。繰り返す炎症によって皮膚にトンネル状の穴(瘻孔)が形成される状態で、通常の毛嚢炎と異なり専門的な治療が必要です。同じ部位に炎症が繰り返す場合は早めに皮膚科を受診してください。

🔍 4. 脇の黒いできものの主な原因③:粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤(アテローマとも呼ばれます)は、皮膚の下に袋状の構造(嚢腫:のうしゅ)ができ、その中に老廃物(アカ・皮脂など)が溜まったできものです。身体のあらゆる部位に生じますが、脇もよく見られる場所のひとつです。

粉瘤の表面には、黒い点(臍:へそ)が見られることがあり、これが毛穴の詰まりに相当します。この黒い点が「脇の黒いできもの」として気づかれるきっかけになることがよくあります。触ると皮膚の下に固い塊を感じ、動かすと皮膚と一緒に動くのが特徴です。

粉瘤は良性の腫瘍であり、悪性化することは非常にまれです。しかし、細菌感染を起こすと炎症性粉瘤となり、急に赤く腫れて強い痛みが出ることがあります。このような場合は切開して膿を排出する処置が必要になります。

粉瘤は自然に消えることはなく、時間の経過とともに大きくなることがほとんどです。根本的な治療は外科的な切除です。袋ごと完全に摘出する必要があり、不完全に取り除くと再発することがあります。「炎症のない状態のうちに手術を受ける」ことが望ましく、炎症を繰り返すようになる前に皮膚科や形成外科を受診することをおすすめします。

脇の粉瘤は衣類との摩擦を受けやすい場所にあるため、炎症を繰り返しやすい傾向があります。また、わきの下という狭い空間での手術になるため、経験豊富な医師のもとで治療を受けることが大切です。

💪 5. 脇の黒いできものの主な原因④:ホクロ・色素性母斑

脇の黒いできものとして、ホクロ(色素性母斑:しきそせいぼはん)も考えられます。ホクロはメラノサイトが皮膚の一部に集まってできたものであり、生まれつきあるものと、後天的に生じるものがあります。

脇のホクロは、腕を上げた際に摩擦を受けやすく、衣類や下着のゴム部分がこすれることで刺激になることがあります。また、ホクロに刺激が繰り返し加わると色が濃くなったり、やや隆起したりすることがあります。

通常のホクロは、黒から茶褐色で境界がはっきりしており、左右対称の形状をしています。大きさは5mm以下であることが多く、表面はなめらかです。こうした特徴を持つホクロは良性である可能性が高いとされています。

ただし、大きさが急に変化した、形が非対称になった、複数の色が混在している(濃い黒・茶色・赤などが混じっている)、境界がギザギザしている、出血や染み出しがあるといった変化が見られる場合は注意が必要です。これらは悪性黒色腫(メラノーマ)のサインである可能性があります。

脇のホクロが気になる場合、あるいは変化が気になる場合は、皮膚科でダーモスコピー検査(特殊な拡大鏡を使った検査)を受けることをおすすめします。必要に応じて摘除術(切除手術)が提案されます。ホクロの除去は、医療機関では外科的切除やレーザー治療が選択肢となります。

🎯 6. 脇の黒いできものの主な原因⑤:汗管腫・アポクリン腺の異常

汗管腫(かんかんしゅ)は、汗を分泌するエクリン汗腺の導管部分が増殖してできる良性の腫瘍です。主に目の周囲や頬に生じることが多いですが、脇や首、体幹部にも生じることがあります。肌色から淡い黄褐色のことが多く、複数個できることが特徴ですが、色素沈着が加わると黒っぽく見えることもあります。

汗管腫は2〜3mm程度の小さなドーム状の丘疹(きゅうしん)で、通常は自覚症状がほとんどありません。女性に多く、思春期以降に発症する傾向があります。悪性化することはなく、経過観察で問題ないことがほとんどですが、見た目が気になる場合はレーザー治療や切除術が選択肢になります。

また、アポクリン腺の異常として「アポクリン汗嚢腫(かんのうしゅ)」という疾患もあります。アポクリン腺が袋状に拡張して液体が溜まったもので、青みがかった黒色や茶色の透明感のある丘疹として現れることがあります。これも良性のものがほとんどですが、見た目だけでの判断が難しいため、医療機関での診断が重要です。

汗腺の異常によるできものは自己判断が難しく、毛嚢炎や粉瘤、ホクロとの区別が必要なことが多いです。皮膚科でダーモスコピーなどを用いた診察を受けることで正確な診断を得ることができます。

Q. 脇の黒いできもので悪性を疑うサインは?

悪性黒色腫(メラノーマ)を疑う目安として「ABCDEルール」があります。A(非対称)・B(境界がギザギザ)・C(複数色の混在)・D(直径6mm以上)・E(形・色・大きさの変化)のいずれかに該当する場合は、自己判断せず皮膚科でダーモスコピー検査や生検などの精密検査を受けることが重要です。

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💡 7. 脇の黒いできものの主な原因⑥:皮膚線維腫・脂漏性角化症

脇の黒いできものとして、皮膚線維腫(ひふせんいしゅ)や脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)も挙げられます。これらはどちらも良性の皮膚腫瘍ですが、見た目が黒く、悪性のものと区別することが重要です。

皮膚線維腫は、皮膚の真皮層に線維芽細胞(せんいがさいぼう)が増殖してできた固い結節です。大きさは数mmから1cm程度で、茶褐色から黒っぽい色をしていることが多く、押すと少し凹む「ディンプルサイン」と呼ばれる特徴があります。虫刺されや小さな外傷がきっかけで生じることがあり、主に足や腕にできますが、脇にも生じることがあります。ほとんどの場合、悪性化せず、経過観察で問題ありません。

脂漏性角化症は「老人性イボ」とも呼ばれ、中高年以降に多く見られる皮膚の良性腫瘍です。表面がザラザラしており、茶褐色から黒色の色調を示します。脇はできやすい部位のひとつで、複数個できることもあります。加齢とともに増えていくことが多く、悪性化はしないとされています。

脂漏性角化症は見た目がメラノーマ(悪性黒色腫)に似ていることがあり、自己判断が非常に難しい疾患です。特に急速に大きくなった、出血する、形が不整形になったなどの変化がある場合は、皮膚科での精密検査が不可欠です。治療が必要な場合は、液体窒素による冷凍凝固術やレーザー治療、外科的切除などが選択肢となります。

📌 8. 注意が必要!悪性の可能性があるサインとは

脇の黒いできものの多くは良性ですが、なかには悪性腫瘍(皮膚がん)の可能性があるものも含まれます。「たかが脇のできもの」と油断せず、以下に挙げるサインが見られる場合は速やかに皮膚科を受診してください。

皮膚がんのなかでも、悪性黒色腫(メラノーマ)は特に注意が必要です。メラノーマは早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、以下のABCDEルールを覚えておくと役立ちます。

A(Asymmetry:非対称性)は、できものを仮想の中心線で半分に分けたとき、左右が非対称になっている場合です。B(Border:境界不整)は、境界がギザギザ、またはぼやけている場合です。C(Color:色調不均一)は、黒・茶・赤・白・青など複数の色が混在している場合です。D(Diameter:直径)は、直径6mm以上に達している場合です。E(Evolution:変化)は、大きさ・形・色が変化している場合です。

これらの特徴が1つでも当てはまる場合は、悪性の可能性を完全には否定できないため、皮膚科での精密検査が必要です。ダーモスコピー検査は特殊な拡大鏡を用いて皮膚の構造を詳しく観察する検査で、メラノーマの早期発見に非常に有用です。必要に応じて生検(組織を一部採取して病理検査に出すこと)が行われます。

また、メラノーマ以外にも「基底細胞がん」「有棘細胞がん(扁平上皮がん)」なども皮膚がんの一種です。基底細胞がんは黒い光沢のあるドーム型のできものとして現れることがあり、脇に生じることもあります。いずれも早期に発見することで、より低侵襲な治療が可能となります。

さらに、脇のリンパ節が腫れている場合も注意が必要です。乳がんや他の部位のがんが脇のリンパ節に転移することがあります。脇の深部に硬い腫れを感じる場合は、皮膚科だけでなく外科や乳腺外科への受診も視野に入れてください。

✨ 9. 脇の黒いできものを悪化させるNG行動

脇に黒いできものを見つけたとき、思わずやってしまいがちなNG行動があります。これらの行動がかえって症状を悪化させることがあるため、注意が必要です。

まず、できものを自分でつぶす・絞り出す行為は絶対に避けてください。毛嚢炎や粉瘤のできものを力任せに押し出そうとすると、細菌が周囲の皮膚や血液中に広がるリスクがあります。炎症が悪化して蜂窩織炎(ほうかしきえん:皮膚の深いところが広範囲に感染する病態)に進行したり、傷跡が残ったりすることがあります。

次に、カミソリによる過度な自己処理も問題です。できものがある状態でカミソリを使うと、できものを傷つけて出血・感染を引き起こす可能性があります。また、皮膚への刺激が増して色素沈着が悪化することもあります。できものがある間は、カミソリの使用を控えるか、できものの周囲を避けて慎重に使用しましょう。

民間療法や市販の薬を安易に使用することも避けてください。インターネット上にはさまざまな民間療法が紹介されていますが、脇のできものの原因はひとつではないため、原因に合わない方法では効果がなかったり、皮膚をさらに傷める可能性があります。また、強い刺激物(レモン汁・重曹・ティーツリーオイルなど)を直接塗ることで、接触性皮膚炎を起こすこともあります。

受診をずっと先延ばしにすることも問題です。「たいしたことない」「そのうち治るだろう」と放置していると、粉瘤が炎症を起こして治療が複雑になったり、悪性の腫瘍を見逃してしまったりするリスクがあります。特に大きさや色・形の変化がある場合は、早めに皮膚科を受診することが大切です。

さらに、脇を強くこすって洗う習慣も避けてほしいNG行動です。清潔を保つことは大切ですが、ボディタオルやスポンジで強くこすると皮膚への摩擦刺激が増し、炎症や色素沈着を悪化させます。脇を洗う際は、泡立てた石鹸を手でやさしくなじませるようにしましょう。

Q. 脇の黒いできものに対してクリニックではどんな治療がありますか?

原因により治療は異なります。色素沈着にはハイドロキノン外用薬やレーザー治療、毛嚢炎には抗菌外用薬・抗生物質の内服、粉瘤には外科的切除やくり抜き法が用いられます。脂漏性角化症には液体窒素による冷凍凝固術も選択肢です。正確な診断のもと適切な治療を受けることが大切です。

🔍 10. 日常生活でできる予防・改善策

脇のできものや色素沈着を予防・改善するために、日常生活のなかでできることを紹介します。継続することで、脇の皮膚環境を整えることができます。

まず、摩擦を減らすことが基本中の基本です。衣類の素材選びに気をつけ、脇に当たる部分がやわらかい素材(綿・シルクなど)のものを選ぶようにしましょう。特にきつい袖口のアイテムは脇との摩擦が強くなるため、ゆとりのあるシルエットのものを選ぶことをおすすめします。

除毛方法の見直しも重要です。カミソリで自己処理をしている場合、皮膚への刺激を最小限にするために、剃る前に蒸しタオルなどで脇を温めて毛を柔らかくしてから、シェービングクリームやフォームを使用し、毛の流れに沿って優しく剃るようにしましょう。剃った後は保湿を忘れずに行います。長期的には、クリニックでの医療レーザー脱毛を検討することで、毛嚢炎や色素沈着の繰り返しを防ぐことができます。

保湿ケアの徹底も大切です。乾燥した皮膚は摩擦に弱く、刺激を受けやすくなります。入浴後は脇の皮膚にも保湿剤をやさしく塗布し、潤いを保つようにしましょう。ただし、脇の皮膚は敏感なため、香料や添加物が少ないシンプルな保湿剤を選ぶことをおすすめします。

制汗剤の選び方にも注意が必要です。脇の黒ずみが気になる方は、できるだけ皮膚への刺激が少ない制汗剤を選びましょう。アルコールや強い香料を含むものは避け、肌に優しい処方のものを選ぶことが大切です。また、使用後は成分が残らないよう、翌日の入浴時にしっかり洗い流すことも意識しましょう。

生活習慣全般の改善も皮膚の健康に影響します。十分な睡眠・バランスの取れた食事・適度な運動は、免疫機能を維持し、皮膚の自己修復力を高めます。特にビタミンCやビタミンE、ナイアシンなどを含む食品は、色素沈着の予防や改善に役立つとされています。また、糖尿病や免疫機能に影響する基礎疾患がある方は、毛嚢炎を繰り返しやすいため、原疾患のコントロールも重要です。

脇の蒸れ対策として、通気性のよい素材の衣類を選んだり、汗をかいたらこまめに拭いたりすることも、細菌の繁殖を防ぐために有効です。

💪 11. 受診の目安とクリニックでの治療方法

「どのタイミングでクリニックを受診すればよいのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。以下に、受診の目安と、クリニックで受けられる治療についてまとめます。

受診が望ましい状況として、まず痛みや腫れが強い場合があります。毛嚢炎や炎症性粉瘤では、急に赤く腫れて強い痛みが出ることがあります。このような場合は早めに受診し、適切な治療(切開排膿や抗生物質投与など)を受けましょう。

できものが大きくなっている・形や色が変わっているという場合も受診が必要です。悪性腫瘍のサインである可能性があるため、自己判断せずに皮膚科での検査を受けてください。

2週間以上治らない場合も受診の目安です。毛嚢炎などは通常1〜2週間で改善することが多いですが、それ以上続く場合は原因が別にある可能性があります。

繰り返し同じ場所に炎症が起きる場合は、粉瘤や化膿性汗腺炎の可能性があります。根本的な治療が必要なため、皮膚科を受診してください。

皮膚科では、問診・視診・ダーモスコピー検査などを通じて診断を行います。必要に応じて超音波検査や生検(組織を採取して病理検査に出す)が行われることもあります。

治療方法は原因によって異なります。色素沈着(黒ずみ)に対しては、ハイドロキノンやトレチノインなどの美白外用薬の処方、ケミカルピーリング、レーザー治療(フラクショナルレーザーやQスイッチレーザーなど)が選択肢になります。

毛嚢炎に対しては、抗菌外用薬(クリンダマイシン・ナジフロキサシンなど)や、重症の場合は抗生物質の内服が処方されます。

粉瘤に対しては、炎症がない状態では外科的切除が根本治療です。炎症がある場合はまず切開排膿で炎症を抑え、落ち着いてから改めて摘出手術を行います。くり抜き法(トレパン法)と呼ばれる低侵襲な手術法が用いられることもあります。

ホクロや脂漏性角化症は、良性であれば経過観察も選択肢のひとつですが、見た目が気になる場合や悪性との鑑別が必要な場合は、外科的切除・レーザー切除・液体窒素による冷凍凝固術などが行われます。悪性腫瘍(メラノーマなど)が疑われる場合は、速やかに専門機関へ紹介され、切除・生検・追加治療(放射線・薬物療法など)が行われます。

脱毛による毛嚢炎・色素沈着の改善を目的とする場合は、医療機関での適切な脱毛治療を受けることで、繰り返す肌トラブルを根本から改善できることがあります。自己処理から卒業することで、脇の皮膚環境が大きく改善する方も多くいらっしゃいます。

アイシークリニック池袋院では、皮膚の専門知識を持つスタッフが脇の皮膚トラブルに関するご相談を丁寧にお聞きします。脇の黒いできものや色素沈着など、見た目のお悩みから炎症・痛みを伴うトラブルまで、お気軽にご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、脇の黒いできものを「ただの黒ずみだろう」と数年間放置された後にご来院される患者さまが少なくなく、診察してみると粉瘤や炎症後色素沈着が進行しているケースも見受けられます。脇はご自身では確認しにくい部位だからこそ、色・形・大きさに少しでも気になる変化があれば、早めに皮膚科へご相談いただくことが、結果的にシンプルな治療で済む近道になります。どうぞひとりで抱え込まず、まずは気軽にご相談ください。」

🎯 よくある質問

脇の黒いできものの原因として最も多いのは何ですか?

脇の黒いできものの原因として最も多く見られるのは、色素沈着(メラニン沈着)です。カミソリによる自己処理や衣類との摩擦、制汗剤の刺激などが繰り返されることでメラニン色素が過剰に産生され、皮膚が黒ずんで見えます。痛みやかゆみが少なく、触っても硬い腫瘤を感じないことが特徴です。

脇のできものを自分でつぶしてもよいですか?

絶対に避けてください。自分でつぶすと細菌が周囲の皮膚や血液中に広がり、蜂窩織炎などの重篤な感染症に進行するリスクがあります。また、傷跡が残ったり色素沈着が悪化したりすることもあります。炎症や痛みがある場合は、速やかに皮膚科を受診して適切な処置を受けることが大切です。

脇の黒いできものが悪性かどうか、自分で見分ける方法はありますか?

「ABCDEルール」が参考になります。A(非対称)・B(境界がギザギザ)・C(複数の色が混在)・D(直径6mm以上)・E(形・色・大きさの変化)のいずれかに当てはまる場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性があります。ただし自己判断は困難なため、気になる変化があれば皮膚科でダーモスコピー検査を受けることをおすすめします。

粉瘤は放置しても問題ありませんか?

粉瘤は良性腫瘍ですが、自然に消えることはなく、時間とともに大きくなることがほとんどです。また、細菌感染を起こすと急激に赤く腫れ、強い痛みを伴う炎症性粉瘤に発展します。特に脇は衣類との摩擦が多く炎症を繰り返しやすいため、炎症が起きていない早い段階で皮膚科や形成外科を受診し、外科的切除を検討することが望ましいです。

脇の黒いできものや色素沈着を予防するには何をすればよいですか?

主に3つのポイントが重要です。①衣類は綿など摩擦の少ない素材を選ぶ、②カミソリ自己処理の際はシェービングクリームを使用し毛の流れに沿って優しく剃る(長期的には医療レーザー脱毛も有効)、③入浴後は香料の少ない保湿剤で脇を保湿する。脇を強くこすって洗う習慣も色素沈着を悪化させるため、泡で優しく洗うよう心がけましょう。

💡 まとめ

脇に黒いできものができる原因は、色素沈着・毛嚢炎・粉瘤・ホクロ・汗管腫・脂漏性角化症など多岐にわたります。多くの場合は良性のものですが、形・色・大きさに変化がある場合や、痛み・出血・急激な増大が見られる場合は悪性腫瘍の可能性もゼロではありません。

自己判断で「たいしたことない」と放置するのではなく、気になる変化があれば早めに皮膚科を受診することが大切です。また、カミソリによる自己処理の刺激や衣類との摩擦など、日常的な習慣が脇の皮膚トラブルの原因になっていることも多いため、日々のケア方法を見直すことも重要です。

脇は自分で確認しにくい部位でもあるため、定期的に鏡でチェックする習慣をつけておくと、早期発見・早期対処につながります。正しい知識を持ち、適切なケアと医療機関の受診を組み合わせることで、脇の皮膚トラブルは多くの場合改善が期待できます。何か気になる症状があれば、ひとりで悩まずに専門家へ相談することをおすすめします。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 色素性母斑(ホクロ)・悪性黒色腫(メラノーマ)の診断基準・ABCDEルール・ダーモスコピー検査に関する解説、および毛嚢炎・粉瘤・脂漏性角化症などの皮膚腫瘍の分類と治療方針の参照元として使用
  • 厚生労働省 – 皮膚がん(悪性黒色腫・基底細胞がん・有棘細胞がんなど)の早期発見・受診勧奨に関する情報、および脇リンパ節転移を含むがん関連情報の参照元として使用
  • 日本形成外科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)の外科的切除・くり抜き法(トレパン法)をはじめとする形成外科的治療方法、および皮膚線維腫・汗管腫などの良性皮膚腫瘍の治療選択肢に関する情報の参照元として使用

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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