
「唇がカサカサしてめくれやすい」「季節に関係なく唇の荒れが続いている」「リップクリームを塗っても全然改善しない」──そんな悩みを抱えている方は、意外にも多くいらっしゃいます。唇の荒れは、単なる乾燥だと思われがちですが、実際にはさまざまな原因が絡み合っていることがあります。生活習慣や体の内側からのサイン、あるいは皮膚疾患が関係しているケースも少なくありません。この記事では、「唇が荒れるのはなぜか」という疑問に医療的な観点からお答えし、日常的なケアの方法から受診の目安まで、幅広くわかりやすく解説します。
目次
- 唇が荒れやすい理由──皮膚としての特殊性
- 唇が荒れる主な原因10選
- 唇荒れを悪化させるNG習慣
- 乾燥以外に注意したい唇荒れのサイン
- 唇を健やかに保つための日常ケア
- 唇荒れに効果的な栄養素と食事
- セルフケアでは改善しない場合の受診の目安
- まとめ
この記事のポイント
唇は皮脂腺が少なく薄い皮膚のため荒れやすく、乾燥・口呼吸・ビタミンB群不足・アレルギー・ヘルペスウイルスなど複合的な原因が関与する。2〜3週間のセルフケアで改善しない場合は皮膚科受診が推奨される。
🎯 唇が荒れやすい理由──皮膚としての特殊性
唇は顔の中でも特に繊細な部位のひとつです。普段は当たり前のように存在しているので意識しにくいのですが、唇の皮膚は体の他の部位と比べてかなり特殊な構造をしています。
まず、唇の皮膚は非常に薄く、一般的な皮膚の角質層と比べて層が少ないとされています。皮膚の外側にある角質層は外部刺激から体を守るバリア機能を担っていますが、唇ではそのバリアが薄いため、外的刺激の影響を受けやすい状態にあります。
次に、唇には皮脂腺がほとんどありません。通常、肌の表面は皮脂腺から分泌される皮脂が薄い膜を作ることで水分の蒸発を防いでいます。ところが唇にはこの皮脂腺が極めて少なく、自ら潤いを保つ機能がほとんど備わっていないのです。そのため、唇は常に外部からの保湿を必要とする部位といえます。
さらに、唇は常に口の動きによる摩擦を受けており、食べ物・飲み物・空気・温度変化など多くの外的刺激と接しています。これらの要因が重なることで、唇は荒れやすく、一度荒れると回復しにくいという特徴があります。
Q. 唇が荒れやすい構造的な理由は何ですか?
唇は皮脂腺がほとんどなく、角質層も薄いため、自力で潤いを保つ機能がほぼありません。皮脂腺が作る皮脂膜がないことで水分が蒸発しやすく、外部からの継続的な保湿ケアが不可欠な部位です。さらに食事や会話による摩擦も常に加わるため、刺激を受けやすく荒れやすい構造といえます。
📋 唇が荒れる主な原因10選
唇が荒れる原因はひとつではありません。複数の要因が重なって起きていることも多いため、それぞれの原因を理解することが大切です。
🦠 1. 乾燥(低湿度・空気の乾燥)
唇荒れの最もポピュラーな原因が乾燥です。特に秋冬は空気が乾燥しやすく、唇から水分が奪われやすくなります。冷暖房が効いた室内では一年を通じて空気が乾燥していることもあり、季節を問わず唇が荒れる方も少なくありません。唇は皮脂腺が少ないために自力で保湿することができないため、湿度の低い環境では特に影響を受けやすくなります。
👴 2. 紫外線によるダメージ
紫外線は肌だけでなく唇にも影響を与えます。唇の皮膚は薄くてメラニン色素が少ないため、紫外線ダメージを受けやすい部位です。日焼け止めは顔に塗っても唇には塗り忘れることが多く、紫外線による乾燥や炎症が慢性的に続いてしまうケースがあります。特にアウトドアが多い方や夏場に唇が荒れやすい方は、紫外線対策が不十分なことが原因かもしれません。
🔸 3. 口呼吸の習慣
鼻づまりやアレルギー性鼻炎などで鼻呼吸が難しく、口呼吸が習慣になっている方は、唇が常に乾いた空気にさらされる状態になります。呼吸のたびに唇の水分が蒸発するため、慢性的な唇荒れを引き起こしやすくなります。また、睡眠中に口が開いてしまうことで、朝起きると特に唇が乾燥していると感じる方も多いでしょう。
💧 4. 唇をなめる・触る習慣
乾燥を感じたときに唇をなめるのはごく自然な行動ですが、実はこれが唇荒れを悪化させる大きな原因のひとつです。唾液には消化酵素が含まれており、これが唇の皮膚を分解・刺激してしまいます。なめた直後は一時的に潤いを感じますが、唾液が蒸発するときに唇の水分も一緒に奪われ、かえって乾燥が進んでしまいます。また、唇を触る・かむ習慣も刺激となり、荒れを引き起こす要因となります。
✨ 5. 栄養不足・ビタミン欠乏
唇の荒れには、栄養状態も深く関わっています。特にビタミンB群の不足は、口唇炎や口角炎(唇の端が荒れる症状)の原因となることが知られています。ビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB6(ピリドキシン)が不足すると、粘膜や皮膚の健康を保つ機能が低下し、唇が荒れやすくなります。また、鉄分やビタミンAの不足も、粘膜や皮膚のバリア機能に影響を与えることがあります。
📌 6. 食べ物・飲み物による刺激
辛い食べ物や酸性の強い食品(柑橘類・トマトなど)、アルコールは唇への直接的な刺激となり得ます。また、熱い飲み物を頻繁に飲む習慣も、唇に継続的な刺激を与えることになります。食事のたびに刺激を受けることで慢性的な炎症状態を引き起こし、唇荒れが長引く原因になることがあります。
▶️ 7. アレルギー・接触性皮膚炎
リップクリームや口紅、歯磨き粉などに含まれる成分がアレルギーの原因(アレルゲン)となることがあります。特定の化学物質や香料、防腐剤に対してアレルギー反応が起きると、唇が赤くなったり、腫れたり、かゆみを伴う荒れが生じたりします。こうした接触性皮膚炎は、同じ製品を使い続ける限り改善しないため注意が必要です。
🔹 8. 感染症(ヘルペスウイルスなど)
唇が荒れる原因として、ウイルスや細菌・真菌などの感染が関係していることもあります。代表的なのが単純ヘルペスウイルスによる「口唇ヘルペス」で、唇や唇の周囲に小さな水疱(水ぶくれ)ができ、ピリピリとした痛みやかゆみを伴います。一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、疲労や免疫力低下をきっかけに繰り返し発症することが特徴です。また、口角に起きる口角炎にはカンジダ菌(真菌)の関与が疑われる場合もあります。
📍 9. 皮膚疾患(アトピー性皮膚炎・乾癬など)
アトピー性皮膚炎の方は、唇も含めた顔全体の皮膚バリア機能が低下しているため、唇荒れが生じやすい傾向があります。また、慢性的な炎症性疾患である乾癬が唇に影響を及ぼすこともあります。これらの皮膚疾患が背景にある場合は、一般的なリップケアだけでは改善が難しく、医療機関での治療が必要になることがあります。
💫 10. 全身的な疾患・薬の副作用
内臓疾患や自己免疫疾患、甲状腺機能低下症などの全身疾患が唇の乾燥や荒れに関わることもあります。また、特定の薬(抗がん剤・利尿剤・抗ヒスタミン薬など)の副作用として口腔内や唇が乾燥しやすくなるケースもあります。こうした場合は原因となる疾患や薬に対処することが根本的な解決につながります。
Q. 口呼吸はなぜ唇荒れの原因になりますか?
口呼吸が習慣になると、乾いた空気が直接唇に当たり続けるため、呼吸のたびに唇の水分が蒸発します。鼻づまりやアレルギー性鼻炎が原因で口呼吸になるケースが多く、睡眠中に口が開く方も朝に唇の乾燥を感じやすくなります。慢性的な口呼吸は唇荒れの見落とされやすい原因のひとつです。
💊 唇荒れを悪化させるNG習慣
唇荒れを抱えている方の多くが、知らず知らずのうちに症状を悪化させる習慣を繰り返していることがあります。以下にまとめた行動に心当たりがないか、確認してみてください。
🦠 皮をむく・かく行為
唇の皮がめくれてくると、ついつい指で引っ張ったり、かじったりしたくなるものです。しかし、これは大変危険な行為です。まだ皮膚と繋がっている部分を無理に引き剥がすと、傷ができて出血し、そこから細菌が入り込んで炎症が悪化してしまいます。どれほどかゆくても、皮をむくことは我慢することが大切です。
👴 リップクリームの塗りすぎ・依存
リップクリームを1日に何度も何度も塗り直すことは、一見すると丁寧なケアのように思えますが、実は逆効果になることがあります。リップクリームを頻繁に塗ることで唇が自ら潤いを保とうとする機能が低下したり、成分によっては依存性が生まれたりするケースも指摘されています。保湿は適度な回数で行い、成分を確認しながら使用することが大切です。
🔸 マスクの蒸れ・摩擦
マスクを長時間着用すると、唇周辺が蒸れて湿った状態になります。湿った状態と乾いた状態を繰り返すことで皮膚バリアが壊れやすくなり、唇荒れの原因になることがあります。また、マスクの素材によっては摩擦が生じ、唇へのダメージになることもあります。
💧 水分補給の不足
体全体の水分量が不足していると、唇を含む全身の粘膜が乾燥しやすくなります。「唇だけが乾く」と思っていても、体全体が脱水気味になっていることがあります。1日を通じてこまめに水分を補給する習慣をつけることが、唇荒れの予防にもつながります。
✨ 喫煙の習慣
タバコに含まれる成分は、皮膚の血行を悪化させ、皮膚の再生能力を低下させることが知られています。唇も例外ではなく、喫煙習慣がある方は唇が荒れやすく、色素沈着も起きやすくなります。唇だけでなく、顔全体の肌状態にも影響するため、禁煙を検討することも大切なケアのひとつです。
🏥 乾燥以外に注意したい唇荒れのサイン
唇の荒れがすべて乾燥によるものとは限りません。以下のような症状は、単なる乾燥性の唇荒れではなく、別の疾患や状態を示している可能性があるため注意が必要です。
📌 口唇ヘルペスの症状
唇や唇の周囲にピリピリ・チクチクとした感覚が生じた後、小さな水疱ができる場合は口唇ヘルペスが疑われます。水疱はやがて破れてかさぶたになります。疲れたときやストレスが多い時期に繰り返し発症するのが特徴です。市販薬での対処もありますが、医療機関で抗ウイルス薬を処方してもらうことで回復が早まります。
▶️ 口角炎・口唇炎のサイン
唇の端(口角)が赤く腫れて割れる口角炎や、唇全体が炎症を起こす口唇炎は、ビタミン不足や感染症、アレルギー反応など複数の原因が考えられます。口角炎は特に免疫力が低下しているときや、栄養バランスが乱れているときに起きやすいとされています。痛みを伴う場合が多く、口を開けるたびに亀裂が広がって辛い思いをすることもあります。
🔹 唇の色の変化
唇の色が普段より青紫がかっている場合、血流の不足や心肺機能の問題を示す「チアノーゼ」の可能性があります。また、唇全体が白っぽくなる場合は貧血が疑われます。唇の荒れとともにこうした色の変化が見られる場合は、全身的な健康状態の確認が必要です。
📍 長期間改善しない荒れ・硬結
3〜4週間以上ケアをしても改善しない唇荒れ、または唇の一部が硬くなったり白くなったりしている場合(白板症や前癌病変)は、悪性の疾患との鑑別が必要なことがあります。このような場合は自己判断せず、早めに皮膚科や口腔外科を受診することをおすすめします。
Q. 唇荒れに関係するビタミンを教えてください。
ビタミンB2(リボフラビン)とビタミンB6(ピリドキシン)の不足は、口唇炎や口角炎の直接的な原因となることが知られています。ビタミンAは皮膚バリア機能の維持、ビタミンCはコラーゲン生成と紫外線ダメージの軽減に役立ちます。レバー・卵・緑黄色野菜・バナナなどを意識的に取り入れることが唇の健康維持に効果的です。
⚠️ 唇を健やかに保つための日常ケア
唇荒れの予防と改善には、日々のケアの積み重ねが重要です。以下に、医療的観点からも有効とされているケア方法を紹介します。
💫 適切なリップケア製品の選び方
リップクリームを選ぶ際には、成分を確認することが大切です。保湿成分として有効なのは、ワセリン・シアバター・ヒアルロン酸・セラミドなどです。ワセリンは特にシンプルで刺激が少なく、皮膚科でも推奨されることが多い保湿剤です。香料・着色料・エタノールなどの添加物が多い製品は、かえって刺激になることがあるため、敏感肌の方や荒れがひどい方は成分のシンプルなものを選ぶとよいでしょう。
🦠 リップケアのタイミングと頻度
リップクリームは、朝の洗顔後・食後・就寝前に塗ることが基本です。特に就寝前は長時間保湿を維持できるため効果的です。日中も乾燥を感じたら塗り直しますが、1日に何十回も塗り直す必要はありません。量は少量を薄く均一に伸ばすのが適切で、厚く塗ることが効果的というわけではありません。
👴 紫外線対策としてのUVカットリップ
日中外出する際には、SPF・PA表示のあるUVカット効果のあるリップクリームや口紅を使用することで、紫外線による唇へのダメージを防ぐことができます。特に春〜夏の日差しが強い時期には積極的に活用しましょう。
🔸 室内の湿度管理
室内の湿度が50〜60%程度に保たれていると、皮膚や粘膜の乾燥を防ぎやすくなります。加湿器を活用したり、洗濯物を室内に干したりすることで適度な湿度を維持することが唇荒れの予防につながります。特に冬場の暖房使用時は空気が乾燥しやすいため意識的に加湿を行いましょう。
💧 唇をなめる・触る習慣を意識的にやめる
前述のとおり、唇をなめる行為は乾燥を悪化させます。「乾燥を感じたらなめる」という反射的な行動を意識的に断ち切り、代わりにリップクリームを活用する習慣に切り替えましょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、継続することで習慣を変えることができます。
✨ 十分な睡眠と免疫力の維持
睡眠不足やストレスが続くと免疫力が低下し、口唇ヘルペスの再発や口唇炎の悪化が起きやすくなります。規則正しい生活リズムで十分な睡眠時間を確保することが、全身の健康維持とともに唇荒れの予防にも重要です。
🔍 唇荒れに効果的な栄養素と食事

唇の荒れを防ぐためには、外側からのケアと同時に、内側からの栄養補給も欠かせません。特に以下の栄養素を意識的に摂取することが、唇の健康に役立ちます。
📌 ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB2は粘膜の健康維持に欠かせない栄養素で、不足すると口唇炎や口角炎が起きやすくなります。レバー・卵・牛乳・納豆・海苔・アーモンドなどに多く含まれています。加工食品中心の食生活ではビタミンB2が不足しがちなため、意識して摂取することが大切です。
▶️ ビタミンB6(ピリドキシン)
ビタミンB6はタンパク質の代謝に関わり、皮膚や粘膜の正常な機能を保つために必要です。不足すると皮膚炎や口唇炎が起きやすくなります。鶏むね肉・マグロ・バナナ・さつまいも・ピスタチオなどに多く含まれています。
🔹 ビタミンA(β-カロテン)
ビタミンAは皮膚や粘膜の細胞の生まれ変わりをサポートし、バリア機能の維持に重要な役割を果たします。不足すると皮膚が乾燥しやすくなり、唇荒れにも影響します。にんじん・かぼちゃ・ほうれん草・レバーなどに多く含まれています。
📍 ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成に関与し、皮膚の再生を助ける働きがあります。抗酸化作用もあるため、紫外線ダメージの軽減にも役立ちます。ブロッコリー・キウイ・いちご・パプリカ・柑橘類などに豊富に含まれています。ただし、柑橘類は唇への直接的な刺激になることがあるため、荒れがひどいときは注意が必要です。
💫 鉄分・亜鉛
鉄分が不足すると貧血になり、口唇の乾燥や口角炎が起きやすくなります。また亜鉛は細胞分裂や皮膚の修復に必要なミネラルで、不足すると皮膚トラブルが増えやすくなります。赤身の肉・牡蠣・レバー・豆類などに含まれています。
🦠 水分補給
栄養素の摂取と並行して、十分な水分補給も忘れてはなりません。1日に1.5〜2リットルを目安に、こまめに水や麦茶などを飲む習慣をつけることで体全体の水分量が保たれ、唇の乾燥予防にもつながります。
👴 食事全体のバランスを整える
個別の栄養素を意識することも大切ですが、最終的には食事全体のバランスを整えることが最も重要です。主食・主菜・副菜を揃えた食事を基本に、加工食品や外食に偏らないよう心がけましょう。栄養の偏りは唇荒れだけでなく、さまざまな体の不調につながります。
Q. 唇荒れで病院を受診すべき状況は?
セルフケアを2〜3週間続けても改善しない場合や、水疱・ただれ・出血・強いかゆみ・痛みを伴う場合は医療機関の受診が推奨されます。唇の一部が白くなったり硬くなったりしている場合も早めの受診が必要です。アイシークリニック池袋院では、乾燥以外の原因(接触性皮膚炎・ビタミン欠乏・感染症など)を含めて総合的に診察・相談に対応しています。
📝 セルフケアでは改善しない場合の受診の目安
多くの唇荒れは適切なセルフケアによって改善しますが、以下のような状態に当てはまる場合は医療機関の受診を検討することをおすすめします。
🔸 受診を検討すべき症状・状況
2〜3週間以上セルフケアを続けても改善しない場合は、単純な乾燥以外の原因が疑われます。また、水疱・ただれ・出血・強いかゆみ・痛みを伴う場合や、唇の一部が白くなったり硬くなったりしている場合は、早めに専門家に相談することが大切です。さらに、発熱や口腔内のただれを伴う場合、全身的な症状がある場合も受診の対象となります。
💧 受診する診療科について
唇荒れで受診する場合、まずは皮膚科への受診が一般的です。アレルギー性の接触性皮膚炎が疑われる場合はパッチテストを行うことができます。口角炎・口唇炎が繰り返す場合や、感染症・栄養欠乏が疑われる場合も皮膚科で相談することができます。
口唇ヘルペスが疑われる場合は皮膚科のほか、内科での相談も可能です。口の中に病変が及んでいる場合は口腔外科や歯科への受診が有効です。また、全身疾患が疑われる場合は内科での検査が必要になることもあります。
✨ 医療機関で行われる主な治療
口唇炎や接触性皮膚炎に対しては、ステロイド外用薬(塗り薬)が処方されることがあります。炎症がひどい場合や細菌感染が疑われる場合は抗生物質が使用されることもあります。口唇ヘルペスに対しては抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビルなど)が有効です。カンジダ感染による口角炎には抗真菌薬が処方されます。アレルギー性の場合はアレルゲンの特定と回避が治療の中心となります。
いずれの場合も、自己判断で市販薬を長期間使い続けることは症状の悪化や副作用のリスクがあるため、気になる症状が続く場合は専門家に相談することが安心です。
📌 美容医療・クリニックでのケア
唇荒れの治療だけでなく、唇の乾燥や色素沈着・くすみなど美容的な悩みを合わせてケアしたい場合は、美容クリニックへの相談も選択肢のひとつです。アイシークリニック池袋院では、唇に関するさまざまなお悩みに対して、適切な施術や治療をご提案しています。皮膚科的な問題だけでなく、見た目のお悩みも含めて総合的にサポートできる環境が整っていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「リップクリームを毎日塗っているのに一向に改善しない」というお悩みで来院される患者様が少なくありませんが、実際に診察してみると接触性皮膚炎やビタミン欠乏、口唇ヘルペスの潜伏感染など、乾燥以外の原因が隠れているケースが多く見受けられます。唇の荒れは全身の健康状態や生活習慣を映す鏡でもありますので、2〜3週間セルフケアを続けても改善しない場合は、自己判断で対処し続けるのではなく、ぜひ一度専門家にご相談いただくことをお勧めします。適切な原因の特定と治療を行うことで、多くの方が症状の改善を実感されていますので、どうか一人で抱え込まずにお気軽にご来院ください。」
💡 よくある質問
唇は皮脂腺がほとんどなく、皮膚の角質層も薄いため、自ら潤いを保つ機能がほとんどありません。そのため乾燥・紫外線・摩擦など外部刺激の影響を受けやすく、一度荒れると回復しにくい特徴があります。外部からの継続的な保湿ケアが必要な部位といえます。
リップクリームで改善しない場合、乾燥以外の原因が隠れている可能性があります。接触性皮膚炎・ビタミンB群の欠乏・口唇ヘルペスの潜伏感染などが代表的な例です。また、リップクリームの成分自体がアレルゲンになっているケースもあるため、2〜3週間改善しない場合は専門家への相談をおすすめします。
本当です。唾液には消化酵素が含まれており、これが唇の皮膚を刺激・分解してしまいます。なめた直後は一時的に潤いを感じますが、唾液が蒸発する際に唇の水分も一緒に奪われ、乾燥がさらに進みます。乾燥を感じたらなめる代わりに、リップクリームを活用する習慣に切り替えましょう。
特にビタミンB2・B6の不足は口唇炎や口角炎の原因になることが知られています。ビタミンAは皮膚バリア機能の維持、ビタミンCはコラーゲン生成と紫外線ダメージの軽減に役立ちます。また鉄分・亜鉛の不足も唇荒れに影響します。レバー・卵・緑黄色野菜・牡蠣などを意識的に取り入れ、食事全体のバランスを整えることが大切です。
セルフケアを2〜3週間続けても改善しない場合や、水疱・ただれ・出血・強いかゆみや痛みを伴う場合は受診を検討してください。唇の一部が白くなったり硬くなったりしている場合も早めの受診が必要です。まずは皮膚科への相談が基本ですが、口の中に症状が及ぶ場合は口腔外科・歯科も選択肢となります。当院でも唇に関するお悩みに対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
✨ まとめ
「唇が荒れるのはなぜか」という疑問に対して、さまざまな角度から解説してきました。唇は皮脂腺がなく薄い皮膚で覆われているため、乾燥・紫外線・刺激・栄養不足など多くの要因によって荒れやすい部位です。主な原因としては、乾燥した環境・口呼吸・唇をなめる習慣・ビタミンB群の不足・アレルギー・ウイルスや細菌感染などが挙げられ、これらが複合的に関与していることも少なくありません。
日常ケアとしては、適切な成分のリップクリームを使用すること・室内の湿度を保つこと・唇をなめる習慣をやめること・紫外線対策を行うこと・バランスの良い食事と十分な水分補給を心がけることが基本となります。特にビタミンB2・B6・A・Cと鉄分・亜鉛は唇の健康維持に深く関わる栄養素ですので、食事で積極的に摂るようにしましょう。
一方、2〜3週間セルフケアを続けても改善しない場合や、水疱・ただれ・白変・硬結などの症状がある場合は、皮膚科や口腔外科への受診を検討することが大切です。唇荒れは「たかが唇の乾燥」と軽く見られがちですが、全身の健康状態や皮膚疾患のサインであることもあります。ご自身の唇の状態を普段からよく観察し、気になる変化があれば早めに専門家に相談することを心がけてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 口唇炎・口角炎・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など唇荒れに関連する皮膚疾患の診断基準や治療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – ビタミンB2・B6・ビタミンA・鉄分・亜鉛など唇荒れに関連する栄養素の食事摂取基準および栄養不足に関する公式情報の参照
- 国立感染症研究所 – 口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス感染症)の感染経路・症状・再発メカニズムおよびカンジダ感染による口角炎に関する感染症情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務