
「最近、肌の調子が安定しない」「同じスキンケアを続けているのに、急に肌荒れが起きるようになった」と感じたことはありませんか。そのような状態を「肌ゆらぎ」と呼びます。肌ゆらぎは特定の病気ではなく、さまざまな要因が重なって肌のバリア機能や水分バランスが乱れることで起こる状態です。年齢、ホルモン変動、季節の変わり目、生活習慣など、原因は一つではなく複合的に絡み合っています。この記事では、肌ゆらぎとはどのような状態なのか、その原因と主な症状、そして日常生活でできるケアの方法について、医療の視点からわかりやすくお伝えします。
目次
- 肌ゆらぎとは何か
- 肌ゆらぎの主な原因
- 肌ゆらぎで現れやすい症状
- 年代別に見る肌ゆらぎの特徴
- 季節と肌ゆらぎの関係
- 肌ゆらぎを悪化させる生活習慣
- 日常でできる肌ゆらぎ対策
- スキンケアの見直しポイント
- 医療機関への相談が必要なサイン
- まとめ
この記事のポイント
肌ゆらぎはホルモン変動・紫外線・季節変化・ストレス等が重なりバリア機能が低下した状態で、保湿重視のシンプルケアと生活習慣の改善が基本対策。2〜4週間改善しない場合は皮膚科への相談を推奨。
🎯 肌ゆらぎとは何か
肌ゆらぎとは、体内外のさまざまな変化に対して肌が敏感に反応し、コンディションが安定しない状態のことを指します。医学的に定義された病名ではなく、「肌が揺らいでいる=不安定な状態にある」という意味合いで使われることが多い言葉です。
健康な肌は、皮膚の最も外側にある角質層が外部刺激から肌を守るバリア機能を担っています。角質層は皮脂や天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質(セラミドなど)によって構成されており、これらが正常に機能していることで水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激を遮断しています。
肌ゆらぎが起きているときは、このバリア機能が低下した状態にあります。バリア機能が低下すると、水分が角質層から失われやすくなる(経表皮水分損失量の増加)とともに、外部からのさまざまな刺激を受けやすくなります。その結果、乾燥・かゆみ・赤み・ニキビなど多様な症状が現れるのです。
肌ゆらぎは特定の年齢層だけに起こるものではなく、10代から40代以降まで幅広い年代で経験されます。ただし、それぞれの年代でゆらぎの原因や現れ方に特徴的な違いがあります。また、同じ人でも体調や環境によって肌ゆらぎの程度が変化することも特徴の一つです。
Q. 肌ゆらぎとはどのような状態ですか?
肌ゆらぎとは、ホルモン変動・紫外線・気温湿度の変化・ストレスなど複数の要因が重なり、皮膚の角質層が持つバリア機能や水分バランスが乱れて肌コンディションが安定しない状態です。乾燥・赤み・ニキビ・かゆみ・くすみなど多様な症状として現れます。
📋 肌ゆらぎの主な原因
肌ゆらぎには単一の原因があるわけではなく、複数の要因が重なって生じることがほとんどです。代表的な原因を一つひとつ見ていきましょう。
🦠 ホルモンバランスの変動
女性の肌状態に大きな影響を与えるのがホルモンバランスです。女性ホルモンには主にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があり、月経周期に合わせてその分泌量が変化します。
エストロゲンは皮膚のコラーゲン産生を促し、肌の弾力や水分保持に関与しています。月経後から排卵にかけてエストロゲンの分泌量が増える時期は、肌の状態が比較的安定しやすいといわれています。
一方、排卵後から月経前にかけてはプロゲステロンの分泌が増加します。プロゲステロンは皮脂腺を刺激して皮脂の分泌量を増やす作用があるため、この時期はニキビや毛穴の目立ちが気になりやすくなります。また、月経前にはエストロゲンとプロゲステロンの両方が急激に低下することで、肌のバリア機能が落ちやすくなるとされています。これが月経前に肌荒れしやすい主な理由です。
妊娠・出産・更年期など、ホルモン分泌が大きく変化するライフステージでも肌ゆらぎは起きやすくなります。特に更年期は、エストロゲンの分泌量が急激に減少するため、肌の乾燥・薄さ・ハリの低下などが顕著に現れることがあります。
👴 自律神経の乱れ
自律神経は体の多くの機能をコントロールしており、皮膚の血流や皮脂腺・汗腺の働きにも影響を与えます。ストレスを受けると交感神経が優位になり、血流が滞ったり皮脂の分泌バランスが崩れたりすることがあります。また、睡眠不足や不規則な生活は自律神経のリズムを乱し、肌のターンオーバー(新陳代謝)にも悪影響を及ぼします。
精神的なストレスは副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンの分泌を促します。コルチゾールは皮脂腺を刺激して過剰な皮脂分泌を引き起こすとともに、免疫機能を抑制する作用もあるため、ニキビや炎症が起きやすくなる一因となります。
🔸 紫外線の影響
紫外線は肌ゆらぎの大きな原因の一つです。紫外線にはUVAとUVBの2種類があり、UVAは肌の真皮まで到達してコラーゲンやエラスチンを変性させ、シワやたるみの原因となります。UVBは表皮細胞にダメージを与え、日焼け・炎症・色素沈着を引き起こします。
強い紫外線を浴びると表皮のバリア機能が乱れ、水分が失われやすくなります。日焼けした後に肌が敏感になったり、乾燥がひどくなったりするのはこのためです。また、紫外線による酸化ストレス(活性酸素の増加)は肌細胞を傷つけ、肌の再生能力を低下させます。
💧 気温・湿度の急激な変化
気温や湿度の変化も肌ゆらぎを引き起こします。季節の変わり目や、冷暖房の効いた室内と屋外との温度差が大きい環境では、皮膚が急激な環境変化に対応しきれず、バリア機能が低下しやすくなります。特に冬の乾燥した空気は角質層の水分を奪い、肌をひきつきやすくします。一方、夏の高温多湿な環境では汗や皮脂による肌荒れや毛穴トラブルが起きやすくなります。
✨ 食生活・栄養バランスの偏り
肌の健康は食事からとる栄養素に大きく左右されます。ビタミンA・C・E、亜鉛、必須脂肪酸などは皮膚の機能維持に欠かせない栄養素であり、これらが不足すると皮膚のバリア機能や再生力が低下します。糖質や脂質の過剰摂取は皮脂の過剰分泌やニキビの悪化につながることがあり、腸内環境の乱れは肌荒れとして現れることもあります。
📌 スキンケアの誤り
過剰な洗顔や洗浄力の強すぎるクレンジングは、皮膚の表面に必要な皮脂を取り除いてしまい、バリア機能を損なう原因になります。逆に、肌質に合わない保湿剤や化粧品を使用することで、アレルギーや刺激反応が生じることもあります。また、スキンケアの成分や量を急に変えることも肌にとっての負担となり得ます。
💊 肌ゆらぎで現れやすい症状
肌ゆらぎの状態にあるとき、肌にはさまざまな変化が現れます。代表的な症状を以下にまとめます。
▶️ 乾燥・ひきつき感
バリア機能が低下すると角質層から水分が蒸発しやすくなり、肌の乾燥が進みます。洗顔後に肌がつっぱる感覚が強くなったり、日中でもかさつきを感じたりするようになります。乾燥が進むと小じわが目立ちやすくなることもあります。
🔹 赤みや炎症
バリア機能が低下した肌は外部刺激に敏感になり、ちょっとした刺激でも炎症反応が起きやすくなります。化粧水や乳液がしみる感じ、触れると赤みが出るなどの症状が現れることがあります。また、今まで使えていた化粧品が急に合わなくなるのも肌ゆらぎ時に見られる特徴です。
📍 ニキビ・吹き出物
皮脂の分泌バランスが乱れると、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビや吹き出物が増えることがあります。特に月経前や季節の変わり目には、この症状が顕著になる傾向があります。肌ゆらぎによるニキビは、顎ラインや口周り、頬などに集中して現れることも多いです。
💫 かゆみ・チクチク感
バリア機能の低下によって皮膚の知覚神経が外部刺激を受けやすくなり、かゆみやチクチクした刺激感を感じることがあります。衣類との摩擦や、汗が触れるだけで不快感を覚える場合もあります。
🦠 くすみ・ハリの低下
肌のターンオーバーが乱れると、古い角質が肌表面に長くとどまるようになります。これが肌のくすみとして現れます。また、水分や栄養素の不足、血流の滞りなどによってハリや弾力が失われ、疲れた印象の肌になることもあります。
👴 毛穴の目立ち
皮脂の過剰分泌や、乾燥による毛穴の詰まりが起きると毛穴が目立ちやすくなります。Tゾーンと頬など、部位によって皮脂量のバランスが崩れる「混合肌」のような状態になることもあります。
Q. 月経前に肌荒れしやすい理由は何ですか?
排卵後から月経前はプロゲステロンの分泌が増加し、皮脂腺が刺激されて皮脂分泌が過剰になります。さらに月経直前にはエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下するため、肌のバリア機能が落ちやすくなります。これがニキビや肌荒れが月経前に集中して起きやすい主な原因です。
🏥 年代別に見る肌ゆらぎの特徴
肌ゆらぎはどの年代にも起こりますが、年代ごとに主な原因や症状の特徴が異なります。
🔸 10代〜20代前半
この時期はホルモン分泌が活発で、皮脂の過剰分泌によるニキビや毛穴トラブルが肌ゆらぎの主な症状として現れやすいです。思春期にはアンドロゲン(男性ホルモン)の分泌が増えることで皮脂腺が刺激され、ニキビが出やすくなります。また、ストレスや睡眠不足、偏食なども肌荒れを引き起こす要因となります。
💧 20代後半〜30代
この年代では月経周期に合わせた肌の波が顕著になり、月経前の肌荒れや、排卵期を境にした肌のコンディション変化を実感する方が増えます。また、社会的なストレスや仕事・育児による睡眠不足も重なりやすい時期です。20代後半からはコラーゲンや水分保持能力が徐々に低下し始めるため、乾燥も肌ゆらぎの一因となってきます。
✨ 40代以降・更年期
40代以降になるとエストロゲンの分泌量が低下し始め、肌の乾燥・薄さ・ハリの低下が進みやすくなります。更年期にはホルモン分泌の急激な変動が起きるため、肌ゆらぎの頻度や程度が増すことがあります。また、この時期は皮膚のターンオーバー周期が長くなるため、くすみや色素沈着も気になりやすくなります。さらに、ほてりや発汗など更年期特有の症状が肌に影響することもあります。
⚠️ 季節と肌ゆらぎの関係
肌ゆらぎは特に「季節の変わり目」に起きやすいとされています。それぞれの季節における肌への影響を理解しておくことで、予防的なケアが可能になります。
📌 春(3〜5月)
冬の乾燥で弱ったバリア機能のまま春を迎えると、花粉や黄砂、PM2.5などの飛散が増える時期と重なり、肌への刺激が増大します。また、環境の変化や新生活によるストレスが自律神経を乱し、肌に影響することもあります。気温の変動が激しいため、肌が温度変化に対応しきれず不安定になりやすい時期です。
▶️ 夏(6〜8月)
紫外線量が最も多くなる季節です。日焼けによる炎症、汗や皮脂による毛穴トラブル、エアコンによる室内の乾燥など、さまざまな要因が重なります。汗をかいた後の不適切なケアや、日焼け止めの塗り直し不足も肌ゆらぎの原因となります。
🔹 秋(9〜11月)
夏の紫外線ダメージが蓄積された状態で秋を迎えます。気温の低下とともに湿度も下がり始め、乾燥が気になる季節へと移行します。夏に過剰分泌されていた皮脂量が急に減少することで、今まで感じていなかった乾燥感が出てくることもあります。夏のスキンケアのまま秋に突入すると保湿が不足し、肌がゆらぎやすくなります。
📍 冬(12〜2月)
空気の乾燥と気温の低下により、皮脂・汗の分泌量が減少し、バリア機能を担う天然の油分が失われやすくなります。暖房による室内の乾燥も拍車をかけます。乾燥によるかゆみや、敏感になった肌へのスキンケア製品の刺激感が増す時期でもあります。
Q. 季節の変わり目に肌がゆらぎやすい理由は?
季節の変わり目は気温・湿度が急激に変化するため、皮膚が環境変化に対応しきれずバリア機能が低下しやすくなります。春は花粉や黄砂の刺激が加わり、秋は夏の紫外線ダメージが蓄積された状態で乾燥期へ移行するため、特に肌が不安定になりやすい時期とされています。
🔍 肌ゆらぎを悪化させる生活習慣
肌ゆらぎを引き起こしたり悪化させたりする生活習慣はいくつかあります。普段の行動を振り返ってみることが大切です。
💫 睡眠不足
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、細胞の修復・再生が促進されます。睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減り、肌のターンオーバーが乱れます。また、睡眠不足はコルチゾールの分泌増加にもつながり、炎症やニキビを誘発しやすくなります。質・量ともに十分な睡眠を確保することが、肌の安定に不可欠です。
🦠 過度な飲酒・喫煙
アルコールは利尿作用によって体内の水分を失わせ、肌の乾燥を助長します。また、アルコールの代謝によって生じるアセトアルデヒドは肌の細胞にダメージを与えます。喫煙は血管を収縮させることで肌への血流・酸素・栄養の供給を妨げ、ビタミンCを破壊するため、コラーゲン合成を低下させます。いずれも肌ゆらぎを悪化させる習慣です。
👴 過剰なスキンケア・洗顔
「肌荒れを早く治したい」という気持ちから、洗顔の回数を増やしたり、多くのスキンケアアイテムを重ね使いしたりする方がいます。しかし、これが逆効果になることがあります。過剰な洗顔は皮膚の表面の皮脂を必要以上に取り除き、バリア機能をさらに低下させます。また、アルコールや香料を含む製品の過度な使用も刺激となります。
🔸 不規則な食生活
食事の時間が不規則だったり、栄養バランスが偏っていたりすると、肌の材料となるビタミン・ミネラル・アミノ酸が不足します。特にビタミンCはコラーゲン合成に必要で、ビタミンAは皮膚細胞の正常な分化を促します。これらが不足すると肌のバリア機能の維持が難しくなります。また、腸内環境の乱れが皮膚の炎症に関連するという研究も報告されています(腸-皮膚軸)。
💧 運動不足・過剰な運動
適度な運動は血流を促進し、肌への酸素・栄養の供給を助けます。一方、運動不足が続くと血行が悪くなり、肌がくすんだり再生力が低下したりします。逆に過剰な運動は体に酸化ストレスを与え、肌に悪影響を及ぼすこともあります。汗をかいた後のケアを怠ることも肌トラブルの原因となります。
📝 日常でできる肌ゆらぎ対策

肌ゆらぎを防ぐ・和らげるためには、生活習慣全体を見直すアプローチが有効です。以下に具体的な対策を紹介します。
✨ 規則正しい睡眠リズムを整える
毎日同じ時間に就寝・起床することで、自律神経のリズムが整い、成長ホルモンの分泌も安定します。就寝の1〜2時間前からスマートフォンの画面を見る時間を減らし、ブルーライトによるメラトニン分泌への影響を抑えることも重要です。室温・湿度を快適に保ち、入浴でゆっくり体を温めることも良質な睡眠につながります。
📌 ストレスを適切に管理する
ストレスをゼロにすることは難しいですが、ストレスの発散方法を持つことが大切です。軽い有酸素運動(ウォーキング・ヨガなど)、趣味の時間、深呼吸、マインドフルネスなどは自律神経を整え、コルチゾールの過剰分泌を抑えるのに役立ちます。
▶️ 栄養バランスのとれた食事を心がける
肌に必要な栄養素を意識的に摂ることが大切です。ビタミンCはブロッコリー・キウイ・パプリカなどに、ビタミンAはニンジン・ほうれん草などに多く含まれます。セラミドの原料となる必須脂肪酸はアボカドや青魚、亜麻仁油などから摂取できます。また、腸内環境を整えるために発酵食品(ヨーグルト・納豆・みそなど)や食物繊維を意識して取り入れることも肌の安定に寄与します。
🔹 水分をこまめに補給する
体内の水分量が低下すると肌の乾燥にも影響します。1日1.5〜2リットルを目安に水分を補給するよう心がけましょう。カフェインやアルコールを多く含む飲み物は利尿作用があるため、水やハーブティーなどを選ぶのがおすすめです。
📍 紫外線対策を通年で行う
紫外線は夏だけでなく、年間を通じて降り注いでいます。曇りの日や冬でも紫外線は存在するため、日焼け止めは毎日使用することが望ましいです。外出時は日焼け止め・帽子・UVカット付きサングラスなどを組み合わせて対策を行いましょう。日焼け止めはSPF・PA指数を参考に、日常使いであればSPF30・PA+++程度のものが一般的に推奨されます。
Q. 肌ゆらぎで医療機関に相談すべき目安は?
スキンケアの見直しや生活習慣の改善を2〜4週間続けても症状が改善しない場合は、皮膚科や美容皮膚科への相談が推奨されます。かゆみや赤みが日常生活に支障をきたすほど強い場合や、広範囲の皮疹・浸出液を伴う場合も早めの受診が必要です。アイシークリニックでは個人の肌状態に合わせた診察を行っています。
💡 スキンケアの見直しポイント
肌ゆらぎが起きているときのスキンケアは、シンプルかつ肌への負担を最小限にすることが基本です。
💫 洗顔はやさしく、必要最小限に
泡立てた洗顔料を使い、肌をこすらずやさしく洗うことが大切です。洗顔の回数は朝1回・夜1回が基本で、過剰に洗うことは避けます。洗顔後は清潔なタオルで押さえるようにして水分を取り、すぐに保湿ケアを行いましょう。
🦠 保湿を徹底する
肌ゆらぎ中は保湿ケアを丁寧に行うことが最優先です。セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの保湿成分を含む化粧水・乳液・クリームを組み合わせて使用することで、角質層の水分を保持しやすくなります。特にセラミドはバリア機能の主要な構成成分であるため、セラミド配合の製品は肌ゆらぎ対策に適しています。
👴 肌に負担をかける成分は一時的に避ける
肌ゆらぎ中は高濃度のレチノール、ピーリング成分(AHA・BHAなど)、アルコール、強い香料を含む製品は一時的に使用を控えることが勧められます。これらの成分は通常の肌には有効でも、バリア機能が低下している状態では過剰な刺激となることがあります。肌が安定してから再開するかどうかを判断しましょう。
🔸 スキンケアアイテムを急に変えない
肌ゆらぎ中に新しいスキンケアアイテムを多数試すことは避けましょう。何が肌に合っていて、何が刺激になっているかがわからなくなります。新製品を試す場合は、肌が安定しているときに1つずつ導入し、反応を見ながら使用することが基本です。
💧 室内の湿度を保つ
特に冬は暖房による室内の乾燥が進みます。加湿器を使用して室内湿度を40〜60%程度に保つことで、肌からの水分蒸発を抑えることができます。就寝中も湿度管理を意識することで、朝起きたときの乾燥感を軽減できます。
✨ 医療機関への相談が必要なサイン
肌ゆらぎの多くはセルフケアで改善が期待できますが、以下のような状態が続く場合は皮膚科や美容皮膚科などの医療機関への相談を検討してください。
まず、市販のスキンケアや生活習慣の改善を試みても2〜4週間以上症状が改善しない場合は、専門家の診察を受けることが望ましいです。また、かゆみや赤みが強く、日常生活に支障が出るほどつらい場合、広範囲にわたる皮疹(湿疹・発疹)が出ている場合、浸出液や痂皮(かさぶた)を伴う場合なども、皮膚科での診察が必要です。
更年期に関連した急激な肌の変化(乾燥・萎縮・ほてりを伴う場合)については、婦人科での相談も有効です。ホルモン補充療法(HRT)が更年期症状の緩和とともに、肌の乾燥・ハリ低下に対しても効果をもたらす場合があります。
美容皮膚科では、肌の状態を客観的に評価し、個人の肌質や症状に合わせた医療機関専売の保湿剤・外用薬・施術(光治療・レーザー・保湿注射など)の提案を受けることができます。
アイシークリニック池袋院では、肌の状態に合わせた相談・診察を行っています。セルフケアでは難しいと感じたときや、肌の状態について専門家に客観的な意見を聞いてみたいときは、気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「同じスキンケアを続けているのに急に肌荒れが起きた」というお悩みでご来院される方が多く、その背景にはホルモンバランスの変動や季節の変化、ストレスなど複数の要因が複雑に絡み合っていることがほとんどです。肌ゆらぎはセルフケアで改善できるケースも多いですが、2〜4週間試みても症状が続く場合や、かゆみ・赤みが日常生活に支障をきたすほど強い場合は、早めに専門家へご相談いただくことで、お一人おひとりの肌状態に合った適切なケアをご提案できます。ご自身の肌の変化に不安を感じたときは、一人で抱え込まず、どうぞ気軽にご来院ください。」
📌 よくある質問
肌ゆらぎとは、ホルモンバランスの変動・紫外線・気温や湿度の変化・ストレスなど複数の要因が重なり、肌のバリア機能や水分バランスが乱れて肌コンディションが安定しない状態のことです。医学的な病名ではなく、乾燥・赤み・ニキビ・かゆみ・くすみなど多様な症状として現れます。
排卵後から月経前にかけてプロゲステロンの分泌が増え、皮脂腺が刺激されて皮脂分泌が増加します。さらに月経直前にはエストロゲンとプロゲステロンの両方が急激に低下することで、肌のバリア機能が落ちやすくなります。これがニキビや肌荒れが月経前に起きやすい主な理由です。
肌ゆらぎ中はシンプルかつ低刺激なケアを心がけることが基本です。過剰な洗顔を避け、セラミド・ヒアルロン酸などを含む保湿ケアを丁寧に行いましょう。高濃度のレチノールやピーリング成分、アルコール・強い香料を含む製品は一時的に使用を控え、新しいアイテムの導入も肌が安定してからにすることをおすすめします。
主に睡眠不足、過度な飲酒・喫煙、過剰な洗顔、不規則な食生活、運動不足などが肌ゆらぎを悪化させます。睡眠不足はターンオーバーの乱れやコルチゾール増加によるニキビ誘発につながり、飲酒は肌の乾燥を、喫煙は血流低下やコラーゲン合成の減少を引き起こすため、特に注意が必要です。
生活習慣の改善やスキンケアの見直しを2〜4週間試みても症状が改善しない場合、またはかゆみや赤みが日常生活に支障が出るほど強い場合は、皮膚科・美容皮膚科への相談を検討してください。アイシークリニックでは、個人の肌状態に合わせた診察や適切なケアのご提案を行っていますので、お気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
肌ゆらぎとは、ホルモンバランスの変動・自律神経の乱れ・紫外線・気温や湿度の変化・食生活・スキンケアの誤りなど、複数の要因が重なってバリア機能が低下し、肌コンディションが安定しない状態のことを指します。
症状としては、乾燥・赤み・ニキビ・かゆみ・くすみなど多岐にわたります。年代によって原因や症状の特徴が異なり、季節の変わり目に特に起きやすい傾向があります。
対策としては、規則正しい睡眠・ストレス管理・バランスの良い食事・十分な水分補給・通年の紫外線対策が基本となります。スキンケアは余分な刺激を与えないよう、シンプルかつ保湿を重視した内容に絞ることが重要です。
セルフケアで改善が見られない場合や、症状がひどい場合は皮膚科・美容皮膚科への相談を早めに検討することをおすすめします。肌ゆらぎの原因と症状を正しく理解し、自分の肌に合ったケアを継続することが、安定した肌コンディションへの近道です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮膚のバリア機能・角質層の構造と機能、乾燥肌・敏感肌の定義や症状に関する専門的根拠として参照
- 厚生労働省 – 睡眠と成長ホルモン分泌・自律神経の関係、生活習慣が肌のターンオーバーや体調に与える影響の根拠として参照
- PubMed – エストロゲン・プロゲステロンによる皮膚バリア機能への影響、腸-皮膚軸(gut-skin axis)、紫外線による酸化ストレスと皮膚細胞ダメージに関する医学的エビデンスの参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務