口の周りが荒れる原因とは?考えられる病気と改善方法を解説

口の周りの皮膚が赤くなる、カサカサする、かゆい、ヒリヒリするといった症状に悩んでいる方は少なくありません。口囲の皮膚は顔の中でも特に動きが多く、外部からの刺激を受けやすいデリケートな部位です。「食事のたびに刺激が加わる」「マスクで蒸れやすい」「リップクリームを塗っても改善しない」など、日常生活の中でさまざまなきっかけによって荒れが生じやすい場所でもあります。口の周りの荒れは見た目にも影響するため、精神的なストレスになる方も多いでしょう。この記事では、口の周りが荒れる原因を医学的な観点から詳しく解説するとともに、適切なセルフケアの方法や、皮膚科・美容皮膚科への受診が必要なタイミングについても紹介します。


目次

  1. 口の周りの皮膚の特徴
  2. 口の周りが荒れる主な原因
  3. 口囲皮膚炎とはどんな病気か
  4. 接触性皮膚炎(かぶれ)が引き起こす口周りの荒れ
  5. アトピー性皮膚炎と口の周りの荒れ
  6. 乾燥による口の周りの荒れ
  7. 食べ物・飲み物が引き起こす刺激性の荒れ
  8. マスクによる口の周りへの影響
  9. ストレスや生活習慣との関係
  10. 口の周りの荒れに対するセルフケアの方法
  11. 病院を受診するべき目安
  12. まとめ

この記事のポイント

口の周りの荒れは乾燥・口囲皮膚炎・接触性皮膚炎・アトピー・マスク摩擦など多因性で、当院ではステロイド長期使用やスキンケア製品によるアレルギーのケースが多く、1〜2週間改善しない場合は皮膚科受診が推奨される

🎯 口の周りの皮膚の特徴

口の周りの皮膚は、顔の中でも特に複雑な構造をしています。目の周囲と並んで皮膚が薄く、外部からの刺激に対して反応しやすい部位です。また、食事・会話・表情の変化などによって一日中繰り返し動く部位であり、機械的な刺激が加わりやすいという特徴もあります。

顔の皮膚全体は体の他の部位と比べて皮脂腺が多く分布していますが、口の周りは皮脂腺と汗腺の分布がやや独特であり、乾燥しやすいと感じる方もいれば、逆に脂っぽさを感じる方もいます。特に口の真下にあたる下口唇と顎の間の部分(オトガイ部)や、鼻の下にあたる上口唇の部分は、食べ物や飲み物が触れやすく、皮膚バリア機能が低下しやすい場所です。

さらに、口唇(くちびる)そのものは一般的な皮膚と異なり、角質層が非常に薄く、皮脂腺がほとんど存在しません。そのため保湿機能が低く、乾燥や外的刺激の影響を受けやすいのが特徴です。口の周りの皮膚と口唇はそれぞれ異なる性質を持ちますが、互いに隣接しているため、一方のトラブルがもう一方に波及することも少なくありません。

Q. 口囲皮膚炎の主な原因と症状は?

口囲皮膚炎は、ステロイド外用薬の長期使用が主な原因で、口の周りに赤いブツブツや小さな丘疹・膿疱が生じる皮膚疾患です。20〜40代の女性に多く見られ、かゆみや灼熱感を伴うことがあります。治療にはステロイドの段階的な使用中止と、医師による抗菌薬の処方が行われます。

📋 口の周りが荒れる主な原因

口の周りが荒れる原因は一つではなく、複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。大きく分類すると、外的な刺激・アレルギー反応・皮膚疾患・生活習慣の乱れなどに分けられます。以下では、それぞれの原因について詳しく説明していきます。

まず外的な刺激としては、食事の際に口の周りに食べ物や飲み物が付着すること、歯磨き粉や洗顔料・スキンケア製品の成分が触れること、そしてマスクの摩擦や蒸れなどが挙げられます。これらは繰り返し皮膚に刺激を与えることで、皮膚バリア機能を徐々に低下させ、炎症を引き起こします。

次に、アレルギー反応が原因となるケースもあります。特定の食べ物、化粧品成分、金属、歯科材料などに接触することで、免疫システムが過剰反応し、かぶれや湿疹が生じることがあります。これをアレルギー性接触皮膚炎と呼びます。

また、口囲皮膚炎やアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎といった皮膚疾患が背景にある場合も多く、これらは医療的な治療が必要です。生活習慣に関しては、睡眠不足・栄養の偏り・ストレスなどが免疫機能や皮膚の再生力を低下させ、荒れが悪化することがあります。

💊 口囲皮膚炎とはどんな病気か

口囲皮膚炎(こうい皮膚炎)は、口の周りに赤いブツブツや小さな丘疹(きゅうしん)、膿疱(のうほう)が生じる皮膚疾患です。ステロイド外用薬の長期使用が主な原因として知られており、「ステロイド性酒さ様皮膚炎」とも呼ばれることがあります。ただし、ステロイドの使用歴がない場合でも発症することがあります。

口囲皮膚炎は20〜40代の女性に多く見られる傾向がありますが、男性や子どもにも発症します。症状としては、口の周りを中心に赤みや小さなブツブツが広がり、かゆみや灼熱感を伴うことがあります。鼻の周りや目の周囲に広がるケースもあり、「顔面口囲皮膚炎」と呼ばれることもあります。

発症のメカニズムとしては、ステロイド外用薬を顔に長期使用することで皮膚のバリア機能が低下し、皮膚常在菌のバランスが崩れることが関係していると考えられています。また、含フッ素歯磨き粉・フッ素含有スキンケア製品・重酒石酸カリウムを含む化粧品なども誘因となることがあるとされています。

治療の基本はステロイドを含む外用薬の使用を中止することですが、中止直後には一時的に症状が悪化する「リバウンド現象」が起きることがあります。そのため、自己判断で急に使用をやめるのではなく、皮膚科医の指導のもとで徐々に減量・中止することが重要です。医師の判断によって、抗菌薬(テトラサイクリン系など)の内服や外用が処方されることもあります。

Q. 口の周りをなめると荒れが悪化する理由は?

唾液に含まれる消化酵素が口の周りの皮膚に繰り返し触れることで、刺激性皮膚炎(舐め皮膚炎)を引き起こします。さらに唾液が蒸発する際に皮膚の水分も奪われ、乾燥が悪化します。なめる代わりに低刺激の保湿剤を塗る習慣をつけることが、症状改善に効果的です。

🏥 接触性皮膚炎(かぶれ)が引き起こす口周りの荒れ

接触性皮膚炎とは、特定の物質が皮膚に触れることで引き起こされる炎症反応です。大きく「刺激性接触皮膚炎」と「アレルギー性接触皮膚炎」に分けられます。

刺激性接触皮膚炎は、物質の刺激によって直接皮膚がダメージを受けるもので、誰にでも起こりうる反応です。口の周りでは、食べ物に含まれる酸(柑橘類・トマトなど)、辛み成分、調味料、歯磨き粉の洗浄成分(ラウリル硫酸ナトリウムなど)、洗顔料の界面活性剤などが原因になることがあります。

一方、アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に対して免疫が過剰反応することで起こるもので、その物質に初めて触れた時点では症状が出ず、繰り返し接触するうちに感作(かんさ)が成立し、その後の接触で炎症が生じます。口の周りではリップクリーム・口紅・グロスなどの成分(プロピレングリコール、香料、防腐剤など)、歯磨き粉に含まれるフレーバー(スペアミント、シナモンなど)、ニッケルなどの金属(ピアスや義歯のクラスプなど)が原因になることがあります。

アレルギー性接触皮膚炎の診断には、パッチテスト(貼付試験)が有用です。これは疑われる物質を皮膚に貼付し、48〜72時間後に反応を確認する検査で、皮膚科で実施されます。原因物質が特定できれば、それを避けることで症状を予防できます。

治療には抗ヒスタミン薬の内服や、ステロイド外用薬(医師の指示のもと適切な強さのもの)が使用されます。ただし口囲皮膚炎との鑑別が重要であり、自己判断でステロイドを使用することは避けた方が無難です。

⚠️ アトピー性皮膚炎と口の周りの荒れ

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、外部の刺激やアレルゲンに過敏に反応することで慢性的な湿疹が繰り返す疾患です。乳幼児期から発症することが多く、顔・首・肘の内側・膝の裏などに湿疹が出やすいとされています。口の周りもアトピー性皮膚炎が好発する部位の一つです。

アトピー性皮膚炎では、フィラグリンというタンパク質の機能低下によって皮膚のバリアが弱くなり、水分が蒸発しやすく乾燥しやすい状態になります。これにより外部からのさまざまな刺激に対して炎症が起きやすくなります。口の周りでは、食事や唾液が繰り返し触れることでさらに悪化しやすく、ひどい場合は皮膚が硬くなったり、色素沈着が残ったりすることもあります。

アトピー性皮膚炎の治療は、保湿剤を用いたスキンケア・ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの薬物療法・アレルゲンの回避を組み合わせて行います。近年は生物学的製剤(デュピルマブなど)や経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬などの新しい治療薬も登場しており、従来の治療では十分に改善しなかった中等症〜重症の患者さんに対しても効果が期待できるようになっています。

口の周りにアトピー性皮膚炎が出ている方は、食事の後に口の周りをゴシゴシ拭くことを避け、やわらかいティッシュで優しく押さえるように拭くことが大切です。また保湿剤を食事のたびに塗り直すなど、こまめなケアが症状の悪化防止につながります。

🔍 乾燥による口の周りの荒れ

乾燥は口の周りの荒れを引き起こす非常に一般的な原因です。特に秋冬の空気が乾燥する季節や、冷暖房が効いた室内では、皮膚の水分が蒸発しやすくなります。口唇はもともと皮脂腺がないため水分保持力が低く、乾燥すると皮むけやひび割れが起きやすくなります。口の周りの皮膚も同様に乾燥すると角質がめくれ上がり、かゆみや赤みを引き起こすことがあります。

乾燥による口の周りの荒れには、保湿ケアが基本的な対策となります。ただし、口唇が乾燥するからといってなめる行為は逆効果です。唾液には消化酵素が含まれており、これが口の周りの皮膚に繰り返し触れることで刺激性皮膚炎(舐め皮膚炎)を引き起こすことがあります。特に子どもでは、口の周りを頻繁になめることでリング状の赤みが生じる「口囲皮膚炎(舐め皮膚炎)」が見られることがあります。

乾燥対策としては、保湿効果の高いリップクリームやスキンケアクリームを使用すること、室内の湿度を適切に保つこと(50〜60%程度が目安)、水分補給をこまめに行うことなどが有効です。また、洗顔後や食事の後などに保湿剤を塗り直す習慣をつけることも大切です。

洗顔の際には、洗浄力の強い洗顔料や石けんを使いすぎないことも重要です。必要な皮脂まで洗い流してしまうと、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥が悪化する原因になります。洗顔後はぬるま湯でしっかりすすぎ、清潔なタオルでやさしく水気を拭き取り、すぐに保湿剤を塗るようにしましょう。

Q. マスク着用で口の周りが荒れる仕組みは?

マスク内の蒸れにより皮膚が長時間湿潤な状態になると、バリア機能が低下し外部刺激に脆弱になります。加えてマスクの縁による摩擦が繰り返し加わることで赤みや傷が生じます。対策には保湿ケアの徹底、顔に合ったサイズのマスク選び、マスクが当たる部分へのワセリン塗布が有効です。

📝 食べ物・飲み物が引き起こす刺激性の荒れ

食事の内容や習慣が口の周りの荒れに影響することがあります。特に刺激の強い食べ物や飲み物は、口の周りの皮膚に直接触れることで刺激性の炎症を引き起こすことがあります。

柑橘類(レモン・グレープフルーツ・みかんなど)はクエン酸などの有機酸を多く含み、口の周りに付着すると皮膚を刺激します。同様に、トマト・酢を使った料理・ドレッシングなども酸性が強く、皮膚のバリアが弱っている場合には荒れの原因になります。また、辛み成分(カプサイシンなど)を含む食べ物も皮膚を刺激し、炎症を引き起こすことがあります。

ラーメンやカレー、スープなどの熱い食べ物・飲み物も口の周りの皮膚に繰り返し熱が加わることで刺激となることがあります。また、ビタミンB2やB6が不足すると、口の周りに炎症が生じやすくなることが知られています。ビタミンB2は口唇や口角の粘膜の健康を維持するために必要な栄養素であり、不足すると口角炎や口唇炎が起きやすくなります。

口の周りが荒れやすいと感じている方は、食事の際に口の周りに食べ物や飲み物が付着したらすぐにやさしく拭き取る習慣をつけることが大切です。また、食後には保湿剤を塗り直すことで皮膚のバリア機能を補うことができます。

なお、特定の食べ物を食べた後に口の周りがかゆくなったり腫れたりする場合は、食物アレルギーの可能性があります。この場合は皮膚科やアレルギー科を受診し、適切な検査を受けることをお勧めします。

💡 マスクによる口の周りへの影響

近年、マスクの長期使用による皮膚トラブルが増加しています。マスクを着用することで、口の周りを含む下半顔全体にさまざまな影響が生じることがわかっています。

まず、マスク内の湿度が高くなることで皮膚が蒸れた状態になります。皮膚が長時間湿潤な状態に置かれると、バリア機能が低下し、外部からの刺激や細菌・真菌の感染に対して脆弱になります。また、マスクの内側に吐く息がたまることで、二酸化炭素濃度が高くなり、肌への刺激になるとも言われています。

さらに、マスクの縁が皮膚に繰り返し当たることで摩擦が生じます。この物理的な刺激によって口の周りや頬・鼻などの皮膚が赤くなったり、傷ついたりすることがあります。マスクの素材(不織布・布など)によって摩擦の程度は異なりますが、長時間着用する場合はどのような素材でも一定の刺激が加わります。

マスクによる口の周りの荒れを防ぐためには、マスクを外した時にしっかりと保湿ケアを行うことが重要です。また、マスクのサイズが顔に合っていない場合は摩擦が増えるため、自分の顔に合ったサイズのものを選ぶことが大切です。布マスクを使用している場合は、刺激の少ない素材(コットン素材など)を選ぶとよいでしょう。長時間のマスク着用が避けられない環境では、ワセリンや保護クリームをマスクが当たる部分に塗布することで摩擦を軽減する方法も有効です。

また、マスク内で繁殖した細菌や皮脂が毛穴を詰まらせてニキビを引き起こす「マスクニキビ」も口の周りに多く見られます。これはアクネ菌の増殖によるものが多く、清潔なマスクの使用と適切なスキンケアが予防に効果的です。

✨ ストレスや生活習慣との関係

口の周りの荒れと生活習慣の乱れには密接な関係があります。睡眠不足・栄養の偏り・過度なストレスなどは、免疫機能を低下させたり、皮膚の再生力を弱めたりすることで、皮膚トラブルを引き起こしやすくします。

睡眠中は成長ホルモンが分泌され、皮膚の細胞の修復・再生が活発に行われます。睡眠不足になると、この修復のプロセスが不十分になり、皮膚のバリア機能が低下します。また、睡眠不足はコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増加させ、皮膚の炎症を悪化させることがあります。

栄養の面では、前述のビタミンB群のほかに、ビタミンA・C・E、亜鉛などが皮膚の健康維持に重要な役割を果たしています。ビタミンCはコラーゲンの合成に必要であり、皮膚のバリア機能を支えます。亜鉛は皮膚の新陳代謝を促し、創傷治癒を助けます。偏った食事によってこれらの栄養素が不足すると、皮膚の状態が悪化しやすくなります。

ストレスは皮膚疾患を悪化させることが多くの研究で示されています。ストレスによって分泌されるコルチゾールは、皮膚の水分保持能力を低下させ、バリア機能を弱めることがわかっています。また、ストレスは無意識のうちに口の周りをさわる・かく・なめるなどの行動を増やすことがあり、これが直接的な刺激となって荒れを引き起こすこともあります。

喫煙も皮膚の荒れに影響します。タバコに含まれる一酸化炭素や有害物質は血管を収縮させ、皮膚への血流・栄養・酸素の供給を妨げます。また、喫煙はビタミンCを大量に消費するため、皮膚の修復に必要な栄養素が不足しやすくなります。

口の周りの荒れを改善・予防するためには、規則正しい生活リズムを保ち、バランスのよい食事を心がけることが基本となります。十分な睡眠をとること、適度な運動でストレスを発散させること、禁煙に取り組むことなども皮膚の健康に好影響を与えます。

Q. 口の周りの荒れで皮膚科を受診すべき目安は?

1〜2週間セルフケアを続けても改善しない場合、膿が出る・皮膚がただれるなど症状が強い場合、特定の製品に触れた後に症状が出る場合は皮膚科への受診が推奨されます。アイシークリニックでは正確な診断のもと、口囲皮膚炎や接触性皮膚炎など状態に合った治療を提案しています。

📌 口の周りの荒れに対するセルフケアの方法

口の周りの荒れに対して、日常生活の中でできるセルフケアを以下に紹介します。ただし、症状が重い場合や長く続く場合は、自己判断での対処には限界があります。適切なタイミングで医療機関を受診することも大切です。

保湿ケアについては、洗顔後や食事の後など、こまめに保湿剤を塗ることが基本です。口の周りには低刺激性の保湿剤(ワセリン・セラミド配合製品・ヒアルロン酸配合製品など)を使用するとよいでしょう。リップクリームは口唇だけでなく、口の周りの皮膚にも薄く伸ばして使用できます。成分がシンプルで香料・防腐剤などの刺激成分が少ないものを選ぶと、かぶれのリスクを減らすことができます。

洗顔の際は、ぬるま湯を使用し、泡立てた洗顔料でやさしく洗うことが大切です。口の周りをゴシゴシこすることは皮膚への刺激となるため避けましょう。洗顔後は清潔なタオルでやさしく押さえるように水気を拭き取り、すぐに保湿ケアを行います。

口の周りをなめる習慣がある方は、意識してやめるようにしましょう。唾液は一時的に潤ったように感じますが、蒸発する際に皮膚の水分も奪い、さらに消化酵素が皮膚を刺激するため、荒れを悪化させる原因になります。なめたくなったときは、代わりに保湿剤を塗るようにすると習慣を変えやすくなります。

スキンケア製品の見直しも重要です。新しい製品を使い始めたタイミングで荒れが始まった場合は、その製品が原因の可能性があります。使用を中止して症状が改善するかどうか確認しましょう。製品を変える際は、一度に複数の製品を変えるのではなく、一つずつ変えると原因を特定しやすくなります。

食事面では、ビタミンB群(レバー・豆類・卵・乳製品・緑黄色野菜など)や亜鉛(牡蠣・赤身肉・ナッツ類など)を積極的に摂ることを心がけましょう。また、刺激の強い食べ物(辛いもの・酸っぱいものなど)を食べた後は、口の周りをやさしく拭き取り、保湿ケアを行うとよいでしょう。

市販薬については、軽度の皮膚炎に対して抗炎症成分(グリチルリチン酸など)が配合されたクリームや、尿素配合の保湿クリームが役立つことがあります。ただし、ステロイドを含む市販薬を顔の皮膚に長期間使用することは口囲皮膚炎の原因になり得るため、注意が必要です。

🎯 病院を受診するべき目安

口の周りの荒れは、セルフケアで改善することもありますが、以下のような状況では早めに医療機関(皮膚科・美容皮膚科など)を受診することをお勧めします。

1〜2週間セルフケアを続けても改善しない場合は、何らかの皮膚疾患が背景にある可能性があります。皮膚科で適切な診断を受け、状態に合った治療を行うことが早期回復への近道です。また、市販の塗り薬を使用しても効果がない場合も、皮膚科への受診を検討しましょう。

症状が強い場合、例えば赤みやかゆみが激しい・膿が出ている・患部が広がっている・皮膚がただれているといった状態では、速やかに受診することが必要です。皮膚がただれた状態は感染のリスクが高まるため、放置は禁物です。

特定のものに触れた後に症状が出る場合(特定の食べ物を食べた後・特定の製品を使った後など)は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があります。この場合はパッチテストによって原因物質を特定することが重要であり、皮膚科での検査が必要です。

ステロイド外用薬を長期間使用している方で口の周りに赤みやブツブツが出てきた場合は、口囲皮膚炎の可能性があります。自己判断でステロイドの使用を急にやめると症状が悪化することがあるため、皮膚科で相談のうえ治療方針を決めることが大切です。

子どもの場合、口の周りをなめる習慣がある場合はそれが原因の舐め皮膚炎が考えられますが、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患と合併していることもあります。長期間改善しない場合や皮膚の状態が気になる場合は、小児科や皮膚科への受診をお勧めします。

皮膚科を受診することで、適切な診断(口囲皮膚炎・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎など)がつき、それぞれの状態に合った治療薬(ステロイド外用薬・タクロリムス外用薬・抗菌薬・抗真菌薬など)が処方されます。自己判断でさまざまな市販薬を試し続けるより、早めに専門家に相談した方が、症状の長期化を防ぐことができます。

また、美容皮膚科では皮膚の状態に合わせた医療グレードのスキンケア製品の提案や、光治療(IPL)・ケミカルピーリングなどの施術も行っており、皮膚のバリア機能の改善や炎症後の色素沈着へのアプローチも可能です。荒れが繰り返す・なかなか治らないと感じている方は、美容皮膚科に相談してみることも一つの選択肢です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、口の周りの荒れを主訴にご来院される患者さまの多くが、ステロイド外用薬の長期使用による口囲皮膚炎や、リップクリームなどのスキンケア製品によるアレルギー性接触皮膚炎であるケースが見受けられます。最近の傾向として、マスク着用による摩擦や蒸れが皮膚バリアを低下させ、もともと問題のなかった製品への感作が起きやすくなっているケースも増えており、原因が一つではないことも多いため、自己判断での対処が症状を長引かせてしまうことも少なくありません。口の周りの荒れはデリケートな部位だからこそ、早めに専門医へご相談いただき、正確な診断のもとで適切なケアを始めることが、早期回復への大切な一歩となります。」

📋 よくある質問

口の周りが荒れる原因として最も多いものは何ですか?

主な原因は、乾燥、接触性皮膚炎(かぶれ)、口囲皮膚炎、アトピー性皮膚炎、食べ物による刺激、マスクの摩擦など多岐にわたります。当院では、ステロイド外用薬の長期使用による口囲皮膚炎や、リップクリームなどのスキンケア製品によるアレルギー性接触皮膚炎のケースが多く見受けられます。

口の周りをなめると荒れが悪化するのはなぜですか?

唾液には消化酵素が含まれており、これが繰り返し口の周りの皮膚に触れることで刺激性皮膚炎(舐め皮膚炎)を引き起こします。また唾液が蒸発する際に皮膚の水分も一緒に奪われるため、乾燥がさらに進んでしまいます。なめたくなったときは、代わりに保湿剤を塗る習慣をつけることが効果的です。

マスクで口の周りが荒れやすくなるのはなぜですか?

マスク内の蒸れによって皮膚のバリア機能が低下しやすくなるほか、マスクの縁が皮膚に繰り返し当たることで摩擦が生じます。対策としては、マスクを外した際にしっかり保湿ケアを行うこと、自分の顔に合ったサイズのマスクを選ぶこと、マスクが当たる部分にワセリンなどの保護クリームを塗ることが有効です。

口の周りの荒れに市販のステロイド薬を使っても大丈夫ですか?

顔の皮膚にステロイドを含む薬を長期間使用すると、口囲皮膚炎を引き起こす原因になる場合があります。そのため、自己判断での長期使用は避けることが重要です。症状が1〜2週間のセルフケアで改善しない場合や悪化している場合は、早めに皮膚科を受診し、医師の指示のもとで適切な治療を受けることをお勧めします。

口の周りの荒れは皮膚科と美容皮膚科のどちらに行くべきですか?

炎症・かゆみ・膿などの症状が強い場合は、まず皮膚科での診断・治療が優先されます。一方、荒れが繰り返す・炎症後の色素沈着が気になるといった場合は、美容皮膚科での医療グレードのスキンケア提案や光治療・ケミカルピーリングなどの施術も選択肢となります。アイシークリニックでは、皮膚の状態に合わせた適切なご提案が可能です。

💊 まとめ

口の周りが荒れる原因は、乾燥・接触性皮膚炎・口囲皮膚炎・アトピー性皮膚炎・食べ物による刺激・マスクの摩擦・生活習慣の乱れなど、非常に多岐にわたります。原因によって適切なケアや治療が異なるため、まずは自分の症状がどのような状況で起きているかを観察することが大切です。

セルフケアとしては、こまめな保湿・低刺激のスキンケア製品の使用・口の周りをなめる習慣をやめること・バランスのよい食事と十分な睡眠などが基本となります。しかし、症状が長引く場合や悪化している場合は、早めに皮膚科や美容皮膚科を受診し、専門家の診断と治療を受けることをお勧めします。

口の周りの荒れは、適切なケアと治療によって改善が期待できます。気になる症状がある方は、ぜひ専門医にご相談ください。アイシークリニック池袋院では、皮膚の状態に合わせたご提案を行っております。お気軽にお問い合わせください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎の診断基準・治療ガイドライン(ステロイド外用薬・タクロリムス外用薬・生物学的製剤の使用方針、皮膚バリア機能の解説を含む)
  • 日本皮膚科学会 – 接触性皮膚炎(アレルギー性・刺激性)のパッチテストによる診断方法および治療方針に関する情報
  • 厚生労働省 – 皮膚疾患に関する一般向け健康情報(口囲皮膚炎・乾燥性皮膚炎を含む皮膚トラブルの予防・受診の目安に関する行政情報)

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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