口の周りが荒れる原因と対策|症状別に医師が解説

口の周りが赤くなったり、カサカサと乾燥したり、かゆみや痛みを感じたりした経験はありませんか?口の周りの皮膚は非常にデリケートで、さまざまな原因によって荒れやすい部位です。毎日の食事や会話、表情の動きによって摩擦が生じやすく、唾液や食べ物との接触も多いため、肌トラブルが起きやすい環境にあります。原因を正しく把握し、適切なケアや治療を行うことが、改善への近道です。この記事では、口の周りが荒れる主な原因を症状別に整理し、日常生活でできる対策や、専門医への受診を検討すべきタイミングについても詳しくご説明します。


目次

  1. 口の周りの皮膚が荒れやすい理由
  2. 口の周りが荒れる主な原因一覧
  3. 乾燥による口周りの荒れ
  4. 接触性皮膚炎(かぶれ)による口周りの荒れ
  5. 口唇炎・口角炎とは
  6. 口の周りの湿疹・アトピー性皮膚炎
  7. 口囲皮膚炎(酒さ様皮膚炎)について
  8. ヘルペスウイルスによる口周りの症状
  9. 食物アレルギーと口周りの荒れ
  10. 生活習慣・ストレスが与える影響
  11. 日常生活でできるケアと予防策
  12. 受診すべき状態とクリニック選びのポイント
  13. まとめ

この記事のポイント

口の周りの荒れは乾燥・接触性皮膚炎・口角炎・ヘルペス・アトピーなど原因が多岐にわたり、原因別に適切な治療が必要。自己判断によるステロイド長期使用は避け、2週間以上改善しない場合は皮膚科を受診することが重要。

🎯 口の周りの皮膚が荒れやすい理由

口の周りの皮膚は、体の中でも特に繊細な部位のひとつです。顔の中央に位置しているため、表情を作るたびに動き、会話や食事のたびに摩擦や刺激を受け続けています。皮膚の構造という観点から見ると、口の周りは皮脂腺の分布が少なめで、バリア機能を担う皮脂膜が薄くなりやすい特徴があります。

また、唾液が触れやすい部位でもあります。唾液にはアミラーゼなどの消化酵素が含まれており、皮膚に繰り返し付着することで刺激となります。特に口角(口の端)や鼻の下は唾液が溜まりやすく、荒れが生じやすい場所です。さらに、鼻から口への距離が近いため、鼻をかむ際の摩擦や鼻水の刺激を受けやすいという点もあります。

加えて、口の周りはさまざまな外的刺激(化粧品、歯磨き粉、食べ物、花粉など)と直接接触する機会が多く、アレルギーや刺激性の反応が生じやすい環境にあります。これらの要因が複合的に重なることで、口の周りは荒れやすくなっているといえます。

Q. 口の周りが荒れやすい理由は何ですか?

口の周りは皮脂腺が少なくバリア機能が弱い部位です。表情・会話による摩擦、唾液に含まれるアミラーゼなどの消化酵素の刺激、化粧品や歯磨き粉との接触など、複数の要因が日常的に重なることで、他の部位と比べて荒れやすい環境になっています。

📋 口の周りが荒れる主な原因一覧

口の周りが荒れる原因は多岐にわたります。大きく分類すると、以下のようなカテゴリーに分けられます。

まず、皮膚の乾燥が挙げられます。乾燥によってバリア機能が低下し、外部刺激に対して敏感になります。次に、化粧品や歯磨き粉、食べ物などによる接触性皮膚炎(かぶれ)があります。これはアレルギー性と刺激性の2種類に分けられます。

口唇炎や口角炎といった口周り特有の炎症性疾患も代表的な原因のひとつです。ビタミンB群の不足や免疫力の低下が関与していることが多い疾患です。アトピー性皮膚炎を持つ方は、口の周りに湿疹が出やすい傾向があります。また、ステロイド外用薬の長期使用によって引き起こされる口囲皮膚炎(酒さ様皮膚炎)も、見落とされがちな原因のひとつです。

感染症の観点では、単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスが重要です。食物アレルギーによって口周りに発疹や腫れが起きることもあります。さらに、過度なストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れなどの生活習慣も、口周りの荒れに関与しています。

💊 乾燥による口周りの荒れ

口の周りが荒れる原因として最も多く見られるのが、皮膚の乾燥です。特に秋冬の乾燥した季節になると、口の周りがカサカサして粉を吹いたようになったり、皮がむけたりする症状が出やすくなります。

乾燥によって皮膚のバリア機能が低下すると、外部からの刺激に対して敏感になり、かゆみや赤みが生じやすくなります。また、皮膚の水分が失われることで、微細なひび割れ(亀裂)ができ、そこから細菌や刺激物が侵入しやすくなります。これが炎症を引き起こし、荒れを悪化させる悪循環につながります。

乾燥を引き起こす要因としては、エアコンや暖房による室内の乾燥、洗顔料や歯磨き粉の界面活性剤による皮脂の過剰な除去、無意識のうちに口の周りを舌でなめる癖(舐め癖)などが挙げられます。舌でなめる癖は一時的に湿り気を感じますが、唾液が乾燥する際にかえって水分を奪ってしまうため、乾燥を悪化させる原因になります。

保湿ケアが乾燥対策の基本となりますが、口の周りという部位柄、誤って口の中に入っても安全な成分を選ぶことが重要です。ワセリンやヒアルロン酸を含むリップクリームなどが広く使われています。

🏥 接触性皮膚炎(かぶれ)による口周りの荒れ

接触性皮膚炎は、特定の物質に皮膚が接触することで起きる炎症反応で、「かぶれ」とも呼ばれます。口の周りにはさまざまな物質が触れる機会が多いため、接触性皮膚炎が生じやすい部位です。

口周りで接触性皮膚炎を引き起こすことが多い物質としては、歯磨き粉(フッ素、香料、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、リップクリームや口紅の成分、ファンデーションや化粧水などのスキンケア製品、食べ物(特にスパイス、柑橘類、トマトなど酸性の強いもの)、花粉や金属(歯科材料など)が挙げられます。

接触性皮膚炎には2種類あります。刺激性接触性皮膚炎は、物質そのものの化学的刺激によるもので、誰でも強い刺激に触れれば起こりえます。一方、アレルギー性接触性皮膚炎は、特定の物質に対してアレルギー反応が起きるもので、初めて接触したときは何も起きなくても、繰り返し触れることでアレルギーが成立し、その後の接触で症状が出るという特徴があります。

症状は赤み、かゆみ、腫れ、水疱、湿潤(ジュクジュク)などが代表的です。原因物質を特定するためには皮膚科でパッチテストを行うことが有効です。原因となっている物質の使用を中止し、医師の指示に従って適切な外用薬(ステロイド外用薬など)を使用することで改善します。

Q. 口角炎が悪化する場合にステロイド外用薬を使っても良いですか?

口角炎にステロイド外用薬を自己判断で使用することは避けてください。カンジダなどの真菌感染が原因の場合、ステロイドの使用によって症状が悪化するリスクがあります。感染が関与しているときは抗真菌薬や抗菌薬が必要なため、症状が続く場合は皮膚科専門医への受診が重要です。

⚠️ 口唇炎・口角炎とは

口唇炎は唇やその周辺の皮膚に炎症が起きる状態を指します。唇が赤くなり、乾燥・皮むけ・ひび割れ・出血などが見られます。口角炎は口の端(口角)に炎症が起きる状態で、口が開けにくくなるほどのひび割れや痛みが生じることもあります。

これらの疾患の原因は複数あります。栄養不足、特にビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB6、鉄分の不足は口唇炎・口角炎の代表的な原因として知られています。免疫力の低下によってカンジダ(真菌)や細菌(黄色ブドウ球菌など)が増殖し、感染性の口角炎を引き起こすこともあります。

また、ドライマウス(口腔乾燥症)の方は唾液が少なくなることで口の周りが乾燥しやすく、口唇炎・口角炎が起きやすくなります。入れ歯の不具合による咬み合わせの変化も、口角に余分な皮膚のたるみやしわを作り、そこに唾液が溜まってかびが繁殖しやすくなる原因になります。

感染が関与している場合は抗真菌薬や抗菌薬が必要です。自己判断でステロイド外用薬を使用すると、真菌感染の場合には悪化することがあるため、症状が続く場合は専門医を受診することが大切です。栄養状態の改善のために、食事の見直しやビタミンB群のサプリメントを活用することも有効な場合があります。

🔍 口の周りの湿疹・アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因と環境的な要因が組み合わさって生じる慢性的な炎症性皮膚疾患です。口の周りはアトピー性皮膚炎が出やすい好発部位のひとつであり、特に乳幼児や子どもでは口の周りに湿疹が出ることがよくあります。

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しており、外部からのアレルゲンや刺激物が侵入しやすい状態にあります。口の周りでは、食べ物や唾液との接触によって刺激が加わりやすく、かゆみを伴う赤い湿疹が繰り返し出現します。かきむしることでさらに症状が悪化するという悪循環が生じやすい疾患です。

アトピー性皮膚炎の治療は、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの抗炎症外用薬による炎症のコントロール、保湿剤による皮膚バリア機能の補強、悪化因子(ダニ、ハウスダスト、食物アレルゲンなど)の回避が基本となります。近年では、重症例に対して生物学的製剤(デュピルマブなど)が登場し、治療の選択肢が広がっています。

子どもの口の周りの湿疹については、食物アレルギーとの関連も考慮する必要があります。特定の食品を食べた後に症状が悪化する場合は、アレルギー検査も合わせて行うことが推奨されます。

📝 口囲皮膚炎(酒さ様皮膚炎)について

口囲皮膚炎(こういひふえん)は、口の周りに赤いブツブツや丘疹(きゅうしん)が現れる皮膚炎で、鼻の脇や目の周りにも出ることがあります。「酒さ様皮膚炎」とも呼ばれ、見た目がにきびに似ていることから、にきびと誤解されることも少なくありません。

この疾患の原因として最も多いのが、ステロイド外用薬の顔への長期使用です。肌荒れや湿疹に対してステロイド外用薬を使い続けると、皮膚が薬に依存した状態になり、口の周りに炎症が生じやすくなります。ステロイドを中止しようとすると反動的に症状が悪化することがあり(リバウンド)、これが繰り返し使用の悪循環につながります。

その他、保湿クリームや日焼け止めの使いすぎ、フッ素入り歯磨き粉との接触なども原因として指摘されています。マスクの長期着用によって口の周りが蒸れやすくなったことも、近年の増加要因として考えられています。

口囲皮膚炎の治療では、まずステロイド外用薬の使用を中止することが必要です。ただし、急にやめると症状が一時的に悪化することがあるため、医師の指導のもとで徐々に減量していきます。抗生物質(テトラサイクリン系など)の内服や外用が有効な場合もあります。自己判断でのステロイド外用薬の使用を避け、症状が改善しない場合は皮膚科を受診することが重要です。

Q. 口囲皮膚炎はどのような原因で起きますか?

口囲皮膚炎は、顔へのステロイド外用薬の長期使用が主な原因です。口の周りに赤いブツブツや丘疹が現れ、にきびと誤解されることがあります。保湿クリームの使いすぎやマスクによる蒸れも一因とされます。アイシークリニックでは、ステロイドの適切な減量指導と合わせた治療を行っています。

💡 ヘルペスウイルスによる口周りの症状

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)による感染症で、口の周りや唇に小さな水疱(水ぶくれ)が集まって現れるのが特徴です。かゆみや痛み、灼熱感を伴うことが多く、水疱が破れてかさぶたになり、1〜2週間程度で治癒します。

口唇ヘルペスの特徴的な点は、ウイルスが体の中に潜伏し続けるということです。初感染の後、ウイルスは神経節に潜伏し、免疫力が低下したときや、発熱、疲労、強いストレス、紫外線への過剰な曝露などをきっかけに再活性化して症状が出ます。一般的に再発を繰り返すことが多い疾患です。

治療には抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)が使用されます。外用薬と内服薬があり、症状が出始めた早い段階で使用するほど効果が高いとされています。再発頻度が高い場合は、医師と相談の上で再発抑制療法(毎日少量の抗ウイルス薬を内服する方法)を検討することもあります。

口唇ヘルペスのウイルスは感染力があり、水疱がある時期は特に接触感染のリスクが高くなります。ウイルスが手についた状態で目を触ると眼に感染(ヘルペス角膜炎)するリスクもあるため、患部を触った後はしっかり手を洗うことが大切です。

✨ 食物アレルギーと口周りの荒れ

食物アレルギーは、特定の食べ物に含まれるタンパク質に対して免疫系が過剰に反応することで起きます。口の周りは食べ物と最初に接触する部位であるため、アレルギー反応が皮膚症状として現れやすい場所です。

食物アレルギーによる口周りの症状としては、食後すぐに口の周りが赤くなる、じんましん(蕁麻疹)が出る、かゆくなる、腫れるなどがあります。これらの症状はアレルギー反応の中でも即時型(IgE依存性)に分類され、食後数分〜30分以内に現れることが多いです。

特に子どもでは、卵・牛乳・小麦・そば・落花生・甲殻類・果物などがアレルギーの原因食品(アレルゲン)として多く見られます。果物や野菜による口腔アレルギー症候群(OAS)も、口の周りのかゆみや腫れを引き起こす原因のひとつです。これは花粉症と関連していることが多く、花粉のアレルゲンと似た構造のタンパク質を持つ食品(リンゴ、キウイ、桃、セロリなど)を食べたときに起きる反応です。

食物アレルギーが疑われる場合は、皮膚科または小児科・アレルギー科を受診し、血液検査や皮膚プリックテストなどのアレルギー検査を行うことが重要です。アナフィラキシーショック(全身の重篤なアレルギー反応)に進展するリスクもあるため、自己判断せず医師の指導を受けることが不可欠です。

📌 生活習慣・ストレスが与える影響

口の周りの肌荒れには、日々の生活習慣やストレスも大きく関わっています。睡眠不足や過度なストレスは免疫機能を低下させ、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を乱す原因になります。その結果、皮膚のバリア機能が弱まり、荒れやすい状態になります。

食生活の乱れも口周りの荒れに影響します。特に、ビタミンB群(B2・B6・B12)、ビタミンC、亜鉛、鉄分などの栄養素が不足すると、皮膚の代謝が低下し、炎症が起きやすくなります。インスタント食品や糖質・脂質に偏った食事を続けることで、これらの栄養素が不足しがちです。

無意識の癖も見逃せない要因です。口の周りを舌でなめる癖、口を触る・こする癖、唇を噛む癖などは、皮膚に繰り返し刺激を与え、慢性的な炎症を引き起こします。また、マスクの長時間着用によって口の周りが蒸れ、雑菌が繁殖しやすくなることも、荒れの一因として近年注目されています。

タバコの喫煙も皮膚の血流を悪化させ、酸化ストレスを増加させることで、皮膚の修復機能を低下させます。飲酒についても、過度な摂取は皮膚の炎症を悪化させる可能性があります。

季節の変わり目やホルモンバランスの変化(生理前・更年期など)も、皮膚の状態に影響を与えます。生理前の時期はプロゲステロンの影響で皮脂分泌が増加し、肌荒れが生じやすくなるといわれています。更年期には皮膚のうるおいを保つエストロゲンが減少するため、全体的に乾燥しやすくなります。

Q. 口周りの荒れはどんな食事で予防できますか?

口周りの荒れ予防には、ビタミンB2・B6・B12を含むレバー・卵・乳製品・緑黄色野菜、ビタミンCを含む柑橘類、亜鉛を含む牡蠣やナッツ類を意識的に摂取することが効果的です。これらの栄養素が不足すると皮膚の代謝が低下し、炎症が起きやすくなるため、食事バランスの改善が重要です。

🎯 日常生活でできるケアと予防策

口の周りの荒れを予防・改善するために、日常生活でできるケアはたくさんあります。正しい知識を持って実践することが大切です。

スキンケアについては、洗顔時に口の周りをゴシゴシとこすらないことが基本です。やさしく泡で包み込むように洗い、低刺激のクレンジング・洗顔料を選ぶことが望ましいです。洗顔後はしっかり保湿を行い、口の周りには口の中に入っても安全な成分のリップクリームやワセリンを使うとよいでしょう。

歯磨き粉に関しては、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)や香料、フッ素などが口周りの荒れを引き起こすことがあります。肌が敏感な方は、これらの成分を含まないまたは少ないタイプの歯磨き粉に変えてみることも一つの方法です。歯磨き後は口の周りに残った歯磨き粉をしっかり洗い流すことも重要です。

食事については、ビタミンB群を含む食品(レバー、卵、乳製品、緑黄色野菜、豆類など)を意識的に摂取することが口周りの健康に役立ちます。ビタミンCや亜鉛を多く含む食品(柑橘類、牡蠣、ナッツ類など)も皮膚の健康維持に重要な栄養素です。

生活習慣全般については、十分な睡眠の確保、適度な運動によるストレス管理、禁煙、過度な飲酒の回避が皮膚の健康に大きく関わります。マスクを使用する場合は、清潔なものを使用し、長時間の着用後はマスクを外してしっかり洗顔・保湿を行うことをおすすめします。

唇をなめる癖がある方は、意識的にやめるよう心がけましょう。乾燥を感じたらリップクリームを使うなど、なめずにすむ環境を整えることが大切です。また、室内の湿度管理(加湿器の使用など)も有効です。

紫外線対策も忘れてはいけません。紫外線は皮膚の老化を促進し、免疫機能を低下させます。外出時はSPF値のある日焼け止めを使用し、帽子や日傘で紫外線を防ぐことも大切です。ただし、日焼け止めの成分によってアレルギーが出る方もいるため、敏感な肌の方はパッチテストを行ってから使用することをおすすめします。

📋 受診すべき状態とクリニック選びのポイント

口の周りの荒れは、日常的なケアで改善することも多いですが、症状が続いたり悪化したりする場合は専門医の診察が必要です。以下のような状態が見られる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

まず、セルフケアを続けても2週間以上症状が改善しない場合は受診の目安になります。次に、水疱やびらん(ただれ)、強い痛みを伴う場合は、口唇ヘルペスや細菌・真菌感染症の可能性があるため、適切な治療が必要です。ステロイド外用薬を自己使用していて、やめると悪化するという状況が続いている場合も、口囲皮膚炎を疑って受診が必要です。

アレルギー症状(じんましん、顔の腫れなど)が急に出た場合、特に呼吸困難や全身症状を伴う場合は、アナフィラキシーの可能性があるため、すぐに救急を受診してください。子どもに繰り返す口周りの湿疹がある場合も、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの精査のために小児科や皮膚科を受診することが大切です。

受診する科については、まずは皮膚科が適切です。接触性皮膚炎、口囲皮膚炎、アトピー性皮膚炎、口唇ヘルペスなど、多くの口周り荒れに対応できます。アレルギー検査や原因物質の特定(パッチテストなど)も皮膚科で行えます。食物アレルギーが疑われる場合は、アレルギー科との連携が必要なこともあります。

クリニック選びのポイントとしては、皮膚科専門医が在籍しているか、アレルギー検査(パッチテスト、血液検査)が実施できるか、症状に対して丁寧な問診を行ってくれるかどうかを確認するとよいでしょう。美容皮膚科と一般皮膚科を兼ね備えたクリニックでは、治療とともにスキンケア指導も受けられることがあり、継続的なサポートが期待できます。

アイシークリニック池袋院では、皮膚の専門的な観点から肌トラブルに関する相談に対応しており、原因の特定から適切な治療・ケアのアドバイスまで、一人ひとりの状態に合わせた対応を行っています。口周りの荒れでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、口の周りの荒れを訴えて来院される患者様の多くが、乾燥やスキンケア製品によるかぶれ、ステロイド外用薬の長期使用による口囲皮膚炎など、複数の原因が重なっているケースを多く拝見しています。最近の傾向として、マスク着用習慣の定着により口周りの蒸れや摩擦が加わり、症状が慢性化してしまう方も増えていますと感じています。原因によって適切な治療法は異なりますので、自己判断でのケアに限界を感じた際は、どうぞお気軽にご相談ください。」

💊 よくある質問

口の周りが荒れやすいのはなぜですか?

口の周りは皮脂腺が少なくバリア機能が弱いうえ、表情や会話による摩擦、唾液・食べ物との接触など、日常的に多くの刺激を受け続ける部位です。化粧品や歯磨き粉などの外的刺激とも接触しやすいため、複数の要因が重なって荒れやすい環境になっています。

口角炎にはどんな原因がありますか?

口角炎の主な原因として、ビタミンB2・B6や鉄分の不足、免疫力の低下によるカンジダ(真菌)や細菌の感染、ドライマウス、入れ歯の不具合などが挙げられます。感染が関与している場合は抗真菌薬や抗菌薬が必要なため、自己判断でステロイド外用薬を使用せず、専門医への受診をおすすめします。

口唇ヘルペスと普通の口周りの荒れはどう見分けますか?

口唇ヘルペスは小さな水疱(水ぶくれ)が集まって現れ、かゆみ・痛み・灼熱感を伴うのが特徴です。疲労やストレス、発熱などをきっかけに繰り返し再発する点も目安になります。一方、単純な乾燥や接触性皮膚炎では水疱は出にくいため、水疱を伴う場合は早めに皮膚科を受診してください。

口周りの荒れに市販のステロイド外用薬を使っても良いですか?

自己判断でのステロイド外用薬の長期使用はおすすめできません。カンジダなどの真菌感染が原因の場合は悪化するリスクがあり、顔への長期使用は口囲皮膚炎(酒さ様皮膚炎)を引き起こす可能性があります。2週間以上改善しない場合や症状が悪化する場合は、皮膚科専門医へご相談ください。

口周りの荒れを予防するために日常でできることは何ですか?

主なケアとして、刺激の少ない洗顔料を使いやさしく洗うこと、洗顔後はワセリンやリップクリームで保湿すること、口をなめる癖を意識的にやめること、ビタミンB群や亜鉛を含む食事を心がけることが効果的です。また、十分な睡眠の確保や室内の加湿、清潔なマスクの使用も荒れの予防につながります。

🏥 まとめ

口の周りが荒れる原因は、乾燥、接触性皮膚炎、口唇炎・口角炎、アトピー性皮膚炎、口囲皮膚炎、口唇ヘルペス、食物アレルギー、生活習慣の乱れなど非常に多岐にわたります。一口に「口周りの荒れ」といっても、その背景にある原因によって適切な対処法は異なります。

共通して大切なのは、皮膚のバリア機能を守る保湿ケアを丁寧に行うこと、皮膚に余計な刺激を与えないこと、そして栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠によって免疫機能を整えることです。また、自己判断でステロイド外用薬を長期使用することは避け、症状が改善しない場合や悪化する場合は迷わず皮膚科を受診することが大切です。

口の周りは毎日目に触れる部位であり、荒れると日常生活への影響も大きく、精神的なストレスにもなりえます。症状に気づいたら早めに対策を始め、必要に応じて専門家の助けを借りながら、健やかな肌を取り戻しましょう。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、口囲皮膚炎などの診断基準・治療ガイドラインの参照
  • 国立感染症研究所 – 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)による口唇ヘルペスの感染経路・症状・予防に関する情報の参照
  • 厚生労働省 – 食物アレルギーおよびアナフィラキシーに関する診断・対応指針の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
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