📊 【2025年最新】今年の粉瘤診療の傾向
2024年から2025年にかけて、粉瘤の診療において注目すべき傾向が見られています。在宅ワークの普及により、長時間の座位姿勢が続くことで臀部や背中の粉瘤が増加している一方で、マスク着用の習慣化により顔面の粉瘤は若干減少傾向にあります。
また、スキンケアへの関心の高まりから、早期発見・早期治療を希望される患者さんが増加しており、小さな粉瘤の段階で受診される方が多くなっています。これにより、傷跡を最小限に抑えた治療が可能になっています。
🔰 はじめに
皮膚の下にできるしこりやできもの。触ると痛みを感じたり、次第に大きくなったりして不安を感じている方も多いのではないでしょうか。そのしこりは「粉瘤(ふんりゅう)」かもしれません。
粉瘤は皮膚の良性腫瘍の中で最も一般的なもののひとつで、年齢や性別を問わず誰にでもできる可能性があります。しかし、実は粉瘤ができやすい人には一定の特徴があることが知られています。
本記事では、粉瘤とは何か、どのような人にできやすいのか、その原因やメカニズム、そして予防法や治療法について、わかりやすく詳しく解説していきます。ご自身やご家族の健康管理にお役立てください。

🔍 粉瘤とは何か
📝 粉瘤の基本知識
粉瘤は、正式には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」または「アテローム」と呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、その中に本来は皮膚から剥がれ落ちるはずの角質や皮脂などの老廃物が溜まっていく状態を指します。
見た目は皮膚の下にある丸いしこりで、触れると弾力があり、動かすことができる場合が多いです。サイズは数ミリから数センチまでさまざまで、放置すると徐々に大きくなっていく傾向があります。
🎯 粉瘤の特徴的なサイン
粉瘤には以下のような特徴があります:
- 中心部に黒い点(開口部)が見られる:粉瘤の表面中央に、小さな黒い点のような開口部があることが多く、これを「へそ」と呼びます
- 独特の臭い:内容物を圧迫すると、白~黄色のドロドロした物質が出てくることがあり、特有の不快な臭いを伴います
- 痛みの変化:通常は痛みがありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴います(炎症性粉瘤)
- 可動性:皮膚の下で袋状の構造が比較的自由に動く
📍 粉瘤ができる主な部位
粉瘤は全身のどこにでもできる可能性がありますが、特に多い部位があります:
- 顔(特に頬や耳たぶの周囲)
- 首筋や耳の後ろ
- 背中
- 胸
- 腋の下
- 臀部
- 陰部周辺
これらの部位は皮脂腺や毛包が多く、また摩擦や圧迫を受けやすい場所でもあります。
👥 粉瘤ができやすい人の特徴
粉瘤は誰にでもできる可能性がありますが、統計的にできやすい人には一定の傾向があることが分かっています。以下、詳しく見ていきましょう。
🎂 1. 年齢による傾向
粉瘤は20代から40代の比較的若い年代に多く見られます。これは皮脂の分泌が活発な年代と重なっており、毛穴が詰まりやすい時期であることが関係していると考えられています。
ただし、10代の思春期や50代以降でも発症することがあり、年齢は一つの要因に過ぎません。特に思春期はホルモンバランスの変化により皮脂分泌が増加するため、粉瘤のリスクが高まります。
⚥ 2. 性別による違い
粉瘤は男性にやや多い傾向があります。これは男性ホルモンが皮脂の分泌を促進することと関連していると考えられています。男性ホルモン(アンドロゲン)は皮脂腺を刺激し、皮脂の産生を増やすため、毛穴が詰まりやすくなり、結果として粉瘤ができやすくなります。
ただし、女性でも十分に発症する可能性があり、特に生理周期やホルモンバランスの変化が影響することもあります。
🧬 3. 遺伝的要因
粉瘤には家族性の傾向があることが知られています。親や兄弟姉妹に粉瘤ができたことがある場合、自分にもできる可能性が高くなります。
これは皮膚の構造や皮脂腺の特性、毛穴の形状などが遺伝的に受け継がれることが関係していると考えられています。ただし、必ず遺伝するわけではなく、環境要因も大きく影響します。
🏗️ 4. 体質的な要因
🌟 皮脂分泌が多い体質
皮脂の分泌が多い体質の方は、毛穴に皮脂が詰まりやすく、粉瘤ができるリスクが高まります。顔がテカりやすい、頭皮がべたつきやすいといった特徴がある方は注意が必要です。
💇 毛深い体質
体毛が濃い、毛深い体質の方も粉瘤ができやすい傾向があります。これは毛包(毛の根元の部分)が多く存在することと、毛穴が大きいことが関係しています。毛包は粉瘤の発生源となることが多いため、毛深い方はリスクが高くなります。
🔴 ニキビができやすい肌質
思春期や成人後もニキビができやすい方は、粉瘤のリスクも高まります。ニキビは毛穴の詰まりから生じる疾患であり、その延長線上に粉瘤の形成があるとも言えます。
特に嚢胞性ニキビ(大きく膨らんだニキビ)を繰り返す方は、皮膚の深部に炎症が起きやすく、その結果として粉瘤が形成されることがあります。
🩹 5. 過去の外傷や皮膚損傷の経験がある方
過去に以下のような経験がある方は、粉瘤ができやすくなります:
- 切り傷や擦り傷:傷が治癒する過程で皮膚の表皮細胞が皮下に入り込み、嚢腫を形成することがあります
- 手術痕:過去に手術を受けた部位の周辺
- ピアスの穴:特に耳たぶは粉瘤の好発部位です
- 虫刺され:強くかきむしった部位
- 火傷(熱傷):治癒後の瘢痕組織の近く
これらの損傷により、皮膚の構造が変化し、表皮細胞が皮下に迷入しやすくなることが粉瘤形成の一因となります。
🏥 6. 特定の基礎疾患がある方
以下の疾患がある方は、粉瘤ができやすいことが報告されています:
🧬 ガードナー症候群
家族性大腸ポリポーシスと関連する遺伝性疾患で、全身に多発性の粉瘤ができることが特徴の一つです。大腸ポリープや骨腫瘍なども合併します。
🔴 尋常性痤瘡(ニキビ)が重症の方
慢性的に重症のニキビがある方は、炎症の繰り返しにより粉瘤が形成されやすくなります。
🏃 7. 生活習慣による影響
😴 不規則な生活リズム
睡眠不足や不規則な生活は、ホルモンバランスを乱し、皮脂分泌のリズムを狂わせます。これにより毛穴が詰まりやすくなり、粉瘤のリスクが高まります。
🍔 偏った食生活
脂質や糖質の多い食事を好む方は、皮脂の分泌が増加しやすく、結果として毛穴が詰まりやすくなります。特にファストフードやスナック菓子、揚げ物などを頻繁に摂取する習慣がある方は要注意です。
😰 ストレスの多い生活
慢性的なストレスはホルモンバランスに影響を与え、皮脂分泌を増加させます。また、免疫機能の低下により、毛穴に細菌が侵入しやすくなることも粉瘤形成のリスクとなります。
🧴 8. 皮膚のケア習慣が不適切な方
🧽 過度な洗顔や強い摩擦
「清潔にしよう」という思いから、過度に洗顔したり、強くこすったりする習慣がある方は、かえって皮膚のバリア機能を損ない、粉瘤のリスクを高めることがあります。
💧 保湿不足
皮膚の乾燥は、かえって皮脂の分泌を促進させることがあります。乾燥から肌を守ろうとして、身体が過剰に皮脂を分泌してしまうのです。
💄 化粧品やスキンケア製品の使用法
毛穴を塞ぎやすい化粧品(コメドジェニックな製品)の使用や、クレンジング不足によるメイク残りも、毛穴の詰まりを引き起こし、粉瘤形成のリスクとなります。
医師・当院治療責任者
近年、在宅ワークの普及により、長時間の座位姿勢が続く方が増えています。これまでデスクワーカーに多かった臀部の粉瘤が、一般的に増加傾向にあります。予防には、1時間ごとに立ち上がる、適切なクッションを使用する、定期的な運動を心がけることが重要です。早期発見・早期治療により、小さな傷跡で治療することが可能ですので、気になる症状があれば早めにご相談ください。
👔 9. 職業や生活環境による影響
🌡️ 高温多湿な環境で働く方
調理場や工場など、高温多湿な環境で長時間働く方は、発汗が多く、皮膚が蒸れやすいため、毛穴が詰まりやすくなります。
⚙️ 粉塵や油分に接触する機会が多い方
工場勤務や整備士など、職業上、粉塵や油分に接触する機会が多い方は、これらの物質が毛穴を塞ぎ、粉瘤のリスクを高めます。
💺 長時間の座位や同じ姿勢を続ける方
デスクワークなどで長時間座っている方は、臀部や背中に圧迫や摩擦が加わり続けるため、これらの部位に粉瘤ができやすくなります。特に2024年以降、在宅ワークの普及により、この傾向が顕著に見られるようになりました。
💊 10. 特定の薬剤使用中の方
一部の薬剤は副作用として皮脂分泌に影響を与えることがあります:
- ステロイド剤:長期使用により皮膚の構造が変化し、粉瘤ができやすくなることがあります
- 一部のホルモン剤:ホルモンバランスの変化により、皮脂分泌が影響を受けます
⚙️ 粉瘤ができるメカニズム
粉瘤がどのようにして形成されるのか、そのメカニズムを理解することは予防にも役立ちます。
🏗️ 正常な皮膚の構造
まず、正常な皮膚の構造について簡単に説明します。皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層構造になっています。表皮の最も外側には角質層があり、古くなった細胞は垢として自然に剥がれ落ちます。
🔄 粉瘤形成の基本的なプロセス
粉瘤は以下のようなプロセスで形成されます:
- 表皮細胞の迷入:何らかの原因で、本来は皮膚表面にあるべき表皮細胞が皮膚の内部(真皮や皮下組織)に入り込みます
- 嚢腫(袋)の形成:皮膚内部に入り込んだ表皮細胞は、その場で増殖を続け、袋状の構造(嚢腫壁)を形成します
- 内容物の蓄積:嚢腫の内壁から角質や皮脂などの老廃物が産生され、袋の中に次々と蓄積されていきます
- 増大:内容物が増えるにつれて、嚢腫は徐々に大きくなっていきます
🔍 表皮細胞が皮膚内部に入り込む原因
表皮細胞が皮膚内部に入り込む主な原因には、以下のようなものがあります:
🔒 毛包の閉塞
最も一般的な原因です。毛穴(毛包開口部)が何らかの理由で塞がれると、毛包上皮が内側に向かって増殖し、皮膚内部に嚢腫を形成します。皮脂や角質の詰まり、炎症、ホルモンの影響などが毛包の閉塞を引き起こします。
🩹 外傷
切り傷や刺し傷などの外傷により、皮膚表面の表皮細胞が物理的に皮膚深部に押し込まれることがあります。
👶 先天的な要因
生まれつき表皮細胞が皮膚内部に迷入した状態で存在している場合もあります。これは胎児の発育過程での異常によるものです。
🔥 炎症性粉瘤への進行
粉瘤自体は良性の腫瘍ですが、以下のような場合に炎症を起こすことがあります:
- 細菌感染:嚢腫に細菌が侵入すると、内部で感染が起こり、膿が溜まります(感染性粉瘤)
- 嚢腫の破裂:外部からの圧迫や自然に嚢腫が破れると、内容物が周囲の組織に漏れ出し、強い炎症反応を引き起こします
- 慢性的な刺激:摩擦や圧迫などの慢性的な刺激により、炎症が持続します
炎症を起こした粉瘤は、赤く腫れ、痛みを伴い、時には発熱することもあります。粉瘤が炎症を起こした場合の対処法については、こちらの記事「粉瘤が炎症を起こしたときの対処法|原因・症状・治療法を医師が解説」で詳しく解説しています。
🔬 粉瘤と間違えやすい疾患
粉瘤は皮膚の下のしこりとして現れますが、似たような症状を示す他の疾患もあります。自己判断せず、正確な診断を受けることが重要です。
💛 脂肪腫
皮下脂肪組織が増殖してできる良性腫瘍です。粉瘤よりも柔らかく、中心に開口部(へそ)はありません。ゆっくりと大きくなりますが、通常は痛みを伴いません。脂肪腫の詳細については、こちらの記事「脂肪腫の除去費用はいくら?保険適用の条件や手術方法を医師が解説」をご参照ください。
🔵 リンパ節の腫れ
感染症や炎症により、リンパ節が腫れることがあります。首や腋の下、鼠径部などに多く見られます。風邪などの感染症の際に腫れ、治癒とともに小さくなることが特徴です。
🪶 毛巣洞(もうそうどう)
主に臀部の正中部(尾骨の上あたり)にできる疾患で、毛が皮膚の下に入り込んで炎症を起こします。若い男性に多く、座る姿勢が多い方に見られます。
💎 ガングリオン
関節や腱鞘の周囲にできる嚢腫で、主に手首や手の甲に多く見られます。中にゼリー状の粘液が溜まっており、触ると硬く感じます。
🟤 脂漏性角化症(老人性イボ)
加齢とともに増える良性の皮膚腫瘍で、表面が茶色や黒っぽく、やや盛り上がっています。通常、痛みはありません。
🚨 悪性腫瘍
まれですが、皮膚癌などの悪性腫瘍も皮膚の下のしこりとして現れることがあります。急速に大きくなる、潰瘍を形成する、周囲の組織と癒着しているなどの特徴があれば、早急に医療機関を受診する必要があります。
📊 粉瘤の症状と進行
粉瘤の症状は、その状態により異なります。
😊 通常の粉瘤(非炎症性)
- 皮膚の下に丸いしこりとして触れる
- 弾力性があり、可動性がある
- 通常は痛みがない
- 中心部に小さな黒い点(開口部)が見られることがある
- ゆっくりと大きくなる傾向がある
- 圧迫すると、臭いのある白~黄色のドロッとした内容物が出ることがある
🔥 炎症性粉瘤(感染性粉瘤)
- 急速に大きくなる
- 赤く腫れ上がる
- 熱感を伴う
- 強い痛みがある
- 触ると柔らかく、波動(中に液体が溜まっている感触)を感じる
- 発熱することがある
- 自然に破れて膿が出ることがある
📈 粉瘤の自然経過
粉瘤は自然に消えることはほとんどありません。放置すると以下のような経過をたどることが多いです:
- 緩徐な増大:数ヶ月から数年かけて少しずつ大きくなります
- 感染・炎症:何らかのきっかけで感染を起こし、急速に腫れ上がります
- 破裂:炎症が強くなると皮膚を破って内容物が排出されることがあります
- 再発:破裂しても嚢腫の袋が残っていれば、再び内容物が溜まり再発します
粉瘤を放置するリスクについては、こちらの記事「粉瘤を放置すると危険?悪化のリスクと早期治療が必要な理由を医師が解説」で詳しく説明しています。
⚠️ 合併症
放置したり、不適切な処置をしたりすると、以下のような合併症を起こすことがあります:
- 蜂窩織炎:周囲の皮膚や皮下組織に細菌感染が広がる
- 瘢痕形成:炎症を繰り返すと、治癒後に目立つ傷跡が残る
- 悪性化:非常にまれですが、長期間放置した粉瘤が悪性化する可能性がゼロではありません
🛡️ 粉瘤の予防方法
粉瘤を完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすための対策はいくつかあります。
🧴 1. 適切なスキンケア
🚿 正しい洗顔・洗浄方法
- やさしく洗う:強くこすらず、泡で包み込むように洗います
- 適切な頻度:1日2回(朝・晩)を基本とし、過度な洗浄は避けます
- ぬるま湯を使用:熱すぎる湯は皮脂を過剰に奪い、逆効果です
- 清潔なタオルで優しく拭く:摩擦を避けるため、押さえるように水分を取ります
💧 保湿ケア
皮膚のバリア機能を保つために、適切な保湿が重要です。特に洗顔・入浴後は速やかに保湿剤を塗りましょう。
🧽 毛穴ケア
- 適切なクレンジング:メイクや日焼け止めはしっかり落とします
- ピーリング:週1~2回程度、古い角質を除去するケアも有効です(ただし、やりすぎは禁物)
- ノンコメドジェニック製品の使用:毛穴を詰まらせにくい化粧品を選びます
🏃 2. 生活習慣の改善
🥗 バランスの取れた食事
- 脂質・糖質の適量摂取:過剰摂取は皮脂分泌を増やします
- ビタミン・ミネラルの摂取:特にビタミンA、C、E、亜鉛などは皮膚の健康に重要です
- 食物繊維の摂取:腸内環境を整えることも皮膚の健康につながります
😴 十分な睡眠
- 7~8時間の睡眠:ホルモンバランスと免疫機能の維持に必要です
- 規則正しい睡眠リズム:できるだけ同じ時間に就寝・起床します
😌 ストレス管理
- 適度な運動:有酸素運動はストレス解消に効果的です
- リラクゼーション:瞑想、深呼吸、趣味の時間などを取り入れます
- 十分な休息:疲れを感じたら無理せず休むことも大切です
🩹 3. 皮膚への外傷を避ける
- 丁寧な髭剃り:切り傷を作らないよう、シェービングフォームを使用し、清潔な刃で優しく剃ります
- むだ毛処理の方法:毛抜きでの無理な処理は避け、肌に優しい方法を選びます
- ピアスの衛生管理:新しくピアスを開ける際は、清潔な環境で行い、アフターケアをしっかり行います
👔 4. 摩擦・圧迫の軽減
- 適切なサイズの衣服:きつすぎる服は避け、通気性の良い素材を選びます
- 座位姿勢の工夫:長時間座る場合は、クッションを使用したり、時々姿勢を変えたりします
- カバンの持ち方:同じ肩にばかり負担をかけないようにします
🏥 5. 基礎疾患の管理
ニキビなどの皮膚疾患がある場合は、適切に治療することが粉瘤の予防にもつながります。皮膚科専門医の診察を受け、適切な治療を継続しましょう。
🔍 6. 定期的なセルフチェック
皮膚の状態を定期的にチェックし、新しいしこりができていないか、既存のしこりが変化していないかを確認します。早期発見・早期治療が重要です。
🏥 粉瘤の治療について
粉瘤は自然治癒しない疾患であり、根本的な治療には手術が必要です。
🔍 診断
視診と触診により、経験豊富な医師であればほぼ診断可能です。必要に応じて、超音波検査やMRI検査などで嚢腫の位置や大きさ、周囲組織との関係を詳しく調べることもあります。
🔧 治療方法
🏥 手術的治療(根治的治療)
粉瘤の根本的な治療は、嚢腫を袋ごと完全に摘出する手術です。
🔘 くり抜き法(へそ抜き法)
- 粉瘤の中心部の開口部(へそ)から特殊な器具で嚢腫をくり抜く方法
- 切開する範囲が小さく、傷跡が目立ちにくい
- 比較的小さな粉瘤に適している
- 日帰り手術が可能
くり抜き法の詳細については、こちらの記事「粉瘤のくりぬき法とは?メリット・デメリットと従来法との違いを解説」をご参照ください。
✂️ 小切開摘出術
- 粉瘤の上に小さく切開を入れ、嚢腫を丁寧に剥離して摘出する方法
- 嚢腫を確実に完全摘出できる
- 再発率が低い
- 局所麻酔下で日帰り手術が可能
🔪 切除術
- 粉瘤とその周囲の皮膚を含めて切除し、縫合する方法
- 大きな粉瘤や炎症を繰り返した粉瘤に対して行われる
- 傷跡は残るが、再発率は非常に低い
各手術方法の比較については、こちらの記事「粉瘤の切開法とくり抜き法の違いとは?手術方法や傷跡・費用を比較解説」で詳しく解説しています。
💊 保存的治療(対症療法)
炎症を起こしている粉瘤に対しては、まず炎症を抑える治療を行います。
💊 抗生物質の投与
- 細菌感染による炎症を抑えるため、内服薬や外用薬を使用
🔪 切開排膿
- 膿が溜まっている場合、切開して膿を排出し、炎症を軽減
- あくまで対症療法であり、嚢腫の袋は残るため再発する
🛌 圧迫・安静
- 炎症部位への刺激を避け、安静にする
⏰ 手術のタイミング
😊 非炎症時の手術が理想的
- 炎症がない状態で手術を行うのが最も良いタイミング
- 嚢腫の摘出がしやすく、傷の治りも良い
- 再発率も低い
🔥 炎症時の手術
- 原則として、炎症が強い時期の手術は避ける
- まず炎症を抑える治療を行い、炎症が落ち着いてから手術を行う
- ただし、炎症を繰り返す場合や患者の希望により、炎症時でも手術を行うこともある
粉瘤の日帰り手術については、こちらの記事「粉瘤の日帰り手術とは?手術の流れや費用、術後の注意点を医師が解説」で詳しく説明しています。
🩹 手術後のケア
- 清潔保持:傷口を清潔に保ち、感染を予防します
- 安静:手術部位に無理な力を加えないようにします
- 抜糸:通常、術後1~2週間で抜糸します
- 経過観察:再発の有無を確認するため、定期的に受診します
手術後のケアについては、こちらの記事「粉瘤手術後のケア完全ガイド|傷跡を綺麗に治すための注意点と過ごし方」で詳しく解説しています。
🔄 再発について
嚢腫を完全に摘出できれば、再発することはほとんどありません。ただし、以下のような場合に再発することがあります:
- 嚢腫の壁の一部が残ってしまった場合
- 炎症が強い時期に手術を行い、嚢腫の摘出が不完全だった場合
- 別の場所に新たな粉瘤ができた場合(これは厳密には再発ではなく新生)
粉瘤の再発については、こちらの記事「粉瘤が再発する原因とは?繰り返す理由と根本的な治療法を医師が解説」で詳しく説明しています。

❓ よくある質問
A: 残念ながら、粉瘤が自然に治ることはほとんどありません。粉瘤は皮膚の下にできた袋状の構造物で、この袋がある限り内容物が溜まり続けます。自然に小さくなることはあっても、袋そのものが消失することは期待できません。根本的な治療には手術が必要です。
A: 絶対に自分で潰さないでください。無理に圧迫して内容物を出すと、以下のようなリスクがあります:
・細菌感染を起こし、炎症が悪化する
・嚢腫が破れて内容物が皮下に広がり、強い炎症反応を起こす
・傷跡が残る
・完全に内容物を出すことはできず、必ず再発する
どうしても気になる場合は、医療機関を受診してください。
A: 小さく、症状がない粉瘤であれば、すぐに治療が必要というわけではありません。ただし、以下の理由から、できるだけ早めに治療することをおすすめします:
・徐々に大きくなり、見た目が気になるようになる
・突然炎症を起こして、痛みや腫れが出ることがある
・大きくなってから手術すると、傷跡も大きくなる
・何度も炎症を繰り返すと、手術が難しくなることがある
A: はい、長時間の座位姿勢は臀部や腰部の粉瘤のリスクを高めます。2024年以降、在宅ワークの普及により、この部位の粉瘤が増加傾向にあります。予防策として、1時間に1回は立ち上がって歩く、クッションを使用する、適度な運動を心がけるなどが効果的です。
A: 2025年現在、小さな粉瘤に対してはくり抜き法が第一選択となることが多いです。傷跡が小さく、日帰り手術が可能で、患者さんの満足度も高い治療法です。ただし、粉瘤の大きさや部位、炎症の有無により最適な治療法は異なるため、専門医による診察を受けることが重要です。
❓ Q6: 粉瘤は遺伝しますか?
A: 粉瘤そのものが遺伝する病気ではありませんが、粉瘤ができやすい体質(皮脂腺の特性や皮膚の構造など)は遺伝的要因が関与している可能性があります。家族に粉瘤ができたことがある方は、自分にもできる可能性が比較的高いと考えられています。
💉 Q7: 粉瘤の手術は痛いですか?
A: 手術は局所麻酔下で行うため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みはありますが、その後は感覚がなくなります。術後は多少の痛みや違和感がありますが、処方される鎮痛剤で十分コントロール可能です。
🩹 Q8: 粉瘤の手術跡は残りますか?
A: 手術である以上、全く傷跡が残らないということはありませんが、最小限に抑えることは可能です。粉瘤が小さいうちに、炎症がない時期に手術を行うことで、傷跡を最小限にすることができます。また、形成外科的な縫合技術により、目立ちにくくすることも可能です。傷跡を目立たなくする方法については、こちらの記事「粉瘤の手術で傷跡が残らない?目立たなくするための治療法と注意点を解説」をご参照ください。
🔍 Q9: 粉瘤と脂肪腫の違いは何ですか?
A: どちらも皮下にできるしこりですが、以下のような違いがあります:
🔵 粉瘤
- 表皮細胞でできた袋に老廃物が溜まったもの
- 中心に黒い点(開口部)があることが多い
- 独特の臭いがある
- 炎症を起こすことがある
🟡
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
医師・当院治療責任者
2024年以降、当院では20代後半から30代前半の患者さんの受診が特に増加しています。テレワークの普及により座位時間が長くなったことで、臀部や腰部の粉瘤が増えている印象です。また、SNSでの情報共有により、粉瘤について正しい知識を持って受診される方が多く、「自分で潰さずに来院した」という患者さんが8割以上を占めています。早期発見により、くり抜き法での治療が可能なケースが増え、患者さんの満足度も向上しています。