フェイスラインにできるニキビは、一度治ったと思ってもまた同じ場所に繰り返しできてしまい、多くの方を悩ませています。特にあごや頬の下部、耳下から首にかけてのフェイスラインは、ニキビができやすく治りにくい部位として知られています。なぜフェイスラインのニキビは繰り返すのでしょうか。本記事では、フェイスラインニキビの原因から効果的な対策、治療法まで、皮膚科専門医の視点から詳しく解説いたします。

目次
- フェイスラインニキビの特徴と症状
- フェイスラインニキビが繰り返す主な原因
- ホルモンバランスとフェイスラインニキビの関係
- 外的要因がもたらす影響
- 生活習慣によるフェイスラインニキビへの影響
- 正しいスキンケア方法
- 医療機関での治療選択肢
- フェイスラインニキビの予防対策
- 日常生活で気をつけるべきポイント
- まとめ

この記事のポイント
フェイスラインニキビはホルモンバランス・外的刺激・生活習慣が複合的に絡み合い繰り返す。適切なスキンケアと生活改善が基本で、セルフケアで改善しない場合は皮膚科での外用薬・ホルモン療法・光治療などの専門治療が有効。
🎯 フェイスラインニキビの特徴と症状
フェイスラインニキビは、顔の輪郭に沿った部分、特にあご、あごの下、頬の下部、耳の前から首にかけてのエリアにできるニキビを指します。この部位のニキビには、他の部位とは異なる特徴的な性質があります。
まず、フェイスラインニキビは深く根を張る傾向があり、炎症性の赤いニキビや膿を持った黄ニキビになりやすい特徴があります。また、治癒に時間がかかり、跡が残りやすいという問題もあります。さらに、一度治ったように見えても、同じ場所や近い場所に再発しやすく、慢性化しやすいのが大きな特徴です。
症状としては、初期段階では小さな白ニキビや黒ニキビから始まり、進行すると炎症を起こして赤く腫れ上がります。さらに悪化すると膿疱を形成し、触ると痛みを感じるようになります。重症化した場合には、硬いしこりのような嚢腫性ニキビに発展し、治癒後も色素沈着や陥没性の瘢痕を残すことがあります。
フェイスラインニキビは、年齢を問わず発症しますが、特に20代後半から40代の大人女性に多く見られる傾向があります。思春期ニキビとは異なり、皮脂の過剰分泌だけが原因ではないため、従来のニキビケアだけでは改善が難しい場合が多いのが現状です。
Q. フェイスラインニキビが繰り返す主な原因は何ですか?
フェイスラインは皮脂腺が多く男性ホルモンの影響を受けやすい部位です。ホルモンバランスの乱れ・角質の異常な厚化・血行不良・慢性的な炎症・毛穴構造の変形という5つの要因が複合的に絡み合い、同じ場所に繰り返しニキビが発生しやすくなります。
📋 フェイスラインニキビが繰り返す主な原因
フェイスラインニキビが繰り返し発生する原因は複数存在し、それらが複雑に絡み合っていることが多いです。主要な原因を詳しく見ていきましょう。
第一に、皮脂腺の分布と活動性の問題があります。フェイスラインには皮脂腺が多く分布しており、男性ホルモン(アンドロゲン)の影響を受けやすい特徴があります。皮脂の分泌が増加すると、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を促進します。
第二に、角質の異常な厚化があります。フェイスラインの皮膚は、ホルモンの影響やストレス、摩擦などにより角質が厚くなりやすく、毛穴の出口を塞いでしまいます。これにより皮脂や角質が毛穴内に蓄積し、コメド(面ぽう)の形成から炎症性ニキビへと進行します。
第三に、血行不良と代謝の低下が挙げられます。フェイスラインは顔の末端部分に位置するため、血流が滞りやすく、老廃物の排出や栄養の供給が不十分になりがちです。これにより皮膚の新陳代謝が低下し、毛穴の詰まりが解消されにくくなります。
第四に、炎症の慢性化があります。一度炎症が起こると、その炎症が完全に治まる前に新たな刺激が加わることで、慢性的な炎症状態が継続します。この状態では、皮膚の正常な修復機能が阻害され、ニキビが治りにくくなり、繰り返し発生する原因となります。
第五に、毛穴構造の変化があります。繰り返すニキビにより毛穴周囲の組織が硬化し、毛穴の形状が変形することがあります。変形した毛穴は正常な皮脂排出が困難になり、再びニキビができやすい環境を作り出します。
💊 ホルモンバランスとフェイスラインニキビの関係
ホルモンバランスの乱れは、フェイスラインニキビの最も重要な原因の一つです。特に女性においては、月経周期に伴うホルモン変動がフェイスラインニキビの発生と密接な関係を持っています。
女性の月経周期では、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のバランスが変化します。月経前の黄体期には、プロゲステロンの分泌が増加し、これが皮脂腺の活動を活発化させます。同時に、相対的な男性ホルモン様作用により、フェイスラインの皮脂分泌が増加し、ニキビができやすくなります。
また、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの婦人科疾患では、男性ホルモンの分泌が増加し、慢性的なフェイスラインニキビの原因となることがあります。この場合、通常のスキンケアだけでは改善が困難で、内科的治療が必要になることもあります。
ストレスもホルモンバランスに大きな影響を与えます。慢性的なストレスにより副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が増加すると、間接的に男性ホルモン様作用を示し、皮脂分泌を促進します。また、ストレスは睡眠の質を低下させ、成長ホルモンの分泌を阻害することで、皮膚の修復機能を低下させます。
年齢による変化も重要な要因です。加齢とともにエストロゲンの分泌が減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が強くなり、大人女性特有のフェイスラインニキビが発生しやすくなります。これは更年期前後の女性に特に多く見られる現象です。
甲状腺機能異常も見過ごせない要因の一つです。甲状腺機能低下症では代謝が低下し、皮膚のターンオーバーが遅れることで毛穴の詰まりが起こりやすくなります。反対に甲状腺機能亢進症では皮脂分泌が増加し、ニキビの発生を促進することがあります。
Q. 生理前にフェイスラインニキビができやすいのはなぜですか?
月経前の黄体期にプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加し、皮脂腺の活動が活発化するためです。この時期は相対的な男性ホルモン様作用によりフェイスラインの皮脂分泌が特に増加します。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)がある場合は慢性化しやすく、婦人科への相談も有効です。
🏥 外的要因がもたらす影響
フェイスラインニキビの発生と悪化には、様々な外的要因が関与しています。これらの要因を理解し、適切に対処することで、ニキビの繰り返しを防ぐことができます。
最も大きな外的要因の一つは機械的刺激です。マスクの着用により、フェイスラインが長時間圧迫され、摩擦が生じることで皮膚の角質層が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなります。また、マスク内の湿度上昇と蒸れにより、細菌の増殖が促進されます。これは「マスクアクネ」と呼ばれ、近年特に問題となっています。
髪の毛による刺激も重要な要因です。長い髪が頬やあごに触れることで、髪の毛に付着した汚れや整髪料が皮膚に移り、毛穴を詰まらせる原因となります。また、髪の毛自体が持つ油分や、シャンプーやコンディショナーの洗い残しも、フェイスラインニキビの発生に関与します。
枕やタオルなどの寝具類も見過ごせない要因です。不清潔な枕カバーには皮脂や汚れ、細菌が蓄積し、睡眠中にフェイスラインに長時間接触することで、ニキビの発生と悪化を促進します。枕の素材や硬さも皮膚への圧迫を生み、血行不良を招くことがあります。
化粧品の選択と使用方法も大きな影響を与えます。コメドジェニック(ニキビを誘発しやすい)な成分を含む化粧品の使用や、クレンジング不足による化粧品の残留は、毛穴の詰まりを引き起こします。特にファンデーションやコンシーラーの厚塗りは、フェイスラインの毛穴を塞ぎやすく注意が必要です。
紫外線による影響も軽視できません。紫外線は皮膚の角化を促進し、毛穴の詰まりを悪化させます。また、炎症性ニキビに紫外線が当たることで、色素沈着が起こりやすくなり、ニキビ跡の原因となります。
環境汚染物質も外的要因の一つです。大気中のPM2.5や排気ガスなどの微細粒子が皮膚に付着し、毛穴を詰まらせることがあります。また、これらの物質は皮膚に酸化ストレスを与え、炎症を促進する可能性があります。
⚠️ 生活習慣によるフェイスラインニキビへの影響
日常の生活習慣は、フェイスラインニキビの発生と繰り返しに大きな影響を与えます。これらの習慣を見直すことで、ニキビの改善と予防効果を期待できます。
睡眠の質と時間は皮膚の健康に直接影響します。睡眠不足や不規則な睡眠は、成長ホルモンの分泌を阻害し、皮膚の修復機能を低下させます。また、睡眠不足はストレスホルモンの分泌を増加させ、皮脂分泌を促進します。理想的には、毎日7-8時間の質の良い睡眠を確保することが重要です。
食事内容もニキビの発生に大きく関与します。高糖質食品や乳製品の過剰摂取は、インスリン様成長因子(IGF-1)の分泌を促進し、皮脂腺の活動を活発化させます。また、トランス脂肪酸を多く含む加工食品は炎症を促進し、ニキビの悪化要因となります。反対に、オメガ3脂肪酸を含む魚類や、抗酸化作用のある緑黄色野菜は、炎症を抑制する効果があります。
水分摂取も皮膚の健康維持に重要です。十分な水分摂取により、体内の老廃物の排出が促進され、皮膚の新陳代謝が活発になります。一日1.5-2リットルの水分摂取を心がけることで、皮膚の健康状態を改善できます。
運動習慣も見過ごせない要因です。適度な運動は血行を促進し、皮膚の新陳代謝を活発化させます。また、運動により適度な発汗が起こることで、毛穴の詰まりが解消されやすくなります。ただし、運動後の洗顔を怠ると、汗と皮脂により毛穴が詰まりやすくなるため、適切なケアが必要です。
喫煙は皮膚の血行を悪化させ、ビタミンCを大量消費することで皮膚の修復機能を低下させます。また、喫煙により活性酸素が増加し、皮膚の老化と炎症が促進されます。禁煙は、ニキビ改善だけでなく、全身の健康にとって重要な選択です。
アルコールの過剰摂取も問題となります。アルコールは脱水を引き起こし、皮膚の水分バランスを崩します。また、肝機能に負担をかけることで、体内の解毒機能が低下し、皮膚への悪影響が現れることがあります。
Q. マスク着用でフェイスラインニキビが悪化する理由と対策は?
マスクによる長時間の圧迫と摩擦が角質層を厚くし、毛穴を詰まらせます。さらにマスク内の湿度上昇で細菌が増殖しやすくなる「マスクアクネ」が起こります。対策は肌に優しい天然繊維製マスクの選択・定期的な交換・着用後の優しい洗顔で清潔を保つことです。
🔍 正しいスキンケア方法
フェイスラインニキビの改善と予防には、適切なスキンケアが不可欠です。間違ったケア方法は症状を悪化させる可能性があるため、正しい知識に基づいたアプローチが重要です。
洗顔は最も基本的なケアですが、方法を誤ると皮膚を傷つけ、ニキビを悪化させる可能性があります。洗顔料は、皮脂を適度に除去しながらも皮膚のバリア機能を保持できる、マイルドな洗浄力のものを選択します。泡立ちが良く、pH値が弱酸性に調整されているものが理想的です。
洗顔時は、十分に泡立てた洗顔料で、手が直接皮膚に触れないよう注意しながら、優しく洗います。特にフェイスラインは、あごの下や耳の前など洗い残しが起こりやすい部位なので、丁寧にケアする必要があります。洗顔後は、清潔なタオルで押し当てるように水分を取り除き、こすらないよう注意します。
化粧水の選択では、ノンコメドジェニック(ニキビを誘発しない)処方のものを選び、アルコール濃度の高いものは避けます。ニキビ肌用の化粧水には、サリチル酸やグリコール酸などの角質除去成分が含まれているものもありますが、使用開始時は低濃度から始めて、皮膚の反応を確認しながら使用します。
保湿は、皮膚のバリア機能維持と水分バランスの調整に重要です。オイルフリーまたは軽いテクスチャーの保湿剤を選び、毛穴を詰まらせない処方のものを使用します。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合されているものが効果的です。
週1-2回のスペシャルケアとして、クレイマスクやピーリング製品の使用も有効です。クレイマスクは過剰な皮脂と毛穴の汚れを吸着し、ピーリング製品は古い角質を除去して毛穴の詰まりを予防します。ただし、使用頻度と強度は皮膚の状態に合わせて調整し、過度な使用は避けます。
日中のケアでは、紫外線対策が重要です。SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用し、2-3時間おきに塗り直します。ニキビ肌用の日焼け止めは、ノンコメドジェニック処方で、軽いテクスチャーのものを選択します。
📝 医療機関での治療選択肢
セルフケアで改善が見られない繰り返すフェイスラインニキビには、医療機関での専門的な治療が効果的です。皮膚科では、個々の症状と原因に応じた多様な治療選択肢を提供しています。
外用薬治療では、トレチノイン(レチノイン酸)やアダパレンなどのレチノイド系薬剤が第一選択となることが多いです。これらの薬剤は毛穴の角化を正常化し、コメドの形成を抑制します。また、過酸化ベンゾイルは強い抗菌作用と軽度の角質溶解作用を持ち、炎症性ニキビに対して効果的です。
抗菌薬も重要な治療選択肢です。外用抗菌薬としては、クリンダマイシンやナジフロキサシンなどが使用され、アクネ菌の増殖を抑制します。重症例や広範囲のニキビには、内服抗菌薬としてドキシサイクリンやミノサイクリンなどのテトラサイクリン系抗菌薬が処方されます。
ホルモン療法も、特に女性のフェイスラインニキビに対して効果的です。低用量ピルの使用により男性ホルモンの作用を抑制し、皮脂分泌を減少させます。スピロノラクトンは、アンドロゲン受容体拮抗作用により、直接的に皮脂腺の活動を抑制します。
物理的治療法としては、面皰圧出が基本的な処置となります。専用器具を用いて毛穴に詰まったコメドを安全に除去し、炎症の進行を防ぎます。また、炎症性ニキビに対しては、ステロイドの局所注射により迅速な炎症の鎮静化を図ります。
光治療やレーザー治療も近年注目されています。フォトダイナミックセラピー(PDT)は、光感受性物質を皮脂腺に取り込ませた後、特定の波長の光を照射することで皮脂腺の活動を抑制します。また、IPL(Intense Pulsed Light)治療は、炎症の軽減と皮膚の修復促進効果があります。
ケミカルピーリングは、サリチル酸やグリコール酸などの化学物質により古い角質を除去し、毛穴の詰まりを改善します。治療の深度と使用する酸の種類は、皮膚の状態とニキビの程度に応じて調整されます。
Q. フェイスラインニキビが改善しない場合の医療機関での治療法は?
皮膚科ではトレチノインやアダパレンなどのレチノイド系外用薬、ドキシサイクリン等の内服抗菌薬、低用量ピルによるホルモン療法、面皰圧出、フォトダイナミックセラピー(PDT)やIPL光治療、ケミカルピーリングなど症状に応じた多様な治療が受けられます。セルフケアで改善しない場合は早めに専門医へ相談することが重要です。
💡 フェイスラインニキビの予防対策
フェイスラインニキビの繰り返しを防ぐためには、包括的な予防対策を実施することが重要です。個々の原因に対応した多角的なアプローチにより、ニキビの発生を効果的に予防できます。
ホルモンバランスの安定化は最も重要な予防策の一つです。規則正しい生活リズムを維持し、十分な睡眠時間を確保することで、ホルモンの自然なリズムを保ちます。ストレス管理も重要で、瞑想、ヨガ、深呼吸などのリラクゼーション技法を日常に取り入れることが効果的です。
食事改善による予防効果も期待できます。低糖質食品を中心とした食事により、インスリンスパイクを避け、皮脂分泌の過剰な刺激を防ぎます。また、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食品の摂取により、体内の炎症レベルを低下させることができます。
外的刺激の除去も重要な予防策です。マスク選びでは、肌に優しい天然繊維製のものを選択し、定期的な交換により清潔を保ちます。枕カバーやタオルは毎日交換し、髪が顔に触れないよう髪型を工夫します。化粧品は、ノンコメドジェニック処方のものを選び、クレンジングは確実に行います。
環境要因への対策として、室内の湿度を適切に保ち(50-60%)、空気清浄機により大気汚染物質を除去します。また、定期的な換気により、室内の空気質を改善します。
触る癖の改善も重要です。無意識のうちにフェイスラインを触る習慣は、細菌の移行と機械的刺激によりニキビを悪化させます。手は常に清潔に保ち、顔を触る回数を意識的に減らすよう心がけます。
定期的な皮膚科受診により、早期発見と早期治療を行うことも予防の一環となります。皮膚の状態を専門的に評価し、個々に適したケア方法の指導を受けることで、効果的な予防が可能になります。
✨ 日常生活で気をつけるべきポイント
フェイスラインニキビの管理には、日常生活の細かな注意点を理解し、実践することが重要です。これらのポイントを意識することで、治療効果を高め、再発を防ぐことができます。
洗顔タイミングの最適化が重要です。朝の洗顔は就寝中に分泌された皮脂を除去し、夜の洗顔は一日の汚れと化粧品を完全に除去することが目的です。運動後や汗をかいた後は、可能な限り早めに洗顔を行い、汗と皮脂が毛穴に留まる時間を短縮します。
化粧品の使用方法にも注意が必要です。ファンデーションやコンシーラーは必要最小限の量に留め、厚塗りを避けます。ブラシやスポンジなどの化粧道具は定期的に清掃し、細菌の蓄積を防ぎます。メイクをした日は、必ずクレンジングと洗顔のダブル洗顔を行います。
衣類と寝具の管理も重要な要素です。首周りの衣類は清潔なものを着用し、特に襟の高い服は皮膚への摩擦を最小限に抑える素材を選択します。枕カバーは毎日交換が理想的で、最低でも2-3日に1回は交換します。枕の材質は、通気性が良く、肌に優しい天然素材を選びます。
ヘアケア製品の選択と使用方法も注意が必要です。シャンプーやコンディショナーは、皮膚に刺激の少ない成分のものを選び、洗髪後は完全にすすぎます。整髪料の使用は最小限に留め、髪が顔に触れる時間を短くするため、髪を束ねるなどの工夫を行います。
季節変化への対応も重要です。冬場は乾燥により皮膚のバリア機能が低下するため、保湿ケアを強化します。夏場は汗と皮脂の分泌が増加するため、こまめな洗顔と軽いテクスチャーのスキンケア製品を使用します。
ストレス管理の具体的な方法として、規則的な運動習慣の確立、趣味や娯楽の時間の確保、十分な睡眠時間の維持が挙げられます。また、深刻なストレスがある場合は、カウンセリングや専門医への相談も考慮します。
サプリメントの使用を検討する場合は、亜鉛、ビタミンA、ビタミンE、オメガ3脂肪酸などの皮膚の健康に有益な栄養素を含むものを選択します。ただし、サプリメントは食事の補助的な位置づけとし、バランスの取れた食事を基本とします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院でも、フェイスラインニキビで悩まれる患者様が非常に多くいらっしゃいますが、記事にあるように複数の要因が絡み合っているケースがほとんどです。最近の傾向として、マスク着用による摩擦や蒸れの影響で症状が悪化している方が多く、従来のスキンケアだけでなく、ホルモンバランスや生活習慣まで総合的にアプローチすることで、約8割の患者様に改善が見られています。繰り返すニキビでお悩みの方は、一人で抱え込まずに早めにご相談いただければと思います。」
📌 よくある質問
皮脂腺が多く男性ホルモンの影響を受けやすい部位で、角質の厚化や血行不良により毛穴が詰まりやすくなります。また、一度炎症が起こると毛穴構造が変形し、皮脂排出が困難になることで繰り返し発生します。
マスク着用による摩擦と蒸れが原因です。天然繊維製のマスクを選び、定期的に交換しましょう。マスク内の湿度上昇により細菌が増殖しやすくなるため、着用後は優しく洗顔を行い、清潔を保つことが重要です。
月経前の黄体期にプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増加し、皮脂腺の活動が活発化するためです。この時期は相対的な男性ホルモン様作用により、特にフェイスラインの皮脂分泌が増加し、ニキビができやすくなります。
弱酸性でマイルドな洗浄力の洗顔料を十分に泡立て、手が直接皮膚に触れないよう優しく洗います。あごの下や耳の前など洗い残しやすい部位を丁寧にケアし、洗顔後は清潔なタオルで押し当てるように水分を取り除きます。
当院では症状に応じてトレチノインやアダパレンなどの外用薬、抗菌薬の内服、ホルモン療法(低用量ピルなど)、面皰圧出、光治療、ケミカルピーリングなど多様な治療選択肢を提供しています。個々の原因に合わせた個別化治療を行います。
🎯 まとめ
フェイスラインのニキビが繰り返す問題は、単一の原因ではなく、ホルモンバランス、外的刺激、生活習慣、スキンケア方法など複数の要因が複雑に絡み合って発生します。そのため、効果的な対策には包括的なアプローチが必要です。
まず、ホルモンバランスの安定化を図ることが最も重要です。規則正しい生活リズムの維持、ストレス管理、適切な睡眠時間の確保により、体内のホルモン環境を整えることができます。女性の場合、月経周期との関連を理解し、必要に応じて婦人科での相談も検討します。
日常のスキンケアでは、適切な洗顔方法の実践、ノンコメドジェニック製品の選択、保湿の重要性を理解し、継続的に実施することが大切です。また、紫外線対策や化粧品の正しい使用方法も、ニキビの予防と改善に重要な役割を果たします。
外的刺激の除去では、マスクや枕カバーなどの日常使用品の清潔管理、髪の毛や衣類による摩擦の軽減、化粧品の適切な除去が重要です。これらの細やかな配慮により、ニキビの発生リスクを大幅に減少させることができます。
生活習慣の改善では、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な水分摂取、禁煙、節酒などの基本的な健康管理が、皮膚の健康維持に直接的に貢献します。特に食事については、高糖質食品や乳製品の摂取を控え、抗炎症作用のある食品を積極的に取り入れることが効果的です。
セルフケアで改善が見られない場合は、早期に皮膚科専門医に相談することが重要です。医療機関では、外用薬治療、内服薬治療、物理的治療、光治療など、個々の症状に応じた多様な治療選択肢を提供しています。適切な診断と治療により、頑固なフェイスラインニキビも効果的に改善することができます。
フェイスラインニキビの管理は長期的な取り組みが必要ですが、正しい知識と適切な対策により、必ず改善することができます。アイシークリニック池袋院では、患者様一人ひとりの症状と生活スタイルに合わせた個別化治療を提供し、根本的な改善を目指しています。繰り返すニキビでお悩みの方は、お早めにご相談ください。

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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性痤瘡(ニキビ)の病態、原因、症状に関する専門的解説。皮脂腺の分布、ホルモンとの関係、アクネ菌の役割について詳細な医学的根拠を提供
- 厚生労働省 – ニキビ治療薬の適正使用に関するガイドライン。外用薬(トレチノイン、過酸化ベンゾイル等)の安全性と有効性、使用上の注意事項について
- PubMed – 成人女性の顎周りニキビとホルモンの関係に関する国際的研究論文。月経周期、PCOS、ストレスホルモンがフェイスラインニキビに与える影響についてエビデンスベースの情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務