
夏のレジャーや屋外での活動後、気がついたら肌が真っ赤になり、ひりひりとした痛みが止まらない。そんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。日焼けは単なる「日に焼けた」という見た目の変化だけでなく、皮膚に対する炎症反応であり、程度によっては医療的な対処が必要になるケースもあります。本記事では、日焼けがひどい時に何が起きているのか、応急処置の方法から回復を早めるスキンケア、長期的な肌ダメージへの対策まで、医療的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- 日焼けとは何か?皮膚で起きていること
- ひどい日焼けの症状チェック:軽症から重症まで
- 日焼けがひどい時の応急処置
- 水ぶくれができた時の対処法
- 回復を早めるスキンケアと生活習慣
- 市販薬・外用薬の選び方
- 病院を受診すべきサインと診療科
- 日焼けによる長期的な肌ダメージとその予防
- 日焼け後の色素沈着(シミ)を防ぐには
- まとめ
この記事のポイント
ひどい日焼けは皮膚の炎症反応であり、応急処置は冷却・水分補給・保湿の順に行う。水ぶくれは潰さず、発熱や広範囲の水疱がある場合は皮膚科を受診。回復後は紫外線対策と保湿を継続し、シミにはビタミンC等の美白ケアが有効。
🎯 日焼けとは何か?皮膚で起きていること
日焼けは、太陽光線に含まれる紫外線(UV)が皮膚に与えるダメージによって引き起こされます。紫外線にはUVA(波長320〜400nm)とUVB(波長280〜320nm)の2種類があり、それぞれ皮膚に異なる影響を与えます。
UVBは、私たちが「日焼け」と聞いてイメージする、肌が赤くなってひりひりする急性の炎症反応(サンバーン)を引き起こす主な原因です。UVBが皮膚に照射されると、皮膚の細胞内にあるDNAが傷つき、炎症性サイトカインと呼ばれる物質が放出されます。これによって血管が拡張し、皮膚が赤くなり、熱感や痛みが生じます。
一方、UVAは皮膚の深い層(真皮)まで届き、コラーゲンやエラスチンを破壊することで、シワや皮膚のたるみといった光老化を引き起こします。また、UVAはメラニン色素の酸化を促進し、短時間で皮膚を黒くさせる効果(即時黒化)があります。日焼け後に数日から数週間かけて肌が褐色になっていくのは、UVBに対する防御反応としてメラニンが産生される遅延黒化の結果です。
ひどい日焼けとは、皮膚に対する化学的な「やけど」に近い状態であると理解するのが正確です。実際に、重篤な日焼けは医学的に「熱傷(やけど)」の分類に準じて評価されることもあります。この認識を持つことで、日焼けを「どうせ治る」と軽視せず、適切なケアを行うことの重要性が理解できるでしょう。
Q. ひどい日焼けをした直後の応急処置は?
ひどい日焼けをした直後は「冷却・水分補給・保湿」の順に対処します。冷水で絞ったタオルや冷たいシャワーで15〜20分冷却しますが、氷の直接使用は凍傷リスクがあるため避けてください。その後、水やスポーツドリンクで水分補給を行い、セラミドやアロエベラ配合の低刺激保湿剤を塗布します。
📋 ひどい日焼けの症状チェック:軽症から重症まで
日焼けの症状は、紫外線を浴びた量と時間、肌の色素量(メラニンの多さ)、肌の露出部位などによって大きく異なります。症状の程度によって対処法も変わるため、まず自分の日焼けがどのレベルなのかを確認することが重要です。
軽症の日焼けは、皮膚が薄く赤くなる程度で、ほとんど痛みを感じないか軽度のひりひり感がある状態です。紫外線を浴びてから数時間後に赤みが現れ、翌日には落ち着いてくることが多いです。数日後には皮がむけることがありますが、生活に支障が出るほどではありません。
中等症の日焼けになると、皮膚が鮮明な赤色になり、触れると強い痛みやひりひり感があります。熱感も顕著で、夜間に眠れないほどの不快感を伴うこともあります。紫外線を浴びてから6〜12時間後に症状がピークに達し、2〜3日間続くことが一般的です。その後、皮膚がむけながら少しずつ回復していきます。
重症の日焼けでは、皮膚が非常に赤く腫れあがり、水ぶくれ(水疱)が形成されることがあります。激しい痛みに加え、悪寒や発熱、頭痛、吐き気などの全身症状が現れる場合もあります。これは「日射病」や「熱射病」とは異なりますが、体が大きなストレスを受けていることを示しています。広い範囲に水ぶくれが生じている場合は、感染リスクも高まるため、医療機関を受診することが強く勧められます。
特に注意が必要なのは、日焼けに加えて熱中症の症状(強い頭痛、意識の混濁、体温上昇、大量の発汗またはまったく汗をかかない状態)が重なっているケースです。このような場合は、速やかに涼しい場所に移動し、水分補給を行いながら救急対応を検討してください。
💊 日焼けがひどい時の応急処置
ひどい日焼けをしてしまった場合、できるだけ早く正しい応急処置を行うことで、炎症の進行を抑え、回復を早めることができます。以下の手順を参考にしてください。
まず行うべきことは、冷却です。日焼けした皮膚は炎症状態にあるため、熱を取り除くことが最優先です。冷たいシャワーを患部に当てるか、清潔なタオルを冷水に浸して絞ったものを皮膚に当てます。このとき、氷や氷水を直接皮膚に当てることは避けてください。急激な冷却は凍傷の危険があり、炎症を起こした皮膚にはさらなるダメージを与えることがあります。15〜20分程度の冷却を繰り返すと効果的です。
次に、水分補給を行います。皮膚が炎症を起こすと、体内の水分が皮膚表面から蒸散しやすくなります。また、長時間屋外にいた場合は脱水気味になっていることも多いです。水やスポーツドリンクを少しずつ継続的に飲み、体内の水分と電解質を補給しましょう。
冷却後は、皮膚の保湿を行います。日焼けした皮膚はバリア機能が低下しており、水分が蒸発しやすい状態になっています。刺激の少ない保湿剤(セラミド配合のローションやアロエベラジェルなど)を優しく塗布することで、皮膚の乾燥を防ぎ、回復をサポートします。このとき、アルコールを含む化粧水や、香料・界面活性剤が多く含まれるクリームは刺激になるため避けてください。
また、日焼けした部位への刺激を最小限にすることも重要です。衣服は柔らかく、通気性の良い素材のものを選び、患部をこすらないように注意します。お風呂は熱いお湯を避け、ぬるめのシャワーで優しく洗い流す程度にとどめましょう。タオルでこすって拭くのではなく、優しく押さえるように水気を取ります。
屋外に出る場合は、日焼けした部位を薄手の衣類などで紫外線から守ることが必要です。炎症中の皮膚は特に紫外線に対してダメージを受けやすく、二次的な悪化を防ぐためにも遮光することが大切です。
Q. 日焼けで水ぶくれができた場合どう対処する?
日焼けによる水ぶくれは自分で潰してはいけません。水疱内部は無菌状態に近く、潰すと細菌が侵入し蜂窩織炎などの感染症リスクが高まります。自然に破れた場合は清潔な水で洗い流し、抗菌外用薬を塗布してガーゼで覆います。水疱が広範囲に及ぶ場合や発熱・膿が見られる場合は皮膚科を受診してください。
🏥 水ぶくれができた時の対処法
ひどい日焼けで水ぶくれ(水疱)が生じることがあります。水疱は、UVBによるダメージで表皮の細胞が壊れ、細胞間に組織液が溜まってできるものです。これは体が炎症を起こした部分を外界から守ろうとしている自然な反応であり、治癒過程の一部でもあります。
水ぶくれを自分で無理に潰すことは、絶対に避けてください。水疱内部は無菌状態に近い状態に保たれており、これを破ることで細菌が侵入し、感染症(蜂窩織炎など)を引き起こすリスクが大幅に高まります。感染が起きると、治癒が大幅に遅れるだけでなく、傷跡(瘢痕)が残りやすくなります。
水疱が自然に破れてしまった場合は、清潔な水で優しく洗い流し、抗菌作用のあるワセリンや抗生物質を含む外用薬を塗布してから、清潔な非粘着性のガーゼやバンデージで覆います。毎日交換し、患部を清潔に保つことが感染予防の基本です。
複数の大きな水疱が生じている場合、または水疱の周囲に赤みや腫れが広がっている、膿のような液体が出ている、熱が続くなどの症状がある場合は、感染の可能性を考えて皮膚科を受診してください。医師の判断によって適切に処置(水疱の穿刺や処置)と治療(抗生物質の処方など)が行われます。
⚠️ 回復を早めるスキンケアと生活習慣
日焼けによるダメージを受けた皮膚が回復するためには、適切なスキンケアと生活習慣の見直しが欠かせません。炎症を悪化させず、皮膚の再生を助けるための方法をご紹介します。
スキンケアの基本は「冷やす・潤す・保護する」の3ステップです。応急処置として冷却を行った後は、継続的な保湿が回復の鍵になります。保湿剤は1日に数回、皮膚が乾燥しないようにこまめに塗り直すことが望ましいです。特にお風呂やシャワーの後は皮膚が乾燥しやすいため、水分が残っているうちに保湿剤を塗布する習慣をつけましょう。
保湿成分としてはセラミド、ヒアルロン酸、グリセリン、アロエベラエキスなどが日焼け後の皮膚に適しています。アロエベラには抗炎症作用があり、古くから日焼け後のケアに利用されてきた成分です。ただし、アロエベラジェルを使用する場合は、アルコールや香料が含まれていない純粋なものを選ぶようにしましょう。
洗顔や入浴については、ぬるめのお湯(38〜40度程度)を使い、洗浄力の強い石鹸やスクラブ剤は使用しないようにします。皮膚のバリア機能が低下しているため、過度の洗浄は症状を悪化させることがあります。
日焼け後の皮むけが始まった時期に、皮をむいてしまいたくなる方も多いですが、これも避けるべき行動です。自然にはがれる前に無理やりめくると、その下にある新しい皮膚が傷ついたり、色素沈着が起こりやすくなったりします。皮むけが気になる場合は、保湿を十分に行い、自然に落ちるのを待ちましょう。
生活習慣の面では、バランスの良い食事と十分な睡眠が皮膚の回復を助けます。ビタミンC(レモン、いちご、ブロッコリーなど)は抗酸化作用と皮膚のコラーゲン合成に必要な成分です。ビタミンE(ナッツ類、植物油など)も抗酸化作用があり、紫外線によるダメージを軽減する効果が期待されます。タンパク質(魚、肉、大豆など)は皮膚の再生に必要な栄養素です。
アルコールの摂取は皮膚の炎症を悪化させる可能性があるため、回復期間中は控えることが望ましいです。また、喫煙は皮膚の血流を悪化させ、回復を遅らせるため、禁煙または禁煙の維持が推奨されます。
Q. 日焼け後に病院へ行くべき症状の目安は?
日焼け後に38度以上の発熱が続く場合、強い悪寒・吐き気・激しい頭痛などの全身症状がある場合、水ぶくれが体表面積の10%以上に広がっている場合、患部が膿むなど感染の兆候がある場合は、速やかに皮膚科または救急を受診してください。全身症状が重篤な場合は内科や救急外来への相談も必要です。
🔍 市販薬・外用薬の選び方
ひどい日焼けの炎症を抑えるために、市販の薬を利用することも有効です。ただし、日焼けの程度や症状によって適切な薬は異なるため、使用目的を明確にして選ぶことが大切です。
外用薬(塗り薬)としては、まず抗炎症成分を含むものが有効です。ステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど)は、日焼けによる炎症・赤み・かゆみに対して効果的です。市販品では弱いランクのものが販売されており、短期間の使用であれば安全性が高いとされています。ただし、顔面や粘膜周囲への長期使用は副作用のリスクがあるため、使用上の注意を必ず確認してください。
非ステロイド系抗炎症薬(イブプロフェンやジクロフェナクなど)を含む外用薬も炎症の緩和に役立ちます。ステロイドの使用に抵抗がある方や、敏感肌の方には選択肢のひとつになります。
内服薬では、イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤が、日焼けに伴う痛みや発熱に対して効果があります。特にイブプロフェンはプロスタグランジンの合成を阻害することで炎症そのものを抑える作用があるため、日焼けの急性期(紫外線を浴びてから早い段階)に服用することで、炎症の進行を軽減できる可能性があります。
一方で、日焼け後のケアとして「ビタミンC美容液」や「美白セラム」を使いたいと思う方もいるかもしれませんが、急性炎症期(赤みや痛みが続いている段階)には成分が刺激になることがあります。美白ケアは炎症が完全に落ち着いた後から始めるようにしましょう。
薬の使用に迷う場合や、症状が改善しない場合は、薬剤師への相談や皮膚科の受診を検討することが安心です。
📝 病院を受診すべきサインと診療科
多くの場合、軽度から中等度の日焼けは自宅でのケアで回復しますが、以下のような症状がある場合は医療機関を受診することが必要です。
発熱(38度以上)が続く場合は要注意です。日焼けそのものによって微熱が出ることはありますが、高熱が続く場合は感染や全身への炎症反応が起きている可能性があります。同様に、強い悪寒、吐き気・嘔吐、激しい頭痛、目眩、意識が朦朧とするなどの全身症状がある場合も、すぐに受診または救急対応が必要です。
水ぶくれが体の広範囲(体表面積の10%以上が目安)に広がっている場合も、やけどに準じた対応が必要なため、皮膚科または救急を受診してください。水疱が破れた後に患部が膿んでいる、周囲の皮膚が赤く熱を持ち腫れが広がっているといった感染の兆候がある場合も同様です。
目に強い痛みや充血、視力の変化がある場合(雪目・電気性眼炎に類似した紫外線による角膜炎)は、眼科を受診してください。特に雪山や海水浴後に目のひりひり感や光に対する過敏性が出た場合は紫外線による角膜ダメージの可能性があります。
また、日焼けで生じた色素沈着(シミ)や赤みがなかなか消えない場合、皮膚の変化(形の不規則なシミの出現など)が気になる場合も、皮膚科への相談をおすすめします。
受診する診療科は、一般的な日焼けの症状であれば皮膚科が最適です。全身症状が強い場合は内科や救急外来に相談してください。
Q. 日焼け後のシミ・色素沈着を防ぐ方法は?
日焼け後のシミ予防には、炎症が落ち着いた後の徹底した紫外線対策が最重要です。炎症後の皮膚は紫外線の影響を受けやすく、この時期の紫外線暴露は色素沈着を悪化させます。赤みが引いた後はビタミンC誘導体・トラネキサム酸・ナイアシンアミドなどの美白成分を含むスキンケアが有効です。急性炎症期中の使用は刺激になるため避けましょう。
💡 日焼けによる長期的な肌ダメージとその予防
ひどい日焼けを繰り返すことは、肌に長期的なダメージを蓄積させることを意味します。紫外線による肌ダメージは積み重なるものであり、「今回だけだから大丈夫」という認識が、将来の肌トラブルを引き起こす原因になります。
最も深刻な長期的影響のひとつが光老化です。光老化とは、紫外線の繰り返しの暴露によって引き起こされる皮膚の老化現象で、シワ、たるみ、毛穴の開き、くすみ、シミといった変化を加速させます。自然な加齢(時間的老化)とは異なり、光老化の程度は紫外線対策によって大きく変えることができます。
また、繰り返す日焼けは皮膚がんのリスクを高めます。特に問題とされるのが、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がん、扁平上皮がんです。研究によると、幼少期から青年期にかけての強い日焼けの経験が、成人後の皮膚がんリスクと相関があることが示されています。日焼けを甘く見ず、長期的な視点で肌を守ることが重要です。
日焼け予防の基本は、日焼け止めの適切な使用、物理的な遮光(帽子、サングラス、UVカット衣類)、そして紫外線の強い時間帯(おおむね午前10時〜午後3時)の屋外活動を避けることです。
日焼け止めはSPFとPA値が高いものを選ぶのが基本ですが、適切な量を使用しないと効果が十分に発揮されません。一般的に推奨されるのは、顔全体に対して人差し指の第一関節程度の量を塗布すること、そして2〜3時間ごとに塗り直すことです。汗や水で流れた場合はその都度塗り直しが必要です。
日焼け止めには「紫外線吸収剤」タイプと「紫外線散乱剤」タイプがあります。紫外線吸収剤タイプは軽いつけ心地が特徴ですが、敏感肌の方には刺激になることがあります。紫外線散乱剤タイプ(酸化チタン・酸化亜鉛配合)は肌への刺激が少なく、敏感肌の方や子どもにも比較的使いやすい選択肢です。
✨ 日焼け後の色素沈着(シミ)を防ぐには

日焼けをすると、後から肌にシミや色素沈着が残ることがあります。これはメラノサイトが紫外線に刺激されてメラニンを過剰に産生することで起こります。日焼けによるシミを防ぐためのアプローチと、すでに生じてしまったシミのケアについて解説します。
まず、炎症が落ち着いた後はUVケアを徹底することが最重要です。炎症後の皮膚は紫外線の影響を受けやすく、この時期に紫外線を浴びると色素沈着が一層深くなります。日焼け後に限らず、日常的な紫外線対策を習慣化することが長期的なシミ予防の基本です。
スキンケアとして、ビタミンCを含む美容液や化粧水を活用することが有効です。ビタミンCはメラニン合成を阻害する作用があり、シミの予防・改善に科学的な根拠が認められています。ただし、前述のとおり急性炎症期には刺激になりますので、皮膚の赤みが落ち着いてから使用を始めましょう。
他にも、トラネキサム酸(メラノサイトの活性化を抑制)、ナイアシンアミド(メラニンの移動を抑制)、アルブチン(チロシナーゼ阻害によるメラニン産生抑制)などの美白成分が配合されたスキンケア製品を、炎症後のケアとして取り入れることが選択肢となります。
すでにシミが定着してしまった場合や、自宅ケアで改善が見られない場合は、医療機関での治療が選択肢になります。皮膚科やクリニックでは、レーザー治療(Qスイッチレーザー、ピコレーザーなど)、フォトフェイシャル(IPL光治療)、ケミカルピーリング、医薬品レベルの美白薬(ハイドロキノンクリームなど)といった治療法が提供されています。
特にレーザー治療は、メラニンに選択的に作用してシミを分解する効果が高く、適切な症例には高い改善効果が期待できます。ただし、シミの種類(日光性色素斑、肝斑、炎症後色素沈着など)によって適切な治療法が異なるため、まず専門の医師に診察してもらい、自分のシミの種類を確認してから治療を選択することが大切です。
日焼けによる色素沈着(炎症後色素沈着)の特徴として、適切なケアを行えば数ヶ月かけて自然に薄くなっていくことが多いという点があります。焦って強い刺激を与えるよりも、継続的な紫外線対策と保湿、そして適切な美白ケアを根気よく続けることが結果につながります。
また、日焼けによるシミが気になる方は、スキンケア製品を選ぶ際に「医薬部外品(薬用化粧品)」として承認を受けた美白成分を含む製品を選ぶと、成分の効果に一定の根拠があるため安心です。日本の薬機法の下で認められた美白成分には、ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、アルブチン、カミツレエキスなどが含まれます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏季を中心に「なかなか赤みが引かない」「水ぶくれができてしまった」といった重度の日焼けでご相談いただくケースが少なくありません。日焼けは皮膚に対する「やけど」に近い炎症反応であり、水ぶくれや発熱を伴う場合は自己判断でのケアに限界がありますので、早めにご受診いただくことをおすすめします。また、急性期の炎症が落ち着いた後も適切な紫外線対策と保湿を継続することが、シミや光老化といった長期的なダメージを防ぐ上で非常に大切ですので、気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
水ぶくれを自分で潰すことは絶対に避けてください。水疱内部は無菌状態に近く、潰すことで細菌が侵入し、蜂窩織炎などの感染症リスクが大幅に高まります。自然に破れた場合は清潔な水で洗い流し、抗菌作用のある外用薬を塗布して清潔なガーゼで覆い、皮膚科への受診をご検討ください。
最優先は「冷却」です。冷たいシャワーを当てるか、冷水で絞ったタオルを患部に当て、15〜20分程度を繰り返します。ただし、氷や氷水の直接使用は凍傷の危険があるため避けてください。その後、水分補給を行い、セラミドやアロエベラ配合の刺激の少ない保湿剤で皮膚を潤わせましょう。
以下の症状がある場合は速やかに受診してください。38度以上の発熱が続く、強い悪寒・吐き気・激しい頭痛などの全身症状がある、水ぶくれが広範囲に広がっている、患部が膿んでいるなど感染の兆候がある場合です。当院では、水ぶくれや発熱を伴う重度の日焼けのご相談も承っております。
炎症が落ち着いた後は、紫外線対策の徹底が最重要です。炎症後の皮膚は紫外線の影響を受けやすく、この時期の紫外線暴露は色素沈着を深めます。赤みが引いた後は、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、ナイアシンアミドなどの美白成分を含むスキンケアを取り入れることも有効です。急性炎症期中の使用は刺激になるため避けましょう。
皮むけを無理にめくることは避けてください。自然にはがれる前にめくると、下にある新しい皮膚が傷つき、色素沈着(シミ)が生じやすくなります。皮むけが気になる場合は、保湿をこまめに行い、自然にはがれ落ちるのを待つことが正しい対処法です。皮膚の回復を焦らず、丁寧なケアを継続することが大切です。
🎯 まとめ
日焼けがひどい時は、単なる「肌が焼けた」という見た目の変化ではなく、皮膚に対する炎症反応であることをまず理解することが大切です。急性期の応急処置として、冷却・水分補給・保湿の3つを早めに行うことで、炎症の進行を抑えることができます。水ぶくれが生じた場合は絶対に自分で潰さず、感染の兆候がある場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
回復期には、皮膚への摩擦や過剰な洗浄を避け、継続的な保湿と紫外線対策を徹底することが傷つた皮膚の再生を支えます。発熱・吐き気・水ぶくれの広がりといった重症のサインを見逃さず、必要に応じて皮膚科への相談を早めに行うようにしましょう。
長期的な視点では、繰り返す日焼けが光老化や皮膚がんリスクを高めることを念頭に置き、日常的な紫外線対策を習慣にすることが、将来の肌の健康を守る最善の方法です。日焼けによるシミが気になる場合は、皮膚科や美容皮膚科に相談することで、自分の肌状態に合った適切なケアや治療を受けることができます。
日焼けは予防が何より大切ですが、もしひどい日焼けをしてしまった場合でも、適切な対処と継続的なケアによって回復は十分に可能です。今回の記事を参考に、自分の肌の状態に合ったケアを実践してみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日焼け(サンバーン)の定義、UVA・UVBによる皮膚への影響、炎症反応のメカニズム、および光老化・皮膚がんリスクに関する診療ガイドラインおよび患者向け情報
- 厚生労働省 – 紫外線対策・日焼け止めの適切な使用方法、熱中症との関連、市販薬(ステロイド外用薬・解熱鎮痛剤)の使用上の注意に関する公式情報および国民向け健康啓発資料
- PubMed – サンバーンの病態生理(UVBによるDNA損傷・炎症性サイトカイン放出)、水疱処置、ビタミンC・ナイアシンアミド等の美白成分の有効性、イブプロフェンによる急性期炎症抑制効果に関する査読済み医学文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務