デンシティの効果とは?乳がん検診で知っておきたい乳腺密度の基礎知識

💡 「乳腺密度が高いです」「追加検査をおすすめします」と言われて、意味がよくわからず不安になっていませんか?

この記事を読めば、デンシティが乳がん発見率にどれだけ影響するかがわかります。知らないまま放置すると、がんが見つかりにくい状態で検診を終えているリスクがあります。

🚨

こんな方はすぐ読んでください

  • 📌 検診で「高濃度乳腺」と言われたことがある
  • 📌 マンモグラフィだけで大丈夫か不安を感じている
  • 📌 20〜30代で乳がん検診をどう受ければいいか迷っている

目次

  1. デンシティ(乳腺密度)とは何か
  2. 乳腺密度の4つの分類と特徴
  3. デンシティが乳がん検診に与える効果と影響
  4. 高デンシティ(高濃度乳腺)と乳がんリスクの関係
  5. マンモグラフィの限界とデンシティの関係
  6. デンシティに応じた追加検査の種類と特徴
  7. 超音波検査(エコー)がデンシティに有効な理由
  8. MRIや最新技術によるデンシティへの対応
  9. デンシティに関する日本と海外の現状
  10. デンシティが高い方へのアドバイスとまとめ

この記事のポイント

乳腺密度(デンシティ)が高い高濃度乳腺は、マンモグラフィでのがん検出感度を50〜65%に低下させるマスキング効果を引き起こすほか、乳がん発症リスクを4〜6倍高める独立したリスク因子でもある。

💡 デンシティ(乳腺密度)とは何か

デンシティとは、英語の「Density(密度)」に由来する言葉で、乳腺医療においては「乳腺密度」のことを指します。乳房の中には、乳腺組織と脂肪組織の2種類の組織が存在しています。乳腺組織とは、母乳をつくるための腺組織や乳管などの構造物を指し、脂肪組織は文字通り脂肪でできた組織です。

乳腺密度とは、乳房全体に占める乳腺組織の割合のことを意味します。乳腺組織の割合が高いほど乳腺密度が高い(高デンシティ)とされ、脂肪組織の割合が高いほど乳腺密度が低い(低デンシティ)とされます。

この乳腺密度は、主にマンモグラフィ(乳房X線検査)の画像をもとに評価されます。マンモグラフィの画像では、乳腺組織は白く、脂肪組織は黒く映ります。白い部分が多いほど乳腺密度が高いと判断されます。

乳腺密度は年齢や遺伝、ホルモンバランス、体重などさまざまな要因によって変化します。一般的に若い年齢では乳腺密度が高く、閉経後は乳腺組織が徐々に脂肪組織に置き換わるため乳腺密度が低下していく傾向にあります。しかし個人差も大きく、閉経後でも乳腺密度が高い方は少なくありません。

近年、乳腺密度は単なる乳房の構造上の特徴にとどまらず、乳がん検診の精度やリスク評価に深く関わる重要な指標として注目されています。欧米では乳腺密度の情報を患者に知らせることを義務付ける動きも出ており、日本でも医療現場での認知が高まっています。

Q. 乳腺密度(デンシティ)とは何ですか?

乳腺密度とは、乳房全体に占める乳腺組織の割合を示す指標です。マンモグラフィ画像で白く映る乳腺組織が多いほど「高濃度乳腺(高デンシティ)」と判定されます。若い女性ほど高い傾向があり、閉経後は低下するのが一般的です。

📌 乳腺密度の4つの分類と特徴

乳腺密度の分類には、国際的に広く使われているBI-RADS(Breast Imaging Reporting and Data System)という基準が用いられています。この基準では、乳腺密度をA〜Dの4つのカテゴリーに分類しています。

カテゴリーAは「ほぼ全体が脂肪組織」の状態を指します。乳腺組織がほとんどなく、マンモグラフィの画像では大部分が黒く映ります。「脂肪性乳房」とも呼ばれ、がん病変が最も検出しやすい状態とされています。閉経後の高齢女性に多く見られる傾向があります。

カテゴリーBは「散在する線維腺組織」がある状態です。乳腺組織が散在しており、マンモグラフィで一部白い部分が見られますが、全体的には脂肪組織が優勢です。比較的検出能が高い状態といえます。

カテゴリーCは「不均一な高濃度乳腺」の状態です。乳腺組織が広い範囲に見られ、マンモグラフィで白い部分が多くなります。この状態になると、白いがん病変が白い乳腺組織の中に紛れてしまうため、見落としのリスクが高まります。

カテゴリーDは「高濃度乳腺(Dense Breast)」の状態で、乳腺組織がほぼ全体を占めます。マンモグラフィの画像では乳房全体が白く映り、がん病変が最も検出しにくい状態とされています。若い女性や遺伝的に乳腺が発達しやすい方に多く見られます。

日本人女性においては、カテゴリーCとDに該当するいわゆる「高濃度乳腺」の割合が欧米の白人女性と比べて高いとする報告もあり、日本人の乳がん検診において乳腺密度の問題は特に重要なテーマとなっています。

✨ デンシティが乳がん検診に与える効果と影響

デンシティ(乳腺密度)が乳がん検診に与える最も大きな影響は、マンモグラフィの「感度(がんを正しく検出できる割合)」に関わる点です。乳腺密度が高い場合、マンモグラフィ画像において乳腺組織とがん組織の両方が白く映るため、がんが白い乳腺組織に隠れて見えにくくなるという現象が起こります。これを「マスキング効果」と呼びます。

マスキング効果は乳がんの見落としにつながる可能性があり、検診の精度に直接影響します。研究によれば、高濃度乳腺の場合は感度が50〜65%程度にとどまるという報告もあります。一方、脂肪性乳房(カテゴリーA)では感度が80〜90%以上に達する場合もあります。

さらに、デンシティが高いことは検診の精度を低下させるだけでなく、偽陽性(がんではないのにがんと疑われる結果が出ること)の増加にもつながることがあります。白い乳腺組織が複雑に重なり合うと、正常な乳腺組織がまるで異常のように見えてしまうことがあり、不必要な追加検査や生検につながる場合もあります。

このように、デンシティは乳がん検診の「感度」と「特異度(がんでないものをがんでないと正しく判定できる割合)」の両方に影響を与える複雑な因子です。そのため、乳腺密度の情報を検診結果に組み込み、個人のリスクに応じた適切な追加検査を提案することが、より精度の高い乳がん検診を実現するために重要とされています。

Q. 高濃度乳腺だとマンモグラフィの精度はどう変わりますか?

高濃度乳腺では、がん組織と乳腺組織がともに白く映るため、がんが背景に溶け込んで見えにくくなる「マスキング効果」が生じます。この影響でマンモグラフィの感度は50〜65%程度に低下するとされており、超音波検査などの追加検査との併用が推奨されます。

🔍 高デンシティ(高濃度乳腺)と乳がんリスクの関係

デンシティが乳がん検診に与える影響として、マンモグラフィの感度低下だけでなく、乳腺密度そのものが乳がん発症リスクの独立した因子であることも明らかになっています。つまり、乳腺密度が高い女性は、それだけで乳がんを発症するリスクが高まるとされているのです。

複数の大規模研究によると、乳腺密度が高い(カテゴリーDに相当)女性は、乳腺密度が低い(カテゴリーAに相当)女性と比べて、乳がんの発症リスクが4〜6倍程度高いと報告されています。このリスクの上昇は、家族歴や年齢、ホルモン因子などとは独立したものであり、乳腺密度それ自体がリスクを高める要因となっています。

なぜ乳腺密度が高いと乳がんリスクが上がるのかについては、まだすべてが解明されているわけではありませんが、いくつかの仮説が提唱されています。乳腺組織そのものが多いため、がんが発生する細胞の数が多いこと、乳腺組織の高い細胞活性が発がんを促進する可能性があること、また乳腺を取り巻く間質の環境が発がんに関与している可能性などが考えられています。

ただし、乳腺密度が高いことは必ずしも乳がんになることを意味するわけではありません。あくまでもリスクが相対的に高まるということです。乳腺密度の高さを知ることによって、より積極的に検診を受けたり、ライフスタイルを見直したりするきっかけにすることが重要です。

また、乳腺密度に影響を与える因子としては、年齢(若いほど高い傾向)、遺伝、閉経状態、ホルモン補充療法(使用中は高くなる場合がある)、体重などが知られています。これらの因子を理解した上で、自身の乳腺密度について担当医と話し合うことが大切です。

💪 マンモグラフィの限界とデンシティの関係

マンモグラフィは現在、乳がん検診の標準的な検査法として広く使われています。日本でも40歳以上の女性を対象に2年に1回のマンモグラフィ検診が推奨されており、乳がんによる死亡率を減少させる効果が科学的に証明されている検査法です。しかし、マンモグラフィにはいくつかの限界があり、そのひとつが乳腺密度(デンシティ)による影響です。

マンモグラフィはX線を使った検査であり、X線は密度の高い組織(乳腺組織やがん組織)を白く、密度の低い組織(脂肪組織)を黒く映し出します。このため、脂肪性乳房の場合は黒い背景に白いがん病変がくっきりと映るため発見しやすいのですが、高濃度乳腺の場合は全体が白く映るため、白いがん病変が背景の白い乳腺組織に溶け込んでしまい、見えにくくなります。

また、マンモグラフィは2D(2次元)の画像であるため、立体的な乳房の構造が一枚の平面画像に圧縮されて映し出されます。これにより、異なる層にある乳腺組織が重なって映ることがあり、さらに検出が難しくなることがあります。特に高濃度乳腺では、この重なりによる問題が顕著になります。

さらに、高濃度乳腺の場合は早期の小さながんほど発見が難しいという問題もあります。早期がんの中でも特に「乳腺密度の高い女性に多い」とされる浸潤性小葉がんは、境界がはっきりしないためマンモグラフィでは特に見えにくいとされています。

こうしたマンモグラフィの限界を補うために、超音波検査やMRI、最新のデジタル技術を用いた検査法の活用が重要になってきます。デンシティの情報を把握することで、どの検査が自分に最適かを判断する材料になるのです。

予約バナー

🎯 デンシティに応じた追加検査の種類と特徴

高い乳腺密度(高デンシティ)を持つ方に対しては、マンモグラフィだけでなく追加の検査を組み合わせることが、検診精度を高めるうえで有効とされています。それぞれの検査には特徴と適応があるため、自身の状況に合わせた選択が重要です。

まず最もよく行われる追加検査として、超音波検査(エコー検査)があります。これはX線ではなく超音波を使って乳房の内部を映し出す検査で、乳腺密度に関係なく乳腺組織の中の病変を捉えることができます。高濃度乳腺でもマンモグラフィでは見えにくい腫瘤性病変(しこり)の検出に優れており、日本では広く普及しています。

次に、MRI(磁気共鳴画像法)があります。造影剤を使ったMRI検査は、特に遺伝性乳がんのリスクが高い方(BRCA遺伝子変異を持つ方など)や高濃度乳腺の方に対する精密検査として有用です。感度が非常に高く、マンモグラフィや超音波で検出できない病変も発見できる可能性がありますが、コストが高く検査時間が長いこと、偽陽性が出やすいことなどの課題もあります。

また、トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)と呼ばれる検査法も注目されています。通常のマンモグラフィが2次元の画像を撮影するのに対し、トモシンセシスは複数の角度からX線を当てて3次元的な画像を再構成する技術です。乳腺組織の重なりを解消することができるため、高濃度乳腺における検出精度の向上が期待されています。

CESM(造影スペクトルマンモグラフィ)は、造影剤を使ったマンモグラフィで、腫瘍の血流を画像化することができます。高濃度乳腺でも病変の検出精度が高まるとされており、MRIの代替として使用されることもあります。

どの検査が適切かは、乳腺密度の程度、年齢、リスク因子の有無、過去の検診結果などを総合的に判断して決定されます。乳がん検診を受ける際には、医師や担当スタッフに乳腺密度の状態や追加検査の必要性について相談することをおすすめします。

Q. 高濃度乳腺は乳がん発症リスクと関係がありますか?

乳腺密度が最も高い女性(BI-RADSカテゴリーD)は、最も低い女性(カテゴリーA)と比べて乳がん発症リスクが4〜6倍高いと複数の大規模研究で報告されています。このリスク上昇は年齢や家族歴とは独立した要因であり、乳腺密度そのものがリスク因子とされています。

💡 超音波検査(エコー)がデンシティに有効な理由

高デンシティ(高濃度乳腺)の女性に対する追加検査として、超音波検査(乳腺エコー)は特に重要な役割を果たします。その理由を詳しく見ていきましょう。

超音波検査の最大の利点は、乳腺密度の影響を受けにくいという点です。超音波は音波を使って組織の境界を描出する技術であり、X線とは異なる原理で画像を作ります。そのため、マンモグラフィで白い乳腺組織に隠れてしまうような病変も、超音波では別の画像として区別して映し出すことができます。

特に腫瘤(しこり)状の乳がんの検出において、超音波検査は高濃度乳腺の方に有効です。これは腫瘤が超音波では境界のはっきりした低エコー域(暗い部分)として映ることが多く、周囲の乳腺組織との対比で識別しやすいためです。

日本で実施された大規模な研究(J-STARTなど)では、マンモグラフィに超音波検査を追加することで、特に高濃度乳腺を持つ女性においてがんの発見率が向上するという結果が示されています。この研究の成果は国内外で注目され、超音波検査を乳がん検診に組み込む動きが広がっています。

ただし、超音波検査にも限界があります。石灰化(がんや前がん病変に伴う石灰の沈着)は超音波では検出しにくく、マンモグラフィの方が優れているとされています。また、超音波検査は検者(検査を行う人)の技術や経験に依存する部分が大きく、施設や担当者によって検出精度が異なる場合があります。さらに、超音波検査では偽陽性の頻度が比較的高く、不必要な精密検査につながる可能性もあります。

こうした長所と短所を踏まえ、超音波検査はマンモグラフィの代替ではなく、補完的な検査として位置づけられています。特に高デンシティの方には、マンモグラフィと超音波検査を組み合わせた検診が推奨されることが多いです。

📌 MRIや最新技術によるデンシティへの対応

高濃度乳腺(高デンシティ)に対応するための検査技術は年々進化しています。MRIをはじめとする最新の検査法は、乳腺密度の影響を受けにくく、より精度の高い乳がん検出を可能にしています。

MRI(磁気共鳴画像法)は、強力な磁場と電磁波を使って体の内部を詳細に映し出す検査です。乳腺MRIでは造影剤を静脈注射し、がん組織が造影剤を多く取り込む性質を利用して病変を検出します。乳腺密度の高い方や遺伝的にリスクの高い方に対する検査として有用であり、感度(がんを正しく検出できる割合)が非常に高いとされています。

ただし乳腺MRIには課題もあります。検査費用が高額であること(保険適用外の場合が多い)、検査時間が30〜60分程度と長いこと、偽陽性率が高いことなどの問題点があります。このため、日常的な乳がん検診にMRIを使うことは現実的ではなく、高リスク群や精密検査が必要な場合に限定されることが多い状況です。

一方、トモシンセシス(3Dマンモグラフィ)は通常のマンモグラフィに近い検査時間と費用で、3次元的な画像を得られる技術です。X線管を動かしながら複数の角度で撮影を行い、コンピューターで3次元画像を再構成します。乳腺組織の重なりによるマスキング効果を軽減できるため、高濃度乳腺でも検出精度が向上するとされています。欧米では普及が進んでおり、日本でも導入施設が増えつつあります。

ABUS(自動乳腺超音波断層撮影)は、自動化された超音波装置を使って乳房全体を標準化された方法でスキャンする技術です。手動の超音波検査に比べて検者依存性が低く、再現性が高いのが特徴です。高濃度乳腺の女性に対するスクリーニングへの応用が研究されています。

AI(人工知能)を活用した画像解析も注目されています。AIを使ってマンモグラフィや超音波の画像を解析することで、人間の目では見落としやすい微細な変化を検出したり、乳腺密度を自動的かつ客観的に評価したりする技術が実用化されてきています。将来的にはAIの活用によって、高濃度乳腺における検診精度がさらに向上することが期待されています。

Q. 高濃度乳腺と言われたらどんな検査を受けるべきですか?

高濃度乳腺の場合、マンモグラフィに加えて超音波検査(エコー)を組み合わせることが有効です。超音波検査は乳腺密度の影響を受けにくく、腫瘤性病変の検出に優れています。遺伝的リスクが高い方にはMRIが推奨される場合もあります。アイシークリニックでは個別の検診プランをご提案しています。

✨ デンシティに関する日本と海外の現状

乳腺密度(デンシティ)に関する情報開示や対策については、日本と海外(特に欧米)で現状が大きく異なります。この違いを理解することは、日本で乳がん検診を受ける方にとって重要な情報となります。

アメリカでは2023年に、連邦食品医薬品局(FDA)が新しい規則を制定し、マンモグラフィを受けたすべての女性に対して乳腺密度の情報を通知することを義務付けました。これにより、検診結果の通知書には乳腺密度の分類と、高濃度乳腺の場合はその意味(マンモグラフィでの検出が難しい可能性があること、および乳がんリスクが高まる可能性があること)が記載されます。また多くの州では独自の法律でこの開示を以前から義務付けており、必要に応じて追加検査を受けることを推奨しています。

ヨーロッパでもイギリス、スウェーデン、オランダなどの国々で乳腺密度に基づいたリスク評価や追加検査の導入が進んでいます。EU全体としても、乳腺密度を考慮した個別化乳がん検診の方向性が示されています。

一方、日本においては、乳腺密度の情報開示を義務付ける法律や公式ガイドラインはまだ整備されていません。乳がん検診の指針としては、40歳以上の女性に対するマンモグラフィ検診が推奨されていますが、乳腺密度の評価や情報提供については施設によって対応が異なるのが現状です。

ただし、日本でも乳腺密度への関心は高まっています。日本乳がん検診精度管理中央機構や日本乳癌学会などでは、乳腺密度の評価や情報提供に関する議論が進められており、将来的には欧米に近い形での制度整備が期待されています。また、医療機関によっては検診結果に乳腺密度の情報を記載したり、高濃度乳腺の場合に追加検査を案内したりするところも増えてきています。

現在の日本では、乳腺密度について積極的に知ろうとする姿勢が重要です。検診結果を受け取った際に「自分の乳腺密度はどのくらいか」「追加検査が必要かどうか」について、医療機関で確認することをおすすめします。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「乳腺密度(デンシティ)について「高濃度乳腺と言われたけれど、どういう意味か分からなくて不安だった」とおっしゃる患者様が多く、検診後のご相談を受ける機会が増えています。乳腺密度はあくまで乳房の構造的な特徴のひとつであり、高濃度乳腺だからといって必ずしも乳がんになるわけではありませんが、マンモグラフィでの発見が難しくなる場合があるため、超音波検査との組み合わせを含めた個別の検診プランをご提案することが大切だと考えています。ご自身の乳腺密度について少しでも気になることがあれば、早めのご受診をおすすめいたします。」

🔍 よくある質問

デンシティ(乳腺密度)とは何ですか?

デンシティとは、乳房全体に占める乳腺組織の割合のことです。マンモグラフィ画像で白く映る乳腺組織が多いほど「高デンシティ(高濃度乳腺)」と判定されます。年齢やホルモンバランス、遺伝などによって変化し、一般的に若い女性ほど高い傾向があります。

高濃度乳腺だと乳がんのリスクは上がりますか?

複数の研究によると、乳腺密度が最も高い女性(カテゴリーD)は、最も低い女性(カテゴリーA)と比べて乳がん発症リスクが4〜6倍高いと報告されています。ただし高濃度乳腺は病気ではなく、必ずしも乳がんになるわけではありません。リスクを正しく理解し、定期検診を継続することが重要です。

マンモグラフィで高濃度乳腺のがんは見つかりにくいのですか?

はい。高濃度乳腺ではマンモグラフィ画像全体が白く映るため、白いがん組織が乳腺組織に紛れて見えにくくなる「マスキング効果」が生じます。高濃度乳腺の場合、マンモグラフィの感度は50〜65%程度にとどまるという報告もあり、超音波検査などの追加検査を組み合わせることが推奨されます。

高濃度乳腺と言われたら、どんな追加検査を受けるべきですか?

最もよく行われる追加検査は超音波検査(エコー)です。乳腺密度の影響を受けにくく、マンモグラフィでは見えにくい腫瘤性病変の検出に優れています。遺伝的リスクが高い方にはMRIが有用な場合もあります。当院では乳腺密度の程度やリスク因子に応じた個別の検診プランをご提案しています。

乳腺密度は生活習慣で改善できますか?

乳腺密度は主に遺伝や年齢で決まるため、完全にコントロールすることは難しいとされています。ただし、適切な体重管理・節度ある飲酒・禁煙・定期的な運動は乳がんリスク全体を下げるうえで有効です。また、ホルモン補充療法中は乳腺密度が上がる場合があるため、担当医に相談することをおすすめします。

💪 デンシティが高い方へのアドバイスとまとめ

乳腺密度(デンシティ)が高いと判定された場合、多くの方が「これからどうすればいいのか」と不安に感じるかもしれません。しかし、高濃度乳腺であることは病気ではなく、単に乳房の構造的な特徴のひとつです。適切な対応をとることで、乳がんを早期に発見する可能性を高めることができます。

まず最も重要なのは、定期的な検診を継続することです。高濃度乳腺であってもマンモグラフィは意義のある検査であり、特に石灰化の検出には欠かせません。定期的な検診を欠かさないことが、乳がんの早期発見につながります。

次に、担当医と相談のうえで超音波検査などの追加検査を検討することが大切です。高濃度乳腺の場合、マンモグラフィだけでは検出しにくいがんが存在する可能性があるため、超音波検査を併用することで検診の網の目を細かくすることができます。特に家族歴がある方や、その他のリスク因子を持つ方は積極的に相談してみてください。

乳腺密度はある程度は遺伝的に決まるものであり、完全にコントロールできるものではありませんが、一部は生活習慣によっても影響を受けます。適切な体重管理(肥満の是正)、節度ある飲酒、禁煙、定期的な運動などは、乳がん全体のリスクを下げるうえで有効とされています。ホルモン補充療法を行っている方は、乳腺密度が上がる可能性があることも覚えておくとよいでしょう。

また、乳房の自己検診も日常的に行うことをおすすめします。毎月一定の時期に自分で乳房を触れて変化を確認する習慣をつけることで、検診と検診の合間に生じた変化に気づきやすくなります。ただし自己検診は精度の点で限界があるため、あくまでも補助的な手段として位置づけてください。

最後に、乳腺密度の情報は自分の体を知るための大切な情報のひとつです。「デンシティが高い」「高濃度乳腺である」という情報を怖がるのではなく、より積極的に検診に取り組むためのモチベーションとして活用してください。乳腺専門のクリニックや医療機関では、乳腺密度に基づいた個別の検診プランを相談することができます。気になる方はぜひ一度、乳腺専門の医師に相談することをおすすめします。

🎯 まとめ

デンシティ(乳腺密度)は、乳がん検診において非常に重要な概念です。この記事では、デンシティの基本的な意味から分類方法、乳がん検診への影響、高濃度乳腺と乳がんリスクの関係、マンモグラフィの限界、追加検査の種類と特徴、そして日本と海外の現状まで、幅広く解説しました。

乳腺密度が高い(高デンシティ)場合、マンモグラフィでのがん検出が難しくなる「マスキング効果」が生じるほか、乳がん発症リスク自体も高まることが知られています。そのため、高濃度乳腺と判定された方は、マンモグラフィに超音波検査を組み合わせるなど、個人の状況に応じた検診方法を選択することが大切です。

日本ではまだ乳腺密度の情報開示が法的に義務付けられていませんが、医療技術の進歩とともに個別化された乳がん検診が広まりつつあります。自分の乳腺密度を知り、その情報をもとに適切な検診を受けることが、乳がんの早期発見・早期治療につながります。乳腺密度について不安や疑問がある方は、ぜひ乳腺専門の医療機関に相談することをおすすめします。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 乳がん検診に関する指針・推奨事項(40歳以上女性へのマンモグラフィ検診の推奨、検診精度管理に関する情報)
  • PubMed – 乳腺密度とマンモグラフィ感度・乳がん発症リスクの関係に関する国際的な査読済み研究論文(J-STARTを含む大規模研究の原著論文)
  • WHO(世界保健機関) – 乳がんの世界的な疫学データ、リスク因子、検診に関する国際的な推奨事項および乳腺密度を含むリスク評価の基礎情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
PAGE TOP
電話予約
0120-226-002
1分で入力完了
簡単Web予約
LINE
運営:医療法人社団鉄結会